12/16/2012

[note] Shooting paradise America

Tragedy? It may be a bad joke. You all must know it's mere consequence of their social structure. Same sort of shootings happened too many times, but they refused to change laws, on their own will. So, yesterday's shooting was the very nature of things. Not even surprise.

They may be in grief, but refuse to change again. Surely it's their rights. They have rights not to change. They choose to stay in the world of easy gunfight. So, such shooting must repeat again and again in the future. Freedom to kill, forever.

They can't blame others. It's their business, not others. Enjoy your own way, great USA.

12/03/2012

[note] ubuntu12.10お試し導入

Quantal Quetzal、量子的なカザリキヌバネドリさん。うーん。もはや全く意味不明なお名前のUbuntu最新版です。12.04LTSと比較して特段魅力のある点がなかったのでしばらく放置してたんですが、テスト位はしておくかという事でサプの一台だけアップグレードしてみたわけです。普通にupdate-managerからアップデート適用で。ちなみに32bit版です。

結果としてはすんなり成功。Unityの代わりに使っていたgnome-classicを入れ直す必要もなし。毎度アップデートの際に復活する邪魔な上下のパネルはこれまで同様/usr/share/gnome-session/sessions下のgnome-classic.session及びgnome-fallback.sessionの編集で消去。Launchyもそのまま使えますし、バージョンUPの影響自体殆ど感じられずで、喜ぶべきなのか無意味だったと嘆くべきなのかもよくわかりません。

一応万事つつがなく、というわけではなかったんですけれども。Unityパネルの代わりとして入れていたavant-window-navigatorが何故か使用不可になったんですね。アップデート中に強制削除で後からのインストールも不可。ビルドから手動でやればいいのかもしれませんが、それはさておき。元々起動関連の操作は殆どLaunchyで済ましてますから、実際のところそれ自体はさほど大きな問題でもないんですが、他に別段良くなった点がなかったためにマイナス点だけが残った格好で、どうにも損をした気分にさせられてしまったのは頂けません。百害、とも言えませんが、さりとて一利もなし。

ということで、いつもなら次はLooxU、と進むところなんですが、そちらは手持ちの時とか割とawnを使う事もあるのでそれがなくなるのは明らかにマイナスだし、一方メリットは何もないので適用見送り決定。サーバも。ということで非常につまらない結果に終わった今回のアップデートでした。

どうにもねえ。開発チームはあまりやることがないのか、お世辞にも評判がよろしくなく、改善も見られないUnityとその上のランチャ回りの拡張に何故か無駄にフォーカスを強めてる感があって、結構はっきりと不安を覚えます。元々ユーザが離れ気味なのに加えて今回は2D廃止3D強制でロースペックPCユーザ丸ごと切り捨てとかいう話でもあるし、どうにも雲行きがよろしくないですね。私はそもそも初手からUnity自体使わないので関係のない話だし、現状に致命的な問題があるわけでもないので別にいいんですけれども、Ubuntuプロジェクト自体が自滅してサポート打ち切り、とかそういう無責任な事にならないよう願いたいところです。

12/02/2012

[biz] インフラの安全に関する瑕疵、その遍在に

中央道笹子トンネルの崩落事故についてですが・・・。とても驚かされました。何にって、事故自体もそうですが、それ以上に、直前に実施されていたという検査の方法が目視だった、という話にです。

当然ながら目視では表面のみ、それも大まかな状態しかわからないわけですが、高速道路のような内部構造の比率が圧倒的に高い対象に対してのそれは、そもそも検査とは言えないでしょう。5年に一回という検査間隔の長さにも驚愕させられましたが、逆にそのような間隔で実施される、要であるはずの検査ですら目視のみというのでは、もはやそれは何もせず放置していたに等しいものと言わざるを得ません。

従って、本件による被害の責は、完全にNEXCO中日本の保全・保安義務懈怠に帰せられるのであって、当然に経営陣が業務上過失傷害致死に問われるべき事案であろうかと思われるところです。

しかしそういう法的な責任の問題はさして重要な話とも言えないでしょう。それよりも、本件によって明かになった事実すなわち、想像するのも苦痛ですが、一般の高速道路の保安、その前提たる検査基準が本件トンネルのそれに準ずるものであるだろうところ、全国のトンネル、また橋脚等も含めた殆どの構造物の検査状況も同様、従って未検査同然で放置されている劣化箇所がそれこそ山のようにあって、いつ何処が崩壊してもおかしくない状況だろう事が明らかになったわけで、その事実の方が遥に深刻と言うべきでしょう。このような状況が、命が失われる惨事に至るまで放置され続けた事自体、極めて残念な話です。

この二年、原発事故を巡って曝け出され、今以て利害関係者がその隠蔽に汲々としているところの、国内インフラの安全における体制・基準・運用の各々に渡る重大な瑕疵、それは道路においても同じであった、とそのように見てみれば、それはむしろ国内の公的事業体に共通する体質の帰結として当然の話ではあるんでしょう。これから泥縄的に全道路に対する非破壊・破壊両方による内部構造の検査確認および補修工事を行う事になるんでしょうけれども、原発のそれと違い、取り返しがつかない性質の話ではないだろう点だけが救いでしょうか。といって失われた命はその例外なのだし、救いというのも躊躇われますが。

11/28/2012

[biz law] プラズマクラスタ性能虚偽でシャープに排除命令

ようやく公のダメ出しが入りました。遅いですよ。容疑は景品表示法の虚偽表示による優良誤認で、そこに疑義の余地はないでしょう。統計的な性能実証が全くなされないまま、深刻なネタ切れに陥っていた国内各メーカー、それも代表的な大企業がこぞって夢のような効果があるものと喧伝し、多くの消費者を誤認させ割高な製品を購入させた、目を覆うばかりの技術詐欺事件にようやく歯止めがかけられた、という事で、諸手をあげて歓迎したいと思います。

当然ながら本件はシャープ一社の責に止まる話ではありませんので、片っ端から検挙のち十分な額の懲罰金を課して頂き、同様の似非技術詐欺発生の防止を図って頂きたく思うところです。もっとも本件は、パナソニックのナノイーしかり、マイナスイオンに端を発してそれこそ家電系のメーカーは多かれ少なかれ殆どが同様に手を染めているわけで、消費者庁だけでは到底手が回らない規模ではあろうかと思います。それでも、そうしてるうちに各社個別に消費者側から詐欺で損害賠償請求がなされる流れになるでしょうから、それまでは、という事で。各社は存分にその報いを受けるといいと思います。やれやれ。

シャープ掃除機に“表示性能ない”

11/22/2012

[pol] 維新の本末転倒な空洞化ぶりに絶望

もう目も当てられません。制度疲労の極みに至った自民党政権、その刷新を期待されながら前代未聞空前絶後の規模で完全に裏切り憎悪の的となった挙句自壊した民主党政権。二代続けて裏切られ、それでも再起を求める人々の期待を集めつつあった新勢力、その中核を担う維新の会ですが、選挙直前の今になって、目的も自身も完全に見失い完全にハリボテと化してしまった、ように見える惨状で、極めて残念です。

離合集散は政界の常だし、合併して代表が交代したから即失望ってわけでは必ずしもないんでしょうが、そうするなら少なくとも半年位、せめて三カ月程度は前にやっておくべきでした。その前後で主義主張、各種政策等中身の融和を図っていたならばまだしも、これまで好き勝手相反する内容の主張を繰り返しておきながら、そこでなされた各論的というか具体的な主張は全てささいな事だから切り捨てる、というのでは、これまでの活動が全て無に期すわけで、まさに個別の主張に共感し支持してきた人々を真逆に裏切るものであって、少なからぬ、おそらくは大半の支持者に深刻な不信と失望を感じさせたであろう事は想像に難くありません。

今回の選挙での主要な争点、すなわちエネルギー、国家安全保障、福祉、国営事業、財政等、それぞれ国民を二分三分する先鋭な対立のある問題に対し、その多くで反対の立場から悉く急峻的な主張を繰り返し、各々の主導的な立場でさえあった彼らが、この時期になって突如手を取り合い、新しい未来を、等と笑顔を見せたところで、全く具体性がなく、現実味もなく、ただ空しいものにしかなりえない、それはむしろ当然の帰結というべきでしょう。その上さらに元民主党、元自民党の残党、本来なら旧政権の一員として審判を受けるべき面々が臆面もなく合流し続ける姿、本来の目的たる国家運営に必要な組織構築を全て放棄し、権力の奪取だけを目的として、ハリボテの上にハリボテを重ねるような人集めに奔走する本末転倒な有様を見るにつけ、もはや政党としての体すら成していないものと思わざるを得ません。それでも、ある程度は個人の人気で支持もされるんでしょうけれど、それはおそらく前回の民主党にすら劣る、控えめに言っても無意味なものでしょうに。

本来、国民の希望するところは、広く国民に進むべき道を提示してその選択を促し、示される意志を反映し、代行する事で継続的に支持を受けて国家を機能させうる政府の実現であり、その責を担うに足る可能性を十分に持った代表者を見出す事だっただろうと思うのです。しかし、その候補となる筈だった維新が、その審判に望む以前に曝け出した惨状を見るにつけ、そのような希望を持つ事自体が非現実的だったのかと、深い絶望を抱かざるを得ないのです。

とはいえ、どんなに先行きが絶望的でも、国家運営は続けなければならないし、代表は選ばねばならず、そして民主主義国家の各市民としてはその選抜を行う義務があります。どの候補、どの陣営を支持するのか、あるいは支持しないのか、嫌でも決めなければなりません。例え全員に失望していようとも。まあ、身も蓋もなく言ってしまえば、結果としては消去法的に自民党政権、すなわち各方面でジリ貧な状況に戻る事になるんでしょうけれど。発展は到底期待出来ませんが、前政権の崖から落ちるような状況に比べれば、、、絶望よりは憂鬱な方がまし、ですか。

[note] cifs経由のsymbolic linkが突然stat不可に

なってしまいまして。これを前提に組んでいたプログラムが軒並みマウント先のsymbolic linkを辿れなくなって困りました。もう何年も運用してきたのに何故なんでしょう。いやこういう事態に全く経験がないわけではなくて、以前sambaでsymbolic linkのfollowオプションがデフォルトでnoに設定変更された時にも同じように困ったわけですけれども、当然その辺の設定は当時に対応済みなのだし、やはりわけがわかりません。勘弁してよもう。

ちなみにサーバーもクライアントもUbuntu(12.04LTS)。このところ12.10絡みなのか毎日のようにアップデートがあったし、その中でネットワークファイルシステム関連のモジュールの仕様変更がなされたのかもしれませんが、もしそうだとしたら、こういう基礎的な部分の仕様変更とか軽々しくしないで欲しい、と切に思う次第なのです。アップデートをホイホイ適用するのが悪いって話かもしれませんが、それにしてもセキュリティ上必要って言うから当ててるだけなのだし、安定運用させるためのアップデートで機能不全に陥るなど本末転倒甚だしいというものです。

まああまり付き合ってもいられませんから、cifsごとすっぱり諦めて、該当するフォルダを暫定的にsshfsに移行させて復活させましたけど、どうも遅い気がするのがなんとも。計測したわけじゃないし気のせいかもしれませんが、余計な作業をさせられた事も相俟って気分はとても悪いのです。12.10も何かますます迷惑な仕様変更ばかりが盛り沢山な様子で評判悪いし、そろそろ環境の見直しも考えなきゃならないのでしょうか。ああ面倒です。いけません。

10/30/2012

[note] 裁断機の刃こぼれ修復

書籍の電子化をするようになって早3年、スキャン前のバラしには定番の裁断機PK-513を使用していたのですが、千を優に越える酷使の結果、刃こぼれが深刻化して使用に耐えない状態に至ってしまいました。しかし使えないのは困ります。選択肢は3つ。買い換えるか、刃を交換するか、研ぐか。本体は言うに及ばず、交換用の替刃も割高に思われた事と、今後同様の状態になった場合の事も考慮して、刃研ぎに挑戦と相成ったわけです。

まずはバラします。その手順は簡単、まずカバーを外し、次に刃部とガワの間に張られている両側のスプリングを、それぞれレバーを回して緩めておいてから外します。あとこの時ついでに中央部のカッティング線用ライトのユニットも外しておきます。しかるのちにハンドル+刃部の両側のボルトを外して基盤部から分離。この時、カッティング線用ライトのコードにテンションがかからないように注意。そして、下側から刃ユニットを抜き出します。刃はガイドにボルトで留められているのでこれも外しますが、このボルト部は可動部につきグリスが塗られているのでここも注意。これで目的の刃が取り出せます。(下図)


さて、取り出した刃は下図の通り両側とも激しく欠けています。これは酷い。そりゃ切れなくもなるというものです。


これを研磨して直すわけです。研磨には小型の、水研ぎの出来るタイプの刃物研磨用電動グラインダを使用しました。見ての通り刃こぼれが非常に激しいので、まず粗砥石で大きな凹凸が無くなる所まで大きく全体を削り、次いで中位の砥石に交換して鋭利に、と段階を踏む必要があります。あとは根気。ひたすら丁寧に・・・とわかってはいたのですが、ここまで大きく欠けた刃の切断面をフラットかつシャープに、それも人手で研ぎ直すのは、やはり非常に大変でした。長さも厚みも結構ありますから、全体を一気に削るわけにもいかず、部分毎に削っては当て木等で偏りや鋭さの確認、の繰り返し。もういいかな、と思って組み直して試し切りしてみると切れない所がちょいちょい残ったりするわけで、途中で挫けそうにもなって。それでも根気強く研磨し続け、何とかそれなりに切れる状態にまで持っていけた結果が下図。


削った跡が激しく残っていて見た目はよくないのですが、刃の偏り等は十分に小さく、また鋭さもそれなりに出来たようで、下図のように薄い紙もスパッと切れます。


正直安堵。苦労した甲斐があったというものです。めでたし。しかし専門の刃物屋さんなら数千円で、それも比較にならない位に綺麗に仕上げてくれるんでしょうから、素直にそちらに依頼した方が良い話なのかもしれませんね。まあ折角やり方を覚えたんだから、次の機会、といってもだいぶ先の話になるでしょうけれども、その時にはもうすこし上手くやるとしましょう。というわけで今回はこれでおしまい。

10/20/2012

[biz] ネットオフ顧客情報漏洩

旧eブックオフの頃からちょくちょく利用させて頂いていた、中古書籍等の通販サービス大手のnetoff、今日の午前に何気なく本を探しにアクセスしてみたらサービス停止のお知らせが表示されまして。えー、と思って確認してみたら、でこの程遂に不正アクセスによる顧客情報流出が発生したとの事。現在(10/20AM)時点で全サービスが停止中、とそれは当然でいいんですが、情報が全然出てこないのでとても不安です。

一部には、漏洩の対象は携帯サイト経由でクレジット取引を行った顧客との情報もあって、であれば私個人は一般のPC向けサイト経由につき範囲外でセーフなわけですが、今の時点でそれを信じるわけにもいきません。アクセスされたサーバ上の情報はクレジットカードの番号とセキュリティコードも含むんだそうで、これはJCB等で告知が出てるので確定なんでしょうが、毎度の事とはいえ後始末が面倒でやはり困りますね。補償はあるのかな。単体では体力的に無理でしょうけど、親会社のC.C.Cとかブックオフ-DNPあたりに泣きつけばある程度はあるかも。といってもまずは漏洩範囲を早急に確定して広報して頂きたいところです。

「ネットオフ」で個人情報流出か

続報では、被害が確認されているのは携帯経由のケースのみとの事で。ご愁傷様です。しかし問題の不正アクセスの期間は殆ど年単位で、発覚の経緯も実際のクレカの不正使用に関する顧客並びに信販会社からの問い合わせだっていうのだから恐ろしい。管理責任は非常に重いし、これは致命傷になっても不思議はない感じですね。

8/31/2012

[note] Harvardで100人超の不正レポート発覚

その規模は少なくとも学部生100人以上、おそらく250人程度と前代未聞。具体的な容疑は類似のレポートが大量に見つかったという事だそうで。またベタな。。。正確には、'end-of-year take-home exams during the summer'だから、単なるレポートではなく、日本で言う所の期末試験の答案って事ですが、進学卒業が困難と言われる米大学における進学判定の、まさにその関門ってわけですね。学位の正当性を崩壊させる類の重大な不正である事に疑いの余地はなく、しかも米のみならず世界一の権威とも言われるHarvardのそれでのとあっては洒落になりません。

大学側で事実が認定されれば当該行為を行った学生は一年間の停学処分になる、との事だそうですが、軽すぎるような気もします。もっとも、take-homeすなわち宿題型の時点で代理作成等は容易で他にも未発覚の事例が多数あるだろうと予想しているから、それとの衡平を考慮して偶々発覚しただけの本件にも比較的寛容、とかいう事情なのかもしれません。でもそういう事言い出したら大学の存在自体何もかもがおしまいになってしまうわけですけれども。

何にせよ、自業自得です。Harvard卒の肩書きも、中身が無ければ無意味、ていうか社会的には詐欺になるわけで、本末転倒も甚だしい話、これも米で特に強い権威主義や利益至上主義の弊害なんでしょうか。そういう傾向自体は米国に限られるものではありませんが、残念な話です。

Harvard Is Investigating 125 Undergrads In Massive Cheating Scandal

8/21/2012

[note] 外付Thinkpadキーボード55Y9024購入

先日のリニューアルに伴いノートPCへの搭載が廃止されてしまった旧Thinkpadキーボードですが、周辺機器としての外付けUSBキーボードはまだ従来の構造のまま、しかし遠からず廃番になる可能性が高い、そしてたまたまセールで値引き中、と言うことで気がついた時には既に購入と相成っていたわけです。日本語版。


 
そのタッチは紛うこと無く伝統のThinkpadkeyboard、アイソレーション型の新版とはやはり全くの別物です。メインで繋げるPCはUbuntuですが、トラックポイントやボリュームコントロール等も即動作しましたし、その良質なタッチと合わせ、快適そのものなのであります。こういう、時間をかけて練り上げられたインタフェースには、やはり他を以って容易に代え難いものを感じますね。触れば触るほどやはり惜しまれるわけで、快適なタッチを愉しみつつ、廃番にならない事を祈る次第なのです。ていうかノートの方も元に戻して欲しいんですけれども・・・。無理なんでしょうねえ。

[関連記事 [IT] LenovoがThinkpadキーボードを全面変更 ]


8/16/2012

[law] 科捜研で証拠捏造発覚

警官や検事による証拠捏造自体は珍しくもない昨今と言えども、科捜研までがとは、司法の事実立証システムはもう基礎から崩壊しているものと言うべきところでしょうか。少なくとも、社会的にそう看做される事は必至です。

今回発覚したのは化学的鑑定を行う部門での鑑定結果流用すなわち捏造、流用出来る位に定型的な証拠というとやはり轢き逃げ事案の塗料や薬物あたりが中心なんでしょうけれども、言うまでもなく、そんな事をしたら形式的にも実質的にも証拠隠滅そして捜査また裁判の妨害になり、回数は調査中につき不明ですが取り返しの付かない被害も相当に発生してしまっているものと強く推測されるわけで。

しかし不可解な話です。科捜研の研究員ともなれば知見も十分、客観性の高い鑑定処理にあって捏造を行えば第三者の検証によって容易に露見する事は予測出来た筈だし、その行為の結果に考えが及ばない筈もなかったでしょうに、何故そんな愚かな事をしたのか、繰り返すようになってしまったのか。ノルマや捜査員等からの圧力といった組織的な要因によるのか、単なる手抜きといった個人的な要因によるものなのか。さらに他研究員に同種の犯罪はあるのかないのか。早急な原因及び実態の究明のち厳重な刑罰の適用が望まれるところです。

科捜研職員、過去書類で鑑定書くり返し捏造か

8/15/2012

[pol law] 尖閣・魚釣島上陸の中国人逮捕

尖閣諸島・魚釣島に上陸した香港所在の民間活動家7名の内5名が沖縄県警により入管法違反容疑で逮捕された件、その原因たる領土問題の状況、構造自体には実質的にさほどの影響もないんでしょうけれども、これを切掛に類似の行為が増加する可能性が高く思われる事、またそれに応じて対応手段も過激化し、双方に深刻な被害が発生する可能性も高まるだろう、その意味で非常に残念な結果と言うべきもののように思われます。

海上保安庁の対応としては、勿論上陸を許した過失は小さくなく広い方面からの非難は避け難いでしょうけれども、上陸後の逮捕というのは入管法により容疑者を起訴のち刑罰に服せしめる事が出来るのですから、単に妨害のち帰還させるのに比べて抑止効果は高くなる筈だし結果としては必ずしも悪いものとも言えないでしょう。法定刑は入管法第七十条により3年以下の懲役もしくは300万以下の罰金、悪質につき執行猶予はつけるべきではない事案、公平に処分されれば2年程度か、相当に重いものになるでしょうから、実際の社会的なインパクトもそれなりに期待出来そうです。それが過激化に対する歯止めになってくれればいいのですが。

もっとも、これから以前の衝突事件のように政治的措置により不起訴処分のち送還などという事にならなければ、ですけれども。早速中国外務省からは何やら要請が入った様子ですし、現政権が衝突事件の時と同じアレですから、おそらくはまた同じ様に処理しようとするんでしょうけれども、流石に今回は相当に世論の反発を受けるでしょうし、さてどうなることやら。

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さらに9名逮捕、こちらも同じく入管法違反容疑ただし前者が不法上陸に対しこちらは不法入国。実質殆ど差は無いようにも思われますが、量刑に違いはあるのかどうか、少々気になるところではあります。

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何か、余罪が無いから起訴出来ず送還、というような話が大っぴらに流れていますね。これは入管法第六十五条の入国警備官引渡規程を念頭に置いた話なんでしょうけれども、本条は引渡すことができる、とする任意規程なのだから、不起訴処分とする根拠にはなり得ないのに何故そんな話になってるんでしょうか。しかも公務執行妨害も器物損壊も共に疑われる行為があった事が明白にも関わらず。メディアは多分に条文を正確に認識していないか知ってあえてミスリードを狙っているのかのどちらかなんでしょうけれども、県警、検察、入管の三者ともが端からその線で動いている様子なのは全く以て不自然と言わざるを得ません。そのように処理するよう予め政府側から指示があったんでしょうけれども、正当な法の執行がなされない事には遺憾な限りです。

8/10/2012

[biz] オリンパス自己資本半減2.2%

2012年度Q1は44億の赤字となり、自己資本比率は2012年3月末の4.6%からさらに半減して2.2%。早ければ上期末にも債務超過に転落しかねない瀬戸際まで追い込まれてしまいました。

ここに至ってはオリンパスも年貢の納め時、パナが撤退し、ソニー、テルモ、フジフィルムの三つ巴となった争奪戦もようやく終わりが見えてきたように思われます。しかし、出資価額は既存株主との調整のため株価が基準とされるところ、売り抜けを目論む投機筋の動きによって完全に資本と乖離してしまった市場価額がネックになりそうです。PBRがもう意味を成していませんもんね。

一株あたりの価額決定に際して、既存株主は市場価額を基準にするだろう一方、これから出資する側は当然一株あたりの資本額を基準にするだろうところ、ここまで両者の乖離が激しいとその調整は相当に困難でしょう。一旦破綻させて現株主を排除した後に改めて出資なり事業毎に切り売りなりすべき事案のようにも思われるところですが、争奪戦に伴う価格吊り上げの効果も相当にあるでしょうし、何処かがうっかり超割高な株価基準での出資を強行しちゃって後で大爆死したりするんでしょうか。往年のソニーならいざ知らず、その他2社もそんなプレミアムまで払う余裕なんてない筈なんですけれども、奪い合いというのは人の判断を極端に偏らせますから油断なりません。さてどうなることやら。

オリンパス6月末の自己資本比率は2.2%に低下、円高進行で

[関連記事 [biz] オリンパスもリストラ、7%2500人 ]

8/08/2012

[biz law] 沖電気海外子会社で損失隠し

また暫く大人しくしてたと思ったら。沖電気のSpain子会社Oki Systems Ibericaでプリンタの売上債権を水増しする粉飾があったんだそうで。舞台が経済危機の中心地Spainなのは必然なのかどうなのか、海外子会社が本体の損失隠しに多用される昨今ですが、本粉飾の詳細は未公表につき現時点で本体の関与有無等は不明。しかし、その額は判明分だけで少なくとも80億程度と、オリンパスの件等と比べれば小さいものの、現在の沖の資本状況、またもとより縮小し続ける事業規模からすれば小さいとは到底言えないものです。
  
とはいえ、本件がIberica単体の不祥事に止まるのであれば、本体の資本の毀損は致命的とまでは行きませんから、OKIグループとして直ちに経営危機に直面する事もないでしょう。ただ、これから当然本体の関連やその他関係会社での同様事例の有無が調査される筈で、その過程で波及が確認されたりするのであれば別でしょうけれども。ここ数年、経済縮小の流れに伴って粉飾が発生しやすい環境にあったわけだし、オリンパス等の悪しき前例もありますから、まさか、とは思いつつも、そのあたりの懐疑的な見方も拭い難いところです。残念な事ですけれども。

 Oki Electric says finds accounting misdeeds at Spain unit

8/07/2012

[biz] 東証でシステム障害、デリバティブ取引全面停止

TOPIX先物とか全部止まっちゃいました。一時間以上経った今も未だ原因不明。不明とは言ってもベンダは富士通だし、最近の傾向からすればハードの障害な可能性が高そうにも思われますけど、さて。もう二度とない、って言ってたのにもう何回目か、数える気にもなりません。

東証、全派生商品の取引停止を発表 システム障害

と思ってたら再開。しかし原因は不明。なんなんでしょう。

東証、派生商品取引を再開 システム復旧 

今回止まったデリバティブ取引システムのTDex+ってベースがNYSE Liffe製だったんですね。と言う事は、東証と実担当の富士通がその中身を把握していないから、止まった原因が分からないって事なんでしょうか。そうであればなおさら恐ろしい話なんですけども。

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東証曰く原因は、証券会社との間の通信機器、すなわちルーターの故障、かつ予備への自動切替不能ですか。最近良く聞きますねそういうの。手動切替で復旧はしたのだから、二重化の意味がないとまでは言いませんけど、お粗末な話です。

[law] パキスタンの法廷で被告妻が弟に銃殺

これはまた・・・。当該法廷での被告はZulfiqar Sehto、殺されたのは妻のRaheela Sehtoで、二人は妻の家族の同意を得ない結婚をし、妻が家族に連れ戻されたために略取を訴えたところ、逆に妻家族から捏造として訴追されていた、その法廷で妻家族のうち弟Javed Iqbal Shaikhが被告妻(姉)の頭側部を銃撃し殺害したとのこと。これだけでもう無茶苦茶な話ですが、さらに驚くべき事には殺害犯たるJavedは弁護士だっていうのです。

当然Javedはその場で逮捕され、共犯4名も逮捕されたそうですが、反省後悔の情は殆ど見せず、曰く家族の名誉を汚され自失した、等と供述しているとのこと。そもそも凶器の銃を法廷に持ち込めた理由については、彼が特に威圧的で粗暴な弁護士として悪名高かったために、入廷前のチェックを拒否出来たからと。

先日のイギリスでの娘殺害の件といい、このところパキスタン人の無法な女性殺害が横行する現状が注目を浴びていますが、本件はとりわけその異常性、人権以前に法の概念そのものが存在しない未開地域、無法社会の理不尽さが際立って見られます。確認してみれば、パキスタンでのいわゆる名誉殺人による女性の殺害件数は2011年に確認されているだけでも約1000件にも上るのだとか。

無論、通常の法概念を持つ他の社会からすれば到底容認し難い状況であって、各方面からとりわけ強い非難もなされているようです。しかし、そもそも公法、成文法とそれに基づく司法自体が事実上形骸的なものに過ぎず、とりわけ結婚制度に関連する社会弱者の人権を保護する仕組み自体が存在しない社会構造、そこにこの異常性の基礎があって、各個人がそれが正しいと信じ込んでしまっている以上は、如何に非難が集まろうとも改善が望めよう筈もないし、人自体が入れ替わらない限りはこの状況は続いてしまうのでしょう。極めて無念な事ですが。

とはいえ流石に目に余る恰好になってきてはいますし、無法状態の改善を強制する動きが出てきて然るべきようにも思われるところです。何よりも必要なのは第一に被害女性を早期に保護するシステムの導入、また同時に司法の公平運用を強制する規制の追加とその厳格な運用、その2点に集約されるように思われます。その実現のためには、まずパキスタン政府と司法関係者の入れ替えが必要になる筈ですが、それにすらいつまでかかるのか、その可能性がどの程度存在するのか、想像するだけで絶望的な心持ちになってしまうのです。そもそもこういう無法状態はパキスタンに限らず多くのイスラム圏や現旧共産圏に共通する話なのですし、亡命制度の拡大運用とかででもないと対処出来ないんじゃないかとも思われるわけですが・・・。

A Pakistani Woman Was Shot Dead In Court By Her Brother For Dishonoring The Family

8/04/2012

[biz] hong-hiがシャープ出資契約無効を主張

前期の超絶赤字に続いて四半期で自己資本の半分近い損失を計上し、事業の見通しもお先真っ暗、Like a rolling stone的な転落一直線の最中にあるSHARPですが、悪い事というのは連鎖するもので、株価の急落を受けて、ほぼ唯一の救いの手であった筈のhong-hiが出資契約の無効を主張し出したんだそうで。

そりゃ出資予定額の三分の一近くまで株価が落ちているのだから、未履行でもあるし出来れば見直しをしたくなるのは無理からぬところで。一方のSHARPは無効合意を否定しているとの事で、これまた当然の態度ではあります。只でさえ資本が枯渇しつつあるところに増資も無しとなっては洒落になりませんからね。そして法的な話をすれば、契約自体は成立していた筈ですから、本件についてはSHARP側の主張が正しく、hong-hi側には当該価額での出資義務があるのは明らかなところで、本来一義的にはhong-hiの債務不履行が非難されるべき話のように思われます。

しかしそうは言っても、SHARP側は深刻な経営危機にあって救済を乞う立場、しかも独立維持のためにhong-hiとの関係を拗らせるわけにはいかないという大きな弱みがあるわけで。出資を減らすわけにはいかない、一方でhong-hiの逆恨みを買うわけにもいかないし撤退されるのも論外と、真っ向から矛盾する制約の間で進退極まった恰好で、非常に厳しい立場に追い込まれてしまいました。

 今後の行く先については、仮にhong-hiの出資が履行されたとしても、それ以上の損失があってさらに増資が必要な状況には変わりなく、かつhong-hi以外の有力な出資候補が見当たらない以上は、どちらに転んでもhong-hiに吸収される可能性が極めて高いんでしょうが、さてどういう経路を辿るか。あるいは可能性は低いけれども、リストラに成功して規模を縮小しつつも自主存続に成功するのか。非常に興味深いケースで目が離せません。もっとも嫌でもニュースが目に入ってくるわけですけれども。さてさて。

まあそもそもの話をすれば、hong-hiがその利益を最大化する動きを取ればSHARPにとっては悪意側に動く可能性が高かった事は明白だったのに、それを甘く見たというか自分に都合良く解釈して縋った時点でもう詰んでいたんでしょうけれど。行き着くべき所に行き着いた、それが少々早かったというだけの話なんでしょう。哀れなものです。

[過去記事 [biz] シャープ2012年度Q1赤字1000億の観測 ]
[関連記事 [biz] Sharpが生産・研究開発900人を営業等へ転換]
[過去記事 [biz] Sharpも業績不振で一般社員2%減給 ]
[過去記事 [biz] シャープがhong-hi傘下へ ]

8/02/2012

[note] 佐川が隣家に誤配の上不在伝票放置

個人的な話ですけれども。ある大型機材を通販で購入し、佐川急便が配送業者になって昨日配送予定だったわけですよ。こちらは当然搬入設置等の予定も組んで待っていたわけですが、一向に来ない。遅くなる事も以前に何度かあったから今回もそれかと思っていたら結局来ず、午後9時頃に電話が。佐川から確認の電話かと思ったらさにあらず隣家から。夜分遅くに何かと訝しみつつ話を聞くと、先程帰宅してみると当方宛荷物の不在伝票が投函されていた、との事だったわけです。

遺憾の旨速攻抗議、と思っても配達店は受付時間ギリギリ過ぎたからか電話にも出ないし、噴飯やる方なくHP受付から記名で経緯を説明の上、至急の再配達と隣家への謝罪を要求したわけですが、翌日の午前9時半を過ぎてもまだ何の連絡もありません。おのれこの恨みは忘れんからな畜生、と流石に今回は怒りが収まらないのです。

だって、今回は隣家が親切な方で、かつ昨日の内に帰宅の上夜半にも関わらず連絡の労を取って頂けたからまだそれ以上の問題にはなりませんでしたが、そうでなければどうなっていたと思うんですかと。そもそも当方にも予定があって、機材の受領、また届いた後の段取りもしていた、それが無駄になって、引き直しを余儀なくされたわけでね。返す返すも腹立たしい限りです。

何にせよ、当方のみの話ならばまだしも隣家を巻き込んだ事については立場上も到底容認出来ませんから、少なくとも隣家への謝罪と再発防止の確約だけは絶対にして頂かないと。しかしまだ連絡もないんですよね。ああもうイライラする。

7/26/2012

[biz] docomoスマホメルアド変更で他人のアドレスが変更されるバグ

ドコモのスマホ用サービスSPモードのメールアドレス変更機能を使うと他人のメールアドレスが変更対象になる不具合が発生、数時間に渡って継続した挙句、数百件ものアドレスが勝手に変更されてしまったんだとか。なんでそんなことになるんですか、と言いたくなる信じ難いバグです。

しかし個人的には、バグそのものよりも、一応パスワードが一致しなければ編集は不可であるのにも関わらず数百も実際に変更されるケースが発生したという事実の方が驚きです。4桁数字のパスワードがランダムとすれば、母集団であるところの当該期間中のメルアド変更者数は実変更件数の10000倍になるから、数百万人も変更が行おうとした事になるわけで。当該状態の継続期間は25日のAM1:41~AM9:14だからおよそ7時間半、大半が深夜にかかる事を考慮すれば、実質朝の数時間でそんなに変更者があるものなんでしょうか、と。

それは俄に信じ難い話です。であればおそらく仮定が間違っているだろうわけで、すなわちパスワードのランダムネスは思ったより低いって事なんでしょう。例えば生年月日なら10000倍が一気に365倍、約1/30に減るわけですから。それでも10万件レベルで、まだ多い気もしますけれど、無いこともない水準と言えそうです。

と言って、数字を理解出来た気になれたところで、一致率が非常に高い結果に変わりはないわけですけれども。統計的にはセキュリティの体を成していないものと言わざるを得ない酷いレベルで、改めて寒気がしますね。利便性やらメモ不要で覚えられるものでなければならない制約があるにせよ、少しは何とかすべきではないかと思います。しかしどうしたもんでしょう。生体認証は利便性が犠牲になる上にネット経由では事実上使えませんし。うーん。

あと、瑣末な事ですけど、下記報道記事の題名はミスリードだと思います。てっきり外部からハックされたのかと思いましたよもう。

ドコモスマホ、メアドを勝手に変えられる被害 400件

7/25/2012

[biz] 東芝がNANDフラッシュメモリ3割減産

んんん。東芝が主力のNANDフラッシュメモリの在庫圧縮とそれに伴う単価上昇を狙って四日市工場の稼働率を3割も下げるんだとか。これはどういう事なんでしょう。いや、在庫圧縮については何も問題ないんですが、価格上昇ってのは意味が分かりません。

だってこれ東芝単独の話でしょう?もちろん東芝が自社製品の単価を上げる分には自由ですが、シェアが圧倒的なわけでなし、他社が追従しなければ価格競争力が落ちて売れなくなるだけの話です。しかるに、Samsung、あとエルピーダ買収で生産力に余剰の出るMicronあたりは逆に嬉々として増産し、その効果で逆に価格を下げて東芝のシェアを奪いにかかる可能性の方が高そうに思われるわけですが、それがどういうわけで価格上昇を狙うなんて話になってるんでしょうね。あるいは談合?東芝も既に色々痛い目見てるんだし、まさかとは思いますけれども。

やはりよくわかりません。事実価格上昇の可能性が高い、と見るよりは、ここ数年電気業界で繰り返されたところと同じく、単に独り善がりな願望を戦略や予想と称して発表しているだけ、と見る方がまだ妥当なようにも思われるところですが、さて。結果は遠からず明らかになる事でしょうし、期待せずに待ちますかね。

東芝、フラッシュメモリー3割減産を発表

7/24/2012

[pol] MV22オスプレイ輸送機配備の反対活動に

本件に関しては、純軍事的な面から社会的な面まで至る所で議論がなされていますから、今更軍事方面の事情に疎い一般人であるところの私に何か言うべき事がある筈もないわけですけれども。どうにも違和感が拭えないのですね。どうしてこんなに社会問題化しているのか。

事自体は、要するに輸送ヘリを新機種にリプレースしようというだけの瑣末な話です。それに対し、当該機種の事故率の高さ、それによる市街地への被害を懸念するという建前で反対意見が配備予定地の近隣を中心に強まっている恰好です。しかし、問題の事故率を確認してみると、旧来の輸送ヘリと比較してもさほど変わらないようなのですね。であれば、輸送ヘリが危険、もしくは軍事基地自体が危険につき廃止すべきであって、その一要素としての新機種導入にも当然反対、というのなら理解できようものですが、現状の設備等は容認しながらというのでは、全く以て筋が通らないものと言わざるを得ません。とりわけ米軍としては理解し難いところでしょう。もとより軍用機に絶対的な安全などあり得ないのですから。

もっとも、民主党政権下における米軍基地を巡るこれまでの経緯、殊に普天間基地を移転廃止する方針を立てながら平然と手のひらを返し、結果現在の地元における基地廃止論への傾倒を招いた事情からすれば、この上さらに基地存続を規定路線として新機種の導入を図る日本政府と米軍双方に対する地元の感情、不信は、敵に対するそれに類する水準にまで至っているだろうわけで、現状維持すらもはや論外という事なのかもしれない、とも思います。ただ、もしそうであるならば、単にオスプレイ導入を云々するのではなく、基地並びに米軍の駐留廃止そのもの直接主張すべきだろうと思いますし、仮に経済的な事情などからそこまで踏み込みたくはない、等というのであれば、それは正当な主張とは到底言えないし、逆に非難されてしかるべきところだろうとも思うのです。

[biz] シャープ2012年度Q1赤字1000億の観測

の旨報道がありました。併せて数千人規模のリストラも検討中なんだそうで。うひー。前年度あれだけの赤字を出し、既にリストラも給与削減も実施しておきながら、均衡するどころかさらに赤が増える、しかも四半期だけでこの額とか、どうなっちゃってんでしょう。いやまあ、テレビ関連市場は既に焼け野原だし、ソーラーパネルもバブルが崩壊して米中ともに倒産続出な総崩れ、加えて頼みの綱になる筈だった中小型液晶も殆どの競合社が殺到しあっという間に供給過剰になって沈没、と冷静に見ればまさに絶体絶命な状況なわけで、不自然でも何でもない結果なんでしょうけれど。

R&D部門も絶賛リストラ中で挽回のネタが出てくる可能性すらなく、下手すると今年中にも一気にHong-hiに完全吸収されかねない勢いのように思われますけれども、さてどうなるか。いや、事業自体が行き詰まっている以上は公の救済も無理だし、単に時間の問題なのかもしれませんが。ルネサス+NECとどっちが先か、ってそれも些細な話ですかね。

シャープ、赤字1000億円 希望退職含め数千人削減 4~6月最終、堺工場の稼働率低迷響く

[関連記事 [biz] Sharpが生産・研究開発900人を営業等へ転換]
[過去記事 [biz] Sharpも業績不振で一般社員2%減給 ]
[過去記事 [biz] シャープがhong-hi傘下へ ]

7/19/2012

[biz] スズキのインド子会社工場で暴動

インド北部、ニューデリーに程近いHaryana州ManesarにあるSuzukiのインド子会社Suzuki Marutiの工場で再び上層部と労働者が衝突する暴動が発生し、死者1名負傷者85名の惨事となり80人が逮捕、と。

報道によれば、暴動の契機は幹部の1人と若い労働者の口論で、労働者側曰くその際に階級差別的発言があったとのこと。労働者側は手当たり次第に棒や部品を掴んで打ち据え、幹部が対応を協議していた会議室にも雪崩れ込み、同時に工場のコントロールルームや組み立てラインに火も付けたって話だから、むしろその内容でよく死人1人で済んだものだと思うほどです。

工場で生産していたのは主力のスイフトだそうで。ここ数年インドでの躍進が続いていたSuzukiですけれども、これは痛いでしょう。と言っても、昨年にも暴動があってその再発という事は改善すべきところを放置していただろうわけだし、元々労働者を安く使い潰して来た自業自得、同情する気には全くなれないのですけれどもね。企業風土的な要因も多分にあるんでしょうし、他の工場にも飛び火したりしそうなものですが、さて。

Maruti plant violence: 80 people arrested

[law] 大会社の社外取締役設置義務化見送り

うーん。少しばかり期待してたんですけど、駄目でしたか。

オリンパスの不祥事等を契機に、社会的に看過し難い企業の深刻なガバナンス不足の是正を目指して検討されていた大会社への社外取締役設置義務化ですけれども、法務省の法制審議会で策定中の次期会社法改正案から除外されてしまったとのこと。具体的な理由ははっきりしませんが、経済界からの反発が背景にある事は明らかで、社外取締役を置いていない企業の役員としては外部の口出しは忌避したいだろうし、取締役ポジションまたその報酬等の取り分も減らしたくないからって話なんでしょう。

もっとも、委員会設置会社等の社外取締役を既に設置している会社の中にも、ガバナンスが十分働いているとは到底言えない会社も多数見られますし、今回義務化が検討されていた公開の大会社にも社外監査役が既にいるのだから、さらに社外取締役を設置したとしてもどれほどの意味があるかはあまりはっきりしないわけで、この一事を以って失望すべき程の話でもないんでしょうれども。しかるに、やはり政策は実質の効果を指向すべきだし、形式的な社外取締役の義務付けよりも、実質的に監査機能を強化すべき話だろうとも思われるところです。今回導入が決定された親会社株主の子会社役員訴追権もその一環と位置づけて理解することも出来そうで、であればそれなりに合理的な判断のようにも見えます。

ただ、元々の動機であった所のオリンパスの件類似の不祥事防止については、監査の強化程度でどうにかなるとは思えず、実質的に白紙に戻ってしまいましたから、改めて早急かつ効果的な政策的対処が求められるところですけれども。そこはやはり形式的な組織面の修正で対処するのは困難でしょうし、従前多々指摘されているように、懲罰的な罰則の強化がおそらくは最も実効が高いでしょうから、是非ともその方向の対処を早急に進めて頂きたく願う次第なのです。

法務省、社外取締役の義務化断念 経済界反発強く

7/16/2012

[biz law] NDS用マジコン販売のまじぱら摘発

正直まだやってたんですか、と思う話ですけれども。昨年12月の不正競争防止法改正によって正式に違法行為となっていたマジコン販売、これをいまだに公然と続けていた大阪は日本橋のまじぱらが同法違反容疑でこの程摘発を受け、店長の西村雅之容疑者は逮捕されたとのこと。

わざわざバラして部品の体裁を取り繕ってまで販売を続けていたんだそうですが、そんな小細工が何時までも通じる筈もない事なんて分かり切っていただろうのに、それも店頭販売でという太々しさには呆れざるを得ません。少なくとも捨てるを惜しむだけの需要はあったんだろうし、マジコンの販売を止めるとして、おそらくはそれに代わる商品を見出すのは容易ではなかっただろう事情もあるんでしょう。後者については若干の同情すべき部分も無いではありません。しかしいずれにせよ違法行為には違いないのだから、法に則ってしかるべき罰を受ける他はない、それは無論の事です。

ただ、そもそもの法改正の内容については、不正コピーの禁止に伴って、本来合法たるユーザ独自アプリの実行まで事実上禁止し、そこから生まれる事が期待された諸々の創造的発展の可能性を摘み取ってしまっただろう点について、その副作用と言うにはあまりに大きく惜しまれる損失のために、個人的には今以て一抹の疑義を禁じ得ません。しかるに、本件のような摘発がある度に、その心残りにかられて、もっと限定的なやり方はなかったのかと、誰にともなく問いかけては虚しくため息を吐く次第なのです。

マジコンを販売した電気店を家宅捜索

---翌日追記---

DVDリッピングソフト添付のムックを発行した三才ブックスの海塚義昭常務ら4人も同容疑で逮捕。通常の流通に大っぴらに乗せていたわけですし、その上違法の旨以前から指摘を受けていたという事ですから、阿呆さ加減で言えばこちらの方が酷いですかね。やれやれです。しかし、ツールもその使用法も海外サイト中心に普通にフリーでネット上に流通しているのに、今時その手のハウツー本をわざわざ買う人ってそんなにいるとも思えないわけで、実際に当該書籍の販売数は4000冊という事だから、わざわざ法を犯してまで発行する事には今ひとつ納得しかねるところです。逆に言えば4000で売れ筋と言えてしまう業界事情が背景って事なんでしょうけども。うーん。

DVD不正コピー本販売容疑 ラジオライフ役員ら逮捕

7/12/2012

[biz law] オリンパスが違法確定後も報復人事継続中

先頃最高裁の決定を経て原告勝訴で確定したオリンパス社員浜田正晴氏の不当人事訴訟の件、オリンパスが是正措置を取らず違法状態を放置しているとして原告が東京弁護士会に人権救済申立を行ったんだそうで。

また面倒な事になってますねえ。無理からぬ所ですけれども。最高裁まで行って確定した判決の重要性は無論、またそれを実質的に無視するオリンパスの行為が反社会的である事についても、今更論ずるべきところがあろう筈もありません。非難を浴びるのも当然、速やかに是正措置が取られるべきものです。ただ、本件訴訟における請求は地位確認と損害賠償の2点だったのであって、人事的作為の給付を求めるものではなく、従って人事措置については執行力がない判決であるために外的な強制が困難なわけで、オリンパスが無法を決め込むのであれば如何ともし難いのですよね。

一応、オリンパスにもノーペナルティというわけではなく、放置期間が延びる分損害賠償額は増えるのだけれども、日本ではその額に懲罰性が薄く強制力が無いも同然なのですね。そこに司法制度上の根本的な問題があろうところなんですが、だからと言ってそのために民事の賠償額を大幅に増やすというのも無茶な話でしょう。

結局、本件のような人事案件については、今回なされたように、人権救済申立のような強制力の無い手段で、被告の違法性を社会に広告し、企業イメージの毀損やそれに伴う事業環境の悪化リスクに晒す等、経済制裁的なやり方に訴えるより他に仕方の無いところなのでしょう。しかしそのやり方は一般的に直接的な強制力に欠けるために、事態の膠着に陥りやすく、控えめに言っても紛争の終局的な解決の手段とは到底言えない事実に変わりはありません。特に今回のオリンパスのように既に落ちる所まで落ちて開き直ってしまったような場合には尚更ですね。これは法の不備とも言える部分のように思われるわけですが、かと言って強制執行の手続きを導入するにしても、そもそも通常の企業組織運営の原則と真っ向から対立する事は必至なのだし、元のポジションに戻して終わり、というような単純な話であろう筈もないわけで、さてどうするべき、どうなるべきものなのかと、傍観者の立場からしても途方に暮れてしまう次第なのです。そんな無責任な事ではいけないんですけれども。

オリンパス社員 人権救済申し立て

[関連記事 [law] オリンパスの内部告発報復人事訴訟で社員勝訴 ]

7/09/2012

[biz] 在留カード発行システム稼働即障害

もうお約束。運用初日にいきなり発行出来なくなったんだそうで、原因は未公表につき不明ですが、多分に事前テストもろくにやってなかったとかそういうお粗末な話なんでしょう。以前から多数指摘されていた在留カード制度またそれを含む対外国人政策自体の不整合を象徴するかのような障害でうんざりさせられます。被害に遭われた申請者ならびに窓口担当の方々にはご愁傷さま。

戦犯のベンダーは、と調べてみると、入札案件「在留カード等発行システムの設計・開発・テスト等 一式」の落札社であるところのパナソニックシステムソリューションズジャパンがヒット。また珍しいところが。入管関係と言えばアクセンチュアの原価割れ落札+随意契約の件が脳裏をよぎったりして過当競争の弊害の可能性も懸念されるわけですけれども、落札価格も予定4億の半額約2億と安いけれどもありえない程ではないし資金納期ともに十分、システムの内容にも特段目新しい部分もなく、やはり単にパナ社が能力不足だったか舐めてかかったかの何れかと考えるべきところですかね。

まあ多少運用日程がズレても直ぐに致命的になるシステムでもないし、速やかに賠償しつつ、直ぐに直せるなら直すなり、出来なければ諦めて他社に引き継ぐなりして片付けて頂ければよいのではないかとは思います。しかし、この程度のシステムも満足に作れず、かように無残な事になるというのでは困ったものです本当に。

「在留カード」発行システムに不具合…初日から

---後日追記---
障害の内容として電子署名の記録が出来なかった旨発表され、期限切れが近い場合には署名なしでの発行が暫定的に行われているそうで。まあ違法ではないんでしょうが、極めて好ましくない事態で、普通に事前テストをしておけば容易に発見修正されて何の問題もなかったでしょうに残念です。

7/06/2012

[note] 一吹き半日の蚊取りスプレー購入

夏です。蚊の季節です。気が付いた時には既に手遅れ、猛烈な痒みとなお飛び交う高周波の羽音が極めて不快な季節がまたやってきました。ていうか昨日今年初の寝室遭遇。我慢しても無駄と知っているので速攻ドラッグストアへ駆け込み、蚊取り用品の棚を物色していると、一回プシュッと部屋に吹くだけで蚊がフラフラと落ち、しかも半日程効果が続くとの眉唾な評判を以前耳にして気になっていたトランスフルトリン含有の蚊取りスプレーが目に留まり、モノは試しという事でその他直接攻撃用のスプレー類と共に早速購入してみた次第です。同成分の複数メーカー品がありましたが、その中から一番安かった立石春洋堂の「蚊に効くスプレー」をチョイス。価格は700円位。元々評判を効いていたのはフマキラーのもの(おすだけベープ)で、出来ればそれが欲しかったのですけれども店になかったのです。成分が同じだし気にしない気にしない。


帰ってすぐ部屋に吹いてみた昨夜、とりあえず奴等が姿を現す事はありませんでした。まだ一回目ですし、本当にこのスプレーの効果なのか、それとも偶々奴等がいなかっただけなのか、その真偽はまだ分かりませんが、少なくとも得られた一日の安眠に感謝を捧げつつ、しばらく使ってその効果の程を確かめる所存なのであります。どうか上手く効き続けますように。

[biz] Apple AppStore配信のアプリが多数動作不良

を起こしているとか。対象はiOSとMacの両方、症状は要するに起動不能になったり使用中に勝手に落ちたりってわけで、AngryBirdsSpace等の超人気アプリも含み、でもまあゲームならまだ、と思ったらYahoo!SearchやGoogle Reader等の一般ツールもなんだそうでご愁傷様です。一応おそらくは新規にダウンロードしたユーザだけが対象でしょうから大多数の既存ユーザは関係ないんでしょうけれど、それでも一日あたりのダウンロード数が数千万の世界だから気休めにしかなりません。推測されるクラッシュの原因はFairplayによるDRM部の不具合ていうかバグ、であればほぼ全部のアプリが対象って事になるわけで稀に見る大惨事。

しかし、全ダウンロード管理方式にはこの種の広範に影響を及ぼす潜在的リスクがある事は当然認識し、十分以上に注意はしていただろう筈なのに何故今になって、という気がしないでもありません。何か組織内部のプロセスを簡略化したりしたんでしょうかね?このところ技術部門の人材流出が続いているって話もありましたし、もしそういう組織の弱体化が背景にあるのなら、これもカリスマが去った帰結の一つという事なんでしょうか。ともあれもう起こってしまった事はどうしようもありませんが、せめて延焼及び二次三次の災害が大きくならない事をお祈り申し上げます。南無。

Apple aware of corrupt apps issue, working on a fix

そういえば、ほぼ同時に別件でトロイ型のmalwareがAppStoreに出てたって話もありましたっけ。iOSもAndroidと悪い意味で似てきた感じで、頂けませんね。

Spam-happy iOS trojan slips into App Store, gets pulled in rapid fashion

6/26/2012

[law] 消費税倍増法の衆院可決に

通ってしまいました。残念です。2つの意味で。

一つは、議論すらしないとまで宣言した選挙時の公約を真逆に違え、国民に対し完全に背任する形で可決に至ってしまった事。大多数の国民が政党と代議士、すなわち現状の国政に抱いただろう感情、認識は、不信を遥に越えて敵に対する憎悪の域に達し、もはや代議制民主主義自体が根幹から崩壊してしまったように見えます。それが革命に繋がるのであればまだ救いもあろうけれど、システムの変革に必要な種々の素地に欠ける日本にあってそれは望むべくもなく、多分に絶望とともに短絡的かつ自傷的な動きが強まり、単に衰退の度が強まるだけなのでしょう。

もう一つは、ここ数年進められてきた経済政策の方向性、すなわち国内における経済活動の大幅な縮減が決定的になった事。周知の通り、この十年来は各種控除廃止や税率変更による所得税、住民税の増税及び年金・健保等社会保険料の急激な増額等により、一貫して可処分所得を大幅に減少させる政策が採られて来ました。消費創出の源泉たる技術革新も既に枯渇し、殆ど全ての製品が陳腐化するにつれ、先進性を拠り所にして来た国内の生産活動は弱体化の一途を辿っています。結果、家計の消費意欲はもはや消滅しつつあると言うべき縮退局面にある現状、この上に消費税を大幅増額し直接に消費を絞るとなれば、その当然の帰結として国内のあらゆる経済活動が決定的な縮減を避けられない、その見通しに疑いの容れる余地を見出す事は、殆ど不可能に思われるのです。

もっとも、どちらも今に始まった話ではないし、仮に今回の消費増税可決がなくとも、行き着く先にさほどの違いがあったわけではないでしょう。限りなく近づいていたものが、より決定的になった、というだけの事なのかもしれません。ただ、国政の国民に対する背任については、事前に国民の付託を受ける手続きを踏む事で最低限の信義を維持する事は当然可能だった筈だし、経済への悪影響についても、政府機関の縮小等、支出を削減する事で経済活動の縮減を招かず財政均衡を目指す道もあった筈、にも関わらずかくも破滅的な結果に至った事には、失望の念を抱かずにはいられません。何が悪かったのか。そう問う意味も、もはや見出せません。畢竟、我々全てが愚かだったし、今以て愚かである、その帰結という事なのでしょう。残念です。

6/25/2012

[note] 団藤重光死去

逝ってしまいましたか。死刑廃止論が日本において力を失い、殆ど消滅しつつある今にあっての氏の逝去、そこに因果があろう筈はないけれども、象徴的なものを感じずにはいられません。氏の言説には、いささか独善的に見えて共感し難い部分も多々ありましたが、臆するところのないその強い信念は何物にも代え難く尊いものでした。安らかに。

「死刑廃止論」の団藤重光氏が死去 元最高裁判事

6/22/2012

[IT] firstserverで大規模データ消失

主に法人向けレンタルサーバを営むファーストサーバ社で、メンテナンススクリプトのバグによって顧客データを消失させる大規模な障害が発生したんだとか。その上最悪な事にバックアップがない、というか多分にメンテの過程で一緒に壊したんでしょうけれど、そのために未だに復旧出来てない、どころかその大半が殆ど修復不能なんだそうで、阿鼻叫喚と。サイボウズのホスティングも手掛けててそこは特にヤバい事になったようですが、よりによって業務基盤システムのデータがまるごと消失とか想像するだけで背筋が凍ります。

ただ、流石に顧客も法人だし、レンタルサーバーに全部預けてたなんてそんな阿呆な事はなかろう、と思いたい所ですけれども。自前のバックアップもなく業務に致命的な支障が出たというなら、それは流石に無防備に過ぎるし自業自得と言わざるを得ないようにも思われるところです。と言いつつ、ファースト社ではクラウドやバックアップサービスまでも提供してるところからすると、その辺も丸投げにしてた顧客も相当にあっただろうわけで、実際問題どうする、ってどうにもならないんでしょうね。誠にご愁傷様です。

そこまで致命的でなくとも、近々のデータは失われるだろうし切り替えにも時間がかかるしでその間業務が停止ないし大幅に遅延して甚大な損失が出ているでしょうから、それだけでもファーストサーバー社には顧客法人からの損害賠償請求の山、普通に倒産コースなんでしょうけれど。あっちにもこっちにも、ただ合掌。せめて成仏して下さい。

 【重要】インターネットサーバー障害途中経過のお知らせ

---その後追記---

結局データ復旧については白旗確定だそうで。損害賠償は約款に従い支払済使用料の範囲内で行う旨も併せて通知されていますが、本件の態様を見るにファーストサーバ社の過失責任の程度は契約時に想定された範囲を遥に越え、顧客に発生した損害も使用料とは全く均衡しない程に大きい事も間違いありませんから、これは通らないでしょう。といって素直に認めるとも思えませんし、訴訟沙汰コースで確定ですね。難儀な事です。

共有サーバーサービスをお使いのお客様へのお願いとご案内

---追記---

そして当然のように無茶な復旧作業で二次災害。もう言葉もありません。

ファーストサーバ事件で情報漏洩の2次被害、2300社に影響か

6/18/2012

[note] SIGMA製レンズ18-200mmOSを入手

廉価高倍率ズームレンズの定番18-200mm F3.5-6.3 DC OS HSMのNikon Fマウント用、少し前に出た改良版のⅡではなく先代の方ですけれども、以前から欲しいなあと思っていたところ、状態の悪くない中古が安く出ていたので軽い気持ちで。モデルチェンジで値下がりしたのかな?ともあれ、とりあえず愛用のD60に装着。やっぱりでかい。

でかいし確かにD60のような小さめのボディだと確かに見た目アンバランスではありますが、実際に触ってみると特段の問題もなく、むしろ軽いし重心がレンズ付け根あたりになるからか支えやすくもあっていい感じ。そして試し撮り。被写体第一号は今回の入れ替えでひとまずお休みになった18-70mmです。
評判通りのシャープな写りで一安心。生憎の空模様につき室内の手持ち撮影ですが、手ブレ補正も存外よく効いてるようでGoodです。しばらく常用してみますかね。昼間の風景撮りとかだと18-70の方が良いんでしょうけれど、比較的暗い所での活躍に期待です。と言ってもF3.5-6.3だし期待しすぎても無理があるんでしょうけれどもね。さてさて。

6/12/2012

[biz] Google Books、仏で和解

著作権無視のオプトアウト方式を採り、世界中の非難を浴びる形で一時議論の的になったものの、既に世の中からは忘れられてしまい、何となくもうこのまま消滅するのかなと思われていたGoogleの電子書籍プロジェクト、Google Booksが今になって進展を見せたとか。場所はフランス、出版社及び著作者の各団体が提起していた訴訟を取り下げ、著作物のGoogle上での電子出版に対し全面的な管理権限を持つ仕組みを導入する事に同意したんだそうで、要するに著作権者側の勝利という事ですね。

結果自体は至極当然と言うべきでしょう。元々本件は、絶版だからと言って著作権が切れてもいない本をオプトアウトで勝手にオンラインに流そうとしたGoogleの方が無茶苦茶だったわけで、むしろ何故この合意に至るまでにかような面倒と時間を費やしたのか理解し難いところです。実際その間にAppleはRetina搭載のiPadやiPhone、最近ではMacも投入し、storeの拡充と併せて着々と電子書籍のインフラを掌握しつつあって、もはやGoogleに競合する余地があるかすら疑問と言わざるを得ない状況になってしまっているわけですから。Microsoft的な斜陽化が急速に進んでいると言われるGoogle、本件もその一端のようにも見えて仕方ないんですけれども、さて。

もっとも、日本は方向性すら全く見えない体たらく、完全にカヤの外な話なのだし、どうなろうと所詮は他人事なんですけどね。ソニーあたりがいい加減諦めて撤退するか関連事業をアップルに売りでもすれば話も進むんでしょうけど。

French Publisher Group Strikes Deal With Google Over E-Books

6/11/2012

[law] 福島被曝者が東電前経営陣ら刑事告発

ようやく、です。容疑は、津波等による事故の危険を複数指摘され認知しながら長年に渡って対策を怠った事により事故またそれによる被害の拡大を招き、多数の住民を被曝させるとともに避難生活を強いた事に対する業務上過失致傷、及び原発作業員や避難者を死に至らしめた事に対する同致死。告発者は福島県で原発により被曝した1300人、対する被告発者は、勝俣前会長、清水元社長はじめ東電旧経営陣および斑目原子力安全委員長、福島県立医大の山下副学長ら33人。政府首脳が含まれていないのは、まず事故と被曝被害に関する直接の関係者に絞ったからでしょうか。また、法人としての東電も公害罪法違反容疑で併せて告発されているとの事。

本件は、その告訴事由、すなわち被曝や過酷な避難生活による健康・生命に対する被害と、原因たる原発の大規模事故、そしてそれを引き起こした東電・行政双方の原発業界関係者の過失の各事実、また事実間の因果関係の存在はもはや疑いの余地もないところ、むしろ今まで刑事扱いになっていなかった事が考えられないものでした。その裁判には膨大な時間が必要だし、事実の検証にも相当な困難を伴う事が予想されますが、法に基づき可能な限り速やかに断罪がなされる事を願う次第です。

しかし、本件の被害は規模、性質共に未曾有という他なく、おそらくは被告全員に対し法定の上限刑を適用したとしても到底償う事など出来ないだろう現実の前には、改めて無念を感じずにはいられません。あまつさえ、もう全て片付いたとばかりに原発を稼動させ、福島の惨状を再び繰り返そうとする政府、自治体、企業各社の振る舞いを目の当たりにしては、人々はかくまで愚かであったかと、深く絶望に沈まざるを得ないのです。

福島で被ばくの1300人、東電会長ら33人告訴 業務上過失致傷などの容疑、地検に 

[関連記事 [law] 東京電力の免責範囲について ]

6/09/2012

[biz] ルネサスが賃金7.5%削減、冬賞与もなし

人員削減に加えて給与も大幅カット。2012年冬のボーナスもなし。結局元親3社からの増資は消え、当面の資金繰りにも窮した末の施策ですけれども、多分に社員に退職を促す意味合いもあるんでしょうね。退職金の出る内にやる分まだ良心的と言えなくもないんでしょうけれど、社員の多くは出るも地獄残るも地獄、ほとんど進退極まった恰好で、せめて死人が出ない事を願うところです。しかしこれで捻出出来るのは年300億そこそこ、赤字を埋めるには全く足りないし、モチベーションの消滅に伴う生産性の低下等の副作用とも併せて考えれば逆効果にすらなりかねないように思われるわけで、その果てしない絶望加減に合掌せざるを得ないのであります。

あと、元親3社は債務保証なんかしちゃったらしいんですが、大丈夫なんでしょうか。そっちも手持ちの現金がないって事なんでしょうけど、結局は下手しなくても増資より遥かに高くつくものと予想されるわけで、私企業だし失敗するのは勝手だとはいえ、社会的にもそれなりに迷惑な話、目先の事しか考えない人たちには困ったものです。

ルネサス、社員の賃金7.5%減額などで300億円超削減

[前記事 [biz] ルネサスがリストラ数を1万人超に倍増 ]
[関連記事 [biz] ルネサスが15%6000人リストラ]

6/08/2012

[law] サッカーボール転倒訴訟、高裁も原告勝訴

まさかの原審維持。一応原告側の注意義務が追加認定されて非常識度合いは緩和されてはいるけれども、大筋に変わりなし。本件における被告の行為、すなわち校庭でサッカーボールを蹴った事と、原告の被害すなわち誤嚥による死亡の間の因果関係の薄弱さは当初から明らかでしたし、通常なら考えられない認定内容なわけですけれども、何があったんでしょう。詳細は未確認につき不明ですが、被告側の主張立証が余程酷かったとか、あるいは被告の態度が非常に悪く、裁判官を敵に回したとかいう事なんでしょうか。いずれにせよ、一審同様、被告が納得する可能性は低いでしょうし上告するんでしょうけれど、事実審がこういう結果になってしまった以上、最高裁が差し戻さない限りは前代未聞のトンデモ判例が出来てしまうわけで。どうすんのこれ。

校庭からボール蹴った元少年側に2審も賠償命令

[過去記事 [law] サッカーボールによる転倒事故訴訟判決 ]

それから月日は流れて。本件トンデモ判例の成立は最高裁にて阻止されました。それも意外な事にというか、破棄自判で終局的に決着。やれやれです。

[続き記事 [law] サッカーボール転倒訴訟、最高裁にて破棄、賠償責任否定]

6/07/2012

[biz] ニフティが優良誤認・有利誤認で摘発

正直ニフティは今それどころじゃないんでしょうけど。容疑は2点。一点は同社提供のWIMAXサービスの宣伝時における初期手数料の二重価格表示による優良誤認、もう一点は競合するヤマダ電機との他社比較部分の虚偽表示による有利誤認。いずれも景品表示法違反であります。一点目の優良誤認は消費者庁もまずいちいち調査摘発したりしないだろう程度の話ですし、二点目の虚偽表示が致命的だったんでしょうね。多分にヤマダ電機の関係者からの告発があったんじゃないかとも推測されるところです。

しかし、他社比較には有利誤認的な表現はつきものとは言っても、本件のように明らかに嘘とわかる表示は珍しく思われるところです。普通は、他社のものは弱点を強調し、自社のものは逆に有利な点だけを表示するだとか、あくまで嘘ではなく誇張の程度に止めるものなわけですが、何故こんな無茶をやらかしたのか。ありそうな理由としては、往々にしてニフティのような大手メーカー系のプロバイダは価格競争力が低く、それを補おうとして越えてはいけない一線を越えてしまった、とかそういう経緯が浮かびますが、どうなんでしょう。まあ富士通系だし、具体的な経緯がどうあれ、結局のところは目先の利益に目が眩んだって話なんでしょうけど。

ともあれ、紛れもない犯罪ではあるし、その摘発が偶々危機的なトラブルの最中に重なったとは言っても完全に自業自得、同情の余地のかけらも感じられません。内容も悪質な部類ですし。ただ、影響の範囲はさほど広くもなく、被害の程度も深刻にも見えませんから、責任者は早々に首になるなりして、あとヤマダ電機にはきっちり賠償もすれば概ね済む話かなとも思います。それより障害の方が。。。ひとまず復旧はしたようですが、後始末が少なくとも本件とは比べ物にならない位に大変だろう事は確実、さてどうなることやら。当たり前の話ですが、悪い事はするもんじゃありませんね。

消費者庁、「@nifty WiMAX」の広告に料金過小表示などがあったとして措置命令

[関連記事 [biz] ニフティでデータセンター障害]

[note] Newsfoxが一部サイトの更新でフリーズ

するようになって困りました。複数のサイトで、その更新の段になると固まります。何ででしょう。試しにGoogle Readerの方でフィード登録してみたところ、そちらでの読み込みは問題なかったので、当該サイトのRSSフィード自体が止まっているわけではない様子なのだけれど、Firefoxは勿論、その他のウィンドウも一切入力を受け付けなくなってしまうので、むしろそちらが致命的。なおOSはUbuntu12.04LTSの64bit。

一応システムが完全に止まってしまうわけではなく、当該Newsfoxのあるスクリーンの入力を受け付けなくなるだけなので、他のコンソールに切り替えてそちらからFirefoxを止めて戻れば何事もなかったかの様に復活するのだけれども、稀にではなく必ず止まるとあってはどうにもならず。さしあたり暫定的に当該サイトをNewsfoxの登録から外して対処したのだけれど、いつもチェックしていたサイトを外すのは不本意ではあるし、何よりその原因が分からないというのでは落ち着かない事この上ありません。昨日までは問題なかったのだし、時期的にはIPv6切替絡みとか?それとも13へアップデートされたfirefoxのせい?うーん。

--追記--
どうもfirefox13へのアップデートが原因のようですね。livemark関連の仕様変更にnewsfoxが対応できてないって話らしいと。newsfoxのアップデートを待つしかないんでしょうけれど、しかしそもそもこういう基本的なところの仕様変更をホイホイやられては困りますね。

--追記2--
なかなか公式が対応してくれない。仕方ないので先人の例に倣い、xpiファイル中のマウスドラッグ関連functionを無効化。なおxpiファイルの場所は、普通なら下記の通りユーザのホーム下です。

xpiファイル:
~/.mozilla/firefox/*.default/extensions/{899DF1F8-2F43-4394-8315-37F6744E6319}.xpi

このファイルを作業用のテンポラリにコピーして一旦解凍。(xpiファイルはzipファイルなのでunzip)

$unzip {899DF1F8-2F43-4394-8315-37F6744E6319}.xpi

解凍されたデータの内、chrome/newsfox.jarをこれまた一旦解凍。(jarファイルもzipなので同上)

$cd chrome
$unzip newsfox.jar

でさらに解凍されたデータの内、content/newsfox/model.jsを編集して、dragItとdragArtの各functionの中身をreturn;で置き換えます。しかるのちに再圧縮。

$ zip -r newsfox.jar content locale skin
$ rm -r content locale skin
$ cd ..
$ zip -r newsfox_fix.xpi chrome chrome.manifest defaults install.js install.rdf

で、出来たxpiファイルを元のファイルに上書きして完了です。install.rdfの中身も書き換えた方がよいかもしれませんが、まあとりあえず動いているようなのでこれでよしとします。うーん面倒でした。


[biz] ニフティでデータセンター障害

だそうで。関東のデータセンターで電源障害って話で、ニフティなら当然富士通ですよね、というわけで障害情報を簡単にさらってみると、丁度富士通の館林で電源障害の広報が。おおう。館林は言わずと知れた富士通の最主力、それが死んだって事はニフティどころの騒ぎじゃない筈なんですが、その他顧客のサービス運用は大丈夫だったんでしょうか。クラウド等でセンターの処理量は膨大な昨今、他センターのバックアップへの切替等で全面停止は回避したとしても、遅延等の悪影響は避け難いだろうと思うんですけれども。ニフティ以外に特段の報道もないところを見ると、身内であるところのニフティを犠牲にして切り抜けたって事なんでしょうか。だとしたら割を食った形のユーザの方々にはご愁傷様ですね。

nifty、複数サービスで障害発生--データセンターで故障

やっぱりというか、niftyだけでは済んでない様子。只でさえIPv6切替とかでややこしい時に何という。富士通には盛大にやらかした前科もあるし、一センターの障害が広範に甚大な被害を及ぼすというのはクラウドの仕組み自体の根本的な欠陥として周知の事実なのだから、それを知ってて採用する業者が悪いって話なんでしょうけれども、被害を被るユーザ側としては洒落にならないわけで。困ったもの、では済まないのですよ。

[過去記事 [biz] 富士通クラウド障害、一般顧客の被害はどう ]

---後日追記---

ニフティ以外の具体的な被害がこっそりリリース。りそな銀、ソニー銀、東京スター銀のオンライン関連とATMやら色々止まってしまってたとか。こういう公的なところですらほとんど報道には乗っていないところを見ると、被害が限定的だったのではなくむしろ逆、おそらくは富士通のセンターを利用していた膨大なユーザの殆どに多かれ少なかれ及んでいて、それが単に報じられていないって話なんでしょうね。そうであれば、今回の件で対応云々以前に殆どアナウンスすらせず、無関係を装うかのような富士通の姿勢は、社会基盤システムのベンダーとして流石にどうかと思うし、類似の障害の再発とかも懸念せざるを得ないわけで、余りに無責任だと思うのですよ。今更な話ですけど。

複数の銀行で同時間帯に障害が発生、現在は復旧(りそな銀行ほか)

[IT] LinkedInのパスワード流出650万件

公式にも流出が認められて大騒ぎ。また派手にやらかしましたねえ。今回流出が確認されたのは6.5millionすなわち650万人分のパスワード、LinkedInのユーザ数は公式によれば160millionいうことですからその4%に過ぎないわけですけれども、絶対数としてはやはり相当な数だし、そもそも160millionというのは非常に盛った数なのも公然の事実でもあるわけで、未確認の分も合わせて考えれば、実質的に殆ど全ユーザの分が漏れた可能性は高いように思われる所です。

特にLinkedInのユーザはもろにビジネス目的とあって、一般の個人情報に比べて価値も高く元々狙われやすかった事情から、当然そういうやり取りの場として前提たる備えは万全と謳っていただけに、後始末はとても大変そうです。といっても、ロシアのサイトでパスワード等をまとめたファイルが出回って発覚、という経緯からしても、当該ユーザアカウントへの不正アクセス、またそれによる高次情報の流出も当然に発生済である事が予想されるわけで、であればもう取り返しのつけようもない話であるわけですけれども。

本件だけでも相当なものですが、一方でほぼ時を同じくして、LinkedInのiOS用とAndroid用の両アプリによる個人情報の無断収集が発覚したりして、当然この情報も漏れたんじゃないのとか疑いがさらに派生したり、もう収集が付かない騒ぎの様相。今後ユーザからの訴訟の山も予想されるLinkedInは一気に存亡の危機であります。まあ全部自業自得なんでしょうけれど、阿呆ですねえ。LinkedInユーザの皆様におかれましては、誠にご愁傷さま。もっとも、LinkedIn使う位の人なら大部分はぶっちゃけこういう事態もそれなりに予想してたでしょうから、さほど心配する必要はないのかもしれませんけれどもね。日本では殆ど普及してないし。

LinkedIn Confirms Passwords Were Stolen

You Need To Upgrade LinkedIn's App Now To Protect Your Personal Data

6/01/2012

[biz law] 泉佐野市が命名権売却の募集開始

マジでやるんですか。誰もが呆れた大阪は泉佐野市の市名売却検討の件、実際に受付を始めたんだそうで。10億以上が条件という事で、広告料として見れば非常に安いんでしょうけれども、内外から激しい反発を喰らうだろう事は必至なわけで、まっとうな大企業の応募があるとはちょっと考えられないんですけど、どうなんでしょう。

まあ始めてしまったものは仕方がありません。という事で応募資格を見ると、まず法人に限定。これは当然ですね。問題はアウト側の線引きですけれども、暴力団関連は勿論、風営法で規制されている法人やギャンブル関係も不可との事で、最低限マルハン市になったりはしないように配慮されてはいるようです。しかし外国企業は除外されてないし、例えばサムスンあたりが応募してきたとしたら金額次第では三星市とかになっちゃう可能性も一応はあるってわけで。実際には市議会の議決やら総務省の認可やらが必要なのだしそもそも現実的に無理な話なのだから、応募の段階で身構える必要もないんでしょうけど、実にカオスな想像が膨らみます。こうなると逆にどんな企業が応募してくるのか興味の沸くところですね。さてさて。

泉佐野市有料広告提案事業者募集
市の名称売却、募集始まる 大阪府泉佐野市
財政難の泉佐野市、広告料に活路 命名権売却など

[過去記事 [law] 泉佐野市が市の命名権売却を検討中とか ]

[biz] 関西自治体の原発稼働容認に失望

ひたすらに残念です。福島の惨状を経験し、直下含め大規模地震が起きれば同等かそれ以上に取り返しの付かない惨事に至る事が分かっていながらの原発稼働容認。非稼働時の電力利用量抑制による経済的不利益は小さくないとはいっても、抑制による停電回避自体は不可能ではないのだから、結局の所は目先の金銭に目が眩んだだけの判断である事は明白で、福島の事故を引き起こした東電はじめ原発業界関係者らのそれと何ら変わり無い愚行と言わざるを得ません。

もっとも、そもそも本件の大飯原発再稼働の主たる理由であるところの夏場ピーク時の電力不足自体については、火力を中心に代替の発電設備を増設しておけば安全かつ十分な電力供給が可能である事は当初から明白であり、そのための時間も十分ではないにせよそれなりにあったにも関わらず、半ば意図的にその準備を怠ったところに今回の事態の根本的な原因があるのですから、一義的にはその責任を負う関電、次いで所轄官庁の経産省の関係者がまず非難されるべき話ではあります。

しかし、橋下大阪市長ら自治体側についても、如何に言い訳を並べようと、前言を翻し、広範な国土と住民を故意に致命的な危険に晒す以上、殊にその稼働反対意見に賛同していた市民からは重大な裏切り行為と認識されるだろうし、深く失望されると共にそれ相応の反発や非難を受ける事も避け難いところでしょう。全て自業自得による当然の帰結ですけれども、残念です。とはいえ、一方で財界や電気業界は勿論、危険の及ばない地域の住民らからは支持が増える面もあるんでしょうから、当人達はさほど気にもしていないのかもしれませんけれどもね。

[関連記事 [biz] 原発はこのまま終焉するか、するべきか ]

5/31/2012

[IT biz] 信金ネット決済が障害でダウン

しばらくぶりに金融システムの不具合。よりによって月末に朝からほぼ一日中停止とか大惨事です。一応停止しているのは法人向けネット決済の部分のみという事で影響は限定的なんでしょうけれど、当該システムを利用している信金数は142と非常に多いらしいし、月末に決済出来なくなった影響が小さい筈もないわけで、直接被害を被る顧客は当然、その責任を負う142信金にはもうご愁傷様と言う他ありませんね。ベンダとその担当者は切腹ものです。信金の共同システムだとベンダはNTTデータ系?であれば実質的に富士通がまたやらかしたって話になるんでしょうか。だとしたら毎度の事とはいえげんなりです。

信金ネット決済でトラブル 法人向けサービス、利用停止

5/30/2012

[biz] オリンパスもリストラ、7%2500人

不祥事からこっち、法的にも財務的にも存続している事が不思議な位にボロボロだったオリンパスが今更リストラをするそうで。対象はカメラ等の不採算事業、要するに今後は医療機器事業に専念するという事ですね。

完全に地に落ちたオリンパスの今の信用力では、どうしたって現状の4%という超の付く低資本でやっていける筈もないし、現に併せて発表されたところによれば2017年までに30%に増資するという事ですから、既に名前の挙がっているソニーやパナソニック等、外部の大手電機グループの出資を受け入れてその傘下に入るのが規定路線で、今回のリストラはその下準備と捉えるべきところでしょうか。そうであれば同社製カメラのファンには残念な話なんでしょうけれども、致し方のない事かと。

というか、あれだけの事をしておいてのうのうと存続し、あまつさえ株式も公開され続けている現状が異常なのであって、反作用的にその報いを受けているだけの話であろうかと。社会的には非常に迷惑でもありますので、早急にカタを付けて頂きたいところです。ただ、日立や東芝等、元々医療機器事業に強いところならいざ知らず、事務用の機器やらを申し訳程度に出しているだけで素人同然のソニーやパナが買収するとなれば、それはもう殆ど業種変更にも等しい転換になるわけで、只でさえ両社とも苦境の真っ只中にある今、それを実行出来るだけの余力があるのかと言えば正直疑問も感じます。逆に、ジリ貧になるよりは、とか言って博打を打つ可能性もあるわけですけれども、さて。どうなろうとも、もはやオリンパスに同情の念を抱く事はないんでしょうけれどね。

オリンパス2500人削減 事業売却や工場統廃合も

[PC] クレバリー倒産

とうとう逝ってしまいましたか。ずいぶん昔からいつ倒産するかと心配され続けながら生き残っていたPCパーツ専門店の雄の倒産、首都圏中心にさぞ多くのファンが嘆いている事でしょう。先頃の店舗整理で風前の灯火である事は明らかだったし、遠からずこうなるだろう覚悟はしていましたけれども、やはり極めて残念な事です。

ここではバルク品を中心に様々なパーツを購入させて頂きましたけれども、とりわけキーボードの品揃えが豊富だった旧2号店にはとてもよくお世話になりました。ネオテック、User's Side、ぷらっとホームの3店と共に、日々の道具としての最適な相棒を求めて足繁く通い、多くの素晴らしいキーボードに出会えたあの頃は、今思えばとても幸福な日々でありました。当該店舗は既に店舗整理に伴い閉店していたとはいえ、その最後の一店が消えてしまう事には、寂しさを感じずにはいられません。後継が出てくる見込みもなく、改めて時代の流れの残酷さを噛み締める次第なのです。

クレバリーが業務を停止、近日中に破産手続きを開始

5/29/2012

[biz] パナソニックがまたリストラ、本体半減

大規模リストラの続く軽電業界ですが、ついにパナソニックが本体に手をつけるそうで。しかし半減とはまたなかなかに激しい話ですね。

対象の内、生産技術1000人と研究開発2000人はまあ元々現場に近い職種だから、それを担う子会社への転籍もまだ比較的容易でしょうし、年齢にもよりますけど希望退職にも応じ易いんでしょうけれども、事務系4000人はどうなんでしょう。事務系の人達は一般に希望退職には応じにくい種類の人達でしょうから、こちらは転籍が中心になるのか、といっても間接部門なんて普通は子会社側でこそ不要だと思うんですけど。それでも無理やり振り分けたりするんでしょうか。だとしたら押し付けられる子会社側には非常な迷惑なんでしょうし、玉突きを喰らう子会社社員の方々含め、ご愁傷さまです。

しかしそもそも本体を半減したとして、それにどれ程の意味があるのかもわからないあたり、時間と労力の無駄な気もしないでもないんですが、どうなんでしょう。売上を回復させるネタがなければ結局のところ遠からず破綻する他ない状況なわけで、組織を多少変えたからといってさほどの意味があるとは思えないんですけれどもね。それとも、中長期的な戦略とか云々してる余裕すらない、とにかく経費削減しないと即死しちゃうって事なんでしょうか。だとすると逆にもう手遅れな気もしますけれど、さて。

パナソニック、本社社員半減へ=数百人規模の早期退職も検討

[過去記事 [biz] Panasonicが国内1.4万人リストラ ]

[law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い

やっぱりか、という話で。河本準一以外にも同様の事例があるのだろうと思われていたところに、当然のように出て来たというだけの話なわけで、特に驚きがあるわけではありませんけれども。

本件の焦点は、梶原雄太が所有権登記名義人となっていたという母親住居の取扱いですが、月40万とされる高額な住宅ローンの支払い額が事実であれば、それは相当な高額賃料の見込める不動産資産であり、低賃料の住居へ転居し本物件を賃貸することでその賃料差額から優に生活保護費を超える収入が得られる見込みがある以上、生活保護法4条に定められた支給要件「その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用する」に違反し、従って不正利得にあたる事は間違いありません。

支給が不正利得にあたる以上、当然刑法上の詐欺容疑も強く疑われます。その場合、例えば住宅の高額性を隠蔽したり、雄太の支払い能力を小さく見せかけた等、欺惘の有無が成立を左右するわけですが、いくら役所側が怠慢になりがちといっても、申請者が高級住宅に居住している事を知りながら保護費を支給するのは不自然ですから、その種の欺惘行為があった可能性が相当に高く疑われるところです。従って、本件も河本の件同様、刑事事件相当につき、速やかに検挙されるべきものと思われます。立件には面倒もあるでしょうけれど。

しかしこう、複数の所属者が同様の生活保護詐取に手を染め、かつ吉本興業の当該容疑者とほぼ一体化した対応ぶりを見ると、吉本興業の組織的な関与、すなわち詐取のノウハウ伝授を中心とした教唆等の疑いも当然に強まるわけで。手続き的には一件ずつ地道に捜査して証拠固めをしていく他ないんでしょうけれど、おそらくはキリがないし、できる限り早い段階で吉本興業自体の捜査摘発に進んで頂きたい所ですね。

キンコン梶原も母が生活保護 昨年3月から140万円

[過去記事 [law] 吉本・河本準一の会見が終わって]
[過去記事 [law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取 ]

5/26/2012

[biz] ルネサスがリストラ数を1万人超に倍増

おおう。あっさり倍増。14000人とかいう報道もあって、これまでの計画数15%でも相当な割合だったところ、3割超の削減とはまた空前の規模であります。当然、既に名前の上がっている鶴岡含め複数の国内工場閉鎖も避け難く、また希望退職も年齢職種共に限定とか言ってられないでしょうし、少なくとも国内に関しては中核たる開発の相当割合も含めて全面撤退の様相を呈して来た感がありますね。

ていうかそのための費用を用意出来るのかも怪しい規模だと思うんですが。少なくとも手持ちの資金では全く足りないはずだし、今のルネサスにこの規模の借金はまず無理、であれば資産売却と追加出資で賄う他はない筈なところ、只でさえ不採算間違いなしな国内工場の売却なんてそう一朝一夕に出来る話じゃない、というかそれなりの価格で引き受けてくれる所があるのかすら疑問だし、頼みの元親は余裕の無さから出資を渋ってるし。そもそもリストラのために出資を仰ぐってのも筋違いだし、無茶苦茶ですねもう。ともあれ費用の目処が立たない以上、現時点ではこのリストラ案自体絵に描いた餅と言わざるを得ないわけですが、どうすんでしょう。

ともかく、ルネサスが既に形振り構ってられないところまで追い詰められてる事だけは確かです。経営陣としては必死の努力なつもりなんでしょうけれど、残念ながらあまりに場当たり的なその対応ぶりは無能の所業と言う他なく、逆にこれを受けてステークホルダーの各位が見限る可能性も相当に高いだろうと思われるし、既に一気にさようならルネサスな展開に入ってしまったようにも見えて、まあそれはそれで比較的には悪くない流れなのかな、とげんなりしながら脱力する次第なのです。もうどうにでもなあれ。振り回される関係者、また社員の方々におかれましては、誠にご愁傷様であります。

[前記事 [biz] ルネサスが15%6000人リストラ]

ルネサス、鶴岡工場売却へ=1万人の人員削減計画

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その後の報道を見るに、成否はともかくとして複数工場の売却閉鎖は規定路線になった感じですね。鶴岡はほぼ確定、那珂はどうなるのか現時点では不明ですが、マイコン製造の相当割合を台湾へ委託する見込みに違いは無く、主力のSHシリーズ含めてマイコンの生産が不安定化するかもしれないわけで、保険であるところのセカンドソースの無い、すなわちまだARM系に移行仕切れてない所は対応が大変そうです。自動車のECUとか品質要求の厳しいカテゴリではそう簡単に移行出来ない事情もあるでしょうし。とはいえカスタム品から汎用品への移行の流れはもうずっと前から続いている話だし、大半の所には今更な話なんでしょうけど。図らずも先頃の震災でその流れが加速した面もあるように見えるし、これも一つの時代の終わりという事なんでしょうか。

5/25/2012

[law] 吉本・河本準一の会見が終わって

大方の予想通り、涙で反省を装い、生活保護費の返還も口にしながら、不正受給は否認するという論理的に整合しない会見が終了。反省・謝罪以前に、吉本興業も含め当人達が、自らのした一連の行為の法的・社会的な意味の双方を未だに全く理解していない事が改めて確認されただけの、従って実質的に無意味で、極めてお粗末な茶番でありました。まあそもそも記者会見自体、法的には無意味な私的発表に過ぎないわけですけれども。ともあれ、詐欺容疑にかかる事実は十分確認されましたから、本件に関しては、あとは通常の司法手続きに則り、逮捕のち起訴し然るべき刑罰を適用、と淡々と処理を進めて終了となるべき話かと存じます。

一方で、行政と立法の各面においては、制度の修正、そのために必須たる法改正に向けてこれからが本番、関係者の健闘を心から願い申し上げる次第です。ていうか放置したりしないで下さいね。

[過去記事 [law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取 ]

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早くも同様の事例が明るみに。河本だけではないだろう事は吉本の態度を見れば明らかでしたけれども、酷いものです。
[関連記事 [law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い]

5/23/2012

[biz] ICカードリーダライタ販売停止の噂に

B-CASクラックの件、そのカードの書き換えに使われるからって汎用ICカードリーダライタの販売を中止する動きがあるんだとか。何という阿呆な話。現時点では何処まで本当かもわかりませんが、流石に総務省がそんな無茶な要請をするとは考えられませんから、事実であればB-CAS社かその関係者が個別に要請してるって話でしょうね。仮にそうだとして、元々の経緯からして、B-CASが勝手にカードの仕様にその規格を採用しただけで、機器自体はB-CASでの使用は意図されておらず、当然その他の様々な目的での利用者が多数いる汎用品であるわけで、そもそも一企業にその販売禁止を求める権利などあるはずもなく、要請する方には正気を疑わざるを得ませんし、その要請に応じる販売店もわけがわかりません。

さておき、只でさえ不足気味だったICカードリーダライタの流通は完全に止まり、オークションでの価格も大幅に上昇しているんだとか。私が使っている購入価格数百円のモデルが軒並み1万近くになってて呆れました。だからって業務に必要なものだし売るつもりもありませんけど、世の中には私同様電子署名用に利用中の人は多く、その中には今まさに必要な人も少なくないはずで、実際に業務が滞るなどして損害が出かねないわけなんですが、もし事実だとしたら本件の関係者は一体どう責任を取るつもりなんでしょう。なおB-CASカード非対応の非接触型なら流通していますが、電子署名用のカードにも接触専用のものが多いのだし何の意味もありません。実際私の手元にあるカードには接触専用のものもあり、これが使えないのでは業務が滞ります。

少なくとも、本件が事実であれば、社会の、人の被る不利益を一顧だにせず、身勝手な理由によって引き起こされた措置と言えるわけで、そうであればそれは暴挙と言う他無く、決して容認されるべきではありません。小売各社には流通の速やかな再開を強く願います。

・・・と言いつつ、そもそも正直眉唾な話だし、実は単なる一部小売店の広報時の不手際と、品不足に対する不満が、B-CAS周辺への憎悪と結びついて陰謀論的に成長したデマだった、的な話かもねと思うわけですけれども。流通側としても時価で捌く方が利益が大きいわけだし、多分に転売屋も絡んで、正規の流通量を絞って相場を釣り上げつつ在庫をオークション等へ流すために都合の良い建前として自然と広まった、とか普通にありそうです。さてさて。まあどっちにしても品不足は続くんでしょうし、さしあたってはその間、手元のリーダが壊れない事を願う次第です。値段10倍とか流石に勘弁して欲しいですからね。

[過去記事 [biz] 発行済B-CASカードの8割超がクラック]

[biz] iPadバカ売れとノートPCメーカーの斜陽

先ごろNPDから公表された2012Q1のポータブルコンピュータ販売台数のメーカー/セグメント別の台数を見てみたら驚きました。iPadは1360万台と、これだけでメーカー別では2位HPの約900万台を大きく引き離すぶっちぎりの首位。Apple全体ではmacbook等ノートPCも合わせて1720万台とさらに上積みされるわけですが、やはりiPadの圧倒的な販売台数が際立ちます。凄いですねえ。一部で懸念された発熱の高さなど、Retinaディスプレイの魅力の前にはそよ風に過ぎなかったと言うことで。

その圧倒的な需要は概ねノートPCから流れたものだろうし、HPやらDELLやらのノートPCメーカーが揃って不振に陥るのもむべなるかな。NPDのランキングではApple>>>>>HP>Acer>Lenovo>DELL>Asusと敗者が列をなし、さらに販売台数が一桁小さい日本国内のメーカーは話題にすら上らない有様であります。一応Toshibaあたりもタブレット機をリリースしたりしてたんですけど。

タブレット内に限ってもAppleがその2/3を占めるのに対し、2位Samsungが模倣品による160万台でわずかに存在を主張する他は軒並み100万台にも満たず、期待を集めたAmazonのKindle Fireも90万台、日本メーカー全社はその他大勢460万台の中に埋没し、iPadにあらずんばTabletにあらず、な現状が如実に現れていますね。

いやはや。改めて見ても衝撃的です。私も一個人消費者として、iPadとその他のタブレット類では比較にならないほどの魅力の差があると感じるし、カテゴリ内でのシェアは当然の結果だろうとは思います。ただ、タブレットは元々その用途等の位置づけが曖昧で、メリットはあるけれどもデメリットもあり、それなりに人を選ぶだろうというような懐疑的な見方も強かったわけで、Appleの傑出したブランド力、iPhoneとの相乗効果等の特異な要因があったとは言え、その一種であるところのiPadが、ノートPCも含めたポータブルデバイス全体の中でここまで圧倒的な存在になろうとは、正直予想していませんでした。大方が予想していたのは、今のデータから丁度iPadだけを除いた状況に近かったんではないでしょうか。

あえて陳腐な表現をすれば、iPadが売れているのであって、必ずしもタブレットという形態が受け入れられたとは言えないかもしれない、という微妙な状況にあるようにも見えるわけです。こういう状況は過渡期にはしばしば見られるもので、一般にはそう長く続かず、BlackberryやiPhoneのように、一定の成熟の後には急速にそのものがフェードアウトするか、逆に形態自体が受け入れられて広く普及するかのいずれかに収斂するわけですが、さてiPadの場合はどちらになるか。まだその行方は判然としないようにも見えて、それだけに興味深く思われるところなのであります。さしあたってはノートPC等にも波及するだろう画面の高解像度化、それが具体的にどのような変化をもたらすのか、その辺に注目すべきでしょうか。あともちろんiPadの次期売上すなわち新型需要が一巡して熱が冷めた後の販売台数の推移にも。いずれにせよPCメーカーが復権する可能性は見出し難く、国内メーカーの出る幕はさらになさそうで、それは少し残念ではあるのですけれども。

NPD Q1 2012: Apple still king of the mobile computing hill thanks to iPad

[過去記事 [IT] The new iPadが爆熱とか ] 
[過去記事 [IT] iPadのRetina採用に歓喜 ]

5/22/2012

[note] BSKBU03BK購入

再びキーボードの話。今回は珍しくその辺の電器店でも売っている安価な有線キーボードですが、ふと立ち寄った店頭で何気なく触ってみたら殊の外感触が良かったため購入と相成ったわけです。メーカーはBuffalo。ここは稀にOEM等で悪くないキーボードを出すんですよね。

ともあれ早速開封してPCに繋ぎ、改めて触ってみれば、剛性が高くないためにタッチ時における筐体の安定性には若干難があり、また既知の不具合としてスペースキーの押下場所によって応答にばらつきが見られる欠点もあるものの、一昔前のHPやDELL等のビジネスノートを彷彿とさせるマットなキートップとタッチの感触はやはり良質、千円台の価格を鑑みるまでもなく、今時の一般向けキーボードとしては珍しい程に悪くない一品でありました。

ちなみに本機は右Ctrlキーが無く、これは一般的には致命的な欠点になるでしょうけれども、そこはメニューキーをCtrlに割り当てて解決したので問題無し。あえて言えばテンキー部分は不要ですが、とりわけ邪魔というほどでもなし、アイソレーション型を中心にした見た目の奇抜さを重視する流れに押されて姿を消しつつあるOld-fashionedなパンタグラフキーボードの末裔として、末永く生産・販売される事を願う次第です。難しい事は承知してますけれども、そこをなんとか。

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嬉々として使うこと数日、早くも劣化の兆しが。具体的には、Tabキーが入力の度にキュコキュコと異音を立てるようになったんですね。発泡スチロールを引っ掻いたりした時のような音で、極めて不快です。とりあえず掃除してフッ素系の潤滑剤を吹いてみたら治まりましたが、さて。

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スペースキーの入力不良がどうにも我慢できなくなってきたので仕方なく対策を試みてみました。とりあえずキーを外してみると、中にはラバードーム無しのパンタグラフが二つあって、その間にラバードームを被せられたスイッチが配置される変則的な構造。これを見て、押下位置や押し込み具合によってラバードームが十分押されない場合がある事が入力漏れの原因と推測し、であればラバードームがもう少し深く押し込まれるように調整すればよいかも、という事で、下図下のようにスペースキーの裏側中央部にテープを貼ってみたところ、大幅に改善したのでしばらくこれで様子を見ることに。やってみるもんですねえ。





[biz] ルネサスが15%6000人リストラ

誰もが予想したエルピーダに続く本命、ルネサスがようやく縮小整理に着手したそうで。一応通常の退職者と新規採用減も合わせての数字、として首切りは少なめな風を装ってはいますが、それで確保出来る人数は高々数百人に過ぎないのだから単なる目くらまし的なレトリックである事は明白、大半は首切りって話ですね。そしてその方法は必然的に希望退職募集となるわけですが、さしあたってはその年齢設定が気になるところです。今回の15%は相当な数字で、通常よくある40~45歳以上の募集で達成出来るか微妙でしょうから。

しかしいずれにせよ、その行き着く先に破綻しか見えない事には変わりありませんけれども。開発部門の人員比率の高いルネサスで、予想通り退職者の大半を希望退職で確保するのであれば、必然的に技術者中心、それも能力の高い社員から10%以上も抜ける事になるわけで、それではもう事業自体が回らないでしょうから。支援表明したかつての母体3社の一角NECも似たような状況ですし、死なばもろとも的な絶望感が漂います。生命線は堅調な三菱電機と日立の支援、回復成長の見込みが無い以上両社とも手を切りたくて仕方ないんでしょうけれども、さて何処まで付き合うか。延命措置はもう十分過ぎるほどされた筈ですし、常識的には速やかに整理されて然るべきところ、本件もその一環という位置づけで見るのが相当なのかもしれませんね。

半導体ルネサス、6千人削減…財務基盤も強化

ところで、先日アナウンスされていた富士通、パナソニック両社とのLSI関連事業統合の件はどうなったんでしょう。一旦白紙に戻すのか、それとも本件の一環と位置づけて進めるのか。そのうちわかる話なんでしょうし、どちらにしても不採算事業につきリストラは不可避なものと思われますけれども、関係者はさぞかし気を揉んでいることでしょうね。

[過去記事 [biz] ルネサス,富士通セミ,Panaがロジック統合交渉]

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そして数日後、あっさり1万人超に倍増。3割削減って、もうわけがわかりません。
[関連記事 [biz] ルネサスがリストラ数を1万人超に倍増]

5/19/2012

[biz] 発行済B-CASカードの8割超がクラック

数日前からそこかしこで目に留まる本件、私はテレビ自体見ないので他人事ではあるのですけれども、そろそろB-CASも終わりらしいという事で、簡単に現況確認がてらさらってみました。

状況をまとめると、B-CASカードの大半を占める東芝製とパナソニック製の大部分、現行も含め既発行のB-CASカードのうち実に8割の型番に対し、内部のチップが特定されると共にファームの書き換えコマンドも発見され、ほぼ同時に本コマンドにより見放題の試用期間を大幅に延長して書き換えるアプリが作成されて出回っている、んだそうで。汎用のICカードリーダライタで繋いでコマンド一発。

あーうん。もう駄目ですね。ハッカーさん達の完勝です。上記のコマンド等が発行後のメンテ用等意図的に用意された裏モード的なものなのか、単なる設計ミスによるものなのかはわかりませんけれども、いずれにしろ登録情報の無制限な書換が可能になった時点でアップデート等のソフト的な対応は無意味だし、カードを設計変更の上再発行して交換するか、といっても登録制じゃないしそんな事は不可能なわけですけれども、であればB-CASカードによる全視聴管理自体を諦める他ないものと思われるところで、発行母体のB-CAS(株)はじめ、放送会社や機器メーカーの各位におかれましてはご愁傷様です。

まあでも、仮に廃止になったとしても、ユーザーや業界としてはアナログ時代の仕組みに戻るだけだし、そもそもB-CAS自体導入してるのは日本だけだったところ、それが撤廃されたところで世界標準に合わせる結果になるわけだしで、悪い話でもない、どころか社会的にはむしろ良い事だろうと思うんですけどね。B-CAS(株)が潰れて困る人なんて外部にはいないし。ただ、今現在既に需要減で瀕死なメーカーについては、海外組参入によるシェア低下と、B-CAS廃止すなわちコンテンツの私的視聴・利用の自由化による需要増との間での振れ具合、その見極めが難しいって位でしょうか。 もちろん一ユーザとしては歓迎しますよええ。放送は見ませんけどね。

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本件でビジネスモデルが基礎から崩壊したスカパーが悲痛なコメント。本件を用いた有料放送の無断視聴は違法行為につき判明したら告訴するという脅しで強面を装いつつ、具体的な手段は当然ながら何もなく、何とかしろB-CAS(株)と喚いているだけの話で、歯ぎしりの音が聞こえてくるようです。これを受けて今頃はB-CAS(株)とその下請メーカー間及び各社の内部で言い訳を飛び交わせつつ互いに責任を押し付け合っているだろう事は想像に難くありませんが、方式の仕組みの中に無断視聴を確認する手段が存在しない以上全て無駄なわけで、さてどれくらいで諦めるかな。

B-CAS カードに関わる一部報道等に関して

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そうこうしてるうちに早くもsoftCASなるB-CASカードのエミュレータまで出来ちゃったんだとか。頑張りますねえ。違法視聴の幇助とかで告訴されてもおかしくないと思うんですが大丈夫なんでしょうか。まあ仮に検挙されたとしても、これだけ完全なエミュレータがソースも含めて出ちゃった以上はどうにもなりませんけどね。覆水盆に返らずです。

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なんか明後日な方向の話も。
[関連記事 [biz] ICカードリーダライタ販売停止の噂に ]

5/18/2012

[biz] HPが8%程度のリストラ計画中

実に3万以上、主にHP Servicesを中心にしたサービス事業から、特に高給の中堅からベテランの社員を削減するんだとか。背景には折からの業績不振、それに伴い同業他社と同様に進めている海外への機能移管があるわけですけれども、プロダクト部門、また生産部門が基本対象外というのは珍しくも不思議に思われるところです。既に移管・売却済で削減余地が少ないという事なのか。

といってSEが非常に人余りな状態なのはHPも例外ではないだろうし、少し前に撤退したばかりのタブレット事業をまたぞろ復活させるだとかいう噂もあるしで、案外本気でプロダクトへのフォーカスを強めるつもりなのかもしれません。でも仮にそうだとしても、出てくるだろうのは多分に従来同様のサービス抜きの汎用ハードって事になるんでしょうし、その種のプロダクトに再参入の余地というか意味があるのかは疑わしいわけですけれども。HPにそういう周囲のネガティブな期待を裏切るだけの能力が残されているのかもわかりませんが、期待しないで待つとしましょうか。

Hewlett-Packard to Cut About 30,000 Jobs

HP's Layoffs Will Squash This Important Business Unit, Employees Warn

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もうちょっと詳しい事情が記載された続報。 対象はアウトソーシング部門が中心で、当該部門のリストラは今回に限った話ではなく、以前から続いていたんだとか。そもそもサービス事業は外様だったからという事情も大きいそうで、だとすると切りやすい所を切ってるだけの安直な話なのかな、とますます期待出来ない感じで。

HP Employees Paint A Scary Picture Of One Of HP's Biggest Business Units

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決算とともに公式発表、27000人で確定。Cloud、business analysisに注力ですか。うーん。取って付けたようなおざなり感ありありですね。何処まで本気なのやら。
 As Computing Changes, H.P. Struggles to Follow


5/17/2012

[biz] ギリシャに続きスペインでも預金流出中

だとか。5月前半、ギリシャを中心にした政権交代による金融破綻処理の行き詰まり、またギリシャのユーロ離脱可能性が高まった旨の観測を受けて、毀損が懸念される関連債権への露出が大きい各国銀行からの預金引き出しの動きが続いている、というお話。いずれも引き出された預金の額は1000億程度という事で、まだ取り付け騒ぎとまでは行きませんが、それでも当該銀行の一つ、スペインのBankiaでは株価が20%超の下落となったりして、割とシャレにならなくなってきているようで。ギリシャは言うに及ばず、イタリアとスペインあたりは再び地獄へ真っ逆さま、気が付けば欧州崩壊第二幕といった様相を呈しつつあるようにも見えます。

まあ原因も経緯も完全に自業自得だし、日本としては米国はそれなりに堅調だから別にどうなろうと構わない、というか手も足も出したくても出ないわけなんですけれども、バブル崩壊後の日本とうり二つな有様を見るのは気分が悪い事この上ないし、早急にケリをつけて頂きたいところですね。

Shares Of Spanish Bank Bankia Plunge 20% After Report Of $1.3 Billion In Withdrawals In One Week

[law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取

巷では国会議員まで巻き込みつつ長らく激しいバッシングが続き、事実確認を求める声も強く上がっていた本件、ようやく吉本興業の公式リリースも出て事実関係が公式に認められたとのことで。その内容は、河本準一の岡山在住の母親が、今年の4月まで少なくとも7年以上の長期に渡り、その期間中の大半で河本準一から十分な扶助を受ける事が可能だったにも関わらず、地元自治体経由で生活保護を受給し続けていた、というもの。要するに結局のところ疑惑はほぼ完全に事実だったという事ですね。

吉本興業はお粗末な詭弁を弄して正当化しようとしている様子ですが、上記の事実がある時点で母親には不正受給が認められる事は勿論、自治体に対する詐欺にあたる事も明らかで、かつ周知の事実であるところの両名間の関係の密接さからすれば、河本準一についても共同正犯が成立する事案であろうかと思われます。その辺の立証は面倒でしょうけれども、非常に悪質ですし一罰百戒の意味でも速やかに検挙される事が望ましいですね。

吉本興業については、本件に関して使用者責任はなさそうですけれども、被疑者を擁護し、逆に社会を非難している以上、反射的に被疑者と同一視され、同様の非難を受ける事は避けられないでしょう。元来興業屋というのはその成り立ち、事業構造からして暴力団等と切っても切れない関係があるものであって、昨今の社会における暴力団排除の流れからすればそれ自体が排除されるべきものなところ、本件はその一端が現れたものと見ることも出来そうです。本件のコメントを見ても、また未だに燻る島田紳助の件とも併せて考えれば、やはり本質的に反社会性を帯びた組織である事は否めないように見えるわけで、そうである以上は社会的に広範な非難を浴び、排除を受けるのも必然的な話なんでしょうね。

ただ、一私企業、その社員の犯罪に、国会議員が国政そっちのけで突っ込むというのには多少の違和感も無いではありません。生活保護の不正受給一般で言えば、大阪を中心にもはや看過し難い程に常態化している現実があって、むしろ本件を端緒として、広範な不正摘発と共にその抜本的な制度修正を進めるべきだろうと思われますし、そこまで進めるつもりならば国会議員が先頭に立っているのは好ましい事でしょうけれども。それには相当な労力と時間が必要であろうところ、世間も議員もその意識と活動を持続出来るかどうか。ある程度懐疑的にならざるを得ないのもまた現実なんでしょうし、可能性は無いでは無い、といったところでしょうか。うーん。理想を言えば現金支給の廃止、住居関連も含め現物支給への移行等の全面修正を望むところですが、流石に困難でしょうし、少なくとも不正支給の予防を強化する法改正位までは辿り着いて頂きたいですね。

◆河本準一に関する一部報道について 

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早くも同様の事例が明るみに。河本だけではないだろう事は吉本の態度を見れば容易に推測出来たところでしたけれども、酷いものです。
[関連記事 [law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い]

5/15/2012

[IT] LenovoがThinkpadキーボードを全面変更

Thinkpadの新モデルが発表されたという事で見てみたら大惨事。X,T,W,Lも含めThinkpadの全シリーズのキーボードが廉価シリーズで採用していたアイソレーションタイプに変更統一され、これまでのいわゆるThinkpadkeyboardが一気に廃盤になってしまったんだとか。これでThinkpadとは名ばかり、ありふれた廉価PCの単なるカラー違いに成り下がってしまったわけで、実質的に生産終了ですね。さようならThinkpad。

PC業界におけるコストダウンの権化、安かろう悪かろうの象徴であるレノボに買収された時点で、いつかはこうなる事は明白だったし、実際モデルチェンジ毎に明らさまにチープな作りになっていっていたとはいえ、他を以って代えがたいキーボードのシリーズが完全に失われてしまうのは極めて残念無念な限りです。泣きたい。

Lenovo refreshes its ThinkPad T, W, L and X lines with Ivy Bridge processors, slightly retooled keyboards

5/14/2012

[biz law] NHKが受信契約を捏造し料金詐取

まあうん、そういう事もありうるだろうなと思ってましたよええ。プロパーなら契約獲得数によらず給与が支払われるからこういう事はまず起こらないけれども、委託だと歩合制でしょうから、ノルマに追われて、って話ですね。沈静化していたNHKへのバッシングが再び燃え上がるだろう事も必死です。

もっとも本件は新聞はじめ他の業種でも起こりうる架空契約による詐取であってNHKに特有の話ではないし、営業員個人の犯罪としての面もそれなりにありますから、NHKは尻尾切りで責任を回避しようとするんでしょうけど。しかし少なくとも間接的な責任はあるし、そもそも視聴契約と視聴可能性との間でシステム的な同期が取れないところに根本的な原因たる欠陥がある事は明白、それは長く指摘され続けて来たにも関わらず修正を怠ったNHKの組織的責任は重いと言わざるを得ません。

要するに、NHKを見ない多くの人が要望する通り、CS等と同様に放送データに原則スクランブルをかけ、契約者にのみ解除キーを配布し視聴を許可するシステムに移行すれば契約と視聴可能性との間で同期が取れてすっきりするし、そうであれば本件のような事はそもそも起こり得なかったって話です。今進んでる訴訟の中で導入を促す判断とか出ないものかな。難しいだろうとは思いますけど、率直に言って現行のしくみは社会的に適合していないし、無用の弊害が大きすぎると思うのですよ。今更な話ですけど。

NHK委託会社の社員、受信契約書を偽造

5/13/2012

[biz] IBMの報酬制ダイエットシステム

何かと思って見てみたら、要するに食事のメニュー選択時とかダイエットに影響を与える選択の際に、望ましい選択をする度に金銭等の報酬を与える事でダイエットを促進するって話だそうで、特許も取ってるんだとか。うーん。

率直に言って極めて陳腐な仕組みで、特許性のかけらも感じられません。まあ米国特許のザルさ加減は健在という事でしょうか。しかしそれでも天下のIBMが得意気に出し、メジャーなメディアが冗談まじりながらもある程度真面目に取り上げているのは事実なわけで、逆に言えばそれだけ米国では肥満問題が切実って事なんでしょうね。

しかし、そういうニーズの高さが殆ど藁にもすがる位に切実だとしても、本システムは文字通りの藁にしかならない程度のものらしいのがアレです。特に、肝心のユーザの選択が実際になされたかどうかをシステム側で把握する事が事実上不可能につき自己申告に任せる他は無い、というのは、既にシステムの体を成していないように思われてなりません。下記記事でもしつこく言及されているように、ユーザの生活をほぼ完全にトラッキングする事になるから、プライバシーの問題も深刻でしょうし。要するに商品には到底なりそうもないわけで。開発者自身は18ポンド痩せたよ、とか言って笑ってるようですが、一応遊びじゃない筈だし、IBMってそういうノリが通る所だっけ、と困惑を覚える次第です。

といって本件に限れば、IBMにもそういうおおらかな人がまだ僅かながら残ってるってだけで、ネタの提供ご苦労様です、とほのぼのすれば済む話かもしれません。ただ、こういうアレな話というのは、本件のIBMに限った話では全くなく、むしろ業界全体に共通する傾向に感じられるわけで。国内の大手メーカーのプレスリリースでも、このところよく似たような印象を受けるんですよね。

本件含めそういう微妙な新技術というのは、ほぼ全てネット、特にソーシャル上の話です。スマホを使うサービスですね。その潜在的な可能性の高さからすれば、急速に普及したソーシャル的なプラットフォームをSNS以外の新しいビジネス・サービスに転用したいと思うのは自然な事だし、ライトなものが逆に受け入れられやすい事が多いのも事実で、従って陳腐かつシンプルな仕組みを再発明というか単に流用した、的なものが一通り出尽くすまでは多々発生する、そのあたりの流れ自体は理解出来るところでしょう。

ただ、アクション毎に動く人も資金も大きく、とりわけ新製品、新サービスの投入にあたり、そのコストに釣り合う程度にはリスクもリターンも計算して動くべき筈の組織が、こぞって後先考えないとしか見えないアレさ加減のものを泡沫の如く出してはあっという間に消えを繰り返すというのは、流石にそれは企業活動として違和感を覚えざるを得ません。エンジニア一人当たり年2000万とか小さくないコストをかけて、ヨタ話を流して終わり、では単純に事業として成立しないって話です。浪費出来る位、金や人に余裕があるっていうならいいんですが、そんなわけはないんですし。

単に後先考えて開発出来る人が減ったのか。エンジニアが年を取って時代に付いていけなくなったのか。それとも逆に時代に適応し過ぎて、エンジニアリングを進める動機を失ってしまったのか。考えたところで詮無い事ですが、あらためてこのところの残念な傾向、すなわち技術革新における質の急速な低下、それを再認識させる本件でした。

Dieting for Dollars (or Maybe a Movie Ticket)

5/07/2012

[biz law] SNS課金の違法化開始

まだ公式ではないものの、元々大方から規制が早晩入るだろうと見られていたところにすんなりハマり、あっという間に確定扱いとなったガチャ課金違法化。色々と法整備が不十分で摘発にも面倒がつきまとうところ、予想より若干早く切り込んできたように思います。

今回の容疑は、ガチャによって得られる画像データの内、特定の組み合わせを揃える事により特殊画像データが得られるサービス、いわゆるコンプガチャに対し、それを懸賞と認定した上で、それを制限する、公正取引委員会告示「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」第5項「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。」、いわゆる絵合わせの禁止、に違反したものとされています。

上記告示中にある懸賞の定義に照らせば、ガチャが懸賞にあたる事は間違いないし、コンプガチャが上記容疑に該当する事にも異論の余地無きに等しく、もはやコンプガチャは速やかに廃止となる以外にないでしょう。その他のガチャは対象外ではあるものの、コンプガチャとそこでしか得られないレアカードがガチャ課金における射倖性の中核的な源泉である事は以前から指摘されていましたし、その全面禁止による効果の高さにも疑いの余地はありません。

すなわち今回の容疑構成は、初手らしく手堅いものでありながら極めて効果的、ほぼ理想的なものと言えそうです。市場の受け止め方を見てもその効果は鮮明ですし、消費者庁の面目躍如ですかね。もっともまだ着手したばかり、公式にすらなっていないのだし、一般の課金についても既存の他業種と同程度には合理的な規制がかけられる必要もあるでしょうから、まだまだこれからが本番、行政、立法共に関係者の健闘を願う所です。ただ、本件の入り方の絶妙さ加減からすれば、その後の話も大分上手く回りそうにも思われますし、非常に好ましく思われるところですね。

「コンプガチャ」違法判断、ゲーム各社の収益に影響も DeNAやグリー、利用伸ばす
コンプガチャ、景表法抵触の可能性 消費者庁

[過去記事 [biz law] SNS課金の反社会性と規制の流れ]

5/02/2012

[biz] 米IBMの高齢社員向け早期退職プラン

が酷すぎると聞いて。

下記記事によれば、対象者は在籍30年以上、55歳以上で在籍15年以上、60歳以上で残り1~5年のいずれかに該当するベテラン社員で、 条件は退職期限2013年末、それまでは労働時間が現在比60%、給与同70%と大幅に削減される、ただし年金その他の福利厚生は予定通り、というもの。そしてこれだけの悪条件と引換にした対象者へのメリットは、2013年末までの雇用保証すなわち、それまでに実施されるリストラで対象外になる事が保証される、というだけなのだとか。

要するに、今すぐ首になるか、社内リストラ状態であと1年余り働いた後で辞めるか、どちらか選べというわけですね。確かに日本ではまず違法になる程度には酷い話です。ていうか米でも訴訟になるだろこれ。一応その通達の文面では社員の第二の人生を支援する、とかいう建前を取り繕っているようですが、IBMがまさに今進めている所のインド等海外への諸機能の大幅な移管集約、それに伴うリストラである事は明白、余りに白々しすぎて何をか言わんやです。

とはいえ、日本でもメーカー中心に似たような話は多々起こっているんでしょうし、結果として行き着く所は同じ、実質解雇である以上、先般のシャープのように嫌がらせ人事で追い込んだりするよりは、本件のように全社的にオープンかつストレートな形で進める方がプロセスとしてはマシになるのかもしれません。世知辛いですねえ。

IBM's Offer To Older Workers: Either Take A Pay Cut, Or Risk Being Canned

4/28/2012

[biz] 2011年度決算前半インプレ

兎にも角にも様々な事があった2011年度。復興需要を取り込んで勢いづくセクターあり、欧州バブルの崩壊、また壊滅的な需要急減の前になすすべなく崩壊したセクターあり。非常に混沌としたその社会・経済状況を反映して、各社決算も非常に多様なものになっていますね。

その中でも例外的にセクター全体として好調なのは建設関連。不動産は地域にもよりますが概ね逆なのがミソです。次いで会社間の差異が大きいけれど通信。ソフトバンクの好調ぶりは嫌でも目に付きます。どうしても料金詐欺の件がチラつきますけど、まあ世間が忘れているならそれはそれで問題ないという事なんでしょう。殆ど死角は無いようにも見えますが、好調を支えるAppleのイノベーションにネタの出尽くし感が漂い始めているのが不安要因ではあるでしょうか。

期末の円安に振れた為替変動、それに伴う円建株価の急騰の恩恵を受けただろう筈の金融証券セクタは、意外とバラバラ。欧州債権関連の影響が大きかったところでは赤字転落もあるくらい。株の急騰がなかったら総崩れだったんでしょうか。ともあれ、全体的には致命傷には至らず、比較的良い部類に入ったものと言うべきでしょう。

さて。言わずと知れた電力、また軽電関連は、部品メーカーも含めてもはや何も言うことはない程の惨状です。NEC、Sharpの二社は従前の予想通り。その多くが2012年度予想も営業自体はさほど改善見込みもなしで、来年の今頃はどうなってることやら。コンシューマ向け産業崩壊の象徴の一つであるところの任天堂も、為替差損が縮小したものの大赤字には変わりなし。自動車は致命的とまではいかずとも多数が不調。

そんな感じで。Q1の頃の総崩れ感からすれば、相当に持ち直したように見えますが、それは単に元の目を覆うばかりな惨状、それから相対的に改善したに過ぎないのだし、既に今は亡きエルピーダも含め、切り捨てられた、もしくは切り捨てられつつある部分が多々あるわけで。その陰は拭い難いところ、一安心、と言うにも躊躇を覚える、そんな複雑な本決算前半でありました。もっとも、海外の企業は概ね好調と言って良い状態なので、余計に悲惨に見える面もあるのかもしれませんけれども。

4/27/2012

[note] ubuntu 12.04LTS導入

先日正式リリースされた久々のLTS版となる12.04ですけれども、早速手持ちの数台に導入してみましたのでメモ。

対象は64bitのデスクトップ1台と32bitのノートPC2台。ノートの片方であるところのLooxUだけクリーンインストールで、後の2台はアップデート適用です。アップデートの元バージョンは共に11.10。流石にリリース直後はサーバが混み合うので避け、少し時間を置いてからトライ。

結果から言えば、アップデートの場合には多少なりと時間はかかりました(1~2時間)けれども、適用自体はほぼノートラブルで割とあっさり完了。特に64bitの方は特段の問題もなし。ただ、32bitの方は万事OKというわけにはいかず、幾つか下記のような手間はかかりました。

・アップデート、クリーンインストール共通
日本語ロケールで従来から標準のFEPであるところのanthyが適用後に起動せず日本語入力ができない。仕方なしにscim-anthyを手動追加&設定して対応・・・していたんですが、後にクリーンインストールし直すと最初から入力可能になっていました。おそらく修正アップデートが発行されたんでしょう。と言う事で本件は解決済み。もうちょっと待てばよかったですかね。

・LooxU(というか、GMA500)のクリーンインストール時
起動時にブラックスクリーンのままフリーズ。GMA500ドライバの公式を確認するとこれは既知の現象で、lightdmの起動に失敗しているということらしい。公式の推奨に従い、別コンソール(Ctrl+Alt+F2等による)から下記コマンドでlightdmを再起動してやるとログイン画面表示。

$ sudo service lightdm restart

二点目の問題は、その対処のために再起動処理を起動毎に行う必要があるわけで、正直非常に困りますけれども、まあ毎度恒例のGMA500ドライバの問題という事で、旧版のそれに比べればまだマシだし、いつも通り進展を気長に待つ事にしましょう。どうせ再生支援とか現時点で公式にも色々非対応なのだし。でも12.04で売り物の一つであるところの省電力性はLooxUのようなモバイル機でこそ意味があるわけで、早くその恩恵の程を確かめたい気持ちはありますし、とりあえず現状使える範囲で我慢して使ってみますかね。ちなみにgdmへの変更も試してみましたが関係なし。

とはいえその程度で。あと他にしつこくも復活してきたpanelを消しなおしたりとかチョコチョコいじる必要はありましたけれども、最大の懸念だったサーバのアップデートはうまくいったし、全体的に見れば概ね無事完了で一安心。やれやれです。まだ気づいてないところで何かあるかもしれませんけどね。ともあれ、今回はひとまずこれでおしまい。

------追記:LooxU(GMA500)の起動時ブラックスクリーン対処法

さすがに本件は被害者が多く出たようで、対処法も結構早く見つかりました。下記に従って、bootオプションにconsole=tty1を追加すればOK。

Ubuntu 12.04 gma500 (poulsbo) boot options

具体的には、/etc/default/grub中、GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTパラメタの中に書き込みます。例えば下記。

GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash console=tty1"

下記コマンドでgrubに更新を反映させてから再起動すれば、lightdmが正常に立ち上がるはず。やれやれです。

$ sudo update-grub

------追記:おまけ LooxUのタッチスクリーンキャリブレーションについて

毎度すんなり使えず面倒なLooxU(C40)のタッチスクリーンですけれども、12.04もその例に漏れずデフォルト状態では正常に使えません。そこでこれまで同様にfujitsu-usb-touchscreenドライバの導入で解決を図ったところ、デフォルトのタッチスクリーンドライバと競合したらしく画面が乱れたりとさらに混沌な状況になる始末。タッチパネル周りはこのところコアモジュール的な感じにつき例外扱いするのもいい加減面倒なので、回転対応その他はひとまず諦め、デフォルトドライバをそのまま使う事にしました。これも時代の流れですかね。ただ、デフォルトだとタッチ位置とポインタがかなりずれるので、キャリブレーションだけは行っておく必要があります。その方法は以下の通り。

[LooxUのタッチパネルキャリブレーション手順]
まずキャリブレーションデータを取得します。ツールを下記コマンドで導入し、

$ sudo apt-get install xinput-calibrator

次いでターミナルから下記コマンドでキャリブレーションツールを起動、画面の指示に従って四点をタップ。

$ xinput_calibrator

するとターミナル上に下記のようなキャリブレーション設定データが出力されます。

Section "InputClass"
Identifier "calibration"
MatchProduct "Fujitsu Component USB Touch Panel"
Option "Calibration" "280 15696 1021 15894"
EndSection

キャリブレーションの数値は私の場合の例。これをそのまま、下記ファイルを新規作成してそこに書き込みます。当然sudoで。

/usr/share/X11/xorg.conf.d/99-calibraton.conf

以上で設定OK。一旦ログアウトすれば以降キャリブレーションが有効になります。

------おまけその2 LooxUの輝度調整とサスペンド復帰時ブラックアウト修正

同じくデフォルトで起こる不具合2点に対処。これまたお決まりの輝度調整不可とサスペンド復帰時のブラックスクリーンですが、私のLooxU/C40ではそれぞれ下記で対処可能でした。

・輝度調整
/sys/devices/virtual/backlight/psb-bl/brightness に0から100の数値をsudoでechoしてやればOK。出力先はここへのシンボリックリンクになっている/sys/class/backlight/psb-bl/brightnessでも良い旨の情報も複数ありますが、どうもそれはダメみたい。この辺が不具合の原因って事でしょうか。上記を一々打つのも面倒なので、下記のようなシェルスクリプトを作成しておくと良いかも。

[輝度調整スクリプト]
#/bin/sh
echo $1 > /sys/devices/virtual/backlight/psb-bl/brightness

[使用例] 上記をbl.shとか適当な名前で保存して、実行属性を付与した後、
$ sudo ./bl.sh 20

等として実行してやればOK、な筈。

・サスペンド時ブラックアウト修正
/etc/pm/config.d/gma500 等とパラメタ設定用ファイルを作成し、その中に下記パラメタを書き込んで保存。当然sudoで。それだけ。

[設定ファイル内容]
ADD_PARAMETERS='--quirk-vbemode-restore'

-------おまけその3 Synergyの強制終了対応

PC間でキーボード・マウス共有するのにSynergyを時々使っていたんですけれども、12.04にアップグレードした後に使おうとしたところ、特定キーを押した時にクライアントが強制切断されるようになっていて、とても使える状態ではなくなってしまっていました。セキュリティポリシーの変更とかに引っかかったのかな、とか原因は色々想像されるものの定かではありませんが、元々常用していたわけじゃなし、別に使えなくてもいいか、と放置していたのをふと思い立って修正を試みたところ、何のことはなく最新版に入れ替える事で解消された様子なのでメモ。入れ方は下記の通り。

まず、Server,Client共に現在のsynergyを一旦削除。
$ sudo apt-get remove synergy
次いで、現時点での最新版1.4.8Betaを公式から取得してそれぞれインストール。
$ sudo dpkg -i  synergy-1.4.8-Linux-[***].deb

そんだけです。ちなみにWindows機との接続については元々上手くつながったり繋がらなかったりだったんですけど、同じく1.4.8に入れ替えたら安定して接続出来るようになりました。Beta版なのが気がかりではありますけど、ずいぶん前から放置状態ですし、事実上の安定版って事なんでしょう。まあ動くならそれでよし、です。

[過去記事 [note] ubuntu 11.10 を試験導入 ]
[過去記事 [note] LooxU/C40のUbuntu11.04設定 ]
[過去記事 [note] Ubuntu 11.04がとても微妙]
[過去記事 [note] LooxU/C40もUbuntu化]

4/26/2012

[biz law] 薬ネット販売訴訟、原告逆転勝訴

おお。改正薬事法、正確には厚労省による省令であるところの薬事法施行規則によって医薬品等のネット販売にかけられていた殆ど禁止に等しい大幅な規制、これを巡って業者から提起されていた訴訟について、一審で合法とされていた判断が二審では覆ったそうで。

今回の判決には何ら疑義は感じられません。むしろ当然の判断と言うべきでしょう。当初から広く指摘された通り、本件の規制は既存の店舗販売業者が新規業態を排除し自らの営業を保護するために導入を図ったものであり、その根拠として主張されたところの対面販売の重要性も建前に過ぎない事は明白でしたから。判決からも伺えますが、ネット販売で問題ありとされた顧客への薬剤の使用に関する情報の提供においても、実際には可能だろうどころか、むしろ個々の顧客への応対時間確保が困難な場合も多い店舗より十分かつ適切に行える可能性がある位なのですし。

ケンコーコムは安いし便利だしで個人的にもよく利用していましたから、再びその恩恵に与りうる一市民として今回の判決は素直に喜びたいと思います。最高裁で覆る可能性は非常に低いだろうとも思われますし、この上は速やかな改正を願いたいところですね。ドラッグストア業界とかは反発するんでしょうけれど。

大衆薬ネット販売認める 高裁判決、原告側が逆転勝訴 ケンコーコムなど2社

[law] 小沢氏の一審判決、その非論理性

小沢氏の政治資金規制法違反容疑について、ようやく一審で無罪判決が出た件ですけれども。あっちもこっちも苦しい感じですねえ。

無罪判決自体は、その直接的な証拠の少なさ、殊に検察の不祥事に起因して石川氏の自白調書が不採用とされた事からそれなりに予想はされていましたし、特段の驚きもないわけですけれども。しかし、果たして出てきた判決の内容は、証拠が無いために基礎事実の認定がなされず無罪、という大方の予想とは全く異なる玉虫色なものだったわけで。

特に、検察審査会の議決に基づく起訴は有効、かつ4億円の記載漏れの事実及び違法性を認定し、さらに石川秘書の報告による小沢氏の事実認識まで認定しておきながら、共謀はなく無罪、という論旨、その構造には、流石に無理があるものと言わざるを得ません。小沢氏の全く預かり知らぬところだった、だから共謀ではない、というなら通るんですけれども。報告了承と共謀の違いは何処にあるのか。報告了承というのは、一般的には共謀行為の一形態と捉えるのが自然なところでしょう。それを異なるものとする判決の判断には、少なくとも客観的な論理性が十分にあるとは到底言えないものですし、裁判長の恣意的なものと考えざるを得ないところです。

要するに、理由と結論の間に論理的な整合性がない判決になっているわけで。一審とはいえ、こんな事では困りますね。判決における論理性の欠缺は当然にその影響を受ける関係者にも波及するのですから。実際、与党民主党内は小沢氏の復権を巡って再び混乱に陥ろうとしていますし、その周囲も困惑の極みにあるように見えます。指定弁護士側もこれでは引くに引けないでしょうから控訴するだろうし、こういう状況はまだこれからも続くんでしょう。げんなりしますねえ。

とはいえ判決は判決、出てしまったものは仕方がありません。今後の再発が抑制されるよう、今回の混乱を引き起こした原因であるところの検察はもとより、法曹関係者には引き続き本質的な改善を望みます。

 小沢元代表に無罪=秘書との共謀否定、虚偽記載了承は認める-東京地裁

4/25/2012

[biz] 原発はこのまま終焉するか、するべきか

震災直後から、長らく膠着状態の続いてきた原発の利用を巡る動きにも、ようやく一つの決定的な分岐点に差し掛かったようで。何かと言うと、先日研究者から指摘された敦賀原発直下の断層の存在の件です。正確には、それによって再び表に引き出されて来た、定性的、構造的な意味での原発設備の安全性の有無という根本的な疑問点ですね。要するに、原発は安全なのか、安全たりえるのか、という、原発を巡る全ての問題の根本であるところの単純な問いに答えを出す時が来たものと言えるかもしれません。

前置きは抜きにしましょう。原発は安全か否か。その問いに答えるには、まず原発における安全という状態を明確に定義する必要があります。その表現には様々なレベルがあるでしょうけれども、端的にまとめるならば、以下のような表現がありえそうに思われます。

[原発における安全の定義例]
経時劣化、地震、風雨等の自然現象、管理不備や攻撃等の人為的な作用、また社会経済等の状況による運営状況の変化等、およそ現実に原発の設備状態に影響を及ぼしうる全ての事象またその組み合わせに対し、事後も含め外部への物理的な影響を与える可能性が皆無である

そして、上記のような安全、その是非を判ずるには、その判断基準と基準への適合性を測る手段が必要となります。全ての事象を文字通り把握する事は不可能ですから、近似的な手法、すなわちこれまでに蓄積された物理法則と経験知に従って特に決定的であろう事象を抽出し、さらにその中で各々発生しうる最大の影響を想定した現象による作用、その原発に対する影響を物理理論に従って仮想的に検証するわけです。そして、特に決定的とされるものは何よりもまず地震、その揺れによる構造破壊の可能性であるわけです。個人的にはテロ等の人為的な攻撃の方が発生する可能性は高いとも思いますけれども、それはともかく。

しかるに、件の敦賀原発では、直下に断層が存在する旨が指摘され、それが事実であれば廃止すべきものと広く共通に認識されています。すなわち、いわゆる直下型の地震が発生した場合、それによって原発は損壊し、外部に物理的な影響を与える可能性があり、安全ではない、それは既に肯定されている。少なくとも直下型地震の発生可能性があれば安全ではないという事は明確で、そこに疑いの容れる余地はない。では、他の原発、また仮に新設するとした場合における日本国内の土地一般についてはどうか。直下型地震が絶対に発生しないと断ずる事が出来るのか。

そんな事が出来る筈はありません。それを確認するには、対象となる土地を含め、連動する可能性のある地盤の全域に対し、少なくとも数十キロの深さまで立体的に十分な密度で地中の構造を把握する必要がありますが、その前提として必須となる計測手段は存在しないからです。安全とされてきた敦賀原発で新たな断層の存在が今になって指摘される、そのような事態が起こるのもその証左と言えるでしょう。要するに、日本全国の大半において、直下型の地震が発生しないとは言えないのが現実であり、それは現存する原発の立地についても例外ではない、そう判断するのが妥当に思われるわけです。

そして、その事実が上記の安全に反する事は明らかです。従って、原発は安全か?という問いに対しては、明らかに否である、そう言わざるを得ません。そして、その技術的な困難さから、将来に渡っても状況が改善する見込みすら得難いわけで。そうである以上、論理的には、日本における原発、その存在自体このまま終焉すべきものである事にも、疑いの余地を見出し難いところです。

しかし、周知の通り原発業界における利害関係の範囲、またその規模は非常に大きいものであるし、組織にせよ個人にせよ、その多数が保身に走るだろう結果、如何にも安全であるかのように装う詭弁や、代替策の整備をあえて怠りながら脅迫的に危機感を煽る類の行為もさらに勢いを増すでしょうし、当然それに対する反作用的な動きも強まって対立を深めていくのでしょうから、現実としては紆余曲折を極めるんでしょう。その結果、敢えて事実に目を瞑り、原発は安全との建前が押し通され、再び原発の利用が増加に転じる可能性も相当にあるでしょう。極めて残念なことですが。

ただ、如何に詭弁を弄しようとも、原発は安全ではなく、甚大かつ回復不可能な被害を発生させる危険がある、それは紛れもない事実であり、従ってそれを安全と称して設置稼働に及ぶ事は、如何なる理由があろうともその周辺地域、またその住民を欺罔して危険に晒すものに他ならず、決して許されない人命・財産双方に対する犯罪である事、それだけは申し上げておきたく思う次第なのです。そして電気が足りないなら、危険を冒して原発を動かすのではなく、安全の保証される火力発電所の増設を急ぐべきだと思うのです。それで燃料費分のコストが上がろうとも、それは安全のために必要な費用なのだから甘受せざるを得ないものでしょう。福島の惨事を目にした今なればこそ。

願わくば、この思いが多くの方と共にありますよう。

敦賀原発直下に活断層か 2号機、廃炉の可能性も

[biz] Sharpが生産・研究開発900人を営業等へ転換

リストラの続くシャープがまたアレな施策を追加するんだそうで。不振で大幅な規模縮小を余儀なくされる液晶と太陽電池パネルの生産・開発部門から、営業等の販売部門へ。生産とか研究開発の人員を営業に異動とか、どう見ても退職勧告的な嫌がらせ人事ってやつですね。その手の施策は労使双方にとって悲惨な結果にしかならない事は過去の例からすれば明らかな筈なんですけれども、既に破綻の瀬戸際にある企業としてはそんな事は今更な話なんでしょう。

しかし無茶しますねえ。普通にリストラする余力も無いって事なのか、単にその費用を惜しんでいるだけなのか。どちらかといえば前者で、必ずしも悪意だけによるものではないように思えなくもない、といって慰めにもなりませんけれども。

シャープ、900人配置転換 液晶パネル→白物家電へ

[過去記事 [biz] Sharpも業績不振で一般社員2%減給 ]

[note] ubuntu起動時のフリーズ修正

少し前にUbuntuを入れているPCの設定変更とアップデートをしたところ起動時に下記メッセージが表示された後にそのまま止まるようになってしまっていたんですけれども、これを修正したのでその設定をメモ。

Checking battery state... [OK]

原因を調べてみると、どうやらgdmの起動に失敗している様子。別のコンソールからgdmサービスを手動起動すれば動作する。であれば起動時のgdm自動起動設定の部分の問題だろう、ということで設定ファイルを確認して修正することに。その設定ファイルは下記。

/etc/X11/default-display-manager

私の場合は、上記設定ファイル内の設定が/usr/sbin/lightdmになっていました。調べてみると、どうもマネージャの入れ替えやらアップデートを行う際に、ここの設定が変更から漏れたりして不整合を起こす事がよくあるらしいんですね。せめて起動時にbooting ***...とか表示してくれれば分かりやすいものを。困ったものです、とため息を付きつつ、/usr/sbin/gdmに修正。でめでたくブート時に正常起動されるようになりました。という事でおしまい。

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12.04LTSの場合についてはまた別の話なので下記参照。
[note] ubuntu 12.04LTS導入

4/24/2012

[biz law] SNS課金の反社会性と規制の流れ

ここ数年来、非常に悪質な社会問題と化し、多方面で広く議論というか非難を浴びながら、その法的処理の困難さから殆ど放置され続けてきたDeNA、GREE両社に代表されるソーシャルゲームにおける有料サービスですけれども、ようやく実効性のある対応がなされ始めているとか。とりあえず、傍から見ても超渋々にしか見えないながらも活動を始めた”ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会”なる業界団体の第一回会合も終わり、その結果に従って低年齢層への課金上限規制の導入も決まったとのこと。諸意見ありますがそれらの自主的な動き自体は歓迎されて然るべきものと思われます。

ソーシャルゲームの現状、その実態については既に情報が溢れていて、その分析も山ほどなされていますからそのあたりについては今更繰り返すまでもないでしょう。ただ、個人的には、サービスが社会的に問題視されている理由、そしてその帰結として動き始めた規制の流れと併せて行き着くだろう先については、色々と興味も惹かれるところです。

社会的に問題視される理由、その本質は、大雑把に見て2点あるように見えます。第一に、パチンコにおける三点方式と極めて高い類似性が指摘されるところの賭博類似のデータ取引市場の存在によって、社会に対し同様の、大多数から放置し難いと見做される悪影響が発生していること。第二は、そもそもネット上でのデータ取引、またその運営業者自体、直接に律する法令も慣習すらも存在しないために、類似業であれば規制法によって違法とされるべき疑いの強いものと同種の行為が悉くグレーゾーンと称して規制を免れ、事実上の無法状態にあること。本当に大雑把だし別段珍しくもないものですけれども、結局はそのあたりに集約されるように思われるのです。

第一の点については、多額の課金を伴うアイテムデータのくじ引きゲーム、いわゆるガチャ及び当該データのユーザ間での譲渡機能によって成立するデータの換金性、そしてその換金性を実体化するものとして外部オークションサイト等に当該希少データの現金取引市場が形成されている事は周知の通りです。無論、だからといって直ちに違法云々にかかるわけではありませんけれども、そのしくみの中には、パチンコ等と異なる、違法性の疑いの強い要素も見られて、それはやはり問題なわけです。特に、その射幸性の大きさを定める基準であり、パチンコでは風適法等により保証を義務付けられている客の正常な判断、それを担保する要素であるところのガチャにおける各パターンの発生確率、これが不明な点は致命的と言わざるを得ません。

上記の発生確率が不明な点は、仮に今後風適法の改正により対応がなされるとすれば、まず違法な旨が明文化されるものと予想されるところです。しかし、自主規制関連の報道を見ても、この点には一向に触れられないし、その方向性すら感じられません。それが分かったらゲームじゃなくなる、って建前なのかもしれませんが、そもそも単なるくじ引きなのだし、その当たり外れの確率が分かったからって本質は変わらないでしょうと思うんですけれども。完備情報の方がゲームらしいとも思いますしね。明かせないって事は、各所で噂される通りに確率操作とかやってるって事なんでしょうか、との疑念も浮かびます。このあたり、現状法的には困難もあるでしょうけれども、是非とも公取あたりのガサ入れで明らかにされて頂きたいところです。

第二の点、規制法の不備については、 そろそろ公取が着手するかもしないかも、といった噂もそこかしこであって、でもやはり色々と法整備が出来ておらず、既存法令の解釈では無理も無駄も大きいし限界もあるということで、こちらもそれなりに深刻そうに見えます。当然これは一義的には立法の問題なのだから、国会に早急な法改正を望むべきところで、多分に風適法と景品表示法の改正による対処が予想されますけれども、法技術的には従来法の転用の組み合わせで済むでしょうし、特段の問題も無さそうに見えます。その場合になされるだろう改正内容の予測も凡そ容易に思われるところです。なのだから速やかに進めて頂ければ良い話だと思うんですが、しかし肝心の立法府が全く機能していないという。うーん。しかしこれはもう待つしかないんでしょうけれども、困ったものです。

キリがないのでこの辺で。兎にも角にも、本件は、その構造が複雑かつ規模も大きく、にもかかわらず変化のスピードも速いとあって、その解決に非常な困難を伴う事は間違いないでしょう。当然業者は何としてでも規制を回避しようとするでしょうしね。低年齢者限定の上限規制にしても、いかにも問題のすり替え的な業者側の意図がありありと見えるし、対処しあぐねていたちごっこを続けた挙句にうやむやのまま規制事実化して定着、とかそういうグダグダなところに落ち着いちゃったりしそうで、今のうちからげんなりもします。関係者の方々には、その面倒さ加減に挫けず、また業者側の目くらましに惑わされず、本来あるべきところの法による秩序の実現を期してご尽力頂けますよう、心から願うところであります。

しかし、社会的である事をその特徴とするSNSが、その成長に伴って反社会性を強めるというのも皮肉な話で。事業なのだから利益を確保するのは当然ですが、かといって人の無知に付け込んで暴利を貪り、その結果少なからぬ人を望まぬ困窮に陥らせる、というのでは社会の反発を招き排斥されるのもまた当然、そんな事が分からないわけでもないでしょうに。そこかしこで垣間見える考え方からして詐欺師同然ですし、正当化で何とかなると考えてあえてやってるんだろうとも思われますけれども、極めて残念な事ですね。

グリー、未成年の利用金額に上限を設定--月間最大1万円まで
グリーやDeNAらプラットフォーム事業者6社、連絡協議会の初会合で取り組みを発表

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そして、まもなく摘発開始のお知らせ。年貢の納め時ですかね。
[biz law] SNS課金の違法化開始

4/22/2012

[biz] 再雇用義務化に伴う現役賃金削減

NTTグループが、再雇用者分の人件費捻出のため、賃金体系を見直して30代半ば以降の昇給を抑制する方針だそうで。まあ、そういう話も出てくるでしょうね。近く導入される見込みの65歳までの再雇用義務付けに対し、一様に採算悪化及び事業自体の規模が縮小する環境下にあるところの大半の企業としては、総人件費の増加抑制に走らざるを得ないだろうし、仮に新規雇用数を据え置き、かつ総人件費を従来以下に止めるものとするならば、当然ながら一人当たりの年あたり収入を削減する他はないわけです。その対象に主力たる30代が含まれるのも、ある種当然の帰結でしょう。

しかしもちろん副作用はあるわけで。只でさえ時間外労働の禁止抑制策やら緊急対策と称して頻繁に実施される臨時の賃金カットが横行する現状、さらに本件のような恒久的かつドラスティックな賃金削減がなされれば、当然労働者側としても身の振り方を再検討せざるを得ないでしょう。その結果往々にして、実績ある中核的な社員程その能力の高さ故に残留以外の選択肢を見出す事に成功して流出、組織にしがみつくしかない程度の非生産的な社員の割合が増え、あえなく組織自体が機能不全を来して業績が悪化、そしてまたリストラ、さらに悪化・・・という負の循環に陥ってしまうんですね。その至る先は様々であるにせよ、好ましいものではないだろう事だけは確実、残念な事です。

もっとも負の循環自体は今に始まった話でなし。本件も既に陥っているその循環、その中の多少目に付く程度に大きいだけの一サイクルに過ぎないのかもしれません。そもそも本件のような措置が俎上に乗るのは年功序列的な賃金体系を維持してるところだけなわけで、成果主義に移行した所は本来関係の無い話なのだし。でも成果主義の所でも無理やり導入しようとしたりするんでしょうか。もしそうなら全く以って意味不明ですけれど、道理が通らずともやりかねない、というか多分にやりそうだと思わせるあたり、もう基礎的な部分が崩壊しちゃってるんですかね、と今更ながらに空しくも思われる次第なのです。

NTT、30代半ば以降の賃下げ計画 再雇用費に充当

4/20/2012

[biz] Chumbyが販売停止中、このまま終息?

だとか。確かに公式サイトで購入しようとしても販売停止中のメッセージが出ますね。一応今のところは一時停止というスタンスですからまだ終息が確定したわけではありませんが、そもそもハードの生産自体が2011年に終了しているらしいので、確かに下記記事にある通りこのまま終わっちゃう可能性は相当に高そうですね。極めて残念な事です。

日本では、中間マージンが乗りすぎて安価とは言えなくなってしまった価格と、この種の新製品に冷たい、ほとんど排斥的ともいうべき極めて限られた販路から、一部のマニア以外には全く売れないまま殆ど忘れ去られてしまいましたから、あまり関係ない話なんでしょうけれども。本国においても、その存在意義の中核であるところのアイデアに溢れた豊富なアプリによるカスタム性、それを上位互換的に備えたスマホやタブレットが普及したために訴求力を失い、新規の顧客は殆ど現れなくなっていただろう以上、熱烈な、しかし少数の支持があったとしても、もはや事業としての継続は困難になっていただろう事も容易に想像されるところです。

しかし、まさにガジェットというべきその傑出したコンセプトと外見、そこに漂う柔らかくアナログかつ自由な雰囲気から、購入者はもちろん、少なくともこれを知る人からは、購入の是非はさておき一様に好ましい評価を集めたのは事実です。近年においては珍しい程の愛すべき機械でありました。Androidベースであれ何であれ、後継的なものが遠くない将来にまた現れ、我々を魅了してくれる事を願って止みません。商売としてはとても難しいんでしょうけどね。

Chumby halts hardware sales, long-term support looking mighty unlikely

4/17/2012

[note] Key Tronic製キーボードを入手

またキーボードの話で恐縮です。このところ暇を見つけては倉庫にしまってあったキーボードの手入れや修理に勤しんでいるのですけれども、古いキーボードを触っていると、自然と今手元にない、しかし記憶に残っていた機種の事も思い出されて、そうすると、どうにもまた一度触ってみたくなってしまうのです。残念ながらその殆どはもうメーカーが事業自体撤退していて入手困難なんですけれども、調べてみると例外もあって。その貴重な例外の一つであるところのKeyTronic社製のキーボード、これを早速購入してみた次第です。

といってももう国内では流通しておらず、米国から輸入という形だったわけですけれども。さらに昔職場で使っていた事のあるモデルは既に終息していたので、それに一番近いフォームかつキースライダ等の内部構造が同じでタッチが近いだろう機種であるところのE06101、これを選定して先日発注し待つこと約2週間、無事到着につき早速使用中なわけです。価格は送料込み$28くらい。


キートップを外してスライダを確認。この作りが良いのです。見た目はものすごく安っぽいですけど、低コストと良質なタッチに特価した構造という事で、そのコンセプトの割り切りはむしろ好ましくも思えるところです。

 
果たしてそのタッチは、コストダウンのためでしょうか、記憶にあるものよりは若干滑らかさが劣る感もあるものの、概ね同様のスルスルと落ちる軽いもので、十分に昔日の記憶に浸らせてくれるものでした。やはりkeytronicのキーボードはいいものです。

しかし確認した限りでは国内では販売されていないんですよね。以前は秋葉原あたりに行けば取り扱っている店が幾つかあったんですけれども、その種の店自体が軒並み消えちゃってて。通販でも国内取扱いは皆無。こういうold-fashionedなキーボード自体もはや求められていないって事なんでしょうか。うーん。keytronicのキーボードに限れば米国ではこうして生産されているのだから、知っていさえすれば致命的ではないけれども、キーボードのようなインタフェースデバイスは実際に触ってみなければ良し悪しや相性が分からないものなのだし、その機会が全くないというのではこれから先新しいものに出会う可能性もほぼない事になるだろうわけで、それには流石に幾許かの寂しさを感じずにはいられないところなのです。

4/13/2012

[note] 日本語対応のキーボード変換器を入手

前回輸入したPS/2-USBのキーボード変換器は日本語キーボード非対応だったので、日本語対応のものを求めて他機種を幾つか試験的に輸入してみたところ、まず一点発見したのでメモ。下図の型番無しコネクタ一体型、eBayの在HongKongの業者から送料込$1.6。前のものよりは若干高価ですが、国内で調達すれば700円位からな事を思えば十分安価と言うべきでしょうか。


コンバータ基盤等一体型であること、かつ商品説明に掲載されていた写真からはサイズが大きいイメージもあって、自重でコネクタが折れそうになったりしないか心配していたのですけれども、実物は丁度良い具合に小型かつ軽量で、全くの杞憂でした。幾つか追加購入も検討したいところです。まだ他に発注してあるケーブル型のものが到着した後に改めて比較してからになりますけども。

[過去記事 [note] キーボード変換ケーブルを輸入 ]

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そして後日。同様に発注してあったケーブル型の変換器が到着。これも上記と同じくeBayの在HongKongな別業者から、送料込$1.6で当然型番なし。某国内パーツショップで買ったノーブランドの変換器と色違いの同型に見えますが、真偽は不明です。まあ動作の可否以外はどうでもいいよね、ということで早速試してみると、こちらも日本語キーボードで認識漏れなし。Good!


この二点を比較すると、機能面では差がないけれども、軽さ、小ささでは一体型に利がある一方でUSBコネクタ周辺の空間的な干渉の面ではケーブル型が良い、と一長一短あって、どちらが良いとも言い難いところです。もっとも私のメインPCに繋いであるUSBハブはケーブル分岐型なのでどちらでも問題無いし、とても安いしですから両方買増ししますかね。というわけでめでたしめでたし。

4/12/2012

[note] 桜が満開

桜が咲いていました。季節は巡ります。人の世がどのように遷り変わろうとも。私たちが何を感じ、何を思い、何を忘れたとしても。

[IT] sambaの3.6.3以前全てに脆弱性

これはヤバイ。RPCの生成部分にある脆弱性で、サービスを動かしてるだけでネットワーク越しにroot権限取られてアクセスされ放題、しかも対象はほぼ全バージョンと。sambaのユーザはそれこそ膨大にいる筈ですから、今頃は阿鼻叫喚な状態に違いないところです。まだUbuntuを含めた主要ディストリもアップデートに対応してないし。

かく言う私のサーバも、smbdのバージョンを確認してみると3.5.11。当然に対象です。というわけで即刻サービス停止。これまた当たり前ですがサーバで集中管理していたデータ類にWindowsのクライアントからアクセス出来ず、とても不便で困ります。まあしばらくは我慢も出来ますし、いざとなれば代替手段もありますけど、手間はかかるしそれはそれで色々とリスクもあるので、早急な対応を願いたい所です。普通なら一両日中位にはアップデートが登録されるんでしょうけれども。ただし二次災害だけは勘弁ね。

Sambaが極めて深刻な脆弱性に対処、直ちにパッチ適用を

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Ubuntuでパッチ適用バージョンがアップデート登録されたようです。Versionは3.5.11のままなのでちょっとややこしいですけど、fixされたのならそれでよし、です。バージョン変わっちゃうとまた設定が面倒ですしね。というわけで復活。

CVE-2012-1182: "root" credential remote code execution

4/11/2012

[biz law] 富士通の不当解任訴訟で元社長敗訴

ようやく一審判決。判決の詳細は未確認なので具体的な所を論じる事は困難ですが、報道の内容を見る限りでは、辞任とその後を含む一連の行為に野副氏の自由意志が認められ、かつサンドリンガム社をして反社会的勢力とした解任理由も正当としているとの事で、全面的な会社側の勝訴という形になっているようです。概ね会社側が勝つとすればこうなるだろうと予想された通りの判決ですね。

確かに野副氏の一連の行動には、病気療養に入った時点から、不自然さはあるにせよ一定の自発的な部分が見られました。従って氏の主張が認められるためには、それが不当なものである事、すなわち間接的にでも会社から強制されたものである事が証明される必要があったわけですけれども、それに完全に失敗したという事なのでしょう。その部分は、客観的な証明が相当に困難な内心の事情ですから、まあ致し方のないところとも言えそうです。氏の行動、判断に甘さがあった旨の指摘も可能でしょう。

ただ、一連の行為にある程度氏の自発性が認められるのは事実だとしても、看過し難い不自然な面が見られるのも事実であって。氏が主張するように、会社側の指示に抗う一定の余地があっても、会社に信義を置くが故に、そしてその名誉を毀損する可能性がある旨の指摘を信じるが故に、あえて抵抗を封じた面がそれなりにあるのであれば、氏の不作為等を根拠として会社側に責任が無いものとする本判決の判断には、相当の疑念を禁じ得ないところです。

もっとも、いかに怪しかろうとも、訴訟においては事実認定がなされなければどうにもならないわけで、保守的に認定された事実のみから判断してこういう結果になったんでしょうけど。こういう曖昧かつ複雑な部分は、往々にして弁護士のとる立証方法や裁判官の人格的なところで判断に極端な違いが生じるものであるところ、上級審で再び審理がなされる事でしょうから、引き続き要注目ですかね。

ところで、本件はニフティ絡みという事で、かねてから色々と黒い噂の絶えない周辺の諸々が芋づる式に明らかになるんではないかという期待も少なからずあったんですが、双方とも自重しちゃってるのか全然聞こえてきませんね。そちらの方がむしろ残念です。サンドリンガムの方も音沙汰無しだし。うーん。

富士通元社長の請求棄却、東京地裁が「辞任強要」の訴え認めず

4/09/2012

[biz] Sonyがまたリストラ、今度は1万人

ま た か。

常態化する赤字、毎年回復予想を宣言しながら逆に超絶悪化する一方の営業状況からすれば致し方ないんでしょうけれど、こう頻繁にリストラしては採算が悪化するのを繰り返すのを見ると、基本的な所の事業運営が杜撰かつ経営判断も安直に過ぎるように思えて仕方ないわけで。一体この数年間何をやってたんでしょうか、と蔑みの目が向けられるのも避けがたいところでしょう。いやまあ実質何にもやってなかったように見えるわけですけど。

周知の通り、今回のリストラの主たる対象はソニーの中核であるところのエレキ、特に事業自体の閉鎖も視野に入っているだろう惨状のテレビ関連ですね。少なくとも大幅な品目の絞り込みとそれに伴う生産拠点の縮小も伴い、従って開発部隊と工場人員の双方を含め広範な部門を対象にリソースの削減が行われるものと予想されますが、それ自体もミクロ的にはそれなりに自然かつ必然的な話ではあるんでしょう。

ただ、近年凋落が著しかったとはいえ、殆ど会社のアイデンティティーにも近く、売上比率も相当にある中核部門の削減ですから、切り落としてそれでOK、というような甘い話では当然ありえないわけで。どうしても、それで空いた穴をある程度は補える、柱として育つ可能性のある事業が必要であるところ、それに相当する話が可能性も含めて皆無に等しいというのは流石にどうかと。後釜はスマホ、なんて妄言もあるにはありますけど、現状を見て誰が真に受けるんでしょうね。

そういう状況は別段ソニーに限った話ではありませんが、皆このまま漫然として死に行くに任せるつもりなんでしょうか。だとしたら残念な話です。諸行無常、盛者必衰、それは抗い難い世の習いだとしても、希望を見出そうとする意志すら感じさせない、というのでは、虚無的に過ぎると思うのですけれども。

ソニー、年内にも1万人削減 TV事業不振で 

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そしてすかさず超絶下方修正。お決まりの繰延税金資産取り崩しってわけですが、そんなもん前回の下方修正の時には既にわかってた筈なのになんでこう小分けにするんですかね?ステークホルダーにしたら尋常ではない迷惑でしょうに。あと瑣末な事ですが、日本語での会見なんだから普通に増資って言うべきだと思います。響きを嫌ったのかもしれませんけど、だからって無理に英単語とか使うと逆にアホに見えますよ。

ソニー 加藤優CFO「エクイティファイナンスは選択肢の1つ」

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続いて、人件費含めテレビ事業の固定費6割削減するとか。それはもう撤退に等しいように思われるわけで、さらに今年度も始まったばかりなのに来年度の話、しかも現実味のある具体的なネタもなしに単なる努力目標的な決意表明とか鬼も笑うどころか無視されるレベルです。何考えてんでしょうか。何も考えてないんでしょうね。

ソニー固定費6割削減 テレビ事業13年度黒字化目指し

4/07/2012

[note] 米Amazonに発送予定未定で放置される

先日、とある日本では入手困難な品物を輸入しようとして、送料込みで最安の米Amazon.comにオーダーを出したんですけれども。数日程待っても、Order Statusが'not yet shipped'、かつ配達予定についても下記のようなメッセージが表示されるだけで不明のまま放置されるという悲しい状況に。

'We'll notify you via e-mail when we have an estimated delivery date for this item. It will ship separately. You can cancel at any time.'

要するにお届け予定日が未定で、分かり次第メールする、キャンセルはいつでも可、という事なわけです。普通このメッセージは在庫が無い場合に表示されるものなんですけれども、order品は'in stock'、すなわち在庫ありになっていたわけで、現に商品ページからオーダー可能だし、在庫の問題ではない事は明らかだったんですよね。であれば、問題が生じたのは出荷配送の部分の筈で、一般には送料の区分間違い等の決済不備や輸出規制による差し止めなんかがありえますけれども、10数ドル分のextra delivery feeを支払い手続きしてあったし、日本向けに輸出規制がかかっている品というわけでもなし、全く以って何が問題なのか不明で。問い合わせても順次出荷しますとしか返ってこないし。単にAmazon内の管理等が杜撰ってだけの可能性が一番高いんでしょうけど、輸出は面倒だからしたくないって事でバックレたのか、とか嫌な想像も浮かびます。

埒があかないので結局今回はキャンセルにしましたが、本件にかかった労力と時間が完全に無駄になったわけで、非常に腹立たしい限り。キャンセル理由にその旨捨て台詞を率直に書かせていただきましたが、多分に読まれてすらいないんでしょうね。

4/05/2012

[biz] ギリシャが金欠でオリンピック不参加とかいう噂

先ごろ無事破綻したギリシャですけれども、そのとあるジャーナリストがギリシャ政府のスポーツ関係者からの話と称して伝えたところによると、何らかの支援が無い場合はロンドンオリンピックへの選手の派遣を取りやめなければならないだろう、という話だそうで。もし事実であれば、確かに元祖であるところのギリシャ抜きのオリンピックというのは前代未聞だし、流石に体裁がよろしくないでしょうね。

ただ、本件はツイッターで流れただけの、真偽が極めて怪しい噂話に過ぎないし、そもそも参加費用だけなら仮に政府の支援がなくとも何とでもなるだろうわけで、何となくハッタリというか強請り集り的な嫌なものが感じられていけません。嘘にせよ本当にせよ、大方、色々周辺にぶら下がってる人達が自分たちの収入確保のために仕掛けてるんでしょうし、本当にダメかどうか一度資金援助ゼロでやらせてみればいいんじゃないの、などと他人事だからって適当な事を思ってみたりする次第です。日本にもそういう社会経済的に有害そのものな人達って沢山いますし、その更正もしくは排除の参考になるかも、とも。まあデマに釣られてあれこれ妄想するのもよくないでしょうしこのへんで。

REPORT: Greek Team May Be Forced To Pull Out Of Olympics Due To The Budget Crisis

[sci] 超光速性誤報でOPERAの責任者と公報が辞任

先般誤報が確定したニュートリノの超光速性の件、その後始末という事で、coordinatorのDario Auterioと公報のAntonio Ereditatoの両氏に対しOPERAの役員会で解任議案の投票がなされ、成立に必要な2/3には至らなかったものの過半数が賛成した結果を受けて自発的に辞任されたそうで。なんだかヌルヌルかつグタグダな感じですが、まあこういう公務員的な組織の責任問題なんてそんなもんでしょう。所詮天下りも多く、殆どお飾り的なものに過ぎない幹部が首になるのは当然だしどうでもいい事です。

ただ、本研究を実際に担当していた研究部隊がどうなっちゃったのかは気になる所です。今のところはまだ何も処分された様子も見えませんが、あれだけ誤りはない、って強弁してたんだし普通に考えれば部隊丸ごとお取り潰しでも不思議はない一方、仕事がこれだけって訳ではないだろうし単にクビにするのは惜しい云々とかで、どう処分するか難しいところでしょうね。さて。

Embattled neutrino project leaders step down

[過去記事 [sci] ニュートリノの超光速性、誤報確定 ]

4/02/2012

[note] 古いキーボードを修理・その2

先日成功した5576-C01修理に続き、今度は部品取り用と諦めていた2本のキーボードの修理にトライ。一本は富士通製FMV-KB321、こちらはカーソルキーの下だけが効かない軽微な故障品で、もう一本は兄弟モデルFKB8724のPanasonicブランドでのOEM品、こちらは幾つかのキーが他のキーと同時押しになるという致命的な故障品。'B'を入力したらリターンも入るってどういうことなの。

結果としては両方とも修理に成功し、めでたく本原稿はFMV-KB8724にて入力中というわけです。やってみるもんですねえ。作業内容の概要は以下の通り。

1.FMV-KB321の修理
  まず何はともあれ開けて調査。まあおそらく単純な断線だろうと言うことで、当該キーに繋がる配線をテスターでちまちま調べると下の方に断線発見。メンブレンシートはぱっと見新品同様に綺麗なんだけど、そこだけ錆びたように変色してるんですね。端っこは水分とか入り込みやすいってことなんでしょうか。とかなんとか考えつつ、ちょいちょいっと導電塗料を塗って一発回復。

2.FKB8724の修理
  続いてこちらも開けて調査。こっちはよくわからない。パターンの問題なのか変換部の問題なのかもはっきりとはしないけれど、押したキーの入力は出来ているのでおそらくは短絡だろうと仮定してテスターでちまちまとチェック。裏面のアースパターンが重なって線を追いにくい事もあり、格闘する事数十分、ようやく右下の細い線が複数平行して並んでいる箇所の中にかすかなパターンの崩れを発見。一見して短絡まではしていないように見えたけれど、テスターをあてると導通。と言うことで、当該箇所の線の間を削って絶縁することでようやく回復。

そんな感じで。8724の方の短絡というのは、特に変色があるわけでもなく、何故こうなったのかが全くもって不明なんですね。多分に製造段階の品質の低さに起因するものだろうと推測されますけれども、まあ量産品の中の量産品、そのコスト削減後のモデルでしかも中国製というのだから品質が悪くて当然とも言えなくもないんでしょう。ラベルに記されたPanasonicの文字が虚しく映ります。

ともあれ、今回も努力と時間が無駄にならずめでたしめでたし。このシリーズのキーボードは兎に角高速に入力出来てかつ疲れないので仕事用を中心に欠かせない位愛用してきているんですけれども、非常に故障しやすくて、だいぶ前に大量に購入しておいた新品等のストックがもう殆どなくなって困っていたんです。これで余裕が出来て一安心。またこれで同様に愛用中のFKB8744等の故障にも怯えなくて済むようになったし、喜ばしい限りです。

[過去記事 [note] 壊れた古いキーボードを修理]