6/01/2012

[biz] 関西自治体の原発稼働容認に失望

ひたすらに残念です。福島の惨状を経験し、直下含め大規模地震が起きれば同等かそれ以上に取り返しの付かない惨事に至る事が分かっていながらの原発稼働容認。非稼働時の電力利用量抑制による経済的不利益は小さくないとはいっても、抑制による停電回避自体は不可能ではないのだから、結局の所は目先の金銭に目が眩んだだけの判断である事は明白で、福島の事故を引き起こした東電はじめ原発業界関係者らのそれと何ら変わり無い愚行と言わざるを得ません。

もっとも、そもそも本件の大飯原発再稼働の主たる理由であるところの夏場ピーク時の電力不足自体については、火力を中心に代替の発電設備を増設しておけば安全かつ十分な電力供給が可能である事は当初から明白であり、そのための時間も十分ではないにせよそれなりにあったにも関わらず、半ば意図的にその準備を怠ったところに今回の事態の根本的な原因があるのですから、一義的にはその責任を負う関電、次いで所轄官庁の経産省の関係者がまず非難されるべき話ではあります。

しかし、橋下大阪市長ら自治体側についても、如何に言い訳を並べようと、前言を翻し、広範な国土と住民を故意に致命的な危険に晒す以上、殊にその稼働反対意見に賛同していた市民からは重大な裏切り行為と認識されるだろうし、深く失望されると共にそれ相応の反発や非難を受ける事も避け難いところでしょう。全て自業自得による当然の帰結ですけれども、残念です。とはいえ、一方で財界や電気業界は勿論、危険の及ばない地域の住民らからは支持が増える面もあるんでしょうから、当人達はさほど気にもしていないのかもしれませんけれどもね。

[関連記事 [biz] 原発はこのまま終焉するか、するべきか ]