7/11/2014

[biz law] あまりに愚かな流出個人情報利用犯ジャストシステム

何とも酷い話もあったものです。ベネッセの個人情報流出の件です。

本件、全般に渡るベネッセの杜撰さ、また実際に顧客に被害が発生し、その被害を被った当事者からの通報によるという発覚の経緯の終わりっぷりもさることながら、その直接の原因となったDM送付者たるジャストシステムの酷さが群を抜いているように見えて、軽蔑、また嫌悪感すら抱かざるを得ません。

特にその弁解の言、ベネッセから流出した情報とは知らなかった、とか何を言っているのかと。何の言い訳にもなっていません。本来言うまでもない話の筈ですが、個人情報保護法の第四章に明記されている通り、そもそも個人情報は当人の同意が無い限り、その利用以前に保管から禁じられているのですから。従って出所不明の個人情報は、その時点で当人の同意が無い事が明白なのだから、業者から購入した時点で既に同法違反の既遂に達する事も明白、ジャストシステムの営業乃至法務は何処の無法者だというのでしょう。とても現代日本の、それもそれなりに名の知られた企業の行いとは信じ難く思われるところです。

大方、弁解はほとんど虚言で、実際のところは全部違法な事は承知の上で犯行に及んでいて、通らないと知りつつ苦し紛れに吐いた妄言といったところなのでしょうけれども、それにしてもあまりに酷くて見ていられません。

一応、件の個人情報保護法施行から、現在では違法とされている無同意の名簿に基づく営業を禁じられた事で、とりわけ中小のコンシューマー向け企業にとっては広告媒体以外による個別・直接の新規顧客開拓の道が閉ざされ、しかし広告を十分にするだけの資金が無い場合には、事業展開上の代替手段に窮する面もあったでしょうから、その効果を知る向きとしては違法と知っていても本件犯行に及ぶ理由はそれなりにあったのだろうと推察されるところではあります。

しかし当然ながら以前はともかく現在は歴とした違法行為なのであって、実際に個々人の自身の情報保護に対する権利意識も十分に形成された今の状況にあっては、その侵害を伴う手段を以って勧誘を行うなど、矛盾も甚だしく、あまりに愚かな所業と評価せざるを得ません。大体、こんな事をしていれば早晩発覚する事もまた明らか、通常の最低限の知性があれば当たり前に想像出来る事だった筈なのですし、その意味でも本件犯人、とりわけ実際の利用に及んだジャストシステムの愚かさは救い難いものと言わざるを得ないわけです。

何にせよ、この期に及んでベネッセに個人情報を預けようという人は、無頓着な人以外はいなくなるでしょうし、ジャストシステムもその種の違法行為を平然として恥じない反社会的企業として少なからぬ忌避を広く受ける事になるでしょう。社会的に必要不可欠な類の事業者ではないし、このままあえなく退場となる可能性も相当に考えられますが、全く以ての自業自得、存分に報いを受けるべきだし、個人的にはむしろそうなって欲しいとすら思う次第なのです。

しかし他にも同種犯は沢山いるんですかね。いるんでしょうね。というか、それだけ名簿を扱う業者がいて、顧客がジャストシステムだけなわけがないですよね。この際芋づる式に全て検挙一掃される事を心から願います。

ジャストシステムに200万件=都内業者からベネッセ情報入手