5/31/2023

[biz] らくらくホン消滅

だそうで。南無。

シニア向けフィーチャーフォンの先駆けとしてかつて富士通から発売されたらくらくホンですが、その後のフィーチャーフォン自体の消滅に伴うスマホへの移行を経て、海外メーカーによる国産スマホメーカーの駆逐に伴い著しい不採算に陥り、テレビ関連事業等と同様、あえなく富士通から分離売却されていました。

事業売却の前後を通じて、ドコモ及びau向けに端末を供給し続けてはいたものの、その後も皆無に等しいブランド力から予想された通り事業規模が縮小していました。そしてついに事業会社であるところのFCNT株式会社が、中間持株会社のREINOWAホールディングスおよび端末製造を担う兄弟会社ジャパン・イーエム・ソリューションズと共に民事再生を申請するに至ったわけです。

なんだかんだで発売から20年以上。大きな文字とアイコンを基本にした見やすいUIを採用し、あえて機能を限定して操作性及び可用性を上げるその設計思想はフィーチャーフォンの一つの到達点であった事は間違いありません。しかし、基本メールと通話だけできればよかった時代が遠く過ぎ去り、たとえシニアであってもキャッシュレス決済や各種SNS等、人それぞれに多種多様な機能の利用がなされ、しかもそれらが頻繁に入れ替わるような現状にあっては、その方法では広く利用者のニーズに応える事は困難というより不可能になっていた事は明白でした。

一方で、らくらくホン等で採用されたものと類似のUIはandroid系のスマホの一部では一つのモードとして採用されており、望む人はそれに切り替えれば良い、という形に落ち着いたようです。いつまで残るのかも怪しいですが、もはやそちら方面のニーズにはそれで十分なのでしょう。その意味で、ハードウェアとしてのらくらくホンは既に使命を終えたと言えるでしょう。端末事業については事業の引き取り手も今の所ない模様ですし、本当に終わりという事になりそうです。どれくらい残っていたのかも不明ですが、もしいたなら、開発者の方々にはお疲れ様でした。

なお、今回破綻したFCNTでは、かつて富士通で製造されていた他の携帯端末事業も引き継いでおり、その中には当然通常のスマホブランドであるところのArrowsも含まれていましたが、こちらも同じく終了という事になります。また、富士通時代の末期には一足先に見切りを付けた東芝から携帯端末事業(REGZA phone等)を引き継いでもいましたが、これも同じく終了。東芝から富士通への売却がされた当時は、むしろこんなに長引くとは思いませんでした。当たり前ですが、事業を終わらせるのも大変だという事ですね。

ところで、FCNTの持株会社のREINOWAホールディングス以下が倒産したわけですけれども、そのさらに親会社のポラリスについてはどうなんでしょうか。結構な損失を被っている筈なんですが・・・。REINOWA近辺については全然情報がなくて、どれくらいの影響があるのかよくわからないんですよね。

周辺の情報から推測すると、まず富士通からポラリスへの売却額は譲渡した70%持分に対して当時300億とか言われていて、その後全株式売却もしたので総額はおよそ450億程度で、その株が全部0になった筈です。一方ポラリス傘下のファンドの総額は公式HPで見る分には1900億とかなので、FCNT関連は少なく見積もって1/4位の比率があった筈なのです。そんなに吹っ飛んでも大丈夫なものなのでしょうか。さて。