4/30/2011

[note] Ubuntu 11.04がとても微妙

インタフェースがUnityに一新されたという事で、興味に駆られて10.10から11.04にアップグレードしてみたのですけれど。64bitのデスクトップと最近殆ど使っていなかったlooxU/C40の二台でトライ。

しかし結論だけ言えばダメダメです。特に肝心のUnityが。

Unityの作りは大雑把に言ってWindows7とOSXの折衷と言う感じですが、大きなランチャーは邪魔なだけだし、分離したメニューバーも却って使い辛く感じます。Mac使いの人達だとか、タブレットとかで使う場合にはまた違うんでしょうけど、少なくとも従来に慣れた身にはその方がコンパクトで必要十分、それより良くなった感じは全くしません。あとカスタマイズしづらい、というか未だにどうやればいいのか分からない事が多すぎ。駄目だこりゃ。というわけでUnityは速攻リストラ。それ以外は今のところ安定してるので、しばらくはこのまま使いますかね。

なお、上記はデスクトップの方に限った話で、LooxU/C40についてはアップグレードに失敗(画面が表示されないというもので、10.10で入れていたGMA500ドライバとの兼ね合いが怪しい感じ)、クリーンインストールで一応動作したものの、10.10で発生していたサウンドのバグも健在(同じ対策で解消はする)だし、GMA500のドライバが間に合わなかったという事でcompizも再生支援もアウト、当然unityは動作すらしないという論外っぷり。とほほ。こちらはしばらく放置です。

[過去記事 [note] LooxU/C40もUbuntu化]
[過去記事 [PC] さようならSUSE、 ]

-----------追記
LooxU/C40のGMA500ドライバについて一応解決。xorgのバージョンを戻したりするので少々不安はありますけど。
[続き記事 [note] LooxU/C40のUbuntu11.04設定]

4/28/2011

[biz] 2011年3月期決算前半所感

殆どの大企業は3Qまでの貯金で取り敢えず乗り切った様子ですね。といっても、大半は当初の予想からすればマイナス修正ではあって、良くて現状維持、上方修正はほぼ皆無に等しく、3Qまでの流れからすると、失速感は非常に強く感じられますけれど。前年比で利益が増えた所は多いといっても、売上自体は何処も減少で、経費削減、コストカットで捻出しただけだし、そろそろ無理も効かなくなりそうです。加えて、まだ数字の上ではあまり反映されていない震災後の経済失速と各種補助の反動の影響は次の1Q、2Qで本格的に表面化する筈ですし、先行きは非常に暗いと言わざるを得ません。消費も生産も数割減ですからね。元気なのは通信周り位でしょうか。と言っても、ソフトバンクは設備投資を減らしてるだけですし、逆にそれ故に先行きの不安が付きまとうのですけれど。

個人的には、内外問わず娯楽産業が壊滅しつつある様子なのが特に気になるところ。震災、原発事故の致命的な影響に加えて、その直接の影響を逃れた地域でもガソリン高騰と高速料金の割引廃止の追い討ちも食らうアウトドアは当然として、それを補う筈のインドアも、その中核を担うゲーム産業がここに来てボロボロでね。映像関連の製品も販売激減、もう総崩れになりつつあって、しかし本来ならテコ入れすべき行政にも手当てする余裕というか余力は皆無と、もう詰んでいるように見えますね。出口部分だけに周辺産業への波及効果も強いですし、少なくとも上期位は相当な範囲が本気で終わったかも、と思わされます。

もっとも、本当に悲惨な企業の決算発表はこれから。早々に体力の限界を超えた企業も続出するでしょう。さて何処から潰れていくのか。無常であります。

GW明けの後半戦は、潰れないにしても今以て大変な事になってるルネサス辺りが要注目ですかね?震災前から死亡確定済のNECは、下限の参考値として注目すべきといったところでしょうか。もうどうにでもなるが良いのです。

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富士通は下方修正後の目標も未達。逃げ切り成功見込みの日立東芝パナソニック辺りの同業と比較すると激しい負け組臭が漂います。ここ数年の定番だった株式売却益も殆ど計上出来なくなって、本来の実力通りになりつつあるだけでしょうけれど。

4/27/2011

[biz] PSNのユーザ情報漏洩、範囲は"全て"

取り敢えずSONYが公式でクレカの番号+有効期限がダダ漏れであった事を認めて、非公式には全情報が同様の状態、原因は悪意のある不正アクセスであったと。そして、どの情報が実際に取得されたかはソニー側にもわからない、と。

ここまで揃えばもう全部漏洩したと見るべき、被害に遭われた全世界7700万のユーザ各位におかれましてはご愁傷さまです。そしてソニー瀕死。漏洩自体は珍しくも何ともないけれど、規模はあのYAHOO!BBの件の10倍を軽く越えるし、米国が入ってて超絶金額での訴訟も予想されるしで。ユーザ周り以外にも、オンラインゲームやらの業者周りでも損失やら逸失利益やら凄そうだし、長引くようなら、というか長引くどころかハードを交換しないと回復不能な欠陥だという話もあるし、このままPSNもろともPS3死亡な感じ、下手しなくても数千億レベルの損失になりそうなわけで、SCEがそれに耐えられるかというと、その規模からして正直無理だろうと思うのですけれど、さてどうなのでしょう。破綻を避け得るとすればSONY本体が支援するしかないんでしょうけど、事業自体が終わってしまったようにも見えますし、今頃は切り捨てるかどうかとか責任の押し付け合いとかで大変な事になってるんでしょうかね。自業自得ですけど。

あと、原発事故の関係者よろしく一週間程漏洩を認めなかったのも大きなマイナス要因でしょうね。何故に皆こう自分で首を締めるような真似をするのかな。その場しのぎの保身という事なんでしょうけれど、全く以て愚かな事です。

しかしAmazonといいGoogleといい、オンラインを代表する、大規模な、信頼性は相対的に高い筈のサービスですら、こういう欠陥、トラブルが一向に無くならず、その度に甚大な被害が発生するのを見るにつけ、オンラインサービスの構造自体、その根本的な所に欠陥があるのだろうと思わざるを得ないのです。いくら便利でも、信頼出来ないものは駄目ですよ。

Sony provides PSN update, confirms a 'compromise of personal information' (updated)

ソニー個人情報7700万人流出の恐れ ハッカー攻撃か

4/24/2011

[note] 復興会議の本末転倒ぶりが酷い

復興を掲げながら、延々と金の話、それも増税の話ばかりしている、名ばかりの復興会議の件。本来まずなすべきはその目指すべき到達点、その全体像の決定であり、しかる後にそこへ至るまでのプロセスの具体的な計画立案であって、それらの迅速な実行が使命である筈なのに、それを完全に放棄してその後になすべき増税云々資金調達の話ばかりしている本末転倒な惨状には、失望どころか絶望を抱かざるを得ません。

各種の事業、施策に資金が必要なのは当然です。しかし、当然ながら資金はあくまで手段の一部です。何をするかも決めずに資金だけ集めてどうしようと言うのでしょうか。逆に、目的も具体的な計画も示さずに、国民に負担を強いる事が出来ると本気で思っているのでしょうか。現状の有様では、いかなる結論であれ、到底受け入れられないでしょう。

もっとも、この会議というか政府自体、そもそも復興というのは単なる名目で、震災以前から構造的に存在した赤字穴埋めが主たる目的、すなわち事態に乗じて増税やらをいわば火事場泥棒的に実施しようとしているようにも見えますけれど。それはそれでさらに論外、言語道断な話です。

いずれにせよ、この会議はどう転んでも甚だ無駄かつ有害であろう事は間違いないし、速やかに解散すべきだと思います。政府自体も。

せめて、東電の保証の話と災害復旧の話位は区別整理して組み立てられる人達でなけれぱ、話にもならないだろうと思うのです。しかし、区別どころか、消費税増に将来の震災と関係ない用途としての継続まで絡めて主張する人すら既に沢山いたりしてもうグチャグチャ、そんな事したら通るものも通らなくなる事が何故分からないのか、という状況なわけで。

もう筋論とか認識出来る人すら殆どいないのだろうと、やはり絶望感を抱かざるを得ないようにも思われて、非常に虚しく、また悲しいのです。

4/23/2011

[biz] Amazon EC2が意識不明の重体

2日経ってもまだ回復しないという事で、顧客は当然にブチ切れ、業界周りのアナリストからもクラウドのしくみ自体に欠陥があるとか言う趣旨の論説が急速に出回り始めているAmazonEC2ですけれど。事の発端はNorthern Virginiaのセンターでの不要なバックアップデータの増殖で、それに連鎖して他のデータセンターも死んだとか。本当であればストレージ周りの不具合と言う事で、先日GoogleがやらかしたGmailの不具合の件を連想させますが、殆どまるごと死んでる事と、法人向けの有料サービスな分、事業的にはこちらの方が致命的で、下手するとこのまま臨終しかねない危篤ぶりです。

しかし解せません。データが増殖と言っても、このクラスのセンターであれば、そもそも普通は負荷がサービス単位毎に割り当てられたリソースの範囲内に収まるようにストッパーなりが入っている筈なのですけれど。だから、一部が重くなるとかならまだしも、センター丸ごと止まるというのは、そもそものセンターのシステム自体にバグがあった筈、それなら原因の特定は比較的容易な筈で、未だに原因不明というのはいかにも不自然です。何があったんでしょう。データの修復はしなければいけないでしょうから、復旧に時間がかかるのは当然なのですけれどもね。

本件の詳細はさておき。理屈の上でもこの種の欠陥、リスクが強く認識され、広く懸念もされていたところ、実際に致命的なトラブルが頻発するのを目の当たりにすると、やっぱり、事業の根幹に関わるシステムに、こういうブラックボックスなものは合わないのだろうと実感させられますね。結局、クラウド、アウトソーシングも含めて、外のサービスというのは、外のサービスなりの使い方、具体的にはバックアップ程度に留めておくべきだろうと、認識を強めざるを得ないのであります。目先の利益がそれなりにあったとしても、本当に止まって困るような所を、十分な実績もない外部、未成熟な技術やらに委ねてはいけない、というだけの事で、当たり前と言えば当たり前の話ですけれど。

Inside Amazon's Cloud Disaster

Amazon’s Trouble Raises Cloud Computing Doubts

----過去記事
[biz] Gmailデータ消失騒動

4/22/2011

[biz law] スマホの位置情報無断送信

今更感が漂う話ですが、AppleがiPhoneで、GoogleがAndroidで、それぞれユーザの位置情報を無断で記録、取得していた事が確認された件。何やら結構な騒ぎになってますね。ARやら各種案内やらSNSやら、位置情報を絡めたオンラインサービスは山程あるし、特に明示的に禁止されていたわけでもないのだから、やっていない筈はなかったんですけれども、常識的にはプライバシーの侵害にあたるのは間違いないし、少なくとも倫理的には反社会的との非難を免れないのもまた当然の帰結ではあります。

特にGoogleについては、個人情報周りの話についてはすっかり無法者のイメージが定着してしまって、むしろ当然のような印象すら受けるあたり、隔世の感があります。本件についてはコメントを拒否したとかいう報道もあって、本当ならもはや語るに落ちたと言うべきでしょうか。"Don't be evil"のフレーズが建前、どころか、ただの悪い冗談に成り下がってしまったのは、仕方がないと言えばそうなのだろうけれど、やはり残念な事です。一方のAppleは元から悪徳的というかエゴ丸出しなイメージの会社だし、相変わらず残念ですね、位にしか思いませんけれど。

もっとも、本件のような、違法というか卑怯というか、サービスや製品にこっそり反ユーザー的な動作を仕込む、という行為自体は、業界の中では割と普通に、広く行われている筈のものであって、この2社、また本件に限った話では全くないのですけれど。結局の所、業界全体の、広い意味でのコンプライアンスの欠如が根本的な問題としてあるのだろうと思われるのですね。それは今に始まった事ではなく、極めて今更な話であります。

そもそも社会的な機能、意味を持つ製品、サービスを作り、運営する以上は、当然にそれを担うエンジニアにも、関連するあらゆる法知識、倫理等の素養が必須の筈です。しかし、少なくとも現状大部分のエンジニアはそのような知識、素養は到底持ち合わせていないし、当人達にもその気は薄いし、その涵養を促すしくみも皆無、というような状況ではどうにもならないのでしょう。とはいっても、今後、製品サービス共に、多くがますます社会性を強めつつ拡大普及していくものと予想される所、本件に類似する社会との軋轢が頻発、一層深刻化する事は間違いないものと思われるわけで、どうにもならない、では済まないのですけれど。なんとかならないものでしょうか。

[note] 再びデジカメバッテリ購入

スナップ用に中古で入手したフジフィルム製デジカメF200EXR用の予備として、NP-50互換バッテリをebay経由で購入。送料込みで$3.6。最安は香港の業者だったけれど、前回P6000の互換バッテリを購入した時に微妙に手間がかかったので、今度は台湾の業者を選んで発注。当然ながら追跡なしのメール扱いで、しかし何のトラブルもなくおよそ一週間で無事到着。近いというのは良い事です。箱が潰れていたのと、電圧が正規3.6Vに対して本品は3.7Vというのがちょっと不安を掻き立てますけれど、動作確認してみても問題ないし、これぐらいは許容範囲でしょう、ということでとりあえず良し。

しかし日本国内との価格差は理不尽な水準で困ったものです。中国本土はまだわかるけれど、台湾ですらこれというのは。すぐ隣の国なのに。安く買えるのは良い事ですけれども、どうにも歪んでいる印象が拭えないし、種類が多くて手間がかかる事情があるにせよ、ROWAあたりの互換品との比較ですら最低でも3倍、下手するとさらに倍以上とか、さすがに理解し難いところです。逆に言えば、中国を中心にした海外のインフレ、日本のデフレはそれぞれまだまだ続く筈で、そのうち価格差も埋められていくだろう、という事なのかもしれませんけれど。


-----過去記事
[note] ebayで送料の誤設定に遭遇

4/20/2011

[note] 関東の複数県で人体・母乳汚染

極めて残念ですが、空気、水、牛乳等の畜産物、農産物、海産物と、当該地域では程度の差こそあれ、およそ自然界にあるもの悉く汚染が明らかであった以上、その中に生きる人間が例外である筈はなかった、という事。私的な試験の結果との事ですから、公の追試は必要でしょうが、結果自体は自然に思われます。

本来なら全数検査の上、封じ込めを行わなければならなかったのに、規制値の意味を理解せず、目先の経済的、政治的利害に目が眩み、逆にその緩和、流通に走った時点で、こうなる事は必然でありました。今もって、人体汚染は拡大し続けている筈です。まだ、政府、関係者は、暫定規制値未満だから安全、と言うのでしょうか。

母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査-福島

-----過去記事
[biz law] 放射性物質汚染の全数検査

[note] 原発、汚染水の移送速度が遅すぎる

各発表が正しければ、現状、超高濃度の放射性物質を含んだ汚染水が数万トンあって、これをほぼ完全に除去しなければ建屋内での作業に移行出来ないと。しかし、開始された移送のスピードは一日あたり数百トン。一方、炉心冷却のために注入している水が各炉に一時間当たり7トン、三機合計で一日あたり500トン程度。移送する量が新規に注入される量、すなわち汚染水の増分と同じか若干少ない位になる計算になります。2号機だけに集中しても、最終的にも2万トン以上あると言われる総量の2割程度しか減らない。つまり、現状の速度では当面の目的である所の建屋を満たした汚染水の除去には全く足りていません。

どういう事でしょうか。浄水循環系の導入までの一時しのぎという位置づけなのでしょうか。しかし、納期については仏アレバの確約も得られていない状況、既にある装置を移送設置するだけ、というようなものならともかく、これから用意、製作するものも相当に含まれるでしょうから、まずもって最低でも数ヶ月の時間が必要で、その前に梅雨に入ってしまうでしょう。それとも、仮設タンク等の移送先増設と併せて、並列の移送ラインを順次追加する、という事でしょうか。仮にそうだとして、それにしたって数ヶ月は必要になる筈。

結局、全く計算が合わない。なのに、保安院はじめ関係者は、もう漏出はない、と断言しています。何故、そんな事が言えるのか。工程表と称する意味不明な願望に過ぎない計画と照らし合わせれば、この作業が終わる一ヶ月後から二ヵ月後には、作業のための一時的なものにせよ、建屋から概ね汚染水が除去されていなければならない筈。いつ、どうして建屋の水を除去出来ると言えるのか。理解出来ません。それどころか、数ヵ月後にはさらに状況が悪化し、漏出する水も増加している可能性の方が遥かに高いように思われてならないのです。

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移送量は毎時10トンとの報道がありました。であれば、差し引きの汚染水減少量は毎時3トンに過ぎず、これを40日続けたとして、総計で3000トンにも満たず、2割どころか1割程度しか減少しない計算になります。それも、1号機と3号機を放置して。それぞれ、その間におよそ1万トンの汚染水が増加するのに。話になっていません。どういうつもりでしょうか。

4/15/2011

[tech] IPv6が悪さをして困る

少し前から使い始めたWindows7のProを入れたサブのノートPC、当初は特に不具合もなく、普通に使えていたのだけれど、この所どうもネットワークの調子が悪くて困りました。具体的な症状としては、しばらく(数十分程度)使っていると、ネットワークが切れたような感じになって、ブラウジングやら各種のアプリで応答しなくなる、というもの。再起動すると治る。正直言って使えないレベルの不具合で。

症状が出てる時も同じルータにつないでいる他のPCでは全く問題ないので、当該PC特有の話なのは間違いない、という事でトラブルシューティング。まずLANデバイス周りの問題を疑い、無線LANのアダプタを追加してみても同じような感じ。従ってこれはOS側の問題だ、という事でネットワーク接続の設定を確認しつつ色々と情報を集めてみた所、どうもIPv6が悪さをしているらしい、という事で、とりあえず応急措置としてIPv6を使わない設定に変更。すると症状が出なくなりました。とりあえずは使えるから、本件はそれでよいのですが、IPv4のアドレス枯渇の話もあるし、IPv6が使えないと早晩問題になりそうなので、どうしたものかなと。あまりトリッキーな設定、調整とかすると、それで使えるようになったとしても後々逆にそれが原因で面倒な事になる事が多いものですし。うーん。

ちなみにIPv6の外し方は以下の通り。

[コントロールパネル]-[ネットワークとインターネット]-[ネットワークと共有センター]から、接続([ローカルエリア接続]等)の設定を開き、さらに[プロパティ(P)]を開く。プロパティ画面中の[インターネット プロトコル バージョン6(TCP/IPv6)]の横のチェックボックスを外す。で[OK]。以上でIPv6が無効になります。

4/14/2011

[biz] 全銀協が原発被害負担を国民にと

全国銀行協会の奥正之会長の言。もちろん、東電の株主兼債権者としての金銭的利益、その保全を目的としたものである事は明白。自己の利益のため、被害者である国民にさらに害をなそうとして恥じることのない愚か者がここにも。一刻も早く死んで頂きたく願います。

原発事故賠償の大半、国負担求める 全銀協会長

過去記事
[law] 東京電力の免責範囲について

[biz] 10年廃炉、原発推進とか、東芝が寝言を

まだ言ってますね。原発事業は誰が見てももう終わっているのに、計画に遅れだとか、廃炉ビジネスだとか、もう何をかいわんや、です。誰一人信じる人もいない状況で、建前という名の嘘八百、ただの願望を垂れ流し続けて恥じる所がない。こういう醜態を晒すのも、東芝としてはいつもの事ですけれど、正直うんざりです。様々な事業で何度も似たような失敗を繰り返し、それでも反省のかけらもなく、その帰結として今回程の大惨事の片棒を担いでおいて、それすらも省みようともせず、あまつさえ当事者意識すらないのだから、今更矯正のしようもないんでしょうけれど。

廃炉云々だけに限っても、実績も無いのに10年で完了出来るなどと言って、無責任も甚だしいでしょう。せめて、放射性物質の封じ込めと、もんじゅの廃炉を実現してから言うべきです。それに、仮にそれが本当だとしても、どうせ炉の所だけが対象で、その周辺を含む環境の浄化再生は別、とかそういう話でしょう。

社会から求められているのは、狭義の廃炉、単なる核反応の沈静化処理だけではあり得ず、その影響の除去すなわち当該地域全体の社会の復旧、再生です。それが、今その言葉が用いられる時の廃炉の意味です。例えば東電と合同で汚染地域全部買い上げ、東芝自身も当地への事業所移転等を行い、環境・経済含めた社会全体の再生まで責任を持つ、というなら評価出来ます。しかしそうではなく、ただ金儲けのための詭弁に過ぎず、しかも、狭義の意味での廃炉の実現すら実績もない絵空事です。東芝自身、それらの事が分かっていない筈はなく、全て理解した上で、10年で全てが完了し、以前のように人が生活を営めるようになるかのように、意図的に詭弁を弄しています。ただ、一事業の存続、案件の受注のためだけに。嫌悪の感を禁じ得ません。

原発1兆円計画、遅れ示唆=福島廃炉「10年で可能」-東芝社長

4/12/2011

[biz] 独でStreetViewアップデート停止

世界各国ですっかりプライバシー論争の象徴となったグーグルのストリートビュー、ついに独で停止との報道。停止と言っても、アップデートを取りやめるだけで、現在のデータはそのままにする、という事らしいので、停止と言うと語弊がある気がしますけれど。元々リアルタイム更新と言う訳ではなかったのだし、域外の人には違いは分からず、大体の街並み、目的地周辺の経路等を確認する程度なら普通に使える状態なのですから。逆に、これで現地の反対してた人達が納得するのか疑問ではあります。

かように微妙な話ではありますが、とはいえ、あれだけ頑なに進めて来た本サービスの拡大方針の転換という事で、グーグルとしては基本ポリシーに関わる話、その意味合いは小さいものではないでしょう。特に、法的には合法とする判決が独国内でも出ていたとの事、すなわち世論に押されての自主的な、極めて曖昧というか、経営戦略的な方針転換と読めますから、なおさら意味深な感じがします。他国でも反感を買っているサービスですし、波及も十分に考えられますね。日本はそれどころではありませんけれど。

ただ、何故今になって?と疑問も沸きます。もう十分に網羅したからか、というとそうでもなさそうです。今ちょっと見てみた所では、網羅出来ているのは大都市のみで、少し郊外に出ると殆ど点でしかカバー出来ていないようですし。それよりむしろ、費用対効果の面で、カバー範囲の拡大やアップデートに伴う人や車のコストが見合わなくなった事によるリストラ、と見る方が自然なような気がします。その口実、建前として市民世論の反発を利用したと。だとしたら、あまり良い印象はありませんけれど、誰も損はしないし、妥当なところなのでしょうか。

個人的には、田舎道も全て網羅する所まで行って欲しかった気もあるのですけれど。全部網羅出来れば、ロボット関係とか、色々と応用の夢が広がる、というのはあるので。確かに地元の人しか見ないような郊外や田舎の道は、大都市と比較して格段に利用頻度、密度が薄く、その意味で相対的に必要性が低いという事情に加えて、防犯やプライバシーへの意識も様々で問題が多いのだから、なおさら難しい、というのは想像出来ますし、仮に網羅出来たとしても、応用はどれも実際には困難なのも事実ですし。この辺を意識していた研究者や企業の面々はご愁傷様、という程ではないでしょうけれど。

しかしドイツの市民、世論の倫理感の強さ、その実際の影響力の強いこと。原発の廃止も実現しそうな勢いで、その責任を伴った理性的な動きには、尊敬の念を禁じ得ない所です。

Google Halts Street View Service In Germany

4/07/2011

[biz] 支援を名目にした消費勧奨

今もって拡大すら続けている震災被害に直面して急激に変質、縮小した経済状況に対し、関西を中心として、被災地、被災者の支援を名目とした消費呼びかけが多々見られるようになりました。この種の、消費抑制を懸念し被災地域外での消費増を呼びかける声は、地震発生の直後から継続的に発せられていましたが、放射性物質汚染の影響の分も加わって、食産業を中心に一際強まってきたように思われます。

今回の天災による直接の被害が及んでいない地域における消費減退は、一種の喪に服しているともいうべき消費マインドの冷え込みがその原因である事は明白で、消費者各人の気の持ち様によって回復する可能性があるのは間違いなく、その転換があれば、国内経済にプラスの影響が期待される事、それが被災地の復興に寄与する可能性がある事には、まず異論は無いでしょう。

しかし、今唱えられている消費勧奨、その内容の多くは、単なる外食や宴会、被災地以外での観光旅行といった局所的な娯楽産業、また新車の購入といった、従来から地域間でその効果が殆ど遮断され、従って被災地、被災者とは少なくとも一義的には関係しない、経済的支援には繋がらない筈のもので占められているように見えます。

そもそも、殆どの局所的な経済活動は、以前から地域間格差としてその隔絶が認識されていた筈です。一方の地域の繁栄は、他方の地域の衰退と正に相関していました。都市の繁栄は地方の衰退を引き換えにし、首都圏の繁栄は関西圏の衰退を犠牲として伴っていた。その対立する関係が、どうして今回に限っては逆になると言えるのか。

全国的な企業経済、雇用の維持のためと言う人もいます。しかし、国内すら捨て、海外への移転を推進し続け、その自由に任せれば被災地など真っ先に切り捨てかねない、大企業を初めとする企業経済を支援する事が、何故被災地の支援に繋がるというのでしょうか。他にも、税収を増やすため、義援金を増やすためという声もあります。被災地に回す資金にあてる、というつもりなのでしょうけれど、その消費した金額の内、どれ程が被災地への支援に回ると言うのでしょうか。数%すらも回らないでしょう。ならば、そもそも消費を控えて全額被災地に送るか、支援物資の購入、また当該地域、産業への投資に当てるべきである筈、実際多くの人がそれを実践しています。直接支援すれば格段に効果が高い筈なのに、何故そうせず、地域内で回し、回させようとするのか。

そこには、詭弁があると考えざるを得ません。すなわち、それら被災地外の、消費者の性向の変動に伴って需要を失った地域産業が、被災地支援など殆ど関係ない事は知りつつ、主として自身の事業維持、利益回復、あわよくば増加を意図した営業活動、その大義名分として被災地の復興への寄与を持ち出している、すなわち便乗に過ぎないものと思われるのです。

もちろん、各個人、企業、組織がどのように営利を図ろうとも、利益の確保、増大のため、また自身の生活のために、いかに不誠実な便法を用いようとも、違法でない限りは自由であるし、それ自体はむしろ自然な態度であろうと思います。しかし、人を支援し、復興を支援すると言う事は、積極的、直接的に実践する場合にすら相当の困難を伴うものです。軽々と用いるべき言葉ではない。少なくとも、以前と同様の生活を楽しむ事が支援になる、などというように、非当事者としての自身の現状を維持、正当化するために用いて良い筈はないでしょう。

支援を叫ぶならば、呼びかけるべきは、原則としてすべて被災地内でなされるものでなければならない筈。第一に直接の物資送付、第二に地域内の社会基盤復旧に必要となる各種緊急支援、次に中長期的な復興策として、早急かつ大規模な新規企業進出、投資、それに伴う避難者の復帰、新規住民の移住。関西での消費推奨のような地域外での活動は、それらの内、少なくとも第二の段階、社会基盤の復旧が成され、被災地域との間の循環が成立した後、その循環に乗るものに限って意味を持つ筈であって、現状では大部分が支援と呼ぶに値しないものであろうと、そのように思うのです。

4/06/2011

[note] 桜

近所でもようやく咲き始めました。来週には満開になるでしょうか。季節は巡ります。私達が、どのように生き、何を感じていようとも。

4/05/2011

[biz law] 元NEC部長のコンサルタント摘発

容疑は商標申請の無資格代理、と。書類送検と報じられているので、実際に逮捕拘束されたかは不明ですが、また珍しくもセコい罪で捕まったものです。弁理士位雇えば済む話なのに、何故自分でやろうとしたのか。何にせよ悪意である事は間違いないでしょうが、資格を持たないコンサルタントなんて、資格を取得する能力が無いか、その労力と金銭を秤にかけるような遵法意識に欠けた者と相場は決まっていますし、推測、考察に労を費やす益はないでしょう。

一応経歴等を確認しておくと、容疑者は発明ブランディング研究所代表の桑井旭、NECでは広報畑出身で、コーポレートデザイン、ブランディング等の責任者を歴任して02年に退社し現職、業界内では有名人との事。氏の退職当時から今日までのNECには、少なくとも有効なブランディングは存在しないように見えるし、正直この経歴にどれ程の意味、権威があるのか疑問です。もっとも、今回の犯罪のセコさ加減とはかえって釣り合っているようには思われますが。いずれにせよ、全く以てどうでも良い話で、この緊急時に本件の摘発で手間を掛けさせられた各機関担当者の労が偲ばれる所です。

元NEC部長を弁理士法違反の疑いで書類送検

[biz] TIがNSを買収

Texas InstrumentsとNational Semiconductorという、業界関係であれば誰もが知るトップメーカー、老舗同士の合併。買収金額は65億ドル、5400億円。被る製品も多く、統合の効果は高いでしょうけれども、あまりに品目が多く、かつ複雑につき、製品ラインの整理には相当な手間がかかりそうです。ルネサスみたいに殆ど並存、なんてわけには行かないでしょうし。

ロジックの方ではかろうじてそれなりの強みを残していた筈の日本国内のメーカーにとっては、大きな脅威、になるかどうか。NSの強みである所のドライバ等のアナログチップも、TIが強力なシェアを持つロジックチップも、モノ自体は各社言う程の違いは無いし、結局のところ、本来的には業界内での口減らし、リストラ的な合併に過ぎないものなのかもしれません。しかし、国内メーカーはそもそも生産が覚束ず、競合を云々できる状態ですらないし、少なくとも国外でシェアの移行が進む事は間違いないでしょう。泣きっ面に蜂どころではありませんね。

Texas Instruments to Buy National Semiconductor for $6.5 Billion

4/04/2011

[note] 失われた専門家への信頼

今回の福島原発の惨事においては、政府、東電は言うに及ばず、ある程度利害からは独立し、客観性を備えていた筈の、東大、東工大を初めとする関連研究・調査機関も、状況の認識を欠いたまま、政策的配慮の下に偏った解釈、予測をし、その上に詭弁を弄し続けました。その挙句、最も決定的で必要な、具体的、定量的な情報の隠蔽に走った事も明らかになりつつある、との事。

その帰結として、当然に、専門機関に対する信頼も失われました。今更、客観的で不偏な情報を発信しようとしても、多くの人はそれを信用せず、拒絶する事でしょう。それは、政府にしても例外ではありえません。素人集団に過ぎない政府要人と、その信頼を失った専門家達。当然、政府は専門家の言を容れず、その安直な思い込み、思いつきを手当たり次第に実行に移し続け、絶望的な状況をさらに悪化させるでしょう。

もちろん、一義的な責任は、最終的な判断権を持つ政府、東電等にあります。しかし、専門家には、その責任を担保する義務があった筈です。

政治的なしがらみに流され、その本来の責務を忘れたか、それとも、そもそも状況を把握し、分析し、判断し、行動する能力に欠けていたのか。今となってはもはやそれを問う事に意味は無いでしょうけれど、無残なものです。

4/01/2011

[pol] 原発事故に打ち勝つ、と首相が妄言

勝ち抜いていく、打ち勝つ、と。全く以って意味不明です。

何がどうなれば、勝利などと言えるのか。その被害の発生拡大を招いた当事者が、根拠も具体的な手立ても、辿り着くべき目標すら持たないのに、何に対して、どうやって、勝利するというのか。

既に、取り戻す事の出来ない、多くの人命を含んだ犠牲を払い、それでも被害の拡大を食い止め、均衡させる事すら今以て実現出来ず、仮にそれが成されたとしても、その後も長期に渡り続くだろう苦難の前に、勝利という概念自体が存在しない事は、誰もが知っているのに。

なすべき事が見出せず、妄言を吐く位なら、速やかに死んで頂きたい。心からそう思います。

首相、福島第1原発事故「長期戦も覚悟し必ず打ち勝つ」

[pol] 盲目な政府

一般論で言っても、トラブルに直面し、対処する時は、第一に状況の十分な把握が何よりも必要で、何が確定しているのか、何が不確定なのか、判断をするには何を知る必要があるのか、それを知るためにはどのような手段が必要なのかを認識し、可能な限り全ての対応策を手配する必要があります。第二に、それらが機能するまでは、平行して、最悪の状況を想定した、従って保守的な、仮の対処を行わなければなりません。

そして、それ以前に、それらの事象は当然事前に想定され、準備がなされていなければなりません。そうでなければ、状況把握すらままならない事になるでしょう。

原発事故に関しては、それらの基本が全て皆無であった事が明らかになりました。政府、東電、原子力保安院は、未だに状況の把握、そのための体制構築すら殆ど着手しておらず、無根拠に、場当たり的、盲目的、楽観的な、かえって状況を悪化させる結果にしかならない筈の行動に終始し、その帰結として当然に悪化した結果に関して、責任の押付け合いを行っています。

このような姿は、大企業を初め、どのような組織でも、殊に現場を知らず、状況を正確に認識し手当てする、しておく能力がない、その意味で無能な管理者が地位を占める場では日常的に起こっている事で、取り立てて珍しいものではありません。だから、今更それを目にしても、特に取り立てて、驚きや失望を感じるわけでもありません。そして、こういった状況の結末は何処でも同じで、結局は破綻に至る事も、当然に予測されます。そこには絶望しかない。もはや回復は望めず、後は時間の問題でしょう。少なくとも、私が目にし、経験してきた範囲では、破綻を避け得た例はない。それは受け入れなければならないだろうと思います。

ただ、責任は残ります。こういった状況にあっては、どう言い逃れを試みようと、責任者、担当組織は壊滅を避けられない。政府、東電、原子力保安院、東芝等メーカー、現場業者。それらが血祭りに上げられ、消滅し、被害が風化するまで、おそらくこの件は終わらないのでしょう。それには、どれほどの歳月が必要になるのか。想像するのも困難ですが、放射性物質の残留期間を基準にするのであれば、その回収の困難さとも併せて、少なくとも数十年、さらにそれを遥に超える長期に渡る事も、当然にありうるでしょう。

しかし、彼らには、その認識すらもないように思われます。犠牲者、被害者の無念いかばかりか。察するに余りあるものです。そもそも、償う事は可能なのでしょうか。汚染が確認された地域の避難すら拒み、今もって被害は拡大を続けているというのに。

[biz law] 放射性物質汚染の全数検査

放射性物質汚染による食料品類の出荷停止、その解除について、サンプル検査数回で非検出なら出荷停止解除とする指針が定められつつあるとの事。論外です。

食料品、水等は言うに及ばず、汚染の可能性がある対象は原則として全て検疫されるべきであって、汚染の範囲、程度すら判然としない現状、サンプル検査では全く足りません。全数検査が出来ない、というのなら、統計的に十分余裕を持った範囲で一律な封じ込めを行わなければならない筈。そうでなければ必ず容易に漏れが生じます。そして、その後は混乱と拡大の一途を辿る事になるでしょう。

仮に封じ込めを図ったとしても、不徹底や偽装による漏れは避け難い所、いわんや基準の緩和、又サンプル検査による再出荷許可のような、汚染物質を確実に流通拡散させる施策は、確実かつ広範囲に汚染、被害の拡大を招き、即座かつ大規模な流通の不全を招く事は明白、最悪の施策であると言えます。全数検査の体制構築へ、速やかな施策の転換を求めます。