4/10/2014

[biz] ニフティ売却

国内プロバイダ大手かつ老舗中の老舗、ニフティが身売りされる見込みだとかいう報道が流れました。しかし、Biglobeの時とは違い、驚きを感じるよりはむしろ、ついにとかやはりとか、納得が先に立つのであります。それは、当の親会社が、リストラや事業売却に往々にして安易に踏み切る事で知られる富士通である事、またその主たるターゲットであったPCが携帯デバイスに取って代わられつつあり、その上事業の対象地域を国内に限定したプロバイダ事業にはもはや成長を望めない事が明白だった事によるのでしょう。要するに成長余地が無くなり採算が悪化しつつある子会社が切り捨てられただけの事、驚きが無くても不思議はありません。

売却先、またその額等は不明ですが、Biglobeと同じく日本産業パートナーズあたりでしょうか。というか、他に引き受け先が見当たらないのですね。既存大手系列は何処もプロバイダ事業はリストラ済か予定かのどちらかだし、どうしても候補は新規参入組という事になってしまうわけで、その中で実績のある所はそこ位しか無いわけですから。あと、一応Niftyは富士通のクラウドサービスの結構な割合を受け持っている事もあって、その顧客層の都合、はっきり言えば情報漏洩等の懸念を考慮すれば、外資系には売り辛く、とりわけその危険の顕著な中国・韓国系は論外でしょうし。

ただ、仮に日本産業パートナーズが引き受けるとして、その後には当然旧Biglobeとの統合という問題が聳え立っているわけで。そんな事が可能なのか、と問うてみれば、事実上不可能だろうと結論せざるを得ないのですね。どうするんでしょう。個人法人取り混ぜて数百万に上る膨大な顧客群、それを一気に移行させようとすれば大混乱は必至です。というか想像すら困難です。

というわけで、先行きはさっぱりわからず不安しか感じられない本件売却、果たしてどうなる事やら。というか売却出来るんでしょうか。そういえば、あの富士通が数年前にやらかした野副前社長の解任騒動は、このニフティ売却を巡る対立が原因になった、という見方もありました。あれほど激しく醜い内部抗争を起こし、社長の首を騙し討ちで落としてまで差し止めておきながら、結局事業価値が無くなった今になってから売るとか、全く以て馬鹿らしく、間抜けな話です。既に表に出てきた以上、今回はわりとオープンな話と見るべきなんでしょうけれども、当時が酷すぎたし、現社長も当事者だけに、嫌な想像も過ります。ユーザや社会に迷惑がかからないよう願いたいものですね。そんな願いが出てくる時点でどうかとも思いますけど。

ところで、これはやはり本件プロバイダ事業と関連が深く、長年同様にリストラが囁かれてきたところのPC事業売却への下準備って位置づけの措置と見て良いんでしょうか。そうであれば、パーソナルビジネスからの全面撤退が視野に入ってきた感じですかね。リストラの容易さの点からして、順序が逆的な違和感も感じるところですが。

富士通、ニフティを売却へ 会員減少で業績低迷