12/26/2011

[biz] 野村危機の噂が交錯

言わずと知れた国内金融業界のトッププレイヤー野村HDが危険な状況にある、との噂がTwitterを中心に急速に広まって、慌てた野村側がその元になっただろうツイートの発信者を相手取った訴訟の準備中だとか。問題のツイートを見てみると、すぐにもつぶれる、と断定している点は確かに常軌を逸したものと思わざるを得ないわけで、実際に火の手が広まってしまっている以上、野村の反応も無理からぬ話のようには見える感じです。

しかし、少し考えてみれば微妙な話のように見えます。まず、野村が問題視しているであろう風説の流布云々については、程度の差こそあれ証券営業の現場では日常茶飯事、当然ながら野村自身も例外ではないし、公式にもリポート等を通じてポジトーク的な情報は多々流してきているわけで。特に投信やらデリバティブやら、ここ数年で超絶毀損した商品の数々、それらを売る時に、このような状況になる可能性の高さを顧客に現実的に認識させる営業を行ったわけは無いし、そういう被害を被った範囲の広さ、顧客の多さから見ても、広範な向きから、どの口が、と思われて当然だろう筈なんですよね。

そこに、前四半期の決算での赤字転落、殊に大規模法人向け部門での売り上げ半減に近い壊滅と先行きの暗さ、それに対し表面上は強気を保ちながら、実体的にはNRIはじめ主要グループ企業の売却・リストラ計画を進めている矛盾、それらの事実から推測、予測される今後の破綻を含めたリスクの強まりがあるわけで。確かに、資本金の額等からすれば、すぐにも破綻、というのはやはり行き過ぎだろうとは思われるものの、一方で現金の減少ぶりとリスク資産の増え方は尋常ではないし、リスクが急拡大しているのは事実、相当にネガティブな見方をされる点についてはむしろ当然ではあるでしょう。あとなんかむちゃくちゃ怪しい社債も発行しようとしてたりするし。破綻時の無利息・期限前償還特約付の劣後債って、事実上破綻したら紙くずじゃないすか。何でそんなヤバイものを発行するのかと言えば、通常の資金調達に難があるからでしょう。

そういう状況から本件を見れば、要するに、都合のいい事ばかり言ってリスクを顧客に押し付けて利益を上げてきた、そのツケというか、その帰結としての大きく失われた信用、その毀損加減、場合によっては上述の被害を被った人達の潰れちまえ、という怨嗟の念が、実体面における毀損から来る悲観論に合流して拡大加速した結果であって、大枠では必然的な話ではあるのかもしれない、とも思われるのです。本件のツイートは単に一つのきっかけでしかなかったたのだろうな、と。

そもそもね、破綻リスクが本当に無いなら、一般には殆ど知られていない評論家が一人、風説拡声器であるところのTwitterに破綻予測を流したところで、実体には殆ど影響しないか少なくとも短期間で終わる話でしょうよ、と思うんですが。しかるに野村はいかにも必死な対応ぶりで、逆に真実味が増して感じられるし、ますます炎上しそうにも見えて、しばらくは目が離せません。本当に破綻するかどうか、その可能性の程度も含めて。

12/22/2011

[tech] windows7の未対応脆弱性実証コードがtwitterで公開

されたとか。うひょー。カーネルモードデバイスドライバwin32k.sysに脆弱性があるって話で、ということはここから全権限を乗っとる事も可能というわけで、えらいこっちゃです。さしあたり64bit版では確認もされて、Microsoftは勿論、各ユーザ、ITシステム部門担当者が揃って真っ青、といった所でしょうか。

メインはUbuntuで、windows7はノートPC一台だけ、それも32bit版の私としてはあまり関係ないかもしれないわけで、とりあえず他人事な感じですけれども。もっとも、同名のファイルは32bit版にもXPにもあるし、もしそっちも、というのならそれなりに気をつけないといけなくなるわけですけれど、どうなんでしょう。流石に不安を禁じ得ませんので、microsoftの関係者におかれましては早急な解析と対処をお願いしたい次第なのです。まあとっくに着手はしてるんでしょうけどね。

脆弱性自体についてはそんなところで。ただ、実際にブラウザから読むだけで発動するhtmlの実証コードが作成されて、しかもTwitterで公開されたというのにはやはり幾許かの戦慄を禁じ得ません。今回はブルースクリーンになる程度で済むものだからまだ良かったけれど、データ消去とかの悪質なものだったら即大惨事ですよ。文字制限があるから複雑なコードは貼れない、って言っても、コードの本体は外部にして、twitterにはリンクを貼るだけ、とかだったら普通に可能だし相当な人が踏むでしょ?あな恐ろしや。いやシャレにならんわけですが、しかしどうしようもないですかね。うーん。

Windows 7に未解決の脆弱性発覚、Twitterで実証コードが公開に

12/21/2011

[biz] docomoスマホメールの誤配、対応方針の意味不明

何かよくわからない話になってますね。起こった事は大規模なメールの誤配で、その原因はドコモが発表した所によれば処理量増大によって顕在化した顧客情報管理サーバの不具合ということで、それはそうなんだろうと思うんです。ただ、であればその対策は当然当該サーバのソフト面、処理ロジックのバグ修正である筈なところ、ドコモは今後の処理能力増強、要するにサーバの増設により対処すると言っているわけで。いや、結果としてシステムが正常に動けばそれでいいのだから、違和感はあってもその方針自体は許容されるべきものでしょう。しかし、サーバの増設は言ってすぐに出来るものではありませんから、”今後”というのはまさか今日明日の話ではありえない筈です。しかるに、現在停止中の各サービスは明日22日には再開出来る見込みと言っている。

原因はシステムのバグ、対策はシステム増強で直ぐには実施困難、しかし再開は明日。全体としてみれば、やはりわけがわからないものになっているのですね。

そこを無理に読み解けば、要するにさしあたり異常になったデータ部分を修復する応急手当のみを行い、システムの欠陥自体は修正せずに再開しようとしている、といった所でしょうか。そうであれば契約数、通信量共に増える年末を控えて当然ながら再発が相当の確度で予想されるし、それは流石に社会的に許容され難いところだと思うんですけれども、討ち死に覚悟で突撃するつもりなんでしょうかね。本気で?もしそれが現実になると、只でさえiphone相手に劣勢な所に拠り所である所の信用やらが失われるわけで、いやもう相当に失われつつあるわけですけれども、いよいよ取り返しのつかない毀損が出るものと予想されるんですが、いいんでしょうか。

もっとも、そもそもこんな致命的なバグを基幹システムに放置していた時点でやる気の無さは推して知るべし、当然の帰結ではあるし致し方のない事なのかな、とも思わざるを得ないんですよね。極めて残念な事です。只の言い間違いとか、発表した副社長の誤認とかなら、ってそれはそれで別の意味で残念な話になってしまうわけですけれども。うーん。やっぱりよくわからない。困ったものです。

ドコモのスマホメール不具合、10万人影響か
サーバー故障が原因


-----------------追記
メンテ時の光ファイバー誤切断に伴う復旧時の再接続要求の容量オーバーが原因ですか。であればとりあえずは復旧出来そうな感じではありますけれども、ただそうだとしても基本システムにバグがある事には違いないし、10万程度のリクエストで発生してしまうようでは、極めてまずい状況には違いないですね。原因が分からないよりはマシですけど。しかしそもそも光ファイバを誤って切断ってどういうメンテ体制なんだか。本当かなあ。とても眉唾な感じがして仕方ないのであります。

ドコモのspモード障害、伝送路断をきっかけにユーザー管理サーバーが処理能力オーバー

12/19/2011

[biz law] 盗品買取でゲオの複数店舗が摘発

先日逮捕された高校生を締め上げたら余罪が山ほど出てきたんだそうで。具体的には東京神奈川で三カ月の間に約20店舗、計400万とか。一店舗あたり20万?アホですか。というわけでそのうちゲオの3店舗にガサ入れと。

今回の容疑は先日のツタヤの報告義務違反と違って刑法の盗品等有償譲受ですけれども、元の件で店員がもっと持ってきてとか言ってたという証言からしても本罪で挙げられて当然の事案でありました。むしろツタヤの件もこちらで摘発すべきだったろうとも思いますけれども、最初だから慎重に行ったって事なんでしょうかね。しかし今回の件で実績も出来るし、これからは盗品等譲受による摘発の方が基本線になっていくんでしょう、というかそう願いたいところです。そうでないと罰則が緩すぎて減らないでしょうから。犯罪者は死ななきゃ治らない、TSUTAYAもゲオも、一度潰す位まで容赦なく摘発して、幹部も含め塀の中に放り込んで頂きたく願う次第なのです。もちろん全国展開で。

ゲオ3店舗を家宅捜索 盗品ソフト買い取り容疑

[過去記事 [biz law] 盗品買取でTSUTAYAが摘発される]

盗品買い取り:ゲオ店舗でも 「もっと持ってきて」と誘発か

12/18/2011

[biz] 富士通のArrowsで当然のように不具合多発

AUのISW11Fで。いやもう予想はしてましたけどさ。ひどいですね。売り文句のヒューマンセントリックってのも富士通の自己中とか独り善がりとかそういう意味に読めて仕方がなかったんですけれども、まさにその通りになりました。特に、通常使用で温度上昇のあげくに停止するって仕様はわざとでしょ?わざとユーザーを罠に嵌めて嗤ってるんでしょ?だって、クロックダウンとかで調整出来るところを敢えてそうせず発熱するに任せて停止する仕様にしてるんだから。それともあれかな、防水と薄型を優先してたらクロックダウンしても駄目な位廃熱が絶望的になったとかそういう事なのか。

いずれにせよ今回の件については、まさか販売前に説明があった筈もなく、隠れた瑕疵には違いないし、通常使用に致命的な支障をきたすものですから、顧客側に売買契約取り消しすなわち返品返金の請求権が発生している事例であろうかと思われます。しかし、富士通が本製品の販促で謳ったおもてなし等の売り文句に一片でも真実が含まれると主張するなら、顧客からの請求を待つのではなく自発的に対処すべきところでしょう。まあしないんでしょうけど。

あと今回のISW11Fは旧東芝ではなく富士通本体のモバの製品なんですよね。らくらくホンで培った信頼が完全に崩壊した感じで、かつてのNEC同様に数年後には見る影もなくなってそうな勢いです。いやそうなっても別に何の問題もないし、むしろその方がユーザに迷惑がなくて良いんでしょうけど。ハードとソフトをセットで作り込み、かつコストメリットも桁違いなiPhoneに対し、その真似も満足に出来ないまま+αを付加しようとしてるんだから破綻するのも当然の帰結で、最初から確定していた無残な敗北、それが現実になっただけの話です。

[過去記事 [biz] 富士通東芝製スマホT-01D、初日不具合で販売停止 ]

12/14/2011

[note] ノートPCのCPUを換装(P4500->i5 450M)

対象のPCはThinkpad L512、Celeron P4500は廉価CPUとは言えデュアルコアでもあるし致命的な不自由があったわけでもなかったんですけれども、外部モニタに接続してウィンドウを複数開いて色々やってると、もう少し反応がスムーズだといいのにな、とそこはかとなく思うようになっていたところに、同じくArrandale世代のCore i5 450Mが5000円程度で出回っているのを見つけてしまったわけで。それぐらいならいいか、と思い切ってみた次第なのです。

換装作業自体はごく簡単、背面のカバーを外して、さらにCPUクーラーユニットを外すと現れるSocket G1のネジを半回転させてロックを外してCPUを抜き取り入れ替え。再びロックしてからクーラーを取り付けるのですが、外す時にシリコングリスが剥がれてしまうので、CPUのコア部とシンク面にグリスを塗り塗りしてしかるのちに取り付けです。んでカバーも戻して完了。Windowsもすんなり起動、ドライバのインストールも自動で問題なし。あっけないもんです。


そしてベンチ。Experience Index Scoreは、CPUが4.9から6.5にUPした以外は、グラフィックスが0.2下がった代わりにゲーム用グラフィックスが0.2上がる謎の変動があった位で実質変化なし。まあそりゃそうですよね。しかしCPUだけでも効果は体感できる程で、ウィンドウの移動から何から各種処理がとてもスムーズになりました。まさに目的通りで、こう上手く行くととても気持ちが良いのです。いつもこうあって欲しいものですね。

12/12/2011

[biz law] 大王製紙の決算訂正って

日経の記事では「誤り」とされていますけれども、少なくとも倉庫用地を30年分割で売却してその間賃借する形にした件については粉飾でしょ?その正否は賃料の程度にもよるわけですけれども、こうして指導を受ける程という事はおそらく代金と相殺に近い形だったんでしょうし、であれば税金対策というか会計操作、要するに粉飾以外の理由では説明がつかないと思うんですけどね。かように故意が強く推定されるケースで、過失であるところの「誤り」というのはミスリードも甚だしいわけで、全く以て頂けません。

それでも東証は軽微につき監理指定すらしないってんだから酷い話です。100億が軽微ってどこの石油王ですかっての。まあ、すぐ後に桁違いなオリンパスの粉飾修正の処理が待っていて、市場関係者としては無理にでも救済したい筈だし、今回の件はそのためのメディアも利用しての地ならしって所なんでしょうけど。げんなりするほど姑息な話で、市場の信用云々とかが建前に過ぎないって事が嫌というほど実感出来て泣けます。しかし果たしてそう都合良く行きますかね?

大王製紙、会計処理に誤り 前期赤字181億円に修正
監査法人から指摘

12/08/2011

[law] 米銀行からの現金詐取多発、大量逮捕

米TD Bankにて、システムの不備を悪用した総額約百万ドル程度の詐取が発生して、94人が逮捕されたとか。不備の概要は、実名で開設した新規預金口座への小切手すなわち当座預金からの振込金について、振込元の口座に残高がない場合でも、即座に同人の当座預金口座へ移す事が出来る、というもので、これによって、口座が空の当座預金口座があれば新規預金口座経由でその利用枠を詐取する事が可能になった、ということですね。

当然ながら簡単に足がつくからその時点でお粗末、かつ一件あたりの被害も小切手の利用枠限度になるからさほど大きいものではないし、何より銀行でシステムを修正してしまうだろうから再発も考えにくいしで、社会的にはさほど気にする程の話ではなさそうです。一応はシステムをハックした恰好ではあるし、クレジットカードの信用枠換金等と違ってCredit ratingの低い人でも実行出来る点は目新しい、という位でしょうか。殆ど涙ぐましい努力、というか常識的にはそこまで手法を考えて実行する能力があるなら他の事に費やすべきだろうと思うわけで。あと、そもそも本件に利用出来るような当座預金口座が多数ある、と言う時点でねえ。というか金に困った人達が売ったのかとも想像されますけれど、その対価はせいぜい数百ドル程度でしょうに、そんなに追い詰められてるんですかね。

一方の銀行側にしても、100件近く発生するまで逮捕されなかった、というのは鈍すぎる気もしますけれども。似たような詐取は米国にあっては日常茶飯事だし、あまり敏感になっても仕方ないし後から取り返せばいい、とかいう感覚なのかもしれませんね。

あっちもこっちも、何とも色々と微妙な話です。

94 Indicted in Scheme Exploiting a Bank

12/07/2011

[biz] リチウムイオン電池採用EVの地雷性

折しもCOTY受賞に合わせた日産リーフの販売キャンペーンが始まって、雰囲気的にはようやく一般への普及が始まったかのように見えるリチウムイオン電池搭載車ですけれども、違和感というか、はっきり言えば見えている地雷源のようにしか見えないわけで、その要因をちょっと整理、という程ではありませんけども、つらつらと。

まず第一に、先日GMのVoltで問題になった発火・爆発等安全面の問題点ですね。ノートPCや携帯電話ですらしばしば顕在化する本現象が、比較にならない程の大容量かつ過酷な使用環境に晒される自動車で起こらない筈はないわけで、その確率はわかりませんけれども、一定の割合で危険な個体があるだろう事は間違いないんですよね。これは文字通り地雷と言えるでしょう。

第二に、耐用年数とその更新時のコストの問題があります。現状、リチウムイオン電池は、およそ500サイクルから1000サイクル、どんなに良くても2000サイクルの充放電で少なくとも数割以上の容量低下を起こす、従って、毎日一回ないし二回程度充電するとして、平均して2年から3年程度で寿命が来る筈なんですよね。この辺は携帯とかノートPCとかの場合と同じです。只でさえ余裕の無い走行距離がさらに減ってはどうにもなりませんから交換という事になるわけですけれども、その際に必要となる交換用のリチウムイオン電池、これが高い。現行リーフだと容量は24kWhと言われますけれども、それに1kWhあたりおよそ10万から20万と言われる電池の単価を乗算すると、240万~480万になってしまうわけです。しかも昨今はリチウム等の原料が高騰傾向にありますから、値上がりする事はあっても値下がりは期待出来ませんし、ランニングコストが無茶苦茶な事になる事は確実なわけで。今の所、日産は5年は交換不要とのスタンスを取っている様子で、交換の費用は検討中として公表もしていませんが、要するにそういう事実は消費者には到底受け入れられないし、メーカーの方で保証するにも負担に耐えられない事は明白だから、売るためにまとめて隠蔽している、という事なんでしょう。であればそれは明白な消費者への説明義務違反であり詐欺なわけで、地雷に思えるのも当然ですね。

第三に、ってもう蛇足な感じですけれども、充電環境及び充電時間の問題です。駐車場に電源が必要になるし、充電中に風雨に晒すわけにもいきませんから、賃貸や屋根の無い駐車場では事実上保有出来ないわけです。それをクリアして保有したとしても、EVで走行中にバッテリーが消耗して充電が必要になった場合には、急速充電が出来る場所は一部ディーラーの営業所位にしかありませんし、充電には急速充電器でも最低15分から30分、比較的安価な機種だと1時間程度が必要になってしまうんですよね。PHVならこの点に関しては致命的な問題にまではなりませんが、そもそもプラグインが無意味って話になってしまいますし。

もう十分ですかね。改めて見ても、やはり話になっていません。百害あって一利あるかどうか、な、お金持ち専用の高い玩具ってところでしょうか。無理してこんなの売ろうとする感覚がどうにも理解し難いところです。客の事、というか売った後にどうなるかとか全然考えていないんでしょうねえ。現実的に色々と整合しておらず、結局受け入れられずにコケるのは少し考えれば明らかなのに、何故か独り善がりな建前に固執して突撃した結果玉砕、というのは、特にここ10年位の日本メーカーでは残念ながらごくありふれた話ですけれども、いつまで経っても全く成長しない。失敗は成功の母、というのはもう嘘になってしまったんですかね。困ったものです。

[過去記事 [biz] 日産リーフがCOTYって意味不明 ]
[過去記事 [biz] GMが衝突後バッテリ発火のVolt買戻 ]
[過去記事 [biz] PHV車のリッター燃費表示が詐欺的 ]

12/06/2011

[biz law] 乳製品の放射能汚染発覚

よりによって放射性物質による被害が特に懸念される幼児用粉ミルク、それも最大手の明治の首都圏(埼玉)工場製とあって、そのユーザ数は膨大、範囲は広範で、まさに阿鼻叫喚というべき状況になっている、と。

大手の正規品だからと信頼して利用していたであろう人達には、ご愁傷様、と多少なりと同情します。しかし同時に軽蔑の感も禁じ得ません。そもそも公の放射性物質含有量規制値が無意味な程に高く、生乳にしろ、水にしろ、それら原料の段階で危険とされる水準を遥に超えて汚染されたものが公然と流通している以上、その加工品が同様に汚染されているのは当然の帰結であるわけで、従って当然少なくとも幼児に与えてはいけない、その事は、自ら事実たるべき情報を集め、判断する努力を多少でも行っていれば容易に認識出来た筈なのですから。

当然、その他乳製品についても全て汚染され(たものが混入し)ているものと考えるべきであるわけで、であれば、国内東側の乳製品業界全体が壊滅してしまう可能性すら高く思われる本件、改めて無根拠な楽観論によって目先の都合を優先しリスクを無視する事の愚かさ、またその帰結の悲惨さ虚しさを痛感する次第なのです。

「明治ステップ」からセシウム…無償交換へ

----------追記
その後の詳報では、今回の無償交換対象は3月下旬生産分のみとの事で、主な感染経路は乾燥時の大気と推測され、原料のうち生乳は事故前のものにつき因果関係はおそらくない、とか。これは当該ロットの危険性は低い旨広報したい意図に発せられた情報なのでしょうけれども、しかしそれならその後の分はなおさら危険なものと推測されるし、東日本の中では比較的汚染度合の低い埼玉の、しかも隔離された工場内における空気接触だけでそこまで汚染されていたという事実は極めて衝撃的に感じられるわけで、殆ど無意味に思われるところです。本件から今後敷衍されるだろう事実を想像するに憂鬱にならざるを得ませんし、今回のロットに限っても、半年以上前のものなのだし大半は既に消費済で取り返しが付かない筈なんですけれども、どう責任を取るつもりなんでしょう。

[law] 柔道金メダリスト内柴、準強姦容疑で逮捕

九州看護福祉大学女子柔道部コーチ在職時の酔って寝込んだ部員に対する性的暴行でお縄に。当然の結果、むしろ遅すぎた位です。本人は合意があった旨主張しているそうですが、容疑が準強姦の時点で合意が成立する余地があろう筈もないわけで。酔う前に合意していたなら別ですけど、その可能性はまずないでしょうから。その辺の論理的関係、またその罪の重さも、一連の発言、行動から、それが話半分としても推測される容疑者の著しく知性の欠落した頭脳ではおそらく全く理解出来ていないんでしょうし、これから先も理解しないのだろうとは虚しく想像されるところですが、いずれにせよ速やかに塀の中に入って頂きましょう。準強姦に執行猶予は付きませんしね。

内柴正人容疑者を準強姦容疑で警視庁が逮捕

12/03/2011

[biz law] Carrier IQによるスマホ個人情報盗聴

既にAppleもその導入を認め、HTC、Samsungは集団訴訟を提起されている本件、思ったより大変な広がりを見せそうで目が離せません。訴訟における賠償請求額は一件一日の盗聴につき$100、該当する端末は1億4千万台という情報もあって、これが本当なら部分的にでも原告勝訴になった日にはスマホメーカー、というかキャリアも含めて業界が全壊滅しかねない勢いと規模になりつつあるわけで。

具体的にどういう情報が収集可能なのか、それもまだ全容は明らかになっておらず、容疑の調査自体もこれから、という段階ですが、少なくともユーザが導入したアプリ、また通信先について収集する機能は備わっていたらしい、という事で、これでもう十分アウトのように見えます。

今の所Appleはじめ嫌疑をかけられている当事者は皆おしなべて「確かにCarrierIQは入れてあるけれども個人情報を収集する機能は有効にしていない」という趣旨の説明をしているようですが、仮にそうだとするとそもそもCarrier IQを入れた理由が説明出来ないわけで。すなわち、Carrier IQを入れた時点で少なくとも盗聴を行う意図があった事は間違いないし、導入自体に違法性が強い事、また露見した時にかかる嫌疑についても認識がなかった筈はなく、そこまでやっておきながら肝心の情報収集はしていない、というのはいかにも不自然で、当然ながら到底信じられるものではないんですよね。部分的にせよ使用していた事はまず間違いないものと推測されるところです。これをひっくり返すのは、一般論で言えば非常に困難でしょう。

Apple対Samsung、あるいはHTC、といったメーカー間での対立抗争が賑やかだったスマホ業界ですけれども、それどころではなくなってしまったかもしれませんね。しかし事実であれば信じがたい程の浅はかな話で、馬鹿馬鹿しい限りです。そして、この隙に日本メーカーがシェア簒奪、とはまったく思えない、どころか、実は同じ穴の狢でしたってオチを想像してしまったりするわけで、こちらは虚しい限り。いずれにしろ自業自得、コンプライアンスを無視するような輩はそれなりの報いを受けるが良いと思うし、一市民としてはせめてこれに懲りて多少なりと改善に繋がる事を願う位しかしようがないんですけれども。

Carrier IQ, HTC, And Samsung Have Been Sued Over The Smartphone Privacy Scandal
CONFIRMED: The Hidden Smartphone Software Everyone's Freaking Out About Can Track Web Pages You Visit And Apps You Download

[biz] 日産リーフがCOTYって意味不明

今年の日本カーオブザイヤー、日産のEVリーフに決定!って、控えめに言っても、出来の悪いブラックジョークにしか聞こえないんですけど。単なる業界内のやらせ買収上等な人気投票だとは言っても、いくら何でも酷すぎだと思うのですよ。

だってさ、まず一般人には売れてないし、それ以前にインフラやら諸々の売れるための基礎というか環境が皆無で将来的にも普及の兆しすら無いし、何より今年は震災からこっち電力使用量を増やすものはその内容を問わず反社会的なものとみなされる社会状況なわけでさ。一般人としては、リーフっていうか電気自動車が素晴らしいって思える要素が何処にもないんですけど。モータージャーナリストとか評論家だとか、怪しい肩書きばかりの選考委員達のさらに内輪での賞だから、一般の社会状況なんか関係ないって事?それなら発表なんかするなって話ですが、いずれにせよ選考委員には脳疾患等による各種認識・判断能力の欠如の懸念もせざるを得ない程の意味不明な決定、発表であります。病院で精密検査とか受けた方がいいんじゃないの?本当に。

それともあれでしょうか。選定結果から感じられる通り、本当に皮肉って事なんでしょうか。それなら少し面白いんですけど、どっちにしても選考委員は正常な精神状態ではないように思われる点は変わりないわけで。まさかクスリとかやってたりしない?まあ何にせよ障らぬ○○○○に祟りなし、ですかね。

[note] さようならwikipedia

wikipediaの寄付を求める広告、一週間位で終わるかと我慢していたのですけれども、逆にバリエーションが増えたりして一向に終わる気配もないので、どうしたものかと思案を始めるや否やwikipedia自体積極的に利用している機会は殆ど無い事に気づき、そうと判れば、で即blocksiteのブラックリストに入れて一切のアクセスをすっぱり絶ってしまいました。

そして、数日経って本件絡みのニュースを目にしてその事を思い出し、あらためて振り返ってみても、やはり何も問題なかったしむしろ脳の負担が若干減った気がする位なわけで。意識しない所で色々と無駄な習慣とかがあるのだなあと反省を込めて振り返る次第なのであります。情報ソースの棚卸というか整理をもっと日頃からこまめにしておくべきなんでしょうね。って当たり前か。

12/02/2011

[biz] GMが衝突後バッテリ発火のVolt買戻

NHTSAの衝突実験で、事故後にバッテリが高確率で発火炎上する事が確認されたGMの電気自動車ボルトですけれども、オーナーが望む場合にはGMが買い取る旨がアナウンスされたそうです。

リコール修理ではなく買戻というのは非常に珍しい話です。おそらくは修理する術がないって事なんでしょうけれども。事故後の処置についての標準、指針的なものは何もないらしいんですけれども、確認されたケースでは発火は事故直後ではなく数週間後に起こったって話ですから、おそらくはバッテリ内部の、従って外部からの確認が困難な障害という事で、であれば、修理するとすれば、事故を起こした場合にはその程度如何によらずバッテリおよびその周辺を丸ごと交換する、とかせざるを得ないだろうわけで、それは高コスト過ぎて無理、と。本来なら事故を起こしても壊れないバッテリに改善すべき筈な話ですけれども、そっちは技術的に無理なんでしょうね。ていうか自分の所で作ってるわけでもないですから。

一応、Voltは大丈夫、という建前は今のところ崩していないんですけれども、具体的な対策は案も含めて現状皆無で、当局から指導があれば従う、とかいう消極的な態度と併せて見れば、要するにお手上げ、事実上終わったも同然な感じですね。もっとも、そもそも累計で6000台程度しか売れてないって話だし、GMとしては何ということもないんでしょう。担当部門はお通夜状態でしょうし、色々とちぐはぐな様は見苦しいものではありますけれど。死人が出る前で良かった、という見方も出来ないでもない、ってこれは慰めにもなりませんね。

一方で、数少ない競合、実売中のEVの一つであるところの日産リーフ、あともうすぐ出るプリウスのプラグインあたりもどうなのか気になる向きも出てくるでしょうけれども、こちらはどうなんでしょうね。バッテリに一定の衝撃が加わる事による内部的な破損が原因だとすると、他車でも同様の問題が発生する可能性は非常に高い筈なところ、どちらもVolt同様大容量のリチウムイオンバッテリを積んでますから。速やかな同様の実験実施及び結果の公表が望まれるところです。さて。

G.M. Offers to Buy Back Hybrid Volts From Owners

11/30/2011

[law] 違法配信損賠訴訟で1億7千万確定

単に被告人が争わなかったために原告の請求が確定した、ってだけですが、個人相手の、それも間接的な逸失利益の損害賠償額としては稀に見る金額で吃驚です。被告はおそらく出頭もしなかったんでしょうし、これを受けて原告が強制執行したとしてもどれだけ回収出来るか怪しいものとは思われますけれども。

それはともかく、確認された配信曲数が1万8千だから、一曲あたりだと約1万ですか。そう聞くと直感的にはさほど異常でもない気もしないでもありませんけれども、本来は曲毎に異なるその価値を算出して総計する必要があるわけで。すなわち例えば、本サイトからの各曲ダウンロード数に、各ユーザが本サイトが無かった場合に正規に購入した確率を乗算した期待値を求め、その全曲について総和を取る、とかしなければいけない筈なんですよね。その算出は極めて困難、というか事実上不可能だからって、往々にして全部放り投げてエイヤってぶっちゃけ適当かつ本末転倒的に罰金的意味合いの小額が適用される可能性が高かったわけですけれども、裁判所として実際にどのような判断基準を用いるのか気になる所ではありましたから、その機会が失われたという意味では残念です。そういうある種の興味本位で見るのも不謹慎な話なんでしょうけれどね。民事ですし。

着うた違法配信、男性に1億7千万円賠償命令 東京地裁

11/27/2011

[law] 掌紋誤登録で取り逃がした殺人容疑者が再び殺人

先日の誤登録とは一応別件ですが、修正の過程で検証してみたら出てきたって話なんでしょうし、メーカーの瑕疵には違いないでしょうから、無関係とは到底言えませんね。よりによって殺人事件、しかもこのために取り逃がした容疑者がその後別の殺人で起訴されていたと。いずれも未だ容疑者の段階ではありますが、その容疑は相当に確定的な様子ですから、照合が出来ていれば防げた可能性は非常に高く、従って、誤登録を起こしたメーカー及び担当者の過失によって死亡被害者が出てしまったと言うべきもので、考え得る限り最悪のケースが現実になっていた事が明らかになってしまいました。被害者、遺族、捜査関係者の無念いかばかりか。

しかし誤登録されたデータの数、関連する事件数、また期間からすれば、本件同様の事例の存在は相当に予期されたし、まだ同様の事例が多数ある可能性も非常に高いのです。そして当然の事ですが時は戻りません。ただひたすら、無念です。

掌紋誤登録で殺人容疑者見落とし
掌紋誤登録で浮上せず 警視庁12年前の殺害事件容疑者

[過去記事 [biz] NECの過失により警察庁掌紋DB登録失敗4年10万件 ]

11/25/2011

[biz] 中国の投資用ゴーストタウンの価格が崩壊

ようやっと、ですかね。中国の異常な不動産バブル、その象徴として少し前に話題になっていた、中国はモンゴル自治区オルドスのゴーストタウンについて、ここ数ヶ月で不動産の価格がほぼ1/3と完全に崩壊したとのことで。

当地は中国としてもとんでもない田舎、ほぼ無人の土地に新築の豪邸的な家だけが立ち並ぶ様はまさに異様というべきものだったわけで、しかも崩壊前には北京の1/2位の単価になっていたというのだから、改めて見ても無茶苦茶な話でした。崩壊して当然、というかむしろ一時的にせよバブルが成立した事自体が信じ難いところです。外から見る分には、壮絶なババ抜きというか、丸ごと出来の悪い詐欺にしか見えませんでしたけれども、当事者はどういう思惑、認識で手を出していたのか、その社会的心理も実に不可解で、逆に興味が湧きますね。

本件は、普通なら上海その他の地域を含めた、長らく予期されてきたところの中国の不動産バブル崩壊の端緒と捉えるべき面が多分にあって然るべきものですけれども、そのあまりの異常さから、本件と他地域の連動性にも懐疑的にならざるを得ない程です。もっとも、地域やカテゴリによる程度の差こそあれ、規制強化に伴って不動産価格は下落傾向にあるらしいし、端緒というよりは既に緩やかな崩壊の過程にあって、本件についてはその特殊性のために急激だっただけ、という見方も出来そうですけれども。どうなんでしょうねえ。

Home Prices Crash 62.5% Since September In Chinese 'Ghost Town' Ordos

11/24/2011

[biz] 米国で缶詰から発癌性物質

キャンベル社やデルモンテ社等のメジャーなメーカーの缶詰複数から発癌性物質のBPAが検出されたという事で、これら缶詰が大量消費される感謝祭が目前という事もあってちょっとした騒ぎになっているそうで。報道された品名の抜粋は以下の通りですが、まさにthanksgiving dinner的な缶詰で、実際の健康被害リスクはその汚染の程度如何によるとはいえ当事者の範囲は非常に広く、その影響は相当なものであろうと想像されます。もっとも、いつも食べてて大丈夫だったし今更、と気にしない人も相当いるでしょうけれども。どれくらいの割合なんでしょうかね?

・Campbell's Cream of Mushroom Soup
・Campbell's Turkey Gravy
・Carnation Evaporated Milk (Nestle)
・Del Monte Fresh Cut Sweet Corn, Cream Style
・Green Giant Cut Green Beans (General Mills)
・Libby's Pumpkin (Nestle)
・Ocean Spray Jellied Cranberry Sauce

グレービーソースとか、カボチャの缶詰なんかは日本では殆ど見かけませんが、キャンベルのマッシュルーム入りクリームスープなんかは同等品が出回っている筈ですし、必ずしも人事では済まない話でなんとも。同じ製品でも当該物質が検出される場合とされない場合がまちまちだという事なので、なおさらタチの悪い話で。速やかな実態・原因究明と防止措置が望まれるところですね。

Canned Food Might Come With A Side Of Cancer This Thanksgiving

[biz] Nokia Siemensが17,000人リストラ

実に全社員の23%をカットする大胆なリストラ。もっとも、前年に買収したMotorolaの通信部門との重複部分の解消という意味合いが強いものでしょうから、同率で事業規模を縮小するというわけではないんでしょうけれども。それにしても激しい規模です。

ノキアもシーメンスも、本体の方でも大規模な人員削減を相次いで行っている所ですし、それと歩調を合わせたものと見るのが自然そうで、その意味でもさほど驚くべきものではないのかもしれません。原因は本体のリストラと同じく中国台湾等の競合他社の攻勢を受けての業績低迷ですけれども、こちらもやっぱりね、という位の話ではあります。

ネガティブな話ではありますが、少なくとも動きが迅速な点は評価出来る点ではあるでしょうし、ただ座して衰退に甘んじるばかりの日本国内のメーカーの鈍さとは対照的です。もっとも、長期的に見てどちらが良いのかは断じがたい面もあるのですけれども。

Nokia Siemens to Lay Off 17,000 Worldwide

[過去記事 [biz] Nokiaが大赤字、中国での売上4割減 ]

[biz law] スズキの株式売渡請求仲裁申立

これも珍しい話ですね。VWとの提携を解消すべく株式の売渡を求めるSUZUKI経営陣に対し、シカトを決め込むVWの構図が続いていた本件、そもそもVWが大株主である以上決定権は形式的にも実質的にもVW側にあって、かつ取得条項もない、従ってSUZUKIの要求には根拠というか法的な実効性がなかったわけで、どうすんだろうと周囲からは概ね冷やかに見られていたわけですけれども。ICCのInternational Court Of Arbitration(国際仲裁裁判所)への申し立てを行ったと。

しかし、これも謎です。というのも、仲裁の申立はSUZUKI単体で可能ではあるものの、仲裁が有効に成立する、というかそれ以前に手続きが進められる為には、遅くとも仲裁判断の前には被申立者すなわちVWの仲裁合意が必要になる筈なんですけれども、現状客観的に見る限り、明確な権利保有者たるVWがあえて権利をただ失う可能性が生ずるだけの仲裁に合意する必要はどこにもないわけで。普通に行けば、途中で審理打切りになりそうなものですが、何時の間にか内々で仲裁に付託する旨合意を取り付けたんでしょうか。でなければ完全に意味不明なわけですけれども。うーん。

確かに、仮に仲裁に付託されたとして、SUZUKIの主張には色々と無理な感も強いですし、売渡すべきとの判断が出る可能性は極めて低いものと言わざるを得ない現状、早期の決着を求めてVWも合意した可能性も無いではないんでしょうけれど。それでも負ける可能性はゼロではないし、やっぱりVWが応じた可能性は低いものと思われるところです。だとすると、SUZUKIが血迷って騒いでいるだけの迷惑な話、ということになるわけですけれども、さて。

Suzuki starts arbitration procedure against Volkswagen

[過去記事 [biz] VWのスズキに対する姿勢が意味不明 ]

------追記

VWのコメントが出てました。このコメントを読む限りでは、仲裁には合意した様に見えますね。万が一にも問題ないと考えているのか、それとも仮に売却すべきとなっても構わないと思っているのか。素直に読めば前者ですけれども。
VW、改めてスズキ株売却拒否 仲裁手続きに自信

[biz law] 盗品買取でTSUTAYAが摘発される

古物営業法15条3項の不正品申告義務違反とは、また珍しい容疑で。刑法の盗品等譲受でも良さそうなものですけれども、単に証拠面でそこまでの明確性がないという見立てなのか、ブックオフはじめ盗品の換金先として長らく事実上放置されてきた中古品買取業者への取り締まりを厳格に行う旨の意思表示、という事なんでしょうか。

最大手のTSUTAYAが対象になっているあたり、後者っぽい感じがしますけれど、ペナルティ面では高々数週間の営業停止、それも個別店舗のみの処分にとどまる、という事で、いささか甘すぎて抑止効果が期待出来るのか疑問も感じさせます。グループ全体を営業停止にする、位しないと効果がないんじゃないかと思うわけで。最初という事で躊躇したのか、警告的な意味合いが強いのか、そもそも単にフランチャイズだからグループには直接の責任はないって事なのか、その意図等は判然としないし、どうにも微妙感が漂いますね。

いずれにしても、結局のところ、本件に懲りて多くの古物業者が買取の際のトレースを一品ずつ厳格に行うようになる、なんて変化は期待出来よう筈もありませんし、しばらくはいたちごっこが続くのかもしれませんね。まあそれでも、摘発に着手した点は相対的にせよ歓迎すべきところではあるでしょう。警察が三日坊主にならず、地道に摘発を継続する事が前提ですけれども。その点、一々公安に行政処分を依頼しなきゃいけないところとか、いかにも迂遠で面倒そうに見えますし、少々不安も感じられるところですが。

未成年の盗品、疑いつつ通報せず TSUTAYA処分へ
TSUTAYA、盗品疑いの買い取り品届け出ず
都が行政処分へ


-----------追記

そして当然のようにGEOでも。ていうかこっちは悪意が明確で、刑法で挙げられるべきところのより悪質なもののようですけれども。
盗品買い取り:ゲオ店舗でも 「もっと持ってきて」と誘発か

11/23/2011

[note] 談志が死んだ

75歳ですか。その壮絶な有り様を思えば、むしろよくここまで生きた、というべきですかね。さようなら、安らかに。

落語家の立川談志さん死去 75歳

11/21/2011

[law] 米イリノイ州の水道システムがハッキングで破壊

されたとか。Springfield市のシステムだそうですけれども、オンライン制御システムSCADAがハッキングされ、浄水場の弁が不正に操作を繰り返された結果、過剰負荷で壊れた、と。容疑者は不明ですが、ロシアが怪しいとの説が記事では紹介されていますね。サイバー攻撃というと情報システムが機能不全に追い込まれるとか、情報が盗まれるだとか、大多数の被害はその種のソフト面に限定される中、珍しく直接的に物理的な影響のある攻撃という事で、レトロなというかSF的というか、サイバー攻撃が空想の世界にあった頃の絵に描いたようなサイバー攻撃で、少々の感慨も抱いてしまった次第です。いやまあ被害を受けた当事者はそれどころではないんでしょうけれども。

しかし、この種の物理システムは、一般のネットワークに接続するメリットはあまりなく、逆にこういう不正アクセスのリスクは大きいのだから、物理的に遮断されているのが普通だと思っていたんですが、最近は変わりつつあるんですかね?主にコスト面で共用したくなる事情は当然あるだろうし、自然と言えば自然な気もしますし。

だとすると、さすがに国防やら致命的な部分で安全保障に直結するようなシステムは隔離されてるんでしょうけれど、この種の安全性を金銭と引き換えにする話というのは、担当部門・企業等担当者の近視眼的で安易かつ安直な楽観論に支えられて急速に広まる傾向が強いものだし、グレーゾーン的な部分は既に同種の脆弱なシステムになってしまっている可能性も否定しがたいものと予想されるところですが、さて。危機意識の強い米国でもこれなら、日本はいわずもがなですよねえきっと。まあ、一度二度痛い目を見ないと仕方ないんでしょうけど。うーん。

Water pump reportedly destroyed by SCADA hackers

11/18/2011

[biz] 富士通東芝製スマホT-01D、初日不具合で販売停止

富士通東芝・・・。今流れてる情報によれば、本日発売初日、販売されたと見られる数千台のうち数割でネットや通話が出来ない致命的な不具合が発生しているとか。au向けのIS04あたりの遅延&フリーズ頻発で悪名高かった同社製のスマホですが、その名にふさわしいやらかしっぷりで、いっそ清清しい程であります。

原因はハードかソフトか、その両方か。いずれにしても通信部の何処かの不具合っぽい感じですけれども、信じられません。ていうか、品証は何をやってたんでしょうか。開発部隊と共に全員クビですよこんなの。そもそも常識があるのなら、これまでの失態を受けて再発防止を期していて然るべき筈のところが真逆なわけで。

最近、どこぞの新聞記事で、スマホの開発リソースは従来の携帯とは別に必要で負担が大きいだとか、ドコモの戦略ミスでiPhoneに致命的な遅れを取っただとか、敗北宣言同然の苦しげな同社幹部の言い訳コメントが載ってましたけど、半ば諦めムードの中、削っちゃいけないところを削っちゃったりしたんでしょうか。だとしたら不具合が出てユーザに被害が及ぶだろう事も認識出来た筈だし、なおさら同情の余地はないわけですけれども。

ドコモ、「REGZA Phone T-01D」の販売中止

11/17/2011

[biz] USPSの来季予測損失1兆円超

とか。先日の年金債務等支払い期限延期措置によって延命中の米国郵政公社ですが、前期決算と共に公表された来季の予測について、損失は抑制どころか桁がまた一つ増える見込みだそうで。

当然リストラ圧力は相当なもので、米国の至る所で集配体制の見直しの検討が進められているらしいのですけれども、見直しと言ってもほぼリストラと同義なわけで、人員削減と拠点の統廃合が中心、ということで、直接の対象となる雇用云々はもちろん、USPSのサービスに依存している地域の企業にも色々と影響が及びつつあるようです。当然の事ではありますけれども。

確かに、いくらネットへの移行が進んでいると言っても、モノの流通自体は必要不可欠には違いないし、スケールメリットの減少に伴うコスト比率の上昇と需要とを如何に均衡させるかが問題なわけです。そのコスト上昇の緩和にはリストラが有効である事は間違いありません。

ただ、全国への集配機能を維持する必要はあるわけで、その点、米国は日本等に比べると国土が広大で、人口密度が低いために、固定費にあたるところの集配網の設置および配送に必要となるコストが高めである事がネックになって、拠点、人員共に、削減可能な範囲には自ずから限界がある筈なわけで。それらの厳しい制約とコスト削減の間で、実際問題どうバランスを取るのか、そもそも解は存在するのか。無責任な外野の意見としては一旦潰して再構築する方が現実的な気もしますが、米国としてはそれも容認し難い話でしょうし、さてどうなることやら。

After $5.1 Billion Loss, Postal Service Predicts Weaker 2012

[note] WD製HDD故障再び

そしてRMA。今度はWD20EARSです。以前謎のエラー頻発でサブのサブに格下げの上、ひっそりと運用していたブツですが、とある事情で少し使用頻度を増やしたところ、今度はアクセス速度が数kb/s~数Mb/sに低下するいわゆる低速病+セクタエラーのコンボを発症、CHKDSKもローレベルフォーマットも途中でフリーズする始末で。今回は確定診断であります。カッコン即死ではないだけまだましか。

低速病に遭遇したのは初めてです。噂には聞いていましたけれども、本当にあるんですね。原因はよくわかりませんが、HDDコピーを試した際の速度変化や止まり方を見るに、HDDの中でも前の方のセクタが壊れかけてる様子で、このためにセクタチェーンを辿れなくなって遅くなるのかな、とか、あとCrystalDiskInfoで見ると代替不能セクターも結構な数になっている様子で、完全にフリーズする原因はこれかな、とか想像したりはするんですけれども。

元々お払い箱同然だったし、今更壊れたところでどうという事はないんですけれども、確認やらで色々と時間が無駄になったりもするのはやはり嫌なものだし、システムのストレージにはまだ余裕はありますけど、もし他にも故障が出たりしたらこのHDD高騰の折に予備の追加も必要になるし。確かこのWD20EARSを購入した時は7000円位だったと思うんですけど、それより高いですもんね。RMAの代替品が届くまで持ってほしいところです。

RMAについては、前回同様WDのサイトから確認、登録の上、梱包して小形包装物扱いのSAL便でSingaporeの窓口へ郵便局から送付。トラッキングは当然なし。前回は2.5inch、今回は3.5inchという事で重量が増えた分送料が増えて800円。先方にRMA用の在庫がちゃんとあるか不安ですが、元々一ヶ月位はかかるのだし、気長に待つとしましょう。

[過去記事 [note] WD製HDDが故障したのでRMA ]

------------------追記
発送から三週間過ぎてようやくReceivedに。ロストしたのかと不安になってしまいましたが、これで一安心。

------------------追記2
数日後、Shippedに。前回のCarrierはFedexでしたが、今度はDHL。

------------------追記3
Fedexに引き継がれて、前回同様MalaysiaのSenaiからChinaはGuangzhouを経て日本へ。さらにFedexの国内拠点で日通航空に引き継がれて、とかれこれ丸一週間、結構かかりましたが無事到着。お疲れさまでした。代替品もまあ問題はなかったんですが、ただ、ドライブのラベルが白地に黒文字だけで、お馴染みの緑色もCavier Greenの表記もなかったのは、Cavier Greenの評判があまりに悪いからやめたのか、単に洪水絡みでラベルの調達に支障が出たのか、それともコスト削減という事なのか、はたまたリサイクル品という事なのか。少し気になるけれども、まあラベルがどうだろうと使えれば文句はないし、今度は壊れないでいて欲しいものです。というわけでこれでおしまい。

11/11/2011

[biz] 富士通クラウド障害、一般顧客の被害はどう

なんでしょうね。200を超す自治体で被害が確認されたという報道ばかり流れていますが、データセンター自体が過負荷で動作不良に陥ったのですから、自治体以外の顧客にも当然同様の障害があった筈なのですけれども。

もっとも、富士通のクラウドはまだ売り込みを始めたばかりの状況で、採用比率はさほど高くはなかったし、個別に見ると、一般の顧客が本件のようなものも含めたセキュリティ面等のリスクに対する懸念から導入に慎重であった中、公共セクターの顧客はそのあたりを軽視し、先行して飛びついた恰好ではありましたから、要するに、現在の富士通のクラウドユーザが自治体中心だった、というだけの事である可能性は高そうです。

であれば、クラウドのしくみ、その集中管理方式に内在するところのほとんど致命的に思われる欠陥すなわち、データセンターにおける障害、漏洩等によって、全顧客に被害が及ぶ、という大半が懸念する欠陥、リスクが、クラウドによるITシステムの置き換えが実際に普及を始めてからほぼ即座と言っていいだろう程早々に顕在化した事例という事になるわけで、ああやっぱり、と冷めた目で見る向きが大半であろうかと思われるところです。報道内容にも、今更感というか多分に白々しさが漂うわけで。止まったり漏洩したりして困る所は外に預けちゃ駄目って散々言われてんでしょうに。いやまあ本件の自治体窓口なんかは本音では一日くらい止まってもいいって考えてたりするのかもしれませんけど。

本件を受けた今後については、一般顧客はじめ、只でさえ慎重だったところは一層及び腰になるでしょうし、公共セクターにも再考を促される所は少なくないでしょう。対策には大幅なコスト増が必要というような話も流れていて、その程度の対策すらしていない現状に戦慄するとともに、クラウドの主要セールスポイントであったところの安さにも疑問符が付きつつありますし、うまい話などなかった的な流れになっているように見えて、結局のところまたこれもIT業界ぐるみの詐欺という事になっていくのかな、とアホらしく思う次第なのです。

富士通のサーバーに攻撃 クラウドの安全対策急務

11/08/2011

[biz law] オリンパス不祥事の理由は粉飾穴埋め

だった、とかいう報道が出てますね。事実であれば、誰しもが予想した通りの違法行為でした、という事になります。過去の粉飾の辻褄合わせというのは、予想された理由の中では違法性の程度の面で比較的マシな部類のようにも思われますけれども、この手の粉飾は一度やりだすと粉飾が粉飾を呼んで雪だるま的に増えるもの、しかるに90年代からとか長期に渡る旨も報道されていますし、これから明らかになるであろうその総額如何によっては、文字通り会社が潰れ兼ねないわけで。当該資金が粉飾だけに使われたとも限らず、これからの裏取りで他にも色々と出てきそうですしね。

言うまでもなく前会長はじめ歴代経営陣は全員塀の中直行コースであります。何処からどう見ても阿呆ですねえ。

オリンパス、過去の損失計上先送り 90年代ごろから
買収資金を含み損解消に利用


続報によると、本件を受けて副社長を解職、監査役も辞任意向とか。今更尻尾切り&逃亡のつもりでしょうか。笑わせます。

オリンパスが森副社長を解職 損失隠しに関与、山田監査役も辞任の意向

[過去記事 [biz law] オリンパス不祥事の理由は何でしょう]

11/05/2011

[biz] PHV車のリッター燃費表示が詐欺的

プラグインハイブリッドプリウスの新型で燃費が61km/lとかいう見出しの記事が出ていたのが目に留まり、眉唾で読んでみると、予想通り、満充電からの走行距離を積載ガソリン容量で割った数値を燃費として表示していたのでありまして。これはかなりまずいことです。この表示方法だと、バッテリーはそのままで、ガソリンタンクの容量だけを小さくすればあら不思議、リッター1000kmも夢じゃない、って笑い話では済みません。以前GMがvoltで似たようなやり方で100km/lとかいう表示を出していたのに比べるとまだ自重した形ではありますけど、完全に消費者に誤解を与える不当広告、虚偽表示にあたるわけで、違法なものである事は明白です。

言うまでもない事ですが、本来燃費というのはガソリンタンクの容量と走行距離の比ではなく、走行時に消費されるエネルギーと走行距離の比であって、ガソリン以外のエネルギーを使用、または併用するのであれば当然その分も消費に含めなければなりません。この場合、プラグ充電される電気エネルギーはそれにあたりますから、ガソリン消費量あたりの走行距離で表示する形式を取るなら、プラグ充電される分の電気エネルギーをガソリン消費量に換算して合算する必要があります。

しかるに、今回の改良はバッテリーの素材を水素イオンからリチウムに変更したという事で、概ね充電容量が増え、その追加されたエネルギー分走行距離が伸びたに過ぎない、ぶっちゃけガソリンタンク大きくしました、ってのと大して変わらない話なのですから、重量比の改善で若干改善される可能性を考慮しても、燃費倍増、などという事はありえず、完全にアウトです。換算等に際して公的な基準がないのかも知れませんが、だからと言って本件のような誤った表示が許される筈も無いわけで。

しかし、なんでこういう稚拙でセコい事をするのか理解しがたい所ですね。無補給での総走行可能距離が伸びたのは事実で、それは人によっては十分にメリットになる筈なのだから、素直にそう表示すればいいだけの話だと思うんですけど。あと従来それなりに燃費表示には一定の規範を遵守してきた態度と比較して、本件は逸脱ぶりが明らさま過ぎるようにも見えて、違和感も禁じ得ません。理由はさっぱりわかりませんが、こういう詐欺的な誇大広告は往々にして厳しい事業環境に追い込まれた企業でよく見られるものだし、トヨタも外から見える以上にヤバい状況なのかもしれませんね。案外、報道機関が先走っただけかもしれませんけど。ともかく、本件については早急に修正されるべきだと思う次第です。

プリウスPHV、燃費は現行の2倍61キロ 1月発売

11/04/2011

[IT] Google readerの新UIが重い

数日前にリニューアルされたGoogle Reader、Google+への半ば強制的な移行を促すべくShare機能が消されたりして非難轟々な感じですが、個人的にはそれよりも、割と良く使うFirefoxで前に比べてUI全般の挙動が非常に重くなった事が気に入りません。ていうか、アイテム表示の時は勿論、マウスカーソルを動かすだけでも挙動に遅れが感じられるようになってしまったわけで、常用するに苦痛を感じるレベルの悪化、率直に言って許容しかねます。Chromeなら殆ど気にならないんですけど、Chromeに一本化ってわけにもいかないし。

というわけで、Firefox向けにはRSSリーダーを久しぶりに変更しました。Newsfoxとか、機能的には微妙に感じるところもありますが、レスポンスは良い感じです。この際だから幾つか使って見ることにしますかね。しかしGoogleにも困ったもんです。元に戻してくれればそれが一番望ましいんですけど、その可能性は殆ど無いでしょうし。依存は禁物、代替案は常日頃から用意しておくべき、という事ですかね。

[pol] 消費増税、独りよがりの首相

G20参加中の野田首相が来年の通常国会で消費税増税法案を提出、成立後に解散する意向を表明したんだとか。まず周囲はそれどころではなく、誰も聞いていない筈の所で全く関係の無い内輪の話をしてしまう姿を見るに付け、先代、先々代の悪夢が頭をよぎるわけですけれども。少なくとも、国際的に総ハブられな状況が変わっていない事は間違いなさそうです。

そういうコミュ障的で色々とプアーな状況については今に始まったことではないし、EUの件に下手に関わると大怪我をしかねないのでまあいいんですけど。翻って一国民として関係すべきところの話の中身については、そもそも消費増税法案を成立させられる見込みが現状あるのかというと全く無いわけで、また今回もゴリ押ししようとして玉砕するパターンに見えて泣けます。

前言を守らない、筋は通さない、そもそも自身の独りよがりな結論ありきで目的と手段が入れ替わって論理破綻を来たす、それでも主張に内在する欠陥は無視する、それはもはや民主党の一員である時点で当然の態度なんでしょうけれども、他ならぬその態度によって国民、また参院で多数を占め法案成立に同意が必須になる野党との対立を生んでいるんであって。その結果として通るものも通らず、妥協案すら見出せなくなっている事すら理解していない、理解できない無能がまたしても首相の重責を形式的に担って自滅する姿を見るのも、既にうんざりを通り越して絶望の念を抱かざるを得ないのであります。

これが参院でも多数を占めているのなら、如何に独善と非難を受けようとも、それによって運営出来るだけの権限があるという事なのだから理解も出来ようものですけれども、そうじゃないんですから。その権力は前回の参院選で敗北した時点で既に失われたのであって、独善は単なる無為愚行に成り下がり、何を成すにも個別にコンセンサスを取って信任を得なければならない、それが現実なわけで。なのにまたこう独り善がりな進め方を取るんだからたまりませんね。

首相、消費税10%を国際公約 解散は法案成立後

[tech] 独e-volo社の一人乗り電動多翼ヘリ

うおー、これは凄い。ていうか怖い。一つ一つの羽は小さいから比較的壊れにくい面もあるんだろうけれど、ちょっと調子が崩れたりするだけで制御不能の大惨事になりそうで。フレームも細くて、いやちゃんと計算はしてるんでしょうけれども、それでも余裕が全く無いように見えますし。パイロットはヘルメット一つだけとか完全に気休めですね。羽が欠けて飛んだりしたらそれだけで死ねます。

乗る人にも周囲にも極めて危険な事は間違いなく、怖さの方がどうしても先に来ますけど、しかし夢がある代物ではあります。水平方向の面積がもう少しコンパクトになればなおいい感じだと思うんですけど、安定性、可制御性等の面で無理でしょうかね。ともあれ、くれぐれも死人が出ないように気を付けつつ、うまく開発を進めて行って頂きたいものです。

11/02/2011

[biz] 2011年度Q2決算インプレ

概観したところでは、営業益は極小ながら黒転しつつも評価損・為替差損等で経常益は赤、という感じの所が多数見えますね。概ねQ1の惨状からひとまず若干回復した、とは言えそうです。もっとも先行き真っ暗なのは相変わらずで、小売に近いところから急速に波及する売上げ減の影響は凄まじく、パナ、TDKをはじめ、何処も彼処もリストラ・経費削減に邁進せざるを得ない、まあそれは当然としても、その先について、新事業とか、成長のせの字も聞こえない状況を鑑みると、進行速度の差こそあれ、殆どのセクターで下期以降も悪化傾向に変わりはなさそうです、とまあそんなところですね。まだまだ地獄はこれからですよー。

[過去記事 [biz] 2011年度Q1決算インプレ ]

10/31/2011

[biz] 東芝が防衛省に納期超過、未納のまま請求訴訟

戦闘機を偵察機に改修する120億円程の事業で、担当分の偵察機能部分、特に赤外線カメラ部分を期限までに開発出来ず、期限を超過しても納品出来なかったために、防衛庁から契約を解除されて、違約金も請求されたとか。これに対し、東芝は開発遅延が防衛庁の仕様変更によるものとして解除不当の確認及び費用等の請求を求める訴訟を起こしたそうで。

一般によくある類の紛争ですね。まず本契約は請負契約でしょうから、納品後でなければ報酬等の請求は出来ないところ、事実として期限後も納品していないのだから、防衛省には報酬支払い義務はないし、履行の催告は当然しているだろうから解除権も発生している筈で、さらに普通は期限厳守の旨も契約に入れますから、防衛庁のした契約解除及び損害賠償請求は、原則として共に法的に有効な筈です。

その一方で、東芝の主張するところの、その請負契約自体に注文者の指示による変更があった、との主張が真実であれば、ひっくり返ってしまうのもその通りです。とはいえ、あくまで例外的な事情によるものですから、その事実が司法的に立証されなければなりません。ですので、東芝がその旨を主張するなら、訴訟による他はないんですよね。

かように、双方にそれなりの言い分がある格好ではあります。ただ、この種の技術開発案件についての一般論から推測するに、それは本当に仕様変更と呼ぶべきものだったのか、怪しい気がするのがどうにも。というのも、今時偵察機で赤外線カメラを備えるなんて当たり前の話、米軍はじめ前例が山程あるわけで、枯れたとまでは行かずとも、機能、性能にはモデル的なものが当初からあった筈だし、開発期間の短さや予算額からも、世界初とかいうような、独自の新技術を開発する事が想定されていたとは到底考えられないのですよね。既存機の改修でこの機能を付加、性能は何々と同等で、とか位の話だった筈で。

後で防衛省が血迷って、世界最高のものでなければ意味が無い、やり直せ、とか言い出した可能性も無いではないんでしょうけれども、それよりも、赤外線カメラを用いた認識技術とかについては何かとその機能・性能や精度について詐欺的な話が横行する現状を鑑みるに、東芝の営業が、契約欲しさに、自動認識とかの機能やら精度やらについて、あれもこれも十分出来ます、的に無責任なレトリックを弄した結果、契約当初から納品物の認識に齟齬を生じさせた帰結である可能性の方が高いのでは、との疑念を抱かざるを得ないわけです。

いずれにせよ、現時点では推測に過ぎないんですけれども。詳しい事実関係も早晩明らかになるでしょうし、とりあえずは続報を待つとしましょう。現時点で明らかな事は、機能のレベル云々以前に、防衛省、また国内の防衛産業は、少なくない資金と時間を確保しておきながら、偵察機を作る事が出来なかった、という残念な事実だけです。そうである以上は、両者とも役立たずとの謗りを免れるものではないでしょう。挙句に責任の擦り合いとか、醜態を晒すのも大概にして頂きたいものです。

東芝、93億円支払い求め国提訴 戦闘機改修契約解除で

10/27/2011

[biz] NECの過失により警察庁掌紋DB登録失敗4年10万件

おおおう。主に犯罪捜査に使用される掌紋照合システムで、4年前のシステム更新の際にNECが間違って指紋認証の登録用プログラムを入れてしまったために以降4年間、10万件にも及ぶ容疑者等の掌紋データが誤って登録されていたと。修正前と修正後を比較すると、実に7割のデータで実際の現場で主に使われる所の第一位の照合結果が異なるって言うんだから大惨事です。

データ中に正解のペアが無い場合も相当数ある筈ですし、生体認証は元来技術的に照合失敗も相当発生しますから、本件による被害の程度は、本来の性能との比較による相対的な劣化度合が問題になるところです。その程度を示す詳しいデータは公表されていないのですけれども、一般論として指紋等の場合の失敗率と、指紋よりも格段に高いであろう掌紋採取時の欠損率から推測するに、ただでさえ希少な特徴を登録時に取りこぼした影響が小さいわけは無く、おそらくは正規のエンジンでも元々酷い照合率に対し、さらに照合率で数割減というところでしょう。しかもそれが人為的な構築ミスによる、と言うのでは全く以て話になりません。いや、修正したら逆に照合に失敗する可能性もゼロではないんでしょうけれども、照合の基礎となるデータ登録部の話だし、そういうケースがあったとしても誤差の範囲を出るものでは無いでしょう。

並行して運用されているだろう指紋の方で救われる場合も結構ある筈、といっても、近年は入国時の指紋偽造等も頻繁に行われているし、件数は膨大、失敗率も相当なものな筈ですから、このために容疑者を見落としたケースがある可能性は非常に高いものと思われるところです。放置した期間も4年という長期に渡る事を考慮すると、単に摘発等に支障が出たのみならず、このために時効にかかったケースの発生すら少なからず懸念されますね。そうなるともはや完全に取り返しがつかないわけで。

本件を引き起こしたベンダのNECには、当然ながら非常に重い責任があるわけです。少なくともこれからシステムの修正、またその後の可能な分にはデータを再登録する分のコストについては当然NECの負担になるだろうし、それだけでも結構な損害になるでしょう。さらに、年間39億にもなる本システムのリース料の当該期間4年分についても、契約の不履行に伴う賠償分が相当な割合になりそうですし、加えて拡大損害にあたるところの本件による捜査コストの増大分、また個々のケースでの被害者を中心とした関係者に発生した損害についても賠償義務が当然ある筈ですから、その確認の手間分のコストも含め、最低でも数十億、下手すると桁がもう一つ上に行く位の賠償金が発生する可能性があるものと思われますね。

さらに、事業の今後、将来性等の面について見れば、指紋をはじめとしたNECの警察庁に対する生体認証システムのビジネスは、長らくほとんど専売的なポジションにあったところなのですけれども、これをきっかけに契約の見直し等が行われる可能性もそれなりに出てきてしまう筈なわけで。一般にこの種のシステムで年間40億というのはそうある話ではなく、NECの当該事業自体が壊滅しかねない話になる筈ですが、どうなるんでしょう。仮にそうなれば、競合他社には千載一遇の好機になるだろうわけですけれども。

いずれにせよ、往々にしてベンダの説明する通りに使えない、およそ詐欺的な性格の強い生体認証ビジネス、その業界を象徴するようにも思える本件、起こってしまった事は仕方ないとして、一市民としては、少なくとも年間40億とか税金から支払うにはあまりに無茶な価格・費用については是正して頂きたく思うのであります。その中身からしたら、数千万程度がせいぜいだと思うんですよ。元々。

--------------------追記
誤登録で検挙漏れ、取り逃した殺人容疑者がその後別の殺人容疑で起訴されていたケースがあきらかになったそうです。予想はしていましたけれども、現実として突きつけられると、慄然とせざるを得ませんね。ただ無念です。
[[law] 掌紋誤登録で取り逃がした殺人容疑者が再び殺人]

10/21/2011

[biz] タイ洪水による生産停止、その行方

被害の範囲が国土の1/3に及び、HDDやカメラ等の生産拠点が停止に追い込まれ、復旧の目処も立たない惨状に至っている本件ですが、起ってしまった事は仕方が無いとして、これから各社はどうするのか、どうなるのか、文字通り世界中の注目が集まっているところ、そこは私も当然気になるわけでありまして。いや本当にどうするんでしょう。

グローバルに生産拠点が独立分散しているような大企業であれば、他の拠点への移管でしのぐ事が可能で、損失は少なくないものの致命傷にまでは至らないだろうと思われますが、ニコンやWDのように主力製品の生産の大半を集中させている場合にはそれは出来ないし、さりとて新規に他の地に生産移管と言っても、それにどれだけ時間と資金が要るんだって話で。

結局の所、水が引くのをただ待ち、その後に速やかに復旧出来るよう準備を整えておく以上の事は実質出来ない、というのが現状なのではないでしょうか。だとすると、後1~2ヶ月位はまともに生産出来ないものと予想されますし、損害の下限もその程度と見積もられるわけですが、当然ながらその額は莫大で、そのまま逝ってしまう所もそれなりに出るだろうのも必至です。タイ周辺は水資源の豊富さから水を大量に使う工場が集積されていたわけですけれども、今回はそれが完全に仇となってしまったわけで、まったくもって諸行無常であります。

しかも、1~2ヶ月で済めばまだいいんですけど、一度決壊した堤防類を修復するのには通常でも相当な時間がかかるところ、今回のは規模が規模ですからねぇ。うーん。既に下記の様な動きも報じられてはいますけど、どうしようもないでしょう。生産設備類の作成にも相当な時間がかかるのもあるし。生産設備側のメーカーには特需なんでしょうけどね。

ニコン、タイ洪水でグループの生産体制見直しへ

その後伝え聞くところによると、水が引くまでだけでも1~2ヶ月だとか。生産再開には設備の入れ替え等でさらに数ヶ月以上の時間が必要でしょうから、下手しなくても半年近く止まりそうな感じですね。来年以降の再発の可能性も考慮すると、縮小移転を選択する所も相当に出てきそうです。でも何処に?インドはまだ色々環境が整ってないし、中国は資本規制とか厳しい上に人件費も高騰中で、タイの代わりにはしづらい筈なんですけども。

[note] ubuntu 11.10 を試験導入

してみました。コードネームOneiric Ocelot、夢見がちなオセロットさんです。まずはテストという事で、対象はCore i3のデスクトップサーバとAtomのLooxU/C40の2台、それぞれに11.04からのアップグレード適用にトライしたのです。

結果から言うと、デスクトップは問題なくアップグレード完了した一方、LooxUは再起動出来ず失敗。さらにCDからクリーンインストールしても起動せず。GMA500ドライバが公式サポートされたって話で期待してたんですけど、残念でした。というわけでLooxUについては保留です。

アップグレードに成功したサーバの方も、内部的には快調なのですけれども、UI面で引き続きデフォルトのUnityが相変わらず非常に使いづらく、しかしクラシックモードが今回からサポートされなくなってたりで。クラシックモードを追加導入する事は可能なんですけど、トップバーの挙動がどうも以前と異なっているらしくてこれまた使い辛い、という事で、この際UnityもGnomeツールバーもまとめて全部取り払い、代わりにAWNとLaunchyを入れて使う事にしました。手順は以下の通り。

[Unity等除去及びAWN+Launchyインストール手順]

1.AWN等インストール

$ sudo apt-get install gnome-session-fallback
$ sudo apt-get install avant-window-navigator

launchyを取得。今回はver2.5の64bit版を以下から。
http://www.launchy.net/download.php#linux
$ sudo dpkg -i launchy_2.5-1_amd64.deb

完了後、一旦抜けて、クラシックで再ログイン

2. AWN起動、compiz起動、launchy起動設定

下記で設定ツールを起動し、[Awnを自動的にスタートさせる]にチェック
$ awn-settings

あと、表示場所や大きさなどもついでに設定。

ついで、下記コマンドで起動する自動起動設定ツールから、compiz --replaceコマンドとlaunchyコマンドをそれぞれ追加

$ gnome-session-properties

3. gnome-panel削除

/usr/share/gnome-session/sessions/gnome-classic.session及び/usr/share/gnome-session/sessions/gnome-fallback.sessionを編集して、それぞれRequiredComponentsの項目からgnome-panelを除いて下記の状態にする

RequiredComponents=gnome-settings-daemon;

以上の設定後、再ログインでOK。これで余計なパネル類が消えてすっきりします。

ただ、Nautilusにバグがあるらしく、Nautilusを起動すると、除去した筈の上部パネルにNautilusのメニューが表示されっぱなしの状態になります。見た目以外に害はないので放置してますけど、いかにも不格好なので、できるだけ早く治ってほしいと願う次第です。というわけで今回はこれでおしまい。

[過去記事 [note] LooxU/C40のUbuntu11.04設定 ]
[過去記事 [note] Ubuntu 11.04がとても微妙]
[過去記事 [note] LooxU/C40もUbuntu化]

[biz law] オリンパス不祥事の理由は何でしょう

か。半年という超短期での社長解任に端を発する今回の不祥事、話が出てきてから既に結構時間が経ってるわけですけれども、解任の正当性云々以前になんでこうなったのかという理由、それを裏付けるところの事実関係が今もって不明なんですよね。色々と建前上の整合性を考えると、裏も何もない、で終わらせたい事情はあるんでしょうけれども、olympusの企業評価、価値にも相当な損害が発生して、まださらに進行しそうな状況、通常なら速やかな情報公開をもって防止に努めるべきところであるにも関わらず、あえて黙秘して放置し続ける経営陣の姿勢は、流石に不可解と言わざるを得ないように見えるわけです。どういうことなんでしょう。

そろそろ当局の捜査、それも海外から着手されつつあるとの話もあって、待っていればそのうちある程度は明らかになるのかもしれませんけれども。それでもあえて今ある情報、殊に利益提供先の一方がケイマン諸島所在の無名のコンサル会社AXAM Investmentであり、しかも本取引終了直後に登録抹消済みという話、これが事実だとしてそれから想像するに、要するに裏金作り、資金洗浄が一義的な理由であった可能性が最も高そうに思われるわけです。であれば、この時点で違法という事で、黙秘せざるを得ないのは当然と理解出来ます。

ただ、それで作った資金の用途は何か、というともうさっぱりわからない、というか情報が出ていないわけで。典型的には、この不景気のご時勢ですし、大王製紙会長の事例と同様、経営陣等の私的な投資失敗分の穴埋めだとか、ステークホルダーへの損失補填等を目的とする利益提供だとか、過去の粉飾の辻褄合わせだとか、あと単に賄賂だとか、まあその種の、昔ながらの違法な用途だろうとは想像されるわけですけれども。

当局としてもその辺の疑念は当然持っているだろうし、であれば手口も悪質、かつ額が額だから無視もできないしで、現経営陣が知らぬ存ぜぬを続ける以上は、早晩大規模なガサ入れがあるんでしょうけれど。そうだとして、範囲、規模から見て本件は年単位の長期に渡って続く可能性があるわけで。その間は資金調達もままならなくなるでしょうし、元々弱小と言っていいだろうオリンパスの企業体力的に、会社自体が保たなくなる可能性も高いと思うんですが、どうするんでしょうか。自業自得だし、別に潰れても問題ない規模ではあるんですけど、それでも迷惑な話ではありますから、潰れるにせよ、鼠一匹で終わるにせよ、速やかに方をつけて頂きたいものです。

---------------------追記

やはりクロだったという事で。さようならオリンパス。
[biz law] オリンパス不祥事の理由は粉飾穴埋め

10/16/2011

[pol] 金融業への抗議デモ、世界同時多発中

NY、Chicago、LA、London、Frankfurt、Rome、Sydney、Tronto、Hongkong、そしてTokyo。今のところ大半は規模もさほどなく、かつ平和的なもので、暴動というべき激しいものはRome等の極一部に留まっているようですが、範囲、規模は急速に拡大中で、もしこのまま継続拡大すれば、当然に過激化が予想されますから、各国の当局者は緊張を高めているところでしょうね。

しかし、どれも"bail people"とか、その目的、要求する内容として、金融業者とそれを支援し続けてきた政策並びに政府当局を非難しその改善を掲げている点は共通するのですけれども、それは一体具体的に何を求めるものなのか、何がどうなればその要求は満たされるのか、全く以ってはっきりせず、その点で意味不明に見えるわけで。その行く末と併せて、どう捉えるべきなのか色々ともどかしく感じさせるものであります。

古来から景気低迷時に必然的に発生してきたところの単に経済的困窮から政治的な救済を求める活動、その変化版のようにも見えなくもないし、それ以上の意味があるわけではないのかもしれませんけど。それならまあ経済対策をそれなりに打ち出せば解決する話なんでしょうけど、一応建前としては経済システムの修正変革を求める形ではあるし、色々と思惑がすれ違ってややこしくなりそうな気もします。

意味合い云々は措くとして、さしあたっての影響としては、デクシアの倒産、各種国債、またBNPバリバ等の格下げ、とほぼこれまでの金融危機対応と相似的なシナリオに沿った形で進められつつある欧州金融システムの破綻処理において、その到達点として当然に想定された筈の大規模な公的資金注入等公的な救済、それらに対して釘をさされた的な面で、リーマン時以上のハードランディング的な処理への方向づけが強まったところにありそうです。

この規模の不良債権に対し、清算してしまう形での処理の仕方は、歴史的にも世界恐慌を除いてほぼ未知の領域ではあって、色々と不安も多かろうし、これから当局と脅迫飛び交うせめぎ合いが展開されるであろう筈ですけれども、自由経済の原則から言えばむしろそちらの方が当然ではあるし、今の段階で一部とはいえ暴動まで発生する状況とあっては、説得は少なくとも相当な困難を伴うと思う筈、国によっては不可能である場合も多かろうと考えざるを得なくなったわけですし。

そう考えると、デモの位置づけも随分と進化したものだと、ある種の感慨も禁じえないところなのであります。やはり民主主義はこういう直接的なものの方が正当感が感じられますしね。NYのデモでAnonymousが主導的な役割を果たしていたり、LondonのデモにJulian Assangeの姿が見えたりするあたり、色々と怪しい感もありますけど、暴力等の違法行為に訴えない限りは別段問題も無いし、とりあえずしばらく注目です。

Buoyed by Wall St. Protests, Rallies Sweep the Globe

[pol] 安住財務相が消費税増5%を勝手に国際公約

財務省の言う通りにしゃべってるだけなんでしょうし、外堀を埋めてるつもりなのかもしれませんけど、客観的にはまた実質根回しなしのほぼ独断だし、国内至るところで反発が強まって、結局空手形に終わるパターンだと誰しも知ってる筈なんですが、いいかげん学習して欲しいものです。与党内のコンセンサスすら取らないってんではねぇ。

もっとも、安住氏個人は、ガソリンをプールに貯めよう、とか言っちゃう、政治家として以前に人として持ち合わせるべきものが色々と欠落した、通常近寄りたくない類のアレな人なわけで、そうと知られてる国内では殆ど相手にされないだろうから逆に問題ないのかもしれませんけど。しかし、鳩山首相以来の、国内で無能認定されて相手にされない結果、それを知らないだろうと勝手に思い込んでいるところの海外に対して詐欺を働く要人が続く傾向は、早急に解消すべきだと思うのですよ。切に。海外がそのあたりを承知していなければ詐欺だし、承知していればバレバレの阿呆丸出しだしで、どっちにしても恥ずかし過ぎるのです。

安住財務相、消費税5%上げを国際公約 G20会議
基礎的財政収支を20年度に黒字化

10/14/2011

[biz] エルピーダが死亡

2011年度Q2速報で、死亡寸前な感じだったQ1決算から売上がさらに落ちて-57%、営業赤字も対売上げ比で30%超とか。震災の影響は大分抜けた筈なんですけれども、それでこれというのは、やはり事業自体が成立していないものと考えざるを得ないわけで、もう駄目って事ですね。残念ですが、さようならです。今後はというと、引き受け先は国内にはありそうもないし、このところ進めていた生産移管先の台湾メーカーあたりにそのまま吸収とかですかね。

人も企業も国も、訃報が続くこの頃。さて次は何処/誰が逝ってしまうのでしょうか。

エルピーダ営業赤字450億円を発表 7~9月
DRAMが低迷


[過去記事 [biz] エルピーダが地味に死亡寸前]

[note] Dennis Ritchie逝去

C言語を使い続けて数十年、その記述に際しての所謂K&Rスタイルも含め、今ではもう当たり前過ぎて気にも留めなくなってしまいましたけれども、大変お世話になりました。その功績を感謝と共に偲びつつ、その眠りが安らかならんことを願う次第です。

C言語の開発者、デニス・リッチー氏が死去

9/24/2011

[biz] 米GROUPONが売上を6割減に修正

うーん。これまで売上に店の取り分を含める誤りがあって、それを除く修正をしたところ、2010年の販売額が$713mから$313m、およそ4割になってしまったんだとか。記事の表現では今一つ具体的なところがはっきりしませんが、推測するに、ここで言う売上というのは小売的なクーポン販売収入という事なんでしょうね。一時預かり金も一応形式的には売上げには違いないのだけれど、実質的にGROUPONの収入ではなく原価に当たるのだから当然区別しなければならないところ、ここではあえてGROUPONの売上に合算していたと。そうすることで、消費者に対する訴求度合、販売効果の程度等を実際より高く見せかけていたものと考えるのが自然に思われます。であれば、その効果は広範囲に及びますけれども、少なくともその不正な数字を販売店との契約交渉やら資金調達の際に利用していた事は間違いないし、その部分では紛う事なき粉飾詐欺になるわけで。表現の誤りだった、とか言ってるみたいですけれども、もう少しまともな言い訳はなかったものでしょうか。

確かに修正された売上額を見ると、一時の持て囃されっぷりには全く不釣合いで、Amazonやらに比べると、率直に言って取るに足らない、注目には値しないものと言わざるを得ないショボさなわけで、盛りたくなるだろうなとは思わないでもないんですけれども、違法は違法、存分に報いを受けて頂かなくてはなりません。特にIPO目前で皮算用も色々していたであろう面々には色々と厳しい影響があるであろう事は間違いないところですけれども、只でさえ詐欺的かつ杜撰な営業を繰り返し、社会にとっての害悪たる様相を強めているグルーポンですから、この際当局及びカモられた方々には徹底的に追い込んで頂いて、上場計画中止、あわよくばそのまま退場まで転落して頂きたく願う次第であります。ついでに日本の方もよろしく。もっとも、こっちは勝手に潰れそうな感じですけどね。

しかし責任者であるところのCEO、Margo Georgiadisは古巣のグーグルにさっさと逃げ戻ったりしてて。全く無意味だし、逆に悪事を自白してるようなものだと思うんですけど、その辺の馬鹿馬鹿しい卑怯っぷりが味わい深いですね。それを受け入れるグーグルも大概だと思うのです。

Groupon filing halves sales as executive goes

Accounting Change Cuts Groupon’s Revenue

-------注記
第一報にあたるFTの記事では、今回売上から除外されたのは、"fees paid by merchants"とされていて、販売手数料と解釈すべき表現だったのですけれども、どうもこれは誤りのようですね。NYTでは"cash that was later paid out to Groupon’s merchant partners"と、一時預かり金にあたる表現になっていて、こちらの方が正しいものと思われます。というわけで本記事の記述を修正しました。

9/23/2011

[biz] 韓国貯蓄銀行の総裁が飛び降り自殺

営業停止処分中の韓国貯蓄銀行の一つであるJeli 2の総裁Jeong Gu-Haengが本社ビル6階にある自分のオフィスから飛び降りて死亡、状況から見て自殺と思われるとの事だそうで。推測される原因はその営業停止処分に関するロビー活動における賄賂、Jeongにも聴取等行われていて、銀行に当局のガサ入れが入ったまさにその時に起こったという事だから、進退窮まったと感じても不思議ではない感じだし、不自然な話ではないように見えますから、まあ多分にそういう事なんでしょう。

しかし今時の日本では珍しく感じる程の典型的な行政処分に絡む贈賄、またその露見に関する自殺で、このところ不公正な処分が前にも増して横行しつつあり、また自殺大国として知られるようにもなった韓国ならではという感もありますけれども、それにしても派手な話です。

その経緯は卑怯と言う他はなく、完全に自業自得だし、公共に害のある犯罪によるものですから、同情はかけらも出来ませんけれども、ただ、その帰結としてあっさり自殺してしまうあたり、いささか短絡的過ぎるような気がします。その辺の理解し難い愚かさといい、何と言うか、急速に崩壊しつつある韓国経済を象徴するような事件であります。まだ全然終わってないあたりも。本件で李明博大統領のつい先週辞任した側近やらが逮捕寸前、っていうかそもそも今回の捜査はそのためだっていう話ですし。まあこの辺は日本もあまり他国の事は言えませんけどね。

South Korean Bank Chief Apparently Kills Himself, Police Say

[biz] HPのCEOがMeg Whitmanに

なったとか。不振を極めるHPの事だから、経営陣の入れ替えは早晩あるだろうと思われてはいたけれど、この人事はどうなんでしょう。Whitmanって、元Ebayって事で基本的にはサービス屋だから、プロダクト中心的なHPのトップとしてはミスマッチな印象も受けるんですけれども。単に知名度から安易に選んだ感無きにしも非ず、しかもその知名度は大部分政界進出に失敗したっていうどちらかと言うとよろしくないイメージで語られる話によるわけですし、とても微妙な気がします。

あえてポジティブな見方をするとすれば、顧客起点の徹底を図るとかそういう意図があるのかもしれないとは思いますが、それなら他に沢山叩き上げの強者がいる筈ですしね。そこに敢えて彼女、というのは、迷走を極め、業績も絶不調なHPにあって、彼らにとってのGood old daysであるところのFiorina時代に対する郷愁というか、再生の象徴としての強い指導者を求めたという事でもあるんでしょう。

しかしWebOSはじめ携帯デバイスの盛大な失敗と、さらに酷いPC事業の斜陽っぷりに対し、それに代わる次の事業ネタが見当たらないのが現実なわけで、単なるリストラ屋になりそうにも見えるし、さらに迷走を深める可能性もまた高そうです。さてさて。

HP names Meg Whitman new President and CEO, gives Leo Apotheker the boot

[pol] 首相が年内の原発冷温停止を公言

してしまったそうで。一応努力してますって言い回しではあるんだけど、受け取る側の諸国としてはおそらくそんな微妙なニュアンスなんて関係ないんでしょうし、公約として受け取った筈なわけですね。

また実現出来る見込みの立っていない事を空約束して、マニフェストの件といい沖縄の件といい、政権として散々痛い目見ておきながら何一つ学習していない事が明らかになってしまったわけで。極めて残念であります。そのまま帰ってくるな阿呆。

「原子炉の冷温停止、年内めど」野田首相が国連で演説

9/19/2011

[biz] 破綻した太陽電池ベンチャーへの米政府投資

をめぐって、共和党を中心に話が大きくなっているようで。事の経緯は、2009年の金融危機の際に実施された民間企業への公的資金注入、その対象にSOLYNDRAなる先頃破綻した太陽光発電パネルメーカーが含まれていて当然回収不能になったわけですけれども、その額が500億程度とその資本金の倍以上にもなる多額で、かつ当時の格付けもB+と投資適格とは言えなかったにも関わらず、アセスメントもせずに10日程度の短期で決定されていたと。さらにそれが副大統領JoeBidenの秘書経由でされていた事から癒着等が疑われ、それでなくても将来の損失が相当に懸念されかつその精査すら怠って損失を招いたという事で、多重的に責任があるとして政権が糾弾されている、という話らしいんですけれども。

話の論理的な流れとしては特に奇妙なところもなく、非難されて当然の話のように思われるわけです。ただ、その当時に動いていた公的資金の総額に対して本件はそのごく一部に過ぎず、GMだとか、桁違いの損失リスクも現実化していた当時の状況を鑑みれば、大統領はじめ政権中枢としては、おそらく気に留めてもおらず、違法行為があったとしても、件の秘書やらSOLYNDRAに近い関係者に留まるものと考えるのが自然のように思われますから、最終責任者として、また監督者としての責任はあるとしても、そこかしこで見かけるようなSOLYNDRAGATEとか言うほどの大統領に対する攻撃っぷりは、いささか行き過ぎの感を禁じえない所です。しかもそれを共和党が言うか、とも。あとそもそも今はこんな瑣末な事にかかずらわってる場合じゃない筈なんですけれども、選挙も近いしどうしようもないんですかね。

SOLYNDRA: Here's A Comprehensive Guide To The Scandal

[biz] 三菱重工がハッキングされて機密漏洩

したとか。報道では本社・工場・研究所と複数施設で80台のサーバがウィルス感染、機密が外部へ転送された形跡もあった、って話だから、ファイアウォールの内側で好き勝手されたってわけですね。一般論としては外部からの侵入というよりもスパイ的な内部からの攻撃である可能性が高そうな事案ですけれども、また派手にやったものです。

元々日本メーカーはこの手の機密保護に関して、近年の外国人重用の傾向もあって事実上ザルだと言われていますし、こういう証拠の残るような大規模なものは流石に珍しいけれども、部門・個人単位の小規模なものであればそれこそ山程漏洩しているであろう事も周知の事実、今更な話ではあります。デンソーの件とか。

当然メーカーも一応それなりの対策は既に採っているし、それでも取りこぼしがある事も十分承知の上で副作用とのバランスを見て運用してきているんでしょうけれども、それでも駄目という事案が、よりによって社会的に関心も高い部門も巻き込んで公になってしまったという事で、再発でもしたらいよいよ大変だし、嫌でも追加の対策をとらざるを得なくなってしまった、さてどうしよう、というところであろうかと思われます。

しかし、根本的な原因はスパイ的な社員の存在、また個々の社員が他部門のネットワークなりにアクセス出来てしまう点にあるのだから、実質的な効果を期待するのであれば、信頼出来るプロパー人材で各部門を固め、かつネットワークもサイトも物理的に隔離する、というような対策を採る必要がある筈なわけですけれども、しかしそういう抜本的かつ完璧な対策というのは実際問題としてほぼ実現不可能なわけで。これ以上どうすんだよ、ってな感じで、各社とも頭が痛い話でありましょう。大変ですねえ。

ただ、何故そんな社員が出てくるのか、そういう反会社的な行動に走るのかって言うと、過酷な労働環境、不安定なポジション、不公平な組織、それらの環境によるんでしょうし、結局のところ目先の利益を優先してそういう環境を作り出した会社の自業自得とも思われるわけで、特に同情する気にはなれないんですけどね。

三菱重にサイバー攻撃、80台感染…防衛関連も

-----------------追記

本件は国防に関する重大インシデントという事で、契約で義務付けられていた国への報告を怠っていたとか。これはまずいでしょう。隠蔽しようとしたのか、調査等のために時間稼ぎをしただけなのかはわかりませんけれども、いずれにせよ組織ぐるみの意図的なものには違いない筈なわけで、企業としての信用を完全に失いかねない背信行為であります。先日の欠陥品出荷の件で只でさえ信用がた落ちだったのに、というかだからこそだったのかもしれませんけれども、極めて残念な話です。

三菱重工、ウイルス感染を国に報告せず 契約守らず

[biz] シーメンスの原発事業撤退

先日決定された脱原発方針に対応しての撤退決定、そこに見られるところの、ドイツ国内の政府・企業・国民の判断・行動の統一性と迅速性には驚きを禁じ得ません。折しもフランスでおそらくは放射性物質も放出されたであろう核処理施設の爆発があったところでその影響もあったんでしょうけれども、原子力産業の中核としてその実体を担う有力メーカーの一角による今回の転換によって、脱原発の流れがいよいよ決定的になったように感じられます。

といってもまだ急進的な一部の流れに過ぎないし、全世界が一様に追随する事は考えづらいのですから、原子力の今後に関しては、おそらく推進と脱却とに国・地域単位で二極化していくものと思われます。その場合、脱却するだけの経済力のある国だけが転換して、比較的貧しい国に原発が偏在する形になる可能性が高いように思われるのですけれども、もしそうなると、安全確保のための資金が十分でない場合も多々あるでしょうから、より一層事故の危険が高くなるものと推測されるわけで、その意味でも原発の未来はもはや暗鬱たるものに落してしまったものと言わざるを得ないようにも見えるのです。

さて日本はドイツの後に続く事が出来るのか、また東芝・日立をはじめとする国内メーカーは、シーメンスと同様に転換を決断する事が出来るのか。ありうるとすればその条件は何で、時期はいつなのか。現実としてそれは相当に困難で、ありうるとしても大分先の話だろうとは虚しくも思うのですけれども、一個人、一市民として、一刻も早い転換を願う次第です。経済的な不利益が大きく困難であるのも当然ではありますけれども、もとより利害の天秤にかけるべきではない筈のものだと思うし、少なくとも、国内にせよ国外にせよ、この悲劇が繰り返されるような事があってはならないのですから。

[biz] VWのスズキに対する姿勢が意味不明

スズキを一方的に子会社扱いして、三行半を突きつけられたからって敵対的買収をちらつかせ出したとか。ある程度予想はされていた話ではあるし、可能か不可能かで言えば、買収の目的性質も自然だし、VWの社会的評価も資金力も十分、さらに既にほぼ20%を持っていてるのだから、あと30%強程度でよいわけで、価格次第でTOBが成功する可能性はあるんでしょう。スズキも取得条項とか新規発行条項とかの買収防衛策は導入していないって話らしいですし。

けれども、そもそもスズキの価値であるところの傑出した経営戦略と実行力、それは大部分カリスマと称される鈴木会長ら経営陣の手腕と人望にかかっている事は周知の事実、それと敵対して強引に買収したとしても、その後は当然彼らを経営から排除せざるを得なくなってしまうし、さらに信奉する社員の離反も著しいだろうから、スズキの人的な面での強みの大半を失ってしまうであろう事は必至なわけで。本末転倒も甚だしく、VW経営陣が何をしたいのかさっぱりわからない、というか正気を疑わざるを得ません。あれですね。きっと最初からスズキを一地域部門として取り込む事しか考えておらず、企業としての構造やら性格やら知ろうともしなかったために、今だ状況を認識出来ていないんではないでしょうか。だとしたら馬鹿ですねえ。インド市場への拠点にするといっても、こんな無理して吸収するより、VW本体として新規に進出した方が余程安くスムーズに実行出来るでしょうに。

鈴木会長が引退して、それなりにフラットな体質に変わった後でというのなら、まだありえると思わないでもないですけれども。買収するにせよしないにせよ、それなりに痛い目を見そうな様子に思われますが、原因と経緯から見てほぼ完全に自業自得な話でしょう。もっともまだチラつかせてるだけの段階だし、買戻し価格を吊り上げるためのポーズってだけなのかもしれませんけどね。だとしても相当な範囲が迷惑を被る話ですし、さっさとケリをつけて欲しいものです。

VW首脳「スズキの買収も選択肢」 独誌報道

9/17/2011

[biz] 日立が幹部社員に職務給導入

なんという今更な話。むしろ今まで入れてなかった事に驚愕であります。ていうか今回対象になるのは管理職9千人ですけれども、従業員には既に導入済みということで、普通ならどう見ても順番が逆なんですけれども。これまではおそらく実質機能していなかったのではとも思われるところ、これでようやく本対応、という事になるんですかね。

成果主義の弊害については先行した各社の悲惨な話が山ほどありますし、もはや論じる意味もないでしょう。特に経費削減圧力の強い不振企業の場合は、建前で言うように通常の業績を中間にするのではなく、最低ラインに基準を置く、すなわち普通に仕事をしている場合には最低限の給料しか支給せず、特筆すべき成果を出した場合に限り従来基準程度に加算する、というような経費削減方向に振った運用がなされるのが常なわけですけれども、その帰結として発生するところの、常に極限まで追い立てられる果てしないプレッシャーは、社員にとっては過酷の一言です。従来とは比較になりません。まあでもそれが今の標準であるのも事実なんですよね。ご愁傷様です。既に適用済みのヒラからすれば、地獄へようこそ、というような冷めた見方と、将来安定的なポジションに付く可能性が消滅する事に対する絶望の念とが入り混じって複雑、といったところでしょうか。

その導入に際して、今回は比較的導入しやすい管理職だし、経緯もあるからすんなり決まるんでしょう。個々の内心では色々あるんでしょうけれども。実際雑巾も絞らなければ立ち行かない業績でもありますしね。しかし今更適応出来るんでしょうか、って余計なお世話ですか。

日立、全管理職に職務給導入 10月から9千人対象

(注記・修正について)
当記事初出時には日立の成果主義導入に関して一般社員には既に導入済みである点を失念していたために頓珍漢な内容になっており、大変失礼いたしました。現版はその点を踏まえて全面的に修正済みです。

[biz] フジテレビ・スポンサーへの抗議の行く末

その強引、過剰と評価される韓国推しに反感を持つ人達による、フジテレビに対する一連のデモですけれども。これまで不祥事等の度に発生していた散発的かつ一過性の不買運動等とは違い、フジテレビの主要スポンサーであるところの花王へのデモも交えつつ、最低限以上の規模を保ちながら継続的に実施されているとの事で、少々興味を感じた次第です。興味とか言うと怒られそうですけれど。

現在の状況としては、その活動について、外部メディアの報道・評価はほぼ皆無、当のフジテレビや花王の反応もなく、その発生元であるいわゆるネットの内部に閉じたものとなっている様子で、実際にフジテレビはじめとするメディアや行政に影響を与えたわけではないから、その意味でこれまで不祥事等が発生する度に起こった散発的な不買活動等と異なるものではなく、まだ注目に値するものとは言えない、といったところでしょうか。運動自体に誇張や煽りのような強引さを感じさせる要素も多々見られますし、このままフェードアウトすれば、従来通り社会的には無かったも同然で終わる程度の話のように見えます。

だから、このデモを含む抗議運動が興味を惹くとすれば、それは、その先に起こりうる事、すなわちその規模を縮小させず継続した時に、メディアや関連する企業、また行政に与える影響とその取りうるアクションの内容、またその意味合いにあるだろうわけです。

といってもそんなに複雑な話でもないだろうと思います。基本的に企業は、その経済的な利害を天秤にかけ、より利益のある方向へ動くし、そこに依存するメディアも基本的にそれに倣います。そして、今回俎上に乗っているフジテレビはマス向けの広告収入に依存し、その収益の源は広告効果に依存するスポンサーなのだから、その行動、判断の大部分は広告効果の有無、増減によって決定付けられます。従って、今回の抗議運動がその広告効果を有意に低減させる規模まで拡大すれば、当然に低減する効果・収益を回復させるため、スポンサー企業、またその要請を受けるフジテレビは、抗議運動を沈静化させるべきアクションを取るだろうし、そのアクションの内容如何によって運動は終了する帰結を迎える筈ですけれども、逆に規模がそこまで至らなければ、企業としては何らアクションを取らず、無視して終わりになるのですね。今現在は言うまでも無く後者の状況です。

従って、その成否は、その運動が企業に判断を迫る規模まで継続・拡大するか否かにかかるだろうわけです。けれども、この種の活動は、往々にして暴走しがちで違法性を帯びやすく、その結果としての内部崩壊や司法行政の介入を招き、挫折する事が多いのですよね。その点、デモの映像を見る限り、組織の形を排して自由な個人の集まりとしての形を崩さず、かつ牧歌的とも言える程に合法である事を前提に運営されているように見えるのですけれども、そうする事によって従来の典型的な失敗に陥る可能性を回避する意図があるようにも思われるのです。もしそうなら、デモを主導する人が弁えているという事なのでしょうね。そのあたり、存外上手く行くのかもしれないと思わせる部分があると思うのです。

しかし、それでもまだよくわからない部分も多々あります。特に、今回の運動のゴールである筈の目的が、韓国推しの排除という抽象的なものであって、何を以って達成・到達となりうるのか不明な点、またそれと関連して、対象が私企業であって、手段も経済的な不利益を直接的与える可能性がある、すなわち業務妨害性も多少なりと帯びているのだけれども、これがその規模を拡大した時に、その主張の曖昧性とデモ参加者の不統一性から、阻却事由としての具体的な公共性を十分認めうるかどうか今一つ明確でないように見えてしまう点には、懸念を禁じえないところであります。何分チャレンジングな試みなので仕方が無いんでしょうけれども。

結局のところ、現時点では可能性があるというだけで、まだ何も達成されてはいないし、これから達成されるのかも全くわかりません。しかし、上手く行けば、その先には、現状もよく言われるところのメディア支配等という不愉快な言葉とは真逆の、民主的な双方向性をメディアが徐々にでも備えていく可能性が感じられるし、長らく日本人の欠点として指摘されて来た、極端な受動性、非主体性を修正し、非暴力は保ちつつ、自身の社会を民主的に修正構築する手段の一つに繋がる可能性があるようにも思われるわけで、その意味で、幾ばくかの期待を禁じえない次第なのです。

9/16/2011

[PC] IE10でプラグイン排除版が導入されるとか

Flashその他は全部ばっさり切り捨てて、HTML5標準のサイトのみ対応するとか。と言っても今回新導入されるMetroインタフェース版限定で、デスクトップ用には従来同様プラグインに対応したバージョンも並行して提供されるって話らしいんですけれども。また思い切りましたね。

一応理由は処理効率向上のためとか言っていますが、それは多分に建前で、実際にはAppleと同じく他社製品の排除がその主たる目的なんでしょう。プラグインが使われなければ特段処理量が増える事もないし、使われるにしても、その分の処理をプラグインでやろうが内部モジュールでやろうが、処理量に特段の違いが出る筈もないのですから。それは本来ユーザなり外部の自由に属するものなのだけれど、他社製品が好き勝手動くというのは不具合の元でもあるし、その修正、最適化もほぼ不可能ですし、それが気に入らないから締め出そうってだけの、身勝手な話であります。その文脈で見ると、Flash打倒のために投入されたSilverlightをお払い箱にしてHTML5に移行する形になっているわけですけれども、自社製品が駄目なら標準で、というのはそれなりに説得力のある判断のように思われます。ただ、ユーザとしてはSilverlightへの対応が全部無駄になるわけで、控えめに言っても非常に迷惑な話だし、最初からそうしとけよとも思います。

あと、標準に一本化するっていう決断自体には別段異議もありませんが、それで大丈夫とする根拠に挙げられてるところのHTML5対応サイトの割合が62%と少々低すぎる点も気がかりではあります。今だデファクトスタンダードの一角であるところのFlashを排除する以上当然ではあるんですけれども、実際に大半のユーザの使用に支障が出るわけで。先行のiOSの作った流れに乗って、という事なんでしょうけれども、サービスも含めてユーザを囲い込むAppleと違い、トップシェアのブラウザとして、ほぼ全てのサイトに対応出来るプラットフォームたる点にその存在価値の多くがあったIEがそれを失ってしまうというのは、実際問題として困る向きは非常に多い筈です。その点、これからベンダーを中心に少なからぬ反発が出るんでしょうし、果たしてMSはこの方針を貫徹出来るんでしょうか。

Microsoft's Metro-style IE 10 has seen the future and it's plug-in free

9/15/2011

[biz] シャープGALAPAGOS販売終了

前代未聞の自虐ネーミングで一時話題となったsharpの国産タブレット・ガラパゴス、結局一年持ちませんでした。主原因は極度の販売不振で、店頭販売なしの時点でこの帰結は火を見るより明らかだったわけですけれども、一体何を考えてたんでしょう。というか何も考えてなかったのか、あるいはネーミングに合わせた大掛かりな自滅芸か。全然笑えませんでしたけれども。シャープとしてはおそらく一度や二度の失敗でこのセグメントを放棄するわけには行かないでしょうし、次がある可能性は高い筈、仕切り直しで真っ当なものが出てくる事を期待したいところです。

ただ、試行実験としての位置づけだったとしても失敗の仕方が悪すぎるとも思いますけれど。通常、失敗プロジェクトに対しては、その後処理として、失策と成功を洗い出し、修正する事で次に繋げていく事になるわけですが、本件はマーケティングも企画も開発も初手から処置なしのレベルで、修正を云々する事自体に無理があるように思われるのですよ。そもそも事業体にビジネスを立ち上げる能力が決定的に欠けているものと考えざるを得ないわけで、という事は、要するにシャープはこの種のビジネスに向いてないから諦めた方がいいって結論になってしまうのです。あと、それ以前に普通なら再起不能ですよ。恥ずかし過ぎて。

シャープ、ガラパゴスの販売終了へ 配信サービスは継続
タブレット端末

9/13/2011

[PC] 国産スレートのwindows縛りに失望

先に発売された富士通のTH40/Dといい、先日発表されたNECのLavie touchといい、レスポンスが圧倒的に悪いatom搭載のwindows機で、しかもあの価格で、先行他社のタブレットに対抗出来るわけがないでしょうに。wintelのモデルに従って適当にアセンブリすれば売れた時代はもう過ぎたのですよ?

売上げ激減に伴って資金も人材も足りず、自前のプラットフォームを用意する力は既に無いのは仕方ないし、法人ユーザからwindows機を求められる事情はあるんでしょうけれども、汎用で無駄な処理が多い分windowsはandroid等の専用OSより処理量すなわち電力消費量が圧倒的に大きいのだから、バッテリ分の重量か処理速度か、いずれかは劣る格好にならざるを得ないわけでさ。そこを単にatomを入れて10時間稼動、ってカタログの見栄えだけを整えても、実際電力あたりの処理量は逆に激落ちなんだから、実機評価でボロが出るに決まってるし、本当に売れると思ってるのか疑問、というか良く分からない人に売りつけるんでしょうけれども、それは詐欺に等しいと思うんですよ。

もうwindowsなんかやめて、androidなりの専用OSベースに移行すべき事は明らかな筈なんですが、もうそれを実行する技術もやる気もないんでしょうか。もっとも、そうしたとしても台湾とか韓国あたりの海外メーカーの二番煎じにしかならないんでしょうけれども。

ただ、こういう、多分に値段吊り上げのために、差別化と称してユーザーに無用な不便を押し付ける本末転倒な仕様にしてくる傾向は今に始まった事ではありませんけれども、NECはLenovoに買収されて変わるかと期待してたんですけどね。残念です。この分だとLavieブランドもろとも旧NECの開発系が捨てられる日も近いんじゃないでしょうか。それで売上げが十分あるというならいいんでしょうけれども、そうじゃないですしね。

NEC LaVie Touch Windows 7 tablet comes packed with DVD-sporting dock

9/12/2011

[biz] ギリシャ短期国債利率が60%突破

2年物にて。つい2ヶ月前には30%だったのに、もはや完全に終了してしまいましたね。余程の事が無い限り、今年中にはユーロ脱退→デフォルト→IMF管理下で超リストラ、の破綻処理コースに移行する他ないものと思われます。それはそれで仕方のない話なのですけれども、問題はその際の道連れが凄いことになってしまうだろう事でありまして。債権者たるECBはじめ、SocGen等の欧州各主要銀行も地獄の底へ真っ逆さま、次いでスペイン・ポルトガル・イタリア、さらにはフランスまで道連れにしそうな勢いなのですが、さてドイツは何処まで付き合うんでしょうか。

しかし金融バブル崩壊後の流れがまんま日本と同じなんですよね。破綻した部分を清算出来ずに誤魔化してる内に底無し沼化して、結局全体が巻き込まれて転落するという。散々日本を嘲笑しておいてこの有様、ホント馬鹿馬鹿しくなります。もっとも相違点も多々あって、特に当時の日本の場合は外需や旺盛な技術革新の支えがあったわけですけれども、今回は頼みの綱のBRICSも失速中だし、イノベーションも全面的かつ急速にネタ切れして蜘蛛の糸すら見当たらない現状、さらに酷い事になるかもしれません。というわけで、本当の地獄はこれからですよー、と。

Forget What We Said About Greece Earlier...

[過去記事 [biz] ギリシャ短期国債利率が35%目前 ]

[過去記事 [biz] ギリシャ短期国債利率が25%突破 ]

--------------------追記
そして一日と待たずに70%突破。箍が外れた感じがたまりません。
The Greek Debt Rout Is Still On

しかし、通常時とは逆に、長期の利率より短期の利率の方が何倍も高い状態というのは興味深いところです。近々の破綻は確実だけれども、10年後には持ち直してるだろうとかそういう思惑がそれなりにあるからなんでしょうけれども、もう予測とは言えない位の確率でしょうに、よくやりますねホント。

9/09/2011

[law] 米国の特許法改正案が議会通過

おお。以前議会で議論中とされていた、これまでの先発明主義を先願主義に転換する改正法案がついに上院を通過したそうで。大統領も特に異議はなく署名される見込みとの事で、これで世界的に先願主義が標準となるわけですね。もっとも、満場一致というのには程遠く、有力な異論を力業で封じ込んだ形らしいし、先願主義と言っても正当性やら有効性やら、訴訟で争う道は当然あるわけだから、さしあたり実質的にはあまり変わらないんでしょうけれども。

それでも形骸化していた特許システムを抜本的に修正する、その端緒であり基礎となるものには違いないし、これから運用しながら実状に合うように修正を重ねていく事で実質的にもより適切なものになっていくものと期待されるところです。

しかし先願主義になると、さしあたりとりあえず出しとけとなるから出願は大幅に増えるんだろうし、只でさえPendingが700000件あるというのに裁けるんでしょうかね。何かその辺は手当てするのか、報道ではとりあえず触れられていませんけど、もし何もしないとなると、実際問題処理出来ないと思うんですが。その辺は日本も酷いですけどね。

US Senate passes patent system reform bill, Obama expected to sign into law

[過去記事 [law] 米国が特許先発明主義から先願主義への転換を議論中]

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そして大統領の署名も恙無く終わり、法案が成立。二年後の施行が決まりました。さてさて。
Obama signs patent reform bill

[tech] 空港での虹彩認証チェックイン

カナダのバンクーバーで虹彩認証による自動チェックインゲートを展示してるそうで、記事を読むと複数箇所で実証実験も実施中だとか。もうこういうのは無理という事で結論が出たと思ってたんですけど、未だにやってんですね。

システムとしてはカード読み取りの1対1認証、ゲート脇のリーダーにカードを読ませてからポールに備え付けられたカメラの方を見る事で認証するという事で、特に新しい要素は何処にもありません。であるからには、認証の精度、既知の認証困難な場合についてもおそらく同様である筈で、コンタクトやら近赤外光を反射する類の眼鏡類やらの着用者とか、とても細目の人とか、他にもカメラの方を向く際の向きズレの影響だとかで、認証出来ない人が結構な割合、少なくとも数%以上は出るだろうわけで、結局は従来と同じ手続きを残さざるを得ないんですよね。あと、コンタクトで簡単になりすませてしまうのも解決したんでしたっけ?とか。

虹彩認証自体の問題の他にも、記事でも言及されている通り、既にもっと安価な指紋認証を導入してしまっている国がたくさんあるわけで。ICパスポートの仕様変更なんてそうそうできないし、それでも仮に何処かが虹彩を導入したとして、認証方法が国やら場所によって違うというのでは、登録データ管理の面だけでも事実上運用不可能という事になってしまうのですよね。大体、経緯的にテロ防止の観点から一番認証出来なきゃいけないのは外国人な筈なのに、国内限定というのでは意味がないでしょう。

かように、非常に強く今更感の漂う話なわけです。何度騙されたら気が済むんでしょうか。もっとも、開発会社とか政府の関係部門からしてみれば、絵に描いた餅的に実験を続けているだけで仕事をしている事になって結構な金が回るからそれでいい、というかむしろ実際に使われない方が問題が発生しない分望ましい、とか思ってるのかも知れませんけど。何とも馬鹿馬鹿しい話です。仮に導入に成功しても、空港にしろ銀行にしろ、その少ない例を見るにつけ肝心の目的は達成されず、手間が増えるデメリットばかりが残った感じだし、生体認証自体が本来的に多くの人にとっては無駄な、筋の悪い技術なのかな、との思いを深めてしまう次第なのです。今更ですけれども。

AOptix e-Gate could improve global airport security, replace ID checks with iris scans

9/06/2011

[biz] 東芝がWH株追加買取

すると聞いて、何故?そんな余裕あんの?とまず疑問を感じたわけですけれども、確認してみると、出資時の特約として、他株主に保有分株式を東芝に強制的に買い取らせる権利条項があって、これを行使するって話だから拒否は出来ないんだそうで。売却する側のショー・グループは4000億中20%だから800億の出資で今回売却額が1000億、それに当てたとされる円建て社債の金利を考慮してもまずトントンという所、逆に東芝としては今更代わりの出資引き受け先を探すのも大変、というかまあ価格によるんでしょうけども余程割り引かないといけないだろうし、その差損を被る格好ですね。ご愁傷様です。

しかしこの特約が設定された事自体がね。こういう強力な条項は、将来起こりうる状況の予測は一般に極めて困難かつ往々にして致命的な結果につながる可能性が懸念される事から、余程客観的かつ安定的に見積もりが可能な場合か、でなければそのリスクに目をつぶり、予測自体を事実上放棄したような場合にしか設定されないものな筈なんですけれども、WHの買収自体は当時から相当にリスキーなものとして認識されていた筈だし、結局のところ後者だったって事なんでしょうね。その契約時には、少なくとも東芝側としてはその行使される可能性を小さく見積もり、出資を取り付けるエサとして安易に算盤を弾いたんでしょうけど、見事にあてが外れたわけで、ここ数年の東芝の弱点であるところのリスクを過小に見積もる体質、その帰結の典型のように思われるのです。本件自体は致命傷とまではいかないんでしょうけれど、原発関連ではまだ従前の強気な姿勢、もう既に単なる建前に過ぎないようにも見えるそれを崩していない以上、この種の失策はまだまだ雪だるま的に拡大しそうにも思えて、危うさを一層強く感じざるを得ないのであります。

東芝、ウエスチングハウス株1000億円強で追加取得へ

9/05/2011

[biz] USPSが倒産寸前

E-mail等の電子的な通信手段の普及に伴い取扱量が激減して、その年間営業損失は92億ドルにも及ぶ状況にあって、資金調達もままならず、数ヶ月以内には倒産するであろう危機だとか。郵便事業の苦境については、米国も日本と同じという事ですね。リストラしようにも現状では法律的に困難で、その緩和を議会に働きかけているそうですけれども、間に合うんでしょうか。必要とされる削減数は22万人、その対象となる現社員70万人弱による抵抗は半端ではないでしょうしね。只でさえ新規雇用者数が近々でゼロに落ち込んでる現状、政府の政策的にも社会的にも最悪のタイミングな筈でもありますし。

さらに、仮に当面の資金調達に成功したとして、リストラ以外の対策が悉く意味不明な感じなのがどうにも。ラスト1マイルのサービス拡充だとか、そりゃ電子メールには出来ない所には違いないけど、それで新規需要が掘り起こせる見込みは薄いだろう上に、最大の弱点であるところのコストが激増してトータルマイナスになりそうな感じで、お話になっていません。まあ半公務員というか、経営戦略とかいう概念から最も遠い部類に入るところの国営系郵便屋にイノベーションを求める事自体無理筋って事なんでしょう。さて米政府はどう裁くんでしょうか。

Postal Service Is Nearing Default as Losses Mount

9/04/2011

[law] 在日韓国人からの献金への言い訳が謎

野田首相が早くも重傷という事態になって、最早お約束とも言うべき感のある在日韓国人からの献金発覚の話ですけれども。どれも事実関係については争う余地も無い様子、その時点で法的には完結する話なんですけれども、それに対して関係者が「違法と知らなかった」とか言い訳してるのが不思議で仕方ありません。というのも、こういう法の不知は、法的には原則として違法性の阻却事由にはならない、すなわちそういう法律がある事を知ってようが知らなかろうが罪の成立に関係しない事は、法の関係者なら常識の筈なんですよね。報道する側はその辺を当然知ってるだろう筈なんですけど。そうと知りつつ容疑者側の発言をそのまま報道する事で、おバカさん達を嘲笑してるとかそういう構図なんでしょうか。だとしたら意地悪な話です。全く以て自業自得ですけどね。

ともあれ野田首相の件単体については、始まる前から終わっていた、で片付けて良いだろうと思うのです。ただ一方で、本件が含まれるところの、在日韓国人からの献金という事象については、在日韓国人の数とその日本国内の政財界への浸透の程度からして、現在なされているように個人と同一視される被支配企業からのものも含めて考えれば、与野党問わずそもそも受け取っていない議員は非常に少数派だろうとも思われるのであって、それをこれまでのように誰かが政府役職につく度に逐一もぐら叩き的に処理するのでは一向に埒があかないわけで。それによる弊害も半端じゃないし、といって無かった事にするのは論外だしで、結局のところ、何処かで清算が必要になるだろうとも思うんですよね。それと併せて、例えば献金時の通名禁止、国籍証明義務付けとか、法人相手には献金時の株主と役員の当該事項申告証明義務付けとか、まあそれはそれなりに難しいんでしょうけれど、そういう知らなかった、が通じなくなる仕組みを入れる必要があるんでしょう。でないとマジで何にも進まないし困るのですよ。

[dis] 台風による西日本の農産被害と汚染品流通への懸念

ここ数日の降雨量が累計1000mmを超えて当然に河川の氾濫が相次ぎ、大水害となってしまった台風12号ですが、ここまでのレベルになると、稲作始め各種農産への被害も甚大なものになる事は必至、秋の収穫時期を目前にして残念な限りです。その程度はこれから明らかになるんでしょうけれども、只でさえ今年は東日本の大震災とそれに伴う放射能汚染、次いで北陸の水害と農産物に関しては半壊状態だった所に、それを補う筈だった西日本でも収量激減が避けられないとなると、少なくとも農産物の供給不足に拍車をかける事は間違いないように思われます。

もちろん一義的には多かれ少なかれ短期的な当該農産物の価格高騰が予期されるわけですが、それと併せて、放射能汚染された農産物の流通、その相対的な増加が懸念され、長期的にはこちらの方が深刻なもののように思われます。正規品が十分に無いとなれば、需給にギャップが出来る結果、産地を偽るにせよ、単に国産とのみ表示するにせよ、本来なら売りにくい、もしくは売れない非正規品でも売れやすくなってしまうのだから、当然のように生産、流通、小売の各々の業者ともにそのギャップを埋めるべく動いてしまうであろう事は容易に想像されるのですよね。よりによって検査体制も整わないために消費者側で区別が出来ず、しかも汚染の程度は最も深刻であろう今年の農産物、それが流通する事による長期的な被害は想像するだけで戦慄が走ります。

ある程度持続的に危機感を維持出来る人なら、輸入品を中心に選択する事で概ね回避出来るであろうけれども、喉元過ぎれば熱さ忘れるというか、そういう、記憶の続かない、有り体に言えば馬鹿な人が大半なのですから。冗談では済まない事態なのですけれども、仮に国が遅まきながらに抜本的な対応を始めるとしても肝心の方法が実際問題としてない以上、最終的には自己責任になる筈の話、どうしようもないんでしょうかね。人の事など知ったことか、で済ませるのは、あまり気分のいいものではないのですけれども。

9/02/2011

[tech] 自発電式カブト虫コントローラ

カブト虫の頭に取り付けてコントロールするユニット、コントロール自体は従来既に実現出来ていたところ、バッテリー重量過多のため適用困難だったらしいのですけれども、ミシガン州立大のチームが、羽根にピエゾ素子を付けてコントローラ用に発電する事で軽量化に成功したとか。大した技術だとは思うのですけれども、何に使うのでしょう。DARPA出資という事だから軍事用途を想定してるんでしょうけれど、偵察用途にはカメラ類が必要で大分ハードル高そうだし、囮とか伝令とかでしょうかね?その辺は今後の努力に期待という所でしょうか。将来的にはそのとてもキモい外見も何とかして欲しいものです。冬虫夏草あたりに匹敵するキモさだと思うのですよ。

DARPA harvests energy from cyborg beetles to keep them brainwashed

9/01/2011

[law] 南海電鉄でも高校野球賭博が発覚

内部通報で発覚ですか。通報を受けたコンプライアンス部門が大阪府警に通報したと。報道の内容を見る限りではその程度は軽めに見えますけれども、賭博罪は常習性の程度によって罰金刑から懲役刑まで軽重が変わる罪ですし、その判断は司法に委ねられてしかるべきもの、内々での処理に走らなかった点は評価出来るもののように思われます。

しかし、高校野球等を対象にした賭博行為というのは、別段珍しくもない、どころか、至る所でなされている事も周知の事実なんですよね。歴とした犯罪なのに、というか毎回やってたりしたら常習という事で懲役になりえるわけなんですけど、そういう認識が一般にあるとは到底言えない現状には困ったものです。先日のキッコーマンの件ともあわせて、地道に摘発を重ねる事で周知浸透を図るより他どうしようもないのでしょうけれども、万引きと同じように遍在したままの状態が続いてしまいそうにも思えて、虚しい限りであります。

というか、この種の、社会の小さくない範囲で誤って罪ではないと思われているような犯罪は、おそらくやり過ぎ位の罰が加えられないと減らないんでしょうから、この際見せしめ的な意味を込めて少し重めの処分を希望する次第です。個人的には、高校野球に金を絡めて恥じない神経も理解しがたく思いますし、容赦は無用で。

南海電鉄運転士ら17人、高校野球賭博

[過去記事 [law] キッコーマン兵庫高砂工場で賭博、大量送検 ]

8/31/2011

[law] オリンパスの内部告発報復人事訴訟で社員勝訴

とか。本件、オリンパス社員の浜田正晴氏が内部告発で嫌がらせ的な報復人事を受けたとして会社を訴えたものですけれども、その原因となったところの行為、すなわち上司のヘッドハンティング行為をコンプライアンス部門に通報した事、またその行為者たる原告が公益通報者保護法の保護対象に含まれるかどうかが判然としないものとされて争われ、第一審では否定の判断がなされていたところでした。今回の控訴審では、報道を見る限りその部分には触れず、単にその後の人事行為を分離して乱用と判断したようですね。結果としてはまずまず無難かつ妥当な判断のように見えます。

ただその中身というか経緯の部分については少々複雑なところです。結局のところ、本件原告の行為は公益通報者保護法の保護対象には含まれないという判断が維持されたようですが、裁判所の判断を俟つまでもなく、ヘッドハンティング自体は原則として特に違法な行為でもないし、むしろ管理職としては業務の範囲内に入るものなのだから、そもそもそれをコンプライアンス部門に通報した事自体が不適切だった筈で、その時点で却下扱いにされるべきだったのだろうと思うのです。内部告発に関しては、制度として内容問わず調査確認の手続きを取る事になっている場合も多いし、オリンパスもそうだったのかもしれませんが、仮にそうであって調査等は避けられず、かつ上司の行為にある程度の問題があったとしても、上司にも本件原告にも注意程度で済ませる事は十分可能だっただろうと思えるのですよ。

内部告発制度は、コンプライアンスの実現・維持に非常に有効、事実上欠くべからざるものである、その事は間違いないのですけれども、本件は制度が一人歩き的にあらぬ方向へ働いてしまったもののように見えるのです。告発者は当然に自らの定める基準で判断し、告発に及ぶわけですけれども、それは必ずしも一般に法の知識経験に基づくものではなく、正当とは言い難い場合も起こりうるし、そのような告発に基づいた処分は当然に誤ったものになるわけで、それは防止されなければなりません。そしてその責任は告発の窓口となるコンプライアンス部門にあるわけです。裁判所と同じような役割、能力を備え、告発者・被告発者とも不当な権利侵害が起こらないように注意しつつ裁く必要がある。本件のように客観的に不適切な場合にはそう判断出来た上で機能しなければならない筈なのですよ。

しかし現実は、そのコンプライアンス部門自体が素人同然な有様だったり、実質的に人事総務部門の一部に過ぎなかったりするんですよね。そういう状況からして、本件のような事態の発生はむしろ必然的なものと考えるべきなのでしょう。残念な話です、と嘆いてばかりいても仕方ないのですけれども。

本件訴訟は多分に最高裁まで行くんでしょうしまだ終わったわけではないけれども、この辺りの判決の主旨が、広く速やかに浸透して、状況の改善がなされる事を願う次第です。覆水盆に返らず、訴訟をしても失われたものが戻るわけでもなく、計り知れない損失が残るだけなのですから。もっとも、何らかの強制力が働かない限り、改善の望みは薄いだろうとも思いますけれどもね。

「内部告発で配転は人事権乱用」 オリンパスに賠償命令
東京高裁

8/29/2011

[biz] ハリケーンIreneによる被害見積額の齟齬

ニューヨークを含む東海岸を直撃して、数百万戸の停電、死者も含め尋常ではない被害を引き起こしているハリケーンIreneですけれども、その被害額の見積もりについて情報が錯綜していて、メジャーなソースの中だけでもその額に一桁程も差があるのは一体どうした事でしょう。例えばNYTimesでは70億ドル、日経では770億円とか。

こういう齟齬は困ります。勿論、ハリケーン自体の強さ及び進路の推移、またそれに伴う物理的影響の係数に対して、予想の元となるデータの選択とその取り扱い手法、さらに対象となる地理的時間的性質的な範囲の相違も加われば、相当な差異の発生は避け難い所なのでしょうけれども、報道機関の責務はあくまで現状を正しく報道する事であって、予想屋的に数値を当てる事ではないのですから。不確実性が高いならそのように伝えられてしかるべきでしょう。

少なくとも日経のような後発かつ外部における報道にあっては、直近までの報道を踏まえ、ある程度信頼出来る範囲での予測は全て包摂する形で、例えばその最小値から最大値までの範囲を見積もり方法等と合わせて整理して伝えるべきところだと思うのですけれども。スピードを重視してるのかもしれませんが、殆ど脊髄反射的な感じで狭いソースから各社バラバラな報道がなされていて、結果として主観的な報道になっているのは困ったものです。

Irene Damage May Hit $7 Billion, Adding to Insurer Woes
米ハリケーン、経済損失770億円超に 洪水被害など

----------追記
さらに桁が増えて、円でいうと兆単位の可能性もあるとか。凄まじいですね。
IRENE Damage Estimates Range From $7 Billion To $20 Billion

8/26/2011

[biz] ゴールドマンの内輪ゴシップアカウント

数週間前からTwitterで@GSElevatorなるアカウント名の匿名ブログが開設されていて、それがどうも実際にGS内部関係者らしいという事で話題になっているとか。当然ゴールドマンは問題視して、まずTwitter運営にアカウント停止を要請したけれど突っぱねられて、で今は内部捜査に着手した所だとか。とりあえずまだ書き込みは続いてるようなのですが、ざっと目を通した所では、いかにもエレベータ内の会話っぽいジョークのやり取りが中心で、これの何がそんなに問題なのかよくわからない代物でありました。GSとしてはその内容如何に関わらず外部への情報漏洩、またそれに繋がる危険性がある行為は容認出来ないという事なんでしょう。

ロンドンでの話がよく出てくるので、もし社員ならロンドン勤務者だろうとか、会話者の人種まで書き込まれているツイートもあるしで、その気になればすぐに特定されて終了しそうですが、世知辛い話です。直接的に会社に悪影響を与えそうな書き込みもあるにはあるのだけれど、「市場が上がっても下がっても自分たちは金を儲ける」、とか、その程度のお決まりの会話がせいぜいな様子だし、個人的には続けて欲しいと思うのですけれども。所詮他人事ですけどね。

Goldman Launches Probe For To Find Out Who's Behind The @GSElevator Twitter Account

[tech] 福島第一原発のロボットオペレータのブログ

もう元のブログは閉鎖されてしまったらしいんですけど、その内容がロボットの実用面でのテストケースとしてあまりに有益、貴重という事で、IEEEがログを英訳して掲載したとか。

ざっと一読してみると、確かにロボットの運用面で発生する様々な課題、その典型的なものがよく表れていて、今後の開発、運用に際しては非常に多くの有益な示唆を与える内容になっています。ロボットには一般に汎用性がないために、その場面毎に起こるトラブル、問題点は異なるし、それに合わせて使用法、運用法を適応させていかなければならないものなので、一般論というのがあまり成立せず、このようなケーススタディを通じた経験知の積み重ねが本質的かつ決定的に重要なのですよね。私は寡聞にして元のブログを知らなかったので、IEEEの今回の掲載には非常に有難く思う次第なのです。

特に、今回の福島原発のように、実際問題ロボットが必要とされる場合というのは本質的に生命の危険がある場面で、その安全側と危険側は明確に区別出来るわけではないから、オペレータは時にその境界を意図せずとも越えてしまう、またリスクを承知で踏み込まなければならない場合も多分に発生するわけで。文字通り命がけのシビアな作業、その記録の持つ意味は大きく、今後この知識経験が生かされる事で、どれだけ人命が救われるか、計り知れない価値がある事も明白です。

中には東電管理側への批判に直結するであろう部分もあって、そのあたりで東電からクレームがついたりする可能性も多分にあるわけですけれども、IEEEが説明する通り、今回の掲載は公益を重視してのものなので、そのような事にならないよう願いたいところですね。

Fukushima Robot Operator Writes Tell-All Blog

8/24/2011

[biz] 日本国債Aa2->Aa3に格下げ

今度はMoodysが日本国債を格下げ。政府・政権の不安定さ加減をマイナス評価して、との事なので、本件自体は至極もっともな話だろうし特段の異議もなさそうなのですけれども、先日のS&Pによる米国債格付け引き下げにMoodysもFitchratingsも追随しない状態が続いたまま、というのが少々気にかかる次第です。

元々、各社間で格付けを一致させなければならないわけではないのだけれども、長らく事実上の公的なコンセンサスとして位置づけられてきた三社の格付け、それが主要国の国債という主たる債権で齟齬を来たすという事は、必然的にその従前の支配的とも言える安定した地位を失う事を意味するわけで。そもそも少数の民間企業がそのような地位を占めていた事に対する議論はあろうけれども、三社の調和から得られる信頼性、それを基盤として各種の債権に対する評価にある程度の整合性が形成され、それなりの秩序が得られていたのは事実、それを失う事によって市場の不安定性はそれなりに増大するであろう筈なんですよね。

実際に資金調達上で障害が増える可能性が懸念される以上、それを好ましくないと受け止める向きは多かろうし、逆にそれが市場の本来あるべき姿だ、と見る向きも当然それなりに強かろうかと思います。ただ、安全資産という概念自体、その従来の用法で多く備えていたところの完全性、それが建前としてももはや理論上にしか存在せず、なべて相当の現実性があるリスクを孕み、ただそのリスクの性質、構造が異なるに過ぎないものと見るべきであろう事は、多分に今更ながらではあるけれども、明らかに思えます。

それは理論的にはむしろ自然に思える一方、解析的な取り扱いはほぼ不可能、従って制御はおろか直接的な分析すらもままならない領域なわけで。この手の領域に対しては、最初からその取り扱いを諦めて極力回避するのが正しい態度だろうと思うのですが、経験的にはその逆、往々にして正否不明をよい事にした詐欺的な話が乱発しがちになるもの、それを思うと、どちらかというと憂鬱な気分になる次第なのです。これまた今更な話ですけどね。

ムーディーズ、日本国債を格下げ 1段階低い「Aa3」
見通しは「安定的」


[過去記事 [biz] 米国債格付け引き下げ ]

8/20/2011

[note] イオンSIMをMF626で

最近その安さで評判のイオンSIM、これが以前使っていたb-mobile 3G hoursの端末MF626で使えると聞いて、ついうっかり契約して設定してテストとか色々してしまいました。結論から言えば十分に使える様子で、コストパフォーマンスは非常に良い感じです。特に、いつの間にか以前はダメだったlinuxでも使えるようになっていたのは有難い限りであります。ただ、linuxの場合にはハードの初期化絡みで少し面倒があったり、ダイヤルアップ接続の際にシステム標準のアプリでは何故か繋がらなかったりで、その辺はまだ少々敷居が高い感じですね。一度設定してしまえば後は気にしなくても良いんですけど。下記、ubuntuの場合の手順をメモ。動作確認したバージョンは11.04と10.10ですけれども、参考にされる場合は自己責任でよろしくです。

ともあれとりあえず使えるようになったので、早速VPNとかも設定して一通り使ってみました。速度等については安い代わりに帯域が100kなプランAという事で、それなりに遅いけれども、通常のデータのやりとりには許容範囲、といったところでしょうか。通常のb-mobile 3Gよりは明らかに遅く、AirH"よりは大分速い感じ。しかし特に不満を感じないのはやはりその安さのためでしょう。良い時代になったものです、と32kbpsのAirH"に月5000円も払っていたありし日を思い出して感慨に浸ってしまった次第です。安定性、エリアについても文句なしだし、後はサービスの改悪とかがない事を願うばかり。ていうか日本無線自体、超赤字で潰れそうなんですよね。うーん。なんとか頑張って生き延びて欲しいものです。

[導入手順]

1. イオンSIM入手
 何はなくともまず契約。日本有線のHP掲載の取扱い店舗一覧の中から最寄りの店舗を探し、電話で在庫確認、あれば取り置きしてもらってからGO。Docomoのカウンターで普通に契約。クレジットカード支払いオンリーなので、忘れないように注意です。お決まりの登録用紙に記入して、これまた定形通りの契約内容説明を受け、身分確認の上、初期費用3150円をその場で同じくクレカ決済して、特に混んでいなければ数分で登録してもらって契約完了。SIMカードゲットです。

2. SIMをMF626にセット
 MF626はUSBコネクタの上側根元のところにSIMカードスロットがあります。トレーを引き出して、SIMカードを差し込んで戻してセット完了。

3. MF626の初期的な設定
 MF626の設定には意外と手間がかかります。というのも、MF626は、実は本来のモデムとしてのデバイスとは別に、ドライバデータを格納する仮想CDドライブも内臓されている複合デバイスで、その管理には特殊な取扱いが必要なのですね。Windowsでは日本有線が提供する接続用ソフト(b-access)が間に入るので、システム側は特に意識せずとも普通のモデムとして見る事が出来るのですけれども、Linux(のデフォルトのシステム)ではそうはいきません。接続の前にモデムモードに切り替える必要があるのです。
 切り替えには2つの方法があって、一つはWindows機で専用のATコマンドを使ってあらかじめモードを切り替えておいてから接続する方法、もう一つはLinux用の切り替えアプリusb-modeswitchを入れておく方法です。それぞれ以下のような感じですが、後者の方が後々楽かも。

3-1. ATコマンドによるモード切り替え
 あらかじめb-accessをインストール済みのWindows機にMF626を接続してから、ハイパーターミナルを下記設定で起動します。ポート(接続方法)の設定は[デバイスマネージャ]-[モデム]-[ZTE Proprietary USB Modem]のプロパティ中、[モデム]タブの[ポート]の所に記載されているものを選択します。普通は[COM?]とかそんな感じになっている筈。

・ビット/秒   115200
・データビット  8
・パリティ    なし
・ストップビット 1
・フロー制御   なし

で、下記コマンドで切り替えです。
>AT+ZCDRUN=8

下記のような反応が返ってきたらOKです。ハイパーターミナルを終了し、MF626を取り外します。
> Close autorun state result(0:FAIL 1:SUCCESS):1

ちなみに、CDデバイスモードへの切り替えは、下記コマンドです。
>AT+ZCDRUN=9

3-2. usb-modeswitchによる切り替え
 usb-modeswitchはdebianパッケージにも登録されているので、apt-getすればインストール出来ます。ただ、公式にも警告されている通り、最新版ではない場合もあるので要注意です。

$ sudo apt-get install usb-modeswitch

インストール後、MF626を挿すと、初期化が始まります。確認の方法はいくつかありますが、例えばUSBデバイスの一覧を表示するコマンドlsusbを実行して、表示される中に下記のような行があれば成功(の筈)です。

$ lsusb
...
Bus *** Device ***: ID 19d2:0031 ONDA Communication S.p.A. ZTE MF636
...

ちなみに、usb-modeswitchを入れていなかったり、切り替えに失敗していたりする場合には、下記(IDが19d2:2000)の様な表示になります。この場合は当然ながらモデムとして動作せず、接続出来ません。

Bus *** Device ***: ID 19d2:2000 ONDA Communication S.p.A. ZTE MF627/MF628/MF628+ HSDPA

旧版では設定ファイルを自分で書く必要があったのですけれども、最近のバージョンでは不要になった様子で、随分と楽になりました。と言う事で、何はともあれこれでハードウェアの方の設定は完了。後はダイヤルアップの設定です。

4. wvdialのインストール&設定
 ダイヤルアップには、wvdialを使用します。というか、本来はシステムの接続管理とか、せめてgnome-pppとかのGUIアプリから出来てしかるべきだし、見た目もスマートだと思うんですけど、何故か接続出来ないのです。色々試行錯誤してみたんですけれど、理由も不明。困ったものです。と言う事で諦めて使用する事にしたwvdialの設定方法は以下の通り。

・インストール
 インストールは下記コマンド。ちなみに、この時にモデムの探索と初期設定をする様子なのですが、バグがあるらしく、MF626を挿したままだとインストールが完了しません。インストール途中で抜いても大丈夫な様子ですが、一応あらかじめ抜いておいた方が良いでしょう。

$ sudo apt-get install wvdial

・接続設定
 接続関連のパラメタは下記の通り。設定ファイル(/etc/wvdial.conf)を編集します。

---------------------/etc/wvdial.conf ここから

[Dialer Defaults]
Modem = /dev/ttyUSB2
Baud = 115200
Phone = *99***1#
Username = bmobile@aeon
Password = bmobile
init1 = AT+CGDCONT=1,"IP","dm.jplat.net"
New PPPD = yes

---------------------/etc/wvdial.conf ここまで

なお、ポート(Modem)については、3台の異なるPCで試して全部同じ(/dev/ttyUSB2)になったのですけれども、環境によっては違うものになるかもしれませんので要注意。

以上で設定は完了です。接続は下記コマンド。pppd起動の際にルート権限が必要になる様子なのでsudoで。

$ sudo wvdial

これで繋がるはず。緑色のランプが点滅したら接続成功です。切断はCtrl-Cとか。

----------------追記

4-2.gnomeの標準ネットワーク接続アプリによるダイヤルアップ接続

gnome-pppも含め、システム標準の接続でダイヤルアップする設定方法が判明したのでメモ。要するにpppdの起動権限がデフォルトだと無いのが問題だったってわけで、ユーザのアカウントを権限のあるグループに追加してやれば良いらしいです。グループ名は[dip]。[システム]-[システム管理]-[ユーザとグループ]からグループに追加する設定をしてやれば準備OK。システム標準なら、b-mobileをプロバイダに設定したブロードバンド接続を作成してやればよいし、gnome-pppならwvdialでしたのと同様の設定を作ればよいわけです。

付記1. ブラウザの先読み設定解除
 イオンsimのAプランだと帯域が狭いので、多くのブラウザで標準設定されている先読み機能は帯域を無駄に消費してストールの原因になります。これは切って置くのが良いでしょう。firefoxなら、about:configからnetwork.prefetch-nextをfalseにするとか。

8/18/2011

[law] 収入印紙の偽造が頻発中らしい

やっぱり一度は出るのね、位にしか思わない話ですけれども、多数発生しているそうで。偽造は容易なものの、紙幣とは違って使用範囲が狭いし、流通性も低く、換金手段としては事実上チェックの厳しい金券ショップしかないし、今後速やかに行われるであろう警戒の強化によって殆ど拡大はしないだろうとは思いますけれど、頭の悪い人達が模倣とかしたりするんでしょうか。オークションで素人に売るとか?何にせよ容易に足がつくだろうし、金額面からもそれなりにかかる筈の費用の回収も困難であろう筈、結局のところ割に合わないだろうから、短期的な話なんでしょう。一万以上の印紙なんて、素人がそうそう使うものじゃないですしね。ただ、多少なりと手間のかかるショップの方々や警察各位におかれましてはご苦労様、という位でしょうか。

ていうか、印紙なんて普通は使う分だけしか購入しないものだし、間違った時も再利用とか還付とか出来るのだし、換金しようとする時点で不自然なわけでさ。加えて一万円の印紙何十枚やら千枚とか、無理がありすぎ。大方、一枚あたりの額面が大きいから手間の割りに良いとかいう考えなんでしょうけれど、その馬鹿さ加減には呆れざるを得ないのです。

偽造収入印紙詐欺 14都府県で被害
偽造収入印紙、全国各地に出回る 手薄な対策狙われる

[biz] Googleの携帯製造進出をめぐって

その目的とか今後の方向とか意味合いが判然とせず、周囲はおしなべて微妙に困惑気味なMotorola買収の件。特許戦略の一環だとか、Apple化を志向してるだとか色々と怪しげな憶測が飛び交っていますが、特許戦略だとするならむしろ邪魔になる製造・販売の部分が不釣合いに大きいし、Apple化と言っても今更排他的独占に転換するには無理があるしで、今一つ説得力が感じられず、どうにももやもやが続く今日この頃であります。

そのもやもや感からして、本件は上記のような整合的、戦略的に構成された意図に基づくものではなく、単に成長戦略、またそれを担保する有望な事業分野、サービス製品の候補が枯渇している状況にあって、有り余った資金を差し当たり動かす手段として適当に選定されただけ、とか、そんな感じの実質的にはあまり意味のない、投資戦略的な側面の強い買収とかそういう可能性の方が高そうに思うのですけれども。

もしそうではなく、本質的にGoogleの今後の事業戦略の根幹を担うものとしての位置づけであるならば、やはりそれはGoogleがGoogleたる所以であるところのOpennessを志向するものでなければならない筈だと思うのです。今回の買収は、その範囲が殆どソフトサービスに限定されていたところ、そのOpennessをハードウェアにまで拡大普及させる、というところにその目的、意義がある、とかいうものでないと整合しないと思うのです。ハードウェアの設計、製造まで含めてすべてオープンにする、って感じですかね。しかるに、単にMotorolaの事業を取り込み、シェアを囲い込むというのでは逆に矛盾してしまうし、仮にその特許やらDroidの設計だけをオープンにしたところで、実質的にあまり意味がない筈なのですよね。ARMとか、主要なコンポーネント関連も一緒に買収して取り込む位でないと、結局のところ本質的にproprietaryになってしまうだろうわけで。そこまで一気に踏み込むのか、中途半端で無意味っぽいけれどとりあえずMotorola事業単体で着手してみて様子を見に来るのか。

そこまで行くともう妄想に近い感じですが、そういう想像をしている人は少なくないだろうし、Google社内でも当然に色々考えられていて、大方のシナリオは作成済みなのでしょう。それが現実的であればその通りになる可能性が高いし、非現実的なら馬鹿を見るだけの話です。結局の所はよくわからないし、馬鹿を見る可能性が小さくはない事も間違いないんでしょうけれど。

いずれにせよ、というかハードのopen化が進むという事は、一義的には業界全体でその部分の既存の収益が消える事を意味するし、そうでなくても純正端末の参入はその高い訴求力によって確実にシェアをかっさらうであろうわけで、既存のAndroid機メーカーには致命的に厳しい話、特に依存性の強い日本国内メーカーはその存在意義とともに収益性の殆どを失うだろうし、業界的には残念なお知らせには違いないものなのでしょう。要素技術は別として、実質的にスマホ関連の開発業務自体の大半が消滅するから、それを支えている開発者は揃って仕事を失うわけで、こちらもそれなりに悲惨かも。もっとも、それで消える程度の事業というだけの事なんでしょうけれど。というわけで、皆固唾を呑んで戦々恐々、といったところかと思いますけれど、さてどうなるのか、Googleのアクションには要注目ですね。

一ユーザとしては、Motorola製のAndroid純正端末というのは、信頼性と安さと自由性を両立させる可能性が高いと思うし、その意味でとても期待出来るので、速やかな製品投入と普及を願いたいところです。このところはすっかりダーティなイメージが定着してしまったGoogleにそれだけの良心が残っているのか、少々疑わしい所ではありますけれど、期待出来ない事もない、とそう信じたいものです。

8/14/2011

[pol] 民主党の寝言に虚無を覚えるこの頃

イラつくどころの話じゃないですよね。最悪の首相がようやく消える、それはいいのですけれど、その次について色々飛び交う主張、またそれを発する人、どれ一つ取っても筋が通らない、寝言は寝て言え的なものばかりなのはどうしたものかと。

特に大連立の主張あたりは、これまで却下され続けてきた話と実質的に何も変わらず、野党側にしてみればデメリットの方が遥に大きい、民主党だけに都合が良いお花畑な話だし。ねじれを解消しようと言うのであれば、総選挙を行うべき、という筋論は、まさに前回衆院選の際の経緯、他ならぬ自身がした主張であるわけで、それを無かったことにしようとしても誰も納得しない事は明白、まさに愚か者の極みに見えます。

候補の面子をざっと見ても、野田、前原、鹿野、樽床、馬淵、ほとんど菅内閣の閣僚(だった)で、そもそも今回の総辞職に至る経緯上、その失政の責任を取らねばならない者達だし、その上不祥事やら違法行為で罷免された者だったり、惨敗した選挙の責任者だったり、いくら人がいないからと言って首相の資格などあるわけないでしょうに。その辺はこれから具体化するにつれて各方面から入るであろう突き上げであっさり撃沈されるんでしょうけど、そんな事もわからない阿呆達なのですね、というのも今更過ぎて虚しい話ですが。

菅が降ろされても、民主党政権でありつづける限り状況はさほど変わらず、法案を満足に成立させる事が出来ない、それ以前に提出、審議すらもままならない、したがってもう政権運営そのものが不可能である事は明らかなのだから、速やかに解散すべき事も明白です。その結果、民主党が再び政権を担うのでなければ、どうしたって受け入れられるわけもなく、徒に時間を浪費するだけでしょう。・・・という非難は山のようにあるけれども、聞く耳持たないんでしょうね。そうでなければこんな事にはなっていなかった筈ですし。嗚呼。

8/09/2011

[biz] エルピーダが地味に死亡寸前

2011年度Q1決算、売上高が-46%、当然のトリプル赤ですか・・・。負債もアホ程増えてるし見通しも真っ暗、任天堂と違って余力がないエルピーダでこれだと、常識的にはそろそろ整理フェーズに入るのかな、と軽く絶望を感じざるを得ない内容でした。これから追加リストラとかもするんでしょうけど、意味あるのかな。そもそも、DRAM主体という事業形態そのものが持続不能に見えるんですよね。基本的に規格品が中心で、競合各社間で品質にあまり差がない、文字通り売りがない製品なわけだしね。それはDRAMに限った事ではないけれど、周波数は頭打ちだし、微細化とそれに伴う容量向上にはまだもう少し余地がありそうなものの、それにはあまりニーズがない様子だしで、流石にもう引っ張るのにも無理があるんじゃないのかと思う次第なのです。

[過去記事 [biz] 2011年度Q1決算インプレ ]
[過去記事 [biz] 任天堂、3Dの泥沼 ]

[biz] 米住宅公社2社も格付け引き下げ

米国債の格付け引き下げに伴い、関連する債権ということで、すっかり忘れられていたファニーメイとフレディマックの2社も米国債と同じくAAAからAA+に引き下げられたとか。

筋から言えば当然の話ではあって、本尊に比べれば周辺的な話だし、あまり気にもされていない様子なのですけれど、本来単体であれば相当なインパクトがある筈、というかサブプライムバブル崩壊の折にはあれだけ騒がれた2社が再び危機に直面するであろう事態なのに、それが些細な余震程度に見えるというのは、逆に今起こっている変動の規模、その激しさを表しているものと解釈できるだろうわけで。色々楽観論もあるけれど、政策的にある程度緩和される形での縮小に向かう可能性は十分に高い事も事実だろうし、やはり大変な事態には違いないと認識せざるを得ないのです。

もっとも、今回毀損しつつある債権の価値、価格の性質として、バブル的というか過剰な信用に基づいて盛りまくっていた部分も多分にあるでしょうし、その縮小は長期的に見れば必ずしも悪い事ではないのだから、必然的、必要的な修正として受け入れるべきものなのかもしれないとも思うのですけれど。2008年の件で反省して、実質的なリスクを把握した上で回避していたところは、なんだかんだ言って大部分破滅は避けられるでしょうし、反省しなかった所はまあ自業自得という事で、むしろそういうのは退場した方が世のため人のため自分のためでしょうしね。

しかし、どこぞの政府やらは買い支えを公言したりしてて。そう誘導したい気持ちは分かるんですけど、実際問題として食われるだけの無駄だと思う、ていうかやるならせめて協調するのが当たり前だと思うんですけど、それ以前にハブられてる状況なわけで、どうにもならん話なんでしょうし。ただ、応急処置的な対応であれば可能な筈、やらないよりマシ程度であろうともその辺に注力すべき今この時に財務責任者が辞意表明とか、わけがわかりません。救えませんねホント。

他にも、当の米国では政府がわが国の格付けは云々とかのたまってますが、今回の格付け見直しは、前回のサブプライムの件で実態とかけ離れた格付けを政策的配慮の下に放置した結果、その主犯的な役割を担ってしまった事に対する格付け会社の反省の表れでもあるわけで、本来ならむしろ主要国政府が真っ先に法制化してでもそのように指導しなければならなかった筈の話、それを怠るどころか再び二の舞になるよう圧力をかけるとは、その無反省ぶりには失望せざるを得ません。茶番とはいえあれだけの機能不全を晒しておいて、何がノーリスクだ笑わせるな、って話です。

S&P Downgrades Fannie And Freddie, As Stocks Tumble To Their Lows Of The Day

[過去記事 [biz] 米国債格付け引き下げ ]

8/06/2011

[biz] 米国債格付け引き下げ

ついにやってくれました。来週は少なく見積もっても大荒れ、債権は勿論、為替も株価も先物も、何処までどう動くのか、興味津々なのでありますよ。日銀の残弾がどれ位あるのかは知りませんが、これのために取っておくべきでしたね、って今更言っても仕方ありませんけど。金融の世界はまさに地獄の釜が開いたというところで、中国政府も日本政府も銀行も、債権持ってる所の特に担当の方々におかれましてはご愁傷様です。一方でレッツパーリィだぜヒャッハー!な人も沢山いることでしょう。

しかしPIMCOあたりは売り抜けていたとかいう噂もあって、事実なら流石と言わざるを得ません。多分にインサイダー的な側面もあるのかもしれませんが。そして今回も嬉々として荒波に飛び込み当然に翻弄される個人。頭が悪いのは自分の責任だし、それと知って分の悪い賭けに身をやつすのも個人の自由ですけれど、あまり死人が増えないとよいですね。

ただ、今まさに破綻の瀬戸際に立つイタリア、スペイン等の欧州各国、さらに破綻予備軍と言われて久しい中国とか日本、そのあたりへの連鎖的波及、それは避け難いであろう筈なのですけれども、その程度と時期如何によっては個人の責任で済む範囲を軽々と超えてしまう可能性もあるわけで、各国ともその緩和にない頭を絞っているところなのでありましょうけれど、せめて時期をずらす位の事は頑張ってやって欲しいとは思うのであります。そんな余力があればこんな事にはなってない、のかもしれませんけれど。まっとうにリストラするしかなかった筈のところ、目先の利益に目が眩んで借金を無駄に増やした結果が現状なのですから。だからと言って、格付け会社を脅迫するといった違法な真似だけはしないと信じたいものです。既にしてるのかもしれませんがね。さて。

S&P DOWNGRADES US AAA Rating

--------------
米政府が圧力というか撤回を迫っていたという話も多々。ただ、その主張するところは、認識された債務の額について誤りがあるから撤回しろ、というだけの的外れなものなんですよね。そもそも本件は破綻可能性がない格付けだったところから、破綻の可能性が生じたために対応する格付けへ変更したものであって、すなわち少々数字に誤りがあろうと、それによって破綻可能性が消えるわけではなく、その予想される時期が前後するに過ぎないのだから、依然として可能性が生じたままである以上はそれに見合った格付けにせざるを得ない、って話なわけで。世間によくあるところの、自分に都合の悪い事実に対する詭弁にもならない非論理的な反応に過ぎないんですよね。アメリカの官僚もその程度か、と失望せざるを得ないし、むしろ破綻もむべなるかな、と。何処もそんなもんなんですかね。

米財務省が格下げに「待った」=ぎりぎりの努力は徒労に

8/05/2011

[note] 勤務中に私的Twitterしまくる人達

うーん。メーカーにいる知り合いの内で何人か、明らかに勤務時間中、それも出社直後から退社まで、殆ど途切れる事なく続けてる人がいるんですよね。趣味の話題オンリーで。一時間に10~20件位?本名は出してないし、スマホでやってる筈だから会社には気付かれにくいって事でやめられい止まらない、になってしまっているんでしょうけど、その程度は明らかに行き過ぎ、常識的には懲戒対象なわけでね。目に入ると色々気になってしまうのです。スマホ人口が増えたからか、最近急激に増えた気もしますし余計に。

実質的にも、情報収集でもなく、業界関係の交流とかの意味合いもない、業務とは無関係なコミュニティでのやりとりだから、単純に生産性が落ちてるというか、全く仕事に手が付いていないだろう事は明白で、実際問題として割と深刻な損失があるだろう思うんですけど。タバコ休憩どころの話ではなくてね。会社の管理方としては当然禁止されるものだからという事で特に通達とかは出していないだろうけれど、それを都合よく黙認と解釈しているのか、就業規則違反と知っての事なのか。後者なんでしょうけれど。

今のところ見える事例は全部他所様の事だし、それぞれ恩も恨みもないから、忠告も密告もしませんけど、凋落著しい国内メーカー、その主たる原因である所の開発力低下、その現状の一端を垣間見た気がして、色々と複雑な気分になってしまったのであります。只でさえ成長の余地が激減しているところに、基本的な活動、努力すら怠るようではどうにもならんでしょうから。

どうするべきなんでしょうかね。各々の現場で個別に是正すべきものではありますけれど、かと言ってネットワークが完全に外部である以上、それはそう簡単ではないでしょうし。となるとこれもスマホ&SNS普及の弊害という事で、そのうちそちらがやり玉に挙げられてもおかしくないところではあるけれど、といってその修正は容易ではないでしょうしね。そもそも性善的に人が動いてくれれば、と思うのですけど、それはもっと無理ですよねえ。うーん。困ったものです。

8/04/2011

[biz] 為替介入が撹乱要因としか

見えない件。今回の為替の動きについては、基礎要因も政治要因も重なったドル安傾向で、投機的というより当然の流れと言うべきものだったところ、日銀も日本政府も、多分に国内輸出業界向けの仕事してます的なパフォーマンスのための恣意的な操作として介入してしまったように見えますね。そして本来は為替を経済の実態に合わせて安定、均衡させる事が使命である筈なのに、逆にその流れに単に逆らう形で撹乱し、短期的なボラを急増させる結果になっている感じで、無秩序な動きに対処、という建前とは真逆になっています。これはいただけません。為替は一度揺らすと増幅されて無茶苦茶に動くもの、どちらかというと安定的に推移していた市場をあえて混乱させて、それで「よい介入だった」とか、早々と勝利宣言を出す閣僚の浅慮加減には呆れざるを得ないのですよ。今更な話ですけれども。

----------翌日追記
そしてこのありさまです。速やかに死んで責任を取って頂きたいですね。
株、連鎖安招いた円売り介入 理由なき欧米急落に疑問の声

[note] 「IEユーザはアホ」でメディア爆釣

そりゃ減少しつつあるとは言え、50%超のトップシェアのブラウザ、そのユーザのIQというのだから、平均値にしろ中央値にしろ、ほぼ全体とイコールになる事は明らか、全体より有意に低くなる筈もないわけでさ。ちょっと考えればわかるでしょ、と思うんですけど、沢山のメディアが盛大に釣られたご様子で。多くの人がIEに対して感じてるところの不満やらの表れなんでしょうけど、間抜けな話です。

「IEユーザーはIQが低い」はうそだった

[biz] MHIと日立の社会インフラ統合交渉

また激しくも解釈に悩むニュースが。サプライズには違いないんですけど。今回対象になっている事業主体の規模で言えば日立だけど、質で言えば三菱、どっちがどっちを取り込む話なのかよくわからないのですよ。経営面の合理性で言えば、三菱主体の形にして、傘下に入る日立側を超リストラ、とするのが適切だろう事は明白なんですけどね。本件は日立側のリストラ的な意味合いが大きい、というか三菱重工側にはリストラの必要がない以上、その逆はおそらくありえない話なんでしょうし。ただ実際どう裁くのか。単体では三菱重工は小さくとも、グループという括りで見れば三菱の方が大きいのだし、不可能とまでは言えなかろうけれども、相当に無茶な話に見えます。

一気に合併するには、複雑過ぎるんですよね。一応、事故を受けて縮小方向に激変したであろう原発業界の再編成って意味合いもあるにはあるのだろうけれど、双方の社会インフラ事業全体で見れば一部分に過ぎず、他の分野の方が大きいわけだし、それだけで合併というのは無理がある話、もしその意図が主なのであれば、原発事業だけ切り離して合併、とすべき所でしょうね。ていうか仮に報道の通り包括的に合併するとして、双方とも株主の同意とか取れるんでしょうか。

もっともまだ交渉開始ってだけの話、その構成、条件、方針やらでこれからモメにモメるんでしょう。リストラの日立と言えどもさすがに虎の子というか中核たる社会インフラ事業をただ切り離して終わり、とする筈もなく、一方の三菱重工も取り込む以外の結論は考えてもいなかろうわけで、双方とも絶対に譲れないだろう基本的なところでの衝突が予想されますし、破談になる可能性も非常に高そうです。その辺は双方とも承知の上で、実際には最初から単なる株価対策の見せ玉的な茶番としてやってるだけなのかもしれませんけどね。だとしたら迷惑な話です。さて。

日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う

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そんな感じに思っていたら、その日のうちになかったことに。グダグダですね。日立の中西社長は公言しちゃってたのにどうすんでしょ。まあ、三菱重工側は一貫して否定していて、日立側の勇み足な形だし、どうなろうと自業自得ですけど。

日立・三菱重工が事業統合へ交渉 合意至らず発表中止

8/03/2011

[law] ネット銀とか国連とか色々攻撃されて

るみたいですね。いずれも相当にヤバい話のようで。

まずネットバンクへの攻撃。アカウント盗んで不正取引、という話で、事実ならサービスが根幹から崩壊するわけで、ルビコン河を渡られてしまったというか、関係者の危機感は尋常ではないところでしょう。複数のサービス、システムが対象になっている点からして事実である可能性は高いんでしょうけれども。ただ、報道では普通のフィッシングによるもの、との推測がなされている点には、通常ネットバンキングサービスでアカウント毎に発行されている個別のパスワード表も取得する必要がある筈、部分的になら兎も角、そこまでの事が果たして可能なのかと疑問も感じる所ではあります。まだリアルタイムで間に入って、とかの方がありそうですけど、それも現実的なのかなあ、とも。どうなんでしょうね。システム自体がクラックされた、というのならそれはそれでさらにヤバい話になるわけですけれども。

日本全国の銀行ネットバンクで不正アクセスが相次ぐ

次に国連やら米政府やら。こっちは安直に中国が××、という構図。うーん。具体的な理由がない辺り、今一つ信憑性に欠けますけど、どうなんでしょう。日本国内では韓国バッシング発生中の時節柄、以前も発生した韓国からの逆ギレ的攻撃の巻き添えといった見方もあるわけですけれども、まだそちらの方が有り得る気もしますね。個別の時期、期間は公表されていないし、主体も含めて入り乱れてるんでしょうけれど。いずれにせよ相手が相手だけにシャレにならんわけですけれども、何考えてんでしょうね。何も考えてないんでしょうか。

国連や米政府に最大のサイバー攻撃 中国関与か
米マカフィーが発表 日本も2件


いずれも、これまでネット上の犯罪がほぼ野放しというかあまり追求はされなかった、その状況に阿呆な人達が増長した結果ではあって、色々と未成熟なネット上の社会システム、その不備を示すものなんでしょう。流石に一線を越えてしまった感はあるので、その辺の関係が変わる節目になるような気もしないでもありません。ていうか金融関係とか米政府機関とかに手を出したのは流石にヤバ過ぎるでしょうよホント。命知らずも良いところ、まさに俺たちに明日はない、であります。

7/28/2011

[biz] 任天堂、3Dの泥沼

任天堂もトリプル赤の大爆死、っていうか前年度比で売上げ半減、営業赤字が売上げ比で4割近いという目を疑う程の壮絶な決算でした。普通なら倒産一直線です。そして起死回生を狙って3DSの4割引きを発表と。3DSについては、コンセプトの段階で矛盾を抱えていたところ、不振を挽回しようと無理に強行してさらに事態を悪化させた格好で、だから言ったのに、という声が山ほど聞こえて来そうです。まさに泥沼といった感じですね。しかしこれで終わりかというと、まだ3DSがDSの後継機との位置づけは崩しておらず、自縄自縛に陥っている感じでもあって、まださらに落ち続けそうな感があるのがなんとも。

今回の値下げも、一応、高すぎる価格は確かにコケた主要因の一つではあったし、興味を持ちつつも値段だけを気にして購入を躊躇っていた大人は買うから、一定の効果はあるんでしょうけれども、健康面の悪影響は依然としてあるから、相当な割合のユーザ、特に子供とファミリー方面には大部分訴求出来ない事には変わりないんだし、自ずから限定的なものに留まる筈なんですよね。当然単価も落ちるからそれでは足りない可能性は高いものと思われるわけです。

そもそもの構成が矛盾に満ちたものであって、その中核たる3D自体が、多くの人に対して、訴求点になるどころか拒否反応を引き起こす事は確実だった以上、3DSはDSの後継たり得ない事は発売前から明らかでした。個人的には3Dはさっさと捨てて、以前のようにユニバーサルな方向へ向かい、中身の追求に注力した上で、自然な形で広く訴求していける道を探すべきだと思うんですけども、もうアイデアが枯渇してそれは出来ない状態なのかもしれないし、それならこうして衰退するのも仕方のない事なんでしょう。少々寂しい話ではありますが。

[過去記事 [biz] 3DS、らしくない任天堂 ]
[過去記事 [biz game] 裸眼3DのNDSって ]

[biz] 2011年度Q1決算インプレ

一言で言えば総崩れ。多くのメーカーで売上1割減少、赤字転落多数といった感じの大惨事になりました。東芝はかろうじて黒字を確保したもののほぼゼロ近くまで激減、ソニー、シャープ、パナソニックは純利益赤字、NEC、富士通に至ってはトリプル赤。いやNECは相変わらずってだけですけど。金融業界、資源業界は概ね健闘。焼け野原の中で、ソフトバンクの驚くべき超利益が唯一の例外といった所でしょうか。詐欺の件が気になりますけどね。

震災の影響がこの程度で済んで良かったと考えて早々と一息つく事が出来る状況なのか、回復の見込みもあまりはっきりしない現状、転落の真っ只中と考えるべきなのか、他にも、政策効果の剥げ落ちた分はどの程度影響しているのか、欧州・米国を中心とした連鎖的な地域経済衰退の影響はどの程度なのか、等々、通常なら一大要因となる規模の事象が入り乱れていて、一見しただけではその中身は判然としないわけです。だから、今後について詳細な見通しは立て難いでしょうし、ミクロにもマクロにも対策を見出し難い、きわめて混沌とした状況にあるように見えます。ただ、製造業全般における売上の急激かつ大規模な減少は事実であって、それはすなわち経済活動自体の全体的な縮減を意味するし、そのまま同程度の割合によるGDPの減少にも直結しているだろうわけで、とりあえず今年度一杯位は各種年度指標がぶっ壊れるでしょうし、実体的にも期待的にも凄まじい影響があるものと予想されます。

2008年の時より酷い、というかあれから回復もしていないのにさらにそれ以上に減少、というのだから戦々恐々ですね。まさにLike a rolling stone、というか押し潰される側?しかし一市民としては何が出来るわけでなし、泰然として日々を生きるしかないのです。さしあたりまだ決算発表も前半、さて後半にサプライズはあるかな。

[biz] Panasonicがまず三洋ハイアールを放出

リストラ第一弾かな?ただ、社員数は2000人とそれなりですが、額は100億と小さく、ほとんど無視すべき規模ですし、売却先は当然元からの合弁先ハイアール、ここの製品は元々三洋というよりまんまハイアールだったのだし、結局の所本件は実態に合わせて株式のやり取りをしただけのものに近く、リストラと言うには少々違和感も感じる所です。最初という事でやりやすい所から手を付けて、やってますよ的なポーズを取ったものに見えなくもありませんし。もっとも、旧三洋の某国内主力工場も閉鎖予定とかいう噂も耳にしますし、その他もとっくに着手済み、その目くらまし的な話なのかもしれませんけれども。さて。いずれにせよ、中国企業への売却の形には違いないし、時節柄注目されやすい事情はわかるんですけども、実質的には取り立てて注目すべきものでもない感じですかね。

パナソニック、三洋の白物家電事業売却へ 中国大手に

[過去記事 [biz] Panasonicが国内1.4万人リストラ ]

7/26/2011

[biz law] ベアリングでカルテル摘発

先日のラジエータ等の件に続いて、今度はベアリングで。公取委が頑張っていますね。今回摘発されたのは日本精工、NTN、ジェイテクト、不二越の四社。市場規模は4千億と前回に比較して一気に規模の大きい所に切り込んで来ました。摘発された事自体は、業界の競合っぷりからしていかにもやってそうな部品ではあったし、特段の驚きもありませんが、ラジエータの時と違って大手の一角であるところのミネベアが入っていないのが意外というか、それでカルテルとして成立するのか、したのか、いまいち腑に落ちません。単に今回対象になった件についてうまく逃げる事が出来ただけかもしれませんし、そのあたりは今後の捜査で明らかになるんでしょう

ともあれ市場規模の大きさからして、期間にもよるでしょうけれど課徴金は少なくとも数百億にはなる筈、当局の方々には、徹底的に容赦なく締め上げた上で懲罰金3倍返し位まで頑張って欲しいものです。もちろん他の業界もこの調子で。次に挙げられるのはどの業界か、身に覚えのある方面の方々は皆戦々恐々といったところだろうと思われますけれども、完全に自業自得だし、一方は検挙されて他方は逃れるというのでは不公平というものです。

ベアリング4社、カルテルの疑いで強制調査 公取委

[過去記事 [biz law] 自動車部品カルテルが摘発 ]

--------------追記・訂正
ミネベアが入っていないのは、今回摘発の対象となったベアリングは大型のもの中心で、同社が得意とする小口径のものは入っていなかったからみたいですね。大変失礼しました。

7/25/2011

[pol] 米債務を巡る与野党・政府間対立

一言で言えば、いかにも茶番っぽい感じな本件。大統領も民主党も共和党も、建前では色々対立っぽい事を言って、確かにその先の破綻可能性の高低という所では多少の違いはあるのだけれど、それは随分と先の話、それぞれがどう均衡するのか、またどちらが良いのか、それは結局のところ誰にもわからないのであって、今本質的に問題なのは、当面の米経済の方向性という点、すなわちドル・米国債のポジションをどの辺に誘導するかなわけでね。

その点で見ると、債務増加と歳出削減、またその組み合わせの中でどういう配分・規模にするかが俎上に乗ってるわけですけれども、いずれにせよその帰結の中で米経済の縮小は避けられないのですよね。だから、今の議論には、現実的な部分での意味がほぼないも同然であって、その意味で茶番に見えるわけです。実際、破綻云々は少なくとも数年以上は先の話、その時にどうなっているのか、何が最適解なのか、神ならぬ身ではよくわかっていない、それは間違いありません。

一市民としては、先の話は程々にして、今現在で基本的に均衡させて、少しずつ発展させる位が良いだろうと思うのですけれど。年を跨ぐ借金は緊急の場合と極低リスクの場合に限定してね。でも政治家は無理でも先の話をしなくちゃならない。でなきゃ支持されない、だから大部分しがらみやら思い込みやらから半ば強制される形で、遠い先の抽象的な危機のイメージをでっちあげ、あたかもそれが唯一の未来であるかのように主張し、その主張に対応する対策を必須のものとして主張しているだけなのでしょう。政治とはそういうものだ、と言えばそれはその通りなんでしょうけれど、それは現実とは言えない、有り体に言えば詐欺同然というのも事実であって、結局のところ、それはやはり建前に過ぎないだろうわけです。

その辺は当然当人らの大半も理解はしているだろうし、建前の裏には、やはり実質的な所での意図が別にあるのが常です。今回の件に関してのそれは、雰囲気作りというか、方向作りというか、グタグダと引き摺って、デフォルトの可能性を長期間に渡って薄くチラつかせる事で、その間にジリジリとドル&米国債のレートを低下方向に誘導するソフトランディングを狙っている、というところなんでしょうけれど。その影響をもろに被る日本とか中国とかの債権国の面々におかれましてはご愁傷さまです。知ってか知らずか、建前に一々右往左往する人達については、元々金目当ての自業自得な話だろうし、それで儲かる場合もあるだろうし、どうでもいいんですけどね。

7/24/2011

[biz] 中国新幹線が脱線・転落事故

運行面のお粗末さ加減からして時間の問題だとは言われていましたけれど、現実になってしまいました。死傷者の数は現時点で不明ですが、大惨事である事は必至、悲しい事です。

中国・浙江省で高速鉄道が脱線 死傷者多数か
2両が橋から転落


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原因調査とか今後の対策とか、そういう常識は中国にはやはりない様子です。しかし国外メディアの目の前でこの所業、わけがわかりません。

事故車両の運転席、当局が現場の穴に埋める 中国脱線

橋脚に寄りかかっていた車両については、救出作業も満足にしないまま、おそらくは犠牲者ごと引き倒し、重機で解体している様子、言葉もありません。犠牲者は死者が現時点で45人と発表されているのが最大の数字ですが、この状況と照らし合わせて見れば、虚偽である事は確実でしょう。事故自体の惨事に輪をかけて、極めて残念な事です。

7/23/2011

[note] Core i3-2100Tを導入

消費電力が低く、性能も随分と高く、かつ安価と聞いて、メインのサーバ兼PCを、二年程の付き合いだったAMDの5050eから移行しました。OSは当然従来のものを引き継ぐ形でUbuntu11.04の64bitです。その他部品は次のとおり。

CPU: Core i3-2100T
マザー: ECS H61H2-I2 ( Mini-itx )
メモリ: Patriot PSD34G1333KH(2GBx2)
HDD: WesterDigital WD5000BEVT
電源 : CorePower2-500W
CPUファン: Slim Silence i-Plus

ケースはEdenに使っていたケースに入れ替え、ケース付属の電源はコネクタが古くて合わず、変換ケーブルも無かったのと、容量が60Wで足りるか不安だったので、暫定的に予備に取っておいたCorePower2をケース外に置く変態的な形を取りました。CPUファンはケースの都合上、リテールファンだとギリギリ干渉しそうだったので追加したのです。ものの10分程度で組み上げ完了、とりあえずハード的には何も問題無し。

問題はその次、OSとその設定・データの移行のところであります。全部再設定するのは流石に面倒、ということで、最初は、元のシステムとはプラットフォームが違うという事で無理かなと思いつつ、駄目元で旧サーバのHDDを丸ごとコピーして繋いでみたのですけれども、やはり色々と設定が合わないらしく、リカバリモードとかでしか起動しませんでした。といって、ちまちま手動で直すのも余計に時間がかかりそうだったし、というわけで次善の策として、CDから元の設定を保持するモードで上書きインストール。したら、その最後のあたりで元からインストールされていたパッケージを再インストールするのですけれども、ここで原因不明のエラー。結局、アプリ等は大半再インストールして、confファイルとかも再作成する羽目になってしまいました。とほほ。一応、ユーザフォルダやユーザの設定は残ったのでそれは不幸中の幸いだったのですけれども、それ以外の/etcフォルダや/varフォルダ以下も初期化されて、再作成して大量のデータを後からコピーする必要もあったりして。まあコピーして待つだけなのですけれども、存外に時間がかかってしまったわけで。それでも、手間はそれなりに省けたし、出来ただけよしと思うべきなのでしょうか。うーん。

ともあれ、一度設定してしまえば、後は快調なものです。重めの処理をさせると、5050eより速くなったのが体感出来ますね。それでいて消費する電力は、ワットチェッカーで測ったところでは、普通の作業をしている分には30W程度、負荷をかけても40W程度。50Wは超えません。電源も効率的とは言えない部類なのに、何という優秀さ。素晴らしい。

5050eも悪くはなかったけれど、GPGPUのために大きいグラボを積んでた事もあって100W位行ってたから、実に半分以下になったわけです。節電・節約にもなって気分も良いですね。これならケース付属の60W電源をちょっと増強する程度で行けそうです。もちろんその代償として本機ではGPGPUが使えないわけですけれども、そんなに頻繁にやるわけでもなし。ちょっと測ってみたところだとCPU自体の計算力が2倍位になった様子で、それで全体的に底上げされてもいるし、特段の問題も感じません。

久々に気持ちの良いリプレースでした。手間と費用をかけた甲斐があったというもので、いつもこうあって欲しいと思うところです。後は連続運用で問題が出なきゃいいんですけれども。さてさて。

7/22/2011

[biz] Nokiaが大赤字、中国での売上4割減

Q2は500億超の赤字に転落したとか。スマホ一色の世界で有力なプラットフォームを持たないNokiaがジリ貧になるのは当然の話ですが、真っ逆さま、というべき急激な転落ぶりで、これには少々驚きました。まあ、ここ最近、Symbianの部隊を中心に超絶リストラしたり、色々売却したりしてて、なりふり構ってられない程度には窮状にある事も周知の事実ではあったんですけれども。中核たる途上国市場、その中でも最大規模の中国で、売上自体が4割も毀損するというのは、ジリ貧どころの話ではなく、存亡の危機にあると言ってよいでしょう。まさに一寸先は闇、であります。

一応、今回の赤字・売上減に関しては原因がはっきりしてるので、それに対処すれば、すなわちスマホの市場へ食い込めれば、まだ立ち直る可能性もある筈なのですが、ZTEあたりの中国メーカーも品質が上がってきているので、弾を用意する頃には既に入り込む余地がなくなってしまっている可能性も高いだろうし、全く容易な話ではないものと思われます。よりによってWindowsPhone採用というのもまた。もっとも、それでもシェア自体はまだ巨大だし、日本のメーカーの方が絶望的な感じなんですけどね。しかしあの巨人Nokiaが負け組転落ですか。凄まじいっすね。

Nokia's Chinese Death Spiral
Nokia Posts Less Terrible Q2 Numbers Than Expected, Still Imploding In Slow Motion

7/21/2011

[play] 第三舞台が再開公演をもって解散

しちゃうんですと。封印に入って早10年、封印の再の宣言通りに遂に再開、の矢先で、嬉しいやら寂しいやら。しかし鴻上さんももう52歳。月日の経つのは早いものです。切れ味の鋭い、心に突き刺さるようなメッセージに溢れた舞台には、随分と楽しませて頂きましたし、数え切れない程心を揺さぶられ、また勇気づけられたものです。一観客としては残念ではありますが、いつもの通り、彼らの選択が良きものになると信じて見送るべきなのでしょう。ともあれ、再開にして最後の公演、それに相応しい痺れるような舞台になる筈だし、期待して待ちますかね。

鴻上尚史さん主宰、劇団第三舞台が解散へ

[law] ウィルス作成罪で初の逮捕者

ウィルス作成による器物損壊罪による有罪判決が出て、ウィルス作成罪で新設された保管容疑での事例はいつ出るかな、と思っていたら、その翌日に初の逮捕者が出たでござる。なんともタイムリーな。

容疑者は川口靖博38歳無職、独学でウィルス作成方法を学んで、P2P利用者の無秩序さに立腹して懲らしめようと思い、ウィルスを作ってShareで流した、と。刑法の条文に言う所の「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」を、「正当な理由なく」保持した、という要件には綺麗に当てはまりますね。未遂も罰せられる本罪ですが、本件は既遂でもあって、その点で立件はし易かったところでしょう。

作者が摘発の対象になる事には議論の余地はありません。しかしこう簡単に作者が見つかるとは、少々予想外で驚きました。筋から言えば作者の方が先に摘発されるべきなのは当然ですが、匿名のネットワーク上で転送を繰り返すウィルスの性質上、一般には作者を見つけ出すのは容易ではないし、末端の利用者が先に立件されて物議を醸すものとばかり。ともあれ、量刑については、前日の器物損壊罪での判例に倣うなら数年単位の割と重い懲役刑の適用が予想されるところですが、さてどうなるか。その次は、懸念の焦点であるところの、単に保管しているだけの者が立件されるのか、されるとすればどう扱われる事になるのか、というところで、引き続き要注目です。既に候補者はそれなりにリストアップされている筈でしょうから、警察、検察の判断次第な筈なのですけれども。

ウイルス作成罪初適用、38歳男逮捕 パソコンに保管容疑
警視庁


[過去記事 [law] ウィルス作成による器物損壊、懲役2年6ヶ月]

7/20/2011

[biz] 米政府がデータセンター4割削減

を計画中だそうです。要するに組織毎にセンターを持つ形で重複が酷いから集約しようというだけの話なわけですけれど、驚くべきは現在の保有数で、その数約2000とか。すげー。その4割だから、実に800箇所ものセンターを閉鎖する事になって、数千億単位での予算削減見込まれると。すごい額です。IBMはじめITベンダには相当のインパクトが避け難いものでしょう。しかしそれでも、数百兆円に及ぶ予算削減計画の一環という事で、全体からすればほんの一部に過ぎないわけで、これまたすごい話なのです。さすが超大国、リストラもスケールが違う。そのダイナミックさを見るにつけ、大国が実際に破綻しつつある財政を均衡させるには、これ位はしなければ立ち行かないという現実と、それを前にしても、何処までも現実的かつ具体的な対応を追及する米国の運営システムの真価が現れているように見えて、色々と考えさせられてしまいます。

振り返って米国より遥かに深刻な事態に陥っている筈の日本は、IT投資を集中選択するどころか必要でもないスパコンに散財し、未だに主たる経費であるところの公務員や各種余剰組織の削減については議論が始まってもおらず、ただ事態を悪化するに任せ、現実逃避を続ける体たらく。近く訪れるべき破綻の時、その政府の支出に依存している国内IT産業はじめ多くの企業・人が、今回の米国における削減どころではない喪失を前にして如何に醜態を見せるのか、いや既に醜態と言うべき状況になっているのかもしれないのだけれども、想像するに気分が極めて悪くなる次第なのです。

U.S. to Close 800 Computer Data Centers

[biz law] 自動車部品カルテルが摘発

ラジエータ等の自動車部品業界で大規模なカルテルの嫌疑がかかって、公取委のガサ入れがあった、と。被疑者の顔ぶれは、デンソー、三菱電機、日立、ホンダ系のミツバ、日産系のカルソニックカンセイ、トヨタに近いティラド、と国内の全自動車メーカーをほぼカバーする範囲という事で、それはカルテルを機能させるために必要だったんでしょうけど、こんだけ沢山のプレイヤーが関わってたらバレるのも当然、仕組み自体が無理だった、とそのように思われます。しかし始まったのは遅くとも2002年という事だから、10年近くは発覚を免れてきたわけで、相当上手く隠すシステムを確立していたのか、単に運が良かったのか、公取委の怠慢があったのか。いずれにせよ、その報いは存分に受けるべきところです。各々が得た利益の3倍返しくらいで。

2002年当時頃と言えば、いわゆる系列の崩壊が進んでいた頃で、それから今日に至るまで続く自動車メーカーからの苛烈な値下げ圧力という事情があった、そこには多少なりと同情できなくはない側面もあるでしょう。しかし、それはこの業界に限った事ではないし、他の業界の多くでは個々の技術革新と合従連衡によって業界全体としてコストを削減し、それでも多くの企業は淘汰されつつ、その態様には是非緒論あれども、業界自体が適応していったわけで。いかに系列時代との落差が激しく厳しいものであったとしても、本業界が特に保護されるべき理由は何処にもない、むしろ業界自体には存続に足るだけの需要があっただけ恵まれていた筈なのに、その事を理解せず、従来の地位に安穏とするために違法な協定に手を染めた、その安易で卑劣な振る舞いには、極めて残念な思いを禁じ得ないのであります。

まあ、同様の話は他にも山ほどあるんでしょうけどね。公取委には、速やかに摘発の上、再発防止のため、厳罰の適用を願う次第です。

車部品カルテルの疑い デンソーなど7社立ち入り
公取委

[law] ウィルス作成による器物損壊、懲役2年6ヶ月

ちょっと予想より量刑が重い気がしますけど、そんなもんでしょうかね。ウィルス作成罪に移行するので、器物損壊で扱われるのはこれが最初で(?)最後になるのかもしれない特殊なケースではあるのだけれども、量刑の基準的にはおそらく引き継がれる筈、という事で注目されていたところの本件。ウィルス作成罪に規定された懲役刑の上限3年にほぼ近い形で、ここ数年の厳罰化傾向を踏襲した格好になりました。第一審ではありますが、東京地裁の判断は割と安定しているので、今後の参考になる判決であろうかと思われます。

もっとも、今回は事実関係についてはほぼ議論の余地もなく、弁護の内容も素人丸出しのお粗末なものだったので、上限を適用するに躊躇なしであっただろう事からすると、当然というか自明の結果とも言えるでしょう。問題は、ウィルス作成罪において新たに刑罰の対象となった、所持作成のみだとか、被害が潜在的なものに留まる場合にどう扱うのか、という未知の点であるわけで、それは今後に持ち越しです。もちろん実際には適用がなされない、というのであればそれが望ましい話であろうけれども、適用されれば、その影響は非常に大きい事も間違いないという事で、いずれにせよ不安定な現状、司法側の公式スタンスがどのあたりにあるのか、出来れば早めに知りたい所であります。予防を建前にした警察権力の濫用も懸念されますから。

イカタコウイルス作成者に実刑判決 器物損壊罪
東京地裁、懲役2年6月

7/18/2011

[biz] ギリシャ短期国債利率が35%目前

つい先月25%超えたって驚いたところだったのに、もう35%とかホント容赦ないっすね。それでもまだストとかやってるらしいし、絵に描いたようなデフォルト一直線、まさに地獄です。イタリアも上がり始めてて、まだ5%手前だけれども、気が付いたら似たような感じに、とかなってたりするんでしょうか。日米も早晩後を追いかねない瀬戸際に立ってて、割とマジで今年は年を越せるのかわからない感じです。さてどうなることやら。とはいえ、一小市民としては気にしてもしょうがない話、なべてこの世はケ・セラ・セラ、で生きていくしかないのですけれどもね。

Greek Yields Continue Surge Into Uncharted Waters

[過去記事 [biz] ギリシャ短期国債利率が25%突破 ]

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そんな事言ってる間にあっという間に35%突破して既に40%目前。なんくるないなんくるない。
Holy Cow, Greece!

7/17/2011

[note] 休息

去る者は日々に疎し。どんな悲しみも、時につれて遠ざかっていく。けれど、忘れちゃいけない事がある。来し方行く末に思いを巡らせつつ、しばしの休息。

7/15/2011

[law] 光市事件の懲戒請求訴訟、最高裁で棄却

一審での前面敗訴から二審で半分になって、最高裁でついに橋下知事の全面勝訴。そもそも橋下氏側には業務妨害等の害意があったわけでもなく、制度の啓蒙をしたに過ぎないのであって、むしろその意図としては、弁護士制度、ひいては司法制度の適正な運営に向けられていた、すなわち公共の利益に資すると解するのが相当に思われるようなものだったのだから、当然と言えば当然の判決でしょう。

それに便乗して、単に安田弁護士はじめ当該弁護団を攻撃するためだけに懲戒請求を出した人達については、個別に業務妨害等に問われるべき場合もあるんでしょうけれどもね。もっとも、懲戒請求を業務妨害扱いしてしまうと、それこそ制度自体の否定になりかねないわけで、彼らとしては、自らの非を認めないのであればこうするより他は無かったんでしょう。

しかしだからと言って免責されるべきではないだろうと思います。そもそもの発端であった光市事件の弁護の時から、彼らの活動、言動は完全に常軌を逸していました。その内容は、如何なる責務を斟酌しても、正当とは到底言えないものだったのだから、本来社会正義の代弁者たらねばならない弁護士としては非難を受けるのは当然だったし、少なくともその非難は謙虚に受け止めなければならなかった筈なのです。そこで自己正当化に走って逆ギレ、責任転嫁の挙句に訴訟にまで及んだ時点で、訴訟の行方がどうであろうと、もはや弁護士として不適格である事は明白でした。遅きに失してはいるけれども、この期に及んでは、速やかに除名等の処分が下される事を願う次第です。

橋下知事に賠償責任なし 光市事件の発言巡り最高裁判決

[law] 賃貸更新料有効の最高裁判断

高裁までの流れをぶった切っての有効判決が出ました。任意による契約の要素である以上は原則有効、というだけの事ですね。慣習的にも広く認められてもいますし、更新料を一方的に値上げするだとか、特段不合理とすべき事情があれば別なのでしょうけれども、本件に関してはそのような無効とすべき程の事情はない、という事で、それはそれで妥当な判断のように思われます。

本件自体はそれで良いと思うのですけれども、過払いに続く特需を期待していた弁護士及び書士業界の中には、それなりにショックを受けたり落胆したりする向きもあるでしょう。でも影響があるのはそれくらいかも。要するに現状維持ってだけの話なのですから。個人的には、関西あたりの2ヶ月分以上が当たり前っていう更新料は、一時的な支出として高すぎるとは思いますし、月々の賃料に分散させた方が賃借人としては支払いやすいだろうから、双方にとって便宜だろうと思うんですけどね。

賃貸住宅の更新料「有効」 最高裁が初判断

7/13/2011

[biz] MRAM開発で東芝とHynixが提携

したとか。長年の間、実用的な容量での製品化の目処が立たず、開発費を浪費し続けた挙句、殆ど忘れられかけていたMRAMが突然の復活?です。本件における製品化のターゲットが2014年、三年後と短期的な話である点からして、何かブレークスルーがあったんでしょうか。今回の開発拠点はHynix側という事だから、あったとすればそれはHynix側なんでしょうね。で、東芝はそれに乗っかろうとしてる、と。それが本当なら歓迎すべき話であろうかと思われます。

ただ、それこそ数多の大手が長年挑戦し続けたにも関わらず、これまで製品化の可能性を見出せなかった、殆ど幻の技術と言ってよい程の大容量MRAM、その開発の高い難度に加え、元々さほど開発力があるわけでもなく、しかも経営的には瀕死状態というHynixの状況からすれば、どうにも胡散臭い感が否めない所です。公的資金獲得のための見せ玉的な何かのような気がして仕方がない。実際、三年で出来る事なんて、生産技術の改良ぐらいがせいぜいだし、基礎技術の研究開発は既にあらかた終わってないといけない話なのだけれど、その辺の話が殆ど聞こえてこないのは、如何にも不自然に思われるのです。現在標準であるところのDRAM+NAND Flashと伍するには、少なくとも数十倍から数百倍、結構なレベルの飛躍的な改良が必要な筈なのにね。

大方の見方はそんな所であろうと思われるし、東芝もその辺は承知してるだろうから、怪しいけどとりあえず出来るって言うから眉唾で乗ってみた、という感じかもしれませんね。まあ、お手並み拝見です。

東芝、韓国ハイニックスとMRAM共同開発で合意
東芝、次世代メモリーを韓国大手と共同開発

7/11/2011

[biz law] いすゞのNOx規制逃れの件

泥沼化してるみたいですね。エンジン制御を工夫することで脱硝装置なしでもNOx排出規制をクリアした、として低価格・高性能を謳っていた車種について、確かに法定の試験ではパスしたけれど、都が独自試験で実際に走らせてみると3倍程度も超過する場合が普通にある事がバレたっていうあの件。6月にリコールしてた筈だったんですけど、当然ながら具体的な解決策はまだ見つかってないらしく、都の怒りがむしろ増幅されて、国に立法規制を求める事態に発展してるとか。

本件について、いすゞは意図的ではないと一応釈明してますけど、嘘である事は明白です。本件のNOx数値のような、まさに開発のターゲットであるところの数値について、開発過程でその特性を把握していなかった筈はありません。それもほぼ通常モードですよ?ありえない。おそらくはむしろ逆、ごく一部の理想条件下以外では全く意図通りの性能にはならない、そういう技術である事を承知の上で、試験に通るようにチューニングした、というところかと。もっとも、そういう、試験向けにするその場しのぎの詐欺的な化粧というのは、往々にして建前と現実のギャップが激しい「画期的な新技術」を謳う技術の商品化にあたってはよくある事です。ただ、今回の3倍とかは誰が見てもやり過ぎ、詐欺認定されてしまうレベルなわけで、法規の強行性に照らしても、いすゞがあまりに無謀だったというだけの話なのでしょう。

リコールにあたっては、パラメタ調整とかエンジン設計の見直しとかで対策する、とかいう話ですが、そもそも基本技術が現時点で存在しない以上、まずもって実現出来る見込みも無く、仮に出来てもどれだけ時間がかかるのかも分からない、最低でも数年はかかる、そういう状況である事は間違いないし、まず無理でしょう。結局の所、大人しく脱硝装置を付けるとか、既存の実績ある技術を適用するしかないものです。馬鹿らしい。開発者も経営者もみんな揃ってその馬鹿さ加減の報いを受けるが良いのですよ。

東京都、NOxでいすゞに激怒