4/28/2012

[biz] 2011年度決算前半インプレ

兎にも角にも様々な事があった2011年度。復興需要を取り込んで勢いづくセクターあり、欧州バブルの崩壊、また壊滅的な需要急減の前になすすべなく崩壊したセクターあり。非常に混沌としたその社会・経済状況を反映して、各社決算も非常に多様なものになっていますね。

その中でも例外的にセクター全体として好調なのは建設関連。不動産は地域にもよりますが概ね逆なのがミソです。次いで会社間の差異が大きいけれど通信。ソフトバンクの好調ぶりは嫌でも目に付きます。どうしても料金詐欺の件がチラつきますけど、まあ世間が忘れているならそれはそれで問題ないという事なんでしょう。殆ど死角は無いようにも見えますが、好調を支えるAppleのイノベーションにネタの出尽くし感が漂い始めているのが不安要因ではあるでしょうか。

期末の円安に振れた為替変動、それに伴う円建株価の急騰の恩恵を受けただろう筈の金融証券セクタは、意外とバラバラ。欧州債権関連の影響が大きかったところでは赤字転落もあるくらい。株の急騰がなかったら総崩れだったんでしょうか。ともあれ、全体的には致命傷には至らず、比較的良い部類に入ったものと言うべきでしょう。

さて。言わずと知れた電力、また軽電関連は、部品メーカーも含めてもはや何も言うことはない程の惨状です。NEC、Sharpの二社は従前の予想通り。その多くが2012年度予想も営業自体はさほど改善見込みもなしで、来年の今頃はどうなってることやら。コンシューマ向け産業崩壊の象徴の一つであるところの任天堂も、為替差損が縮小したものの大赤字には変わりなし。自動車は致命的とまではいかずとも多数が不調。

そんな感じで。Q1の頃の総崩れ感からすれば、相当に持ち直したように見えますが、それは単に元の目を覆うばかりな惨状、それから相対的に改善したに過ぎないのだし、既に今は亡きエルピーダも含め、切り捨てられた、もしくは切り捨てられつつある部分が多々あるわけで。その陰は拭い難いところ、一安心、と言うにも躊躇を覚える、そんな複雑な本決算前半でありました。もっとも、海外の企業は概ね好調と言って良い状態なので、余計に悲惨に見える面もあるのかもしれませんけれども。

4/27/2012

[note] ubuntu 12.04LTS導入

先日正式リリースされた久々のLTS版となる12.04ですけれども、早速手持ちの数台に導入してみましたのでメモ。

対象は64bitのデスクトップ1台と32bitのノートPC2台。ノートの片方であるところのLooxUだけクリーンインストールで、後の2台はアップデート適用です。アップデートの元バージョンは共に11.10。流石にリリース直後はサーバが混み合うので避け、少し時間を置いてからトライ。

結果から言えば、アップデートの場合には多少なりと時間はかかりました(1~2時間)けれども、適用自体はほぼノートラブルで割とあっさり完了。特に64bitの方は特段の問題もなし。ただ、32bitの方は万事OKというわけにはいかず、幾つか下記のような手間はかかりました。

・アップデート、クリーンインストール共通
日本語ロケールで従来から標準のFEPであるところのanthyが適用後に起動せず日本語入力ができない。仕方なしにscim-anthyを手動追加&設定して対応・・・していたんですが、後にクリーンインストールし直すと最初から入力可能になっていました。おそらく修正アップデートが発行されたんでしょう。と言う事で本件は解決済み。もうちょっと待てばよかったですかね。

・LooxU(というか、GMA500)のクリーンインストール時
起動時にブラックスクリーンのままフリーズ。GMA500ドライバの公式を確認するとこれは既知の現象で、lightdmの起動に失敗しているということらしい。公式の推奨に従い、別コンソール(Ctrl+Alt+F2等による)から下記コマンドでlightdmを再起動してやるとログイン画面表示。

$ sudo service lightdm restart

二点目の問題は、その対処のために再起動処理を起動毎に行う必要があるわけで、正直非常に困りますけれども、まあ毎度恒例のGMA500ドライバの問題という事で、旧版のそれに比べればまだマシだし、いつも通り進展を気長に待つ事にしましょう。どうせ再生支援とか現時点で公式にも色々非対応なのだし。でも12.04で売り物の一つであるところの省電力性はLooxUのようなモバイル機でこそ意味があるわけで、早くその恩恵の程を確かめたい気持ちはありますし、とりあえず現状使える範囲で我慢して使ってみますかね。ちなみにgdmへの変更も試してみましたが関係なし。

とはいえその程度で。あと他にしつこくも復活してきたpanelを消しなおしたりとかチョコチョコいじる必要はありましたけれども、最大の懸念だったサーバのアップデートはうまくいったし、全体的に見れば概ね無事完了で一安心。やれやれです。まだ気づいてないところで何かあるかもしれませんけどね。ともあれ、今回はひとまずこれでおしまい。

------追記:LooxU(GMA500)の起動時ブラックスクリーン対処法

さすがに本件は被害者が多く出たようで、対処法も結構早く見つかりました。下記に従って、bootオプションにconsole=tty1を追加すればOK。

Ubuntu 12.04 gma500 (poulsbo) boot options

具体的には、/etc/default/grub中、GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTパラメタの中に書き込みます。例えば下記。

GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash console=tty1"

下記コマンドでgrubに更新を反映させてから再起動すれば、lightdmが正常に立ち上がるはず。やれやれです。

$ sudo update-grub

------追記:おまけ LooxUのタッチスクリーンキャリブレーションについて

毎度すんなり使えず面倒なLooxU(C40)のタッチスクリーンですけれども、12.04もその例に漏れずデフォルト状態では正常に使えません。そこでこれまで同様にfujitsu-usb-touchscreenドライバの導入で解決を図ったところ、デフォルトのタッチスクリーンドライバと競合したらしく画面が乱れたりとさらに混沌な状況になる始末。タッチパネル周りはこのところコアモジュール的な感じにつき例外扱いするのもいい加減面倒なので、回転対応その他はひとまず諦め、デフォルトドライバをそのまま使う事にしました。これも時代の流れですかね。ただ、デフォルトだとタッチ位置とポインタがかなりずれるので、キャリブレーションだけは行っておく必要があります。その方法は以下の通り。

[LooxUのタッチパネルキャリブレーション手順]
まずキャリブレーションデータを取得します。ツールを下記コマンドで導入し、

$ sudo apt-get install xinput-calibrator

次いでターミナルから下記コマンドでキャリブレーションツールを起動、画面の指示に従って四点をタップ。

$ xinput_calibrator

するとターミナル上に下記のようなキャリブレーション設定データが出力されます。

Section "InputClass"
Identifier "calibration"
MatchProduct "Fujitsu Component USB Touch Panel"
Option "Calibration" "280 15696 1021 15894"
EndSection

キャリブレーションの数値は私の場合の例。これをそのまま、下記ファイルを新規作成してそこに書き込みます。当然sudoで。

/usr/share/X11/xorg.conf.d/99-calibraton.conf

以上で設定OK。一旦ログアウトすれば以降キャリブレーションが有効になります。

------おまけその2 LooxUの輝度調整とサスペンド復帰時ブラックアウト修正

同じくデフォルトで起こる不具合2点に対処。これまたお決まりの輝度調整不可とサスペンド復帰時のブラックスクリーンですが、私のLooxU/C40ではそれぞれ下記で対処可能でした。

・輝度調整
/sys/devices/virtual/backlight/psb-bl/brightness に0から100の数値をsudoでechoしてやればOK。出力先はここへのシンボリックリンクになっている/sys/class/backlight/psb-bl/brightnessでも良い旨の情報も複数ありますが、どうもそれはダメみたい。この辺が不具合の原因って事でしょうか。上記を一々打つのも面倒なので、下記のようなシェルスクリプトを作成しておくと良いかも。

[輝度調整スクリプト]
#/bin/sh
echo $1 > /sys/devices/virtual/backlight/psb-bl/brightness

[使用例] 上記をbl.shとか適当な名前で保存して、実行属性を付与した後、
$ sudo ./bl.sh 20

等として実行してやればOK、な筈。

・サスペンド時ブラックアウト修正
/etc/pm/config.d/gma500 等とパラメタ設定用ファイルを作成し、その中に下記パラメタを書き込んで保存。当然sudoで。それだけ。

[設定ファイル内容]
ADD_PARAMETERS='--quirk-vbemode-restore'

-------おまけその3 Synergyの強制終了対応

PC間でキーボード・マウス共有するのにSynergyを時々使っていたんですけれども、12.04にアップグレードした後に使おうとしたところ、特定キーを押した時にクライアントが強制切断されるようになっていて、とても使える状態ではなくなってしまっていました。セキュリティポリシーの変更とかに引っかかったのかな、とか原因は色々想像されるものの定かではありませんが、元々常用していたわけじゃなし、別に使えなくてもいいか、と放置していたのをふと思い立って修正を試みたところ、何のことはなく最新版に入れ替える事で解消された様子なのでメモ。入れ方は下記の通り。

まず、Server,Client共に現在のsynergyを一旦削除。
$ sudo apt-get remove synergy
次いで、現時点での最新版1.4.8Betaを公式から取得してそれぞれインストール。
$ sudo dpkg -i  synergy-1.4.8-Linux-[***].deb

そんだけです。ちなみにWindows機との接続については元々上手くつながったり繋がらなかったりだったんですけど、同じく1.4.8に入れ替えたら安定して接続出来るようになりました。Beta版なのが気がかりではありますけど、ずいぶん前から放置状態ですし、事実上の安定版って事なんでしょう。まあ動くならそれでよし、です。

[過去記事 [note] ubuntu 11.10 を試験導入 ]
[過去記事 [note] LooxU/C40のUbuntu11.04設定 ]
[過去記事 [note] Ubuntu 11.04がとても微妙]
[過去記事 [note] LooxU/C40もUbuntu化]

4/26/2012

[biz law] 薬ネット販売訴訟、原告逆転勝訴

おお。改正薬事法、正確には厚労省による省令であるところの薬事法施行規則によって医薬品等のネット販売にかけられていた殆ど禁止に等しい大幅な規制、これを巡って業者から提起されていた訴訟について、一審で合法とされていた判断が二審では覆ったそうで。

今回の判決には何ら疑義は感じられません。むしろ当然の判断と言うべきでしょう。当初から広く指摘された通り、本件の規制は既存の店舗販売業者が新規業態を排除し自らの営業を保護するために導入を図ったものであり、その根拠として主張されたところの対面販売の重要性も建前に過ぎない事は明白でしたから。判決からも伺えますが、ネット販売で問題ありとされた顧客への薬剤の使用に関する情報の提供においても、実際には可能だろうどころか、むしろ個々の顧客への応対時間確保が困難な場合も多い店舗より十分かつ適切に行える可能性がある位なのですし。

ケンコーコムは安いし便利だしで個人的にもよく利用していましたから、再びその恩恵に与りうる一市民として今回の判決は素直に喜びたいと思います。最高裁で覆る可能性は非常に低いだろうとも思われますし、この上は速やかな改正を願いたいところですね。ドラッグストア業界とかは反発するんでしょうけれど。

大衆薬ネット販売認める 高裁判決、原告側が逆転勝訴 ケンコーコムなど2社

[law] 小沢氏の一審判決、その非論理性

小沢氏の政治資金規制法違反容疑について、ようやく一審で無罪判決が出た件ですけれども。あっちもこっちも苦しい感じですねえ。

無罪判決自体は、その直接的な証拠の少なさ、殊に検察の不祥事に起因して石川氏の自白調書が不採用とされた事からそれなりに予想はされていましたし、特段の驚きもないわけですけれども。しかし、果たして出てきた判決の内容は、証拠が無いために基礎事実の認定がなされず無罪、という大方の予想とは全く異なる玉虫色なものだったわけで。

特に、検察審査会の議決に基づく起訴は有効、かつ4億円の記載漏れの事実及び違法性を認定し、さらに石川秘書の報告による小沢氏の事実認識まで認定しておきながら、共謀はなく無罪、という論旨、その構造には、流石に無理があるものと言わざるを得ません。小沢氏の全く預かり知らぬところだった、だから共謀ではない、というなら通るんですけれども。報告了承と共謀の違いは何処にあるのか。報告了承というのは、一般的には共謀行為の一形態と捉えるのが自然なところでしょう。それを異なるものとする判決の判断には、少なくとも客観的な論理性が十分にあるとは到底言えないものですし、裁判長の恣意的なものと考えざるを得ないところです。

要するに、理由と結論の間に論理的な整合性がない判決になっているわけで。一審とはいえ、こんな事では困りますね。判決における論理性の欠缺は当然にその影響を受ける関係者にも波及するのですから。実際、与党民主党内は小沢氏の復権を巡って再び混乱に陥ろうとしていますし、その周囲も困惑の極みにあるように見えます。指定弁護士側もこれでは引くに引けないでしょうから控訴するだろうし、こういう状況はまだこれからも続くんでしょう。げんなりしますねえ。

とはいえ判決は判決、出てしまったものは仕方がありません。今後の再発が抑制されるよう、今回の混乱を引き起こした原因であるところの検察はもとより、法曹関係者には引き続き本質的な改善を望みます。

 小沢元代表に無罪=秘書との共謀否定、虚偽記載了承は認める-東京地裁

4/25/2012

[biz] 原発はこのまま終焉するか、するべきか

震災直後から、長らく膠着状態の続いてきた原発の利用を巡る動きにも、ようやく一つの決定的な分岐点に差し掛かったようで。何かと言うと、先日研究者から指摘された敦賀原発直下の断層の存在の件です。正確には、それによって再び表に引き出されて来た、定性的、構造的な意味での原発設備の安全性の有無という根本的な疑問点ですね。要するに、原発は安全なのか、安全たりえるのか、という、原発を巡る全ての問題の根本であるところの単純な問いに答えを出す時が来たものと言えるかもしれません。

前置きは抜きにしましょう。原発は安全か否か。その問いに答えるには、まず原発における安全という状態を明確に定義する必要があります。その表現には様々なレベルがあるでしょうけれども、端的にまとめるならば、以下のような表現がありえそうに思われます。

[原発における安全の定義例]
経時劣化、地震、風雨等の自然現象、管理不備や攻撃等の人為的な作用、また社会経済等の状況による運営状況の変化等、およそ現実に原発の設備状態に影響を及ぼしうる全ての事象またその組み合わせに対し、事後も含め外部への物理的な影響を与える可能性が皆無である

そして、上記のような安全、その是非を判ずるには、その判断基準と基準への適合性を測る手段が必要となります。全ての事象を文字通り把握する事は不可能ですから、近似的な手法、すなわちこれまでに蓄積された物理法則と経験知に従って特に決定的であろう事象を抽出し、さらにその中で各々発生しうる最大の影響を想定した現象による作用、その原発に対する影響を物理理論に従って仮想的に検証するわけです。そして、特に決定的とされるものは何よりもまず地震、その揺れによる構造破壊の可能性であるわけです。個人的にはテロ等の人為的な攻撃の方が発生する可能性は高いとも思いますけれども、それはともかく。

しかるに、件の敦賀原発では、直下に断層が存在する旨が指摘され、それが事実であれば廃止すべきものと広く共通に認識されています。すなわち、いわゆる直下型の地震が発生した場合、それによって原発は損壊し、外部に物理的な影響を与える可能性があり、安全ではない、それは既に肯定されている。少なくとも直下型地震の発生可能性があれば安全ではないという事は明確で、そこに疑いの容れる余地はない。では、他の原発、また仮に新設するとした場合における日本国内の土地一般についてはどうか。直下型地震が絶対に発生しないと断ずる事が出来るのか。

そんな事が出来る筈はありません。それを確認するには、対象となる土地を含め、連動する可能性のある地盤の全域に対し、少なくとも数十キロの深さまで立体的に十分な密度で地中の構造を把握する必要がありますが、その前提として必須となる計測手段は存在しないからです。安全とされてきた敦賀原発で新たな断層の存在が今になって指摘される、そのような事態が起こるのもその証左と言えるでしょう。要するに、日本全国の大半において、直下型の地震が発生しないとは言えないのが現実であり、それは現存する原発の立地についても例外ではない、そう判断するのが妥当に思われるわけです。

そして、その事実が上記の安全に反する事は明らかです。従って、原発は安全か?という問いに対しては、明らかに否である、そう言わざるを得ません。そして、その技術的な困難さから、将来に渡っても状況が改善する見込みすら得難いわけで。そうである以上、論理的には、日本における原発、その存在自体このまま終焉すべきものである事にも、疑いの余地を見出し難いところです。

しかし、周知の通り原発業界における利害関係の範囲、またその規模は非常に大きいものであるし、組織にせよ個人にせよ、その多数が保身に走るだろう結果、如何にも安全であるかのように装う詭弁や、代替策の整備をあえて怠りながら脅迫的に危機感を煽る類の行為もさらに勢いを増すでしょうし、当然それに対する反作用的な動きも強まって対立を深めていくのでしょうから、現実としては紆余曲折を極めるんでしょう。その結果、敢えて事実に目を瞑り、原発は安全との建前が押し通され、再び原発の利用が増加に転じる可能性も相当にあるでしょう。極めて残念なことですが。

ただ、如何に詭弁を弄しようとも、原発は安全ではなく、甚大かつ回復不可能な被害を発生させる危険がある、それは紛れもない事実であり、従ってそれを安全と称して設置稼働に及ぶ事は、如何なる理由があろうともその周辺地域、またその住民を欺罔して危険に晒すものに他ならず、決して許されない人命・財産双方に対する犯罪である事、それだけは申し上げておきたく思う次第なのです。そして電気が足りないなら、危険を冒して原発を動かすのではなく、安全の保証される火力発電所の増設を急ぐべきだと思うのです。それで燃料費分のコストが上がろうとも、それは安全のために必要な費用なのだから甘受せざるを得ないものでしょう。福島の惨事を目にした今なればこそ。

願わくば、この思いが多くの方と共にありますよう。

敦賀原発直下に活断層か 2号機、廃炉の可能性も

[biz] Sharpが生産・研究開発900人を営業等へ転換

リストラの続くシャープがまたアレな施策を追加するんだそうで。不振で大幅な規模縮小を余儀なくされる液晶と太陽電池パネルの生産・開発部門から、営業等の販売部門へ。生産とか研究開発の人員を営業に異動とか、どう見ても退職勧告的な嫌がらせ人事ってやつですね。その手の施策は労使双方にとって悲惨な結果にしかならない事は過去の例からすれば明らかな筈なんですけれども、既に破綻の瀬戸際にある企業としてはそんな事は今更な話なんでしょう。

しかし無茶しますねえ。普通にリストラする余力も無いって事なのか、単にその費用を惜しんでいるだけなのか。どちらかといえば前者で、必ずしも悪意だけによるものではないように思えなくもない、といって慰めにもなりませんけれども。

シャープ、900人配置転換 液晶パネル→白物家電へ

[過去記事 [biz] Sharpも業績不振で一般社員2%減給 ]

[note] ubuntu起動時のフリーズ修正

少し前にUbuntuを入れているPCの設定変更とアップデートをしたところ起動時に下記メッセージが表示された後にそのまま止まるようになってしまっていたんですけれども、これを修正したのでその設定をメモ。

Checking battery state... [OK]

原因を調べてみると、どうやらgdmの起動に失敗している様子。別のコンソールからgdmサービスを手動起動すれば動作する。であれば起動時のgdm自動起動設定の部分の問題だろう、ということで設定ファイルを確認して修正することに。その設定ファイルは下記。

/etc/X11/default-display-manager

私の場合は、上記設定ファイル内の設定が/usr/sbin/lightdmになっていました。調べてみると、どうもマネージャの入れ替えやらアップデートを行う際に、ここの設定が変更から漏れたりして不整合を起こす事がよくあるらしいんですね。せめて起動時にbooting ***...とか表示してくれれば分かりやすいものを。困ったものです、とため息を付きつつ、/usr/sbin/gdmに修正。でめでたくブート時に正常起動されるようになりました。という事でおしまい。

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12.04LTSの場合についてはまた別の話なので下記参照。
[note] ubuntu 12.04LTS導入

4/24/2012

[biz law] SNS課金の反社会性と規制の流れ

ここ数年来、非常に悪質な社会問題と化し、多方面で広く議論というか非難を浴びながら、その法的処理の困難さから殆ど放置され続けてきたDeNA、GREE両社に代表されるソーシャルゲームにおける有料サービスですけれども、ようやく実効性のある対応がなされ始めているとか。とりあえず、傍から見ても超渋々にしか見えないながらも活動を始めた”ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会”なる業界団体の第一回会合も終わり、その結果に従って低年齢層への課金上限規制の導入も決まったとのこと。諸意見ありますがそれらの自主的な動き自体は歓迎されて然るべきものと思われます。

ソーシャルゲームの現状、その実態については既に情報が溢れていて、その分析も山ほどなされていますからそのあたりについては今更繰り返すまでもないでしょう。ただ、個人的には、サービスが社会的に問題視されている理由、そしてその帰結として動き始めた規制の流れと併せて行き着くだろう先については、色々と興味も惹かれるところです。

社会的に問題視される理由、その本質は、大雑把に見て2点あるように見えます。第一に、パチンコにおける三点方式と極めて高い類似性が指摘されるところの賭博類似のデータ取引市場の存在によって、社会に対し同様の、大多数から放置し難いと見做される悪影響が発生していること。第二は、そもそもネット上でのデータ取引、またその運営業者自体、直接に律する法令も慣習すらも存在しないために、類似業であれば規制法によって違法とされるべき疑いの強いものと同種の行為が悉くグレーゾーンと称して規制を免れ、事実上の無法状態にあること。本当に大雑把だし別段珍しくもないものですけれども、結局はそのあたりに集約されるように思われるのです。

第一の点については、多額の課金を伴うアイテムデータのくじ引きゲーム、いわゆるガチャ及び当該データのユーザ間での譲渡機能によって成立するデータの換金性、そしてその換金性を実体化するものとして外部オークションサイト等に当該希少データの現金取引市場が形成されている事は周知の通りです。無論、だからといって直ちに違法云々にかかるわけではありませんけれども、そのしくみの中には、パチンコ等と異なる、違法性の疑いの強い要素も見られて、それはやはり問題なわけです。特に、その射幸性の大きさを定める基準であり、パチンコでは風適法等により保証を義務付けられている客の正常な判断、それを担保する要素であるところのガチャにおける各パターンの発生確率、これが不明な点は致命的と言わざるを得ません。

上記の発生確率が不明な点は、仮に今後風適法の改正により対応がなされるとすれば、まず違法な旨が明文化されるものと予想されるところです。しかし、自主規制関連の報道を見ても、この点には一向に触れられないし、その方向性すら感じられません。それが分かったらゲームじゃなくなる、って建前なのかもしれませんが、そもそも単なるくじ引きなのだし、その当たり外れの確率が分かったからって本質は変わらないでしょうと思うんですけれども。完備情報の方がゲームらしいとも思いますしね。明かせないって事は、各所で噂される通りに確率操作とかやってるって事なんでしょうか、との疑念も浮かびます。このあたり、現状法的には困難もあるでしょうけれども、是非とも公取あたりのガサ入れで明らかにされて頂きたいところです。

第二の点、規制法の不備については、 そろそろ公取が着手するかもしないかも、といった噂もそこかしこであって、でもやはり色々と法整備が出来ておらず、既存法令の解釈では無理も無駄も大きいし限界もあるということで、こちらもそれなりに深刻そうに見えます。当然これは一義的には立法の問題なのだから、国会に早急な法改正を望むべきところで、多分に風適法と景品表示法の改正による対処が予想されますけれども、法技術的には従来法の転用の組み合わせで済むでしょうし、特段の問題も無さそうに見えます。その場合になされるだろう改正内容の予測も凡そ容易に思われるところです。なのだから速やかに進めて頂ければ良い話だと思うんですが、しかし肝心の立法府が全く機能していないという。うーん。しかしこれはもう待つしかないんでしょうけれども、困ったものです。

キリがないのでこの辺で。兎にも角にも、本件は、その構造が複雑かつ規模も大きく、にもかかわらず変化のスピードも速いとあって、その解決に非常な困難を伴う事は間違いないでしょう。当然業者は何としてでも規制を回避しようとするでしょうしね。低年齢者限定の上限規制にしても、いかにも問題のすり替え的な業者側の意図がありありと見えるし、対処しあぐねていたちごっこを続けた挙句にうやむやのまま規制事実化して定着、とかそういうグダグダなところに落ち着いちゃったりしそうで、今のうちからげんなりもします。関係者の方々には、その面倒さ加減に挫けず、また業者側の目くらましに惑わされず、本来あるべきところの法による秩序の実現を期してご尽力頂けますよう、心から願うところであります。

しかし、社会的である事をその特徴とするSNSが、その成長に伴って反社会性を強めるというのも皮肉な話で。事業なのだから利益を確保するのは当然ですが、かといって人の無知に付け込んで暴利を貪り、その結果少なからぬ人を望まぬ困窮に陥らせる、というのでは社会の反発を招き排斥されるのもまた当然、そんな事が分からないわけでもないでしょうに。そこかしこで垣間見える考え方からして詐欺師同然ですし、正当化で何とかなると考えてあえてやってるんだろうとも思われますけれども、極めて残念な事ですね。

グリー、未成年の利用金額に上限を設定--月間最大1万円まで
グリーやDeNAらプラットフォーム事業者6社、連絡協議会の初会合で取り組みを発表

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そして、まもなく摘発開始のお知らせ。年貢の納め時ですかね。
[biz law] SNS課金の違法化開始

4/22/2012

[biz] 再雇用義務化に伴う現役賃金削減

NTTグループが、再雇用者分の人件費捻出のため、賃金体系を見直して30代半ば以降の昇給を抑制する方針だそうで。まあ、そういう話も出てくるでしょうね。近く導入される見込みの65歳までの再雇用義務付けに対し、一様に採算悪化及び事業自体の規模が縮小する環境下にあるところの大半の企業としては、総人件費の増加抑制に走らざるを得ないだろうし、仮に新規雇用数を据え置き、かつ総人件費を従来以下に止めるものとするならば、当然ながら一人当たりの年あたり収入を削減する他はないわけです。その対象に主力たる30代が含まれるのも、ある種当然の帰結でしょう。

しかしもちろん副作用はあるわけで。只でさえ時間外労働の禁止抑制策やら緊急対策と称して頻繁に実施される臨時の賃金カットが横行する現状、さらに本件のような恒久的かつドラスティックな賃金削減がなされれば、当然労働者側としても身の振り方を再検討せざるを得ないでしょう。その結果往々にして、実績ある中核的な社員程その能力の高さ故に残留以外の選択肢を見出す事に成功して流出、組織にしがみつくしかない程度の非生産的な社員の割合が増え、あえなく組織自体が機能不全を来して業績が悪化、そしてまたリストラ、さらに悪化・・・という負の循環に陥ってしまうんですね。その至る先は様々であるにせよ、好ましいものではないだろう事だけは確実、残念な事です。

もっとも負の循環自体は今に始まった話でなし。本件も既に陥っているその循環、その中の多少目に付く程度に大きいだけの一サイクルに過ぎないのかもしれません。そもそも本件のような措置が俎上に乗るのは年功序列的な賃金体系を維持してるところだけなわけで、成果主義に移行した所は本来関係の無い話なのだし。でも成果主義の所でも無理やり導入しようとしたりするんでしょうか。もしそうなら全く以って意味不明ですけれど、道理が通らずともやりかねない、というか多分にやりそうだと思わせるあたり、もう基礎的な部分が崩壊しちゃってるんですかね、と今更ながらに空しくも思われる次第なのです。

NTT、30代半ば以降の賃下げ計画 再雇用費に充当

4/20/2012

[biz] Chumbyが販売停止中、このまま終息?

だとか。確かに公式サイトで購入しようとしても販売停止中のメッセージが出ますね。一応今のところは一時停止というスタンスですからまだ終息が確定したわけではありませんが、そもそもハードの生産自体が2011年に終了しているらしいので、確かに下記記事にある通りこのまま終わっちゃう可能性は相当に高そうですね。極めて残念な事です。

日本では、中間マージンが乗りすぎて安価とは言えなくなってしまった価格と、この種の新製品に冷たい、ほとんど排斥的ともいうべき極めて限られた販路から、一部のマニア以外には全く売れないまま殆ど忘れ去られてしまいましたから、あまり関係ない話なんでしょうけれども。本国においても、その存在意義の中核であるところのアイデアに溢れた豊富なアプリによるカスタム性、それを上位互換的に備えたスマホやタブレットが普及したために訴求力を失い、新規の顧客は殆ど現れなくなっていただろう以上、熱烈な、しかし少数の支持があったとしても、もはや事業としての継続は困難になっていただろう事も容易に想像されるところです。

しかし、まさにガジェットというべきその傑出したコンセプトと外見、そこに漂う柔らかくアナログかつ自由な雰囲気から、購入者はもちろん、少なくともこれを知る人からは、購入の是非はさておき一様に好ましい評価を集めたのは事実です。近年においては珍しい程の愛すべき機械でありました。Androidベースであれ何であれ、後継的なものが遠くない将来にまた現れ、我々を魅了してくれる事を願って止みません。商売としてはとても難しいんでしょうけどね。

Chumby halts hardware sales, long-term support looking mighty unlikely

4/17/2012

[note] Key Tronic製キーボードを入手

またキーボードの話で恐縮です。このところ暇を見つけては倉庫にしまってあったキーボードの手入れや修理に勤しんでいるのですけれども、古いキーボードを触っていると、自然と今手元にない、しかし記憶に残っていた機種の事も思い出されて、そうすると、どうにもまた一度触ってみたくなってしまうのです。残念ながらその殆どはもうメーカーが事業自体撤退していて入手困難なんですけれども、調べてみると例外もあって。その貴重な例外の一つであるところのKeyTronic社製のキーボード、これを早速購入してみた次第です。

といってももう国内では流通しておらず、米国から輸入という形だったわけですけれども。さらに昔職場で使っていた事のあるモデルは既に終息していたので、それに一番近いフォームかつキースライダ等の内部構造が同じでタッチが近いだろう機種であるところのE06101、これを選定して先日発注し待つこと約2週間、無事到着につき早速使用中なわけです。価格は送料込み$28くらい。


キートップを外してスライダを確認。この作りが良いのです。見た目はものすごく安っぽいですけど、低コストと良質なタッチに特価した構造という事で、そのコンセプトの割り切りはむしろ好ましくも思えるところです。

 
果たしてそのタッチは、コストダウンのためでしょうか、記憶にあるものよりは若干滑らかさが劣る感もあるものの、概ね同様のスルスルと落ちる軽いもので、十分に昔日の記憶に浸らせてくれるものでした。やはりkeytronicのキーボードはいいものです。

しかし確認した限りでは国内では販売されていないんですよね。以前は秋葉原あたりに行けば取り扱っている店が幾つかあったんですけれども、その種の店自体が軒並み消えちゃってて。通販でも国内取扱いは皆無。こういうold-fashionedなキーボード自体もはや求められていないって事なんでしょうか。うーん。keytronicのキーボードに限れば米国ではこうして生産されているのだから、知っていさえすれば致命的ではないけれども、キーボードのようなインタフェースデバイスは実際に触ってみなければ良し悪しや相性が分からないものなのだし、その機会が全くないというのではこれから先新しいものに出会う可能性もほぼない事になるだろうわけで、それには流石に幾許かの寂しさを感じずにはいられないところなのです。

4/13/2012

[note] 日本語対応のキーボード変換器を入手

前回輸入したPS/2-USBのキーボード変換器は日本語キーボード非対応だったので、日本語対応のものを求めて他機種を幾つか試験的に輸入してみたところ、まず一点発見したのでメモ。下図の型番無しコネクタ一体型、eBayの在HongKongの業者から送料込$1.6。前のものよりは若干高価ですが、国内で調達すれば700円位からな事を思えば十分安価と言うべきでしょうか。


コンバータ基盤等一体型であること、かつ商品説明に掲載されていた写真からはサイズが大きいイメージもあって、自重でコネクタが折れそうになったりしないか心配していたのですけれども、実物は丁度良い具合に小型かつ軽量で、全くの杞憂でした。幾つか追加購入も検討したいところです。まだ他に発注してあるケーブル型のものが到着した後に改めて比較してからになりますけども。

[過去記事 [note] キーボード変換ケーブルを輸入 ]

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そして後日。同様に発注してあったケーブル型の変換器が到着。これも上記と同じくeBayの在HongKongな別業者から、送料込$1.6で当然型番なし。某国内パーツショップで買ったノーブランドの変換器と色違いの同型に見えますが、真偽は不明です。まあ動作の可否以外はどうでもいいよね、ということで早速試してみると、こちらも日本語キーボードで認識漏れなし。Good!


この二点を比較すると、機能面では差がないけれども、軽さ、小ささでは一体型に利がある一方でUSBコネクタ周辺の空間的な干渉の面ではケーブル型が良い、と一長一短あって、どちらが良いとも言い難いところです。もっとも私のメインPCに繋いであるUSBハブはケーブル分岐型なのでどちらでも問題無いし、とても安いしですから両方買増ししますかね。というわけでめでたしめでたし。

4/12/2012

[note] 桜が満開

桜が咲いていました。季節は巡ります。人の世がどのように遷り変わろうとも。私たちが何を感じ、何を思い、何を忘れたとしても。

[IT] sambaの3.6.3以前全てに脆弱性

これはヤバイ。RPCの生成部分にある脆弱性で、サービスを動かしてるだけでネットワーク越しにroot権限取られてアクセスされ放題、しかも対象はほぼ全バージョンと。sambaのユーザはそれこそ膨大にいる筈ですから、今頃は阿鼻叫喚な状態に違いないところです。まだUbuntuを含めた主要ディストリもアップデートに対応してないし。

かく言う私のサーバも、smbdのバージョンを確認してみると3.5.11。当然に対象です。というわけで即刻サービス停止。これまた当たり前ですがサーバで集中管理していたデータ類にWindowsのクライアントからアクセス出来ず、とても不便で困ります。まあしばらくは我慢も出来ますし、いざとなれば代替手段もありますけど、手間はかかるしそれはそれで色々とリスクもあるので、早急な対応を願いたい所です。普通なら一両日中位にはアップデートが登録されるんでしょうけれども。ただし二次災害だけは勘弁ね。

Sambaが極めて深刻な脆弱性に対処、直ちにパッチ適用を

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Ubuntuでパッチ適用バージョンがアップデート登録されたようです。Versionは3.5.11のままなのでちょっとややこしいですけど、fixされたのならそれでよし、です。バージョン変わっちゃうとまた設定が面倒ですしね。というわけで復活。

CVE-2012-1182: "root" credential remote code execution

4/11/2012

[biz law] 富士通の不当解任訴訟で元社長敗訴

ようやく一審判決。判決の詳細は未確認なので具体的な所を論じる事は困難ですが、報道の内容を見る限りでは、辞任とその後を含む一連の行為に野副氏の自由意志が認められ、かつサンドリンガム社をして反社会的勢力とした解任理由も正当としているとの事で、全面的な会社側の勝訴という形になっているようです。概ね会社側が勝つとすればこうなるだろうと予想された通りの判決ですね。

確かに野副氏の一連の行動には、病気療養に入った時点から、不自然さはあるにせよ一定の自発的な部分が見られました。従って氏の主張が認められるためには、それが不当なものである事、すなわち間接的にでも会社から強制されたものである事が証明される必要があったわけですけれども、それに完全に失敗したという事なのでしょう。その部分は、客観的な証明が相当に困難な内心の事情ですから、まあ致し方のないところとも言えそうです。氏の行動、判断に甘さがあった旨の指摘も可能でしょう。

ただ、一連の行為にある程度氏の自発性が認められるのは事実だとしても、看過し難い不自然な面が見られるのも事実であって。氏が主張するように、会社側の指示に抗う一定の余地があっても、会社に信義を置くが故に、そしてその名誉を毀損する可能性がある旨の指摘を信じるが故に、あえて抵抗を封じた面がそれなりにあるのであれば、氏の不作為等を根拠として会社側に責任が無いものとする本判決の判断には、相当の疑念を禁じ得ないところです。

もっとも、いかに怪しかろうとも、訴訟においては事実認定がなされなければどうにもならないわけで、保守的に認定された事実のみから判断してこういう結果になったんでしょうけど。こういう曖昧かつ複雑な部分は、往々にして弁護士のとる立証方法や裁判官の人格的なところで判断に極端な違いが生じるものであるところ、上級審で再び審理がなされる事でしょうから、引き続き要注目ですかね。

ところで、本件はニフティ絡みという事で、かねてから色々と黒い噂の絶えない周辺の諸々が芋づる式に明らかになるんではないかという期待も少なからずあったんですが、双方とも自重しちゃってるのか全然聞こえてきませんね。そちらの方がむしろ残念です。サンドリンガムの方も音沙汰無しだし。うーん。

富士通元社長の請求棄却、東京地裁が「辞任強要」の訴え認めず

4/09/2012

[biz] Sonyがまたリストラ、今度は1万人

ま た か。

常態化する赤字、毎年回復予想を宣言しながら逆に超絶悪化する一方の営業状況からすれば致し方ないんでしょうけれど、こう頻繁にリストラしては採算が悪化するのを繰り返すのを見ると、基本的な所の事業運営が杜撰かつ経営判断も安直に過ぎるように思えて仕方ないわけで。一体この数年間何をやってたんでしょうか、と蔑みの目が向けられるのも避けがたいところでしょう。いやまあ実質何にもやってなかったように見えるわけですけど。

周知の通り、今回のリストラの主たる対象はソニーの中核であるところのエレキ、特に事業自体の閉鎖も視野に入っているだろう惨状のテレビ関連ですね。少なくとも大幅な品目の絞り込みとそれに伴う生産拠点の縮小も伴い、従って開発部隊と工場人員の双方を含め広範な部門を対象にリソースの削減が行われるものと予想されますが、それ自体もミクロ的にはそれなりに自然かつ必然的な話ではあるんでしょう。

ただ、近年凋落が著しかったとはいえ、殆ど会社のアイデンティティーにも近く、売上比率も相当にある中核部門の削減ですから、切り落としてそれでOK、というような甘い話では当然ありえないわけで。どうしても、それで空いた穴をある程度は補える、柱として育つ可能性のある事業が必要であるところ、それに相当する話が可能性も含めて皆無に等しいというのは流石にどうかと。後釜はスマホ、なんて妄言もあるにはありますけど、現状を見て誰が真に受けるんでしょうね。

そういう状況は別段ソニーに限った話ではありませんが、皆このまま漫然として死に行くに任せるつもりなんでしょうか。だとしたら残念な話です。諸行無常、盛者必衰、それは抗い難い世の習いだとしても、希望を見出そうとする意志すら感じさせない、というのでは、虚無的に過ぎると思うのですけれども。

ソニー、年内にも1万人削減 TV事業不振で 

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そしてすかさず超絶下方修正。お決まりの繰延税金資産取り崩しってわけですが、そんなもん前回の下方修正の時には既にわかってた筈なのになんでこう小分けにするんですかね?ステークホルダーにしたら尋常ではない迷惑でしょうに。あと瑣末な事ですが、日本語での会見なんだから普通に増資って言うべきだと思います。響きを嫌ったのかもしれませんけど、だからって無理に英単語とか使うと逆にアホに見えますよ。

ソニー 加藤優CFO「エクイティファイナンスは選択肢の1つ」

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続いて、人件費含めテレビ事業の固定費6割削減するとか。それはもう撤退に等しいように思われるわけで、さらに今年度も始まったばかりなのに来年度の話、しかも現実味のある具体的なネタもなしに単なる努力目標的な決意表明とか鬼も笑うどころか無視されるレベルです。何考えてんでしょうか。何も考えてないんでしょうね。

ソニー固定費6割削減 テレビ事業13年度黒字化目指し

4/07/2012

[note] 米Amazonに発送予定未定で放置される

先日、とある日本では入手困難な品物を輸入しようとして、送料込みで最安の米Amazon.comにオーダーを出したんですけれども。数日程待っても、Order Statusが'not yet shipped'、かつ配達予定についても下記のようなメッセージが表示されるだけで不明のまま放置されるという悲しい状況に。

'We'll notify you via e-mail when we have an estimated delivery date for this item. It will ship separately. You can cancel at any time.'

要するにお届け予定日が未定で、分かり次第メールする、キャンセルはいつでも可、という事なわけです。普通このメッセージは在庫が無い場合に表示されるものなんですけれども、order品は'in stock'、すなわち在庫ありになっていたわけで、現に商品ページからオーダー可能だし、在庫の問題ではない事は明らかだったんですよね。であれば、問題が生じたのは出荷配送の部分の筈で、一般には送料の区分間違い等の決済不備や輸出規制による差し止めなんかがありえますけれども、10数ドル分のextra delivery feeを支払い手続きしてあったし、日本向けに輸出規制がかかっている品というわけでもなし、全く以って何が問題なのか不明で。問い合わせても順次出荷しますとしか返ってこないし。単にAmazon内の管理等が杜撰ってだけの可能性が一番高いんでしょうけど、輸出は面倒だからしたくないって事でバックレたのか、とか嫌な想像も浮かびます。

埒があかないので結局今回はキャンセルにしましたが、本件にかかった労力と時間が完全に無駄になったわけで、非常に腹立たしい限り。キャンセル理由にその旨捨て台詞を率直に書かせていただきましたが、多分に読まれてすらいないんでしょうね。

4/05/2012

[biz] ギリシャが金欠でオリンピック不参加とかいう噂

先ごろ無事破綻したギリシャですけれども、そのとあるジャーナリストがギリシャ政府のスポーツ関係者からの話と称して伝えたところによると、何らかの支援が無い場合はロンドンオリンピックへの選手の派遣を取りやめなければならないだろう、という話だそうで。もし事実であれば、確かに元祖であるところのギリシャ抜きのオリンピックというのは前代未聞だし、流石に体裁がよろしくないでしょうね。

ただ、本件はツイッターで流れただけの、真偽が極めて怪しい噂話に過ぎないし、そもそも参加費用だけなら仮に政府の支援がなくとも何とでもなるだろうわけで、何となくハッタリというか強請り集り的な嫌なものが感じられていけません。嘘にせよ本当にせよ、大方、色々周辺にぶら下がってる人達が自分たちの収入確保のために仕掛けてるんでしょうし、本当にダメかどうか一度資金援助ゼロでやらせてみればいいんじゃないの、などと他人事だからって適当な事を思ってみたりする次第です。日本にもそういう社会経済的に有害そのものな人達って沢山いますし、その更正もしくは排除の参考になるかも、とも。まあデマに釣られてあれこれ妄想するのもよくないでしょうしこのへんで。

REPORT: Greek Team May Be Forced To Pull Out Of Olympics Due To The Budget Crisis

[sci] 超光速性誤報でOPERAの責任者と公報が辞任

先般誤報が確定したニュートリノの超光速性の件、その後始末という事で、coordinatorのDario Auterioと公報のAntonio Ereditatoの両氏に対しOPERAの役員会で解任議案の投票がなされ、成立に必要な2/3には至らなかったものの過半数が賛成した結果を受けて自発的に辞任されたそうで。なんだかヌルヌルかつグタグダな感じですが、まあこういう公務員的な組織の責任問題なんてそんなもんでしょう。所詮天下りも多く、殆どお飾り的なものに過ぎない幹部が首になるのは当然だしどうでもいい事です。

ただ、本研究を実際に担当していた研究部隊がどうなっちゃったのかは気になる所です。今のところはまだ何も処分された様子も見えませんが、あれだけ誤りはない、って強弁してたんだし普通に考えれば部隊丸ごとお取り潰しでも不思議はない一方、仕事がこれだけって訳ではないだろうし単にクビにするのは惜しい云々とかで、どう処分するか難しいところでしょうね。さて。

Embattled neutrino project leaders step down

[過去記事 [sci] ニュートリノの超光速性、誤報確定 ]

4/02/2012

[note] 古いキーボードを修理・その2

先日成功した5576-C01修理に続き、今度は部品取り用と諦めていた2本のキーボードの修理にトライ。一本は富士通製FMV-KB321、こちらはカーソルキーの下だけが効かない軽微な故障品で、もう一本は兄弟モデルFKB8724のPanasonicブランドでのOEM品、こちらは幾つかのキーが他のキーと同時押しになるという致命的な故障品。'B'を入力したらリターンも入るってどういうことなの。

結果としては両方とも修理に成功し、めでたく本原稿はFMV-KB8724にて入力中というわけです。やってみるもんですねえ。作業内容の概要は以下の通り。

1.FMV-KB321の修理
  まず何はともあれ開けて調査。まあおそらく単純な断線だろうと言うことで、当該キーに繋がる配線をテスターでちまちま調べると下の方に断線発見。メンブレンシートはぱっと見新品同様に綺麗なんだけど、そこだけ錆びたように変色してるんですね。端っこは水分とか入り込みやすいってことなんでしょうか。とかなんとか考えつつ、ちょいちょいっと導電塗料を塗って一発回復。

2.FKB8724の修理
  続いてこちらも開けて調査。こっちはよくわからない。パターンの問題なのか変換部の問題なのかもはっきりとはしないけれど、押したキーの入力は出来ているのでおそらくは短絡だろうと仮定してテスターでちまちまとチェック。裏面のアースパターンが重なって線を追いにくい事もあり、格闘する事数十分、ようやく右下の細い線が複数平行して並んでいる箇所の中にかすかなパターンの崩れを発見。一見して短絡まではしていないように見えたけれど、テスターをあてると導通。と言うことで、当該箇所の線の間を削って絶縁することでようやく回復。

そんな感じで。8724の方の短絡というのは、特に変色があるわけでもなく、何故こうなったのかが全くもって不明なんですね。多分に製造段階の品質の低さに起因するものだろうと推測されますけれども、まあ量産品の中の量産品、そのコスト削減後のモデルでしかも中国製というのだから品質が悪くて当然とも言えなくもないんでしょう。ラベルに記されたPanasonicの文字が虚しく映ります。

ともあれ、今回も努力と時間が無駄にならずめでたしめでたし。このシリーズのキーボードは兎に角高速に入力出来てかつ疲れないので仕事用を中心に欠かせない位愛用してきているんですけれども、非常に故障しやすくて、だいぶ前に大量に購入しておいた新品等のストックがもう殆どなくなって困っていたんです。これで余裕が出来て一安心。またこれで同様に愛用中のFKB8744等の故障にも怯えなくて済むようになったし、喜ばしい限りです。

[過去記事 [note] 壊れた古いキーボードを修理]

[biz] 三井住友信託銀行、発足初日にシステム障害

お約束的な。その内容は、旧中央三井信託銀行のATMで振込不可になった、というもので、原因はプログラムのミスと言うことだそうですから、責任者は中央三井ベンダのIBMですかね?だとしたらIBMらしからぬ感はありますけれども。それなりに注目を集めるメガ信託の発足、その当日に泥を塗ったのだしベンダとしては許されざる大失態には違いありませんが、月初めかつ信託銀行でのATM振込取引という事で、みずほの件あたりと比較すれば実際の被害の範囲も規模も格段に小さかっただろうのが不幸中の幸いですかね。影響があったのは10件とかいう報道もありますし。ていうか、利用者が少ないだろうからって舐めてテストを省略したら案の定、なんて話じゃないでしょうね?そんな馬鹿な、とも言いきれない、システムベンダの信用のなさ加減に泣けます。

三井住友信託銀のATMで一時障害 合併後初の営業日に

[biz] docomoが通信チップの共同開発を中止

やっぱりね、としか。Qualcomm対抗の通信チップを開発するとして、富士通とSamsung、あとパナにNECが共同で合弁会社を立ち上げる旨宣言し、とても悪い意味で世間を驚かせた件の話が大方の予想通り頓挫、会社を立ち上げる前にあえなく解散となったそうです。

もう今更何をか言わんや、な話ですけれども。まず最も益のある生産をサムスンが引き受けるとしていた時点で国内メーカーにはメリットがほとんどなかったのですし、そのサムスンにしても、Qualcommより安価に出来る、すなわち大量に売れる事が必須だった筈なところ、参加したメンツの製品全てに搭載してもQualcommチップの生産量に比して端数にしかならないのだから、手を出す意味が無きに等しかったわけで。加えて、確執だけは10人前な面々ばかりとあっては、最初から話がまとまる可能性すら無かった事は明白、むしろ何故そんな話がそこまで進んだのかが不思議なものでした。

各社とも、重複する開発部隊を抱え、メジャー相手にはスケール等の面で全く歯が立たない中、何とかシェアと仕事を確保したいとか、身売りやら合併の相手を見つけたいだとか、そういう事情があっただろう事は容易に想像出来るし、当人達も株価対策的というか、目先のつなぎ資金獲得のためのエサ的な話にしか考えていなかったんでしょうけれども、それにしたってこれはねえ。あまりに無様で泣けます。遊んでる余裕なんて無かった筈なのに。

ドコモ、国内外メーカー5社との合弁契約を解消--準備会社も精算