5/24/2022

[law] 誤振込の返還金3500万は何故にどこから?

特別給付金誤振込の件、なんかいきなり8割位戻ってきたそうで。

主たる出金先の決済代行業者3社の内、特に金額の大きかった1社からそのほとんどが返還されたのだとか。

無論それ自体は喜ばしい事なのです。ただ、田口容疑者は全額ギャンブルで費消したとしていたので、何故に、また何処から返還されたのかが当然ながら疑問になるところであります。

考えられるのは2通り。一つは田口容疑者が虚偽を述べており、実際には費消しておらず、出金先の口座に資金が残っていたケース。もう一つは、田口容疑者の言は正しく、費消はされていたが、費消先のオンラインカジノ業者や、経由した決済代行業者等が任意に利益を放棄して返還したケースです。

前者なら、当事者にも対象にもほぼ変更はなく、田口容疑者の情状に悪質さが加味されて量刑が重くなるだけの話です。 問題は後者の場合で、まさか代位弁済で田口容疑者に求償、なんて目論見なわけはないでしょうし、カジノサイトの収益性が高いと言っても3500万という額は通常の業者が善意で自腹を切るにはいささか大きすぎるでしょう。そうせざるを得なかった理由が別にあると考えるべきところです。

そうだとして、その理由は色々思い当たるところはありますが、仮定に推測を重ねる事になるので具体的に記載することは控えたいと想います。ただ、オンラインカジノは不正の横行する詐欺サイトばかりである事は周知の事実、そもそも国内では違法な業である事もあり、司法の手が入れば業者自身は無論、出資者や顧客も含めそれこそ芋づる式に膨大な範囲で検挙が相次ぐだろう事もほぼ疑いようのないところですから、それを避けるために自腹を切ったのかなと思わざるを得ないわけです。他にも海外送金につき、金商法関係や、マネロン規制云々の絡みも。

さて事の真偽や如何に。

<追記>

さらに残額の内、800万程も確保したとか。確保という表現が曖昧な感じですが、供託されたとかそんな感じなんでしょうか。

誤送金、3500万円返還 決済代行業者から―山口・阿武町 

[law] 誤振込金の使い込みを犯罪と認識しない輩が多すぎて 

5/21/2022

[biz] Samsung製冷蔵庫の前面プリントサービス10万

米でSamsungが新型冷蔵庫のオプションとして前面パネルの写真プリントサービスを導入するんだとか。自分や家族の写真をドアに印刷したりできるというわけです。

そんな需要が・・・あるのかないのかで言えばあるんでしょうけど、問題は価格です。パネル一枚、つまりドアや引き出しの部分毎に$250とか。当該機種だと上側左右と下部(引き出し2個がセット?)の3枚分、つまり全面にプリントしようと思うと$750、約10万円になるというのです。

そこそこの冷蔵庫本体が買える値段ですね。。。いくら米国の冷蔵庫が基本大型で比較的高額だと言ってもこれはちょっと高すぎるんじゃないでしょうか。この手のカスタマイズにコストがかかるのは仕方ないのですが、所詮は塗装を変えるだけの話、後から変更も出来ません。それが液晶パネルを数枚埋め込むのと大して変わらないコストというのは、いささか不釣り合いな気がします。夫婦の写真なんかが定番だろうと思うのですが、離婚したら捨てるんでしょうか。そこまで行かずとも、喧嘩とかしたら冷蔵庫が八つ当たりで酷いことになりそうです。

それでも大雑把で派手好き、かつ後先なんて考えない人の多いアメリカであれば注文が見込めると判断したんでしょうかね。普通に考えれば、かつて大手メーカーの新製品によく見られたところの、いわゆる売り手側が価格を釣り上げるために無理やり入れた、顧客にとっては価値の乏しい付加価値の類にしか見えませんが。もしそうであれば、Samsungもかつての日本国内の電機メーカーと同様に衰退の道を進んでいるという事になろうわけですが、はてさて。

Samsung Wants to Wallpaper Your Next Fridge With Custom Art and Photos 

5/19/2022

[law] 誤振込金の使い込みを犯罪と認識しない輩が多すぎて

今更ながら愕然としたのです。

山口県阿武町で、住民税非課税世帯463世帯分のコロナ対策臨時特別給付金計4630万円を対象者のうち一名の口座に全額誤って振り込んでしまった件です。

詳細は至るところで報じられているので省略。額は大きいですが、よくある誤振込案件です。通常は対象口座の名義人が返還請求に応じ、誤振込を行った担当者なりが内部的に処分を受けて終わりになるような話です。

が、本件では、当該口座の名義人が町の返還要請を無視して全額引き出し、本人曰くギャンブルに費消してしまったとして返還を拒否してしまいました。法的には、自分の金ではないと知っていながら引き出したり振替を指示したりした時点で、銀行に対して詐欺を働いた事になります。本来その権利はないのに、権利があるかのように振る舞って銀行に支払い等を行わせた事が詐欺にあたるというわけです。本件では移動の際にデビッドカード決済を使用したようですから、刑法246条の2の電子計算機使用詐欺に該当します。

なお、この種のATM等の機械を経由した引き出しについては、従来は機械に対する欺網はありえないとして詐欺ではなく窃盗とされていましたが、246条の2が新設されてからは通常の詐欺と同等に扱われるようになっています。

その後の報道に流れた本人であるところの田口翔容疑者の発言の中に、何故自分が責められるのかわからない、といった主旨のものがあるあたりからして、振り込んだ方が悪い、自分は悪くない、とある程度本気で思っていたのかもしれません。少なくとも、自分が何をしたのか、法的にどれほど重い罪を犯してしまったのか、十分には理解していなかったように思われます。実際、誤振込からの使い込みというのもありふれた話ではありますし、法的には店舗のレジでのスキャン漏れ等を申告せず料金の支払いを免れるのも同様で、大抵の場合はいちいち罪に問われたりもしません。しかし、それはあくまで告発等がないために発覚していないに過ぎないのです。

そして、これほどの高額の公金の詐取に対してそんな自分勝手な話が通る筈もなく。当然ながら町からは返還請求の民事訴訟を起こされる運びとなり、加えて刑事的にも詐欺で逮捕されてしまったのでした。当然至極の帰結という他はありません。

・・・なのですが、SNS等におけるこの件に関する意見を見ると、田口容疑者は悪くない、ミスをした町の方が悪い、という主旨の書き込みが多数見られるのです。もし同様の状況になったら同じ事をするだろうという、田口容疑者と同質の、犯罪者予備軍のそれです。 

本来言うまでもない事ですが、詐欺罪というのは重罪です。自分のものではない財貨、すなわち他人の財産を、そうと知って、さも正当な権利があるかのように欺きまでして奪うのですから当然です。しかも今回の給付金で言えば、実質的な被害者である本来の受給者は住民税非課税世帯で、すなわちその大半が低所得者であり生活困窮者です。田口容疑者が詐取したその10万円が、人生を左右した可能性も低くはないでしょう。

それなのに、その手続きでミスをした町の担当者が悪い、他の受給者の人生がどうなろうと知ったことかと考慮もせずに詐取し、あまつさえギャンブルに投じても恥じない。その、反社会性の権化のような容疑者のふるまいを聞いて、それに共感し、自分も同様にするだろうという、倫理以前に最低限の人間性のかけらもないような輩が、これほどまでに多数いて、それを公然と発信する。

絶望する他ありません。もうこの社会は終わりなのではないだろうかと、救い難いのではないだろうかと、心底から思わされてしまうのです。

 4630万円誤送金の「給付金でもめていて」…24歳、勤務先のホームセンターを先月退職