4/23/2011

[biz] Amazon EC2が意識不明の重体

2日経ってもまだ回復しないという事で、顧客は当然にブチ切れ、業界周りのアナリストからもクラウドのしくみ自体に欠陥があるとか言う趣旨の論説が急速に出回り始めているAmazonEC2ですけれど。事の発端はNorthern Virginiaのセンターでの不要なバックアップデータの増殖で、それに連鎖して他のデータセンターも死んだとか。本当であればストレージ周りの不具合と言う事で、先日GoogleがやらかしたGmailの不具合の件を連想させますが、殆どまるごと死んでる事と、法人向けの有料サービスな分、事業的にはこちらの方が致命的で、下手するとこのまま臨終しかねない危篤ぶりです。

しかし解せません。データが増殖と言っても、このクラスのセンターであれば、そもそも普通は負荷がサービス単位毎に割り当てられたリソースの範囲内に収まるようにストッパーなりが入っている筈なのですけれど。だから、一部が重くなるとかならまだしも、センター丸ごと止まるというのは、そもそものセンターのシステム自体にバグがあった筈、それなら原因の特定は比較的容易な筈で、未だに原因不明というのはいかにも不自然です。何があったんでしょう。データの修復はしなければいけないでしょうから、復旧に時間がかかるのは当然なのですけれどもね。

本件の詳細はさておき。理屈の上でもこの種の欠陥、リスクが強く認識され、広く懸念もされていたところ、実際に致命的なトラブルが頻発するのを目の当たりにすると、やっぱり、事業の根幹に関わるシステムに、こういうブラックボックスなものは合わないのだろうと実感させられますね。結局、クラウド、アウトソーシングも含めて、外のサービスというのは、外のサービスなりの使い方、具体的にはバックアップ程度に留めておくべきだろうと、認識を強めざるを得ないのであります。目先の利益がそれなりにあったとしても、本当に止まって困るような所を、十分な実績もない外部、未成熟な技術やらに委ねてはいけない、というだけの事で、当たり前と言えば当たり前の話ですけれど。

Inside Amazon's Cloud Disaster

Amazon’s Trouble Raises Cloud Computing Doubts

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