10/31/2013

[pol] 米NSAがGoogle、Yahoo両社の全クラウドデータを無断取得

米NSAによる盗聴の件、さらにもう一段の不義が発覚したそうです。

何かと言うと、これまで合意の下、PRISMプログラムでの盗聴活動に協力していたものとされていた米IT大手各社の内、GoogleとYahooの2社のネットワークに対し、ともに無断で、暗号化されていない箇所をターゲットにする事で全トラフィックを取得し監視する、MUSCULARプログラムなる活動が行われていたというのです。

取得の具体的な手口は明らかではありませんが、非暗号化データの流れる光ファイバーにスプリッタを入れ、全データをバッファリングして自由に取り出せるようにしたとかいう見方が強いようです。確かに、業者に無断で全トラフィックを取得する方法なんてそれ位しかないでしょう。であれば、文字通り全ての、暗号化もされない生のデータを取得出来ますから、当然両社の全サービス、Gmailは勿論の事、Google Docs等のクラウド系サービスでやり取りされるデータの全てを、その過程も含めて取得していた事になります。従って被害者は全ユーザすなわち世界中の数億人。

これまでNSAは、これら協力企業のサービスにおける通信盗聴に関し、盗聴の実行は通信業者が担い、自らは合意の下データの提供を受けたものであり、各社の通信データの取得を直接行ってはいない、として来ました。本件はその主張が偽りであった事を証明するものに他なりません。要するにNSAは、協力企業すらも欺き、裏切っていたという事です。

最近、GoogleとYahooの両社が内部を含めた殆ど全てのトラフィックを対象に暗号化を強化する方針に転換し、当然にNSAの盗聴発覚との関連が疑われつつ、その性急さには、協力企業の筈なのに何故、と訝しまれる部分もあったところですが、これで腑に落ちました。全てが外部に筒抜けとあっては、クラウドサービス自体が成立せず、即存亡の危機になってしまうでしょうから。といっても遅きに失した、もしくは後の祭りな気もしますが。特に企業ユーザはその大半が利用を取りやめ、というか禁止するだろうし、落とし前的な損害賠償を求められるケースも増えるでしょう。

NSAはこの期に及んでまだmisleadingだとか主張し、言い訳を重ねているそうです。その真偽を確かめる術はなく、かつ経緯が経緯だけに、もう誰もまともに取り合おうともしないだろうし信用も何もないのだから、局長のAlexanderあたりは本当に自国の利益を優先するのなら潔く責任を取って自分の首を差し出す位はしてもよさそうなものだと思いますが、そのような姿勢は欠片も見せず、自己弁護と保身に必死な姿はあまりにも無様で、長年畏怖畏敬の対象であった米国情報機関も、その人的実態はこんなものかと、冷やかな思いを抱かざるを得ないのです。それを正そうともしない大統領はじめ米国政府にも。

しかしGoogleとYahooだけなのでしょうか。他のPRISM協力企業、特にMicrosoftとかFacebookはどうなのでしょう。NSAがわざわざせずとも元々全ての生データを提供してたから不要で対象外、とかそういう事なんでしょうか。

NSA reportedly tapped into Google, Yahoo data centers worldwide without telling either company

英国の深い関与も指摘されていますね。その線からMuscularと対をなすIncensorというシステムの存在も表面化しているようですが、これはなんなんでしょう。フィルタリングシステムの事かな?

N.S.A. Said to Tap Google and Yahoo Abroad

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10/29/2013

[biz] 米TeslaのEV、Model Sがまた炎上爆発

つい先日、米国シアトル郊外で障害物に接触後大炎上する衝撃的な事故を起こし、偶然撮影されたその際の映像で多くの人を戦慄させた米TeslaのEV、Model Sが再び炎上したそうで。今度の場所はメキシコ、スピード超過の上の自損事故の後、米の事故と同じく車体の前方、バッテリー部分が大きく燃え上がり、今度は爆発もしている様子が夜のノイズだらけの映像の中にもはっきりと映っています。

その動画は下記記事から。
Guíador "fantasma" choca lujoso vehículo eléctrico en la glorieta del pocito en Mérida

素早くリリースされたTesla公式による火消コメントによれば、運転手は無事で、その安全性を高く評価した上、再びModel Sの新車をオーダーしたとか。如何にも取って付けたような白々しさが漂いますけれども、先日の事故の記憶も鮮明な中、Teslaも必死なのだろうし、今回はドライバーの過失が大きいですから前回よりは同情出来なくもない面は認められるでしょうか。

ただやはり、あの炎上爆発の様子は看過出来るものではあり得ません。前回も今回も、単独の事故かつ周囲に延焼するものが無かったためにModel Sが燃えただけで済みましたけれども、これが複数車が絡む事故や建物への衝突だとしたら、その場合に確実に起きるだろう延焼の様を想像するだに寒気がします。しかもそれは、現状の普及台数ですらこの頻度なのですから、可能性がある、どころではなく、このまま普及していけば、確実に現実のものになってしまうのでしょう。それも近いうちに。

Tesla社には、そのような取り返しのつかない事故が起きる前に十全の対策を取る義務があり、もしそれが困難だというのであれば販売取りやめの上全回収を行う位の厳格な対応が求められるところかと思われますけれども、本件コメントを読む限りは場当たり的なその場しのぎの対応に終始している様子で、その見込みも意志すらも認められません。自発的な改善が期待出来ない以上はNHTSAあたりが管理指導すべき話でしょうが、そちらも音沙汰なし、実質完全放置で極めてまずい状況にあるわけです。実際に犠牲が出ないと動かないのはどこも同じ、という事でしょうか。極めて残念な限りです。

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一方Consumer ReportはModel Sをさらにプッシュ中だとかいう話も。記事を読んでみても以前の評価と変わらず、形式的なテストスコアのみに基づく判断という事で、炎上事故の事については触れてもいません。それはそれで一つの基準だし構わないんでしょうけれども、しかしそれで"wholeheartedly recommend"とまで言ってしまうのはあまりに無責任にも思われるところですが、この車を買うような層にとっては瑣末な問題という事なんでしょうか。それとも単に金の力によるところなんでしょうか。いずれにせよ度し難く思うのです。

Consumer Reports officially recommends the Tesla Model S

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10/25/2013

[pol] 米NSAによる独仏含む各国首脳への盗聴露見、信頼の喪失

Edward Snowdenの告発に端を発した米国NSAによる諸外国へのスパイ活動露見の件、協力国の要とも言える仏独の首脳への盗聴が発覚したとのことで。

NSA monitored calls of 35 world leaders after US official handed over contacts

証拠はSnowdenが提供したNSAの内部文書で、ブッシュ大統領時代の2006年10月に発行されたもの。公表された文書を読むに、米国政府各機関への盗聴活動の広告と、追加すべき対象の電話番号登録を依頼するためのものですね。個別の番号、対象者の氏名は記載されていませんが、この時で既に35人の諸外国指導者へ繋がる電話番号200件が盗聴対象である事が明らかにされています。

これには流石に驚きました。いや、当然やってるだろうとは誰しもが思っていた事でしょうけれども、ここまで直接的な、言い訳のしようもない証拠が出て来るとは思いませんでした。米国があれほどまでにSnowdenの身柄確保に躍起になっていた事にも納得、というより、これだけの証拠を抱えてSnowdenはよく生き延びたなと。

何にせよもう公になってしまった以上は後の祭り、元から米国側の英国を除くEUの大半が正面からの反米に染まるという前代未聞の事態を目の当たりにして、既に米国に失望していた身としても戦慄を禁じ得ません。

本件が加わった結果、これまで特定されたものだけで、ブラジル、メキシコ、仏独と、中米、南米、欧州まで、従来からの協力国、地域の大半を網羅する形で全方位的に信義を裏切り、結果その全てから公式かつ直接に非難を受け、かつ仏での一般市民への大規模盗聴の発覚もあって、各国の市民までもがおそらくは一様に反米に転じた事になるわけです。敵国としての大規模な衝突等にまで至るものとは考えられませんが、民間から公共、個人から組織に至るまで、広く、かつ深く、およそ全ての関係において隔絶が強まる事は避けられないでしょう。

彼らは、その人命含め他者の権利を公然と侵害して恥じない、独善的かつ傲慢なそれらの活動を、これまで一貫してテロの脅威への戦いなどと称していました。よくそんな事を言えたものです。それが本気だったとすれば、米国以外は全てテロリストであり敵だというわけですか。そのような振る舞いをするもしないも米国の自由ですが、一度でもそのような扱いをすれば、された側はその裏切りを容易に忘れる事はないでしょう。改めて認めざるを得ません。もはや良き隣国としての米国は、建前としてすらも決定的に失われてしまった事を。極めて残念な事ですが。

ところで、日本政府がこの事態を前にしてノーリアクションなのはどう受け止めるべきなのでしょうか。官房長官は大丈夫だとかコメントしてますけど、それって何の根拠もないですよね。米国が情報ダダ漏れの日本に本件で協力していたわけはなく、どう見ても盗聴される側としか思えないし、盗聴するだけのメリットは十分、やってない可能性はむしろ低かろうと思われるんですけれども。元々ノーガードだから今更気にしないって事なんでしょうか。それとも面倒を起こしたくないから見て見ぬふりをしてるだけなんでしょうか。どちらにしても残念な話です。米国に対するそれとは違う意味で。

European leaders call for talks to settle US spy row

そして次々と追加される被害国。スペイン市民は確定、日本も挙がっています。いずれも当然に予想されたところであって、今更驚くわけでもありませんけれども。

NSA 'monitored 60m Spanish calls in a month'

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10/24/2013

[biz] パナソニックがさらにリストラ、半導体半減7000人

またまたパナソニックがリストラ。今度はセミコン、海外含め現14000人を半減して7000人にする計画とのこと。もう頻度が高すぎて一々取り上げても仕方ない気もしますが、無視するにはあまりに規模が大きいのです。長年終身雇用の象徴だった旧松下の事とあっては尚更。

内訳は大雑把に言って家電系からの撤退。ここ数年続いているテレビ関連事業リストラの一環という位置付けですね。それは理解出来ます。が、継続分野が自動車・産業というのは現実的なんでしょうか。自社製品という出口が確保されていた家電系と違ってオープンな市場、それも国内だけでもルネサスはじめ既存の専業大手各社と真っ向から競合する激戦区なわけで、安定的、継続的なシェアの確保は極めて困難な筈です。第三者からだと無謀にも見えますが、勝算はあるんでしょうか。

本件は、元を辿れば破談したルネサス及び富士通セミとの統合交渉の後始末という事で、その仕切り直しというか、最終的にはルネサスへの売却を目指していて、今回のリストラはその下準備という事なのかもしれませんけれども。しかし、ルネサス自体が設備過剰気味なところ、今回のリストラで完全に重複する事になるパナを欲しがる可能性はあまりないようにも思われますし、その線はあまり現実的でないようにも思われて、パナソニックがどのような先行きを描いているのか、今ひとつ理解しづらい感があります。

あるいは、単なる不採算事業の段階的整理以上の意味はないのかもしれません。まず撤退が決定している家電系を先行して整理し、その他には一応機会は与えるけれども駄目元程度、あまり期待はしておらず、シェア確保が難しそうならそこも整理してしまうつもり、とか。

どちらにせよ、リストラされる従業員の方にはお気の毒な話なのですけれども。主力事業が消失した以上は当然の帰結、理不尽とは言えませんが、お気の毒ではあります。

ところで、パナソニックと同様にルネサスから不要とされ、一足先にリストラも一段落させた富士通セミは、ほぼ時を同じくして受託方向に舵を切っています。それと比較すると、大口法人向けへの注力と言う事業転換の方向性の意味では相似しつつ、富士通は包括的な受託生産、パナソニックは従来通りの部品売りと、実手段としては大きく異なる手を打ってきた形です。富士通の方が数段先行しているようにも見えるものの、いずれも現実性に乏しく窮余の策との印象も否定し難いところですが、果たして生き残りに成功するのか、あるいはどちらも失敗に終わるのか。フェードアウト濃厚なロジック統合の行方と併せて、興味深いところです。

パナソニック、半導体部門の社員半減 7000人に

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10/23/2013

[biz law] 阪急阪神系ホテルのメニュー虚偽表示、その応報と波及

レストランにおけるメニュー虚偽表示発覚の件、大手による食品・食材偽装による詐欺の発覚が相次ぐ昨今ですが、また一際酷いですね。レトルト品や冷凍品を手製や鮮物と称したり、全く違う品種を使ったり、もう間違いとか誤魔化しとかそういう言い訳の入る余地のかけらもない、完全な詐欺そのもので驚きを禁じ得ません。刑事的に見ても、景品表示法違反は間違いないし、故意が認められ、かつその偽装によって得た利益の比率が非常に大きいところ、その悪質さからすれば詐欺罪に該当する案件かと思われます。規模は違いますが、悪質性の程度で言えばイオンの件と同等といったところでしょうか。

ていうかそんなのでよく7年もの長期に渡って発覚しなかったものだと、そちらの方にも驚かされますが。客はまあ往々にして雰囲気に騙されるものだとしても、仕入れ先とか、その際の価格とか見れば丸分かりなのだし、管理部門は当然承知していた筈、要するに組織ぐるみの犯行と考えざるを得ません。阪神合併前からの阪急系の高級ホテルも含まれているようですが、その最大の強みであるところの高級かつ老舗的なイメージが完全に崩壊してしまっただろうわけで、その影響が深刻でない筈もないし、阪急阪神の外食事業全般が割と本気で終わってしまったかもしれませんね。全入れ替えしても客が足を運ぶかどうか。といっても因果応報、同情の余地もありません。南無です。

先の事はさておき、とりあえず直近の問題としては、本件の落とし前、すなわち詐欺被害者への賠償をどのように行うか、その方法をどうするか、でしょうか。宿泊客やツアー利用者なら、ホテルなり旅行社なりに記録も残っているだろうから問題ないでしょうけれども、結婚式等の各種式典だとか、レストランのみの利用客だとその大半は何処にも記録に残っていないでしょうから、その確認をどう取るか。顧客対応の面からは、申し出があった場合には無条件で返金に応じる形が取れればそれが一番適切なんでしょうけれども、当然こういうケースだと利用客と偽って不正に払い戻しを受けようとする犯罪者も寄ってくるもの、とりわけ本件の期間の長さと範囲からすれば到底許容出来ない規模になるでしょうから、その抑止のために何らかのチェックは必要なんですよね。とは言っても、正規の利用客には只でさえ詐欺にかけてしまっているところ、そこにさらに手間を掛け、あまつさえ詐取の疑いを掛けるなど、客商売でなくとも言語道断な話なわけで。

確認はせざるを得ない、けれども阪急阪神側に非がある以上強気にも出られない。となると、極めて緩い、身分確認程度に止めたチェックの上、特に不正の疑いが無い場合には、その手間と非礼の分も加算した慰謝料の割増を支払うとか補償も加える、位が落とし所かとも思われますけれども、さてどう対応してくるか。とても興味が惹かれます。それでも少なからぬ顧客が怒りと共に離れて行くものと予想されますが、自業自得だしそれは仕方のない話、そこをどうにか繋ぎ止めるのか、あるいは自己保身に走って墓穴を掘り進めてしまうのか、阪急阪神のお手並み、というより本性拝見、といったところでしょうか。

あとは、これから本件がどこまで波及するかも要注目でしょう。普通に外食産業全体に延焼しかねない、というか多分にそうなりそうな話で、ぶっちゃけこの種の偽装なんて日常茶飯事もいいところだろうわけで、今頃真っ青になってる人達がそれこそ山のようにいる筈でしょうから。実際、本件の発覚を受けて慌ててメニューの書き換えを行った大手グループも複数報じられていますし。そんなのやってましたと自白したようなもので、呆れざるを得ないわけですが、もっとも大半は逃げ果せようとするんでしょうし、それに比べれば自白するだけマシな方と言うべきなのでしょうか。

いずれにせよ、本件類似の虚偽表示であれば、その実行者は全員が全員、間違いなく悪質な犯罪者なのですから、漏らさず検挙のち然るべき刑罰が適用される事を望みます。そうすると誰もいなくなる、というのなら、そんな無法な業界はむしろ一度滅ぶべきだと思うのですよ。

[関連記事 [biz law] イオンがPB食品偽装批難記事の文藝春秋提訴]

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そしてまさかの「誤表示」主張。救い難いですね。ていうかこれで諸々の収まりがつかなくなってしまっただろうわけで。本気で終わってしまったかもしれません。

「偽装でなく誤表示」 阪急阪神ホテルズ、一部再調査へ

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おそらく膨大だろうこれから発覚する類似事例を一々挙げてもキリがないんでしょうけれども、あのリッツ・カールトンまでもがそんなセコい真似をしていた件には流石に反応せざるを得ません。というか、大阪は阪急阪神傘下だったんですね。これからは名ばかりの詐欺ホテルと認識される事は必至、ブランドは崩壊してしまったも同然なわけですけれども、これからやっていけるんでしょうか。只でさえ大阪は競争が激しいところなのに。

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そして雪崩を打つかのように相次ぐ同様事例の発覚。その中にあっても一線を画す酷い対応を近鉄がやらかしたそうで、悪い意味で注目を集めているようです。

[関連記事 [biz law] 近鉄ホテル、虚偽表示発覚にも賠償拒否]

10/21/2013

[note] eBayでロストと思って返金処理済の品がその後届いたので再支払い

先日、eBayで香港の業者から購入して発送から35日経っても届かず、これはロストかと諦めてCase行きのち返金処理をしたブツがひょっこり届いてしまいました。輸送にかかった日数は実に50日に及びます。どういうことなの。先月後半のHongKongPostによる税関検査強化が影響したんでしょうか。対象品目ではないはずなんですが・・・。困ったものです。

まあ届いた事自体は嬉しいんですけどね。何だかんだで代替品もまだ発注していませんでしたし。eBayでの出品者評価も控えていた事には、用心はしておくものだ、と胸を撫で下ろしました。

ともあれ、このままでは代金未払いで不法利得になってしまいますから、 再支払いの手続きを至急取らねば、という事でこれまた初めての事につき手順を調べてみたところ、どうもeBay上では返金処理が終わった時点でその取引は終了していて、そのシステム上では再支払い等は不可なようなのです。で、同じようなケースは少なくないだろう、その場合はどうするのかとさらに調べてみると、paypal上で別取引として送金するのが一般的なんだそうで。

と言うわけで、面倒だなあ、と思いながらpaypalのサイトから返金処理。メニューから"send money"を選び、通貨種類と送金額、送金先メールアドレスを入力。次に表示される詳細設定画面で、相手に送付されるメールに追記するメッセージの入力欄があるのでそこに経緯等の説明やらを書き、あと物品取引ではないため品物の送付先の部分は無しに設定。そして送金。すると但し書きの作文に時間がかかりすぎたためかトランザクションがタイムアウトにより無効のエラー表示が。ちくしょー、と毒づきつつ再ログインし、一連の入力を今度は素早くやり直して送金。今度は成功。でおしまい。ああ面倒でした。

ちなみに届いたブツは何かというと、タブレット用のケース。Memopad HD7ことME173X用です。サイズだけなら兄弟機のNexus7用で代替出来なくもないんですけど、リアカメラ用の穴が開いてないとか色々とフィットしないのはやはり気に入らないので専用のを、と思ったのです。

開封直後はこんな感じ。 送料込$6強の値段の割には悪くないです。

 

早速Memopadを入れてみました。カバー部分にはマグネットが入っていて、閉じるとパチッと吸い付いてくれますし、概ねフィットしていい感じ。しかし若干遊びもあって、そのためにカメラが穴からずれたりするので、使用時には要注意でしょうけれども、何とか目を瞑れなくもない範囲でしょうか。
 


定番の横向き限定スタンド変形も出来ます。安定性は十分。が、角度的に少し立ちすぎな感じで微妙だし、私は基本縦でしか使わないのでおそらく滅多に出番はないでしょう。それより、縦にすると厚すぎて純正のスタンドに入らなくなるのが問題です。ケースに入れたまま縦置き出来るスタンドを探さなくては。



なお、電源ボタンがカバーの内側に入ってしまい押しにくいのは若干残念。何とかならなかったのでしょうか。



値段の割には概ね思ったよりいい出来で嬉しいです。色々面倒でしたけど、悪い評価とか付けなくてよかったなと。まあ輸入にトラブルはつきものだし、これからも寛容を心がけたいと思います。というわけで今回はこれでおしまい。

[関連記事 [note] eBay発注の品がロストして返金 ]

10/18/2013

[note] Ubuntu 13.10導入

Ubuntuの新バージョン、13.10がリリースされました。コードネームはSaucy Salamander、小癪な火トカゲさんです。毎度おなじみな事ではありますが、また一段と謎なネーミングですね。

いつもなら、しばらく様子見をして、不具合が解消された頃にアップデート、とか用心しながら恐る恐る入れるところですけれども、今回のリリースはここ最近のUbuntuプロジェクトの流れに従ったもの、すなわちUnityインタフェースとUbuntuOne等のクラウド関連部分のアップデートが中心、従来のデスクトップシステムの大部分には目立った変更はなし、という事で、Unityすら使っていない私のようなケースならさほどの変化もないし問題なかろう、とたかを括り、珍しくもホイホイと適用してみたわけです。

対象はいつものようにデスクトップサーバとノートの2台をアップデートインストール。あと、たまにはUnity周りの改良を確認してみるのも良いかと、試しにもう一台ノートに、こちらはクリーンインストール。加えて、今回はLubuntuのリリースが追従していたのでLooxUもトライ。計4台ですね。

結果から言えば、 LooxUを除く3台は、日本語入力部分で少しトラブルがあったものの、それ以外は特段の問題もなく、すんなり適用出来て概ね成功。LooxUは、インストールの途中で、"アップグレード作業を見積もれません"とかいう妙なエラーが出て無理っぽい感じなので今回は見送りです。 長年の不遇の果てについに切られたって事なんでしょうか。残念です。

それぞれの手順については特筆すべき事はありません。いつもの通りです。アップデートインストールの場合は、新バージョンの通知をオンにしたSoftware Updaterに表示されるアップグレードを選択し、画面の指示に従っていれば恙なく完了します。時間はインストールされているアプリの量によりますけれども、およそ1~2時間といったところでしょうか。時折カスタマイズ済の設定ファイルの取扱いについて応答を挿みつつ気長に待ち、完了後は再起動して終わり。なおバージョンの飛び越えは不可なので、13.04に上げておく必要があります。12.04LTSからなら、12.04LTS -> 12.10 -> 13.04 -> 13.10と実に3回。いや上げといて良かった。クリーンインストールはイメージを焼いたDVD等から起動、これまたいつものプロセスで数十分程度、それだけです。ちなみに64bit Desktop版のisoイメージはサイズが900MBを超え、もはやCD-Rには入りませんのでご注意を。

唯一にして最大のトラブルは、日本語入力が不可になるというもの。正確には切り替え用のキーを押しても日本語入力モードに切り替わらないのです。アップデートとクリーンいずれの場合にも発生したので、まず間違いなくインストーラの設定ミスだと思われますけれども、このままでは使えないレベルで困るので、当然修正作業をする羽目になったわけです。

で、その修正方法ですけれども。正確な原因を把握出来たわけではないのですが、どうもiBusのメソッド切り替え自体に失敗しているようで、インプットメソッド切り替えのショートカット設定を修正してやると直りました。デフォルトの[super(winkey)+space]が衝突してるのかな?ということで、これを変更します。具体的には、以下の通り。

まず、iBusの設定画面を開きます。ターミナルから下記コマンド。

$ ibus-setup

表示される[iBusの設定]画面のうち、[全般]タブの上部、[キーボードショートカット]のフレーム内にある[次のインプットメソッド]を変更します。変更は、項目の右側にある[...]のボタンを押すと表示されるダイアログから行います。割り当ては任意で、好きなキーを割り当てれば良いのですが、一般の日本語キーボードで標準であるところの角/角キーでの切り替えとするなら、[キーコード]の欄に[Zenkaku_Hankaku]と入力します。なお、対応するキーの押下で入力する事も出来る筈なのですが、私のPCではその機能はなぜか正常に動作しませんでした。そういう場合はキーコードの欄にテキストを手動入力します。あと修飾キーのチェックボックスも適宜。角/角キーだけにしたいなら[super]等のチェックを外します。それで[OK]。しかるのちに[iBusの設定]ダイアログを閉じます。

iBusの設定はiBusを再起動しないと反映されないようなので、一旦ログオフしてからログインし直します。もちろんPC自体を再起動しても構いません。すると上記で設定したキーで日本語入力モードに切り替えられるようになる筈。[Zenkaku_Hankaku]としたなら、[角/角]キーですね。

一応それで解決です。付け加えておくと、英語キーボードと切り替え可能に設定にしている場合は、一旦片方は削除しておく必要があるかもしれません。きちんと確認したわけではなくもう確認も出来ないのですが、試行錯誤の際にその設定が切り替えキーと衝突していた気がするし、英語キーボードでよくある[Alt+grave(`)]の切り替えキー設定もその後でないと効かなかったようなので。

後は、その可能になった日本語入力について割と個人的なところで一点だけ。私は日本語をかな入力にしてるんですが、かな入力だと、なぜか"ぼ"の字を入れようとしても濁点が付かず"ほ゛"になる信じ難い不具合があるのです。何これ嫌がらせ?かな入力がマイノリティな事は承知していますけれど、これはいくら何でもあんまりなんじゃないでしょうか。あまりに基礎的な部分過ぎて公式の修正を待つのもつらいので、これから修正方法を調査しようかと思います。多分Anthyの問題ですよね。うーん。参りました。

それ以外は今のところ問題なし。アップデートの2台ではUnityではなくCairo-Docksを使っていたのですけれども、アップデート後もざっと見た限りデスクトップ周りの設定は全て保持されていますし、標準ブラウザがFirefoxからChrominumに変わるという事で懸念していたFirefox周りも特に変わりなし、平和なものです。

クリーンインストールのマシンで久しぶりに触ってみたUnityは相変わらず残念な感じでいただけませんが、個人的には現状に特段の不満もない以上、概ね理想的なアップデートであったと言えそうで一安心。というか、マイナーチェンジと言うのも微妙な気がする位ですが。ともあれ、ひとまずはこれでおしまい。

-----追記

かな入力で"ぼ"が入力出来ない件、実は以前から所々で発生していたものらしく、その対処法も既に幾つか発見済み、それに従って修正したところあっさり直りました。その手順は次の通り。下記ファイルを修正します。

<修正ファイル>
 /usr/share/ibus-anthy/engine/tables.py

<修正内容>
  kana_voiced_constant_no_rule配列に下記行が抜けているのが問題なので、これを追加挿入します。挿入箇所は配列内の何処でも良いでしょうけれども、論理的には音順に従い"べ"の次、すなわち最後が良いでしょう。デフォルトのtables.pyでは504行目になります。

    u'ほ' : u'ぼ',

その後、同ディレクトリ内にテンポラリのコンパイル済ファイルtables.pycがあるならそれは削除しておき、同じく再ログイン。これで直るはず。

-----追記その2

その他は問題ないかと思っていたらさにあらず。gtkを使ったアプリの挙動がおかしいのです。具体的にはウィンドウの配置関連、gtk_window_moveとかgtk_window_set_decoratedでウィンドウを移動させたり装飾のオンオフを切り替えたりすると位置がずれたりします。常用の自作アプリが大変な事になって困りました。gtk2.0での描画周りもおかしくなってて、単純に描画されなくなるケースが多発して、こちらは2.0が近くobsoleteになるというのであらかじめポーティングを進めていたgtk3.0版コードに切り替えざるを得なくなったり。

かように色々と基本的なレベルで13.04以前との非互換性があるようなので、gtkを使用するアプリをクリティカルな部分で使用している向きには極めて要注意かと。小癪な、で片付けられるものとは到底言えませんし、13.10はちょっと人にはおすすめ出来ない感じですね。しかし今更戻すのも大変だし、経験的にはアプリの方の修正で対応出来なくもない範囲っぽいので今回は頑張ってフォローしようと思いますけれども、参りました。

-----追記その3

それからしばらく経って、そろそろ色々Fixも入った頃かと、インストールに失敗して放置していたLooxUのアップグレードを試してみたら行けました。あのエラーは何だったんだろう。今回は特にグラフィック周りの問題もなく表示され、おそらくはその辺は特に変更がなかったってだけなんでしょうけれども一安心です。その代わりという事なのか、Dockyが動かなくなったんですけどまあ代わりはあるし特に問題無し。なお、前述の日本語入力周りの不具合はまだ改善されていませんので、同様に修正してやる必要はありました。前回は問題があったsuspendもすんなり。とりあえず最低限使える程度にはなっている様子なのでしばらく使ってみますかね。

[関連記事 [note] ubuntu 13.04導入] 
[過去記事 [note] ubuntu12.10お試し導入]
[過去記事 [note] ubuntu 12.04LTS導入]

10/17/2013

[biz law] イオンがPB食品偽装批難記事の文藝春秋提訴

先頃、米類を用いた食品等の産地偽装が発覚したイオン、当然に全方位から袋叩きなわけですけれども、とりわけ苛烈な批難記事を掲載した週刊文春に対し、その売り場からの撤去に止まらず、名誉毀損として文藝春秋社を相手取り民事訴訟を提起したそうで。

本件、元々の偽装自体は委託先がやった事と言っても、それを自社ブランドの製品として販売した以上、消費者に対する製造販売における一義的な責任はイオンにあります。かつ、中国における土壌汚染とそれによる農産物の汚染が無視できない程度に深刻である事も周知の事実なのですから、「猛毒」との表現には一般的な表現としてはいささか誇張が過ぎる部分はあるにせよ、全体的に見て記事が事実無根とは到底言えないし、従って今回のイオンの対応は逆ギレと言う他ないように思われるところです。

誤解を与える、と言うのなら、中国産の食品を国産表示する方が余程悪質です。こちらは紛う方なき詐欺、その規模も尋常ではなく、社会的な害悪としては文春の記事など比較になりません。一般に消費者が国産と銘打たれた食品を選択する理由の大半は、その安全性の高さすなわち汚染可能性の低さによっており、逆に外国産、とりわけ中国産は汚染可能性が高いものと認識されていて、その表示は消費者の選択に決定的な影響がある事も明らかなところ、本件イオンの行為は、消費者を決定的に欺き、そこから膨大な利益を得たものなわけで。

国産だから安全、と信じて製品を購入した結果、忌避した筈の外国産食品を食べさせられた消費者は、一様に自分たちの健康を害されたと認識するでしょうし、裏切られたと怒りもするでしょうから、本件記事のような事はむしろ当然に思うところでしょう。その意味でも批難記事は正当性を帯びます。本件イオンの偽装行為は、消費者に対する詐欺のみならず、傷害にも該当するものと考えられますから、治療費なり慰謝料なり損害賠償もなされてしかるべきところです。それを一切せずに、責任回避に終始した挙句、消費者の代弁として批難を加えたメディアに逆ギレ訴訟を起こすなど、全く以て論外な対応と言わざるを得ません。このような有様では、信頼回復など望むべくもないでしょう。

無論、中国産米が全て猛毒であるわけはありません。大半は特段の有害性もないのでしょう。しかし本件においてそのような部分は問題ではなく、危険性が否定出来ないものを、安全であると称して消費者を欺き販売した事が問題なのです。食の安全にシビアな人にとっては、その種のリスクがある時点で、「猛毒」に他ならない、そう認識するものなのですし、そのような判断基準を持つことも当然の権利なのですから。そういった消費者の権利を軽んじる、というより殆ど真っ向から対立する今回のイオンの判断、振る舞いには、そんなことでよく小売業をやっていられるものだと、極めて強く疑問に思う次第なのです。それとも、成功故の傲慢という事なんでしょうか。だとすれば、将来は決して明るいものにはなり得ないだろう、とそう残念にも思わざるを得ないところですが。

流通大手イオンが文藝春秋を提訴

10/16/2013

[biz law] NHK技研の主任研が架空発注詐欺

架空発注による詐取が相次ぐこの頃、今度は皆様のNHKがやりやがってくれました。

容疑者は濱崎公男、所属は放送技研テレビ方式研究部、役職は主任研究員。課長クラスですね。期間は判明しているだけで平成20年から24年、金額は24年3月に音響設備として架空発注した分だけで279万3000円、少なくともその半額程度がカメラ・PC等物品の形で還流と。

容疑者のポジションとか額とか、大体JAXAの時と同じような感じです。その横展開的な検証調査で発覚したとかそういう事なんでしょうか。名目等はこちらの方が単純で、その分浅はかさが強く知性がより足りない気もしますけれども、大差はないかと。

しかし、JAXAの時にも思った事ですけれども、詐欺なんて重罪、発覚すれば当然刑事犯として検挙され、その恵まれたポジションも失う、極めて重大なリスクが明白なわけで、その危険性の割に金額が全く釣り合ってませんし、極めて非合理的で、全く以て理解し難く思います。あと、発覚は内部通報がきっかけだそうですが、という事は正規の業務プロセス上では完全に見逃していた事になりますけれども、いくら課長クラスに実務の裁量があると言っても、数百万の経費ともなれば、事前の稟議や事後の効果検証等、それなりに組織内でのチェックが行われるものな筈、上司連は一体何をやってたんでしょう。揃いも揃って皆置物なんでしょうか。であれば無駄なので全員解雇すべきです。

NHKも一頃のバッシングがようやく収まり、契約拒否に対する強制執行認容の判決も勝ち取り、もう安定的になったのかと思っていたらこれ。私たちはやっぱり腐っています、と周囲にわざわざ喧伝するようなもので、事実そういう事なんでしょうけれども、元々現政権とは過去の経緯から対立に近い関係にあるところ、ばっさりリストラされて生まれ変わる良い機会なのかもしれない、とすら思う次第なのです。実際問題肥大化し過ぎているのは事実、本件もその弊害という事なのでしょうから。

NHK主任研究員、架空発注で懲戒免職、詐欺で告訴へ 音響の専門家

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10/13/2013

[note] eBay発注の品がロストして返金

全く以て大したことじゃないんですけれども、初回ということで記念というか記録に。

何かと言うと、eBayで香港の業者に発注したタブレット用ケース送料込約$6が発送連絡後30日程経過しても届かなかったんです。当然のようにFreeShippingでTracking numberも付いておらず状況の確認も出来ないものの、多分に輸送中のロストだろう、という事でめでたく初のトラブル解決用Case開き。

ちなみにCaseというのは出品者と落札者の間で不着等のトラブルが起こった際に、eBayの管理下で相互に連絡を取らせる事で解決を促し、当事者間で解決に至らなかった場合には介入もする、eBay既定の問題解決サービスの事を指します。そのプロセスに入る事を"Caseを開く"というのですね。なおCase上のやり取りは全てeBayのサイト上、My eBay内で行う形になります。

Caseを開くに当たっては、どのような処置を求めるかを幾つかあるオプションの中から選択出来るようになっているのですけれども、特注品でもなく、ごく安価な品である事を鑑みて普通に返金請求に設定。すると事情の詳細と自宅電話番号の記入を求められるので、品が届かず追跡も出来ない旨などを記入して送信。

数十分で出品者から慌てた感じの連絡が届きました。件の品物はHongKongPostに確かに出荷している、一般に35日程かかるケースもありうるので、あと5日程待ってみてくれないか、待てないなら一旦返金はするけれども、とか言うのです。多分待っても届かないだろうし面倒だなと思いつつもわかった待ってみると答えて待つ事一週間、やはり届かず。もう諦めるから返金してくれ、と伝えると翌日Paypalに返金されCase Closed。とまあこんな感じで概ねスムーズに終了したわけです。

表面的には特段の問題もありませんでした。ただ、追跡不可な場合の返金請求ですから、受け取るだけ受け取って返金も求める詐欺も成立するケースなわけで、実際自分も多分にそう疑われてもいただろう事を思うと、とても気分はよろしくないのです。多分Case開きの時に電話番号入力させられるのも不正防止の一環なんでしょう。HongKongPostについては、つい先頃にも幾つかの品目について輸出時の検査強化が図られ、只でさえ時間のかかる処理がさらに遅れ気味とかいう話も聞きますし、落ち着くまではしばらく利用を控えた方が良いかなと、後ろ向きな気分にならざるを得ないのです。残念。評価をするにも、Positiveを付けるのは流石に抵抗を感じるし、かといってNeutralだと悪い評価になってしまうわけでどうしたものか悩みます。

何より、届くはずだったタブレットケースの代替はどうしようかと。eBay以外だと割高だし、そもそも適合するケースが少ない機種なので困ります。我ながらケチ臭い話だとは思いますけれども。ともあれ本件はこれでおしまい。

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その後数週間、終わったものだと思って忘れていたら届いてしまいました。

[その後 [note] eBayでロストと思って返金処理済の品がその後届いたので再支払い ]

[IT eth] ブロガーが売春婦と侮辱された記事を削除してSCIAMブログが炎上

SCIAMが何かやらかして炎上中、というので、また論文捏造か誤報の類か、と思って見に行ってみたら全然違う事情で驚きました。事の次第は概ね次の通り。

科学関連情報サイトbiology-online.orgの営業が、SCIAMサイト上で"The Urban Scientist"というタイトルのブログを書いていたフリーの女性ブロガーDNLeeを、自サイト上のブログスペースに勧誘しようとした事が発端。で、無報酬を理由に断られた営業が逆ギレ、女性ブロガーをしてお前は売春婦か、等と信じ難い侮言を面と向かって投げつけ、当然激怒したブロガーがその経緯をブログ記事にして告発、広く共感を得ていたところに、SCIAMが当該ポストを科学に直接関係ない不適切な記事として削除。そうしたら侮辱を黙認するのかとSCIAMに批難殺到し炎上中、というもの。

当該削除された記事等は例えば下記等に転載されています。
Tell Someone “No”, Get Called a “Whore”

実際に交わされたメールの内容は次の通り。上記記事より最後の部分だけ抜粋。

営業:"Because we don't pay for blog entries? Are you an urban scientist or urban whore?"(投稿に報酬を払わないから(断るのか)?おまえは都会の科学者なのか、それとも都会の売春婦か?)

ブロガー:"Did YOU JUST CALL ME A WHORE?" (私が売春婦だと?)

いやもう本当に言葉もありません。何をトチ狂っているのかと。弁解の余地は皆無だし、擁護のされようもないでしょう。メールアドレス中でofekの名を用いているこの営業が何者かはまだ不明のようで、biology-online.org内でどのような地位を占めるのかも分かりませんけれども、単なるオペレータなら解雇、そうでなければ解雇に加えて運営自体も相応の報いを受ける事は間違いなく思われるところです。閉鎖まではいかずとも、後々への影響も相当なものになるでしょう。

それはもう確定事項だからいいとして、問題はSCIAMの方でしょうか。たまたま本件ブロガー女史のブログがそこで開設されていたがためにとばっちりを受けた恰好で、当該削除記事も、実際SCIAMレベルに学術性の高い組織のサイトで注目を集めるトピックスとしては流石に適切とは言い難いですし、おそらく事務的に削除しただけの担当は困惑させられていることでしょう。とはいえ、本件はブログ活動そのものに関するものとしてサイト内での公共性も認められますし、何より悪質な人権侵害として社会的に看過し難い類の事案であるのも事実、それをよそでやれ、と機械的に排除した事には、無責任な面も否定し難いところでしょう。

SCIAM運営としては今後どう対応するか悩ましいところでしょうが、これだけ批難の声が上がっている以上は無視し続けるのも適切ではないでしょうから、少なくとも釈明、加えて場合によっては削除の撤回等、それなりの例外的な取扱いをせざるを得ないのではないでしょうか。というか、外野同士の争いは無益で不毛、場の本来の趣旨から言っても速やかに終息させた方がいいと思うし、そのためにはそれなりのアクションも必要でしょう。この種の事案には不慣れでしょうし大変だとは思いますけど、ブログサイトを運営するのであればその位の対応はやはり義務の範疇でしょうから。

もっとも、SCIAMのフォーラム辺りは普通ほとんど見ないでしょうし大多数のユーザーには特段害もない話、下手な対応をして火に油を注ぐ位なら、このまま無視して放置、でもいいのかもしれませんけれどもね。さてどうするんでしょう。

10/11/2013

[biz] 自動運転製品化の動きが性急過ぎて心配です

日産に続きトヨタと、国内自動車メーカーによる自動運転の実用化宣言が相次ぐこの頃。自動運転の対象範囲と時期の目処は、日産は一般道も含めて2020年、トヨタに至っては高速道限定ながら2015年とのこと。また強気ですね。

トヨタの2015年というのは、自動車関連技術の開発期間一般の長さからすれば、もう既に出来上がっていると言うに等しい時期の早さです。法的には以前から国交省が高速道限定で許容する法改正を行う方向で調整を進めていたところで、可能な見込みではあるんでしょうけれども、それでもまだ不確定には違いないし、いささか性急な感も否めません。日産に先を越されて焦った、とかそういう危うい話でなければいいんですけれども。

そもそも、法的な認可はあくまで制度上の形式的なハードルに過ぎません。自動車の自動運転は、一度でも事故を起こそうものなら取り返しが付かない類のリスクの高いものなのですから、技術に100%はない、という作る側のエクスキューズは通用しない事を強く認識し、その導入には極限まで慎重であるべきところです。

しかるに、当然ながらその適用される環境は現実の道路そのものである以上、天候、道路状況等の外部要因から、機材類の劣化等の内部要因まで、人為的自然的問わずあらゆる種類の環境変動が発生し、リスク要因になるわけで。

自動車間の通信システムは大多数の車に実装されなければ意味を成しませんから、当面は事実上個々の車がそのセンサーで計測した情報のみに基づいて制御されざるを得ません。しかしレーザーにしろ超音波にしろ、降雨・降雪・積雪時等は計測範囲と精度が激しく変化します。その耐性は十分なのでしょうか。センサーの一部に泥が被った時等は、使用不可な旨確実に検知されるのでしょうか。赤外線カメラは外光の影響を強く受けますが、その急激かつ極めて多様な変化への応答は精度速度耐性全て完璧なのでしょうか。トヨタの技術では、原則としてレーンをキープするとの事ですが、白線が見えなくなる場合も多々あります。その場合にも正しくレーンを認識出来るのでしょうか。GPSの誤差も小さいものではありません。前車に追従するにしても、前車がいない、もしくは頻繁に車線変更を繰り返しているような状況でも、判断を誤る可能性は無いのでしょうか。それらを組み合わせて個々のエラーを補う、と言っても、その全て、もしくは重要な要素に誤りが生じて、結局誤った判断を導いてしまうような事は起こり得ないのでしょうか。リスクはあまりにも膨大で、列挙すら困難な程です。

ここで問題なのは、その膨大なリスクを前にして、"絶対に、100%事故を起こしてはいけない"、という事なのです。一般的な人間による運転よりは安全だとか、リスクに対するエクスキューズとして一般に用いられるその種の相対的な優位性の主張には意味がありません。

事故には当然民事的刑事的な責任が伴います。人間が運転する場合は、その責は当然その個人に帰せられます。しかし、自動運転時に事故に至れば、その個人ではなく、またその車自体でもなく、自動運転技術とその開発主体たるメーカーに帰せられる事になるでしょう。事故の程度にも依りますが、自然人であれば免許停止になる程度のものであれば、技術そのものが法的に排除される結果もあり得るでしょうし、そうでなくても、発生した損害はメーカーが負担する事になります。誤動作を起こす条件が発見されれば、それを悪用した詐欺等も発生するでしょう。果たしてメーカーは、あまりに膨大なそのリスクを負ってまで自動運転の搭載を続ける判断を下せるでしょうか。極めて困難なものと容易に想像されます。

もっとも、今回発表されたトヨタによる自動運転については、既に実用化されているオートクルーズアシストの延長的なもので、かつ高速道路のみにつきリスクはある程度限定されているとは思いますし、技術開発の進展自体は歓迎すべき事には違いないところ、健闘を祈りたいと思います。ただ、その製品化にあたっては、くれぐれも拙速に陥る事のないようにと願うのです。メーカー各社もその辺はよく承知しているだろうし、余計なお世話かとは思いますけれども。

トヨタ、高速道路限定で自動運転車を実用化 15年にも

言うまでもない事かもしれませんが、日産の方は論外です。 一般道の自律型自動運転なんて、歩行者云々以前に信号の認識とか基礎的なレベルのデータの計測すら不可能になるケースが当たり前にあるのですから。道路側にセンサ兼通信機を埋め込んで通信し協調する類の、完全他律か少なくとも半他律式でないと話にならないでしょう。そのようなシステムを標準化して整備するのにどれほどの時間を要するか。想像するのも難しい程で、7年で実現なんて100%不可能です。どうせ東京五輪に合わせようとか言う安直な発想だけで、技術的な見通しなしに適当言っただけなんでしょう。馬鹿馬鹿しいにも程があります。

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折しもITS世界会議が東京開催という事でプログラム等を拝見しましたけれども、V2X花盛り、中でも車間通信とか自動運転絡みのセッションがとても多いですね。ただ、各国の行政関係者らの制度面での議論が中心で、技術的な発表が少なく、かつ概ね新規性も実用性も今一つな様子なあたり、やはりまだ実験段階で現実性に欠ける印象を受けます。少なくとも後数年でどうこうって話じゃないのは間違いないところで、その前にどう筋道を付けるかも定まらない中、予算確保のための宣伝活動に着手した、といったところですか。その割には花火の打ち上げ方が派手というか極端すぎな気もするわけで、後々にやっぱり無理、と転換する時に突っ込んだ資金の責任を誰がどう取るのか、早めに明確にしておいて、それを踏まえて進める位の配慮は必要なんじゃないの、とは思うのです。

10/10/2013

[biz law] みずほ経営陣の見苦しいまでに悪い往生際

みずほ銀行による暴力団融資とその放置・隠蔽の件、みずほ頭取以下各経営陣の醜態が見るに耐えません。本件は世間の注目を嫌と言うほど集め、各メディアがこぞって詳細の報道に躍起になっているところですが、いい加減辟易とさせられてしまいます。

本件、元の融資自体が極めて悪質な違法行為である事に疑いの余地はなく、しかも当該案件が取締役会に複数回に渡り報告もされていた以上、その隠蔽がトップ以下全社ぐるみであった事も既に明白なところとなりました。さらには金融庁はじめ行政にも完全な虚偽の報告を弄して面目を潰し、全社挙げて真っ向から怒りを買った形でもあるし、もはや歴代取締役全員の解任を以ってしなければ収まらないだろう事は必至、どう足掻こうとどうにもならないように思われるのですけれども、何をそんなにもたついているんでしょうか。責任の範囲からして解任される取締役の数が多すぎて、後任の人選に手間取っているのかもしれませんけれども、そうであったとしてもそれは責任を明確にした後でも良い筈です。結局は自職の延命を図っているようにしか見えないわけで、その往生際の悪さは見苦しいにも程があろうかと。

何故隠蔽したのか、等と動機について疑問を呈する向きの報道も散見されますが、そんなもの、発覚時の責任追求を恐れたから、以外の理由がありえるんでしょうか。個人の犯行ならば特有の事情も有り得るでしょうけれども、規模的にも期間的にも、一般的かつ直接的な理由があったものとしか考えられないわけですが、そのような条件を満たす理由など、保身くらいなものでしょう。

具体的には次のような感じでしょうか。最初に事実を認識した際の取締役連が保身のため隠蔽に走ります。するとその隠蔽行為が加わる事で責任はさらに重いものとなりますから、元々の案件だけでも保身に走った程の連中の事、当然にそれも引っ括めて隠蔽するでしょう。後は雪だるま式に隠蔽が責任を加重し、加重された責任が隠蔽に走らせる。その悪循環により違法行為を積み重ねた結果が現状、ということかと。もはや途中からは公表など考えもしなかったことでしょう。また、取締役会全員がそうなっていれば、メンバーの入れ替わりがあったとしても、大多数に対して独力で逆らおうとする筈もなく、当然に共犯になっていった事でしょう。

これはもう一々考えるのも馬鹿らしい程の典型的な組織腐敗で、みずほはその成り立ちに起因して構造的に問題の多い体質とは言われていましたが、まさかここまでとは、と呆れざるを得ません。元々の案件が報告された時点で公表しておけば、担当役員の更迭と取締役の減給程度で済んだだろうし、ここ数年の暴力団排除の強化といった状況の変化も含めて結果論の面があるにしても、少しでも真剣にその帰結を考慮していれば隠蔽などという選択はありえなかっただろうわけで、その近視眼的な愚かさ加減に寒気もします。銀行業なんて、先の事を考えるのが仕事みたいなもんでしょうに。

それでも、さすがに事が露見すれば経営陣全員の首が飛ぶだろう事位は当人達も承知していたでしょうから、事ここに及んだ以上は、速やかに責任を取り、この見苦しい騒ぎを終わらせて頂きたいものです。銀行を舞台にしたドラマが人気を博した直後だからとか、不謹慎にも興味本位的に騒ぐ向きも多分にあるようですけれども、全く興味もない向きにとっては、本件自体も、その周囲の騒ぎも、ただひたすらに醜く、不快で、遺憾なだけなのですから。

10/09/2013

[IT pol] 微小に留まるネット監視への反発

NSAによるネット監視の件、事はネットワークの自由そのものへの根本的な脅威であるわけで、その割にはいつも激しく反発する向きが大人しいなと怪訝に思っていたのですけれども、全く声が上がっていないわけでもなかったようで。

Here's Who Is Behind Those Creepy Billboards That Say 'Your Data Should Belong To The NSA'

"Your Data Should Belong To The NSA"、"The Internet Should Be Regulated"と、NSAによる監視を皮肉る広告看板を掲げたのは、P2Pソフト開発会社のBitTorrent。その後ただちに"Your Data Should Belong To You" "The Internet Should Be People-Powered"などとストレートな表現に改変された画像も出回り、アピールとしてはそれなりの効果が出ているようです。

まずは、ネット上の自由独立を尊ぶ精神性が消えてはいない事を示すものとして喜びたいと思います。しかし、全体として見ればこのような活動はごく一部、従前の例からすれば驚くほど小さい散発的なものです。その意味ではやはり今ひとつすっきりしません。

抗議活動が極めて小さい、その理由は、そもそもGoogleはじめ大多数のネット企業がNSAと結託し、監視する側に属している点にあるのだろうと思われます。すなわち、従来なら当然に抗議活動に加わっていたであろう人達が、それらの企業群に属するか利害関係にあるために、敵対的な活動となるだろうネット監視への抗議を行えない状況にあるのではないかと。

だからといって、抗議活動が不当に制限されているとは思いません。それどころか、おそらくはその抗議を抑制している人達の多数はエンジニアであり、従って各企業における中核業務すなわち、ネットワークのトラフィックを集め、分析し、利用する、そのネット監視に他ならない活動の中心的な役割を担ってさえいるものと考えられます。であれば、NSAの活動に抗議する事は自己否定になるのですから、それらはむしろ控えて当然の振る舞いと言えるだろうし、NSAの実現した大規模ネット監視システムは実質的に自分たちの夢でもあった、等と積極的に肯定する向きすら有り得るでしょう。

そして、支配的なネット企業が、その規模によって提供するサービス、その利便性を一般の人々は享受しているわけです。誰も強制などしていません。結局のところ、ビッグ・ブラザーになりたい人達と、ビッグ・ブラザーを作りたい人達、ビッグ・ブラザーの与えるサービスを求めた社会、その利害が一致した結果が現状であり、多くの人は抗議をしたいともすべきだとも思っていないという事なのでしょう。それならそれで別段問題があるとは言えません。

ただそれは、あくまで監視側がその立場、集めた情報を悪用せず、その信頼が担保されている事が前提です。しかるにその悪用に伴う利益は一般にあまりに大きいため、その抑制は殆ど不可能と言うべきものですから、極めて不安定なものと考えざるを得ません。そこに問題があります。

悪用の実例はまだそれ程多く発覚しているわけではありませんが、それでも国家・企業・個人のあらゆる関係に深刻な、致命的とすら言ってもよいだろう悪影響が認められ、今後の悪化も懸念されます。放置されて良い筈はありません。世界中を中国のようにしたいというのなら話は別ですが。

この不適切な状況を是正するには、監視される側、特にその中でも公権に属するところから排除規制を加えていくより他ないものと思われます。先日、EU圏でGmailにおけるプライバシー侵害に対する集団訴訟の認可が決定された事は記憶に新しいところですが、そういった活動を積み重ねるという事です。一方的に監視されて来た、従ってそのシステムの下に留まるメリットに乏しい地域・カテゴリの人々には、その事を周知した上で、拒絶の意志を示したならば、司法の手続きに従い順次解放されるべきなのです。逆に、米国や英国、カナダといった、監視する側の人・企業・地域については、自分たちが好きでやっているのだし、社会的に許容されるのであればそのまま監視する・されるに任せるべきなのでしょう。それも自由と言えなくもないだろうし、それで良いのだと思います。個人的には御免蒙りますけれども。

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10/08/2013

[pol] カナダによるブラジル政府機関・企業へのスパイ発覚

Edward Snowdenによる暴露に端を発した米国による諜報活動実態公表の影響、やはりと言うか、ただ単に時間が経つだけでは落ち着く筈もなかったようです。この程、隣国Canadaの情報機関によるBrazil政府機関等の通信盗聴が発覚。当然のようにBrazilは大統領以下が激しく抗議し、しかしCanada側は諜報活動についてはコメントしないとして無視を決め込むという信じ難い対応をした結果、敵国認定一歩手前な緊張に包まれているそうで。

この件が不味かったのは、諜報活動一般のエクスキューズが成立しない点にあるものと思われます。この種の敵対的な活動は、テロ対策等の安全保障目的に限定される事で必要性が担保され、必要悪として容認もされているところです。しかし、本件の主な盗聴対象は鉱山資源・エネルギー省と、安全保障に無関係な経済分野で、さらに関連する民間企業の活動情報までもが含まれていたとの事。従って正当性が全く認められない、慣習的に許容されうる範囲を著しく逸脱した、敵対性の高い活動であるものと解釈されるものなわけです。

これではCanadaは言い訳のしようもありませんし、まず間違いなく他にも多数同様のケースがあって、ここで説明謝罪でもしようものならそちらにも連鎖飛び火して大爆発するだろうから、不味いヤバいとは知りつつ、だんまりを決め込む以外にどうしようもなかったのでしょう。酷いですね。

ところで、元凶の米国も少し前にブラジルに対して同じような事をやってて、これまたカナダのそれと同じようにブラジル大統領の抗議に対して無視を決め込んでるんですよね。対象はBrazilの石油会社Petrobrasだったんだそうですが、抗議を無視されたブラジル側は今月に予定されていた大統領の公式訪問を取りやめ、その後も関係は冷え込んだまま、改善の目処も立っていないとのこと。

そこに本件。これでアメリカにカナダ、北米大陸の大半が政治的にブラジルと敵対関係、とまではいかずとも没交渉になるという、ちょっと信じ難い状況になってしまったわけで。ブラジルでのプレゼンスを高めたい競合国としては絶好機ではありますが、経済的な面での悪影響は当然無視出来るものではないし、現状の膠着状態の解決の見通しすら立たない現状から、これが長引くのは少々どころではなくまずい話のように思われるところです。米国政府・議会の対立より余程大きな影響があるかもしれません。

といっても、自分たちが絶対正義と信じて他人の言うことに耳も貸さない米国とその弟分のする事、周囲がいくら心配したところでどうにもならないのですけれども。まあ、こういう、自分たちが一方的に悪い状況になった事が殆どない人達には、一度とことんまで行って痛い目を見るのもいい薬なのかもしれません。それで、その傲慢さが少しでも減じれば良いのですけれども。無理な話でしょうか。

そもそも、本当に同盟国だとか協力関係にあると言うなら、それらの国に対してスパイによる諜報活動などするべきではないのです。安全保障上の活動が必要なら、その協力関係を強化すれば済む話、そこにスパイ行為を正当化する余地はもとより皆無なのですから。露見しなければ、等という言い訳がもはや現実的ではない事も、皮肉にもNSAの一件で証明されました。現実として、少なくとも公のネットワークにおいては、いかなる行為も秘密には出来ない以上、そこで公に発覚する事が許容出来ない類の行為は、すべきではありません。やり方の問題ではなく、してはいけないのです。それが国家であろうとも。世界中の通信トラフィックの監視システムを実現した当事者として、当然あってしかるべきその認識を欠いた結果が、今の米国・カナダの醜態という事なのでしょう。無残なものです。

Brazil’s Leader Asks Canada to Explain Its Spying

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10/07/2013

[pol] 自民TPP担当が関税全撤廃容認、の意味不明

自民TPP担当の西川公也がこれまで聖域としてきたコメ等の農業生産品5品目の関税撤廃容認を公表し、甘利TPP担当相も賛同した件、さすがにどうかと思うんです。

TPPが自由経済圏の確立を図るものである以上、関税の維持は明らかに矛盾するし、とりわけ農産物は要と言っても良い重要品目、その除外自体無理があり過ぎる事は明らかでした。いわんやもう既に殆ど決まって後数ヶ月で合意、なんてタイミングでのこのこ入って行ってひっくり返せる筈もない事も分かり切っていた話です。そんな状況にあって、西川氏はじめ自民の推進派としては早く妥協を打ち出したくて仕方なかったんだろうとは思いますけれども、党として国民に対し完全な裏切りを働いた形になってしまったわけで。

推進派の唱える経済的な利や意義はそれなりに理解出来なくもありません。しかし、元より本件を巡る利害対立は苛烈なのであって。まずはその目的すなわち国内農業分野の構造的問題の改善等、合理性の周知を図り、しかし壊滅的打撃を被るだろう部分への補償の仕組みもあらかじめ構築し、そうやって相当の時間と手間をかけて環境を作ったならばようやく合意もありうるかなという話だったところにこれでは、逆に全てぶち壊しになるし、不信も格段に強まるでしょうから、今後の説得までもが極めて困難になってしまうのではないかと懸念もされるところです。

大体、交渉参加してからまだ2箇月、少なくとも公の場ではまだ交渉らしい交渉すら殆どしていないこの段階で合意困難とか言われても、納得出来る人が居る筈もありません。いくら出来レースと言っても最低限の建前は必要です。こんな稚拙な進め方では、推進派も付いていけない向きが相当に出るだろうし、言い訳もまともに出来ず、むしろ困るのではないでしょうか。農業関係者には文字通り死活問題なわけで、そこでこんな無茶をしては死人が出ても不思議ではありませんけれども、当人達にその自覚も無さそうで、しかるにその無自覚無思慮加減からすれば今後の成り行きはより一層酷いものになるだろう事を思うと、憂鬱にならざるを得ないのです。

付け加えると、今回の交渉では、米国不在もあって年内の合意自体が事実上不可能な状態だったし、そもそも米国のいない所で何をしても無駄、従ってこの発言自体する理由はなかった筈なんですよね。文字通り百害あって一利なしな感じで、非常に残念です。

TPP:農産物「重要5項目」も検討対象 政府・自民方針
農産5品目で関税撤廃検討 自民TPP対策委員長 

それで政府としては追認ですか。菅官房長官曰く守るべきものは守る、だそうですが、その守るべきものの象徴かつ筆頭が本件の農産5品目だったわけで。もはや自分で何を言ってるのか分かっていないだろう支離滅裂な論理破綻ぶりで、これまた残念です。このまま突き進んじゃうんでしょうか。衆参両院押さえてるから行こうと思えば行けるし推進派の面々はそのつもりなんでしょうけど、事の重大性からして数年後とか先の事を考えるとそんなやり方は幾ら何でも拙劣に過ぎると思われるところですが。後になって、今思えば拙速だった、とか後悔しても取り返しはつかないのですよ。

官房長官、TPP交渉「守るべきもの守ることに変わりない」

10/04/2013

[biz] Adobeがハック、ユーザ情報全漏れ+製品ソース流出

またかよ、な話ですけれども。

290万超の登録ユーザの氏名住所デビッドカード情報等が全漏れ。Adobeのオフィシャルはこの事態をして今日ではよくあること、とか言い訳にもならない適当なコメントを出していますけれども、当事者が言う事ではないと思うんですよね。

ユーザ情報の漏洩も酷いですけど、最も強く懸念されているのは、ColdFusionとかの製品のソースコードも漏れたところ、当然その解析に基づく攻撃が激増するだろう点ですね。エンタープライズユーザは残念ながら死亡確定です。最も影響が大きいだろうReaderはじめpdf関連製品のソース流出はまだ認められていないようですが、どうせ共通する脆弱性も山程あるんでしょうし気休めにもなりません。既に後の祭り、もうどうしようもないわけですけれども、Adobeのセキュリティ担当は切腹すべきだと思います。

しかし只でさえ業績不振を極めていたところにこれ、真面目にadobe終わったかもしれませんね。南無。買収されるとしたらどこが買うんだろう。やっぱりMicrosoft?

いい加減この手の漏洩が多すぎて、社会的にも個人的にも慣れたというか麻痺して来てる感ありありなのがまた気持ち悪いです。Adobeの態度を見ても今ひとつ危機感が感じられません。やはりペナルティが小さすぎるのがいけないんじゃないでしょうか。とはいえ本件被害者は米国中心、潜在的には法人顧客も含まれるわけで、adobeは集団訴訟とかで大変な賠償を強いられる可能性もそれなりにあるわけですから、それに期待したいところです。

Adobe Announces Security Breach

10/03/2013

[biz] Tesla Model Sが衝突事故でバッテリー発火、大炎上

遂に、と言うべきでしょうか。 米Washington州Seattle近郊の高速で、金属物と接触事故を起こしたTeslaのEV、Model Sがその際にバッテリーから発火し大炎上したそうで。

事故自体は乗員が怪我すら負わない程度、車体の損壊もさほど深刻ではなかったとの事ですから、殆どバッテリー部分のみに起因する惨事という事になります。しかも、消防隊による消火活動の際にも、一旦鎮火したと見せて再び燃え上がり、バッテリーを穴だらけにするまで収まらなかったとか。そういったガソリン車のそれとはまた異なる厄介な現象は、無論大容量リチウムイオンバッテリーの特性上想定されたところで、本件事故自体も、やはりというか、遂に来るべきものが来たかと、少なくとも特段の驚きを誘うものでは全くないのですけれども。それでも一度発生すればかようにまで対処困難となる、その様子を現実に見せられては、相当の戦慄は禁じ得ないのです。

この事故によって、これまでメーカーが喧伝してきた発火対策、すなわちバッテリーセルをブロックに分けて隔離する事で発火可能性を低下させるとする構造も、やはり外部からの衝撃には無意味であった事が実証されてしまいました。EVやPHV等、高密度かつ大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する車両一般に潜在的に内在するこのリスクを現実に顕在化させた本件、その影響は小さいものであろう筈はありません。先日の業績好調を受けて狂ったような上昇を続けていたTesla株も急落、とまあそれはどうでもいいとして。

この種の破損等による発火リスクは、バッテリーの基本的な性質そのものに起因する以上、本質的な意味での発火防止は、やはり不可能であると認めなければならないでしょう。従って今後取られるべきは、そのリスクを前提に、利用者らをその危険から保護する対策です。まず最低限、事故の際には速やかに退避・隔離措置を取るべき旨、周知が図られる必要があるでしょう。また、一定の程度の事故があった場合には、内部の破損状態の確認検証が困難である以上、バッテリーの交換が義務付けられるべきです。

以上、メーカー各社、また監督行政各位には、速やかに対応がなされるよう、強く願う次第です。発火の心配はなく安全、としてきた製造側の主張は、単なる都合のいい願望に過ぎなかった事が証明されました。現実と向き合う時が来たという事でしょう。真摯に取り組んで踏み止まるのか、安易に逃げて社会に害をなすのか。前者が選択されるのであれば、まだ未来もあるだろうと思うのですけれども。

Highway Fire of Tesla Model S Included Its Lithium Battery

本件、よくある路上障害物の軽い接触事故で引き起こされた事から、リチウムイオンバッテリー搭載車一般における深刻な欠陥と指摘する向きがあちらこちらで見られます。折からの米行政一部機能停止の影響で監督部門からの対応はありませんが、それを待つまでもなく事業者による早急な措置が求められるところ、Tesla社の今後の対応に注目が集まっていますね。

Car Fire a Test for High-Flying Tesla

そしてリリースされたテスラ公式の見解。CEOのElon Musk自らの発表によるものですが、要するにガソリン車よりマシだから問題ない、というわけですか。EVの利用自体がまだ極端に少なく、統計的にそんな結論を導けるようなデータがある筈もないのにこんな事を言ってしまうとは。不安定な事業環境にあって保身に走りたくなる気持ちは分からないでもありませんけれども、目先の利益に目が眩み、最も優先すべき利用者の生命の安全を軽んじたものに他ならないわけで、その無責任さに失望するとともに、極めて残念に思います。

Tesla CEO Defends Electric Cars After Battery Fire

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[IT law] 不法薬物売買サイトSilkRoad摘発

悪名高き薬物売買サイトSilkRoadがFBIに摘発され、運営者(であるとされている)Ross William Ulbrichtが逮捕され、FBIは歓喜に沸き、決済通貨のBitCoinは暴落し、世界中に十万とも言われる膨大な利用者・業者は大騒ぎです。

Ulbricht容疑者は運営にあたり、摘発を避けるため当然ながらその氏名や居所を全て秘匿していたわけです。オペレーションはVPN経由、Torも介し、決済はBitCoinと、通常容易に足がつく所は初めから回避していたとのこと。しかし時間が経てば必然的にそこかしこに残るその活動の痕跡が積み重なる事は避けがたく、IT大手の大半と結託した盗聴システムを駆使するFBIの前にあえなく特定されてしまったのでした。

直接の手掛かりは、Gmailのアカウントとのこと。 その情報を"Googleから"入手し、そこから辿ってVPNのプロバイダも特定のち接収し、管理人の拠点と判明したSan Franciscoのとあるネカフェ周辺を捜査し、関連が疑われた各種IDの写真等を周辺で照合する事で、めでたく容疑者に到達したという経緯なんだそうです。

こうまとめてみると、技術的には特段目新しい要素も複雑な部分も無く、容疑事実も明確で、正直大した話でも何でもないように思われます。Googleとかプロバイダとかの全トラフィックを自由に監視出来る以上は、むしろその程度のトラッキングになんでそんな何年もかかってるのかと不思議に思うくらい。けれども、IT技術的には稚拙で、これまで同種の犯罪の摘発に失敗し続けてきたFBIにとっては画期的な勝利、という事なんでしょうね。まあお疲れさまです。

ただ、そもそも本件自体、そんな血眼になって無差別で大規模な盗聴もしてまで摘発する意味があった事件なのかというと、疑問に思う面も否定できません。違法薬物の取引と言えば、中米諸国や国内のドラッグマフィアやら、悪質極まりない連中がそれこそ山ほどいるわけです。それを放置して、比較にならないほど秩序もあって健全と言って良いだろう取引サイトを摘発し、単なるGeekに過ぎない管理人を逮捕したところで、違法薬物に関連する犯罪の対策になるものとは考えられませんし、むしろ悪質な取引とそれに伴う犯罪が増える害が残るだけなのではないかとも思われるわけで。

だからと言って、公権力としては、あれほど大っぴらに運営されて、いつまでも放置出来るわけもない事情はわかります。わかるんですが、ただ、鬼の首を取ったように成果を誇るべき類のものではないように思うのです。

実際、摘発後の当該サイトのフォーラムにおける利用者の反応を見る限り、SilkRoadが閉鎖したとしても、その大半が薬物を止めるかと言えばそんな事は到底考えられません。やはり、より悪質な取引の方へ流れるだけなのでしょう。

薬物依存が極めて脱しがたいものである事は動かしがたい事実。それがそこまで広く社会に広がり定着してしまった以上は、残念な事ではありますが、"違法には違いないけれども、よりマシな"部分は許容していく他はないのでしょう。つい先日実施されたばかりのCaliforniaでの薬物合法化も、そういう判断の結果だった筈ですが、要するに、その後への考慮、受け皿が必要なわけです。違法サイトを摘発したら、より悪質な取引が増え、ドラッグマフィアが増長して治安が悪化しました、では本末転倒なのですから。しかるに、そういうアフターケア的な部分の話が一切聞こえてこない点が気がかりなのです。

とはいえもう摘発してしまったものは仕方がありません。問題はこれからの処理ですが、利用者や業者の摘発はどのくらい進めるつもりなんでしょうか。FBI自身もSilkRoadを調達に使っていたとかいう話も流れたりしてる位なんですが、規模的にも内容的にも相当の難がありそうです。さて。

Arrest in U.S. Shuts Down a Black Market for Narcotics

Silk Road: How FBI closed in on suspect Ross Ulbricht

Silk Road Fans On Reddit Go Ballistic After Seizure

そういえば、本件に伴ってFBIが押収したとされる容疑者所有のBitCoin、少なくとも3.2millionだから今のレートで言うと数億ドルの価値がある筈ですが、その扱いはどうなるんでしょう。まさかFBIが換金するわけにもいかないでしょうし、そのまま只のデータとして死蔵され、のちに失効する事になるんでしょうか。だとしたら何とも儚い話です。

10/02/2013

[biz] 国内SNS系旧大手総崩れに

ついに国内のリストラに着手したとの事で、GREEももう終わりですね。違法ガチャの件から垂直落下的に採算が悪化し赤字に転落、その強みであったプラットフォームも直販形態を取るタイトルの興隆に伴って急速に過疎化したとあっては、もはやかつて社長が吹聴した世界制覇の夢など望むべくもなく、国内での生き残りすら怪しいところと言うべきでしょう。程度は違えど、DeNAも似たようなもの。一歩先に衰退の度を強めていたMixiも同じくして赤字に転落した事と合わせて、かつて飛ぶ鳥を落とす勢いを見せた成長株が揃って衰退していく様は、盛者必衰の理をまざまざと感じさせます。

米国でもZynga等の似たような位置づけの各社がまた同様に急激に凋落していますから、日本のプロバイダが特別愚かだったとは言えないんでしょう。しかし、凋落を始める以前から非難の的であった企業の性格すなわち、無知なユーザーの射幸性を煽り搾取する醜悪な収益構造をして恥じるどころか公然と誇りすらする、その反社会的な姿勢については、少なくとも表面的には殆ど特有のもののように思われていましたし、そこに認められる傲慢さ、またその倫理観の欠如ぶりを鑑みれば、畢竟その愚かゆえの当然の末路と言うべきものには違いないように思われます。

今のところ、それらに取って代わった新興の各種サービスにはそのような傾向はさほど強くは認められません。GREEらのようにプラットフォームを押さえて支配的なポジションに座るわけではなく、個々の事業毎の独立性が高い事業者が大半なために、傲慢には陥りにくい面があるとかそういう事なんでしょうか。何にせよこのまま二の轍を踏む愚を犯すことのないよう願いたいところです。もっとも未成年者の違法課金等は減るどころか増えてすらいるそうですし、以前が酷すぎたから現在が比較的マシに見えるだけで、既に十分に踏み外してしまっている部分もそれなりにあるのかもしれませんが。

しかし仮にそうだとしても、その種の不適切な事業者が絶えることはおそらくなく、消費者庁なりが継続的に介入して逐次是正を図っていく他ないのでしょうから、一々深刻に捉えても詮無い話なのかもしれない、とも思いますけれどもね。ともあれ、関係機関各位におかれましては、不適切な業者の積極的な摘発を望みます。かつての惨状の再現を防ぐには、そうして公の方からこまめに芽を摘んでいくしかない筈なのですから。

グリーがついに正社員削減に着手

ミクシィ、通期で赤字転落へ mixiゲーム課金不振で売り上げ大幅減

すかさず希望退職追加。2000人規模の会社ですから約一割の削減ですか。まだまだ不十分な感じですがさてどこまでいくのやら。ところで、勤続年数を考えると元々の退職金はあって無きが如しな額の筈ですけれども、どれぐらい割増するんでしょうね。それとも脅迫とか泣き落としとかで追い銭は節約して追い出すのか。これだけ注目されている中ではあまり無茶も出来ないでしょうけれども、さて。

グリー、希望退職者200人募集 事業規模の適正化で

GREEにはそもそも退職金制度自体がないんだそうで。代わりに特別転職支援金なる名目で年俸の半額程度が支払われるとか。えー。そこは普通一年分とか二年分とかでしょ渋すぎるんじゃないの、こんなので退職に応じてくれるものなのかなあと首を捻りたくなりましたが、ストックオプションがあるから一時金の額についてはあまり気にしないんですかね。

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10/01/2013

[biz] ソフトバンクが利用者を滞納者ブラックリストに誤登録、与信被害まで

まさに最悪ですねソフトバンク。何ら落ち度の無い、料金も正常に支払っていた携帯契約者多数を未納扱いした挙句、滞納者として信用機関の共通データベース、おそらくはCICの登録システムでしょうけれども、そのブラックリストに登録し、その結果、当該顧客の中にはクレジット契約等を不当に拒絶される実害も出たとか。報道によれば、誤登録の被害に遭った利用客はその数実に6万超、うち実際に信用機関から照会を受け、従って与信等で損害を被った可能性がある人は1万6千827、尋常ではない数です。

原因はシステムの不具合だとか言ってるそうですが、言い訳にもなりません。そんな重大な処理、当然に二重三重のチェックがなされて然るべきところ、そのような仕組みが完全に欠落したシステムで運用しているという事なわけで、それは組織体制の構造自体に欠陥があると言うべきものです。杜撰な会社だと知ってはいましたけれども、ここまでだったかと、愕然とさせられました。

報道の中では被害に遭った顧客の、再発防止を望む旨のコメントも伝えられていますが、そんな改善が期待が出来る種類の会社組織であれば、そもそも万が一にもこのような事態は起こさなかっただろうと思われますし、再発を許容出来ないのであれば利用しない以外に方法は無いだろうとも思うわけですけれども。本件自体の酷さに加え、さらに半年以上にも渡って公表すらしていなかった位なのですから、反省や改善のような、多少なりと誠実さを備えている事が必要だろう振る舞いなど期待するだけ無駄というものです。いやもう見下げ果てました。
 
ソフトバンク利用者 “滞納”と誤登録