12/26/2013

[IT] Baidu IMEのキー入力スパイ機能告発の今更

Baidu IME利用時にキー入力が全て百度のサーバーに送信される事をして、情報漏洩だと騒ぐ報道がなされているようですけれども。いわずもがなな話ですが、何を今更、としか言いようがありません。

サーバー上で変換を行うクラウド系IMEは、その膨大なバックデータから抽出された語彙文脈情報を利用してローカルIMEに比して遥に高度でタイムリーな変換を行うものですが、その構造上ユーザの全キー入力を一旦取得する事は最初から明らかで、無断でも何でもない当たり前の話なわけです。それを今更あたかも不正取得されたかのように騒ぎ立てるのには、流石にちょっとミスリードが過ぎるんじゃないかと思うし、呆れを抱かざるを得ません。そんなの当然に承知の上、というか気にしないから入れた筈でしょうと。

中国系の無料ソフトやオフィススイートなんかと抱き合わせ的にインストールされる場合をして、ユーザに殆ど無意識で導入させるケースも多々あるのは事実でしょうけれども、それにしても各ユーザの選択の結果なのだし、報道に挙げられたような公的機関やら情報管理の要請が強い組織の人員なら当然に十分なチェックが行われてしかるべき話なわけで。そうは思わなかった、考えもしなかった、というのでは、さすがに無責任に過ぎると思うのです。言ってて恥ずかしくないんでしょうか。

そもそもこれは百度に限った話ではなく、そのオリジナルと言うべきGoogleIMEだって同じ、というかクラウド系IME全般に共通する話なわけですし。まさかEvernoteとかも同じような文脈で非難されたりするんでしょうか。そこまで行くと、もうプライベート系以外は全てアウトになってしまいますが、それならそれで、元からある一つの立場に落ち着くだけの事です。けれども、そこまで意識しているなら、最初からクラウド系の導入には慎重であってしかるべき話なわけで、やはり何も考えていないだけなのだろうなと、改めて呆れざるを得ないのです。

本文です 百度ソフト、便利で人気だが「まるでウイルス」

やはりSimejiもか。こっちは利用者がBaiduに比べても格段に多いし、ローカル設定にしても送信する仕様だった事もあって大慌てな人達がたくさんいるようです。ご愁傷様。

中国検索大手「百度」、情報の一部を無断送信

12/25/2013

[pol] 南Sudanでの弾薬輸出実施、その無謀

South Sudanで、Japanese forceがSouth Korean troopsに弾薬を提供した件、さすがにまずい感がとても強く感じられます。終戦以来、憲法の規定を背景として形成され、長期に渡り国家のポリシーとして堅持されて来た武器禁輸、それを公然と、しかも一切の事前了解も無く破ったものには違いないわけで、集団的自衛権を容認する憲法解釈変更すら未だ行われていない中でのこれは、まず暴挙との誹りを免れないところでしょう。

確かに緊急避難的な事情があれば例外とする余地もあるでしょうけれども、相手側すなわち韓国は政府トップが就任以来公然と日本を敵国と見做す立場を取り、外交的に攻撃を加え続けているわけで、仮に現場が切迫していた事が事実であったとしても、公的にそれを認める事は政治的に困難であろう事は明らか、従って、公式には、切迫性も緊急性も、必要性すらなかったものとされる可能性が極めて高いところなのであって。どうすんでしょう。やってしまった事はもう取り返しがつきませんが、正当化は困難だろうし、政府としてやらかした感がひしひしとします。これ単体で致命傷とまではいかずとも、秘密保護法の件と併せて支持が大分失われるだろう事はまず確実、といったところ、大丈夫なんでしょうか。

12/24/2013

[note] ubuntu13.10のibusでキーボード配列が勝手に英語になる不具合

ぶっちゃけ色々と酷い感じながら、戻すのも面倒なので無理しつつ使っているUbuntu最新版13.10ですけれども。今日になっていきなりキーボード周りがおかしくなって困りました。その経緯と対処、あと愚痴をメモ。

何かと言うと、久しぶりにサーバー機を再起動した後、日本語入力をしようとしてibusの切り替えをすると、キーボードの配列設定が勝手に英語に切り替わるようになってしまったんですね。ibusの設定で切り替えキーは日本語配列にしかない半角/全角キーを割り当てていたので、英語配列だと以降は日本語入力が出来なくなってしまうのです。それも、システム(gnome)のキーボード配列では日本語配列しか登録していないにも関わらず。わけがわかりません。

一旦ログオフしてログインしなおすと配列は元に戻るのですが、ibusの切り替えをしようとすると再発します。それも再現性100%。何かまたアップデートでバグ混入か、13.10で新しくなったibusはほんと酷いなあとうんざりしつつ、これだけ酷くかつはっきりしたバグならもうworkaroundも出てるだろう、と他の端末から調査に臨んだところ、程なく応急措置が判明。それは何かと言うと、ibusの設定中に勝手に追加されている英語を削除する、というもの。具体的には、ibus-setupのダイアログ、その[インプットメソッド]タブ中のメソッドリストから[英語-English]を選択して同タブ中の[削除]ボタンを押して消すだけ。[日本語-Japanese]は残しておいて大丈夫。そしてibusを再起動(もしくは再ログイン)。これで治りました。というか不具合自体は残ったままなんでしょうけど、英語配列にならなくはなりました。とりあえずは解決です。

ともあれ、日本語も入力出来るようになり、こうしてポストを書いているわけです。それはいいのですけれども。私の記憶が確かなら、この今回削除したインプットメソッドリスト中の英語、というか日本語(Anthy)以外は、アップデート当初の不具合への対処中に削除しておいた筈なのです。ということは、英語のメソッド設定、あれはおそらくアップデートで復活していたという事なんでしょう。であれば、アップデートにまでバグを入れてくれた事になるわけで、初期の切り替え不能の不具合にしろ、ibus周りの管理者は英語以外の言語に対する排除主義者なのか、それとも単なる阿呆か。いずれにせよ多言語前提のシステムのメンテナとしては不適格だと思われる酷さで、ユーザとしてはいい加減勘弁してほしく思うわけです。いや本当に。

しかし、酷いのはibusだけじゃないのが何とも。compizとgtk周りの不具合も大概ですし。canonicalの開発/チェック体制はどうなってんでしょう。mobileに注力?といっても、その辺の話はもう全然音沙汰すら無い感じなわけで、一体何をやってるんでしょうね。謎です。うーん。Mirもボロボロでコミュニティの支持は全く得られてないし、全体的に色々とよくない感じが・・・。ともかく今回はこれでおしまい。

[関連記事 [note] Ubuntu 13.10導入 ]

12/21/2013

[biz] 車関連技術に相次ぐ基本的欠陥の発覚

このところ、どうも車関連、特に新技術に関連して色々とよくないニュースが続いているようで残念です。

EVのバッテリー炎上に始まり、マツダCX-5のプリクラッシュデモでの事故発生、直噴エンジンの微粒子(PM2.5)過発生の発覚、そしてフィットHVのECUプログラム欠陥の顕在化。

新技術には欠陥はつきものとは言え、どれも人命に直接関わる深刻な欠陥なわけで、各社とも性能やら消費者への目先の訴求ばかりを追いすぎて、大前提である筈の安全性を軽視してしまっているものと疑わざるを得ません。

特に、直噴エンジンの微粒子発生については、本来環境への負荷を減らすべく導入された筈の技術で有害物質を増大させているわけで、本末転倒と言わざるを得ず、とりわけ酷いもののように思われるところです。社会的に強く問題視され始めたのが比較的最近で、そのためにその他排出ガスに比べて規制が緩い事が背景にあるんでしょうけれども、無規制ではなかった以上は認識出来なかった筈もなく、あえて目を瞑ってきたメーカーの姿勢については誠実さを欠いたものと言わざるを得ません。

報道記事では具体的なメーカー・車種は記載されていませんでしたが、1.2Lの直噴エンジンという事ですから、おそらくは日産のノートでしょうか。そうであれば、ノートは非現実的とも言うべきEVの普及に固執してきた日産の中では比較的現実を見据えた構成に見えて好ましく思っていたのですけれども、結局は環境への配慮など単なる建前、というに止まらず、実は真逆だった事が明らかになってしまったわけで、とりわけ残念に感じられます。もっとも、直噴エンジン自体はマツダやホンダ等他社でも主力に据えられている構造なのだし、日産に限った話、というわけではないんでしょうけれども。

あとフィットHVの件については、いつかは起こるだろうと言われていたソフト制御の欠陥がほぼ初めて致命的なレベルかつ明確な形で発生したもので、その時点で戦慄を禁じ得ないわけですけれども、よりによってホンダが社運をかけたと言っても過言ではない本命車種で発生してしまったということで、販売期間に比して見たユーザの多さ、それに伴う影響の広さ、大きさがまたそれに輪をかけます。

本来、万が一にもトラブルを起こしてはいけない筈の新製品では当然に何重にも防止が図られていてしかるべきもののところ、さらにそれが既に一度発生してリコールを行ったにも関わらず、さらに深刻さを増して即再発した点からすれば、この種のソフト面の不備一般の常識的に見て、今回の改修で全て改善されるものとはとても考えられず、高確率で再発が懸念されるところです。常識的には一旦販売停止とし、販売済みのものも回収した上で対応すべき性質のもののようにも思われるところですが、今の所ホンダにその考えはないようで、先行きに不安がかきたてられますね。まあその費用を思えば当然というところなんでしょうけれども、しかし米国版の販売も迫る中、多分に欠陥を抱えたまま販売を続けるリスクは尋常ではなく、死人でも出れば全てが台無しになる筈なわけですが大丈夫なんでしょうか。その辺は全てホンダの自由なのですけれども。

あっちもこっちも憂鬱な話が続きます。ただ、前期から今期にかけては少なくとも各社とも販売好調で、仮に相当の揺り戻しが来てもカバー出来るだろう点が救いではあるでしょうか。単に経営的には問題ないというだけで、社会的な損害が確実に増えるだろう、その意味で遺憾な話には変わりないのです。残念です。

12/11/2013

[law] 最高裁が元女性な夫と人工授精児間の父子関係を認定

うへえ。性転換した夫と、他人の精子を用いた人工授精による妻の子との間の父子関係が争われていた審判訴訟について、一審二審ともに棄却の判決がなされていたところ、最高裁でまさかの判決破棄、父子関係認定の決定が下されたのだそうで。

小法廷での判決、しかも裁判官五人中の二人までが反対するという、極めて怪しい判決ではありますけれども、最高裁の判例が出来てしまったという事で、当面はこれが公的な法の立場という事になるんでしょう。しかし、この判決は、単に個別の親子関係に関する審判に止まらず、生物的な事実と真逆な関係を法的に認めるものであり、性転換者のみならず、一般の血縁関係の概念、すなわち生物的、物理的な事実にその基礎を置いていた筈の諸々の法的実体の概念、その基本的な構成自体を転換する意味合いも必然的に含まれる以上、その影響は尋常ではなく、最高裁の決定と雖も、これを以って終わりとなる筈もないわけで。既に各方面で異議の声が挙がっているのも当然の話、個人的にも極めて強い疑義を禁じ得ません。

既に決定中の反対意見にもある通り、生物的に親子ではない二人の人間の間に血縁を認める事は出来ない、それは明らかです。"血縁"という言葉の定義から殆ど自明と言ってよいでしょう。判決の理由には、男性として婚姻を認める以上、生物的な事実とは無関係に嫡出の推定は働かせるべき、としているそうですが、論理的な妥当性があるとは到底言えないでしょう。

そもそも血縁がない事実が明らかなところに、その"推定"などありえないし、生物的な事実関係を無視する点についても、そんな暴論が通るのなら、再婚者の嫡出否認規定はじめ、およそ法において人間の生物的な性質に基づく膨大な規程が全て無意味という事にもなります。どう説明をつけるつもりなのでしょうね?というか、裁判官は人間を何だと思っているのでしょうか。科学的に理解された生物的な性質、その制約を超越した空想上の存在とでも言うつもりなのでしょうか。全く以てわけがわからないわけですが、どう捉えればいいんでしょう。困りました。

性別変更の元女性と精子提供で産まれた長男は父子 最高裁

[関係記事 [law] 元女性な夫と人工授精児間の親子関係否認 ]

12/03/2013

[biz law] NTT西の営業がKDDI回線用機器の電源を複数故意に切断

なんじゃそれは。NTT西のフレッツ光の販売代理店営業が、マンションに設置されているKDDIの光回線用機器の電源を落として回っていたとか。容疑は不法侵入、有線電気通信法違反、あと切断時間は数時間とのことですが、その間利用者が回線を利用出来なくなった分の不法行為に基づく損害賠償責任も発生しますね。それにKDDIに対する業務妨害も。

容疑者は樋渡丈二、九州北部の容疑者が担当していた数十にもなる複数の他マンションでも同様の被害が確認されているとの事で、これはまた無茶苦茶やったもんだと。

仮にもNTTから正規の委託を受けた営業が、何故そんな犯行に走ったのか。動機は何でしょう。営業所あたりの組織的なものなのか、容疑者の独断なのかはまだ不明ですが、いずれにせよ、その犯行によって起こされた通信障害を引き合いにして自社サービスの優位性を顧客に主張する事による顧客獲得を狙った、とかそういう事なんでしょうか。そうだとしたら、それはまさに詐欺師のやり口そのものであって、刑法的な意味での極めて悪質な詐欺にもあたるわけなんですけれども。そもそも実際に効果が期待出来る手段とも思えないし、その正気を失った所業には戦慄を禁じ得ません。

本件が常軌を逸している事は明らかですが、おそらく、全くの単なる狂気というわけではなく、固定回線事業自体、利用者が減少して、KDDIはじめ競合他社との奪い合いも激化する、構造的に新規顧客の獲得が極めて困難な状況にあって、多分に非現実なその営業目標なりに追われたとかそういう事情はあったんでしょう。しかしそうだとしても、そのような利己的な理由で、犯罪、とりわけ本件のような何らの落ち度もない多数の一般人を害する手段に訴えるとは言語道断です。そんな手段に出る事を考える程見通しが厳しいというのなら、その時点で見切りを付けてポジションの転換なり転職なりすべきところだし、営業なら何とでもなったでしょうに、そんなにNTTの看板なり付き合いが大事だったんでしょうか?しかし、そうであればなおさら、このようなNTT全体の信用をも毀損する悪辣な犯罪に手を染めるべきではなかった筈でしょうにね。

目先の保身に走った、で片付けるにはあまりに重い行いですが、監督責任のある営業所ならびにNTT西も含め、それに見合うだけの報いを受けて頂かなくてはなりません。残念な事です。

マンションに侵入、ライバル社の通信電源抜く フレッツ光営業員逮捕

11/28/2013

[biz law] 日立子会社で架空発注詐欺10年6500万

逮捕容疑分で650万、嫌疑は6500万ですか。架空発注による詐取は官民問わず珍しくもない昨今ですが、とりわけ派手なやりようで。

容疑者は阿久津伸二、詐取対象は元勤務先の日立システムズ(当時は日立電子サービス)。肩書きはチーフエンジニアという事だからおよそ課長クラスで、すなわちその与えられた独立裁量権を悪用し、かつ本来チェックすべき上司連が漫然と見逃したという形でしょうか。であればその辺は従前他の事例とほぼ同じですね。

しかし期間と額は飛び抜けています。10年で6500万だから、年にして650万という事で、相場的には年収の7割程度にはなろうかという大胆なやりようにはいささかの戦慄も禁じ得ません。特に日立全体が沈没しかねない窮状にあってよくそんな額の詐取をやりおおせたものだと。というか、削減された給与なりを補おうとしたとか、窮状だからこその結果なのかもしれませんけれども。しかし10年は長すぎです。こういう話を聞くと、やはり日立は殿様気質というか、今日の過酷な経済的競争環境を生き抜くにあたって当然保つべき緊張感を欠いた企業なのだなと、改めて呆れつつ将来を悲観せざるを得ないのです。今更ですけどね。

日立子会社元社員を逮捕=詐欺容疑、架空発注6500万円か-警視庁

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11/25/2013

[law] 高齢者による狩猟中の射殺事件頻発に

狩猟中の銃殺事件が続発する昨今ですが、また死者が出たとのこと。ここ数か月で一般のニュースとして目にした事例として4件目、しかも今月だけで3件目です。その他に重傷も1件。あまりに多すぎます。

・5/12
 場所:宮城県女川町鷲神浜の山中
 方法:散弾銃で射殺(猟仲間を鹿を撃った際に巻き添え)
 容疑者:新妻鉄男(82)
 被害者:岡田武市(64)
 経過:業務上過失致死容疑で容疑者逮捕

・11/3
 場所:静岡県長泉町東野の雑木林
 方法:散弾銃で射殺(山菜取りをしていた被害者を鹿と誤認)
 容疑者:猟友会員(73)
 被害者:根上武彦(66)
 経過:業務上過失致死容疑で捜査(事情聴取)中 

・11/7
 場所:北海道新十津川町吉野の山林
 方法:ライフル銃で射殺(猟仲間を鹿と誤認)
 容疑者:井上政一(67)
 被害者:〓野木(たものぎ)則敏(65)氏
 経過:業務上過失致死容疑で容疑者逮捕

・11/19 ※重傷のケース
 場所:宮崎県高千穂町五ヶ所の杉林
 方法:散弾銃で重傷(買い物帰りの女性をイノシシと誤認)
 容疑者:近隣在住の農業男性(66)
 被害者:近隣在住の女性(84)
 経過:業務上過失致傷容疑で捜査中

・ 11/24 ※今回
 場所:栃木県佐野市船越町の山林
 方法:ライフル銃で上半身銃撃、射殺(笹取りをしていた被害者を猪と誤認)
 容疑者:佐藤和雄(62)
 被害者:阿部義雄(79)
 経過:業務上過失致死容疑で捜査(事情聴取)中

全て高齢の加害者によるものであり、単なる物音や草木の揺れを動物のそれと思い込んでいたり、範囲内の人の存在に対する認識が完全に欠如していたりと、いずれも認知能力の不足が明らかとあっては、加齢に伴う認知能力の衰弱に起因する事故である可能性が極めて高いものと考えざるを得ないところです。

これほど短期間に死亡者が多数出るとあっては、もはや単なる事故では済まされません。大体、上記のような状況で発砲に踏み切るような人間に狩猟の資格が与えられるべきではない事は明らかなのです。個々の資格者が自身の認知能力を把握し、自制する事が望ましいところでしょうけれども、当事者の自制が期待出来ないのであれば、制度的に防止を図るより他ありません。猟銃の所持・使用の要件に年齢制限および厳格な能力試験を義務付ける必要があるでしょう。高齢者を排除した結果、地域によっては駆除等の担い手が不足する問題はあるでしょうけれども、所詮は経済的な事情に過ぎず、人命に優先する筈もないのですから。

※11/19の重傷者の分を追記

11/23/2013

[pol] 猪瀬東京都知事、徳洲会からの闇資金提供発覚で政治的突然死

医療法人徳洲会グループの公選法違反の余波がえらいことになってますね。猪瀬東京都知事、突然かつまさかの政治的致命傷ですか。ですよね。少なくとも本人の失脚は免れないでしょうこれは。

元々徳洲会というか徳田虎雄会長は石原前都知事に紹介された関係だったとかいう話もあって、当然に石原議員以下関係者にも同様の違法行為の嫌疑がかかり、一説には数億円の資金提供があったとの噂もまことしやかに流されている始末。カジノ議連やら関係する周囲への波及も必至、そうなると政治とカネのスキャンダルとしては、殆ど最大規模の事件という事になりますね。流石にロッキード並、とまではいかないでしょうけれども、それに準ずる位にはなりそうです。

それでもって、猪瀬氏にしろ石原氏その他にしろ、元々の振る舞いからして自分が正義であり法だと言わんばかりのいささか傲慢な性格の人達なわけで、また事の性質が滅多に露見しない類のものなところから、あの人たちなら、バレなきゃやってもいい、とか、必要悪だ、とか自分勝手に正当化していかにもやりそうに思われる話なんですよね。さらにその後の都知事の釈明会見の答弁内容とその時の態度がまた見事に支離滅裂かつ挙動不審の極みでありまして。

そういう諸々の要素が流れるように調和したといいますか、ほとんど必然的な結果として、世間からはあっと言う間に真っ黒の認定が形成されてしまったように見えます。本件も含めて証言以外の物証は確認されていないし、従って刑事として立件されるかは判じ難いところでしょうけれども、政治的には猪瀬氏は無論の事、他にも色々終わってしまう人が続出するだろう事も必至で、観客としては手に汗握る怒涛の展開と言うべきでしょう。

ただ、あまりにお粗末な露見の経緯に気を取られがちではありますが、実際のところ本件の内容自体も、過去の事例と比較しても、前代未聞とまではいかずとも相当に悪質な事例には違いないわけで。無担保無利息しかも書面もなしで5000万も現金を渡されておいて、個人的に借りただけとか釈明して、誰が信じると思ってるんでしょうか。受領のタイミングも選挙出馬の挨拶の直後とあっては、選挙資金目的である事も疑いようのないところです。というかそれ以外だというなら何だというのでしょう。真っ黒認定されるのも当然です。

とはいえ裁判上で罪を問えるかどうかはまた別の話、物的証拠の有無はじめ色々と考慮されるべき事もあるでしょうから、早晩間違いなく入るだろう検察の捜査、その展開を見守りたいと思います。信用が地に落ちた検察には期待というよりは警戒感の方が強くなるのは残念なところですが、代替の機関がない以上は仕方がありません。政治的な思惑に左右されることなく、法の正義が執行される事を願います。

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借用書を公表したとか。報道の映像を拝見しましたが、実印なし、条件の記載も一切なし。ぶっちゃけ容易に偽造出来るもので、従って何かしかの証明力が認められるものではなく、本件のケースでは実質無意味、どころかかえって火に油のように思われるところです。まさか偽造した、なんて事は考えたくもないですが、万が一そうなら私文書偽造で公選法違反より重い罪になるわけですけれども、さて。まあ今後の捜査で鑑定も行われるでしょうしあまり考える意味もないでしょうか。

11/08/2013

[biz] Tesla Model Sがまたまた炎上、6週間で3度目

またですか。TeslaのEVセダンModel Sが先月に続いて通算3度目の炎上だそうです。今度は米Tennessee州Smyrnaにて。事故の詳細は不明ですが、ここは日産のリーフ工場が近くにありますから、その絡みで日産がベンチマークの耐久試験でもやってたのかなとか想像も沸きます。と言って、仮にそうだとしても、炎上までしてはEV自体の信用が落ちてリーフまで売れなくなってしまうでしょうから、本件を故意に起こした可能性は無いのでしょうけれども。

ともかく。ちょっと多すぎです。この6週間で3件。年に換算すると24件のペースですが、累計販売台数が2万弱という母数からすれば年間の発生率は0.12%程度、およそ千台に一台が炎上するという事になるわけで。

これは酷い数字です。日本国内の車両火災発生率が大体0.01%程度である事と比較すれば当然に、また米国の過酷な道路環境を考慮しても、有意に高いものと言わざるを得ません。今の所Teslaは設計に問題はないとの立場を取り、その場しのぎの正当化を図るコメントを出すだけのお粗末な対応に終始していますが、早急にその態度を改め、対策を講じなければならないところでしょう。いや本当に。事業を続けるつもりがあるなら、到底放置出来ない頻度なのですから。

UPDATE 5-Tesla reports third fire involving Model S electric car 

[関連記事 [biz] 米TeslaのEV、Model Sがまた炎上爆発] 

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[biz law] 外食業の虚偽表示事業者とその対応一覧

外食産業の虚偽表示発覚炎上の件、大方の予想通り、高級食材の使用を謳う外食業者のほぼ全てが虚偽表示を行っていた事が明らかになり、皆で渡れば怖くない的にカミングアウトが次から次へと続いて収拾がつかなくなってしまっているわけですけれども。

流石にどれがどれなのか分からなくなってきたのですが、しかし無視するわけにもいかないので、ちょっと整理というか一覧リストを作ってみることにしました。といっても被害者への対応の内容と、人事処分の有無だけですが。プレスリリースや報道の情報を書き出すだけでも一苦労なのです。

しかし、こう書き出してみると、半数以上が人事処分はおろか返金すら拒否している惨状がはっきり見えてしまいます。利用券を提供する所も多数ありますが、何の賠償にもなっておらず舐めているとしか見えません。全部検挙された上でがっちがちに規制もされて滅んでしまえばいいのですよこんな業界。

・リーガロイヤルホテル 返金拒否(レシート持参等により確認可能な場合に限り、商品毎に定められた金額の利用券提供のみ) 人事処分なし

 ※6月に認識しておきながら11月18日まで問い合わせにも虚偽の回答など隠蔽

 リーガロイヤルホテル (大阪)
 リーガロイヤルホテル京都
 リーガロイヤルホテル広島
 リーガロイヤルホテル小倉

・オリエンタルランド傘下 一部返金(レシート確認等の場合に限り1000円返金) 人事処分なし
 ※完全子会社のミリアルリゾートホテルズ運営

 東京ディズニーランドホテル
 東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ
 ディズニーアンバサダーホテル

 ホテルミラコスタ ※非公表

・プリンスホテル傘下 返金対応 人事処分なし
 東京プリンスホテル
 品川プリンスホテル
 新宿プリンスホテル
 札幌プリンスホテル
 苗場プリンスホテル
 軽井沢プリンスホテル イースト・ウエスト
 軽井沢プリンスホテル フォレスターナ軽井沢
 軽井沢 浅間プリンスホテル
 万座プリンスホテル
 嬬恋プリンスホテル
 大磯プリンスホテル
 新富良野プリンスホテル
 南海岸南郷プリンスホテル 下田プリンスホテル
 大津プリンスホテル
 ザ・プリンス さくらタワー東京
 ザ・プリンス パークタワー東京
 ザ・プリンス 軽井沢
 グランドプリンスホテル高輪
 グランドプリンスホテル新高輪
 鬼押出し園
 箱根園


・マリオン 返金拒否 人事処分なし
 マリオンクレープ全店舗(国内74店)

・サッポロビール園 返金拒否(食事券提供のみ) 人事処分なし

・小樽ニュー三幸 返金拒否(食事券提供のみ) 人事処分なし
 小樽本店
 さっぽろテレビ塔店
 札幌駅前北4条店
 恵庭カントリークラブ店
 登別カントリークラブ店
 おたる水族館店
 ニセコアンヌプリ店

・東日本高速道路 返金拒否(問い合わせ先記載のみ) 人事処分なし
 東北自動車道 岩手山SA(上り線)
 東北自動車道 長者原SA(上り線)
 関越自動車道 高坂SA(上り線)

・ガステックサービス傘下  一部産地偽装品目のみ返金、その他大部分返金拒否 人事処分なし
 チャイニーズダイニングCHiNCHiN
 四川省麻婆豆腐専門店謝謝名豊店
 ホテルアークリッシュ豊橋
 
・セブン&アイホールディングス傘下 返金拒否(完全拒否) 人事処分なし
 イトーヨーカドー大森
 イトーヨーカドーららぽーと横浜
 イトーヨーカドー大宮
 イトーヨーカドー宮原
 イトーヨーカドー明石
 イトーヨーカドーあべの
 イトーヨーカドー武蔵境
 イトーヨーカドー幕張
 イトーヨーカドー三郷
 アリオ川口
 アリオ八尾
 アリオ鳳
 アリオ倉敷

 アリオ橋本

・サッポロホールディングス傘下 返金拒否(利用券提供のみ) 人事処分なし
 ※子会社のサッポロライオン運営
 ザ・キッチン銀座ライオン ルミネ池袋店
 ザ・キッチン銀座ライオン 東武宇都宮店
 ビヤダイニング銀座ライオン 札幌ステラプレイス店
 北海道フードビヤレストラン 銀座ライオン 新千歳空港フルール店
 銀座ライオン 京都アバンティ店
 銀座ライオン 京都四条烏丸店
 銀座ライオン 大阪ツイン21店
 銀座ライオン 広島駅ビル店
 銀座ライオン 大通地下街店
 銀座ライオン 安具楽 新宿センタービル店
 銀座ライオン 安具楽 新橋店
 銀座ライオン ノースカントリーゴルフクラブ札幌店
 銀座ライオン 地下鉄名駅店
 エビスバー 銀座コリドー街店
 エビスバー 銀座二丁目店
 エビスバー 霞が関コモンゲート店
 エビスバー 赤坂店
 エビスバー 黒塀横丁店
 エビスバー お茶の水店
 エビスバー 東京ドームシティ店
 エビスバー 神楽坂店
 エビスバー 大崎店
 エビスバー ホワイティうめだ店
 エビスバー 京都ヨドバシ店
 エビスバー 神戸三宮店
 海鮮居酒屋おおーい北海 すすきの店   海鮮居酒屋おおーい北海 札幌アピア店
 プライベートダイニング点 銀座コリドー街店 プライベートダイニング点 有楽町店
 プライベートダイニング点 渋谷店
 プライベートダイニング点 恵比寿店
 プライベートダイニング点 六本木六門店
 プライベートダイニング点 新宿三丁目東宝ビル店
 プライベートダイニング点 名駅太閤口店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 新宿三丁目東宝ビル店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 仙台駅前店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 福岡天神店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 名古屋金山店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 名古屋伏見店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 名駅三丁目店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや すすきの店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 銀座七丁目店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 有楽町店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 秋葉原駅前店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 霞が関ビル店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 丸の内二丁目店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 丸の内オアゾ店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 品川イーストワンタワー店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 新宿ユースビル店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 神田東口店
 くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 池袋東口店
 そば割烹 安曇野庵 地下鉄名駅店 そば割烹 安曇野庵 青山一丁目店
 そば割烹 安曇野庵 大崎店
 そば割烹 安曇野庵 品川インターシティ店
 和食・うま酒 入母屋 銀座七丁目店
 和食・うま酒 入母屋 ギンザ・グラッセ店
 和食・うま酒 入母屋 池袋南口店
 和食・うま酒 入母屋 新宿エルタワー店
 仙台ビール園 麦羊亭 仙台駅前店
 BEER NEXT 横浜赤レンガ倉庫店
 ビヤホールライオン 旭川店
 札幌ドーム3号売店 おお~い北海道
 BEER&WINE GRILL 銀座ライオン 銀座七丁目店
 宮崎地鶏 おすず山 大崎店
 ヴァルハラ 北海道工場店
 中華料理 翠香園 松本店 アイリッシュパブ ダブリナーズ 赤坂店

・イオン傘下 返金拒否(個別店舗に対応丸投) 人事処分なし
 イオンモール橿原
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 イオンモール北戸田
 イオンモール東久留米
 イオンモール鶴見緑地
 イオンモール土浦
 イオンモール下田
 イオンモール秋田
 イオンモール盛岡
 イオンモール川口前川
 イオンモール水戸内原
 イオンモール羽生
 イオンモールむさし村山
 イオンモール日の出
 イオンモール東浦
 イオンモール神戸北
 イオンモール新居浜
 イオンモール宮崎
 イオンモール都城駅前
 イオンモール筑紫野
 イオンモール大日
 イオンタウン上里
 イオンタウン名西
 イオンタウン伊勢ララパーク
 イオンタウン有松
 イオンタウン千種
 イオンタウン弥富
 イオンタウン木更津請西
 イオンタウン大垣
 イオン和泉府中
 イオン東岸和田
 イオン洛南
 イオン春日井
 イオン明石
 イオン今治
 イオン大宮
 イオン東雲
 イオン久里浜
 イオン新潟青山
 イオン茅ヶ崎
 イオン八代
 イオン大安
 イオン高知旭町
 イオンマリンピア
 イオン姶良
 イオン南陽
 イオン延岡
 イオン江別
 白子サンズ
 レイクタウン mori
 やしろショッピングパーク Bio
 姫路フォーラス
 
・不二家、不二家レストラン 返金拒否(申し出があっても完全拒否) 人事処分なし

・株式会社コメダ 返金拒否 人事処分なし
 コメダ珈琲 全店
 おかげ庵 全店

・大和リゾート系 返金拒否(一部メニューのみ商品券提供、その他は寄付で代替と主張) 人事処分あり(経営陣月額報酬30%減3ヶ月)
 串本ロイヤルホテル 一部メニューのみ商品券提供、その他返金拒否
 宮城蔵王ロイヤルホテル 返金拒否
 信州松代ロイヤルホテル 返金拒否
 土佐ロイヤルホテル 返金拒否
 北九州八幡ロイヤルホテル 返金拒否
 玄海ロイヤルホテル 返金拒否
 唐津ロイヤルホテル 返金拒否
 別府湾ロイヤルホテル 返金拒否
 南房総富浦ロイヤルホテル 返金拒否
 橿原ロイヤルホテル 返金拒否
 大山ロイヤルホテル 返金拒否
 沖縄残波岬ロイヤルホテル 返金拒否

・パレスホテル 返金拒否(利用券のみ提供) 人事処分なし
 ※公式HPリリースもなし
 パレスホテル東京
 パレスホテル大宮
 パレスホテル立川

・金沢名鉄丸越百貨店 店舗により返金拒否と返金対応と混在 人事処分なし
 めいてつ・エムザ
  菜香樓 返金拒否 ※経営は後記の豊中物産のためか
  勝乃屋 希望者返金
 金沢スカイホテル 希望者返金
  
・豊中物産傘下 返金拒否 人事処分なし
 菜香樓 本館
 菜香樓 新館
 菜香樓 エムザ店 ※上記めいてつ・エムザの店舗と同じ
 菜香樓 金沢百番街店
 招龍亭


・阪急阪神ホテルズ傘下 返金拒否と希望者返金が混在 社長辞任
 返金拒否
  東京第一ホテル鶴岡 返金拒否
  東京第一ホテル松山 返金拒否
  富山第一ホテル 返金拒否
  東京第一ホテル米沢 返金拒否?(リリースすらなし)
  第一イン新湊 返金拒否

 部分代償あり
  ノボテル甲子園 返金拒否(ギフト券提供のみ)

 以下は希望者返金
  第一ホテル東京シーフォート
  吉祥寺第一ホテル
  ホテル阪急インターナショナル
  大阪 新阪急ホテル
  京都 新阪急ホテル
  ホテル阪神
  宝塚ホテル
  六甲山ホテル
  大阪市立大学医学部付属病院内 パティオ
  ホテルコンコルド浜松
  ホテルクレメント徳島
  千里阪急ホテル
  今治国際ホテル

・リッツ・カールトン大阪 2006年以降 希望者返金 人事処分なし

・JR四国系ホテル 2005年以前より 希望者返金 人事処分なし
 ホテルクレメント徳島(阪急阪神系、徳島ターミナルビル運営) 日本料理 藍彩
 ホテルクレメント宇和島 シレーヌ
 四万十いやしの里 山川海

・ホテルコンコルド浜松(阪急阪神系) 希望者返金 人事処分なし

・名古屋観光ホテル 返金拒否 人事処分なし

・近鉄ホテルシステムズ傘下 返金拒否 人事処分なし
 ウェスティン都ホテル京都
 シェラトン都ホテル大阪
 天王寺都ホテル
 都ホテルニューアルカイック
 沖縄都ホテル
 大阪国際交流センターホテル
 
・近鉄旅館システムズ傘下 希望者返金と返金拒否混在 社長辞任、交代
 奈良 万葉若草の宿 三笠 希望者返金
 青蓮寺レークホテル 希望者返金
 百楽荘  希望者返金
 あやめ館 希望者返金
 橿原観光ホテル 当初返金拒否、その後希望者返金に変更

・かんぽの宿塩原 返金なし(メニュー表記変更のみ) 人事処分なし

・日本郵政 返金対応なし(検討中として) 人事処分なし
 かんぽの宿 十勝川
 かんぽの宿 一関
 かんぽの宿 大洗
 かんぽの宿 旭
 かんぽの宿 石和
 かんぽの宿 伊豆高原
 かんぽの宿 富山
 かんぽの宿 皆生
 かんぽの宿 竹原
 かんぽの宿 観音寺
 かんぽの宿 北九州
 かんぽの宿 那覇レクセンター
 かんぽの宿 ラフレさいたま
 かんぽの宿 皆生
 かんぽの宿 光
 かんぽの宿 湯田
 かんぽの郷 白山尾口
 かんぽの宿 青梅 

・JR北海道ホテルズ系 対応不明 人事処分なし JRタワーホテル日航札幌 返金対応不明(連絡者の個別対応とのみ記載)
 ホテル日航ノースランド帯広 同上

・海辺ホテル プライムリゾート賢島 希望者一部返金(「商品毎に定めた金額」のみ) 人事処分なし

・道後温泉 大和屋本店 返金拒否 人事処分なし

・パルコ 原則返金対応(一部店舗にて返金せず代品提供のみ) 人事処分なし
 池袋パルコ
 札幌パルコ
 名古屋パルコ
 仙台パルコ 一部店舗にて返金拒否、代品提供
 調布パルコ
 ひばりが丘パルコ

・高島屋 対応不明(連絡者に個別対応、とのみ) 人事処分なし※
 日本橋店 フォション、麦星byグリル満天星 ル カフェ ドゥ ジョエル・ロブション
 新宿店 天厨菜館 健美菜館 麗花仙
 横浜店 ニホンの食卓 つくみ
 タカシマヤフードメゾン新横浜店 銀泉亭
 柏店 ニホンの食卓 つくみ 鉄板焼・お好み焼 naniwaen
 岡山高島屋 ファミリーローズ

 ※2013/11/21に経営陣の報酬5%~10%削減3箇月と発表

・ホテル京阪系 返金拒否(希望者に1000円分の利用券提供のみ) 人事処分なし
 ホテル京阪京都
 ホテル京阪京橋
 ホテル京阪ユニバーサル・タワー

・大丸松坂屋百貨店 返金対応 人事処分なし
 大丸心斎橋店
 大丸梅田店
 大丸神戸店
 大丸京都店
 大丸東京店
 大丸札幌店
 大丸須磨店
 博多大丸福岡天神店 個別連絡し返金
 松坂屋名古屋店
 松坂屋上野店
 松坂屋豊田店 個別連絡し返金

・東急ホテルズ系 返金なし(1レシートあたり2000円の利用券提供のみ) 人事処分なし
 ザ・キャピトルホテル 東急
 名古屋 東急ホテル 京都 東急ホテル
 宮古島 東急リゾート
 伊豆 今井浜 東急リゾート
 札幌 エクセルホテル東急
 羽田 エクセルホテル東急
 富山 エクセルホテル東急
 金沢 エクセルホテル東急
 新橋愛宕山 東急イン
 吉祥寺 東急イン
 新潟 東急イン
 松本 東急イン
 高松 東急イン
 松江 東急イン
 徳島 東急イン ※県検査時に隠蔽行為あり
 松山 東急イン
 下関 東急イン
 鹿児島 東急イン
 帯広 東急イン
 大井競馬場 ダイアモンドターン

・小田急百貨店 一部商品は個別連絡し返金、その他希望者返金 人事処分なし
 新宿店 希望者返金
 町田店 希望者返金
 藤沢店 希望者返金

・京王百貨店 希望者返金 人事処分なし
 新宿店
 
・京急百貨店 品目別に一部返金 人事処分なし

・丸井 店舗により返金拒否・返金対応混在 人事処分なし
 丸井錦糸町店 返金拒否
 北千住マルイ  返金拒否
 マルイファミリー志木 希望者に返金対応
 マルイファミリー溝口 希望者に返金対応
 国分寺マルイ 希望者に返金対応

・ホテルイタリア軒 返金拒否 人事処分なし

・新潟グランドホテル 返金拒否(利用券提供のみ) 人事処分なし

・仙台国際ホテル 返金拒否 人事処分なし
 中国料理 翠林

・江陽グランドホテル 返金拒否(プレスリリースすらなし) 人事処分なし
 中国飯店 龍天江

・ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ 希望者返金 人事処分なし

・ホテルニューグランド 返金拒否 人事処分なし

・相鉄ホテル 返金拒否(レシートあたり1000円利用券提供のみ) 人事処分なし
 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ

・近鉄百貨店 対応不明(連絡者に個別対応とのみ) 人事処分なし
 本店
 上本町店
 枚方店
 奈良店
 橿原店
 生駒店
 和歌山店
 桃山店
 桔梗が丘店

・JR九州ホテルズ系 返金拒否(全拒否と一部賠償とあり) 人事処分なし
 JRホテル屋久島 商品券1000円分提供のみ 
 JR九州ホテル宮崎 返金拒否

・鶴屋百貨店 個別連絡し返金 人事処分なし

・九州産交グループ 返金拒否 人事処分なし
 九州産交ランドマーク株式会社
  北熊本SA下り店
  宮原SA上り店
  阿蘇くまもと空港店
  城彩苑 ビュッフェレストランぎんなん
  城彩苑 櫻道
  熊本フェリー株式会社
  ベイサイドみなとカフェ

・ホテル日航熊本 返金拒否 人事処分なし

・ホテルニューオータニ熊本 返金拒否 人事処分なし

・KKRホテル熊本 返金拒否 人事処分なし

・ホテルオークラ系 返金拒否(品目毎に定められた額の利用券提供のみ) 人事処分なし
 ホテルオークラ札幌
 ホテルオークラ新潟
 ホテルオークラ新潟
 オークラフロンティアホテルつくば
 オークラ アカデミアパーク ホテル
 オークラ千葉ホテル
 ホテルオークラ東京ベイ
 ホテルイースト21東京
 ホテルオークラ東京
 フォレスト・イン 昭和館
 オークラアクトシティホテル浜松
 ホテルオークラ神戸
 ホテルオークラ福岡
 ホテルオークラJRハウステンボス
 ホテルオークラエンタープライズ系
  桃源 横浜店
  桃源 千葉店
  桃源 柏店
  桃源 川口店
  桃里 新宿店
  桃里 多摩店
  桃亭 三鷹店
  桃花林 日本橋室町賓館
  レストランニホンバシ

 青山ダイヤモンドホール ※ここは本件のリリースすらなし
  セブンシーズ 

・JALホテルズ(ホテルオークラ系) 返金拒否 人事処分なし
 ホテル日航成田
 ホテル日航東京
 川崎日航ホテル
 ホテル日航新潟
 ホテル日航大阪
 ホテル日航姫路
 ホテル日航奈良
 ホテル日航倉敷
 ホテル日航アリビラ
 ホテル日航那覇/グランドキャッスル
 ホテルJALシティ田町 東京
 ホテルJALシティ長崎
 ホテルJALシティ那覇 
 
・日本ホテル(JR東系) 返金拒否(宴席利用客のみ個別連絡) 人事処分なし
 ホテルメトロポリタンエドモント
 ホテルメトロポリタン高崎
 ホテルメッツ溝ノ口
 メトロポリタンフーズ株式会社(ケータリング事業子会社)

・ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ 返金拒否(利用券提供のみ) 人事処分なし
 ロイヤルパークホテル
 仙台ロイヤルパークホテル
 横浜ロイヤルパークホテル
 ロイヤルパークホテル ザ 汐留

・東武ホテル 返金拒否(レシート持参者に利用券のみ提供) 人事処分なし
 ※子会社の東武ホテルマネジメント、東武興業による運営
 宇都宮東武ホテルグランデ  東武ホテルレバント東京
 渋谷東武ホテル
 川越東武ホテル 日光レークサイドホテル
 日光アストリアホテル

・三越伊勢丹系 返金拒否(問い合わせ窓口の設置のみ) 人事処分なし
 伊勢丹新宿
 日本橋三越本店
 伊勢丹府中店
 伊勢丹浦和店
 伊勢丹相模原店
 札幌三越
 仙台三越
 高松三越

 11/14追加発表分

 銀座三越
 千葉三越
 伊勢丹会館(新宿)
 岩田屋三越
 福岡三越
 名古屋三越 ラシック店 

・東京ドームホテル 返金拒否(問い合わせ窓口設置のみ) 人事処分なし
・東京ドームシティ
 後楽園飯店 返金拒否(限定期間中全品一割引の実施) 人事処分なし

・H2Oリテイリング傘下 希望者返金 人事処分なし 阪急百貨店 川西店
 阪急百貨店 堺北花田店
 阪神百貨店 梅田本店

・メルキュールホテル成田 返金なし 人事処分なし

・うすい百貨店 返金拒否(対応検討中として) 人事処分なし

・白兎会館 返金対応未定(関係機関と協議中として) 人事処分なし

・ザ・テラスホテルズ傘下 返金拒否(食事券提供のみ) 人事処分なし
 ザ・ブセナテラス

・フジファミリーフーズ傘下 返金拒否 人事処分なし
 珈琲伝説 北宇和島店
 珈琲伝説 緑井店
 珈琲伝説 庚午店
 珈琲伝説 高陽店
 ハンバーグストリート 松山店
 ふきのとう 新空港通り店
 ふきのとう 高陽店
 どんと 川之江店
 どんと 今治店
 どんと 松山店
 どんと 姫原店
 どんと 重信店
 どんと 八幡浜店
 どんと 北宇和島店
 どんと 宇和島店
 どんと 高知店
 どんと 四万十店北島店
 どんと 野市店
 どんと 丸亀店
 どんと 広島店
 どんと 安芸店
 どんと 東広島店
 どんと 南岩国店
 どんと 宇部店
 アニーショップ 川之江店
 アニーショップ 西条店
 アニーショップ 今治店
 アニーショップ 松山店
 アニーショップ エミフル店
 アニーショップ 重信店
 アニーショップ 大洲店
 アニーショップ 高知店
 アニーショップ 四万十店
 アニーショップ 野市店
 アニーショップ 丸亀店
 アニーショップ 阿南店
 アニーショップ 石井店
 アニーショップ 三原店
 アニーショップ ナタリー店
 アニーショップ 緑井店
 アニーショップ 神辺店
 アニーショップ 岩国店
 アニーショップ 宇部店
 アニーショップ 小野田店

・富久娘酒造株式会社 現品引換にて返金対応 人事処分なし

・セガ傘下 返金拒否(クーポン提供のみ) 人事処分なし
 フェスティバルウォーク蘇我
 ダイニングバーツバーBee
  Bee Rush 梅田店
  Bee 池袋店
  Bee 池袋西口店
  Bee 町田店
  Bee 川崎店
  Bee 大宮店
  Bee 仙台店
  Bee 栄店
  Bee 心斎橋店
  Bee 難波店
  Bee 江坂店
  Bee 河原町店
  Bee 三宮店
  Bee 広島店
  Bee 天神店

・首都高速道路株式会社 返金拒否 人事処分なし
 大黒PA
 八潮PA
 川口PA
 代々木PA

・ 藤田観光系列 返金等対応(相当額を現金・クーポン・寄付等) 人事処分あり(役員報酬30~50%削減1~6ヶ月)
 ホテル椿山荘東京
 シビックスカイレストラン椿山荘
 太閤園
 京都国際ホテル
 カメリアヒルズカントリークラブ
 能登カントリークラブ
 新宿ワシントンホテル
 有明ワシントンホテル
 桜木町ワシントンホテル
 伊勢崎町ワシントンホテル
 長崎ワシントンホテル
 ホテルグレイスリー札幌
 ホテルグレイスリー銀座
 ホテルグレイスリー田町
 ベイサイドホテル アジュール竹芝
 ホテルフジタ福井
 箱根ホテル小涌園
 伊東小涌園
 ウェスタリアンライフクラブ ヴェルデの森

・ダイナック(サントリー100%子会社) 返金なし(食事券のみ提供) 人事処分なし
 海鮮居酒屋 魚盛 お茶の水店
 海鮮居酒屋 魚盛 丸の内店
 海鮮居酒屋 魚盛 西新宿アイランドタワー店
 海鮮居酒屋 魚盛 日本橋店
 海鮮居酒屋 魚盛 有楽町店
 海鮮居酒屋 魚盛 大手町店
 居酒屋たぬき 大手町店
 焼匠  karaku 秋葉原店
 串焼きと鶏料理 鳥どり トラストタワー店
 VEGETABLE&WINE GRILL燦
 スカイパブ トップサーティ
 和風居酒屋 咲くら 阪急グランドビル店
 和食居酒屋 咲くら マルビル店
 バー ヤン
 カフェ  エ  バール フォーレ天王寺
 トラットリア パパミラノ三宮
 ダイナミックキッチンバー 燦  OBPツインタワー店

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11/01/2013

[biz law] 近鉄ホテル、虚偽表示発覚にも賠償拒否

やっぱりと言うべきかイメージ通りと言うべきか。阪急の裏切り具合も酷いですけど、近鉄は素でさらに酷かったって話です。

阪急阪神の件からこっち、同様の虚偽表示の発覚が相次ぐ昨今ですけれども。今回虚偽表示が公表された近鉄系ホテル数件のうち、ホテル内レストランで加工肉をビーフステーキ等とする虚偽表示が発覚した近鉄ホテルシステムズが開いた謝罪会見、の筈だった場で、社長の二村氏曰く「バイキングの一メニューの偽装だから」、として一切の返金を否定したそうで。

一体何を言ってるんでしょうか。バイキングの一メニューだとしても虚偽は虚偽、その分は当然に不法行為なわけです。その他メニューの分は含まれず、従って全額の返金には及ばないでしょうけれども、全額の返金を拒む理由にはなりえません。むしろビーフステーキと言えばバイキングの中でもメイン的な位置づけにあったものと推測されますから、一般に数割程度の返金に応じる義務はあるものと考えられるところです。

そして、虚偽表示に基づいて利益を得た事が不法行為であり、従って不法利得たる対価を賠償する義務が生じているのであって。サービスが価格相当であったかどうかは問題ではないし、そもそも価格の相当性自体が一概に判じられるものではなく、まして法廷でもない場所で不法行為の当事者が一方的に主張する評価額など全くの無意味、犯罪者の開き直りと広範から捉えられるだけの話です。個別の顧客への対応としても、一般的なコンプライアンス等社会対応の意味でも、事業者として最悪の対応と言う他なく、このような会見を平然と行ってしまう二村氏はじめ近鉄関係者の愚かさ加減は救い難いものと言わざるを得ません。社会的に到底受け入れられず、結果として今後の事業継続にも致命的な困難が生じる可能性も相当に高いでしょう。

といっても、このような振る舞いをする人達には今更言葉で何を言っても無駄とも思われますし、その是正には、その身を以って報いを受ける他ないのかもしれません。消費者庁はじめ行政、司法の関係者におかれましては、厳正に摘発指導される事を望みます。かように論外な主張が許容されて前例となれば、今後も多数続くだろう類似事例を放置助長する事になるでしょうから、その抑止のためにも。

修学旅行生にブラジル産を大和肉鶏として提供 加工肉を出したホテル社長は「返金しない」

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10/31/2013

[pol] 米NSAがGoogle、Yahoo両社の全クラウドデータを無断取得

米NSAによる盗聴の件、さらにもう一段の不義が発覚したそうです。

何かと言うと、これまで合意の下、PRISMプログラムでの盗聴活動に協力していたものとされていた米IT大手各社の内、GoogleとYahooの2社のネットワークに対し、ともに無断で、暗号化されていない箇所をターゲットにする事で全トラフィックを取得し監視する、MUSCULARプログラムなる活動が行われていたというのです。

取得の具体的な手口は明らかではありませんが、非暗号化データの流れる光ファイバーにスプリッタを入れ、全データをバッファリングして自由に取り出せるようにしたとかいう見方が強いようです。確かに、業者に無断で全トラフィックを取得する方法なんてそれ位しかないでしょう。であれば、文字通り全ての、暗号化もされない生のデータを取得出来ますから、当然両社の全サービス、Gmailは勿論の事、Google Docs等のクラウド系サービスでやり取りされるデータの全てを、その過程も含めて取得していた事になります。従って被害者は全ユーザすなわち世界中の数億人。

これまでNSAは、これら協力企業のサービスにおける通信盗聴に関し、盗聴の実行は通信業者が担い、自らは合意の下データの提供を受けたものであり、各社の通信データの取得を直接行ってはいない、として来ました。本件はその主張が偽りであった事を証明するものに他なりません。要するにNSAは、協力企業すらも欺き、裏切っていたという事です。

最近、GoogleとYahooの両社が内部を含めた殆ど全てのトラフィックを対象に暗号化を強化する方針に転換し、当然にNSAの盗聴発覚との関連が疑われつつ、その性急さには、協力企業の筈なのに何故、と訝しまれる部分もあったところですが、これで腑に落ちました。全てが外部に筒抜けとあっては、クラウドサービス自体が成立せず、即存亡の危機になってしまうでしょうから。といっても遅きに失した、もしくは後の祭りな気もしますが。特に企業ユーザはその大半が利用を取りやめ、というか禁止するだろうし、落とし前的な損害賠償を求められるケースも増えるでしょう。

NSAはこの期に及んでまだmisleadingだとか主張し、言い訳を重ねているそうです。その真偽を確かめる術はなく、かつ経緯が経緯だけに、もう誰もまともに取り合おうともしないだろうし信用も何もないのだから、局長のAlexanderあたりは本当に自国の利益を優先するのなら潔く責任を取って自分の首を差し出す位はしてもよさそうなものだと思いますが、そのような姿勢は欠片も見せず、自己弁護と保身に必死な姿はあまりにも無様で、長年畏怖畏敬の対象であった米国情報機関も、その人的実態はこんなものかと、冷やかな思いを抱かざるを得ないのです。それを正そうともしない大統領はじめ米国政府にも。

しかしGoogleとYahooだけなのでしょうか。他のPRISM協力企業、特にMicrosoftとかFacebookはどうなのでしょう。NSAがわざわざせずとも元々全ての生データを提供してたから不要で対象外、とかそういう事なんでしょうか。

NSA reportedly tapped into Google, Yahoo data centers worldwide without telling either company

英国の深い関与も指摘されていますね。その線からMuscularと対をなすIncensorというシステムの存在も表面化しているようですが、これはなんなんでしょう。フィルタリングシステムの事かな?

N.S.A. Said to Tap Google and Yahoo Abroad

[関連記事 [pol] 米NSAによる独仏含む各国首脳への盗聴露見、信頼の喪失]

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10/29/2013

[biz] 米TeslaのEV、Model Sがまた炎上爆発

つい先日、米国シアトル郊外で障害物に接触後大炎上する衝撃的な事故を起こし、偶然撮影されたその際の映像で多くの人を戦慄させた米TeslaのEV、Model Sが再び炎上したそうで。今度の場所はメキシコ、スピード超過の上の自損事故の後、米の事故と同じく車体の前方、バッテリー部分が大きく燃え上がり、今度は爆発もしている様子が夜のノイズだらけの映像の中にもはっきりと映っています。

その動画は下記記事から。
Guíador "fantasma" choca lujoso vehículo eléctrico en la glorieta del pocito en Mérida

素早くリリースされたTesla公式による火消コメントによれば、運転手は無事で、その安全性を高く評価した上、再びModel Sの新車をオーダーしたとか。如何にも取って付けたような白々しさが漂いますけれども、先日の事故の記憶も鮮明な中、Teslaも必死なのだろうし、今回はドライバーの過失が大きいですから前回よりは同情出来なくもない面は認められるでしょうか。

ただやはり、あの炎上爆発の様子は看過出来るものではあり得ません。前回も今回も、単独の事故かつ周囲に延焼するものが無かったためにModel Sが燃えただけで済みましたけれども、これが複数車が絡む事故や建物への衝突だとしたら、その場合に確実に起きるだろう延焼の様を想像するだに寒気がします。しかもそれは、現状の普及台数ですらこの頻度なのですから、可能性がある、どころではなく、このまま普及していけば、確実に現実のものになってしまうのでしょう。それも近いうちに。

Tesla社には、そのような取り返しのつかない事故が起きる前に十全の対策を取る義務があり、もしそれが困難だというのであれば販売取りやめの上全回収を行う位の厳格な対応が求められるところかと思われますけれども、本件コメントを読む限りは場当たり的なその場しのぎの対応に終始している様子で、その見込みも意志すらも認められません。自発的な改善が期待出来ない以上はNHTSAあたりが管理指導すべき話でしょうが、そちらも音沙汰なし、実質完全放置で極めてまずい状況にあるわけです。実際に犠牲が出ないと動かないのはどこも同じ、という事でしょうか。極めて残念な限りです。

---

一方Consumer ReportはModel Sをさらにプッシュ中だとかいう話も。記事を読んでみても以前の評価と変わらず、形式的なテストスコアのみに基づく判断という事で、炎上事故の事については触れてもいません。それはそれで一つの基準だし構わないんでしょうけれども、しかしそれで"wholeheartedly recommend"とまで言ってしまうのはあまりに無責任にも思われるところですが、この車を買うような層にとっては瑣末な問題という事なんでしょうか。それとも単に金の力によるところなんでしょうか。いずれにせよ度し難く思うのです。

Consumer Reports officially recommends the Tesla Model S

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10/25/2013

[pol] 米NSAによる独仏含む各国首脳への盗聴露見、信頼の喪失

Edward Snowdenの告発に端を発した米国NSAによる諸外国へのスパイ活動露見の件、協力国の要とも言える仏独の首脳への盗聴が発覚したとのことで。

NSA monitored calls of 35 world leaders after US official handed over contacts

証拠はSnowdenが提供したNSAの内部文書で、ブッシュ大統領時代の2006年10月に発行されたもの。公表された文書を読むに、米国政府各機関への盗聴活動の広告と、追加すべき対象の電話番号登録を依頼するためのものですね。個別の番号、対象者の氏名は記載されていませんが、この時で既に35人の諸外国指導者へ繋がる電話番号200件が盗聴対象である事が明らかにされています。

これには流石に驚きました。いや、当然やってるだろうとは誰しもが思っていた事でしょうけれども、ここまで直接的な、言い訳のしようもない証拠が出て来るとは思いませんでした。米国があれほどまでにSnowdenの身柄確保に躍起になっていた事にも納得、というより、これだけの証拠を抱えてSnowdenはよく生き延びたなと。

何にせよもう公になってしまった以上は後の祭り、元から米国側の英国を除くEUの大半が正面からの反米に染まるという前代未聞の事態を目の当たりにして、既に米国に失望していた身としても戦慄を禁じ得ません。

本件が加わった結果、これまで特定されたものだけで、ブラジル、メキシコ、仏独と、中米、南米、欧州まで、従来からの協力国、地域の大半を網羅する形で全方位的に信義を裏切り、結果その全てから公式かつ直接に非難を受け、かつ仏での一般市民への大規模盗聴の発覚もあって、各国の市民までもがおそらくは一様に反米に転じた事になるわけです。敵国としての大規模な衝突等にまで至るものとは考えられませんが、民間から公共、個人から組織に至るまで、広く、かつ深く、およそ全ての関係において隔絶が強まる事は避けられないでしょう。

彼らは、その人命含め他者の権利を公然と侵害して恥じない、独善的かつ傲慢なそれらの活動を、これまで一貫してテロの脅威への戦いなどと称していました。よくそんな事を言えたものです。それが本気だったとすれば、米国以外は全てテロリストであり敵だというわけですか。そのような振る舞いをするもしないも米国の自由ですが、一度でもそのような扱いをすれば、された側はその裏切りを容易に忘れる事はないでしょう。改めて認めざるを得ません。もはや良き隣国としての米国は、建前としてすらも決定的に失われてしまった事を。極めて残念な事ですが。

ところで、日本政府がこの事態を前にしてノーリアクションなのはどう受け止めるべきなのでしょうか。官房長官は大丈夫だとかコメントしてますけど、それって何の根拠もないですよね。米国が情報ダダ漏れの日本に本件で協力していたわけはなく、どう見ても盗聴される側としか思えないし、盗聴するだけのメリットは十分、やってない可能性はむしろ低かろうと思われるんですけれども。元々ノーガードだから今更気にしないって事なんでしょうか。それとも面倒を起こしたくないから見て見ぬふりをしてるだけなんでしょうか。どちらにしても残念な話です。米国に対するそれとは違う意味で。

European leaders call for talks to settle US spy row

そして次々と追加される被害国。スペイン市民は確定、日本も挙がっています。いずれも当然に予想されたところであって、今更驚くわけでもありませんけれども。

NSA 'monitored 60m Spanish calls in a month'

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10/24/2013

[biz] パナソニックがさらにリストラ、半導体半減7000人

またまたパナソニックがリストラ。今度はセミコン、海外含め現14000人を半減して7000人にする計画とのこと。もう頻度が高すぎて一々取り上げても仕方ない気もしますが、無視するにはあまりに規模が大きいのです。長年終身雇用の象徴だった旧松下の事とあっては尚更。

内訳は大雑把に言って家電系からの撤退。ここ数年続いているテレビ関連事業リストラの一環という位置付けですね。それは理解出来ます。が、継続分野が自動車・産業というのは現実的なんでしょうか。自社製品という出口が確保されていた家電系と違ってオープンな市場、それも国内だけでもルネサスはじめ既存の専業大手各社と真っ向から競合する激戦区なわけで、安定的、継続的なシェアの確保は極めて困難な筈です。第三者からだと無謀にも見えますが、勝算はあるんでしょうか。

本件は、元を辿れば破談したルネサス及び富士通セミとの統合交渉の後始末という事で、その仕切り直しというか、最終的にはルネサスへの売却を目指していて、今回のリストラはその下準備という事なのかもしれませんけれども。しかし、ルネサス自体が設備過剰気味なところ、今回のリストラで完全に重複する事になるパナを欲しがる可能性はあまりないようにも思われますし、その線はあまり現実的でないようにも思われて、パナソニックがどのような先行きを描いているのか、今ひとつ理解しづらい感があります。

あるいは、単なる不採算事業の段階的整理以上の意味はないのかもしれません。まず撤退が決定している家電系を先行して整理し、その他には一応機会は与えるけれども駄目元程度、あまり期待はしておらず、シェア確保が難しそうならそこも整理してしまうつもり、とか。

どちらにせよ、リストラされる従業員の方にはお気の毒な話なのですけれども。主力事業が消失した以上は当然の帰結、理不尽とは言えませんが、お気の毒ではあります。

ところで、パナソニックと同様にルネサスから不要とされ、一足先にリストラも一段落させた富士通セミは、ほぼ時を同じくして受託方向に舵を切っています。それと比較すると、大口法人向けへの注力と言う事業転換の方向性の意味では相似しつつ、富士通は包括的な受託生産、パナソニックは従来通りの部品売りと、実手段としては大きく異なる手を打ってきた形です。富士通の方が数段先行しているようにも見えるものの、いずれも現実性に乏しく窮余の策との印象も否定し難いところですが、果たして生き残りに成功するのか、あるいはどちらも失敗に終わるのか。フェードアウト濃厚なロジック統合の行方と併せて、興味深いところです。

パナソニック、半導体部門の社員半減 7000人に

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10/23/2013

[biz law] 阪急阪神系ホテルのメニュー虚偽表示、その応報と波及

レストランにおけるメニュー虚偽表示発覚の件、大手による食品・食材偽装による詐欺の発覚が相次ぐ昨今ですが、また一際酷いですね。レトルト品や冷凍品を手製や鮮物と称したり、全く違う品種を使ったり、もう間違いとか誤魔化しとかそういう言い訳の入る余地のかけらもない、完全な詐欺そのもので驚きを禁じ得ません。刑事的に見ても、景品表示法違反は間違いないし、故意が認められ、かつその偽装によって得た利益の比率が非常に大きいところ、その悪質さからすれば詐欺罪に該当する案件かと思われます。規模は違いますが、悪質性の程度で言えばイオンの件と同等といったところでしょうか。

ていうかそんなのでよく7年もの長期に渡って発覚しなかったものだと、そちらの方にも驚かされますが。客はまあ往々にして雰囲気に騙されるものだとしても、仕入れ先とか、その際の価格とか見れば丸分かりなのだし、管理部門は当然承知していた筈、要するに組織ぐるみの犯行と考えざるを得ません。阪神合併前からの阪急系の高級ホテルも含まれているようですが、その最大の強みであるところの高級かつ老舗的なイメージが完全に崩壊してしまっただろうわけで、その影響が深刻でない筈もないし、阪急阪神の外食事業全般が割と本気で終わってしまったかもしれませんね。全入れ替えしても客が足を運ぶかどうか。といっても因果応報、同情の余地もありません。南無です。

先の事はさておき、とりあえず直近の問題としては、本件の落とし前、すなわち詐欺被害者への賠償をどのように行うか、その方法をどうするか、でしょうか。宿泊客やツアー利用者なら、ホテルなり旅行社なりに記録も残っているだろうから問題ないでしょうけれども、結婚式等の各種式典だとか、レストランのみの利用客だとその大半は何処にも記録に残っていないでしょうから、その確認をどう取るか。顧客対応の面からは、申し出があった場合には無条件で返金に応じる形が取れればそれが一番適切なんでしょうけれども、当然こういうケースだと利用客と偽って不正に払い戻しを受けようとする犯罪者も寄ってくるもの、とりわけ本件の期間の長さと範囲からすれば到底許容出来ない規模になるでしょうから、その抑止のために何らかのチェックは必要なんですよね。とは言っても、正規の利用客には只でさえ詐欺にかけてしまっているところ、そこにさらに手間を掛け、あまつさえ詐取の疑いを掛けるなど、客商売でなくとも言語道断な話なわけで。

確認はせざるを得ない、けれども阪急阪神側に非がある以上強気にも出られない。となると、極めて緩い、身分確認程度に止めたチェックの上、特に不正の疑いが無い場合には、その手間と非礼の分も加算した慰謝料の割増を支払うとか補償も加える、位が落とし所かとも思われますけれども、さてどう対応してくるか。とても興味が惹かれます。それでも少なからぬ顧客が怒りと共に離れて行くものと予想されますが、自業自得だしそれは仕方のない話、そこをどうにか繋ぎ止めるのか、あるいは自己保身に走って墓穴を掘り進めてしまうのか、阪急阪神のお手並み、というより本性拝見、といったところでしょうか。

あとは、これから本件がどこまで波及するかも要注目でしょう。普通に外食産業全体に延焼しかねない、というか多分にそうなりそうな話で、ぶっちゃけこの種の偽装なんて日常茶飯事もいいところだろうわけで、今頃真っ青になってる人達がそれこそ山のようにいる筈でしょうから。実際、本件の発覚を受けて慌ててメニューの書き換えを行った大手グループも複数報じられていますし。そんなのやってましたと自白したようなもので、呆れざるを得ないわけですが、もっとも大半は逃げ果せようとするんでしょうし、それに比べれば自白するだけマシな方と言うべきなのでしょうか。

いずれにせよ、本件類似の虚偽表示であれば、その実行者は全員が全員、間違いなく悪質な犯罪者なのですから、漏らさず検挙のち然るべき刑罰が適用される事を望みます。そうすると誰もいなくなる、というのなら、そんな無法な業界はむしろ一度滅ぶべきだと思うのですよ。

[関連記事 [biz law] イオンがPB食品偽装批難記事の文藝春秋提訴]

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そしてまさかの「誤表示」主張。救い難いですね。ていうかこれで諸々の収まりがつかなくなってしまっただろうわけで。本気で終わってしまったかもしれません。

「偽装でなく誤表示」 阪急阪神ホテルズ、一部再調査へ

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おそらく膨大だろうこれから発覚する類似事例を一々挙げてもキリがないんでしょうけれども、あのリッツ・カールトンまでもがそんなセコい真似をしていた件には流石に反応せざるを得ません。というか、大阪は阪急阪神傘下だったんですね。これからは名ばかりの詐欺ホテルと認識される事は必至、ブランドは崩壊してしまったも同然なわけですけれども、これからやっていけるんでしょうか。只でさえ大阪は競争が激しいところなのに。

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そして雪崩を打つかのように相次ぐ同様事例の発覚。その中にあっても一線を画す酷い対応を近鉄がやらかしたそうで、悪い意味で注目を集めているようです。

[関連記事 [biz law] 近鉄ホテル、虚偽表示発覚にも賠償拒否]

10/21/2013

[note] eBayでロストと思って返金処理済の品がその後届いたので再支払い

先日、eBayで香港の業者から購入して発送から35日経っても届かず、これはロストかと諦めてCase行きのち返金処理をしたブツがひょっこり届いてしまいました。輸送にかかった日数は実に50日に及びます。どういうことなの。先月後半のHongKongPostによる税関検査強化が影響したんでしょうか。対象品目ではないはずなんですが・・・。困ったものです。

まあ届いた事自体は嬉しいんですけどね。何だかんだで代替品もまだ発注していませんでしたし。eBayでの出品者評価も控えていた事には、用心はしておくものだ、と胸を撫で下ろしました。

ともあれ、このままでは代金未払いで不法利得になってしまいますから、 再支払いの手続きを至急取らねば、という事でこれまた初めての事につき手順を調べてみたところ、どうもeBay上では返金処理が終わった時点でその取引は終了していて、そのシステム上では再支払い等は不可なようなのです。で、同じようなケースは少なくないだろう、その場合はどうするのかとさらに調べてみると、paypal上で別取引として送金するのが一般的なんだそうで。

と言うわけで、面倒だなあ、と思いながらpaypalのサイトから返金処理。メニューから"send money"を選び、通貨種類と送金額、送金先メールアドレスを入力。次に表示される詳細設定画面で、相手に送付されるメールに追記するメッセージの入力欄があるのでそこに経緯等の説明やらを書き、あと物品取引ではないため品物の送付先の部分は無しに設定。そして送金。すると但し書きの作文に時間がかかりすぎたためかトランザクションがタイムアウトにより無効のエラー表示が。ちくしょー、と毒づきつつ再ログインし、一連の入力を今度は素早くやり直して送金。今度は成功。でおしまい。ああ面倒でした。

ちなみに届いたブツは何かというと、タブレット用のケース。Memopad HD7ことME173X用です。サイズだけなら兄弟機のNexus7用で代替出来なくもないんですけど、リアカメラ用の穴が開いてないとか色々とフィットしないのはやはり気に入らないので専用のを、と思ったのです。

開封直後はこんな感じ。 送料込$6強の値段の割には悪くないです。

 

早速Memopadを入れてみました。カバー部分にはマグネットが入っていて、閉じるとパチッと吸い付いてくれますし、概ねフィットしていい感じ。しかし若干遊びもあって、そのためにカメラが穴からずれたりするので、使用時には要注意でしょうけれども、何とか目を瞑れなくもない範囲でしょうか。
 


定番の横向き限定スタンド変形も出来ます。安定性は十分。が、角度的に少し立ちすぎな感じで微妙だし、私は基本縦でしか使わないのでおそらく滅多に出番はないでしょう。それより、縦にすると厚すぎて純正のスタンドに入らなくなるのが問題です。ケースに入れたまま縦置き出来るスタンドを探さなくては。



なお、電源ボタンがカバーの内側に入ってしまい押しにくいのは若干残念。何とかならなかったのでしょうか。



値段の割には概ね思ったよりいい出来で嬉しいです。色々面倒でしたけど、悪い評価とか付けなくてよかったなと。まあ輸入にトラブルはつきものだし、これからも寛容を心がけたいと思います。というわけで今回はこれでおしまい。

[関連記事 [note] eBay発注の品がロストして返金 ]

10/18/2013

[note] Ubuntu 13.10導入

Ubuntuの新バージョン、13.10がリリースされました。コードネームはSaucy Salamander、小癪な火トカゲさんです。毎度おなじみな事ではありますが、また一段と謎なネーミングですね。

いつもなら、しばらく様子見をして、不具合が解消された頃にアップデート、とか用心しながら恐る恐る入れるところですけれども、今回のリリースはここ最近のUbuntuプロジェクトの流れに従ったもの、すなわちUnityインタフェースとUbuntuOne等のクラウド関連部分のアップデートが中心、従来のデスクトップシステムの大部分には目立った変更はなし、という事で、Unityすら使っていない私のようなケースならさほどの変化もないし問題なかろう、とたかを括り、珍しくもホイホイと適用してみたわけです。

対象はいつものようにデスクトップサーバとノートの2台をアップデートインストール。あと、たまにはUnity周りの改良を確認してみるのも良いかと、試しにもう一台ノートに、こちらはクリーンインストール。加えて、今回はLubuntuのリリースが追従していたのでLooxUもトライ。計4台ですね。

結果から言えば、 LooxUを除く3台は、日本語入力部分で少しトラブルがあったものの、それ以外は特段の問題もなく、すんなり適用出来て概ね成功。LooxUは、インストールの途中で、"アップグレード作業を見積もれません"とかいう妙なエラーが出て無理っぽい感じなので今回は見送りです。 長年の不遇の果てについに切られたって事なんでしょうか。残念です。

それぞれの手順については特筆すべき事はありません。いつもの通りです。アップデートインストールの場合は、新バージョンの通知をオンにしたSoftware Updaterに表示されるアップグレードを選択し、画面の指示に従っていれば恙なく完了します。時間はインストールされているアプリの量によりますけれども、およそ1~2時間といったところでしょうか。時折カスタマイズ済の設定ファイルの取扱いについて応答を挿みつつ気長に待ち、完了後は再起動して終わり。なおバージョンの飛び越えは不可なので、13.04に上げておく必要があります。12.04LTSからなら、12.04LTS -> 12.10 -> 13.04 -> 13.10と実に3回。いや上げといて良かった。クリーンインストールはイメージを焼いたDVD等から起動、これまたいつものプロセスで数十分程度、それだけです。ちなみに64bit Desktop版のisoイメージはサイズが900MBを超え、もはやCD-Rには入りませんのでご注意を。

唯一にして最大のトラブルは、日本語入力が不可になるというもの。正確には切り替え用のキーを押しても日本語入力モードに切り替わらないのです。アップデートとクリーンいずれの場合にも発生したので、まず間違いなくインストーラの設定ミスだと思われますけれども、このままでは使えないレベルで困るので、当然修正作業をする羽目になったわけです。

で、その修正方法ですけれども。正確な原因を把握出来たわけではないのですが、どうもiBusのメソッド切り替え自体に失敗しているようで、インプットメソッド切り替えのショートカット設定を修正してやると直りました。デフォルトの[super(winkey)+space]が衝突してるのかな?ということで、これを変更します。具体的には、以下の通り。

まず、iBusの設定画面を開きます。ターミナルから下記コマンド。

$ ibus-setup

表示される[iBusの設定]画面のうち、[全般]タブの上部、[キーボードショートカット]のフレーム内にある[次のインプットメソッド]を変更します。変更は、項目の右側にある[...]のボタンを押すと表示されるダイアログから行います。割り当ては任意で、好きなキーを割り当てれば良いのですが、一般の日本語キーボードで標準であるところの角/角キーでの切り替えとするなら、[キーコード]の欄に[Zenkaku_Hankaku]と入力します。なお、対応するキーの押下で入力する事も出来る筈なのですが、私のPCではその機能はなぜか正常に動作しませんでした。そういう場合はキーコードの欄にテキストを手動入力します。あと修飾キーのチェックボックスも適宜。角/角キーだけにしたいなら[super]等のチェックを外します。それで[OK]。しかるのちに[iBusの設定]ダイアログを閉じます。

iBusの設定はiBusを再起動しないと反映されないようなので、一旦ログオフしてからログインし直します。もちろんPC自体を再起動しても構いません。すると上記で設定したキーで日本語入力モードに切り替えられるようになる筈。[Zenkaku_Hankaku]としたなら、[角/角]キーですね。

一応それで解決です。付け加えておくと、英語キーボードと切り替え可能に設定にしている場合は、一旦片方は削除しておく必要があるかもしれません。きちんと確認したわけではなくもう確認も出来ないのですが、試行錯誤の際にその設定が切り替えキーと衝突していた気がするし、英語キーボードでよくある[Alt+grave(`)]の切り替えキー設定もその後でないと効かなかったようなので。

後は、その可能になった日本語入力について割と個人的なところで一点だけ。私は日本語をかな入力にしてるんですが、かな入力だと、なぜか"ぼ"の字を入れようとしても濁点が付かず"ほ゛"になる信じ難い不具合があるのです。何これ嫌がらせ?かな入力がマイノリティな事は承知していますけれど、これはいくら何でもあんまりなんじゃないでしょうか。あまりに基礎的な部分過ぎて公式の修正を待つのもつらいので、これから修正方法を調査しようかと思います。多分Anthyの問題ですよね。うーん。参りました。

それ以外は今のところ問題なし。アップデートの2台ではUnityではなくCairo-Docksを使っていたのですけれども、アップデート後もざっと見た限りデスクトップ周りの設定は全て保持されていますし、標準ブラウザがFirefoxからChrominumに変わるという事で懸念していたFirefox周りも特に変わりなし、平和なものです。

クリーンインストールのマシンで久しぶりに触ってみたUnityは相変わらず残念な感じでいただけませんが、個人的には現状に特段の不満もない以上、概ね理想的なアップデートであったと言えそうで一安心。というか、マイナーチェンジと言うのも微妙な気がする位ですが。ともあれ、ひとまずはこれでおしまい。

-----追記

かな入力で"ぼ"が入力出来ない件、実は以前から所々で発生していたものらしく、その対処法も既に幾つか発見済み、それに従って修正したところあっさり直りました。その手順は次の通り。下記ファイルを修正します。

<修正ファイル>
 /usr/share/ibus-anthy/engine/tables.py

<修正内容>
  kana_voiced_constant_no_rule配列に下記行が抜けているのが問題なので、これを追加挿入します。挿入箇所は配列内の何処でも良いでしょうけれども、論理的には音順に従い"べ"の次、すなわち最後が良いでしょう。デフォルトのtables.pyでは504行目になります。

    u'ほ' : u'ぼ',

その後、同ディレクトリ内にテンポラリのコンパイル済ファイルtables.pycがあるならそれは削除しておき、同じく再ログイン。これで直るはず。

-----追記その2

その他は問題ないかと思っていたらさにあらず。gtkを使ったアプリの挙動がおかしいのです。具体的にはウィンドウの配置関連、gtk_window_moveとかgtk_window_set_decoratedでウィンドウを移動させたり装飾のオンオフを切り替えたりすると位置がずれたりします。常用の自作アプリが大変な事になって困りました。gtk2.0での描画周りもおかしくなってて、単純に描画されなくなるケースが多発して、こちらは2.0が近くobsoleteになるというのであらかじめポーティングを進めていたgtk3.0版コードに切り替えざるを得なくなったり。

かように色々と基本的なレベルで13.04以前との非互換性があるようなので、gtkを使用するアプリをクリティカルな部分で使用している向きには極めて要注意かと。小癪な、で片付けられるものとは到底言えませんし、13.10はちょっと人にはおすすめ出来ない感じですね。しかし今更戻すのも大変だし、経験的にはアプリの方の修正で対応出来なくもない範囲っぽいので今回は頑張ってフォローしようと思いますけれども、参りました。

-----追記その3

それからしばらく経って、そろそろ色々Fixも入った頃かと、インストールに失敗して放置していたLooxUのアップグレードを試してみたら行けました。あのエラーは何だったんだろう。今回は特にグラフィック周りの問題もなく表示され、おそらくはその辺は特に変更がなかったってだけなんでしょうけれども一安心です。その代わりという事なのか、Dockyが動かなくなったんですけどまあ代わりはあるし特に問題無し。なお、前述の日本語入力周りの不具合はまだ改善されていませんので、同様に修正してやる必要はありました。前回は問題があったsuspendもすんなり。とりあえず最低限使える程度にはなっている様子なのでしばらく使ってみますかね。

[関連記事 [note] ubuntu 13.04導入] 
[過去記事 [note] ubuntu12.10お試し導入]
[過去記事 [note] ubuntu 12.04LTS導入]

10/17/2013

[biz law] イオンがPB食品偽装批難記事の文藝春秋提訴

先頃、米類を用いた食品等の産地偽装が発覚したイオン、当然に全方位から袋叩きなわけですけれども、とりわけ苛烈な批難記事を掲載した週刊文春に対し、その売り場からの撤去に止まらず、名誉毀損として文藝春秋社を相手取り民事訴訟を提起したそうで。

本件、元々の偽装自体は委託先がやった事と言っても、それを自社ブランドの製品として販売した以上、消費者に対する製造販売における一義的な責任はイオンにあります。かつ、中国における土壌汚染とそれによる農産物の汚染が無視できない程度に深刻である事も周知の事実なのですから、「猛毒」との表現には一般的な表現としてはいささか誇張が過ぎる部分はあるにせよ、全体的に見て記事が事実無根とは到底言えないし、従って今回のイオンの対応は逆ギレと言う他ないように思われるところです。

誤解を与える、と言うのなら、中国産の食品を国産表示する方が余程悪質です。こちらは紛う方なき詐欺、その規模も尋常ではなく、社会的な害悪としては文春の記事など比較になりません。一般に消費者が国産と銘打たれた食品を選択する理由の大半は、その安全性の高さすなわち汚染可能性の低さによっており、逆に外国産、とりわけ中国産は汚染可能性が高いものと認識されていて、その表示は消費者の選択に決定的な影響がある事も明らかなところ、本件イオンの行為は、消費者を決定的に欺き、そこから膨大な利益を得たものなわけで。

国産だから安全、と信じて製品を購入した結果、忌避した筈の外国産食品を食べさせられた消費者は、一様に自分たちの健康を害されたと認識するでしょうし、裏切られたと怒りもするでしょうから、本件記事のような事はむしろ当然に思うところでしょう。その意味でも批難記事は正当性を帯びます。本件イオンの偽装行為は、消費者に対する詐欺のみならず、傷害にも該当するものと考えられますから、治療費なり慰謝料なり損害賠償もなされてしかるべきところです。それを一切せずに、責任回避に終始した挙句、消費者の代弁として批難を加えたメディアに逆ギレ訴訟を起こすなど、全く以て論外な対応と言わざるを得ません。このような有様では、信頼回復など望むべくもないでしょう。

無論、中国産米が全て猛毒であるわけはありません。大半は特段の有害性もないのでしょう。しかし本件においてそのような部分は問題ではなく、危険性が否定出来ないものを、安全であると称して消費者を欺き販売した事が問題なのです。食の安全にシビアな人にとっては、その種のリスクがある時点で、「猛毒」に他ならない、そう認識するものなのですし、そのような判断基準を持つことも当然の権利なのですから。そういった消費者の権利を軽んじる、というより殆ど真っ向から対立する今回のイオンの判断、振る舞いには、そんなことでよく小売業をやっていられるものだと、極めて強く疑問に思う次第なのです。それとも、成功故の傲慢という事なんでしょうか。だとすれば、将来は決して明るいものにはなり得ないだろう、とそう残念にも思わざるを得ないところですが。

流通大手イオンが文藝春秋を提訴

10/16/2013

[biz law] NHK技研の主任研が架空発注詐欺

架空発注による詐取が相次ぐこの頃、今度は皆様のNHKがやりやがってくれました。

容疑者は濱崎公男、所属は放送技研テレビ方式研究部、役職は主任研究員。課長クラスですね。期間は判明しているだけで平成20年から24年、金額は24年3月に音響設備として架空発注した分だけで279万3000円、少なくともその半額程度がカメラ・PC等物品の形で還流と。

容疑者のポジションとか額とか、大体JAXAの時と同じような感じです。その横展開的な検証調査で発覚したとかそういう事なんでしょうか。名目等はこちらの方が単純で、その分浅はかさが強く知性がより足りない気もしますけれども、大差はないかと。

しかし、JAXAの時にも思った事ですけれども、詐欺なんて重罪、発覚すれば当然刑事犯として検挙され、その恵まれたポジションも失う、極めて重大なリスクが明白なわけで、その危険性の割に金額が全く釣り合ってませんし、極めて非合理的で、全く以て理解し難く思います。あと、発覚は内部通報がきっかけだそうですが、という事は正規の業務プロセス上では完全に見逃していた事になりますけれども、いくら課長クラスに実務の裁量があると言っても、数百万の経費ともなれば、事前の稟議や事後の効果検証等、それなりに組織内でのチェックが行われるものな筈、上司連は一体何をやってたんでしょう。揃いも揃って皆置物なんでしょうか。であれば無駄なので全員解雇すべきです。

NHKも一頃のバッシングがようやく収まり、契約拒否に対する強制執行認容の判決も勝ち取り、もう安定的になったのかと思っていたらこれ。私たちはやっぱり腐っています、と周囲にわざわざ喧伝するようなもので、事実そういう事なんでしょうけれども、元々現政権とは過去の経緯から対立に近い関係にあるところ、ばっさりリストラされて生まれ変わる良い機会なのかもしれない、とすら思う次第なのです。実際問題肥大化し過ぎているのは事実、本件もその弊害という事なのでしょうから。

NHK主任研究員、架空発注で懲戒免職、詐欺で告訴へ 音響の専門家

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10/13/2013

[note] eBay発注の品がロストして返金

全く以て大したことじゃないんですけれども、初回ということで記念というか記録に。

何かと言うと、eBayで香港の業者に発注したタブレット用ケース送料込約$6が発送連絡後30日程経過しても届かなかったんです。当然のようにFreeShippingでTracking numberも付いておらず状況の確認も出来ないものの、多分に輸送中のロストだろう、という事でめでたく初のトラブル解決用Case開き。

ちなみにCaseというのは出品者と落札者の間で不着等のトラブルが起こった際に、eBayの管理下で相互に連絡を取らせる事で解決を促し、当事者間で解決に至らなかった場合には介入もする、eBay既定の問題解決サービスの事を指します。そのプロセスに入る事を"Caseを開く"というのですね。なおCase上のやり取りは全てeBayのサイト上、My eBay内で行う形になります。

Caseを開くに当たっては、どのような処置を求めるかを幾つかあるオプションの中から選択出来るようになっているのですけれども、特注品でもなく、ごく安価な品である事を鑑みて普通に返金請求に設定。すると事情の詳細と自宅電話番号の記入を求められるので、品が届かず追跡も出来ない旨などを記入して送信。

数十分で出品者から慌てた感じの連絡が届きました。件の品物はHongKongPostに確かに出荷している、一般に35日程かかるケースもありうるので、あと5日程待ってみてくれないか、待てないなら一旦返金はするけれども、とか言うのです。多分待っても届かないだろうし面倒だなと思いつつもわかった待ってみると答えて待つ事一週間、やはり届かず。もう諦めるから返金してくれ、と伝えると翌日Paypalに返金されCase Closed。とまあこんな感じで概ねスムーズに終了したわけです。

表面的には特段の問題もありませんでした。ただ、追跡不可な場合の返金請求ですから、受け取るだけ受け取って返金も求める詐欺も成立するケースなわけで、実際自分も多分にそう疑われてもいただろう事を思うと、とても気分はよろしくないのです。多分Case開きの時に電話番号入力させられるのも不正防止の一環なんでしょう。HongKongPostについては、つい先頃にも幾つかの品目について輸出時の検査強化が図られ、只でさえ時間のかかる処理がさらに遅れ気味とかいう話も聞きますし、落ち着くまではしばらく利用を控えた方が良いかなと、後ろ向きな気分にならざるを得ないのです。残念。評価をするにも、Positiveを付けるのは流石に抵抗を感じるし、かといってNeutralだと悪い評価になってしまうわけでどうしたものか悩みます。

何より、届くはずだったタブレットケースの代替はどうしようかと。eBay以外だと割高だし、そもそも適合するケースが少ない機種なので困ります。我ながらケチ臭い話だとは思いますけれども。ともあれ本件はこれでおしまい。

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その後数週間、終わったものだと思って忘れていたら届いてしまいました。

[その後 [note] eBayでロストと思って返金処理済の品がその後届いたので再支払い ]

[IT eth] ブロガーが売春婦と侮辱された記事を削除してSCIAMブログが炎上

SCIAMが何かやらかして炎上中、というので、また論文捏造か誤報の類か、と思って見に行ってみたら全然違う事情で驚きました。事の次第は概ね次の通り。

科学関連情報サイトbiology-online.orgの営業が、SCIAMサイト上で"The Urban Scientist"というタイトルのブログを書いていたフリーの女性ブロガーDNLeeを、自サイト上のブログスペースに勧誘しようとした事が発端。で、無報酬を理由に断られた営業が逆ギレ、女性ブロガーをしてお前は売春婦か、等と信じ難い侮言を面と向かって投げつけ、当然激怒したブロガーがその経緯をブログ記事にして告発、広く共感を得ていたところに、SCIAMが当該ポストを科学に直接関係ない不適切な記事として削除。そうしたら侮辱を黙認するのかとSCIAMに批難殺到し炎上中、というもの。

当該削除された記事等は例えば下記等に転載されています。
Tell Someone “No”, Get Called a “Whore”

実際に交わされたメールの内容は次の通り。上記記事より最後の部分だけ抜粋。

営業:"Because we don't pay for blog entries? Are you an urban scientist or urban whore?"(投稿に報酬を払わないから(断るのか)?おまえは都会の科学者なのか、それとも都会の売春婦か?)

ブロガー:"Did YOU JUST CALL ME A WHORE?" (私が売春婦だと?)

いやもう本当に言葉もありません。何をトチ狂っているのかと。弁解の余地は皆無だし、擁護のされようもないでしょう。メールアドレス中でofekの名を用いているこの営業が何者かはまだ不明のようで、biology-online.org内でどのような地位を占めるのかも分かりませんけれども、単なるオペレータなら解雇、そうでなければ解雇に加えて運営自体も相応の報いを受ける事は間違いなく思われるところです。閉鎖まではいかずとも、後々への影響も相当なものになるでしょう。

それはもう確定事項だからいいとして、問題はSCIAMの方でしょうか。たまたま本件ブロガー女史のブログがそこで開設されていたがためにとばっちりを受けた恰好で、当該削除記事も、実際SCIAMレベルに学術性の高い組織のサイトで注目を集めるトピックスとしては流石に適切とは言い難いですし、おそらく事務的に削除しただけの担当は困惑させられていることでしょう。とはいえ、本件はブログ活動そのものに関するものとしてサイト内での公共性も認められますし、何より悪質な人権侵害として社会的に看過し難い類の事案であるのも事実、それをよそでやれ、と機械的に排除した事には、無責任な面も否定し難いところでしょう。

SCIAM運営としては今後どう対応するか悩ましいところでしょうが、これだけ批難の声が上がっている以上は無視し続けるのも適切ではないでしょうから、少なくとも釈明、加えて場合によっては削除の撤回等、それなりの例外的な取扱いをせざるを得ないのではないでしょうか。というか、外野同士の争いは無益で不毛、場の本来の趣旨から言っても速やかに終息させた方がいいと思うし、そのためにはそれなりのアクションも必要でしょう。この種の事案には不慣れでしょうし大変だとは思いますけど、ブログサイトを運営するのであればその位の対応はやはり義務の範疇でしょうから。

もっとも、SCIAMのフォーラム辺りは普通ほとんど見ないでしょうし大多数のユーザーには特段害もない話、下手な対応をして火に油を注ぐ位なら、このまま無視して放置、でもいいのかもしれませんけれどもね。さてどうするんでしょう。

10/11/2013

[biz] 自動運転製品化の動きが性急過ぎて心配です

日産に続きトヨタと、国内自動車メーカーによる自動運転の実用化宣言が相次ぐこの頃。自動運転の対象範囲と時期の目処は、日産は一般道も含めて2020年、トヨタに至っては高速道限定ながら2015年とのこと。また強気ですね。

トヨタの2015年というのは、自動車関連技術の開発期間一般の長さからすれば、もう既に出来上がっていると言うに等しい時期の早さです。法的には以前から国交省が高速道限定で許容する法改正を行う方向で調整を進めていたところで、可能な見込みではあるんでしょうけれども、それでもまだ不確定には違いないし、いささか性急な感も否めません。日産に先を越されて焦った、とかそういう危うい話でなければいいんですけれども。

そもそも、法的な認可はあくまで制度上の形式的なハードルに過ぎません。自動車の自動運転は、一度でも事故を起こそうものなら取り返しが付かない類のリスクの高いものなのですから、技術に100%はない、という作る側のエクスキューズは通用しない事を強く認識し、その導入には極限まで慎重であるべきところです。

しかるに、当然ながらその適用される環境は現実の道路そのものである以上、天候、道路状況等の外部要因から、機材類の劣化等の内部要因まで、人為的自然的問わずあらゆる種類の環境変動が発生し、リスク要因になるわけで。

自動車間の通信システムは大多数の車に実装されなければ意味を成しませんから、当面は事実上個々の車がそのセンサーで計測した情報のみに基づいて制御されざるを得ません。しかしレーザーにしろ超音波にしろ、降雨・降雪・積雪時等は計測範囲と精度が激しく変化します。その耐性は十分なのでしょうか。センサーの一部に泥が被った時等は、使用不可な旨確実に検知されるのでしょうか。赤外線カメラは外光の影響を強く受けますが、その急激かつ極めて多様な変化への応答は精度速度耐性全て完璧なのでしょうか。トヨタの技術では、原則としてレーンをキープするとの事ですが、白線が見えなくなる場合も多々あります。その場合にも正しくレーンを認識出来るのでしょうか。GPSの誤差も小さいものではありません。前車に追従するにしても、前車がいない、もしくは頻繁に車線変更を繰り返しているような状況でも、判断を誤る可能性は無いのでしょうか。それらを組み合わせて個々のエラーを補う、と言っても、その全て、もしくは重要な要素に誤りが生じて、結局誤った判断を導いてしまうような事は起こり得ないのでしょうか。リスクはあまりにも膨大で、列挙すら困難な程です。

ここで問題なのは、その膨大なリスクを前にして、"絶対に、100%事故を起こしてはいけない"、という事なのです。一般的な人間による運転よりは安全だとか、リスクに対するエクスキューズとして一般に用いられるその種の相対的な優位性の主張には意味がありません。

事故には当然民事的刑事的な責任が伴います。人間が運転する場合は、その責は当然その個人に帰せられます。しかし、自動運転時に事故に至れば、その個人ではなく、またその車自体でもなく、自動運転技術とその開発主体たるメーカーに帰せられる事になるでしょう。事故の程度にも依りますが、自然人であれば免許停止になる程度のものであれば、技術そのものが法的に排除される結果もあり得るでしょうし、そうでなくても、発生した損害はメーカーが負担する事になります。誤動作を起こす条件が発見されれば、それを悪用した詐欺等も発生するでしょう。果たしてメーカーは、あまりに膨大なそのリスクを負ってまで自動運転の搭載を続ける判断を下せるでしょうか。極めて困難なものと容易に想像されます。

もっとも、今回発表されたトヨタによる自動運転については、既に実用化されているオートクルーズアシストの延長的なもので、かつ高速道路のみにつきリスクはある程度限定されているとは思いますし、技術開発の進展自体は歓迎すべき事には違いないところ、健闘を祈りたいと思います。ただ、その製品化にあたっては、くれぐれも拙速に陥る事のないようにと願うのです。メーカー各社もその辺はよく承知しているだろうし、余計なお世話かとは思いますけれども。

トヨタ、高速道路限定で自動運転車を実用化 15年にも

言うまでもない事かもしれませんが、日産の方は論外です。 一般道の自律型自動運転なんて、歩行者云々以前に信号の認識とか基礎的なレベルのデータの計測すら不可能になるケースが当たり前にあるのですから。道路側にセンサ兼通信機を埋め込んで通信し協調する類の、完全他律か少なくとも半他律式でないと話にならないでしょう。そのようなシステムを標準化して整備するのにどれほどの時間を要するか。想像するのも難しい程で、7年で実現なんて100%不可能です。どうせ東京五輪に合わせようとか言う安直な発想だけで、技術的な見通しなしに適当言っただけなんでしょう。馬鹿馬鹿しいにも程があります。

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折しもITS世界会議が東京開催という事でプログラム等を拝見しましたけれども、V2X花盛り、中でも車間通信とか自動運転絡みのセッションがとても多いですね。ただ、各国の行政関係者らの制度面での議論が中心で、技術的な発表が少なく、かつ概ね新規性も実用性も今一つな様子なあたり、やはりまだ実験段階で現実性に欠ける印象を受けます。少なくとも後数年でどうこうって話じゃないのは間違いないところで、その前にどう筋道を付けるかも定まらない中、予算確保のための宣伝活動に着手した、といったところですか。その割には花火の打ち上げ方が派手というか極端すぎな気もするわけで、後々にやっぱり無理、と転換する時に突っ込んだ資金の責任を誰がどう取るのか、早めに明確にしておいて、それを踏まえて進める位の配慮は必要なんじゃないの、とは思うのです。

10/10/2013

[biz law] みずほ経営陣の見苦しいまでに悪い往生際

みずほ銀行による暴力団融資とその放置・隠蔽の件、みずほ頭取以下各経営陣の醜態が見るに耐えません。本件は世間の注目を嫌と言うほど集め、各メディアがこぞって詳細の報道に躍起になっているところですが、いい加減辟易とさせられてしまいます。

本件、元の融資自体が極めて悪質な違法行為である事に疑いの余地はなく、しかも当該案件が取締役会に複数回に渡り報告もされていた以上、その隠蔽がトップ以下全社ぐるみであった事も既に明白なところとなりました。さらには金融庁はじめ行政にも完全な虚偽の報告を弄して面目を潰し、全社挙げて真っ向から怒りを買った形でもあるし、もはや歴代取締役全員の解任を以ってしなければ収まらないだろう事は必至、どう足掻こうとどうにもならないように思われるのですけれども、何をそんなにもたついているんでしょうか。責任の範囲からして解任される取締役の数が多すぎて、後任の人選に手間取っているのかもしれませんけれども、そうであったとしてもそれは責任を明確にした後でも良い筈です。結局は自職の延命を図っているようにしか見えないわけで、その往生際の悪さは見苦しいにも程があろうかと。

何故隠蔽したのか、等と動機について疑問を呈する向きの報道も散見されますが、そんなもの、発覚時の責任追求を恐れたから、以外の理由がありえるんでしょうか。個人の犯行ならば特有の事情も有り得るでしょうけれども、規模的にも期間的にも、一般的かつ直接的な理由があったものとしか考えられないわけですが、そのような条件を満たす理由など、保身くらいなものでしょう。

具体的には次のような感じでしょうか。最初に事実を認識した際の取締役連が保身のため隠蔽に走ります。するとその隠蔽行為が加わる事で責任はさらに重いものとなりますから、元々の案件だけでも保身に走った程の連中の事、当然にそれも引っ括めて隠蔽するでしょう。後は雪だるま式に隠蔽が責任を加重し、加重された責任が隠蔽に走らせる。その悪循環により違法行為を積み重ねた結果が現状、ということかと。もはや途中からは公表など考えもしなかったことでしょう。また、取締役会全員がそうなっていれば、メンバーの入れ替わりがあったとしても、大多数に対して独力で逆らおうとする筈もなく、当然に共犯になっていった事でしょう。

これはもう一々考えるのも馬鹿らしい程の典型的な組織腐敗で、みずほはその成り立ちに起因して構造的に問題の多い体質とは言われていましたが、まさかここまでとは、と呆れざるを得ません。元々の案件が報告された時点で公表しておけば、担当役員の更迭と取締役の減給程度で済んだだろうし、ここ数年の暴力団排除の強化といった状況の変化も含めて結果論の面があるにしても、少しでも真剣にその帰結を考慮していれば隠蔽などという選択はありえなかっただろうわけで、その近視眼的な愚かさ加減に寒気もします。銀行業なんて、先の事を考えるのが仕事みたいなもんでしょうに。

それでも、さすがに事が露見すれば経営陣全員の首が飛ぶだろう事位は当人達も承知していたでしょうから、事ここに及んだ以上は、速やかに責任を取り、この見苦しい騒ぎを終わらせて頂きたいものです。銀行を舞台にしたドラマが人気を博した直後だからとか、不謹慎にも興味本位的に騒ぐ向きも多分にあるようですけれども、全く興味もない向きにとっては、本件自体も、その周囲の騒ぎも、ただひたすらに醜く、不快で、遺憾なだけなのですから。

10/09/2013

[IT pol] 微小に留まるネット監視への反発

NSAによるネット監視の件、事はネットワークの自由そのものへの根本的な脅威であるわけで、その割にはいつも激しく反発する向きが大人しいなと怪訝に思っていたのですけれども、全く声が上がっていないわけでもなかったようで。

Here's Who Is Behind Those Creepy Billboards That Say 'Your Data Should Belong To The NSA'

"Your Data Should Belong To The NSA"、"The Internet Should Be Regulated"と、NSAによる監視を皮肉る広告看板を掲げたのは、P2Pソフト開発会社のBitTorrent。その後ただちに"Your Data Should Belong To You" "The Internet Should Be People-Powered"などとストレートな表現に改変された画像も出回り、アピールとしてはそれなりの効果が出ているようです。

まずは、ネット上の自由独立を尊ぶ精神性が消えてはいない事を示すものとして喜びたいと思います。しかし、全体として見ればこのような活動はごく一部、従前の例からすれば驚くほど小さい散発的なものです。その意味ではやはり今ひとつすっきりしません。

抗議活動が極めて小さい、その理由は、そもそもGoogleはじめ大多数のネット企業がNSAと結託し、監視する側に属している点にあるのだろうと思われます。すなわち、従来なら当然に抗議活動に加わっていたであろう人達が、それらの企業群に属するか利害関係にあるために、敵対的な活動となるだろうネット監視への抗議を行えない状況にあるのではないかと。

だからといって、抗議活動が不当に制限されているとは思いません。それどころか、おそらくはその抗議を抑制している人達の多数はエンジニアであり、従って各企業における中核業務すなわち、ネットワークのトラフィックを集め、分析し、利用する、そのネット監視に他ならない活動の中心的な役割を担ってさえいるものと考えられます。であれば、NSAの活動に抗議する事は自己否定になるのですから、それらはむしろ控えて当然の振る舞いと言えるだろうし、NSAの実現した大規模ネット監視システムは実質的に自分たちの夢でもあった、等と積極的に肯定する向きすら有り得るでしょう。

そして、支配的なネット企業が、その規模によって提供するサービス、その利便性を一般の人々は享受しているわけです。誰も強制などしていません。結局のところ、ビッグ・ブラザーになりたい人達と、ビッグ・ブラザーを作りたい人達、ビッグ・ブラザーの与えるサービスを求めた社会、その利害が一致した結果が現状であり、多くの人は抗議をしたいともすべきだとも思っていないという事なのでしょう。それならそれで別段問題があるとは言えません。

ただそれは、あくまで監視側がその立場、集めた情報を悪用せず、その信頼が担保されている事が前提です。しかるにその悪用に伴う利益は一般にあまりに大きいため、その抑制は殆ど不可能と言うべきものですから、極めて不安定なものと考えざるを得ません。そこに問題があります。

悪用の実例はまだそれ程多く発覚しているわけではありませんが、それでも国家・企業・個人のあらゆる関係に深刻な、致命的とすら言ってもよいだろう悪影響が認められ、今後の悪化も懸念されます。放置されて良い筈はありません。世界中を中国のようにしたいというのなら話は別ですが。

この不適切な状況を是正するには、監視される側、特にその中でも公権に属するところから排除規制を加えていくより他ないものと思われます。先日、EU圏でGmailにおけるプライバシー侵害に対する集団訴訟の認可が決定された事は記憶に新しいところですが、そういった活動を積み重ねるという事です。一方的に監視されて来た、従ってそのシステムの下に留まるメリットに乏しい地域・カテゴリの人々には、その事を周知した上で、拒絶の意志を示したならば、司法の手続きに従い順次解放されるべきなのです。逆に、米国や英国、カナダといった、監視する側の人・企業・地域については、自分たちが好きでやっているのだし、社会的に許容されるのであればそのまま監視する・されるに任せるべきなのでしょう。それも自由と言えなくもないだろうし、それで良いのだと思います。個人的には御免蒙りますけれども。

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10/08/2013

[pol] カナダによるブラジル政府機関・企業へのスパイ発覚

Edward Snowdenによる暴露に端を発した米国による諜報活動実態公表の影響、やはりと言うか、ただ単に時間が経つだけでは落ち着く筈もなかったようです。この程、隣国Canadaの情報機関によるBrazil政府機関等の通信盗聴が発覚。当然のようにBrazilは大統領以下が激しく抗議し、しかしCanada側は諜報活動についてはコメントしないとして無視を決め込むという信じ難い対応をした結果、敵国認定一歩手前な緊張に包まれているそうで。

この件が不味かったのは、諜報活動一般のエクスキューズが成立しない点にあるものと思われます。この種の敵対的な活動は、テロ対策等の安全保障目的に限定される事で必要性が担保され、必要悪として容認もされているところです。しかし、本件の主な盗聴対象は鉱山資源・エネルギー省と、安全保障に無関係な経済分野で、さらに関連する民間企業の活動情報までもが含まれていたとの事。従って正当性が全く認められない、慣習的に許容されうる範囲を著しく逸脱した、敵対性の高い活動であるものと解釈されるものなわけです。

これではCanadaは言い訳のしようもありませんし、まず間違いなく他にも多数同様のケースがあって、ここで説明謝罪でもしようものならそちらにも連鎖飛び火して大爆発するだろうから、不味いヤバいとは知りつつ、だんまりを決め込む以外にどうしようもなかったのでしょう。酷いですね。

ところで、元凶の米国も少し前にブラジルに対して同じような事をやってて、これまたカナダのそれと同じようにブラジル大統領の抗議に対して無視を決め込んでるんですよね。対象はBrazilの石油会社Petrobrasだったんだそうですが、抗議を無視されたブラジル側は今月に予定されていた大統領の公式訪問を取りやめ、その後も関係は冷え込んだまま、改善の目処も立っていないとのこと。

そこに本件。これでアメリカにカナダ、北米大陸の大半が政治的にブラジルと敵対関係、とまではいかずとも没交渉になるという、ちょっと信じ難い状況になってしまったわけで。ブラジルでのプレゼンスを高めたい競合国としては絶好機ではありますが、経済的な面での悪影響は当然無視出来るものではないし、現状の膠着状態の解決の見通しすら立たない現状から、これが長引くのは少々どころではなくまずい話のように思われるところです。米国政府・議会の対立より余程大きな影響があるかもしれません。

といっても、自分たちが絶対正義と信じて他人の言うことに耳も貸さない米国とその弟分のする事、周囲がいくら心配したところでどうにもならないのですけれども。まあ、こういう、自分たちが一方的に悪い状況になった事が殆どない人達には、一度とことんまで行って痛い目を見るのもいい薬なのかもしれません。それで、その傲慢さが少しでも減じれば良いのですけれども。無理な話でしょうか。

そもそも、本当に同盟国だとか協力関係にあると言うなら、それらの国に対してスパイによる諜報活動などするべきではないのです。安全保障上の活動が必要なら、その協力関係を強化すれば済む話、そこにスパイ行為を正当化する余地はもとより皆無なのですから。露見しなければ、等という言い訳がもはや現実的ではない事も、皮肉にもNSAの一件で証明されました。現実として、少なくとも公のネットワークにおいては、いかなる行為も秘密には出来ない以上、そこで公に発覚する事が許容出来ない類の行為は、すべきではありません。やり方の問題ではなく、してはいけないのです。それが国家であろうとも。世界中の通信トラフィックの監視システムを実現した当事者として、当然あってしかるべきその認識を欠いた結果が、今の米国・カナダの醜態という事なのでしょう。無残なものです。

Brazil’s Leader Asks Canada to Explain Its Spying

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10/07/2013

[pol] 自民TPP担当が関税全撤廃容認、の意味不明

自民TPP担当の西川公也がこれまで聖域としてきたコメ等の農業生産品5品目の関税撤廃容認を公表し、甘利TPP担当相も賛同した件、さすがにどうかと思うんです。

TPPが自由経済圏の確立を図るものである以上、関税の維持は明らかに矛盾するし、とりわけ農産物は要と言っても良い重要品目、その除外自体無理があり過ぎる事は明らかでした。いわんやもう既に殆ど決まって後数ヶ月で合意、なんてタイミングでのこのこ入って行ってひっくり返せる筈もない事も分かり切っていた話です。そんな状況にあって、西川氏はじめ自民の推進派としては早く妥協を打ち出したくて仕方なかったんだろうとは思いますけれども、党として国民に対し完全な裏切りを働いた形になってしまったわけで。

推進派の唱える経済的な利や意義はそれなりに理解出来なくもありません。しかし、元より本件を巡る利害対立は苛烈なのであって。まずはその目的すなわち国内農業分野の構造的問題の改善等、合理性の周知を図り、しかし壊滅的打撃を被るだろう部分への補償の仕組みもあらかじめ構築し、そうやって相当の時間と手間をかけて環境を作ったならばようやく合意もありうるかなという話だったところにこれでは、逆に全てぶち壊しになるし、不信も格段に強まるでしょうから、今後の説得までもが極めて困難になってしまうのではないかと懸念もされるところです。

大体、交渉参加してからまだ2箇月、少なくとも公の場ではまだ交渉らしい交渉すら殆どしていないこの段階で合意困難とか言われても、納得出来る人が居る筈もありません。いくら出来レースと言っても最低限の建前は必要です。こんな稚拙な進め方では、推進派も付いていけない向きが相当に出るだろうし、言い訳もまともに出来ず、むしろ困るのではないでしょうか。農業関係者には文字通り死活問題なわけで、そこでこんな無茶をしては死人が出ても不思議ではありませんけれども、当人達にその自覚も無さそうで、しかるにその無自覚無思慮加減からすれば今後の成り行きはより一層酷いものになるだろう事を思うと、憂鬱にならざるを得ないのです。

付け加えると、今回の交渉では、米国不在もあって年内の合意自体が事実上不可能な状態だったし、そもそも米国のいない所で何をしても無駄、従ってこの発言自体する理由はなかった筈なんですよね。文字通り百害あって一利なしな感じで、非常に残念です。

TPP:農産物「重要5項目」も検討対象 政府・自民方針
農産5品目で関税撤廃検討 自民TPP対策委員長 

それで政府としては追認ですか。菅官房長官曰く守るべきものは守る、だそうですが、その守るべきものの象徴かつ筆頭が本件の農産5品目だったわけで。もはや自分で何を言ってるのか分かっていないだろう支離滅裂な論理破綻ぶりで、これまた残念です。このまま突き進んじゃうんでしょうか。衆参両院押さえてるから行こうと思えば行けるし推進派の面々はそのつもりなんでしょうけど、事の重大性からして数年後とか先の事を考えるとそんなやり方は幾ら何でも拙劣に過ぎると思われるところですが。後になって、今思えば拙速だった、とか後悔しても取り返しはつかないのですよ。

官房長官、TPP交渉「守るべきもの守ることに変わりない」

10/04/2013

[biz] Adobeがハック、ユーザ情報全漏れ+製品ソース流出

またかよ、な話ですけれども。

290万超の登録ユーザの氏名住所デビッドカード情報等が全漏れ。Adobeのオフィシャルはこの事態をして今日ではよくあること、とか言い訳にもならない適当なコメントを出していますけれども、当事者が言う事ではないと思うんですよね。

ユーザ情報の漏洩も酷いですけど、最も強く懸念されているのは、ColdFusionとかの製品のソースコードも漏れたところ、当然その解析に基づく攻撃が激増するだろう点ですね。エンタープライズユーザは残念ながら死亡確定です。最も影響が大きいだろうReaderはじめpdf関連製品のソース流出はまだ認められていないようですが、どうせ共通する脆弱性も山程あるんでしょうし気休めにもなりません。既に後の祭り、もうどうしようもないわけですけれども、Adobeのセキュリティ担当は切腹すべきだと思います。

しかし只でさえ業績不振を極めていたところにこれ、真面目にadobe終わったかもしれませんね。南無。買収されるとしたらどこが買うんだろう。やっぱりMicrosoft?

いい加減この手の漏洩が多すぎて、社会的にも個人的にも慣れたというか麻痺して来てる感ありありなのがまた気持ち悪いです。Adobeの態度を見ても今ひとつ危機感が感じられません。やはりペナルティが小さすぎるのがいけないんじゃないでしょうか。とはいえ本件被害者は米国中心、潜在的には法人顧客も含まれるわけで、adobeは集団訴訟とかで大変な賠償を強いられる可能性もそれなりにあるわけですから、それに期待したいところです。

Adobe Announces Security Breach

10/03/2013

[biz] Tesla Model Sが衝突事故でバッテリー発火、大炎上

遂に、と言うべきでしょうか。 米Washington州Seattle近郊の高速で、金属物と接触事故を起こしたTeslaのEV、Model Sがその際にバッテリーから発火し大炎上したそうで。

事故自体は乗員が怪我すら負わない程度、車体の損壊もさほど深刻ではなかったとの事ですから、殆どバッテリー部分のみに起因する惨事という事になります。しかも、消防隊による消火活動の際にも、一旦鎮火したと見せて再び燃え上がり、バッテリーを穴だらけにするまで収まらなかったとか。そういったガソリン車のそれとはまた異なる厄介な現象は、無論大容量リチウムイオンバッテリーの特性上想定されたところで、本件事故自体も、やはりというか、遂に来るべきものが来たかと、少なくとも特段の驚きを誘うものでは全くないのですけれども。それでも一度発生すればかようにまで対処困難となる、その様子を現実に見せられては、相当の戦慄は禁じ得ないのです。

この事故によって、これまでメーカーが喧伝してきた発火対策、すなわちバッテリーセルをブロックに分けて隔離する事で発火可能性を低下させるとする構造も、やはり外部からの衝撃には無意味であった事が実証されてしまいました。EVやPHV等、高密度かつ大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する車両一般に潜在的に内在するこのリスクを現実に顕在化させた本件、その影響は小さいものであろう筈はありません。先日の業績好調を受けて狂ったような上昇を続けていたTesla株も急落、とまあそれはどうでもいいとして。

この種の破損等による発火リスクは、バッテリーの基本的な性質そのものに起因する以上、本質的な意味での発火防止は、やはり不可能であると認めなければならないでしょう。従って今後取られるべきは、そのリスクを前提に、利用者らをその危険から保護する対策です。まず最低限、事故の際には速やかに退避・隔離措置を取るべき旨、周知が図られる必要があるでしょう。また、一定の程度の事故があった場合には、内部の破損状態の確認検証が困難である以上、バッテリーの交換が義務付けられるべきです。

以上、メーカー各社、また監督行政各位には、速やかに対応がなされるよう、強く願う次第です。発火の心配はなく安全、としてきた製造側の主張は、単なる都合のいい願望に過ぎなかった事が証明されました。現実と向き合う時が来たという事でしょう。真摯に取り組んで踏み止まるのか、安易に逃げて社会に害をなすのか。前者が選択されるのであれば、まだ未来もあるだろうと思うのですけれども。

Highway Fire of Tesla Model S Included Its Lithium Battery

本件、よくある路上障害物の軽い接触事故で引き起こされた事から、リチウムイオンバッテリー搭載車一般における深刻な欠陥と指摘する向きがあちらこちらで見られます。折からの米行政一部機能停止の影響で監督部門からの対応はありませんが、それを待つまでもなく事業者による早急な措置が求められるところ、Tesla社の今後の対応に注目が集まっていますね。

Car Fire a Test for High-Flying Tesla

そしてリリースされたテスラ公式の見解。CEOのElon Musk自らの発表によるものですが、要するにガソリン車よりマシだから問題ない、というわけですか。EVの利用自体がまだ極端に少なく、統計的にそんな結論を導けるようなデータがある筈もないのにこんな事を言ってしまうとは。不安定な事業環境にあって保身に走りたくなる気持ちは分からないでもありませんけれども、目先の利益に目が眩み、最も優先すべき利用者の生命の安全を軽んじたものに他ならないわけで、その無責任さに失望するとともに、極めて残念に思います。

Tesla CEO Defends Electric Cars After Battery Fire

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[IT law] 不法薬物売買サイトSilkRoad摘発

悪名高き薬物売買サイトSilkRoadがFBIに摘発され、運営者(であるとされている)Ross William Ulbrichtが逮捕され、FBIは歓喜に沸き、決済通貨のBitCoinは暴落し、世界中に十万とも言われる膨大な利用者・業者は大騒ぎです。

Ulbricht容疑者は運営にあたり、摘発を避けるため当然ながらその氏名や居所を全て秘匿していたわけです。オペレーションはVPN経由、Torも介し、決済はBitCoinと、通常容易に足がつく所は初めから回避していたとのこと。しかし時間が経てば必然的にそこかしこに残るその活動の痕跡が積み重なる事は避けがたく、IT大手の大半と結託した盗聴システムを駆使するFBIの前にあえなく特定されてしまったのでした。

直接の手掛かりは、Gmailのアカウントとのこと。 その情報を"Googleから"入手し、そこから辿ってVPNのプロバイダも特定のち接収し、管理人の拠点と判明したSan Franciscoのとあるネカフェ周辺を捜査し、関連が疑われた各種IDの写真等を周辺で照合する事で、めでたく容疑者に到達したという経緯なんだそうです。

こうまとめてみると、技術的には特段目新しい要素も複雑な部分も無く、容疑事実も明確で、正直大した話でも何でもないように思われます。Googleとかプロバイダとかの全トラフィックを自由に監視出来る以上は、むしろその程度のトラッキングになんでそんな何年もかかってるのかと不思議に思うくらい。けれども、IT技術的には稚拙で、これまで同種の犯罪の摘発に失敗し続けてきたFBIにとっては画期的な勝利、という事なんでしょうね。まあお疲れさまです。

ただ、そもそも本件自体、そんな血眼になって無差別で大規模な盗聴もしてまで摘発する意味があった事件なのかというと、疑問に思う面も否定できません。違法薬物の取引と言えば、中米諸国や国内のドラッグマフィアやら、悪質極まりない連中がそれこそ山ほどいるわけです。それを放置して、比較にならないほど秩序もあって健全と言って良いだろう取引サイトを摘発し、単なるGeekに過ぎない管理人を逮捕したところで、違法薬物に関連する犯罪の対策になるものとは考えられませんし、むしろ悪質な取引とそれに伴う犯罪が増える害が残るだけなのではないかとも思われるわけで。

だからと言って、公権力としては、あれほど大っぴらに運営されて、いつまでも放置出来るわけもない事情はわかります。わかるんですが、ただ、鬼の首を取ったように成果を誇るべき類のものではないように思うのです。

実際、摘発後の当該サイトのフォーラムにおける利用者の反応を見る限り、SilkRoadが閉鎖したとしても、その大半が薬物を止めるかと言えばそんな事は到底考えられません。やはり、より悪質な取引の方へ流れるだけなのでしょう。

薬物依存が極めて脱しがたいものである事は動かしがたい事実。それがそこまで広く社会に広がり定着してしまった以上は、残念な事ではありますが、"違法には違いないけれども、よりマシな"部分は許容していく他はないのでしょう。つい先日実施されたばかりのCaliforniaでの薬物合法化も、そういう判断の結果だった筈ですが、要するに、その後への考慮、受け皿が必要なわけです。違法サイトを摘発したら、より悪質な取引が増え、ドラッグマフィアが増長して治安が悪化しました、では本末転倒なのですから。しかるに、そういうアフターケア的な部分の話が一切聞こえてこない点が気がかりなのです。

とはいえもう摘発してしまったものは仕方がありません。問題はこれからの処理ですが、利用者や業者の摘発はどのくらい進めるつもりなんでしょうか。FBI自身もSilkRoadを調達に使っていたとかいう話も流れたりしてる位なんですが、規模的にも内容的にも相当の難がありそうです。さて。

Arrest in U.S. Shuts Down a Black Market for Narcotics

Silk Road: How FBI closed in on suspect Ross Ulbricht

Silk Road Fans On Reddit Go Ballistic After Seizure

そういえば、本件に伴ってFBIが押収したとされる容疑者所有のBitCoin、少なくとも3.2millionだから今のレートで言うと数億ドルの価値がある筈ですが、その扱いはどうなるんでしょう。まさかFBIが換金するわけにもいかないでしょうし、そのまま只のデータとして死蔵され、のちに失効する事になるんでしょうか。だとしたら何とも儚い話です。

10/02/2013

[biz] 国内SNS系旧大手総崩れに

ついに国内のリストラに着手したとの事で、GREEももう終わりですね。違法ガチャの件から垂直落下的に採算が悪化し赤字に転落、その強みであったプラットフォームも直販形態を取るタイトルの興隆に伴って急速に過疎化したとあっては、もはやかつて社長が吹聴した世界制覇の夢など望むべくもなく、国内での生き残りすら怪しいところと言うべきでしょう。程度は違えど、DeNAも似たようなもの。一歩先に衰退の度を強めていたMixiも同じくして赤字に転落した事と合わせて、かつて飛ぶ鳥を落とす勢いを見せた成長株が揃って衰退していく様は、盛者必衰の理をまざまざと感じさせます。

米国でもZynga等の似たような位置づけの各社がまた同様に急激に凋落していますから、日本のプロバイダが特別愚かだったとは言えないんでしょう。しかし、凋落を始める以前から非難の的であった企業の性格すなわち、無知なユーザーの射幸性を煽り搾取する醜悪な収益構造をして恥じるどころか公然と誇りすらする、その反社会的な姿勢については、少なくとも表面的には殆ど特有のもののように思われていましたし、そこに認められる傲慢さ、またその倫理観の欠如ぶりを鑑みれば、畢竟その愚かゆえの当然の末路と言うべきものには違いないように思われます。

今のところ、それらに取って代わった新興の各種サービスにはそのような傾向はさほど強くは認められません。GREEらのようにプラットフォームを押さえて支配的なポジションに座るわけではなく、個々の事業毎の独立性が高い事業者が大半なために、傲慢には陥りにくい面があるとかそういう事なんでしょうか。何にせよこのまま二の轍を踏む愚を犯すことのないよう願いたいところです。もっとも未成年者の違法課金等は減るどころか増えてすらいるそうですし、以前が酷すぎたから現在が比較的マシに見えるだけで、既に十分に踏み外してしまっている部分もそれなりにあるのかもしれませんが。

しかし仮にそうだとしても、その種の不適切な事業者が絶えることはおそらくなく、消費者庁なりが継続的に介入して逐次是正を図っていく他ないのでしょうから、一々深刻に捉えても詮無い話なのかもしれない、とも思いますけれどもね。ともあれ、関係機関各位におかれましては、不適切な業者の積極的な摘発を望みます。かつての惨状の再現を防ぐには、そうして公の方からこまめに芽を摘んでいくしかない筈なのですから。

グリーがついに正社員削減に着手

ミクシィ、通期で赤字転落へ mixiゲーム課金不振で売り上げ大幅減

すかさず希望退職追加。2000人規模の会社ですから約一割の削減ですか。まだまだ不十分な感じですがさてどこまでいくのやら。ところで、勤続年数を考えると元々の退職金はあって無きが如しな額の筈ですけれども、どれぐらい割増するんでしょうね。それとも脅迫とか泣き落としとかで追い銭は節約して追い出すのか。これだけ注目されている中ではあまり無茶も出来ないでしょうけれども、さて。

グリー、希望退職者200人募集 事業規模の適正化で

GREEにはそもそも退職金制度自体がないんだそうで。代わりに特別転職支援金なる名目で年俸の半額程度が支払われるとか。えー。そこは普通一年分とか二年分とかでしょ渋すぎるんじゃないの、こんなので退職に応じてくれるものなのかなあと首を捻りたくなりましたが、ストックオプションがあるから一時金の額についてはあまり気にしないんですかね。

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10/01/2013

[biz] ソフトバンクが利用者を滞納者ブラックリストに誤登録、与信被害まで

まさに最悪ですねソフトバンク。何ら落ち度の無い、料金も正常に支払っていた携帯契約者多数を未納扱いした挙句、滞納者として信用機関の共通データベース、おそらくはCICの登録システムでしょうけれども、そのブラックリストに登録し、その結果、当該顧客の中にはクレジット契約等を不当に拒絶される実害も出たとか。報道によれば、誤登録の被害に遭った利用客はその数実に6万超、うち実際に信用機関から照会を受け、従って与信等で損害を被った可能性がある人は1万6千827、尋常ではない数です。

原因はシステムの不具合だとか言ってるそうですが、言い訳にもなりません。そんな重大な処理、当然に二重三重のチェックがなされて然るべきところ、そのような仕組みが完全に欠落したシステムで運用しているという事なわけで、それは組織体制の構造自体に欠陥があると言うべきものです。杜撰な会社だと知ってはいましたけれども、ここまでだったかと、愕然とさせられました。

報道の中では被害に遭った顧客の、再発防止を望む旨のコメントも伝えられていますが、そんな改善が期待が出来る種類の会社組織であれば、そもそも万が一にもこのような事態は起こさなかっただろうと思われますし、再発を許容出来ないのであれば利用しない以外に方法は無いだろうとも思うわけですけれども。本件自体の酷さに加え、さらに半年以上にも渡って公表すらしていなかった位なのですから、反省や改善のような、多少なりと誠実さを備えている事が必要だろう振る舞いなど期待するだけ無駄というものです。いやもう見下げ果てました。
 
ソフトバンク利用者 “滞納”と誤登録

9/30/2013

[biz] 東芝がテレビ事業リストラ

しばらくぶりにテレビ撤退の動きが。シャープが会社自体の危機で注目を集める中、余裕がありそうで実はあまりないだろう東芝が先んじて一抜けた宣言してきました。

まずは海外の不採算地域からの販売撤退、また生産拠点の統廃合、というか一ヶ所を除いて廃止し、しかるのちに本体から切り離して子会社に移管する計画だそうですが、これはまた絵に描いたような売却準備で。いや、自社の事業の事、何をどうやろうと企業の自由だし、外野としては分析の手間が省けて助かる位なんですけれども、もうちょっと慎みとか社員への配慮とか考えた方がいいんじゃないかと逆に心配な気もします。まあ、この暴走気味な感じがむしろ東芝らしい、と言えなくもなくもないですかね?

ただ、アプライアンスの一部門にする点は、そうすると確実に売却はし辛くなるわけで少し引っかかるところではあります。外部売却ではなく、他部門にリソースを分割吸収する形で完全に撤退清算してしまう腹づもりなのかもしれませんね。それは流石に勿体ない気もしますが。

ともあれ、実際問題として事業的に発展の余地が皆無に近い状況にあるところにこの方針決定とあっては、もう東芝のAV事業が終了に向かう事は間違いなさそうで、それなりに沢山いる筈のコアなユーザーの方々には心よりお悔やみ申し上げる次第です。しかし、テレビ製造業界自体の現状を改めて見ても、次のネタが4Kとか8Kとか、3Dよりもさらに需要がないだろう無駄仕様しか無いわけで、どうしたって終わってますし、これまでの投資額も他社程大きくなくまた基幹部品も作っておらず、従って撤退に伴う損失は小さく整理も容易な東芝が見切りを付けるのは、むしろ妥当な判断であろうかと。

それに、東芝のテレビ事業を振り返って見れば、シャープにしろソニーにしろ、それぞれコアな部分に強烈な強みを持つ競合と争う厳しい環境にあって、殆どソフト的なアセンブリの面だけでここまで売ったのだから、よく持った方だろうとも思います。お疲れ様でした。ってまだ完全に決まったわけではないし、そうなるとしてもすぐに終わるわけではありませんけれども。

まあ、そもそもテレビは東芝全体からすればおまけ的な位置づけの事業で、経営面に決定的な影響がある筈もなし、外野がそんなにシビアに捉える必要はないでしょう。それより中核事業である原発事業の方、最近は殆ど言及すらしませんが、どうするんでしょうか。そろそろ現実的かつ具体的な方針を伺いたいところですが、さて。

東芝、映像事業の再編発表 生産拠点集約、3000人規模に半減
東芝、映像と白物家電事業の統括子会社 13年度下期に設立 

----追記

とかなんとか、もう本件は終わったかと思っていたらなんぞこれ。Cellレグザの2009~2012販売分一万台でアップデートに伴い画面が映らなくなる不具合とか。よりによってフラッグシップモデルで不具合を出して終わりというのは、如何にも後味悪いですね。

セルレグザ、映像映らない不具合 東芝の最上級テレビ

[biz IT] ゆうちょダイレクト障害、上期末日直撃

郵便貯金のオンラインサービス、ゆうちょダイレクトで障害だそうで。しかも中々解消出来ず長引いているとのこと、決済が集中する上期末かつ月曜にこれはもはやテロと言って差し支えないだろう鬼畜な所業であります。お急ぎの方は窓口もしくはATMへ、とアナウンスされていますが、それでなんとかなるレベルの取扱い量ではない所も多いらしく、企業の担当者を中心にてんやわんやの大騒ぎ。被害に遭われた方々には誠にご愁傷様です。

トラブルそのものは単なるアクセス集中に伴うスローダウンっぽいので、トラフィックが減った後に再起動でもすれば多分に治る類の障害だろうとは思われますけれども、もしそうであれば、それはそれで今時ありえないお粗末なシステム運用という事になるわけで、極めて残念な話です。しかしベンダは何処なんだろう。ゆうちょは大手ベンダの殆どが噛んでるから外からだと分からないのですけれども、実績から推測するにNTTデータあたりでしょうか。契約上は免責されてるんでしょうけれど、賠償ものですよいや本当に。このタイミングは全く洒落になりませんから。

ゆうちょ銀行のネット接続でトラブル つながりにくい状態が起きる

9/29/2013

[pol] 米国政府・議会の予算を巡る対立はもう無視すべきだと思います

すっかり季節の恒例行事になった感のある米国の政府機能停止騒動がまたやってきました。

今回も問題の構造の大枠は同じ、要するに過大な予算案を提示する大統領以下政府ならびに与党民主党に対し、既に上限に達している債務の増額を拒否する共和党が対立し、非難の応酬が繰り返されているというものです。長らく米国では民主党が押さえる上院と共和党多数の下院、いわゆるねじれ状態にあって、いずれのサイドも強引に自案を通す事は出来ない以上、こうなるのはある種当然の事ではあるんでしょう。そして、米国の国家的な問題である以上、世界中の多数が嫌でもある程度注視せざるを得ない状況であるのも当然の事です。

しかしこう、年に何度も、その度に行政が機能停止する旨の、脅迫じみた危機感を煽るような観測が盛んに喧伝され、多少なりと世界中に面倒を強いた挙句、期限最終日にあっさりと、大方の予想通りの大抵債務を先送りする類の妥協案で何事も無かったかのように解決する、なんて茶番を繰り替えされては、いい加減うんざりもするというものです。

もう大方の世間も狼少年扱いするようになったようで、この種のニュースに最も敏感な筈の金融界隈では、だいぶ前からどうせ機能停止にはならない、とする旨の分析記事が散見されていましたけれども、それもむべなるかな。

まあ、大多数にとっては茶番その物ではあるのですけれども、政府職員はじめ公務員には自分の首や減給がかかる話ですから些事とまでは言えないんでしょうけれども。それにしたってこんな頻繁に繰り返されてはいい加減真面目に付き合う気になれなくなると思うんですけれども、どうなんでしょうかアメリカの公務員。

かように世間からは冷えきった見方をされている米政府・議会ですけれども。Obama大統領もここ最近失点続き、特にシリア問題で盛大にやらかして求心力がさらに低下し、一部からは既にlame duckとする声すら上がる現状にあって、最重要政策の一つに位置づけて来たObamacareこと社会保障政策の中核たる健保制度を易々と捨てるわけには行かない事情は理解出来るところです。しかし、世論の趨勢から見て、大多数から絶対に必要とまでは思われていないだろう当該政策に固執しても、共和党側に妥協する必要が皆無に等しい以上、その態度は逆に理不尽かつ非合理的なものと見做されるリスクが相当に高いものと思われるわけで、どうにも分が悪いように見えるんですよね。そもそも、社会保障を充実させようとしたら行政が機能不全に陥りました、では本末転倒なわけですし。従ってこのまま行くと概ね責任は政府側、という事になるでしょうから、さっさと折れればいいのにと思います。ただ、一方で共和党も何も考えてないのが明白で、そちらに合わせるというのもまた無理があるのも事実なのでしょう。結局、どちら側にも合理性の乏しい罵り合いに過ぎないというわけで残念です。

もっとも、我が身というか自国を振り返って見ると、債務の上限やら総量管理とかそういう概念自体が存在せず、ひたすら債務を膨張するに任せ続け、もはや制御不能となってしまっているわけで、いくら米国のあれこれが不毛に見えてもその機能がある時点で比べるべくもないのがまた悲しいところなんですけれども。概算要求100兆ってねえ。。。いやまあその話はここでするものでもないでしょうね。ともあれ、いい加減この種の話は気にするだけ無駄なものと認識されている筈なので、いちいち騒がないで欲しいなと思う次第です。

U.S. Shutdown Nears as House Votes to Delay Health Law

果たして今回は一部一時閉鎖と相成りましたが、しかし世間の大勢は殆ど気にしなかったようで。それでよいと思います。一々付き合ってられませんこんなの。

Markets Don't Care That The Government Just Shut Down 

ちなみにこのままのペースで行った場合、債務上限に達する期限は10/17、あと二週間後ですね。それまでは多分に双方本気で妥協しようとはしないでしょうから、周囲としても放置でよいでしょう。

---
そして期限が迫ってきたところで、当然のように債務上限緩和+保健制度修正で調整中という誰もが予想した予定調和的な流れに。馬鹿馬鹿しいにも程があります。

9/28/2013

[biz] 柏崎原発の2014春再稼働観測に辟易

何かまた無茶な話が持ち上がっているようなので。

東電の新潟は柏崎刈羽原発、条件付きながら県知事が安全審査申請を容認する姿勢に転じたところですけれども、早くも再稼働の観測報道が流されているようで驚きました。それも来春とか。

もう気が早いとかそういう以前の話だと思うのです。というのも、柏崎は今以て続く福島の惨事の当事者である東電の管轄であり、その時点で社会的に見て他事業者とは比較にならない程再稼働が受け入れられないだろうところであって、かつそもそも柏崎は中越地震の折に実際に深刻な事故も起こしており、従って元来的に非常にリスクが高いとされる事と合わせて見れば、既存原発の中で再稼働から最も遠い原発である事は明白な筈なのですから。

柏崎と比較して同種のリスクが小さいと見做されている他の原発ですら再稼働は困難、というか全く見通しも立たない現状にあってのこの再稼働観測、そこには控えめに言っても現実性が全く認められません。それと同時に客観性もない、即ち第三者のそれではあり得ない内容である以上、本観測は再稼働を容認する世論形成を期したものである可能性は極めて高いように思われます。しかるにそれを求める向きはほぼ唯一、東電及び電力業界しか存在しないわけで、要するに本件観測は、東電のプロパガンダというかやらせ報道的なものである可能性を非常に強く疑われてしかるべきものでしょう。

確かに、原発を稼働させる事で、少なくとも短期的には経済的利益が得られる事は間違いないでしょうから、財政面で追い詰められ、しかし撤退が許されない東電の立場からすればそのような活動が不合理とまでは言えないでしょう。けれども、元より福島が回復はおろかその目処も立たず、一層拡大し続けてすらいる現状にあっては、かような試みが無駄である事は明らかですから、そのような活動に使うリソースがあるなら、福島の方に回すべきだろうとは思います。福島が事故前程度まで回復しない事には、東電の原発事業の再開もあり得ない、すなわちそれが再稼働の前提条件なのですから。もっとも福島の収束を諦め、そちらへの投資こそ無駄と判断したという事なのかもしれませんけれども。それならそれで東電自体が事業者として不適格という事になりますから、速やかに分割譲渡等の事業整理に移行すべきところです。

と言って、その種の現実的な判断が出来るような組織なら、このような観測を流そうともしなかったでしょうし、そもそもこんな事にはなっていなかっただろうとも思います。ですから改善は望みません。というより、改善を期待する気持ちなど欠片も残っていません。ただ、早急な代替確立のち退場を切に望むだけです。

柏崎刈羽原発 政府、来春再稼働容認へ

[biz] 路線不備放置の他地域波及、まずJR四国

JR北の設備保全不備発覚の余波、まずはJR四国でした。橋部を中心に、数年に渡り未補修のまま放置された危険箇所が多数。無論まずい話には違いないのですが、とはいえ北に比べれば総路線長も短いし、実際事故の件数が多かったわけでもないので、直接の事故リスクの面で深刻さは格段に低い事は間違いないでしょう。しかしその辺は結果論に過ぎないわけで、要対処と認識しながら放置していた時点で非難を免れる筈もありません。当然の結果ではあります。

即時の徹底した対応を求められる業者側、また監督行政側としては、その甘い判断の自業自得とはいえ、JR北同様主に資金面でとても頭が痛い事でしょう。ご愁傷さまです。とはいえ、JR四国はまだ余裕があるしどうとでもなるでしょう。問題は超赤字で資本力も皆無な、従って同様の不備が明るみに出れば多分に廃線待ったなしになるだろう小規模地方路線業者で、行政としては見て見ぬふりを続けたいところかとは思われますが、しかしこの流れにあってはそうもいかないでしょうしもう詰んでるようにも思えます。これからどうなるにせよ、この事態の引き金を引いたJR北は同業者にはさぞ恨まれているのではないでしょうか。

予想通りに全国路線総点検な様相を呈してきた本件、利用者側とすれば、路線が存続する限りは危険が減るわけだから概ね良い事には違いありませんけれども、運賃増や廃業になれば不利益も甚だしいわけですから、良否は一概に判じる事も出来ませんが、さてどうなることやら。

JR四国、橋50本補修せず 点検記録不備も1000本超 

[関連記事 [biz] JR北海道の不備放置発覚を巡る今更感]

9/26/2013

[law] 経産省課長の匿名暴言ブログ身元バレで大惨事

経産省課長の後藤久典氏が、匿名で暴言を書き連ねていたブログが身バレして大炎上中だとか。当該ブログは当然削除済みにつき魚拓を拝見しましたが、見ず知らずの一般老人をして死ねと言い、被災地対応に関わる政治家に対しても、復興を無駄と考えないなら死ね等と、全方位的に理不尽な非難を加え、天下り予定の勘定を楽しげにする姿やら、その立場の重要性を思えば信じ難い、というか信じたくない、倫理観はおろか、理性の欠片すら感じさせない最悪な発言が明らさまで愕然としました。

氏の現在の正式な役職は、経済産業省、貿易経済協力局、貿易管理部、安全保障貿易管理課の課長。いや貿易担当なら自分の領分に金が回らない国内案件が一般に気に入らないのは分からないでもないんですけれども、そういう次元の話ではない発言だし、当然ながらこのような行為が広く世間に発覚しては処分を免れる筈もなく、現在約2ヶ月の停職中だそうで。多分にこのまま依願退職となり氏のキャリアはあえなく終了となるだろうわけで、因果応報な結果ではあるのでしょう。報いるのが遅すぎな感はありますが。

不幸中の幸い、と言うのも語弊が甚だしい気もしますが、少なくとも政府として都合が良いだろう点としては、氏が敵意を向けた相手に現実的な損害を与えた類の事実が今の所は出ていない事でしょうか。であれば、単に個人の不適切な発言として、後藤氏の放逐で完結する話になるのでしょうから。これが職務上で実害が生じたとなると、後始末の範囲が一気に増えるところでした。いやまだ必ずしも確定したわけではありませんけれども。

ともあれ、今の所は後藤氏個人の愚かな振る舞いとその報い、で終わる話と言えるでしょう。極めて衝撃的ではありましたし、まだしばらく世間を賑わせるんでしょうけれども、本件はそれでおしまいです。

ただ、官僚の中には、特に上位になればなるほど、同様にエゴの強い傲慢な性質の人物がそれなりの割合で存在するのは周知の事実なわけで、その種の人が自分と立場や実利の面で対立する、とそう認識した対象に対して本件同様の敵意を抱く事もまた珍しい話ではないだろうわけで。そして、そういう組織構造は動かし難い以上、この種の人格破綻者の排除は困難というか切りの無いものであって、本件のように明らさまに表出されるのでなければ、そういうものだ、とある程度これからも容認していく他ない話なのかもしれない、と本件の背景にある現実を陰鬱に思うのです。結局のところ、個人があれこれ考えても無駄だろう類の話なのですが、嫌な事を無理やり思い出させられたような感じで、遺憾ではありますし、やはり気分が良いものではありませんから、もうこれきりにして欲しいものです。と言っても無理なんでしょうけど。

しかし、そもそも何故このような事態に至ったのか、まだ理解出来ません。ストレス発散以上の意味なんてないだろうと思うし、良くて自己顕示欲の満足がせいぜい、今回のように発覚した場合に被る被害、そのリスクを少しでも考慮していれば為し得なかっただろうと思うんですけれども。何か強いこだわりでもあったのか、それとも単に時間が経つにつれて警戒感が薄れ、エスカレートしてしまっただけなんでしょうか。はたまた破滅願望でもあったのか。その辺は少し興味も沸くところです。人物自体には全く興味もありませんけれども。

経産官僚「復興不要と言わぬ政治家は死ねばいい」 ブログに不適切発言、懲戒処分

9/25/2013

[biz] Amazonの医薬品販売参入

Amazonが満を持して医薬品販売に進出。

先日の最高裁によるネット販売規制違憲判決から、参入は時間の問題と言われていたところ、ついに本命が殴り込んできました。件の判決以来、ドラッグストア等既存業界は戦々恐々、厚労省経由で有人店舗限定等の規制導入による防衛を図っていたわけですが、その本決定を前にしたこのタイミングで入ってくるあたり、相変わらずの絶妙さ加減に痺れます。

中小小売の全面的衰退の中にあって、専売特権に守られた専門性と多売による安さを両輪に維持発展を続けてきたドラッグストア業界も、その両方の殆どを失った以上、書店や家電等と同様の衰退の道を辿る事になるのでしょう。無論1類等副作用の強い薬剤には変わらず専売権がありますから、完全に消滅する筈はありませんが、今現在街頭で頻繁に見かける類の店舗の数が急速に減少する事は避けられないものと思われます。

もっとも、現在ドラッグストアが販売している類の品を多少なりと値引きして販売する実店舗に対する需要自体はそれなりにあるでしょうから、ドラッグストアという括りが消えるだけで、似たような店舗が残るのかもしれませんけれども。コンビニの派生系のような形になるかも、とか。とりあえず、ドラッグストア各社のこれからの戦略、変遷には興味を持って注目したいと思うのです。

アマゾンが薬のネット販売を本格スタート マツキヨや楽天に続き

[関連記事 [biz law] 薬ネット販売訴訟、原告逆転勝訴 ]

[biz] JR北海道の不備放置発覚を巡る今更感

JR北海道の設備保全不備の件、なかなか落ち着きませんね。

そもそもの話、JR北海道がその他地域と比較して事業者に責任があるだろう事故の頻度が突出して高い事は周知の事実だったのであって、果たして結果にはそれ相応の原因が当然にあった、というだけの事なわけですけれども。

そして、本件事故件数の多さ、その原因が、その低採算性、すなわち超長距離の過疎路線を多数抱え、従って保全を十全に行うだけのリソース、特に資金の支弁がままならない地方路線の構造にある事も殆ど自明なわけで。都市路線と同様のメンテなんて元より出来るはずもないし、今回不備を洗い出したとして、当然に求められるだろう当面の修繕処置を実施出来るのかすら疑問に思われるところです。

と言っても、行政にしろマスコミにしろ、大々的に表沙汰になってしまった以上は見て見ぬふりも出来ませんから、この種の瑕疵に対する昨今の処理の例に倣い、概ね問題が払拭されるまで「毅然とした」対処をせざるを得ない結果として、現状があるという事なんでしょう。地獄の釜の蓋が開いた、と言うと大げさ過ぎるかもしれませんが、それなりの泥沼にはなりそうで、また規模は違えど同様の過疎路線を抱える他業者への波及もあり得るでしょうから、行政や事業者は概ね危機感を抱いているのかもしれませんね。そうであれば、それは如何にも本末転倒な話ですけれども。

ただ、そもそも制度設計がまずいと言えばその通りですが、だからと言ってどうすれば良かったか、どうすれば良いか、と言うとこれまた難しい話なわけで。不採算が自明でも路線は維持しなければならない、その背反を前にした現実的な対応の結果が現状なのですから、単に非難すれば改善されるという性質の話ではない事もまた明らかです。要するに金、採算性の問題なわけです。当たり前ですが世知辛いですね。

採算を改善する方法には、原則として収入増、支出削減、撤退の3択しかありません。その性質上、路線を廃止するのは困難、というか問題になる路線の範囲が広すぎてその選択はあり得ませんし、コストの削減はそもそもそれが問題の原因なのだからこれもあり得ません。従って、必然的に収入を増やすより他ない事になりますが、売上増は到底望めない、となれば、やはり資金を外部から供給するより他ないのでしょう。そしてその手段はと言うと、JR北は一応民間の営利企業で、より酷い経営状態にある事業者は他にも多々あるのだから、公的な援助を主体とするのは困難でしょう。結局の所、利益率の高いJR東あたりから支援を回す位しかないのかなとも思われるわけです。それはそれで、どういう名目で回すか悩ましいかもしれませんが。

ともあれ、おそらくは「思ったより遥に多い」不備が明るみに出るだろうこれからが本番です。他人事のような非難を加えている国交相はじめ政府関係者の方々には、当事者としての責任ある対処が求められるところですが、果たしてそうなるかどうか。元よりJR北の自業自得な面も強く、かつそれが前面に出る形の発覚の仕方をした以上、多分にこのまま全責任を被せて他人事、な態度に終始するかもしれませんが、それだと収束が覚束ないわけで、当該政府関係者以外の誰にとってもよろしくないんですよね。さて。

-----追記

幾つかJR北の財務面の現状を詳しく解説する記事を読ませて頂きました。例えば下記リンク先の記事によれば、元々収入の数割、数百億の超赤字を抱えており、それを国とJR各社が債権の利息として実質的に補填してる形とのこと。思ったよりさらに数段やばい感じですが、どうすんでしょう。この補助をさらに増やすとなると、相当に無理がありそうですけれども。

JR北海道、赤字300億でも倒産しないカラクリとは 

そして当然のように他路線でも同様の不備放置発覚。まずはJR四国にて。

[関連記事 [biz] 路線不備放置の他地域波及、まずJR四国 ]

9/24/2013

[biz] Surface2の爆死必至な構成に驚愕

突然発表されたSurface2/Proですが、これがまた酷い。何がって価格が。RT版が$449から、Pro版は$899から。。。

いや、Microsoftの言い分は分かるんです。先代と比較すれば高解像度化とかグレードアップしてるから割安だとか、正常進化だとか、そう言いたいんでしょう。それは分かるんですが、先代であれだけの壊滅的な失敗、大赤字を出しておいて進化も何もないだろうと。常識的にはコンセプト自体の転換が求められていたところにこれ、ちょっと信じられません。

まずRT版はスペックだけ見れば画面サイズ以外新Nexus7と大して変わらない割に値段は遥に高く、しかもOSが致命的に誰も使っていないし使おうとも思わないWindowsRT、これで売れると思う方がどうかしています。自分たちの商品にAppleのそれと同レベルのブランド力があるとでも?せめて競合を下回る価格にしないと話にもなりません。Pro版はPro版で論外な値段ですし。実売$400を切っているW3-810ですら殆ど売れていないというのに、不人気機種の後継機がその2倍以上の価格で売れるとは到底考えられませんから。

初代Surfaceの失敗、その要因の大半は畢竟他社製品との価格競争力の欠如にある事は殆ど明らかな筈なのに、懲りずにこの構成、Microsoftにはベンチマークというか、反省という概念がないんでしょうか。日本では発売未定との事ですが、個人的には残念に思う気持ちは欠片も感じません。末期感というか出る前から終わってる感だけはひしひしと感じられます。もう何もせずに寝てた方がいい位なんじゃないかとも。いや驚きました。

Microsoft's Surface 2: New tablet, same problems 

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1ヶ月遅れで日本国内での発売がアナウンスされたようですけれども。RT版は4万4800円からとほぼ為替レート通りの値付けで、やはりnew ipadminiにもnexus7にも全く敵わない事は確実、一方でWindows機としての強みを持つ本命のPro版は9万9800円からとドル建てよりさらに値上げして来る始末。

先日発表されたSurface事業の業績では、四半期で売上400億、台数は非公表ですが単価から逆算すると全世界で100万台前後、iPadとの比較では1/10未満なわけで。危機的と言って差し支えない惨状を前にして、何故こんな強気に出られるのか、全く以て理解し難いのです。その他事業で穴埋め出来るからあんまり気にしてないのかもしれませんが、株主にはどう説明するのやら。

9/21/2013

[biz] 米Californiaで新iPhone行列のホームレス乱闘

この程発売されたiPhone5s/c、日本では金銀二色だけが売り切れ、黒は売れ残りと事前報道の盛り上がりの割には期待外れな結果に終わり、docomoの都内中心部での回線状態が他社比較で大幅に劣る報告も上がって、如何にも微妙な感じですが、本場Californiaでは乱闘騒ぎだそうで。

場所はPasadenaのAppleStore、新iPhoneの発売を待つ列の中で発生、2人が逮捕、1人が精神異常の疑いで3日間の監護措置。その経緯はというと、当該逮捕者はいわゆる並び屋、行列の順番確保の代行をしていたホームレスで、その順番が巡ってくる前に売り切れたために報酬を受け取る事が出来なくなり、その事に逆上して乱闘に及んだという次第なんだそうで。

いやもう紛う方なき阿呆ですね。ホームレスの並び屋自体は日本でも珍しくありませんが、AppleStoreみたいなイメージ重視の店舗で、しかも乱闘にまで及ぶというのは、流石に少し眉を顰めたくなる話です。もっとも、行列での乱闘自体は少し前に射殺事件なんかもあった位だし珍しいわけではないのですけれども。いやそれもどうなんだと思いますが。ここの所の乱射事件の頻度といい、ほんとアメリカは地獄です。

ちなみに金銀の新色のみが突出して売れているのはアジアだけらしく、というか金銀は出荷数が極端に少なくそもそも入荷すらしない店舗も多数という話で、という事は本件店舗で売り切れというのは黒も含めた話な筈、そのあたりも含めてやはり日本とは相当の温度差を感じさせます。世界的にはiPhoneのシェアは急速に落ちているところですが、流石に本丸という事でしょうか。

対してやはり微妙な日本、これからどうなるか。特にdocomo。四割と言われる販売ノルマを達成出来るのか、レビュー等を見る限りでは安泰には程遠いようにも思われますし、値引きの消耗戦に突入する可能性もそれなりに高そうで、そうなればユーザーにとって喜ばしい話になるのでしょうが、さて。

2 Men Arrested After Fight Breaks Out In Line Full Of Homeless Men Waiting For New iPhone

9/20/2013

[biz] 中央リニア建設批判、その周囲に漂う無責任

東京オリンピック開催決定に伴い、開通前倒しを求める声が急噴出した中央リニア、それに伴いそもそも論的なリニア建設批判がオリンピック反対論とセットで展開される記事も散見されるこの頃。少し思う所などを。

かような批判については、当然というか殆ど反射的に激しい反発が起きて、理屈も何もあったものではない罵詈雑言が飛び交ってしまって見るに耐えないわけですが、それはさておき。

リニア批判の骨子は、要するに採算性と安全性、その2点に対して疑義があるというもので、それ自体はもっともな話というべきでしょう。つまり関空の二の舞的な先行きに対する危惧ですね。

まず採算性については、構造的に人口の大幅な減少、地方衰退が進む日本にあって、都市間移動の需要総量は増えるどころか減少する事が相当に予想され、しかもその需要を東海道新幹線と分け合う形になる以上、建設維持費を中心として固定費部分の売上に対する比率は大幅に上昇する可能性が非常に高いだろうわけで、絶対に失敗する、とまではいかずとも、かなり分の悪い賭けである事は否定出来ないように思われるところです。

次に安全性については、世界でも例の無い地下高速鉄道の長距離路線で、それも大規模地震の頻発する日本でのものとあって、建設から運用まで、あらゆる部分で技術面の膨大な不確実性があるわけで、そのリスクが極めて高いものである事に疑いを容れる余地は無いように思われます。リスクが高ければ、事前事後の両面でそれだけコストは跳ね上がりますから、只でさえ覚束ない採算性がさらに危うくなる影響も無視出来ません。

それでも一私企業の事業であれば、分の悪い博打を打つのも勝手ですが、仮に失敗した場合、流石にJRに倒産されるわけには行きませんから、実質的に政府、また国内経済がその損失を担保する事になります。それは容認出来ない、とするのが大半の批判の趣旨のように見えます。その理屈はステレオタイプなもので、概ね万人が理解出来るところでしょう。

しかし、これは全て今更の話です。そのようなリスクがある事は、少なくともJRは十分に認識していて、だからこそ速さに特化することで新需要の創出を目指し、かつ中間駅も乗降機能に特化する等設計も簡素化し、自治体の介入も排して、事業全体のコストとリスクの抑制も図っているのだろうわけで。今更それらの具体的な設計を全て無視して、大雑把なそもそも論のみによって批判を加えるのは、流石に無責任と言わざるを得ないように思われるのです。関係者からすれば、呆れつつ辟易としているところでしょう。

確かに時代は変わりました。東京オリンピックも、衰退期に入った日本の状況にあっては、前回のような成長効果を望むべくもないでしょう。新幹線とリニアを重ねて見たくなる気持ちもわからないではないし、オリンピックとセットで論じられるのもある程度は自然な事なのでしょう。ただ、オリンピックと中央リニアの建設とは、時間的にも場所的にも意味的にも、そのスコープは全く異なる事業であって、それをまとめて無駄と断じて批判する向きには、流石に無理があると思うし、同意はし難く思うわけです。まとめて必要とする意見にもまた同意できませんが。

勿論リニアに大きなリスクがある事は事実ですが、JRはそれを承知で、かつそれなりの具体的な勝算もあって挑戦しているのでしょうから、それは失敗の可能性を減じるよう、支援すべきところだろうと思うのです。むしろ問題と言うべきは、東京オリンピックに合わせて建設前倒し、とか無謀な意見を出す人が沢山いる事かもしれません。その具体的なリスクを少しでも考えたことがあるならそんな事は到底言えない筈で、つまりそれだけ公然と無責任な事を言える人達が大勢いるという事の証左です。批判されるべきは、そういう無責任さだと思うのです。そういう意見でも数が多ければ多かれ少なかれJRに対する圧力、負担になり、リスクを増やす結果になってしまうのですから。

とか、そんな風な事を思う次第。 個人的には、オリンピックは無駄だと思うけど、リニアは頑張って事業的に軌道に乗せて欲しいなと思います。

9/13/2013

[law] 元女性な夫と人工授精児間の親子関係否認

性転換した元女性が、第三者の精子を用いた人工授精による妻の子との親子関係の存在確認を求めた人事訴訟について、家裁が棄却する決定を出したとのことで。

結論としては妥当、というか、いやそんな当たり前の事何で争ってんの、とそもそも訴訟が提起された事自体に強い疑問を覚えざるを得ません。というのも、本件原告は親子関係の存在を主張する根拠として民法七百七十二条の規定を挙げているとのことですが、本規定はその条文に明示されている通り、あくまで推定規定であって、事実として血縁のない事が明らかな場合には当然に否認されるものなわけで。本規定が訴訟で争われるとすれば本件とは逆、嫡出の推定が事実と反する場合にその証拠を挙げて否認を求めるのが通常なところ、流石に本件のこれは誤解に基づくもののように思われて、残念な感が拭えません。

いや、パートナーとの子供が欲しいって気持ちは分かるんですけれどもね。分かるんですが、血縁は生物的な事実関係なのであって、事実に反する以上、いくら求めてもそれは無理というものです。そもそも養子で何の問題もないでしょうに。

どうしても、というなら、捏造ではなく血縁関係を作る方向で、すなわち一般の細胞による人工授精技術の実現を待ってそれを用いるより他仕方がないのではないでしょうか。といって、副作用の無い方式が確立されるまでには少なくとも数十年位はかかりそうで、それはそれで無理な感じがしますけれども。

性別変更の男性と人工授精の子、親子と認めず 大阪家裁

<民法第七百七十二条>
 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

9/12/2013

[biz law] フタバ産業元専務、中国での贈賄容疑で逮捕

フタバ産業、中国での贈賄にて元幹部逮捕、と。

容疑者は寺田武久、元専務兼現地法人社長。同社広東工場に対する税関からの違反指摘に伴う罰金軽減を目的に地元政府幹部へ数十万の贈賄。正確な容疑は不正競争防止法違反という事ですが、また珍しい容疑ですね。国内の公務員相手だと贈賄罪そのものでの逮捕になるところですけれども、相手が他国の公務員につきそれは不可、ということでこうなったんでしょう。とても面倒だったでしょうに、愛知県警はよく頑張りました。余罪も数多くある見込みとの事で、一罰百戒、良い前例になるでしょうから、そちらの捜査立件にも期待したい所です。

しかしこれ、中国でのビジネス展開における賄賂というのは、長らく殆ど必須とすら言われ、今現在も当然の慣習とされている事は周知の通りなわけで、多くの企業、その現地法人の幹部は同容疑での検挙の恐れが急に高まって、今頃は一様に戦々恐々といったところなんじゃないでしょうか。自然、今後は同ポジション候補者のモチベーションも下がるでしょうし、副作用的に、最近の環境悪化を受けた中国撤退もしくは忌避の動きもますます進みそうです。もっとも、それは必ずしも悪い話ではない、というか本来歓迎すべき話とも言うべきところでしょう。違法行為が当たり前にまかり通ってきたこれまでが異常なのであって、それが是正されるという事なのですから。

いやそれにしてもフタバ産業、粉飾、不正融資、と来てさらにの本件、あまりに黒すぎでしょう。孫請け以下の末端での話ならまだしも、フタバ位に上流の、中核に近い位置づけの企業でこの有様というのでは、他のトヨタ傘下主要企業、ひいては本体へも懐疑の目を向けざるを得なくなるわけですけれども、大丈夫なんでしょうか。ってそんなわけないですよね。国内ですら談合はじめ違法行為も当たり前な業界なんですし。

フタバ産業の元専務逮捕 中国の地方政府幹部に賄賂の疑い

9/11/2013

[biz law] 全裸集団客写真の王将店舗閉店

んんん?客が集団で全裸で来店して、その写真をネットに流された王将店舗が閉店?

SNSでの不適切行為公表による休業が相次ぎ、閉店も珍しくない昨今ではありますが、その後の処分の軽重は結局の所店舗側の有責性の有無、またその程度による筈、このケースは写真の内容もその流布も全て客の行為、店側に責任はなく、「公序良俗に反する行為があり営業を続けられない」という理由は妥当しないように思われるんですけれども。

この理屈に従うなら、酔って脱ぐ客が出たり、他にも客の不適切な行為、例えば粗相の場面や未成年飲酒の写真が流れたら、それが全て客の勝手な行為でも、その店は営業続けられくなるのかと。さらに一方で従業員の行為により、すなわち店側の責任、自業自得である筈の原因で休業していた別店舗は再開していたりして、全く辻褄が合いません。逆でしょう。

無論損害が発生した事は疑いようもないし、本件不適切行為に及んだ客にその分の損害賠償を求めるのは当然の事なんですけれども、営業継続の可否は別の話、今回の決定内容は全く以て理解し難いものと言わざるを得ません。

この不合理さ加減、その辺は口実で、単に元から不採算気味な店舗を畳むのに流用しただけなんじゃないかとか邪推したくもなります。そしてその責任を客に押し付け、あわよくば賠償金として費用を得ようとしているのでは、とか。もしそうなら、それは客のそれより余程悪質な犯罪に他ならず、到底看過し難いものと言えるでしょうけれども、流石にそんな酷い話がそうあるものとは思いたくもないですし、その疑念を否定するに足るだけの合理的な説明が求められるところかと思われますが、さて。

餃子の王将、金沢は閉店 新潟は再開へ 写真ネット投稿

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なんか件の全裸客は当該店舗向かいのホストクラブ店員、まあ要するにヤクザ的な人たちで、店側は恐怖感から制止し切れなかった、って話みたいですね。そういう事情なら、かようなトラブルの後では報復の恐れも多分にあるだろうし、営業し辛いというのも理解出来なくもありません。しかしそんな事一々気にしてたらやってられないと思うんですけれども。それに、諸々の配慮の結果だろうとは言え、あの公式発表は流石に拙いかとも。被害者に酷かとも思いますけれどもね。

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そして一月後、すっかり忘れていましたが件の全裸客、その中心であるところのクラブ経営者と店長の2名が逮捕されたそうです。他の従業員七名が逮捕されていない理由がよくわかりませんが、従属的だったからとかそういう事でしょうか。容疑は業務妨害と公然わいせつ、特段おかしな所もなく、淡々と有罪になるのでしょう。許可を得ていたとか言って容疑を否認しているそうですが、その頭の悪さが本件の愚かさにふさわしく思われて、むしろ納得させられてしまうのです。

「餃子の王将」で全裸、男2人逮捕=ネット公開、業務妨害容疑-石川県警

[biz] ドコモiphone販売

ツートップ導入に始まった今季の改革が半年を待たずして早くも完結。テンプレの「当社から発表したものではありません」コメントが出た時点で確定済ではありましたが、apple本社での新iphone発表イベントで、docomoが供給開始する旨正式発表がなされました。9月20日から。2year-contractで$99のプラスチック外装な廉価版も同時に投入で価格面も隙なし。

docomo版iphoneの細かい仕様は未発表につきこれまで導入の障害になっていた独自サービス類の扱いも不明ですが、ここ最近の環境を見るにおそらくはdocomo側が折れた恰好でしょうから、シンプルな元祖スマホの最新型として尚更他機種に比して高い訴求力が期待出来そうです。

遅すぎた導入にはもう今更何を言っても仕方ありませんが、これで一人負けだったdocomoのラインナップも他社とイーブンになり、競争も復活するだろうし、ユーザーとしては漏れなく喜ばしい結果ではあるでしょう。

潜在的なニーズを一々考慮するまでもなく、docomoから出るiphoneが売れるのは分かり切った話なので、やはり注目は国内競合端末メーカー各社の身の振り方でしょうか。対抗策もほぼ皆無、ビジネス向けのスマホとか、ほぼらくらくスマホそのまんまで泣けます。FとSHが一縷の望みをかけていただろうスリートップも実質的に露と消えました。来年度にはソニーを除く全社退場、すらあり得そうですけれども、さて。

NTTドコモ、「iPhone」販売を発表 20日から

ところでこの新iphone、よくよく仕様を見てみると、800~900Mhz帯にも対応してるんですね。docomo、auはほぼ整備済み、対してSBが未対応。これは無視し難い差異には違いありませんから、SBから一気に顧客が流出しそうです。しかしあまり一気に負荷が増えたりすると、docomoの回線網が耐えられるのか不安もありそうですがどうなんでしょう。この帯域が使える分余裕はある筈なんですけれども。さてさて。

9/10/2013

[law] 原発事故、東電・政府幹部42人全員不起訴処分

福島第一原発の事故に関して告訴された東京電力関係者及び当時の政府首脳42人について、全員不起訴の決定が東京地検より発表されました。

その理由は予測可能性が認められない、というもので、そこまで含めて事前予想、報道の通りの結果ではあるのですけれども、当然もしくは妥当の結論、というよりはむしろ不起訴にするとすればこれしかない、という極端に偏った構成に思われます。しかも本結論に至るにあたって家宅捜索すらしていないというのでは、検察には端から捜査も立件もする意志が全くなく、告訴団の不承諾も折り込んで、検察審査会に丸投げしたものと考えざるを得ません。それは責務放棄に他ならず、極めて残念な限りです。

本件容疑、すなわち津波対策懈怠の過失については、少なくともその有無に関してはほぼ議論の余地すらなく認められるし、その予測可能性も、試算はあった以上、不可能であったとまでは当然には言えないでしょう。過失性を阻却する理由には試算に現実味が無かった事が挙げられていますが、それが事実であれば、注意義務の程度も一般のそれとは全く異なる、極限までの高度性が要求されて当然な事業にあって、その漫然とした認識こそが最たる過失とも考えられます。どの点を取っても看過し難い疑義が認められるところ、一行政機関に過ぎない検察の裁量による免責が許されるべきものとは到底考えられません。

いや、行政機関だからこそのこの判断というべきなのかもしれません。事案の規模や相手の面子からすれば、面倒さ加減は恐ろしい程だし、今後の出世から生命の安全まで、色々危ぶまれる事も必至、その困難さを前にしては保身に走りたくなる気持ちも分からないではないところです。与党の幹事長からして東電の関係者ですしね。しかし、如何な困難があれ、この空前とも言える被害を前にしてのその安易な判断には、いくら何でもそれはないだろうと、強い呆れと軽蔑を禁じ得ないのです。

無様にも程があろうこの体たらく、ここ数年で信用が地に堕ちた検察組織としてはむしろらしいと言えなくもないとも思われますが、しかしそこから挽回しようとする姿勢の欠片も感じられないというのでは、もう検察制度、組織自体が不用とする見方もさらに強まるだろうし、保身に走ったつもりが逆に組織ごとリストラされました、とか裏目な先行きもありそうで、いやそれは別に構わない、むしろもうそうやって一度潰して作り直した方がいいんじゃないかとすら思う次第なのです。こんな事を考えさせられてしまう時点で、やはり実に残念な話なのですけれども、それも現実、致し方のないところなのでしょう。

ともあれ、検察への批判等は本件に関しては既に別の話、これから審査会、また多分に起訴相当の議決がなされた後に訴訟を担うだろう方々には、検察のように困難に屈する事無く、法の正義の実現に寄与されん事を願います。

福島第1原発事故:不起訴 検察異例の会見

9/09/2013

[biz law] docomoが携帯利用者データ外販

JR東に続いてまさかのドコモ。携帯利用者の位置、年齢、性別、住所を10月に企業向け外販の計画。血迷いましたか。

導入手法もJR東と同様にオプトアウト、にも関わらずその告知も個別にはせずHP上のお知らせのみだし、さらに除外の手続きも顧客側からの電話のみで専用の窓口すら設けず当然のようにパンクして繋がりもしないだとか、CRMの欠片も感じさせないその最低っぷりに眩暈がします。

いやもう馬鹿にも程があるでしょう。JR東の惨状を見て、しかもそれより個人性が強く、プライバシーとの相関も遥かに高い携帯の利用データでこの始末、頭が沸いてるとしか思えません。100人中100人が拒否するでしょうこんなの。統計処理とか関係ない、どころか返って不安を煽るだけでしょうし、実際のところ、本データを購入する企業のニーズを考えれば、他のデータと照らし合わせて個人情報を取り出そうとする所は多々あるだろうし、例えばコンビニ等の店舗での来客情報と組み合わせるとか、容易に復元出来てしまう場合があるだろう事も容易に予想がつくわけで。それでいて利用者側のメリットは皆無。あり得ません本当に。

しかし本件自体もさることながら、docomo自体についても、長年個人向けサービスを営んで来ておきながら乱心とも裏切りとも言えるだろうこの振る舞い、その実態はかような企業だったのかと、驚愕を禁じ得ません。会社自体の信用も大きく損うだろう事も明らかに思われるわけで、それが分からない筈も無いと思うんですけれども。極めて理解し難い話です。

ともかく、その辺がどうであれ、本件は社会的な影響を鑑みて流石に許容され難いところと憂慮されますので、docomoにおかれましては、早急に計画を撤回し、また厳に反省される事を望みます。

モバイル空間統計の実用化および携帯電話ネットワークの運用データ利用について

[関連記事 [biz law] JR東がSuica利用個人データを無断で外販 ]

8/27/2013

[PC] Ubuntuの壁紙表示モードを修正

気づいたのがついこの間の事なのでいつからなのかはわからないのですが、普段使ってるUbuntu13.04のPCで、壁紙の表示形式がいつものアスペクト保持縮小から等倍切り出しに変わってしまってたのです。当然、gnomeの壁紙設定メニューから修正しようとしたのですけれども、そしたらGUIが下図のような感じに仕様変更されて、表示形式の設定項目が無くなってるんです。


これでは修正が出来ません。ちなみに元の画像は下のような感じ。上図では中央部分だけが切り出されて等倍表示されてしまっています。なお下図のウィンドウは上図のウィンドウの画像部分をクリックすると遷移する選択画面のうち、画像指定をするところです。タブレット系を意識したシンプルな画面構成が流行りな昨今にしても、設定画面でこれはシンプル過ぎる気がするんですが。

  

何でこんな事に?って考えても無駄だし、しょうがないなあ、とぼやきつつ他の手段で変更することに。どうするかというと、gnomeの内部設定を直接変更します。コマンドラインからgsettingsコマンドでも構いませんが、項目を一字一句覚えておくのも億劫なので、GUIツールのdconf-editorを使用します。コンソールから下記コマンドで起動です。

$ dconf-editor

もしdconf-editorが無ければ、apt-getしておきます。

[ dconf-editorインストールコマンド ]

$ sudo apt-get install dconf-tools

で、目指す項目はorg.gnome.desktop.background中のpicture-optionsです。下図のように辿ります。"wallpaper"になってます。


この値の部分をクリックするとドロップダウンリストが表示されて、そこから選択変更出来るようになっています。従来の表示形式は全て設定可能ですが、私の希望はアスペクト保持拡縮モードなので、"scaled" に変更します。


するとめでたく元通り。


こんだけの事です。標準の状態で使っていれば問題ない話なのかもしれませんが、何となくgnomeが見捨てられたような気がして、であれば若干残念な気もする次第なのです。というかそもそも何で設定GUIを変更したのやら。新しいGUIを見る限り、変更する意味は何処にも無いように思うんですけれども。。まあ考えても詮無い話ですかね。