4/30/2014

[biz] NBA・LA Clippersのオーナーが人種差別発言で永久追放処分

スポーツというか、興業的なビジネス一般、特にその内部での処分や決定の類は、往々にして当事者の自由にすればいい話に思えて普段あまり関心を持てない私ですが、これは流石に驚きました。どういう事なんだろうと。

米バスケットボールリーグNBA・西カンファレンスに所属するプロバスケチーム、LA ClippersのオーナーであるDonald Sterlingが、知人に対し、"黒人を連れてくるな"という旨の人種差別発言をした際のテープが流出し、非難が集中していた件ですけれども。そのNBAコミッショナーAdam Silverが決定、発表した処分内容が、罰金+無期限の出禁だろうとした大方の予想を裏切り、永久追放となったとの事。オーナーの追放という事で、チームの売却も強制する旨併せて発表されています。

通常の業界や組織におけるパワーバランスの観点から、常識では到底考えられない、そのあまりに大胆な処分内容に驚愕させられます。驚きつつ、少なくともこれは余程の事情があるんだろうと思って調べてみれば、Sterling氏が人種差別、殊に黒人を差別する発言を行ったのはこれが初めてではない、どころか、殆ど公然の事実だったそうなのですね。自身をして植民地主義者等と公言してもいたそうで。その疑問を容れる余地の無い、徹底的な差別発言の数々には戦慄を禁じ得ません。

確かにその過去から続けられて来た氏の振る舞い、その記録を見るだに、むしろこの時代にこのような人物が、パブリックな地位に存在している事の方が不思議に思える位で、今回の追放処分にも当然の結果と納得出来てしまった次第なのです。

ただ、それでも有力クラブのオーナーとコミッショナーの力関係は圧倒的にオーナーの方が強いに決まっているわけで。それを覆した今回の決定の異常性は尋常ではなく、如何に氏が極端な人種差別者であろうとも、それだけでは十分な説明足り得ないようにも思われるところです。実際、人種差別なんてどこにでもある話ですし、事実Sterling氏もこれまでは不問であったのですから。

当然、今回の決定に至るには、何かしらの組織内外を巡る構造的な要因が主たる要因として存在している筈です。それは何なのでしょうか。現状では全くの外部から俄に窺い知る事は困難ですが、多分にNBA内部でのパワーバランス、殊にオーナー陣の中での変化があった事は間違いないように思われる所です。組織の最高権力者の一員たるオーナーを追放まで出来るのは、同等の地位にある者、すなわちその他のオーナー以外に無いのですから。少なくとも、コミッショナーら運営側が主導出来るような話ではあり得ません。

その辺りの中身は、急がずともこれから明らかになってくるのでしょう。何せ、チームの売却強制が入っているのですから。チームの売却を強制出来る明確な法的根拠は存在しないとの見方も相当にあるそうですし、いずれにせよSterling氏には莫大な損失を与えるところ、ほぼ確実に訴訟に至るだろうし、その過程で今回の決定を主導した面々は否が応にも顔を出さざるを得ないでしょう。

果たしてそこに現れるのは如何なる顔ぶれ、また思惑か。単に人種差別主義者を排除しようとする黒人はじめ被差別人種の代表者達なのか。それとも、これを機にClippersを巡って一儲けを企む山師達か。はたまた、組織内でのパワーそのものの奪取を目論む権力主義者達なのか。個人的な怨恨も容れる余地があるでしょう。そして、その争いが如何なる結末に至るのか。不謹慎ですが、非常に興味深く、否が応にも注目せざるを得ないのです。さてさて。

Here Are All The Shockingly Awful Donald Sterling Stories That The NBA Ignored For Year

4/26/2014

[biz] Google+の曲がり角

Google謹製のSNSサービス、Google+が俄にリストラ対象になりつつあるとかいう報が流れてますね。

SNSに関しては後発だったGoogleが、遅ればせながらリリースしたFacebookとTwitterのSNS2強の対抗という事で、相当なリソースをつぎ込み、かつかなり強引な、形振り構わない普及策を採ってまで推進して来たGoogle+ですが、その目論見の実現は未だ成らず敗北。というか勝負以前の状態で頭打ちとなり、次の手も特に見当たらず、行き詰まってしまっていた事は周知の事実なわけで。見切りの早さには定評のあるGoogleの事ですから、今回の見直しも、驚くにはあたらない、むしろよく我慢したなと思う位なわけですけれども。

今回の動きが、プロジェクト統括責任者のVic Gundotraの辞任という、これ以上ない程明白な形で表面化したという事は、Googleの組織内では諸々の綱引きとか整理とか既に片が付いている、という事なのでしょう。ここのところ、堅調な事業成績を出す一方、如何にも出口無しの無駄遣いっぽいTitan等ロボット事業の買収とか、相変わらずグダグダのGlassとか、諸々のアクションに今ひとつ緊張感が欠ける感のあったGoogleですけれども、久々にシビアかつ大胆な動きを見せてくれました。ただ、その動きがリストラといういささか後ろ向きな話な点に、少しの残念感と共に、ある種の象徴的なものを感じるのは気のせいなのでしょうか。

いつものGoogleなら、見切りを付けたプロジェクトは即撤退廃止、とするところですけれども、つぎ込んだリソースと、中途半端ながら獲得したユーザ数をして流石に勿体ないと思ったのか、Google+はこれまでのように単体のサービスではなく、プラットフォームとして横断的に諸々のプロダクトに組み込まれる見通しだとか。それに伴い、現在アサインされている1000人余りのエンジニアはandroid等の各統合先のプロジェクトに移転するんだそうです。それが本当なら、そのレベルの配置転換に耐え得るエンジニアをその人員規模で保有している辺りは、流石にGoogleだな、と感心させられる話です。まあ、中にはミスマッチを嫌って辞める人もいるんでしょうけれど。普通なら典型的なリストラ策ですしね。

ともあれ。Google+も一区切り、今後どうなるにせよ、また色々と変わる部分、切り捨てられる部分も出てくるでしょうし、早晩の消滅すらも有り得る状況になってしまったわけです。あのGoogle Readerすらあっさり切ったGoogleですし、その辺はもう諦めるしかないんでしょう。この流れを当初から予想していて、そら見た事かと思っている向きも多いのではないでしょうか。一方で、ユーザにとっては、少なくとも短期的には良くない事に違いないでしょうから、げんなりする向きもまた多くいる事でしょう。永遠のテスト版を自認し、事業の改廃をも含め、およそ全ての判断、決定を自らの都合のみに拠って行うGoogleに、信頼だとか責任だとかを云々しても通じないものと分かってはいるし、毎度の事でもありますが、それでもやはり、もう少しどうにかならんのかな、とため息の一つも吐きたくなってしまう次第なのです。

Google Is Reportedly Set To Carve Up Its Failed Social Network Google+

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4/24/2014

[biz] ソニー、不動産事業進出

ソニー不動産、ですか。。。率直に言って違和感が尋常ではないですね。一般に不動産と関係の深い金融事業に進出済みである以上、その次の領域としてはむしろ自然なんですけれども、旧来のソニーブランドのイメージからは対極にあるのも事実、もうブランドも何もあったものではありません。

元々、ソニーはデザインや機能一般に先進性を持ち、尖った製品を売り出す点でイノベーターとしての高い評価を受ける一方、品質や耐久性、ユーザーへのサポートと言った信頼性の面では他と比較しても低い評価が定着した会社であるわけで。 衰えたとはいえ誰もが知るその名前は、新規参入に際してのパブリシティの面では極めて強力なんでしょうけれども、調査や交渉等、個々の売買が複雑かつ長期に渡り、売った後も数十年単位で関係が続く、従って信頼性が何よりも重要とされる不動産事業では、マイナスに働く面は非常に大きいものと思われるところです。

要するに手離れという言葉から最も遠いのが不動産です。売れば終わり、などという事はありえません。が、従来の製品に関するソニーのやりようから敷衍するに、後先を考えない、売れれば何でも良いとばかりの虚偽表示や詐欺同然の強引な営業とか、杜撰な管理、顧客対応でもアフター放置や打ち切り、軽率な対応やらが多発して大炎上する未来がありありと見えます、というかそういうのしか想像出来ません。恐ろしや。

おおよその経緯、経営的な意図はわかるのです。大多数の見方と同じく、テレビを初めとした従来のモノ作り、さらにゲーム等のコンテンツ販売といったコンシューマ系の、規模を追った製品販売中心の事業が立ち行かなくなり、その中で比較的マシとあってここ数年建前上の次代の柱と位置づけて来たスマホ関係も先行き不安、R&Dもリストラし尽して最早新規事業創出の芽もないとあって、サービス系にその代替を求める事情はよく理解出来るところです。

そして、そのサービス系の新規事業候補の中で、ソニーの規模の企業体の主力として成立し得る規模、また安定性を見込める事業というのは無論の事そう都合良くあるものではないわけで。既存の事業分野のうちでその要件を満たすものから、前述の通り金融との親和性も高い不動産を選ぶ、というのは、発想としては理解出来ます。強いて他に候補と思えるだろう事業分野は農業位、でもそれは他の電気系は参入済みで、その前例を見る限りは無理っぽいし、不動産でもやるか、とかいう感じですかね。

しかし、いくら考えてもやはり違和感は半端無いし、安直に過ぎる気もします。無理やり感というか、無理っぽさもひしひしと感じられます。けれど、新規事業というのは、やってみなければわからない部分もまた多分にあるわけで。案外上手くやって、ITに関しては個々の事業者毎にサイトが乱立する不動産業界をそのネームバリューを使って整理統合し、標準の地位に収まる未来も有り得るのかもしれません。

でもあのソニー、というのが。肝心の信頼性の面で引っかかるのがなんとも。実際、既存の他業者がとりわけ信頼がおけるわけでもなし、ほんとはそう大差もないんでしょうけれどもね。それでも過去が過去ですから、懐疑的な目を向けられるのも仕方ない事でしょう。そういう世間一般、顧客のイメージをどう乗り越えるのか、あるいは乗り越えられずに討ち死にするのか、期待せずに拝見するとしましょうか。

ソニー、不動産事業に参入=新規事業創出部を設置

4/19/2014

[IT] 顔認証による入出国自動化に性懲りもなく復活の試み

目を疑うというか。10年に渡り無駄に税金を浪費し続け、昨年夏頃にその論外に低い認識率を以って不可能と判ぜられようやく廃案となった、筈の顔認証による出入国管理ですけれども、性懲りもなく復活させるため、再度の実証実験をしようとしているんだそうで。

理由は東京五輪に向けて出入国の自動化が必要、という事だそうですけれども、阿呆かと。いくら必要だと主張し、金を注ぎ込んだところで、不可能が可能になったりはしないのです。その事をもう10年という膨大な歳月と何十億もの税金を使ってまで思い知った筈なのにこれ、もう関係者の愚かさ、頭の悪さには呆れを通り越して侮蔑と嫌悪を禁じ得ません。

これが子供が駄々をこねているだとか、馬鹿な親父が個人の趣味に浪費しているとかいうのなら勝手にしろと笑って流せようものですけれども、社会システムの根幹を左右する行政、産業界の面々の所業で、しかも彼らは本来なら既に失われた資金や労力の責任を取らされてしかるべきところ、それどころかその廃止の決定を覆してまでさらに浪費を重ねようというのだから、笑えません。いや、逆に笑うしかないと言うべきなのでしょうか。

主犯はやっぱりNECでしょうか。であれば、さっさと倒産すればいいのにと心から思います。そうでなくとも、あらゆる意味で論外な暴挙には違いないし、今回の動きに関わった向きは須く潰れるか死ぬかして消えて欲しい、とそう憤りと共に思わずにはいられないわけですけれども。クズばかりで嫌になりますし、到底見るに耐えません。最低ですね本当に。

空港出入国の顔認証、8月に再実験 東京五輪へ方針転換

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始まってしまいました。ほんと気が滅入ります。

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[IT] OpenSSL脆弱性で三菱UFJニコスから個人情報大量漏洩

OpenSSLの深刻な脆弱性、通称Heartbleedの件ですけれども。やはりというか、金融機関も直撃していた事が明らかになったそうです。

国内初となるその対象はクレジットカード大手の三菱UFJニコス。確認されているだけで900人弱の顧客の氏名、住所、生年月日、カード番号、有効期限、勤務先まで。カード番号の一部は非公開で被害も今のところ無い旨主張しているそうですが、全データが筒抜けになる、という本件脆弱性の性質からして、到底信じられよう筈もありません。被害を受けた利用者の方々には誠にご愁傷様です。

しかしあれですね、OpenSSLがいくら標準とは言え、クリティカルな用途でフリーのソフトを使用する事にはやはり看過し難い重大なリスクを伴う、それは当たり前の話なわけで。ベンダは不明ですけれども、それがどこであれ、そのリスクを甘く見たベンダ、またUFJニコスの責任は免れないところでしょう。

だからと言って、今更自前に置き換える事は、主に費用の面からとても大変な話でしょうし、さてどうするつもりやら。これから山程出てくるだろう同様のケースも含め、どう始末を付けるのか、ベンダ各社はそれぞれ頭を悩ませているといったところでしょうか。仮に置き換える場合、従来無料だった所にコストが発生するわけですけれども、その費用はベンダが負うべきものだろうところ、場所が場所だけに額は相当なものになるでしょうから、多くのSIerにとっては小さくない打撃になりそうです。

まあしょうがないですよね。コストと信頼性を秤にかけて、リスクを低く見積り、大丈夫だろうと高を括って安易に安価な構成を選んだ結果、そのツケを払わされているだけの事なわけですから。結局のところ、タダより高いものはない、ってだけの自業自得な話です。

三菱UFJニコス、個人情報894人分流出か

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[note] ubuntu 14.04LTS導入

Ubuntuの最新バージョン、それもLTS版がリリースされました。コードネームはTrusty Tahr、信頼のおけるヤギさんです。従来に比べると、少しは意味がわかる気がしなくもないですね。あくまで少しだけ、それも相対的に、ですけれども。

さて。その14.04LTSですが。待望の、と言っていいんでしょうか。というのも、周知の通り、このところCanonicalは色々とモバイル版やら新規事業に手を出しては大爆死を繰り返す日々、もはや経営自体の危機も囁かれる有様で、デスクトップ版には殆ど注力していないところ、率直に言ってこれといった大きな変更があろう筈もないわけで。ただ、LTS版という事で、相応の安定性は期待出来るでしょうし、これまで微妙なバージョンアップに煮え湯を飲まされながらも追従して来たユーザとしては、これまでより酷いことはないだろう、と後ろ向きな期待は抱けます。というわけで、今回は珍しく様子を伺う事なく、無謀にもリリース直後の導入に踏み切った次第なわけです。

今回の対象は、デスクトップ一台にノート2台。内2台はアップデート適用で、1台はクリーンインストールです。全て64bit版。その結果はと言うと、結論から言えばアップデート適用2台の内、1台はすんなり成功したものの、残り2台はインストールに用いたメディア(DVD)のエラーでいずれも一度失敗、メディアを交換してやり直して成功に漕ぎ着けたものの、アップデート適用の1台はインストールプロセスの真っ最中という最悪のタイミングでエラーが発生したためかシステムが破損してしまい、結局泣く泣くクリーンインストールをする羽目に。とかように色々と手間がかかってしまったのです。疲れました。

そんなわけで苦労しつつ導入した14.04LTS、その使ってみた感想ですけれども。こちらは上々と言っていい感じです。互換性の面ではおよそ問題は認められませんし、一方で前バージョンまでに存在していたgtkとcompizに関するウィンドウ操作・配置周りの動作不良が解消されています。この点、従来個人的には特に不満に感じていたところだったので、これだけでも導入した価値は十分にあったと思えるのです。めでたし。

そのインストールの手順、その概要を一応下記にメモ。オンラインで行う場合と、メディアに入れたイメージから行う場合との2種類です。

・オンラインアップデートの場合
 update-managerから、新しいバージョンの適用を行うだけ。とても時間がかかります。私の場合は2時間近くかかりました。時折現れるダイアログに応答しつつ、のんびり待ちます。終わったら再起動で完了。

・メディア利用の場合
 メディアからインストーラを起動します。私の場合はDVDから。既存のシステムをアップデートする方法と、併存させる方法が途中で選択出来ますので、必要に応じて選択。後はクリーンインストールの場合とほぼ同様。ちなみに私の場合は既存システム(13.10)のアップデートを試みて、その後途中で[Errno5 Input/Output Error]が発生してクラッシュしたのです。要するに読み書きエラーですね。色々テストしてみたところDVDメディアが不良だったようで、念のため取得し直したイメージを別メディアに焼き直してやり直すと今度は成功しました。なので、おそらく一般的な問題というわけではないものと思われます。要するに私の運が悪かっただけの事です。とほほ。

後は普通に使えるわけですけれども、例によってUnityのツールバーが邪魔なので、まずウィンドウマネージャを変更します。

<ウィンドウマネージャの変更方法>(例:cairo-dockに変える場合)

 ターミナルから、下記の通りcairo-dock等のマネージャを入れた後、unityを削除。

 $sudo apt-get install gnome-fallback-session
  $sudo apt-get install cairo-dock cairo-dock-utils
  $sudo apt-get remove unity
  $sudo apt-get autoremove

 一旦ログオフして、マネージャにcairo-dockを選択して再ログインで完了です。 なお、この時fallback-sessionを入れておかないと、cairo-dockが有効にならず、素のXwindowになって操作がままならず、かつ修正もとても面倒という困った状況になってしまうので要注意。また、cairo-dockを導入する一方でunityを削除しないと、cairo-dockとunityのツールバーが併存する奇妙な形になってしまいます。使えなくはありませんけれども、意味不明です。しかしCanonicalは何でこうUnityに固執するんでしょうね。とそれはともかく。

 続いて、設定ツールccsmの導入。これで不要なオプションを幾つか外します。
   $sudo apt-get install compizconfig-settings-manager

後はまあいつもの個別設定ですね。こちらは今更ここに記載すべき話でもないでしょう。

トラブルはありましたが、それはたまたま私の運が悪かっただけ、14.04LTS自体の完成度は高いし、概ね導入も安定して行えるものと言って良いでしょう。OSは安定が一番、従ってこの14.04LTSも良いOSと言えそうです。というわけで、今回はこれでおしまい。

[関連記事 [IT biz] Ubuntu One終了]
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[関連記事 [note] Ubuntu 13.10導入]
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[過去記事 [note] ubuntu12.10お試し導入]
[過去記事 [note] ubuntu 12.04LTS導入]

4/17/2014

[biz law] コーナンによるPSEマーク大量偽装が発覚

ホームセンター大手のコーナンが、輸入品の電気製品について、電気用品安全法によって義務付けられている検査をしていないにも関わらず、検査済みと偽ってPSEマークを表示し販売を続けていた事が発覚したそうで。

対象品目は電気スタンドや電球、コード類等で、その数実に400点以上。今回の検査対象となった製品の母数が過去5年中における1200点であるところ、その割合は3分の1を超えている事になります。実際に発火事故が発生し、その後始末の過程で露見したとの事。本虚偽表示自体の悪質さに加え、実被害の発生というその最悪極まりない発覚の経緯からして、単なるリコール、回収では到底済まされそうにありません。

当然、対象品目は全回収の上、個別に賠償も必要になるでしょう。出回った製品の量にもよりますが、既に事故も発生している以上、同様の事故が他にも多数発生している可能性も高いものと推測され、コーナンはその分の調査義務と賠償責任も負うことになります。また、消費者を欺き危険な商品を売りさばいた店として、その信用も大きく失われるでしょう。コーナンはただでさえ消費税増税に伴って広範かつ大幅な便乗値上げを行った事で信用を失っていると言われているところにこれ、その額、影響の程度からして、もはやその事業の存続すら危うい程の危機的状況に追い込まれたもののように思われます。無論全くの自業自得、同情の余地は皆無ですし、潰れた方が社会のためだろうと思える位ですけれども。

もっとも、コーナンだけが報いを受けてそれで終わりだとは思えません。PSE関係の処理は一般に面倒なもの、その行政によるチェックがこれだけザルだと言うのであれば、分からなければ犯罪ではない、とかいう類の詭弁に基づき、同様の犯罪を行っている業者が他にいないと考える事は到底不可能でしょう。大方今頃は、本件ニュースを知って至る所で慌てふためいて泥縄式に検査を業者に依頼しようと考える業者、またその担当者が山ほど発生しているところかと思われるわけです。しかし、今更証明書を取得したところで、既に販売してしまった分については言い訳のしようもなく、逆に犯行を自白するようなものなわけで、多少頭の回る向きならば、結局は詰んでいる事に気づいて青ざめているといった感じでしょうか。そして、証明書の日付変造やら検査記録そのものの捏造やら、さらに罪を重ねる者すら多く出るのでしょう。全く以て愚かな話です。

いずれにしろ全員犯罪者です。漏れなく民事刑事の両面で懲罰も含め十分以上に責任を取らせる事が出来るよう、司法行政各位の奮起を願いたいところですね。

コーナン:検査せずに「PSEマーク」偽装表示か

4/11/2014

[biz] VAIO最終モデルがバッテリー炎上

なんというか、ソニーも意地が悪いな、と。懐かしさも感じつつ、しみじみ思うのです。

既に日本産業パートナーズへの売却が決まっているソニーのPC事業ですけれども、最後の最後で、バッテリー発火の不具合を出してリコールになったそうで。該当する製品は、最終モデルのノートVAIO Fit11A。モバイル向けの機種ですね。

販売台数は全世界でも2万5千台程度という事で、さほど多くもありませんけれども、事業を引き継ぐ日本産業パートナーズにしてみれば、ただでさえ大赤字でボロボロの事業価値がさらに大きく毀損してしまったわけで、赤字事業を引き取ってやったのにこの仕打ち、と文句はいくら言っても言い足りない程には遺憾に感じているところでしょう。その分の賠償をもらっても良さそうなところですね。訴訟にまでなる可能性はあまり高くないでしょうけれども。

ソニーとしては既に終わった事業だという事で、人事異動の影響やら、品証とかで手を抜いた疑惑だとか、色々と邪推する向きもそれなりにあるでしょう。まあ自業自得です。ていうか、この手の事業売却で、その公表と実行の間にこれだけの期間を置く事ってあまりないわけですが、それはこの種の弊害を排除するため、という面もあるわけなんですよね。何故今回はこんな進め方をしたのか、とても疑問です。が、まあその辺を云々してもあまり意味はないですかね。

というか、ソニーのVAIOの不良・故障率が高いのは今更な話、とりわけ火を噴くのもVAIOがその走りみたいなものだし、で、正直あまり真剣に捉えるのも億劫に感じるわけですけれども。やっぱりVAIOは品質的には最後まで最低でした、で終わるのも、ソニーらしい気もしなくもありません。ただ、事は人命に関わる話なので、最低限の後始末位はして頂きたいところですね。

ソニーPC「VAIO」で発火の恐れ、使用中止を呼びかけ

4/10/2014

[IT] OpenSSLに深刻な脆弱性、通称Heartbleed

OpenSSLに深刻な脆弱性が発見された件、既にそれを利用した攻撃ツールも生まれたとあって業界中が大騒ぎですね。それも当然、およそネットのセキュアなトランザクションを用いるサイトの殆どがその秘匿化にSSLを利用していますが、OpenSSLはそのLinuxサーバにおける最も標準的な実装だったのですから。そして、当該脆弱性を突けば、原則として秘匿されるべき通信データの全てが取り放題になります。無論、クレジットカードやネット銀行での決済等、クリティカルなものも全て。VPNとかも全滅。規模、深刻さ、緊急性等あらゆる面で最も重大な脆弱性と言えるでしょう。

問題の箇所は通称Heartbeat。SSL本体ではなく、その接続の継続性を管理するサブモジュールの部分であるとの事です。それをもじって、本脆弱性はHeartbleed Bug等と呼ばれているようです。心出血とはまたグロテスクな、というか即死な感じですが、発生は二年前に遡るそうで、中核部ではないが故に注意が行き届かず、また発見も遅れたと言う事なのでしょうけれども、割と潜伏期間は長い点はその呼称とあまり合わない気もします。もっとも発症後には即死する疾患とでも解釈すれば良い話でしょうか。とそれはともかく。

該当するOpenSSLのバージョンは1.0.1と1.0.2betaで、1.0.1については既にパッチが発行されていますので、これを適用すればとりあえず解決です。が、これだけ根幹部分だと、特に基幹システム等では検証も必要ですし、パッチを当てるのも一苦労でしょう。既に修羅場に巻き込まれたであろう大勢のSEの方々には誠にお疲れさまですね。

ちなみに私個人のサーバに入っているOpenSSLのバージョンも1.0.1、見事に該当していました。おのれ。殆ど使ってませんからさしたる問題ではないんですけど、心臓に悪い事この上ありません。勘弁して欲しいです。Heartbleedってあだ名、実はこういう利用者とか管理者の側に与える心理的な悪影響もその意味に含まれてるんでしょうか。だとしたらなおさら感心させられる的確さだなと。当事者には洒落になりませんけど。

ユーザ側は、サイト側の対処、すなわちOpenSSLの非使用もしくはパッチ済みの旨が確認されるまでは、各サイトの利用を控える、位しか対処のしようもないわけですけれども。全く以て迷惑な話です。

Heartbleed: Serious OpenSSL zero day vulnerability revealed

[biz] ニフティ売却

国内プロバイダ大手かつ老舗中の老舗、ニフティが身売りされる見込みだとかいう報道が流れました。しかし、Biglobeの時とは違い、驚きを感じるよりはむしろ、ついにとかやはりとか、納得が先に立つのであります。それは、当の親会社が、リストラや事業売却に往々にして安易に踏み切る事で知られる富士通である事、またその主たるターゲットであったPCが携帯デバイスに取って代わられつつあり、その上事業の対象地域を国内に限定したプロバイダ事業にはもはや成長を望めない事が明白だった事によるのでしょう。要するに成長余地が無くなり採算が悪化しつつある子会社が切り捨てられただけの事、驚きが無くても不思議はありません。

売却先、またその額等は不明ですが、Biglobeと同じく日本産業パートナーズあたりでしょうか。というか、他に引き受け先が見当たらないのですね。既存大手系列は何処もプロバイダ事業はリストラ済か予定かのどちらかだし、どうしても候補は新規参入組という事になってしまうわけで、その中で実績のある所はそこ位しか無いわけですから。あと、一応Niftyは富士通のクラウドサービスの結構な割合を受け持っている事もあって、その顧客層の都合、はっきり言えば情報漏洩等の懸念を考慮すれば、外資系には売り辛く、とりわけその危険の顕著な中国・韓国系は論外でしょうし。

ただ、仮に日本産業パートナーズが引き受けるとして、その後には当然旧Biglobeとの統合という問題が聳え立っているわけで。そんな事が可能なのか、と問うてみれば、事実上不可能だろうと結論せざるを得ないのですね。どうするんでしょう。個人法人取り混ぜて数百万に上る膨大な顧客群、それを一気に移行させようとすれば大混乱は必至です。というか想像すら困難です。

というわけで、先行きはさっぱりわからず不安しか感じられない本件売却、果たしてどうなる事やら。というか売却出来るんでしょうか。そういえば、あの富士通が数年前にやらかした野副前社長の解任騒動は、このニフティ売却を巡る対立が原因になった、という見方もありました。あれほど激しく醜い内部抗争を起こし、社長の首を騙し討ちで落としてまで差し止めておきながら、結局事業価値が無くなった今になってから売るとか、全く以て馬鹿らしく、間抜けな話です。既に表に出てきた以上、今回はわりとオープンな話と見るべきなんでしょうけれども、当時が酷すぎたし、現社長も当事者だけに、嫌な想像も過ります。ユーザや社会に迷惑がかからないよう願いたいものですね。そんな願いが出てくる時点でどうかとも思いますけど。

ところで、これはやはり本件プロバイダ事業と関連が深く、長年同様にリストラが囁かれてきたところのPC事業売却への下準備って位置づけの措置と見て良いんでしょうか。そうであれば、パーソナルビジネスからの全面撤退が視野に入ってきた感じですかね。リストラの容易さの点からして、順序が逆的な違和感も感じるところですが。

富士通、ニフティを売却へ 会員減少で業績低迷

[sci] Anti-scientific actress Obokata performed miserably

Self-insisting STAP cell discoverer Obokata appeared in public for the first time since original news conference in Jan. in which she published her claims to have discovered it.

There, with tears, she only repeated her old, heavily doubted claims. STAP cell exists.

But that was just waste of time for anyone, because she showed no evidence. She said other person also successfully created STAP cells, but when asked who, refused to answer. She also said she created STAP cells more than 200 times, but when asked to show records, refused. She insisted that said-to-be fabricated elements (images etc) in her papers are all just mistakes, but showed no true ones.

How can you believe her sayings are true? Never. Nothing had changed between before and after of this conference. There's no reason to take any of them true. They're totally, and completely anti-scientific. Her tears shown then only deepened doubts. Such emotional behavior have no meaning related to scientific facts. I was sure she's not scientist, but an actress. Maybe even worse, malicious liar. So all efforts like today's conference must be useless. Don't put any her claims in. Just check scientific facts excluding her. That's all RIKEN and other society should do.

[Related old posts (all in Japanese) ]

[sci] ostentaion, self-protection, filled with madness, hollow RIKEN
[sci] RIKEN's systematic lack of ethics exposed in response to STAP cell fabrication case
[sci] disappearing STAP cell, damages and liability of it
[sci] Doubt to STAP cell deepens, self-destructing authorities

4/03/2014

[IT biz] Ubuntu One終了

CanonicalのクラウドストレージサービスのUbuntu Oneが終了するんだそうです。

Ubuntuを常用している私ですが、当サービスは不要につき一度も使った事はありませんでした。アカウントの登録すらしていません。大半のUbuntuユーザも同様でしょう。MacとWindowsでも利用は可能ではありましたが、実際の利用者は殆ど無に等しいと聞きます。そのように、只でさえ少ないUbuntuユーザにすらあまり利用されていなかっただろう同サービスが終わったところで、もとより大した影響があろう筈もないし、世間一般にとっては気に留められすらしないニュースなんでしょうけれども。サービスの提供開始は2009年だから、およそ5年。開始当初は、そのOS込みでの明らかな競争力の欠如から、一年後位には消えているだろう、というかむしろ何故こんな需要ゼロのサービスをリリースしたのと思ったものですが、意外と長く持ったように思います。

終了の理由は、Dropbox等大手競合サービスと伍するために必要な大規模なサービス展開の費用を賄えなくなったため、とのこと。要するに採算が取れないから。そんな事最初から分かり切っていた話だろうにと、流石に呆れざるを得ません。

周囲を呆れさせるだけで済めばまだしも、ここ数年CanonicalはスマホOS進出の爆死を筆頭に、事業拡張に悉く失敗しているわけで、そのツケ、というか単に回収出来なくなった資金も相当な額に上りますから、そろそろ資金繰りも厳しくなりかねない感じなのがユーザの不安を煽ってくれます。

さらに言えば、ここ数年UbuntuがそのOS開発においてユーザの不評を無視して固執し続けたUnity等のデスクトップマネージャとこのUbuntu Oneのクラウドサービスはセットになっていましたから、今回のクラウド撤退でその路線も諸共に打ち切られてしまう事になるわけです。それ自体はユーザとしては歓迎すべき事であるように思われますが、ディストリビューションとしてのUbuntuのロードマップが途切れた事も事実なわけで、うっかりディストリも道連れに迷走のち遭難し、ひょっとすると消滅してしまう可能性までもが懸念されます。それは流石に勘弁して頂きたいところですが、さてどうなりますかね。

もっとも、仮にデスクトップ周りのプロジェクトが死んでも、私はそもそもUnity系のマネージャは利用していないので、直接影響があるわけではありません。ただ、まだWindowsやMac等のメジャーOSに比すれば稚拙そのものな現状のまま、あるいは悪化という事になれば、さらにシェアは減ってCanonicalの運営もそれだけ苦しくなるだろう事が予想されますから、その点どうしてもある程度の心配はせざるを得ないのです。心配した所で、どうにもならないんですけれどもね。

Canonical shutters Dropbox competitor Ubuntu One

ちなみに、Canonical Ltd.の2013年決算は、売上$60mに対して損失$21m。その前は売上$54mの損失$10m。存続しているのが不思議な位にボロボロです。そこから改善した筈もありませんから、経営的には相当に追い詰められているのだろう事は間違いないでしょう。ていうか、こんな需要ゼロのサービスに浪費してる場合じゃなかったってわけで、撤退も遅すぎたものと言うべきでしょう。

Canonical Group Limited Annual Accounts 2013

4/02/2014

[note] 磨り減った靴底を修理

この所、愛用している靴のかかと部分が結構磨り減って来ていて、歩く際に違和感を感じるようになっていたのです。いつもなら買い換えるところなのですけれども、増税前の駆け込み需要やらで混雑はするし割高だし品薄だしで、いまいち気乗りしなかったんですね。

それならと、前々から一度試したいと思っていたところの、靴底補修剤による修理を試みてみたわけです。

使用したのは、いくつか販売されている補修剤の中でも定番とされ、最も多く流通しているセメダインのシューズドクターNです。近所のホームセンターで税込み800円位(税率5%)。黒と白と茶の3種類が販売されていますが、今回は対象に合わせて黒を選びました。


今回の対象はスニーカーもどきのゴム底靴。下図の通り、かかと部分が削れてしまっています。ここを充填剤で肉付けしてやるわけですね。


まず準備。同梱のサンドペーパーで軽く擦って充填剤が乗りやすくした後、これまた同梱の薄いアクリル板二枚を左右それぞれにガイド枠としてぐるりと周囲に巻きつけるようにしてテープで貼り付けます。


しかるのちに、徐ににゅるにゅると充填剤を埋め込みます。量は目測で適当にするわけですが、心持ち多めにすると良いようです。足りなければ途中で追加すれば良いだけですけれども。


これを、同じく同梱のヘラで均して形を整えます。充填剤は粘度が高いので、どうしてもヘラにくっついて来てしまい、なかなか思うように平らになりませんが、出来るだけ表面近くをヘラを行きつ戻りつさせて根気よく均します。充填剤を少し多めに入れておくと、少し余りは出ますがそれなりに形になるでしょう。そこで生じた余りは少し手前に伸ばして誤魔化します。


整え終えたら、説明書の指示の通り丸一日、24時間程置いて固まるのを待ちます。その後アクリル板を外した直後の姿が下図。板のあった外縁に沿ってバリが残っています。


このバリをハサミやカッター等で切り落として整えた後の姿が下図。見た目はアレですが、磨り減った靴底が復活しました。


なお、横から見ると若干隙間が。重ね塗りは可らしいので、気になるなら後から調整すれば良いでしょうけれども、個人的には取り敢えずそこまで気にならないので、これでよしとします。


この後、早速試しにこれを履いて外出してみましたが、全く問題無し。というより、明らかに修復前より安定していました。やはりかかと部分が有るのと無いのとでは大違いです。概ね成功と言ってよいでしょう。というわけで満足です。

ちなみに下図は使用後の充填剤。実は今回、この靴の他にもう一足、より状態の悪い別の靴も練習がてら修復しましたので、2足分使った事になるわけですけれども、まだ結構、大体2/5位残っています。


従って、今回のように本補修剤を使って靴底を部分的に補修する場合にかかる費用は、大体一足あたり200円強、という計算になります。もちろん、作業にはそれなりに労力や時間も必要ですので、これが得と言えるかどうかは一概には言えず、修理する靴の価値によるのでしょうけれども、安くない靴や多少なりと思い入れのある靴の場合には、業者に依頼する場合と比較すれば、極めて安価で手軽、現実的な修理手段と言えるでしょう。あとは耐久性ですが、正直あまり持ちそうな気はしません。が、それならそれで再補修すればいいだけの事です。というわけで、今回はこれでおしまい。

4/01/2014

[sci] 虚飾と保身、狂気に塗れた虚ろな理研

STAP CELL捏造の件、凄いですね。何が凄いって、理研が渋々ながらかつ部分的にせよ不正を公式に認めたにも関わらず、当の小保方氏が不服を申し立てた事が、です。

真性の虚言癖か、妄想癖か。それとも名誉や地位への執着が過ぎるだけなのか。本人は体調不良と称して姿を隠していますし、そもそもその内心は外部からは知り得ぬ所ではありますが、著しく常軌を逸した、余人の理解が及ばぬ極めて異常な振る舞いであるとは言えるでしょう。科学者としての資質云々以前の、人格面の狂気を感じさせるその妄執ぶりには戦慄を禁じ得ません。

正直もう小保方氏の話は取り合うだけ無駄だろうと思うし、氏に関する話は今後一切聞きたくもないとも思います。多くの人が同様な思いを抱いた事でしょう。

そもそも、本件のような科学的事実の真偽にかかる捏造事件の対処にあたっては、当事者の釈明など最初から考慮する必要はありませんでした。ただ事実の検証だけが必要かつ有意味、それ以外の全ては無意味に等しいのであって、何よりも事実検証が優先されるべきでした。しかるに元はと言えば、正確な事実検証を実施し得る唯一の機関であった他ならぬ理研がそれを放棄し、当人への聴取等という、科学的事実の真偽判定に何ら意味をなさない作業にかまけて、事態を実質的に完全に放置したためにこんな状況に至ったのです。

さらに、この期に及んで検証には一年が必要などと言って放置の継続を決め込み、また小保方氏の独断と言い捨てて、組織としての責任の回避を見苦しくも試んだ挙句、内部抗争とも言える混乱に陥っているわけです。理研も小保方氏も、科学研究者、研究機関としての倫理性を欠片も伺わせない、その自己弁護と保身の権化のような有様は、醜悪と言う他ありません。

理研にしろ、小保方氏にしろ、全ては虚飾に過ぎませんでした。もう何を言おうとも、それが信用される事はないでしょう。そして、この醜態を見る限り、その失われた信用が戻る事もあり得ないでしょう。この上は、双方とも即刻退場頂きたく思います。が、理研の組織規模からして、退場させられるどころか、多くの利害関係者が支援に動くだろう結果、これから先も延々このようなやり取りを見せつけられ、日本の科学研究そのものに対する絶望を新たにし続ける事になるのでしょう。無念です。

知ってましたけどね。無駄そのものと言うべきスパコンの件を筆頭に、その規模、予算の割にあまりに寡少な研究成果の質・量を見れば、関連業界へ金を落とすための公共事業の入れ物としての意味合いが極めて強く、科学研究自体は二の次な趣旨の組織だって事は。それは必ずしも理研に限った事ではありませんけれども。

小保方氏「とても承服できない」 理研に不服申し立てへ

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[biz] 増税直後の標準価格と特価の逆転に見る割安感演出の虚しさ

消費税増税で、普段よく買う類の品物の価格がどう変動しているかちょいちょい確認してたところ、とある通販業者のPC関連機器の特価セールで、特価が通常価格より高く表示されているケースが複数目につきまして。

よりによって増税で価格の変動に色々注目が集まってるこの日に、しかもわざわざメールでお買い得情報とか銘打って送り付けておきながら、そんな堂々と間違いを記載されても困惑します。おそらく標準価格は単なる宣伝文句の一部に過ぎず、販売管理上も無意味なものであって、だからチェックの対象外という事なのでしょう。

大体、大多数の消費者は、取り分け通販においては、複数業者を比較の上、最安値の所から購入するものなのであって、特価だろうが通常だろうが、その時々の販売価格しか気にしないわけです。その種の参考価格なんて、錯覚を起こさせる意味しか無いのだし、そんな間違えて客を引かせる位なら最初から書かなきゃいいのに、と思うのですよ。

何といいますか。割安感の演出、というのは、つくづく虚しいものなのだなと。鬱陶しいから止めて欲しいなと。心から思った次第なのです。

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[biz law] 米でリアビューカメラ搭載義務付け、2018年からほぼ全車種

米国で、新車の自動車のリアビューカメラ搭載義務付けが決まったそうで。対象は4.5トン以下の全新車で、乗用車はほぼ全てが含まれます。これは結構思い切ったなあと、少し驚きました。

一応、本件の経緯としては、ここ数年、バック時の不注意に起因する事故、特に小柄で死角に入りやすい子供が犠牲になる事例が多発し、その防止のためバックカメラの搭載を義務付けるべき、との主張が多数提起されていて、それが実を結び、本決定に至ったものなわけです。バックカメラの導入が安全性の向上に寄与する事に疑いの余地はなく、施策自体は十分に合理的なものと言えるでしょう。

ただ、殆ど例外がなく、原則全ての車に義務付けられた点と、それだけの大変更なのに施行開始が2018年、あと四年しか猶予が無い、というのは正直意外でした。四年というのは、消費者からすれば長く感じますが、自動車の事業計画のスパンからすればむしろ異例の短さと言うべきです。何しろ、従来リアビューオプションの無かった車は勿論、その表示に必要となるカーナビ等のモニタを搭載していなかったモデルまで、商用等でそれなりの規模があるカテゴリ自体を一気に廃止するという事なのですから。当該カテゴリは概ねコスト重視の最廉価帯にあたる事もあって、一定範囲のユーザにはその購買行動の強制的な、それも負担を増やす方向の転換を迫るものだし、メーカーの事業計画に及ぼす影響も相当なものがありそうです。

勿論、メーカーに取っても面倒な規制というだけではなく、車載カメラやカーナビ等、関係する車載機器メーカーには拡大の機会になるでしょう。また、本件のカメラ標準化は、将来的には自動運転等の導入へ向けたマイルストーンと位置づけて活気づく向きもそれなりに出そうです。けれども、今回のバックカメラだけを先行させる措置というのは、その辺りの将来的な展望を込みで見ると、どうも中途半端な印象を拭えません。というのは、あくまで後方を目視出来るモニタカメラが備われば良い、というのが標準という事になると、コスト面の最適化の結果、それだけに特化した各社規格もバラバラな機器が無秩序に普及してしまい、自動運転や各種認識には転用出来ず、結局それ以上先には進めなくなる可能性が高いでしょうから。

理想的には、そういう将来の発展的な利用法も考慮して標準化した上で、その先行的、部分的利用という位置づけで規格化された機器を普及させるのが良いんでしょうけれども、それはやはりあまりに困難という事なのでしょう。標準規格化したくても、ゴールの2018年から逆算すれば、その規格は現時点で確立されていなければならないでしょうから、それも無理からぬように思われるところです。交通システムを情報処理面で飛躍的に進歩させられる折角の機会なのに、と少し残念ですが、仕方ありません。その代わり、各社バラバラに色々混ぜてくるでしょうから、そのバリエーションを楽しむのが吉でしょうか。その頃には、Appleの残念なナビも少しはマシになっているといいのですが。あまり期待しないで待つとしましょう。

GMあたりはそんな余計な事考えてる場合じゃないですしね。。。

あと気になるのは、日本への波及はいつ頃になるか、位でしょうか。おそらくはそう時間を置かずに追随するだろうとは思われますけれども、私見ながら日本における事故では、誤操作や単なる不注意等、バックカメラの有無と関係ない事例の比率が相当に高いように思われますし、拙速に陥らず、実情をよく踏まえた上で、最適な施策が採られる事を願いたいものです。

Rearview Cameras by 2018 for Cars and Light Trucks

[biz] 消費税増税。税抜き表示が最悪に不便かつ不快

消費税の増税が始まりました。言うまでもなく経済に大打撃を与えるだろう大増税です。

それ自体はいい、いやよくないんですけど、既に法定された事なので致し方ありません。が、それを受けて変更された各所小売の価格表示が、悉く不便で不快極まりない事については、各自の任意に基づくものだけに、絶対に許し難く思うのです。

というのは、これまで商品の価格は当然ながら税込み表示で、最終的に払うべき金額が表示されていました。これを、税抜き表示を標準とし、税額を非表示、又は小さく付記する業者が多発しているのですね。税込み表示を併記する業者はまだマシではありますが、それも大抵は脇に視認し辛い程に小さく表示されているだけです。

これでは、価格を確認するのに一々見分けたり計算したりせざるを得ないわけで、不便という言葉で片付けるのも躊躇われる程に不便であり、不快感も禁じ得ません。直ちに元の税込み表示に戻されるべきものでしょう。

業者達の意図は嫌になるほどよく分かります。安く見せかけ、錯覚させる心理的ミスリードを狙っての措置なのでしょう。要するに詐欺です。こんなもの、顧客の事を多少でも考えているなら絶対に出来ない事であって、自らの売上の事しか考えていないエゴ丸出しの振る舞いと理解する他ないわけです。最高に不愉快ですね。政府が政策的に奨励しているのが原因なのですが、その事も不快感に拍車をかけてくれます。

これでは消費意欲云々どころの話ではないわけで。目先の消費を喚起しようとして購買行為自体を致命的に困難にしてしまうとは、本末転倒も甚だしく、その馬鹿さ加減には呆れざるを得ません。少なくとも、私個人としては、このような表示を続ける業者を利用する事は決してしないと、抑え難い怒りを感じつつ思う次第なのですよ。

もっとも、殊更決意するまでもなく、そんなややこしい表示だと、そもそも見る気が無くなってしまうし、自然と寄り付かなくなるだけですけれども。といって、全部が全部そうなってしまうとどうしようもなくなるわけですが、まさかそんな事はないだろう、と最低限の良心は信じたいところです。少なくともAmazonやヨドバシ等、大手でも変わらず税込み表示を続けている所は結構あるようですし。

色々見てみました。目についた範囲では、ソフマップの通販サイトSofmap.comがとりわけ酷いですね。税抜価格表示をこれまで税込価格を表示していた箇所に全く同じように表示している時点で最悪ですが、それに加えて、中古品に明らかな便乗値上げが見られます。中古カメラとか、その税抜価格が増税前の税込み価格より軒並み高いという無茶苦茶ぶりで、その上さらに詐欺丸出しの"値下げ"表示のおまけ付き。特に最後の点、これは景表法で禁じられている有利誤認、不当表示にあたり、完全な違法行為です。

こんな真似をして、消費者が気づかないとでも思ってるんでしょうか。だとしたら愚かにも程があろうというものです。価格に敏感、というよりそれだけをシビアにチェックするネット通販利用者が気づかないわけがありません。不信を抱きつつ、ただ離れていくだけでしょう。全く以て愚行です。

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