12/26/2011

[biz] 野村危機の噂が交錯

言わずと知れた国内金融業界のトッププレイヤー野村HDが危険な状況にある、との噂がTwitterを中心に急速に広まって、慌てた野村側がその元になっただろうツイートの発信者を相手取った訴訟の準備中だとか。問題のツイートを見てみると、すぐにもつぶれる、と断定している点は確かに常軌を逸したものと思わざるを得ないわけで、実際に火の手が広まってしまっている以上、野村の反応も無理からぬ話のようには見える感じです。

しかし、少し考えてみれば微妙な話のように見えます。まず、野村が問題視しているであろう風説の流布云々については、程度の差こそあれ証券営業の現場では日常茶飯事、当然ながら野村自身も例外ではないし、公式にもリポート等を通じてポジトーク的な情報は多々流してきているわけで。特に投信やらデリバティブやら、ここ数年で超絶毀損した商品の数々、それらを売る時に、このような状況になる可能性の高さを顧客に現実的に認識させる営業を行ったわけは無いし、そういう被害を被った範囲の広さ、顧客の多さから見ても、広範な向きから、どの口が、と思われて当然だろう筈なんですよね。

そこに、前四半期の決算での赤字転落、殊に大規模法人向け部門での売り上げ半減に近い壊滅と先行きの暗さ、それに対し表面上は強気を保ちながら、実体的にはNRIはじめ主要グループ企業の売却・リストラ計画を進めている矛盾、それらの事実から推測、予測される今後の破綻を含めたリスクの強まりがあるわけで。確かに、資本金の額等からすれば、すぐにも破綻、というのはやはり行き過ぎだろうとは思われるものの、一方で現金の減少ぶりとリスク資産の増え方は尋常ではないし、リスクが急拡大しているのは事実、相当にネガティブな見方をされる点についてはむしろ当然ではあるでしょう。あとなんかむちゃくちゃ怪しい社債も発行しようとしてたりするし。破綻時の無利息・期限前償還特約付の劣後債って、事実上破綻したら紙くずじゃないすか。何でそんなヤバイものを発行するのかと言えば、通常の資金調達に難があるからでしょう。

そういう状況から本件を見れば、要するに、都合のいい事ばかり言ってリスクを顧客に押し付けて利益を上げてきた、そのツケというか、その帰結としての大きく失われた信用、その毀損加減、場合によっては上述の被害を被った人達の潰れちまえ、という怨嗟の念が、実体面における毀損から来る悲観論に合流して拡大加速した結果であって、大枠では必然的な話ではあるのかもしれない、とも思われるのです。本件のツイートは単に一つのきっかけでしかなかったたのだろうな、と。

そもそもね、破綻リスクが本当に無いなら、一般には殆ど知られていない評論家が一人、風説拡声器であるところのTwitterに破綻予測を流したところで、実体には殆ど影響しないか少なくとも短期間で終わる話でしょうよ、と思うんですが。しかるに野村はいかにも必死な対応ぶりで、逆に真実味が増して感じられるし、ますます炎上しそうにも見えて、しばらくは目が離せません。本当に破綻するかどうか、その可能性の程度も含めて。

12/22/2011

[tech] windows7の未対応脆弱性実証コードがtwitterで公開

されたとか。うひょー。カーネルモードデバイスドライバwin32k.sysに脆弱性があるって話で、ということはここから全権限を乗っとる事も可能というわけで、えらいこっちゃです。さしあたり64bit版では確認もされて、Microsoftは勿論、各ユーザ、ITシステム部門担当者が揃って真っ青、といった所でしょうか。

メインはUbuntuで、windows7はノートPC一台だけ、それも32bit版の私としてはあまり関係ないかもしれないわけで、とりあえず他人事な感じですけれども。もっとも、同名のファイルは32bit版にもXPにもあるし、もしそっちも、というのならそれなりに気をつけないといけなくなるわけですけれど、どうなんでしょう。流石に不安を禁じ得ませんので、microsoftの関係者におかれましては早急な解析と対処をお願いしたい次第なのです。まあとっくに着手はしてるんでしょうけどね。

脆弱性自体についてはそんなところで。ただ、実際にブラウザから読むだけで発動するhtmlの実証コードが作成されて、しかもTwitterで公開されたというのにはやはり幾許かの戦慄を禁じ得ません。今回はブルースクリーンになる程度で済むものだからまだ良かったけれど、データ消去とかの悪質なものだったら即大惨事ですよ。文字制限があるから複雑なコードは貼れない、って言っても、コードの本体は外部にして、twitterにはリンクを貼るだけ、とかだったら普通に可能だし相当な人が踏むでしょ?あな恐ろしや。いやシャレにならんわけですが、しかしどうしようもないですかね。うーん。

Windows 7に未解決の脆弱性発覚、Twitterで実証コードが公開に

12/21/2011

[biz] docomoスマホメールの誤配、対応方針の意味不明

何かよくわからない話になってますね。起こった事は大規模なメールの誤配で、その原因はドコモが発表した所によれば処理量増大によって顕在化した顧客情報管理サーバの不具合ということで、それはそうなんだろうと思うんです。ただ、であればその対策は当然当該サーバのソフト面、処理ロジックのバグ修正である筈なところ、ドコモは今後の処理能力増強、要するにサーバの増設により対処すると言っているわけで。いや、結果としてシステムが正常に動けばそれでいいのだから、違和感はあってもその方針自体は許容されるべきものでしょう。しかし、サーバの増設は言ってすぐに出来るものではありませんから、”今後”というのはまさか今日明日の話ではありえない筈です。しかるに、現在停止中の各サービスは明日22日には再開出来る見込みと言っている。

原因はシステムのバグ、対策はシステム増強で直ぐには実施困難、しかし再開は明日。全体としてみれば、やはりわけがわからないものになっているのですね。

そこを無理に読み解けば、要するにさしあたり異常になったデータ部分を修復する応急手当のみを行い、システムの欠陥自体は修正せずに再開しようとしている、といった所でしょうか。そうであれば契約数、通信量共に増える年末を控えて当然ながら再発が相当の確度で予想されるし、それは流石に社会的に許容され難いところだと思うんですけれども、討ち死に覚悟で突撃するつもりなんでしょうかね。本気で?もしそれが現実になると、只でさえiphone相手に劣勢な所に拠り所である所の信用やらが失われるわけで、いやもう相当に失われつつあるわけですけれども、いよいよ取り返しのつかない毀損が出るものと予想されるんですが、いいんでしょうか。

もっとも、そもそもこんな致命的なバグを基幹システムに放置していた時点でやる気の無さは推して知るべし、当然の帰結ではあるし致し方のない事なのかな、とも思わざるを得ないんですよね。極めて残念な事です。只の言い間違いとか、発表した副社長の誤認とかなら、ってそれはそれで別の意味で残念な話になってしまうわけですけれども。うーん。やっぱりよくわからない。困ったものです。

ドコモのスマホメール不具合、10万人影響か
サーバー故障が原因


-----------------追記
メンテ時の光ファイバー誤切断に伴う復旧時の再接続要求の容量オーバーが原因ですか。であればとりあえずは復旧出来そうな感じではありますけれども、ただそうだとしても基本システムにバグがある事には違いないし、10万程度のリクエストで発生してしまうようでは、極めてまずい状況には違いないですね。原因が分からないよりはマシですけど。しかしそもそも光ファイバを誤って切断ってどういうメンテ体制なんだか。本当かなあ。とても眉唾な感じがして仕方ないのであります。

ドコモのspモード障害、伝送路断をきっかけにユーザー管理サーバーが処理能力オーバー

12/19/2011

[biz law] 盗品買取でゲオの複数店舗が摘発

先日逮捕された高校生を締め上げたら余罪が山ほど出てきたんだそうで。具体的には東京神奈川で三カ月の間に約20店舗、計400万とか。一店舗あたり20万?アホですか。というわけでそのうちゲオの3店舗にガサ入れと。

今回の容疑は先日のツタヤの報告義務違反と違って刑法の盗品等有償譲受ですけれども、元の件で店員がもっと持ってきてとか言ってたという証言からしても本罪で挙げられて当然の事案でありました。むしろツタヤの件もこちらで摘発すべきだったろうとも思いますけれども、最初だから慎重に行ったって事なんでしょうかね。しかし今回の件で実績も出来るし、これからは盗品等譲受による摘発の方が基本線になっていくんでしょう、というかそう願いたいところです。そうでないと罰則が緩すぎて減らないでしょうから。犯罪者は死ななきゃ治らない、TSUTAYAもゲオも、一度潰す位まで容赦なく摘発して、幹部も含め塀の中に放り込んで頂きたく願う次第なのです。もちろん全国展開で。

ゲオ3店舗を家宅捜索 盗品ソフト買い取り容疑

[過去記事 [biz law] 盗品買取でTSUTAYAが摘発される]

盗品買い取り:ゲオ店舗でも 「もっと持ってきて」と誘発か

12/18/2011

[biz] 富士通のArrowsで当然のように不具合多発

AUのISW11Fで。いやもう予想はしてましたけどさ。ひどいですね。売り文句のヒューマンセントリックってのも富士通の自己中とか独り善がりとかそういう意味に読めて仕方がなかったんですけれども、まさにその通りになりました。特に、通常使用で温度上昇のあげくに停止するって仕様はわざとでしょ?わざとユーザーを罠に嵌めて嗤ってるんでしょ?だって、クロックダウンとかで調整出来るところを敢えてそうせず発熱するに任せて停止する仕様にしてるんだから。それともあれかな、防水と薄型を優先してたらクロックダウンしても駄目な位廃熱が絶望的になったとかそういう事なのか。

いずれにせよ今回の件については、まさか販売前に説明があった筈もなく、隠れた瑕疵には違いないし、通常使用に致命的な支障をきたすものですから、顧客側に売買契約取り消しすなわち返品返金の請求権が発生している事例であろうかと思われます。しかし、富士通が本製品の販促で謳ったおもてなし等の売り文句に一片でも真実が含まれると主張するなら、顧客からの請求を待つのではなく自発的に対処すべきところでしょう。まあしないんでしょうけど。

あと今回のISW11Fは旧東芝ではなく富士通本体のモバの製品なんですよね。らくらくホンで培った信頼が完全に崩壊した感じで、かつてのNEC同様に数年後には見る影もなくなってそうな勢いです。いやそうなっても別に何の問題もないし、むしろその方がユーザに迷惑がなくて良いんでしょうけど。ハードとソフトをセットで作り込み、かつコストメリットも桁違いなiPhoneに対し、その真似も満足に出来ないまま+αを付加しようとしてるんだから破綻するのも当然の帰結で、最初から確定していた無残な敗北、それが現実になっただけの話です。

[過去記事 [biz] 富士通東芝製スマホT-01D、初日不具合で販売停止 ]

12/14/2011

[note] ノートPCのCPUを換装(P4500->i5 450M)

対象のPCはThinkpad L512、Celeron P4500は廉価CPUとは言えデュアルコアでもあるし致命的な不自由があったわけでもなかったんですけれども、外部モニタに接続してウィンドウを複数開いて色々やってると、もう少し反応がスムーズだといいのにな、とそこはかとなく思うようになっていたところに、同じくArrandale世代のCore i5 450Mが5000円程度で出回っているのを見つけてしまったわけで。それぐらいならいいか、と思い切ってみた次第なのです。

換装作業自体はごく簡単、背面のカバーを外して、さらにCPUクーラーユニットを外すと現れるSocket G1のネジを半回転させてロックを外してCPUを抜き取り入れ替え。再びロックしてからクーラーを取り付けるのですが、外す時にシリコングリスが剥がれてしまうので、CPUのコア部とシンク面にグリスを塗り塗りしてしかるのちに取り付けです。んでカバーも戻して完了。Windowsもすんなり起動、ドライバのインストールも自動で問題なし。あっけないもんです。


そしてベンチ。Experience Index Scoreは、CPUが4.9から6.5にUPした以外は、グラフィックスが0.2下がった代わりにゲーム用グラフィックスが0.2上がる謎の変動があった位で実質変化なし。まあそりゃそうですよね。しかしCPUだけでも効果は体感できる程で、ウィンドウの移動から何から各種処理がとてもスムーズになりました。まさに目的通りで、こう上手く行くととても気持ちが良いのです。いつもこうあって欲しいものですね。

12/12/2011

[biz law] 大王製紙の決算訂正って

日経の記事では「誤り」とされていますけれども、少なくとも倉庫用地を30年分割で売却してその間賃借する形にした件については粉飾でしょ?その正否は賃料の程度にもよるわけですけれども、こうして指導を受ける程という事はおそらく代金と相殺に近い形だったんでしょうし、であれば税金対策というか会計操作、要するに粉飾以外の理由では説明がつかないと思うんですけどね。かように故意が強く推定されるケースで、過失であるところの「誤り」というのはミスリードも甚だしいわけで、全く以て頂けません。

それでも東証は軽微につき監理指定すらしないってんだから酷い話です。100億が軽微ってどこの石油王ですかっての。まあ、すぐ後に桁違いなオリンパスの粉飾修正の処理が待っていて、市場関係者としては無理にでも救済したい筈だし、今回の件はそのためのメディアも利用しての地ならしって所なんでしょうけど。げんなりするほど姑息な話で、市場の信用云々とかが建前に過ぎないって事が嫌というほど実感出来て泣けます。しかし果たしてそう都合良く行きますかね?

大王製紙、会計処理に誤り 前期赤字181億円に修正
監査法人から指摘

12/08/2011

[law] 米銀行からの現金詐取多発、大量逮捕

米TD Bankにて、システムの不備を悪用した総額約百万ドル程度の詐取が発生して、94人が逮捕されたとか。不備の概要は、実名で開設した新規預金口座への小切手すなわち当座預金からの振込金について、振込元の口座に残高がない場合でも、即座に同人の当座預金口座へ移す事が出来る、というもので、これによって、口座が空の当座預金口座があれば新規預金口座経由でその利用枠を詐取する事が可能になった、ということですね。

当然ながら簡単に足がつくからその時点でお粗末、かつ一件あたりの被害も小切手の利用枠限度になるからさほど大きいものではないし、何より銀行でシステムを修正してしまうだろうから再発も考えにくいしで、社会的にはさほど気にする程の話ではなさそうです。一応はシステムをハックした恰好ではあるし、クレジットカードの信用枠換金等と違ってCredit ratingの低い人でも実行出来る点は目新しい、という位でしょうか。殆ど涙ぐましい努力、というか常識的にはそこまで手法を考えて実行する能力があるなら他の事に費やすべきだろうと思うわけで。あと、そもそも本件に利用出来るような当座預金口座が多数ある、と言う時点でねえ。というか金に困った人達が売ったのかとも想像されますけれど、その対価はせいぜい数百ドル程度でしょうに、そんなに追い詰められてるんですかね。

一方の銀行側にしても、100件近く発生するまで逮捕されなかった、というのは鈍すぎる気もしますけれども。似たような詐取は米国にあっては日常茶飯事だし、あまり敏感になっても仕方ないし後から取り返せばいい、とかいう感覚なのかもしれませんね。

あっちもこっちも、何とも色々と微妙な話です。

94 Indicted in Scheme Exploiting a Bank

12/07/2011

[biz] リチウムイオン電池採用EVの地雷性

折しもCOTY受賞に合わせた日産リーフの販売キャンペーンが始まって、雰囲気的にはようやく一般への普及が始まったかのように見えるリチウムイオン電池搭載車ですけれども、違和感というか、はっきり言えば見えている地雷源のようにしか見えないわけで、その要因をちょっと整理、という程ではありませんけども、つらつらと。

まず第一に、先日GMのVoltで問題になった発火・爆発等安全面の問題点ですね。ノートPCや携帯電話ですらしばしば顕在化する本現象が、比較にならない程の大容量かつ過酷な使用環境に晒される自動車で起こらない筈はないわけで、その確率はわかりませんけれども、一定の割合で危険な個体があるだろう事は間違いないんですよね。これは文字通り地雷と言えるでしょう。

第二に、耐用年数とその更新時のコストの問題があります。現状、リチウムイオン電池は、およそ500サイクルから1000サイクル、どんなに良くても2000サイクルの充放電で少なくとも数割以上の容量低下を起こす、従って、毎日一回ないし二回程度充電するとして、平均して2年から3年程度で寿命が来る筈なんですよね。この辺は携帯とかノートPCとかの場合と同じです。只でさえ余裕の無い走行距離がさらに減ってはどうにもなりませんから交換という事になるわけですけれども、その際に必要となる交換用のリチウムイオン電池、これが高い。現行リーフだと容量は24kWhと言われますけれども、それに1kWhあたりおよそ10万から20万と言われる電池の単価を乗算すると、240万~480万になってしまうわけです。しかも昨今はリチウム等の原料が高騰傾向にありますから、値上がりする事はあっても値下がりは期待出来ませんし、ランニングコストが無茶苦茶な事になる事は確実なわけで。今の所、日産は5年は交換不要とのスタンスを取っている様子で、交換の費用は検討中として公表もしていませんが、要するにそういう事実は消費者には到底受け入れられないし、メーカーの方で保証するにも負担に耐えられない事は明白だから、売るためにまとめて隠蔽している、という事なんでしょう。であればそれは明白な消費者への説明義務違反であり詐欺なわけで、地雷に思えるのも当然ですね。

第三に、ってもう蛇足な感じですけれども、充電環境及び充電時間の問題です。駐車場に電源が必要になるし、充電中に風雨に晒すわけにもいきませんから、賃貸や屋根の無い駐車場では事実上保有出来ないわけです。それをクリアして保有したとしても、EVで走行中にバッテリーが消耗して充電が必要になった場合には、急速充電が出来る場所は一部ディーラーの営業所位にしかありませんし、充電には急速充電器でも最低15分から30分、比較的安価な機種だと1時間程度が必要になってしまうんですよね。PHVならこの点に関しては致命的な問題にまではなりませんが、そもそもプラグインが無意味って話になってしまいますし。

もう十分ですかね。改めて見ても、やはり話になっていません。百害あって一利あるかどうか、な、お金持ち専用の高い玩具ってところでしょうか。無理してこんなの売ろうとする感覚がどうにも理解し難いところです。客の事、というか売った後にどうなるかとか全然考えていないんでしょうねえ。現実的に色々と整合しておらず、結局受け入れられずにコケるのは少し考えれば明らかなのに、何故か独り善がりな建前に固執して突撃した結果玉砕、というのは、特にここ10年位の日本メーカーでは残念ながらごくありふれた話ですけれども、いつまで経っても全く成長しない。失敗は成功の母、というのはもう嘘になってしまったんですかね。困ったものです。

[過去記事 [biz] 日産リーフがCOTYって意味不明 ]
[過去記事 [biz] GMが衝突後バッテリ発火のVolt買戻 ]
[過去記事 [biz] PHV車のリッター燃費表示が詐欺的 ]

12/06/2011

[biz law] 乳製品の放射能汚染発覚

よりによって放射性物質による被害が特に懸念される幼児用粉ミルク、それも最大手の明治の首都圏(埼玉)工場製とあって、そのユーザ数は膨大、範囲は広範で、まさに阿鼻叫喚というべき状況になっている、と。

大手の正規品だからと信頼して利用していたであろう人達には、ご愁傷様、と多少なりと同情します。しかし同時に軽蔑の感も禁じ得ません。そもそも公の放射性物質含有量規制値が無意味な程に高く、生乳にしろ、水にしろ、それら原料の段階で危険とされる水準を遥に超えて汚染されたものが公然と流通している以上、その加工品が同様に汚染されているのは当然の帰結であるわけで、従って当然少なくとも幼児に与えてはいけない、その事は、自ら事実たるべき情報を集め、判断する努力を多少でも行っていれば容易に認識出来た筈なのですから。

当然、その他乳製品についても全て汚染され(たものが混入し)ているものと考えるべきであるわけで、であれば、国内東側の乳製品業界全体が壊滅してしまう可能性すら高く思われる本件、改めて無根拠な楽観論によって目先の都合を優先しリスクを無視する事の愚かさ、またその帰結の悲惨さ虚しさを痛感する次第なのです。

「明治ステップ」からセシウム…無償交換へ

----------追記
その後の詳報では、今回の無償交換対象は3月下旬生産分のみとの事で、主な感染経路は乾燥時の大気と推測され、原料のうち生乳は事故前のものにつき因果関係はおそらくない、とか。これは当該ロットの危険性は低い旨広報したい意図に発せられた情報なのでしょうけれども、しかしそれならその後の分はなおさら危険なものと推測されるし、東日本の中では比較的汚染度合の低い埼玉の、しかも隔離された工場内における空気接触だけでそこまで汚染されていたという事実は極めて衝撃的に感じられるわけで、殆ど無意味に思われるところです。本件から今後敷衍されるだろう事実を想像するに憂鬱にならざるを得ませんし、今回のロットに限っても、半年以上前のものなのだし大半は既に消費済で取り返しが付かない筈なんですけれども、どう責任を取るつもりなんでしょう。

[law] 柔道金メダリスト内柴、準強姦容疑で逮捕

九州看護福祉大学女子柔道部コーチ在職時の酔って寝込んだ部員に対する性的暴行でお縄に。当然の結果、むしろ遅すぎた位です。本人は合意があった旨主張しているそうですが、容疑が準強姦の時点で合意が成立する余地があろう筈もないわけで。酔う前に合意していたなら別ですけど、その可能性はまずないでしょうから。その辺の論理的関係、またその罪の重さも、一連の発言、行動から、それが話半分としても推測される容疑者の著しく知性の欠落した頭脳ではおそらく全く理解出来ていないんでしょうし、これから先も理解しないのだろうとは虚しく想像されるところですが、いずれにせよ速やかに塀の中に入って頂きましょう。準強姦に執行猶予は付きませんしね。

内柴正人容疑者を準強姦容疑で警視庁が逮捕

12/03/2011

[biz law] Carrier IQによるスマホ個人情報盗聴

既にAppleもその導入を認め、HTC、Samsungは集団訴訟を提起されている本件、思ったより大変な広がりを見せそうで目が離せません。訴訟における賠償請求額は一件一日の盗聴につき$100、該当する端末は1億4千万台という情報もあって、これが本当なら部分的にでも原告勝訴になった日にはスマホメーカー、というかキャリアも含めて業界が全壊滅しかねない勢いと規模になりつつあるわけで。

具体的にどういう情報が収集可能なのか、それもまだ全容は明らかになっておらず、容疑の調査自体もこれから、という段階ですが、少なくともユーザが導入したアプリ、また通信先について収集する機能は備わっていたらしい、という事で、これでもう十分アウトのように見えます。

今の所Appleはじめ嫌疑をかけられている当事者は皆おしなべて「確かにCarrierIQは入れてあるけれども個人情報を収集する機能は有効にしていない」という趣旨の説明をしているようですが、仮にそうだとするとそもそもCarrier IQを入れた理由が説明出来ないわけで。すなわち、Carrier IQを入れた時点で少なくとも盗聴を行う意図があった事は間違いないし、導入自体に違法性が強い事、また露見した時にかかる嫌疑についても認識がなかった筈はなく、そこまでやっておきながら肝心の情報収集はしていない、というのはいかにも不自然で、当然ながら到底信じられるものではないんですよね。部分的にせよ使用していた事はまず間違いないものと推測されるところです。これをひっくり返すのは、一般論で言えば非常に困難でしょう。

Apple対Samsung、あるいはHTC、といったメーカー間での対立抗争が賑やかだったスマホ業界ですけれども、それどころではなくなってしまったかもしれませんね。しかし事実であれば信じがたい程の浅はかな話で、馬鹿馬鹿しい限りです。そして、この隙に日本メーカーがシェア簒奪、とはまったく思えない、どころか、実は同じ穴の狢でしたってオチを想像してしまったりするわけで、こちらは虚しい限り。いずれにしろ自業自得、コンプライアンスを無視するような輩はそれなりの報いを受けるが良いと思うし、一市民としてはせめてこれに懲りて多少なりと改善に繋がる事を願う位しかしようがないんですけれども。

Carrier IQ, HTC, And Samsung Have Been Sued Over The Smartphone Privacy Scandal
CONFIRMED: The Hidden Smartphone Software Everyone's Freaking Out About Can Track Web Pages You Visit And Apps You Download

[biz] 日産リーフがCOTYって意味不明

今年の日本カーオブザイヤー、日産のEVリーフに決定!って、控えめに言っても、出来の悪いブラックジョークにしか聞こえないんですけど。単なる業界内のやらせ買収上等な人気投票だとは言っても、いくら何でも酷すぎだと思うのですよ。

だってさ、まず一般人には売れてないし、それ以前にインフラやら諸々の売れるための基礎というか環境が皆無で将来的にも普及の兆しすら無いし、何より今年は震災からこっち電力使用量を増やすものはその内容を問わず反社会的なものとみなされる社会状況なわけでさ。一般人としては、リーフっていうか電気自動車が素晴らしいって思える要素が何処にもないんですけど。モータージャーナリストとか評論家だとか、怪しい肩書きばかりの選考委員達のさらに内輪での賞だから、一般の社会状況なんか関係ないって事?それなら発表なんかするなって話ですが、いずれにせよ選考委員には脳疾患等による各種認識・判断能力の欠如の懸念もせざるを得ない程の意味不明な決定、発表であります。病院で精密検査とか受けた方がいいんじゃないの?本当に。

それともあれでしょうか。選定結果から感じられる通り、本当に皮肉って事なんでしょうか。それなら少し面白いんですけど、どっちにしても選考委員は正常な精神状態ではないように思われる点は変わりないわけで。まさかクスリとかやってたりしない?まあ何にせよ障らぬ○○○○に祟りなし、ですかね。

[note] さようならwikipedia

wikipediaの寄付を求める広告、一週間位で終わるかと我慢していたのですけれども、逆にバリエーションが増えたりして一向に終わる気配もないので、どうしたものかと思案を始めるや否やwikipedia自体積極的に利用している機会は殆ど無い事に気づき、そうと判れば、で即blocksiteのブラックリストに入れて一切のアクセスをすっぱり絶ってしまいました。

そして、数日経って本件絡みのニュースを目にしてその事を思い出し、あらためて振り返ってみても、やはり何も問題なかったしむしろ脳の負担が若干減った気がする位なわけで。意識しない所で色々と無駄な習慣とかがあるのだなあと反省を込めて振り返る次第なのであります。情報ソースの棚卸というか整理をもっと日頃からこまめにしておくべきなんでしょうね。って当たり前か。

12/02/2011

[biz] GMが衝突後バッテリ発火のVolt買戻

NHTSAの衝突実験で、事故後にバッテリが高確率で発火炎上する事が確認されたGMの電気自動車ボルトですけれども、オーナーが望む場合にはGMが買い取る旨がアナウンスされたそうです。

リコール修理ではなく買戻というのは非常に珍しい話です。おそらくは修理する術がないって事なんでしょうけれども。事故後の処置についての標準、指針的なものは何もないらしいんですけれども、確認されたケースでは発火は事故直後ではなく数週間後に起こったって話ですから、おそらくはバッテリ内部の、従って外部からの確認が困難な障害という事で、であれば、修理するとすれば、事故を起こした場合にはその程度如何によらずバッテリおよびその周辺を丸ごと交換する、とかせざるを得ないだろうわけで、それは高コスト過ぎて無理、と。本来なら事故を起こしても壊れないバッテリに改善すべき筈な話ですけれども、そっちは技術的に無理なんでしょうね。ていうか自分の所で作ってるわけでもないですから。

一応、Voltは大丈夫、という建前は今のところ崩していないんですけれども、具体的な対策は案も含めて現状皆無で、当局から指導があれば従う、とかいう消極的な態度と併せて見れば、要するにお手上げ、事実上終わったも同然な感じですね。もっとも、そもそも累計で6000台程度しか売れてないって話だし、GMとしては何ということもないんでしょう。担当部門はお通夜状態でしょうし、色々とちぐはぐな様は見苦しいものではありますけれど。死人が出る前で良かった、という見方も出来ないでもない、ってこれは慰めにもなりませんね。

一方で、数少ない競合、実売中のEVの一つであるところの日産リーフ、あともうすぐ出るプリウスのプラグインあたりもどうなのか気になる向きも出てくるでしょうけれども、こちらはどうなんでしょうね。バッテリに一定の衝撃が加わる事による内部的な破損が原因だとすると、他車でも同様の問題が発生する可能性は非常に高い筈なところ、どちらもVolt同様大容量のリチウムイオンバッテリを積んでますから。速やかな同様の実験実施及び結果の公表が望まれるところです。さて。

G.M. Offers to Buy Back Hybrid Volts From Owners