4/28/2012

[biz] 2011年度決算前半インプレ

兎にも角にも様々な事があった2011年度。復興需要を取り込んで勢いづくセクターあり、欧州バブルの崩壊、また壊滅的な需要急減の前になすすべなく崩壊したセクターあり。非常に混沌としたその社会・経済状況を反映して、各社決算も非常に多様なものになっていますね。

その中でも例外的にセクター全体として好調なのは建設関連。不動産は地域にもよりますが概ね逆なのがミソです。次いで会社間の差異が大きいけれど通信。ソフトバンクの好調ぶりは嫌でも目に付きます。どうしても料金詐欺の件がチラつきますけど、まあ世間が忘れているならそれはそれで問題ないという事なんでしょう。殆ど死角は無いようにも見えますが、好調を支えるAppleのイノベーションにネタの出尽くし感が漂い始めているのが不安要因ではあるでしょうか。

期末の円安に振れた為替変動、それに伴う円建株価の急騰の恩恵を受けただろう筈の金融証券セクタは、意外とバラバラ。欧州債権関連の影響が大きかったところでは赤字転落もあるくらい。株の急騰がなかったら総崩れだったんでしょうか。ともあれ、全体的には致命傷には至らず、比較的良い部類に入ったものと言うべきでしょう。

さて。言わずと知れた電力、また軽電関連は、部品メーカーも含めてもはや何も言うことはない程の惨状です。NEC、Sharpの二社は従前の予想通り。その多くが2012年度予想も営業自体はさほど改善見込みもなしで、来年の今頃はどうなってることやら。コンシューマ向け産業崩壊の象徴の一つであるところの任天堂も、為替差損が縮小したものの大赤字には変わりなし。自動車は致命的とまではいかずとも多数が不調。

そんな感じで。Q1の頃の総崩れ感からすれば、相当に持ち直したように見えますが、それは単に元の目を覆うばかりな惨状、それから相対的に改善したに過ぎないのだし、既に今は亡きエルピーダも含め、切り捨てられた、もしくは切り捨てられつつある部分が多々あるわけで。その陰は拭い難いところ、一安心、と言うにも躊躇を覚える、そんな複雑な本決算前半でありました。もっとも、海外の企業は概ね好調と言って良い状態なので、余計に悲惨に見える面もあるのかもしれませんけれども。