9/05/2014

[IT biz] Twitpic、Twitterに商標申請放棄を迫られ閉鎖

あら勿体ない。Twitterと連携する画像アップロードサービスの先駆けとして広く利用されて来たTwitpicが、9/25に閉鎖しちゃうんだそうです。最近は使ってませんでしたけど、ちょこちょこ使わせて頂いた1ユーザとしては残念。

その理由は、商標にTwitterが付けてきたクレームによるとの事です。具体的には、数年前から商標申請していたそのサービス名について、Twitterから申請を取り下げるよう請求があり、それに従わない場合はTwitterAPIを使用禁止にする、すなわちTwitterと連携出来なくする旨警告されたのだとか。取り下げに応じれば、当然商標を登録出来なくなる結果、恐らくTwitterに対し商標権を侵害する状態になるし、かと言って申請を保持すればサービスが事実上運用出来なくなってしまう、という事で詰んでしまったんですね。

これ、一般には独占禁止法とか不正競争防止法あたりに引っかかりそうな話で、訴訟すれば普通にTwitpic側が勝てそうに思えるわけです。しかし、創業者のNoah Everett自身も言っているように、時価10億程度に過ぎない同サービスには、その数百倍以上の規模を持つTwitterのような大企業を相手取っての訴訟に耐えるだけの体力は無いだろうし、仮に勝てたとしても、これまでサードには色々と嫌がらせや締め出しを半ば公然と行ってきたTwitterの事、そのような決定的対立に及べば、何だかんだと難癖を付けて来るでしょうから、事実上サービスが運用出来なくなってしまうだろう事もまた容易に予想出来るわけです。筋論はともかくとして、実際として致し方の無いところなのでしょう。

Twitpicが立ち上がった当初は文字のみだったTwitterも、Instagramはじめ代替や自前の画像投稿機能も完備され、今となっては不要というか競合する状況になったから、という事情はあるのでしょう。その意味では既に使命は終えたサービスであり、その退場は必然と言えるのかもしれません。しかし、Twitterの画像関連機能を長らく補完し、大いにその事業の発展に貢献してもきたパートナーに対し、不要になったからと言ってこのようなやり方で追い詰め、締め出す形で閉鎖に追い込むというのは、あまりに理不尽な仕打ちと言うべきところでしょう。その意味でも残念ですね。Twitterのような信義に悖る企業が相手の場合、元よりTwitpicのように依存的な形では無理があって、Instagramのように連携はするけれども基本対等な事業形態、というのでなければ持続し得ない、という事なのかもしれません。

もっとも、Everett氏は既にGmail類似のスタートアップに軸足を移しているとの事ですから、潮時だと判断しただとか、ある程度は自主的な側面もあるのかもしれませんけれども。ともあれ、お世話になりました。氏の先行きに幸いあれ。Twitterには相応の災いあれ。

Twitter trademark turmoil forces Twitpic to shut down

(追記・その後)

Twitterの公式アカウントで、Twitpicが存続する旨の書き込みがなされたそうです。経緯も理由も何も説明が無いので何とも評価のしようもありませんが、事実なら歓迎したいところですし、あまり問題の無いものであるよう願いたいものです。

(追記・さらにその一月余り後)

結局前回の存続宣言ツイートは誤報で、身売り話は全て可能性が消え、改めて終了する旨宣言されました。新しい終了予定日は10/25だそうです。何という傍迷惑な。

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