4/17/2014

[biz law] コーナンによるPSEマーク大量偽装が発覚

ホームセンター大手のコーナンが、輸入品の電気製品について、電気用品安全法によって義務付けられている検査をしていないにも関わらず、検査済みと偽ってPSEマークを表示し販売を続けていた事が発覚したそうで。

対象品目は電気スタンドや電球、コード類等で、その数実に400点以上。今回の検査対象となった製品の母数が過去5年中における1200点であるところ、その割合は3分の1を超えている事になります。実際に発火事故が発生し、その後始末の過程で露見したとの事。本虚偽表示自体の悪質さに加え、実被害の発生というその最悪極まりない発覚の経緯からして、単なるリコール、回収では到底済まされそうにありません。

当然、対象品目は全回収の上、個別に賠償も必要になるでしょう。出回った製品の量にもよりますが、既に事故も発生している以上、同様の事故が他にも多数発生している可能性も高いものと推測され、コーナンはその分の調査義務と賠償責任も負うことになります。また、消費者を欺き危険な商品を売りさばいた店として、その信用も大きく失われるでしょう。コーナンはただでさえ消費税増税に伴って広範かつ大幅な便乗値上げを行った事で信用を失っていると言われているところにこれ、その額、影響の程度からして、もはやその事業の存続すら危うい程の危機的状況に追い込まれたもののように思われます。無論全くの自業自得、同情の余地は皆無ですし、潰れた方が社会のためだろうと思える位ですけれども。

もっとも、コーナンだけが報いを受けてそれで終わりだとは思えません。PSE関係の処理は一般に面倒なもの、その行政によるチェックがこれだけザルだと言うのであれば、分からなければ犯罪ではない、とかいう類の詭弁に基づき、同様の犯罪を行っている業者が他にいないと考える事は到底不可能でしょう。大方今頃は、本件ニュースを知って至る所で慌てふためいて泥縄式に検査を業者に依頼しようと考える業者、またその担当者が山ほど発生しているところかと思われるわけです。しかし、今更証明書を取得したところで、既に販売してしまった分については言い訳のしようもなく、逆に犯行を自白するようなものなわけで、多少頭の回る向きならば、結局は詰んでいる事に気づいて青ざめているといった感じでしょうか。そして、証明書の日付変造やら検査記録そのものの捏造やら、さらに罪を重ねる者すら多く出るのでしょう。全く以て愚かな話です。

いずれにしろ全員犯罪者です。漏れなく民事刑事の両面で懲罰も含め十分以上に責任を取らせる事が出来るよう、司法行政各位の奮起を願いたいところですね。

コーナン:検査せずに「PSEマーク」偽装表示か