学生を中心にした数万人が香港中心部をここ数日占拠してる件、いやほんとアホらしい話です。そんなもんに時間を割いてる自分は何だって話ですけれども、、、まあともかく。
香港特別行政区政府の首長であるところの行政長官、これの選挙が3年後の2017年に迫り、北京が保有する候補者指名権の撤廃とそれによる完全自由選挙の実施を求めて香港中心部で大規模なデモ活動が始まったのが数日前。基本的に平和なデモだったんですけれども、当局が催涙ガス等を使い出して、参加者は余計に反発してエスカレートしてるそうです。ガスへの防御手段として多くの参加者が傘を使ったため、'umbrella revolution'とか呼ぶ向きもあるそうですね。
それでも、実弾や袋叩きによる流血は起こっていないようで、中国にしては至極穏当、平和的なデモと言っていいんでしょう。それは結構な事なんですけれども。で、それが何になるの?と。要求の相手は北京政府ですが、北京政府には、そんな活動をどれだけされたところで、応じる理由は欠片も生じていないように見えるのです。
そもそも、この種のデモというのは、その実効性は最終的に参加者の持つ社会的影響力、その最たるものであるところの選挙権に帰着される、すなわち要求を飲まなければ次の選挙での落選をちらつかせる事で働く強制力を通常その拠り所とするのですが、香港の場合は長官の選任権を北京政府が保有しているために、それを完全に欠いてしまっているのですね。
従って、北京政府に自らの要求を容れさせようとするなら、何か他の手段、強制力の源泉が必要になるのですが・・・これが本当に何もない。参加者の大半は社会的地位が皆無に等しい学生達で、従って参加者個々人にも、その集団たるデモ隊にも、政治的影響力は元より備わっていません。これが参加者の中に、もしくはそのバックに香港経済界の重鎮が多数居るとかならまだしも、金融街を占拠する計画を立てている点からすれば、その種の人達はデモ参加者からすればむしろ敵であるところの政府側と見做しているようです。普通逆だろうと。
さらに、ここ数日の動きを見るに、デモ参加者には、それら基礎的な力の無さを補うための戦略も戦術も何も認められません。集まって、文字通りデモンストレーションを行っているだけです。おそらく指導者も無能なのでしょう。
これで何がどうなるというのか。ひたすら占拠を続け、社会システムにストレスを与えれば、その経済的損失を前にしてそのうち行政が音を上げるだろう、とでも思っているのでしょうか。もしそうなら、救い難い愚かしさと言わざるを得ません。周知の通り、北京政府はおそらく世界中で最も頑迷な組織です。仮に米国はじめ西側諸国が武力を背景に脅しをかけたとしても、この種の話で譲歩する事は考えられない、そう言い切れる位には。武力の行使、またそれによる自国民の殺害にも躊躇すらしません。
対して、参加者の大半は学生達です。一般人としても経済的基盤が脆弱で、政治的立場もあやふや、おそらくは知識経験共に未熟そのものな子供の群れに過ぎません。それで指導者も無能、とくれば、これで実効的な成果を期待する方がどうかしているというものです。この状況があとしばらくでも続けば、あるいは行政側が強制的措置に訴えれば、容易に瓦解するでしょう。その際に死傷者が出なければ御の字といったところでしょうか。
徹頭徹尾、無意味そのものにしか思えない本運動、その馬鹿馬鹿しさは眠気を催す程です。これで'revolution'などと称する様はあまりに空虚で、嘲笑する気にすらなりません。勿論やるもやらないも当人達の自由ではあるのですけれども、これだけ海外メディアで大々的に報道されれば嫌でも目に付くし、一応確認もせざるを得なくなって迷惑なので、ローカルに閉じたところで勝手にやってて欲しいなと、欠伸をかみ殺しつつ思う次第なのです。
金融関係者には相場をいじるのにいいネタという事でそれなりに意味もあるんでしょうけどね。大多数の一般向けには、内陸部の各地に波及してからで十分ですよ。
'umbrella revolution' takes holds in Hong Kong