9/30/2013

[biz] 東芝がテレビ事業リストラ

しばらくぶりにテレビ撤退の動きが。シャープが会社自体の危機で注目を集める中、余裕がありそうで実はあまりないだろう東芝が先んじて一抜けた宣言してきました。

まずは海外の不採算地域からの販売撤退、また生産拠点の統廃合、というか一ヶ所を除いて廃止し、しかるのちに本体から切り離して子会社に移管する計画だそうですが、これはまた絵に描いたような売却準備で。いや、自社の事業の事、何をどうやろうと企業の自由だし、外野としては分析の手間が省けて助かる位なんですけれども、もうちょっと慎みとか社員への配慮とか考えた方がいいんじゃないかと逆に心配な気もします。まあ、この暴走気味な感じがむしろ東芝らしい、と言えなくもなくもないですかね?

ただ、アプライアンスの一部門にする点は、そうすると確実に売却はし辛くなるわけで少し引っかかるところではあります。外部売却ではなく、他部門にリソースを分割吸収する形で完全に撤退清算してしまう腹づもりなのかもしれませんね。それは流石に勿体ない気もしますが。

ともあれ、実際問題として事業的に発展の余地が皆無に近い状況にあるところにこの方針決定とあっては、もう東芝のAV事業が終了に向かう事は間違いなさそうで、それなりに沢山いる筈のコアなユーザーの方々には心よりお悔やみ申し上げる次第です。しかし、テレビ製造業界自体の現状を改めて見ても、次のネタが4Kとか8Kとか、3Dよりもさらに需要がないだろう無駄仕様しか無いわけで、どうしたって終わってますし、これまでの投資額も他社程大きくなくまた基幹部品も作っておらず、従って撤退に伴う損失は小さく整理も容易な東芝が見切りを付けるのは、むしろ妥当な判断であろうかと。

それに、東芝のテレビ事業を振り返って見れば、シャープにしろソニーにしろ、それぞれコアな部分に強烈な強みを持つ競合と争う厳しい環境にあって、殆どソフト的なアセンブリの面だけでここまで売ったのだから、よく持った方だろうとも思います。お疲れ様でした。ってまだ完全に決まったわけではないし、そうなるとしてもすぐに終わるわけではありませんけれども。

まあ、そもそもテレビは東芝全体からすればおまけ的な位置づけの事業で、経営面に決定的な影響がある筈もなし、外野がそんなにシビアに捉える必要はないでしょう。それより中核事業である原発事業の方、最近は殆ど言及すらしませんが、どうするんでしょうか。そろそろ現実的かつ具体的な方針を伺いたいところですが、さて。

東芝、映像事業の再編発表 生産拠点集約、3000人規模に半減
東芝、映像と白物家電事業の統括子会社 13年度下期に設立 

----追記

とかなんとか、もう本件は終わったかと思っていたらなんぞこれ。Cellレグザの2009~2012販売分一万台でアップデートに伴い画面が映らなくなる不具合とか。よりによってフラッグシップモデルで不具合を出して終わりというのは、如何にも後味悪いですね。

セルレグザ、映像映らない不具合 東芝の最上級テレビ

[biz IT] ゆうちょダイレクト障害、上期末日直撃

郵便貯金のオンラインサービス、ゆうちょダイレクトで障害だそうで。しかも中々解消出来ず長引いているとのこと、決済が集中する上期末かつ月曜にこれはもはやテロと言って差し支えないだろう鬼畜な所業であります。お急ぎの方は窓口もしくはATMへ、とアナウンスされていますが、それでなんとかなるレベルの取扱い量ではない所も多いらしく、企業の担当者を中心にてんやわんやの大騒ぎ。被害に遭われた方々には誠にご愁傷様です。

トラブルそのものは単なるアクセス集中に伴うスローダウンっぽいので、トラフィックが減った後に再起動でもすれば多分に治る類の障害だろうとは思われますけれども、もしそうであれば、それはそれで今時ありえないお粗末なシステム運用という事になるわけで、極めて残念な話です。しかしベンダは何処なんだろう。ゆうちょは大手ベンダの殆どが噛んでるから外からだと分からないのですけれども、実績から推測するにNTTデータあたりでしょうか。契約上は免責されてるんでしょうけれど、賠償ものですよいや本当に。このタイミングは全く洒落になりませんから。

ゆうちょ銀行のネット接続でトラブル つながりにくい状態が起きる

9/29/2013

[pol] 米国政府・議会の予算を巡る対立はもう無視すべきだと思います

すっかり季節の恒例行事になった感のある米国の政府機能停止騒動がまたやってきました。

今回も問題の構造の大枠は同じ、要するに過大な予算案を提示する大統領以下政府ならびに与党民主党に対し、既に上限に達している債務の増額を拒否する共和党が対立し、非難の応酬が繰り返されているというものです。長らく米国では民主党が押さえる上院と共和党多数の下院、いわゆるねじれ状態にあって、いずれのサイドも強引に自案を通す事は出来ない以上、こうなるのはある種当然の事ではあるんでしょう。そして、米国の国家的な問題である以上、世界中の多数が嫌でもある程度注視せざるを得ない状況であるのも当然の事です。

しかしこう、年に何度も、その度に行政が機能停止する旨の、脅迫じみた危機感を煽るような観測が盛んに喧伝され、多少なりと世界中に面倒を強いた挙句、期限最終日にあっさりと、大方の予想通りの大抵債務を先送りする類の妥協案で何事も無かったかのように解決する、なんて茶番を繰り替えされては、いい加減うんざりもするというものです。

もう大方の世間も狼少年扱いするようになったようで、この種のニュースに最も敏感な筈の金融界隈では、だいぶ前からどうせ機能停止にはならない、とする旨の分析記事が散見されていましたけれども、それもむべなるかな。

まあ、大多数にとっては茶番その物ではあるのですけれども、政府職員はじめ公務員には自分の首や減給がかかる話ですから些事とまでは言えないんでしょうけれども。それにしたってこんな頻繁に繰り返されてはいい加減真面目に付き合う気になれなくなると思うんですけれども、どうなんでしょうかアメリカの公務員。

かように世間からは冷えきった見方をされている米政府・議会ですけれども。Obama大統領もここ最近失点続き、特にシリア問題で盛大にやらかして求心力がさらに低下し、一部からは既にlame duckとする声すら上がる現状にあって、最重要政策の一つに位置づけて来たObamacareこと社会保障政策の中核たる健保制度を易々と捨てるわけには行かない事情は理解出来るところです。しかし、世論の趨勢から見て、大多数から絶対に必要とまでは思われていないだろう当該政策に固執しても、共和党側に妥協する必要が皆無に等しい以上、その態度は逆に理不尽かつ非合理的なものと見做されるリスクが相当に高いものと思われるわけで、どうにも分が悪いように見えるんですよね。そもそも、社会保障を充実させようとしたら行政が機能不全に陥りました、では本末転倒なわけですし。従ってこのまま行くと概ね責任は政府側、という事になるでしょうから、さっさと折れればいいのにと思います。ただ、一方で共和党も何も考えてないのが明白で、そちらに合わせるというのもまた無理があるのも事実なのでしょう。結局、どちら側にも合理性の乏しい罵り合いに過ぎないというわけで残念です。

もっとも、我が身というか自国を振り返って見ると、債務の上限やら総量管理とかそういう概念自体が存在せず、ひたすら債務を膨張するに任せ続け、もはや制御不能となってしまっているわけで、いくら米国のあれこれが不毛に見えてもその機能がある時点で比べるべくもないのがまた悲しいところなんですけれども。概算要求100兆ってねえ。。。いやまあその話はここでするものでもないでしょうね。ともあれ、いい加減この種の話は気にするだけ無駄なものと認識されている筈なので、いちいち騒がないで欲しいなと思う次第です。

U.S. Shutdown Nears as House Votes to Delay Health Law

果たして今回は一部一時閉鎖と相成りましたが、しかし世間の大勢は殆ど気にしなかったようで。それでよいと思います。一々付き合ってられませんこんなの。

Markets Don't Care That The Government Just Shut Down 

ちなみにこのままのペースで行った場合、債務上限に達する期限は10/17、あと二週間後ですね。それまでは多分に双方本気で妥協しようとはしないでしょうから、周囲としても放置でよいでしょう。

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そして期限が迫ってきたところで、当然のように債務上限緩和+保健制度修正で調整中という誰もが予想した予定調和的な流れに。馬鹿馬鹿しいにも程があります。

9/28/2013

[biz] 柏崎原発の2014春再稼働観測に辟易

何かまた無茶な話が持ち上がっているようなので。

東電の新潟は柏崎刈羽原発、条件付きながら県知事が安全審査申請を容認する姿勢に転じたところですけれども、早くも再稼働の観測報道が流されているようで驚きました。それも来春とか。

もう気が早いとかそういう以前の話だと思うのです。というのも、柏崎は今以て続く福島の惨事の当事者である東電の管轄であり、その時点で社会的に見て他事業者とは比較にならない程再稼働が受け入れられないだろうところであって、かつそもそも柏崎は中越地震の折に実際に深刻な事故も起こしており、従って元来的に非常にリスクが高いとされる事と合わせて見れば、既存原発の中で再稼働から最も遠い原発である事は明白な筈なのですから。

柏崎と比較して同種のリスクが小さいと見做されている他の原発ですら再稼働は困難、というか全く見通しも立たない現状にあってのこの再稼働観測、そこには控えめに言っても現実性が全く認められません。それと同時に客観性もない、即ち第三者のそれではあり得ない内容である以上、本観測は再稼働を容認する世論形成を期したものである可能性は極めて高いように思われます。しかるにそれを求める向きはほぼ唯一、東電及び電力業界しか存在しないわけで、要するに本件観測は、東電のプロパガンダというかやらせ報道的なものである可能性を非常に強く疑われてしかるべきものでしょう。

確かに、原発を稼働させる事で、少なくとも短期的には経済的利益が得られる事は間違いないでしょうから、財政面で追い詰められ、しかし撤退が許されない東電の立場からすればそのような活動が不合理とまでは言えないでしょう。けれども、元より福島が回復はおろかその目処も立たず、一層拡大し続けてすらいる現状にあっては、かような試みが無駄である事は明らかですから、そのような活動に使うリソースがあるなら、福島の方に回すべきだろうとは思います。福島が事故前程度まで回復しない事には、東電の原発事業の再開もあり得ない、すなわちそれが再稼働の前提条件なのですから。もっとも福島の収束を諦め、そちらへの投資こそ無駄と判断したという事なのかもしれませんけれども。それならそれで東電自体が事業者として不適格という事になりますから、速やかに分割譲渡等の事業整理に移行すべきところです。

と言って、その種の現実的な判断が出来るような組織なら、このような観測を流そうともしなかったでしょうし、そもそもこんな事にはなっていなかっただろうとも思います。ですから改善は望みません。というより、改善を期待する気持ちなど欠片も残っていません。ただ、早急な代替確立のち退場を切に望むだけです。

柏崎刈羽原発 政府、来春再稼働容認へ

[biz] 路線不備放置の他地域波及、まずJR四国

JR北の設備保全不備発覚の余波、まずはJR四国でした。橋部を中心に、数年に渡り未補修のまま放置された危険箇所が多数。無論まずい話には違いないのですが、とはいえ北に比べれば総路線長も短いし、実際事故の件数が多かったわけでもないので、直接の事故リスクの面で深刻さは格段に低い事は間違いないでしょう。しかしその辺は結果論に過ぎないわけで、要対処と認識しながら放置していた時点で非難を免れる筈もありません。当然の結果ではあります。

即時の徹底した対応を求められる業者側、また監督行政側としては、その甘い判断の自業自得とはいえ、JR北同様主に資金面でとても頭が痛い事でしょう。ご愁傷さまです。とはいえ、JR四国はまだ余裕があるしどうとでもなるでしょう。問題は超赤字で資本力も皆無な、従って同様の不備が明るみに出れば多分に廃線待ったなしになるだろう小規模地方路線業者で、行政としては見て見ぬふりを続けたいところかとは思われますが、しかしこの流れにあってはそうもいかないでしょうしもう詰んでるようにも思えます。これからどうなるにせよ、この事態の引き金を引いたJR北は同業者にはさぞ恨まれているのではないでしょうか。

予想通りに全国路線総点検な様相を呈してきた本件、利用者側とすれば、路線が存続する限りは危険が減るわけだから概ね良い事には違いありませんけれども、運賃増や廃業になれば不利益も甚だしいわけですから、良否は一概に判じる事も出来ませんが、さてどうなることやら。

JR四国、橋50本補修せず 点検記録不備も1000本超 

[関連記事 [biz] JR北海道の不備放置発覚を巡る今更感]

9/26/2013

[law] 経産省課長の匿名暴言ブログ身元バレで大惨事

経産省課長の後藤久典氏が、匿名で暴言を書き連ねていたブログが身バレして大炎上中だとか。当該ブログは当然削除済みにつき魚拓を拝見しましたが、見ず知らずの一般老人をして死ねと言い、被災地対応に関わる政治家に対しても、復興を無駄と考えないなら死ね等と、全方位的に理不尽な非難を加え、天下り予定の勘定を楽しげにする姿やら、その立場の重要性を思えば信じ難い、というか信じたくない、倫理観はおろか、理性の欠片すら感じさせない最悪な発言が明らさまで愕然としました。

氏の現在の正式な役職は、経済産業省、貿易経済協力局、貿易管理部、安全保障貿易管理課の課長。いや貿易担当なら自分の領分に金が回らない国内案件が一般に気に入らないのは分からないでもないんですけれども、そういう次元の話ではない発言だし、当然ながらこのような行為が広く世間に発覚しては処分を免れる筈もなく、現在約2ヶ月の停職中だそうで。多分にこのまま依願退職となり氏のキャリアはあえなく終了となるだろうわけで、因果応報な結果ではあるのでしょう。報いるのが遅すぎな感はありますが。

不幸中の幸い、と言うのも語弊が甚だしい気もしますが、少なくとも政府として都合が良いだろう点としては、氏が敵意を向けた相手に現実的な損害を与えた類の事実が今の所は出ていない事でしょうか。であれば、単に個人の不適切な発言として、後藤氏の放逐で完結する話になるのでしょうから。これが職務上で実害が生じたとなると、後始末の範囲が一気に増えるところでした。いやまだ必ずしも確定したわけではありませんけれども。

ともあれ、今の所は後藤氏個人の愚かな振る舞いとその報い、で終わる話と言えるでしょう。極めて衝撃的ではありましたし、まだしばらく世間を賑わせるんでしょうけれども、本件はそれでおしまいです。

ただ、官僚の中には、特に上位になればなるほど、同様にエゴの強い傲慢な性質の人物がそれなりの割合で存在するのは周知の事実なわけで、その種の人が自分と立場や実利の面で対立する、とそう認識した対象に対して本件同様の敵意を抱く事もまた珍しい話ではないだろうわけで。そして、そういう組織構造は動かし難い以上、この種の人格破綻者の排除は困難というか切りの無いものであって、本件のように明らさまに表出されるのでなければ、そういうものだ、とある程度これからも容認していく他ない話なのかもしれない、と本件の背景にある現実を陰鬱に思うのです。結局のところ、個人があれこれ考えても無駄だろう類の話なのですが、嫌な事を無理やり思い出させられたような感じで、遺憾ではありますし、やはり気分が良いものではありませんから、もうこれきりにして欲しいものです。と言っても無理なんでしょうけど。

しかし、そもそも何故このような事態に至ったのか、まだ理解出来ません。ストレス発散以上の意味なんてないだろうと思うし、良くて自己顕示欲の満足がせいぜい、今回のように発覚した場合に被る被害、そのリスクを少しでも考慮していれば為し得なかっただろうと思うんですけれども。何か強いこだわりでもあったのか、それとも単に時間が経つにつれて警戒感が薄れ、エスカレートしてしまっただけなんでしょうか。はたまた破滅願望でもあったのか。その辺は少し興味も沸くところです。人物自体には全く興味もありませんけれども。

経産官僚「復興不要と言わぬ政治家は死ねばいい」 ブログに不適切発言、懲戒処分

9/25/2013

[biz] Amazonの医薬品販売参入

Amazonが満を持して医薬品販売に進出。

先日の最高裁によるネット販売規制違憲判決から、参入は時間の問題と言われていたところ、ついに本命が殴り込んできました。件の判決以来、ドラッグストア等既存業界は戦々恐々、厚労省経由で有人店舗限定等の規制導入による防衛を図っていたわけですが、その本決定を前にしたこのタイミングで入ってくるあたり、相変わらずの絶妙さ加減に痺れます。

中小小売の全面的衰退の中にあって、専売特権に守られた専門性と多売による安さを両輪に維持発展を続けてきたドラッグストア業界も、その両方の殆どを失った以上、書店や家電等と同様の衰退の道を辿る事になるのでしょう。無論1類等副作用の強い薬剤には変わらず専売権がありますから、完全に消滅する筈はありませんが、今現在街頭で頻繁に見かける類の店舗の数が急速に減少する事は避けられないものと思われます。

もっとも、現在ドラッグストアが販売している類の品を多少なりと値引きして販売する実店舗に対する需要自体はそれなりにあるでしょうから、ドラッグストアという括りが消えるだけで、似たような店舗が残るのかもしれませんけれども。コンビニの派生系のような形になるかも、とか。とりあえず、ドラッグストア各社のこれからの戦略、変遷には興味を持って注目したいと思うのです。

アマゾンが薬のネット販売を本格スタート マツキヨや楽天に続き

[関連記事 [biz law] 薬ネット販売訴訟、原告逆転勝訴 ]

[biz] JR北海道の不備放置発覚を巡る今更感

JR北海道の設備保全不備の件、なかなか落ち着きませんね。

そもそもの話、JR北海道がその他地域と比較して事業者に責任があるだろう事故の頻度が突出して高い事は周知の事実だったのであって、果たして結果にはそれ相応の原因が当然にあった、というだけの事なわけですけれども。

そして、本件事故件数の多さ、その原因が、その低採算性、すなわち超長距離の過疎路線を多数抱え、従って保全を十全に行うだけのリソース、特に資金の支弁がままならない地方路線の構造にある事も殆ど自明なわけで。都市路線と同様のメンテなんて元より出来るはずもないし、今回不備を洗い出したとして、当然に求められるだろう当面の修繕処置を実施出来るのかすら疑問に思われるところです。

と言っても、行政にしろマスコミにしろ、大々的に表沙汰になってしまった以上は見て見ぬふりも出来ませんから、この種の瑕疵に対する昨今の処理の例に倣い、概ね問題が払拭されるまで「毅然とした」対処をせざるを得ない結果として、現状があるという事なんでしょう。地獄の釜の蓋が開いた、と言うと大げさ過ぎるかもしれませんが、それなりの泥沼にはなりそうで、また規模は違えど同様の過疎路線を抱える他業者への波及もあり得るでしょうから、行政や事業者は概ね危機感を抱いているのかもしれませんね。そうであれば、それは如何にも本末転倒な話ですけれども。

ただ、そもそも制度設計がまずいと言えばその通りですが、だからと言ってどうすれば良かったか、どうすれば良いか、と言うとこれまた難しい話なわけで。不採算が自明でも路線は維持しなければならない、その背反を前にした現実的な対応の結果が現状なのですから、単に非難すれば改善されるという性質の話ではない事もまた明らかです。要するに金、採算性の問題なわけです。当たり前ですが世知辛いですね。

採算を改善する方法には、原則として収入増、支出削減、撤退の3択しかありません。その性質上、路線を廃止するのは困難、というか問題になる路線の範囲が広すぎてその選択はあり得ませんし、コストの削減はそもそもそれが問題の原因なのだからこれもあり得ません。従って、必然的に収入を増やすより他ない事になりますが、売上増は到底望めない、となれば、やはり資金を外部から供給するより他ないのでしょう。そしてその手段はと言うと、JR北は一応民間の営利企業で、より酷い経営状態にある事業者は他にも多々あるのだから、公的な援助を主体とするのは困難でしょう。結局の所、利益率の高いJR東あたりから支援を回す位しかないのかなとも思われるわけです。それはそれで、どういう名目で回すか悩ましいかもしれませんが。

ともあれ、おそらくは「思ったより遥に多い」不備が明るみに出るだろうこれからが本番です。他人事のような非難を加えている国交相はじめ政府関係者の方々には、当事者としての責任ある対処が求められるところですが、果たしてそうなるかどうか。元よりJR北の自業自得な面も強く、かつそれが前面に出る形の発覚の仕方をした以上、多分にこのまま全責任を被せて他人事、な態度に終始するかもしれませんが、それだと収束が覚束ないわけで、当該政府関係者以外の誰にとってもよろしくないんですよね。さて。

-----追記

幾つかJR北の財務面の現状を詳しく解説する記事を読ませて頂きました。例えば下記リンク先の記事によれば、元々収入の数割、数百億の超赤字を抱えており、それを国とJR各社が債権の利息として実質的に補填してる形とのこと。思ったよりさらに数段やばい感じですが、どうすんでしょう。この補助をさらに増やすとなると、相当に無理がありそうですけれども。

JR北海道、赤字300億でも倒産しないカラクリとは 

そして当然のように他路線でも同様の不備放置発覚。まずはJR四国にて。

[関連記事 [biz] 路線不備放置の他地域波及、まずJR四国 ]

9/24/2013

[biz] Surface2の爆死必至な構成に驚愕

突然発表されたSurface2/Proですが、これがまた酷い。何がって価格が。RT版が$449から、Pro版は$899から。。。

いや、Microsoftの言い分は分かるんです。先代と比較すれば高解像度化とかグレードアップしてるから割安だとか、正常進化だとか、そう言いたいんでしょう。それは分かるんですが、先代であれだけの壊滅的な失敗、大赤字を出しておいて進化も何もないだろうと。常識的にはコンセプト自体の転換が求められていたところにこれ、ちょっと信じられません。

まずRT版はスペックだけ見れば画面サイズ以外新Nexus7と大して変わらない割に値段は遥に高く、しかもOSが致命的に誰も使っていないし使おうとも思わないWindowsRT、これで売れると思う方がどうかしています。自分たちの商品にAppleのそれと同レベルのブランド力があるとでも?せめて競合を下回る価格にしないと話にもなりません。Pro版はPro版で論外な値段ですし。実売$400を切っているW3-810ですら殆ど売れていないというのに、不人気機種の後継機がその2倍以上の価格で売れるとは到底考えられませんから。

初代Surfaceの失敗、その要因の大半は畢竟他社製品との価格競争力の欠如にある事は殆ど明らかな筈なのに、懲りずにこの構成、Microsoftにはベンチマークというか、反省という概念がないんでしょうか。日本では発売未定との事ですが、個人的には残念に思う気持ちは欠片も感じません。末期感というか出る前から終わってる感だけはひしひしと感じられます。もう何もせずに寝てた方がいい位なんじゃないかとも。いや驚きました。

Microsoft's Surface 2: New tablet, same problems 

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1ヶ月遅れで日本国内での発売がアナウンスされたようですけれども。RT版は4万4800円からとほぼ為替レート通りの値付けで、やはりnew ipadminiにもnexus7にも全く敵わない事は確実、一方でWindows機としての強みを持つ本命のPro版は9万9800円からとドル建てよりさらに値上げして来る始末。

先日発表されたSurface事業の業績では、四半期で売上400億、台数は非公表ですが単価から逆算すると全世界で100万台前後、iPadとの比較では1/10未満なわけで。危機的と言って差し支えない惨状を前にして、何故こんな強気に出られるのか、全く以て理解し難いのです。その他事業で穴埋め出来るからあんまり気にしてないのかもしれませんが、株主にはどう説明するのやら。

9/21/2013

[biz] 米Californiaで新iPhone行列のホームレス乱闘

この程発売されたiPhone5s/c、日本では金銀二色だけが売り切れ、黒は売れ残りと事前報道の盛り上がりの割には期待外れな結果に終わり、docomoの都内中心部での回線状態が他社比較で大幅に劣る報告も上がって、如何にも微妙な感じですが、本場Californiaでは乱闘騒ぎだそうで。

場所はPasadenaのAppleStore、新iPhoneの発売を待つ列の中で発生、2人が逮捕、1人が精神異常の疑いで3日間の監護措置。その経緯はというと、当該逮捕者はいわゆる並び屋、行列の順番確保の代行をしていたホームレスで、その順番が巡ってくる前に売り切れたために報酬を受け取る事が出来なくなり、その事に逆上して乱闘に及んだという次第なんだそうで。

いやもう紛う方なき阿呆ですね。ホームレスの並び屋自体は日本でも珍しくありませんが、AppleStoreみたいなイメージ重視の店舗で、しかも乱闘にまで及ぶというのは、流石に少し眉を顰めたくなる話です。もっとも、行列での乱闘自体は少し前に射殺事件なんかもあった位だし珍しいわけではないのですけれども。いやそれもどうなんだと思いますが。ここの所の乱射事件の頻度といい、ほんとアメリカは地獄です。

ちなみに金銀の新色のみが突出して売れているのはアジアだけらしく、というか金銀は出荷数が極端に少なくそもそも入荷すらしない店舗も多数という話で、という事は本件店舗で売り切れというのは黒も含めた話な筈、そのあたりも含めてやはり日本とは相当の温度差を感じさせます。世界的にはiPhoneのシェアは急速に落ちているところですが、流石に本丸という事でしょうか。

対してやはり微妙な日本、これからどうなるか。特にdocomo。四割と言われる販売ノルマを達成出来るのか、レビュー等を見る限りでは安泰には程遠いようにも思われますし、値引きの消耗戦に突入する可能性もそれなりに高そうで、そうなればユーザーにとって喜ばしい話になるのでしょうが、さて。

2 Men Arrested After Fight Breaks Out In Line Full Of Homeless Men Waiting For New iPhone

9/20/2013

[biz] 中央リニア建設批判、その周囲に漂う無責任

東京オリンピック開催決定に伴い、開通前倒しを求める声が急噴出した中央リニア、それに伴いそもそも論的なリニア建設批判がオリンピック反対論とセットで展開される記事も散見されるこの頃。少し思う所などを。

かような批判については、当然というか殆ど反射的に激しい反発が起きて、理屈も何もあったものではない罵詈雑言が飛び交ってしまって見るに耐えないわけですが、それはさておき。

リニア批判の骨子は、要するに採算性と安全性、その2点に対して疑義があるというもので、それ自体はもっともな話というべきでしょう。つまり関空の二の舞的な先行きに対する危惧ですね。

まず採算性については、構造的に人口の大幅な減少、地方衰退が進む日本にあって、都市間移動の需要総量は増えるどころか減少する事が相当に予想され、しかもその需要を東海道新幹線と分け合う形になる以上、建設維持費を中心として固定費部分の売上に対する比率は大幅に上昇する可能性が非常に高いだろうわけで、絶対に失敗する、とまではいかずとも、かなり分の悪い賭けである事は否定出来ないように思われるところです。

次に安全性については、世界でも例の無い地下高速鉄道の長距離路線で、それも大規模地震の頻発する日本でのものとあって、建設から運用まで、あらゆる部分で技術面の膨大な不確実性があるわけで、そのリスクが極めて高いものである事に疑いを容れる余地は無いように思われます。リスクが高ければ、事前事後の両面でそれだけコストは跳ね上がりますから、只でさえ覚束ない採算性がさらに危うくなる影響も無視出来ません。

それでも一私企業の事業であれば、分の悪い博打を打つのも勝手ですが、仮に失敗した場合、流石にJRに倒産されるわけには行きませんから、実質的に政府、また国内経済がその損失を担保する事になります。それは容認出来ない、とするのが大半の批判の趣旨のように見えます。その理屈はステレオタイプなもので、概ね万人が理解出来るところでしょう。

しかし、これは全て今更の話です。そのようなリスクがある事は、少なくともJRは十分に認識していて、だからこそ速さに特化することで新需要の創出を目指し、かつ中間駅も乗降機能に特化する等設計も簡素化し、自治体の介入も排して、事業全体のコストとリスクの抑制も図っているのだろうわけで。今更それらの具体的な設計を全て無視して、大雑把なそもそも論のみによって批判を加えるのは、流石に無責任と言わざるを得ないように思われるのです。関係者からすれば、呆れつつ辟易としているところでしょう。

確かに時代は変わりました。東京オリンピックも、衰退期に入った日本の状況にあっては、前回のような成長効果を望むべくもないでしょう。新幹線とリニアを重ねて見たくなる気持ちもわからないではないし、オリンピックとセットで論じられるのもある程度は自然な事なのでしょう。ただ、オリンピックと中央リニアの建設とは、時間的にも場所的にも意味的にも、そのスコープは全く異なる事業であって、それをまとめて無駄と断じて批判する向きには、流石に無理があると思うし、同意はし難く思うわけです。まとめて必要とする意見にもまた同意できませんが。

勿論リニアに大きなリスクがある事は事実ですが、JRはそれを承知で、かつそれなりの具体的な勝算もあって挑戦しているのでしょうから、それは失敗の可能性を減じるよう、支援すべきところだろうと思うのです。むしろ問題と言うべきは、東京オリンピックに合わせて建設前倒し、とか無謀な意見を出す人が沢山いる事かもしれません。その具体的なリスクを少しでも考えたことがあるならそんな事は到底言えない筈で、つまりそれだけ公然と無責任な事を言える人達が大勢いるという事の証左です。批判されるべきは、そういう無責任さだと思うのです。そういう意見でも数が多ければ多かれ少なかれJRに対する圧力、負担になり、リスクを増やす結果になってしまうのですから。

とか、そんな風な事を思う次第。 個人的には、オリンピックは無駄だと思うけど、リニアは頑張って事業的に軌道に乗せて欲しいなと思います。

9/13/2013

[law] 元女性な夫と人工授精児間の親子関係否認

性転換した元女性が、第三者の精子を用いた人工授精による妻の子との親子関係の存在確認を求めた人事訴訟について、家裁が棄却する決定を出したとのことで。

結論としては妥当、というか、いやそんな当たり前の事何で争ってんの、とそもそも訴訟が提起された事自体に強い疑問を覚えざるを得ません。というのも、本件原告は親子関係の存在を主張する根拠として民法七百七十二条の規定を挙げているとのことですが、本規定はその条文に明示されている通り、あくまで推定規定であって、事実として血縁のない事が明らかな場合には当然に否認されるものなわけで。本規定が訴訟で争われるとすれば本件とは逆、嫡出の推定が事実と反する場合にその証拠を挙げて否認を求めるのが通常なところ、流石に本件のこれは誤解に基づくもののように思われて、残念な感が拭えません。

いや、パートナーとの子供が欲しいって気持ちは分かるんですけれどもね。分かるんですが、血縁は生物的な事実関係なのであって、事実に反する以上、いくら求めてもそれは無理というものです。そもそも養子で何の問題もないでしょうに。

どうしても、というなら、捏造ではなく血縁関係を作る方向で、すなわち一般の細胞による人工授精技術の実現を待ってそれを用いるより他仕方がないのではないでしょうか。といって、副作用の無い方式が確立されるまでには少なくとも数十年位はかかりそうで、それはそれで無理な感じがしますけれども。

性別変更の男性と人工授精の子、親子と認めず 大阪家裁

<民法第七百七十二条>
 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

9/12/2013

[biz law] フタバ産業元専務、中国での贈賄容疑で逮捕

フタバ産業、中国での贈賄にて元幹部逮捕、と。

容疑者は寺田武久、元専務兼現地法人社長。同社広東工場に対する税関からの違反指摘に伴う罰金軽減を目的に地元政府幹部へ数十万の贈賄。正確な容疑は不正競争防止法違反という事ですが、また珍しい容疑ですね。国内の公務員相手だと贈賄罪そのものでの逮捕になるところですけれども、相手が他国の公務員につきそれは不可、ということでこうなったんでしょう。とても面倒だったでしょうに、愛知県警はよく頑張りました。余罪も数多くある見込みとの事で、一罰百戒、良い前例になるでしょうから、そちらの捜査立件にも期待したい所です。

しかしこれ、中国でのビジネス展開における賄賂というのは、長らく殆ど必須とすら言われ、今現在も当然の慣習とされている事は周知の通りなわけで、多くの企業、その現地法人の幹部は同容疑での検挙の恐れが急に高まって、今頃は一様に戦々恐々といったところなんじゃないでしょうか。自然、今後は同ポジション候補者のモチベーションも下がるでしょうし、副作用的に、最近の環境悪化を受けた中国撤退もしくは忌避の動きもますます進みそうです。もっとも、それは必ずしも悪い話ではない、というか本来歓迎すべき話とも言うべきところでしょう。違法行為が当たり前にまかり通ってきたこれまでが異常なのであって、それが是正されるという事なのですから。

いやそれにしてもフタバ産業、粉飾、不正融資、と来てさらにの本件、あまりに黒すぎでしょう。孫請け以下の末端での話ならまだしも、フタバ位に上流の、中核に近い位置づけの企業でこの有様というのでは、他のトヨタ傘下主要企業、ひいては本体へも懐疑の目を向けざるを得なくなるわけですけれども、大丈夫なんでしょうか。ってそんなわけないですよね。国内ですら談合はじめ違法行為も当たり前な業界なんですし。

フタバ産業の元専務逮捕 中国の地方政府幹部に賄賂の疑い

9/11/2013

[biz law] 全裸集団客写真の王将店舗閉店

んんん?客が集団で全裸で来店して、その写真をネットに流された王将店舗が閉店?

SNSでの不適切行為公表による休業が相次ぎ、閉店も珍しくない昨今ではありますが、その後の処分の軽重は結局の所店舗側の有責性の有無、またその程度による筈、このケースは写真の内容もその流布も全て客の行為、店側に責任はなく、「公序良俗に反する行為があり営業を続けられない」という理由は妥当しないように思われるんですけれども。

この理屈に従うなら、酔って脱ぐ客が出たり、他にも客の不適切な行為、例えば粗相の場面や未成年飲酒の写真が流れたら、それが全て客の勝手な行為でも、その店は営業続けられくなるのかと。さらに一方で従業員の行為により、すなわち店側の責任、自業自得である筈の原因で休業していた別店舗は再開していたりして、全く辻褄が合いません。逆でしょう。

無論損害が発生した事は疑いようもないし、本件不適切行為に及んだ客にその分の損害賠償を求めるのは当然の事なんですけれども、営業継続の可否は別の話、今回の決定内容は全く以て理解し難いものと言わざるを得ません。

この不合理さ加減、その辺は口実で、単に元から不採算気味な店舗を畳むのに流用しただけなんじゃないかとか邪推したくもなります。そしてその責任を客に押し付け、あわよくば賠償金として費用を得ようとしているのでは、とか。もしそうなら、それは客のそれより余程悪質な犯罪に他ならず、到底看過し難いものと言えるでしょうけれども、流石にそんな酷い話がそうあるものとは思いたくもないですし、その疑念を否定するに足るだけの合理的な説明が求められるところかと思われますが、さて。

餃子の王将、金沢は閉店 新潟は再開へ 写真ネット投稿

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なんか件の全裸客は当該店舗向かいのホストクラブ店員、まあ要するにヤクザ的な人たちで、店側は恐怖感から制止し切れなかった、って話みたいですね。そういう事情なら、かようなトラブルの後では報復の恐れも多分にあるだろうし、営業し辛いというのも理解出来なくもありません。しかしそんな事一々気にしてたらやってられないと思うんですけれども。それに、諸々の配慮の結果だろうとは言え、あの公式発表は流石に拙いかとも。被害者に酷かとも思いますけれどもね。

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そして一月後、すっかり忘れていましたが件の全裸客、その中心であるところのクラブ経営者と店長の2名が逮捕されたそうです。他の従業員七名が逮捕されていない理由がよくわかりませんが、従属的だったからとかそういう事でしょうか。容疑は業務妨害と公然わいせつ、特段おかしな所もなく、淡々と有罪になるのでしょう。許可を得ていたとか言って容疑を否認しているそうですが、その頭の悪さが本件の愚かさにふさわしく思われて、むしろ納得させられてしまうのです。

「餃子の王将」で全裸、男2人逮捕=ネット公開、業務妨害容疑-石川県警

[biz] ドコモiphone販売

ツートップ導入に始まった今季の改革が半年を待たずして早くも完結。テンプレの「当社から発表したものではありません」コメントが出た時点で確定済ではありましたが、apple本社での新iphone発表イベントで、docomoが供給開始する旨正式発表がなされました。9月20日から。2year-contractで$99のプラスチック外装な廉価版も同時に投入で価格面も隙なし。

docomo版iphoneの細かい仕様は未発表につきこれまで導入の障害になっていた独自サービス類の扱いも不明ですが、ここ最近の環境を見るにおそらくはdocomo側が折れた恰好でしょうから、シンプルな元祖スマホの最新型として尚更他機種に比して高い訴求力が期待出来そうです。

遅すぎた導入にはもう今更何を言っても仕方ありませんが、これで一人負けだったdocomoのラインナップも他社とイーブンになり、競争も復活するだろうし、ユーザーとしては漏れなく喜ばしい結果ではあるでしょう。

潜在的なニーズを一々考慮するまでもなく、docomoから出るiphoneが売れるのは分かり切った話なので、やはり注目は国内競合端末メーカー各社の身の振り方でしょうか。対抗策もほぼ皆無、ビジネス向けのスマホとか、ほぼらくらくスマホそのまんまで泣けます。FとSHが一縷の望みをかけていただろうスリートップも実質的に露と消えました。来年度にはソニーを除く全社退場、すらあり得そうですけれども、さて。

NTTドコモ、「iPhone」販売を発表 20日から

ところでこの新iphone、よくよく仕様を見てみると、800~900Mhz帯にも対応してるんですね。docomo、auはほぼ整備済み、対してSBが未対応。これは無視し難い差異には違いありませんから、SBから一気に顧客が流出しそうです。しかしあまり一気に負荷が増えたりすると、docomoの回線網が耐えられるのか不安もありそうですがどうなんでしょう。この帯域が使える分余裕はある筈なんですけれども。さてさて。

9/10/2013

[law] 原発事故、東電・政府幹部42人全員不起訴処分

福島第一原発の事故に関して告訴された東京電力関係者及び当時の政府首脳42人について、全員不起訴の決定が東京地検より発表されました。

その理由は予測可能性が認められない、というもので、そこまで含めて事前予想、報道の通りの結果ではあるのですけれども、当然もしくは妥当の結論、というよりはむしろ不起訴にするとすればこれしかない、という極端に偏った構成に思われます。しかも本結論に至るにあたって家宅捜索すらしていないというのでは、検察には端から捜査も立件もする意志が全くなく、告訴団の不承諾も折り込んで、検察審査会に丸投げしたものと考えざるを得ません。それは責務放棄に他ならず、極めて残念な限りです。

本件容疑、すなわち津波対策懈怠の過失については、少なくともその有無に関してはほぼ議論の余地すらなく認められるし、その予測可能性も、試算はあった以上、不可能であったとまでは当然には言えないでしょう。過失性を阻却する理由には試算に現実味が無かった事が挙げられていますが、それが事実であれば、注意義務の程度も一般のそれとは全く異なる、極限までの高度性が要求されて当然な事業にあって、その漫然とした認識こそが最たる過失とも考えられます。どの点を取っても看過し難い疑義が認められるところ、一行政機関に過ぎない検察の裁量による免責が許されるべきものとは到底考えられません。

いや、行政機関だからこそのこの判断というべきなのかもしれません。事案の規模や相手の面子からすれば、面倒さ加減は恐ろしい程だし、今後の出世から生命の安全まで、色々危ぶまれる事も必至、その困難さを前にしては保身に走りたくなる気持ちも分からないではないところです。与党の幹事長からして東電の関係者ですしね。しかし、如何な困難があれ、この空前とも言える被害を前にしてのその安易な判断には、いくら何でもそれはないだろうと、強い呆れと軽蔑を禁じ得ないのです。

無様にも程があろうこの体たらく、ここ数年で信用が地に堕ちた検察組織としてはむしろらしいと言えなくもないとも思われますが、しかしそこから挽回しようとする姿勢の欠片も感じられないというのでは、もう検察制度、組織自体が不用とする見方もさらに強まるだろうし、保身に走ったつもりが逆に組織ごとリストラされました、とか裏目な先行きもありそうで、いやそれは別に構わない、むしろもうそうやって一度潰して作り直した方がいいんじゃないかとすら思う次第なのです。こんな事を考えさせられてしまう時点で、やはり実に残念な話なのですけれども、それも現実、致し方のないところなのでしょう。

ともあれ、検察への批判等は本件に関しては既に別の話、これから審査会、また多分に起訴相当の議決がなされた後に訴訟を担うだろう方々には、検察のように困難に屈する事無く、法の正義の実現に寄与されん事を願います。

福島第1原発事故:不起訴 検察異例の会見

9/09/2013

[biz law] docomoが携帯利用者データ外販

JR東に続いてまさかのドコモ。携帯利用者の位置、年齢、性別、住所を10月に企業向け外販の計画。血迷いましたか。

導入手法もJR東と同様にオプトアウト、にも関わらずその告知も個別にはせずHP上のお知らせのみだし、さらに除外の手続きも顧客側からの電話のみで専用の窓口すら設けず当然のようにパンクして繋がりもしないだとか、CRMの欠片も感じさせないその最低っぷりに眩暈がします。

いやもう馬鹿にも程があるでしょう。JR東の惨状を見て、しかもそれより個人性が強く、プライバシーとの相関も遥かに高い携帯の利用データでこの始末、頭が沸いてるとしか思えません。100人中100人が拒否するでしょうこんなの。統計処理とか関係ない、どころか返って不安を煽るだけでしょうし、実際のところ、本データを購入する企業のニーズを考えれば、他のデータと照らし合わせて個人情報を取り出そうとする所は多々あるだろうし、例えばコンビニ等の店舗での来客情報と組み合わせるとか、容易に復元出来てしまう場合があるだろう事も容易に予想がつくわけで。それでいて利用者側のメリットは皆無。あり得ません本当に。

しかし本件自体もさることながら、docomo自体についても、長年個人向けサービスを営んで来ておきながら乱心とも裏切りとも言えるだろうこの振る舞い、その実態はかような企業だったのかと、驚愕を禁じ得ません。会社自体の信用も大きく損うだろう事も明らかに思われるわけで、それが分からない筈も無いと思うんですけれども。極めて理解し難い話です。

ともかく、その辺がどうであれ、本件は社会的な影響を鑑みて流石に許容され難いところと憂慮されますので、docomoにおかれましては、早急に計画を撤回し、また厳に反省される事を望みます。

モバイル空間統計の実用化および携帯電話ネットワークの運用データ利用について

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