ソニーのスマホ事業がギブアップを宣言したんだそうで。販売回復の見通しが立たず、エリクソン買収時ののれん代を減損処理せざるを得なくなったという事で、それはまあ事実なので仕方ないんでしょうけれども、無配とはまた思い切ったものです。これはもう白旗を揚げたものと理解する他ありません。
元々スマホ事業は、テレビはじめエレキ事業が壊滅し、ゲーム事業も衰退の一途、金融等のサービスを除くプロダクト系事業の中では殆ど唯一と言ってもいい成長分野と位置づけられていた筈です。初代iPhoneの登場から数年でコンシューマエレクトロニクスの花形として圧倒的な規模を持つに至り、なお成長を続ける同分野で一定以上の支配的シェアを握り、衰退する旧主力事業に代えようとした目論みも、2011年の完全子会社化からわずか3年、アップルや新興勢力の圧倒的な生産・販売力の前にその後は成長の気配を見せる事すらないまま、こうしてあっさり潰えてしまったわけです。市場というのは容赦無いですね本当に。
まあでも、本件はもう終わった話だし、元々先が無い事は端から見ても明らかでしたからどうこう言っても無意味でしょう。それはそれとして、で、この先どうすんの、と。この疑問を持つのももう何度目かもはやわからない位ですが、それでも一応思わずには居られません。しかしまさか不動産を本気で主力事業にするつもりじゃないでしょうけれども、実際問題もう次のネタが無いわけです。本当に何も。
今更サービス系の事業にソニーが割って入る余地なんて何処にもないし、かと言ってBtoB主体にするのは企業の性質とか能力的にも無理があるでしょう。と言って目先で好調と言えるのはそのBtoBたる画像センサー事業位なんですけれども、しかし何とか事業を上手く継続出来たとして、規模的にも構造からしてもソニーを支える事は出来ない筈で、それに何時まで好調が保つかも疑わしいですしね。さてさてどうするのやら。
まあ、あれだけ色々やらかしながら配当を続けてきた会社が無配にしたって事は、それだけ先行きが暗いって事なわけで、これまでのアクションからしても、単にリストラして縮小均衡に持っていく以外のポジティブな方策が採られる可能性は極めて低いものと思われるところですが。
ソニーの今後はさておき。国内スマホメーカーの中では最もマシな部類な筈のソニーですらこれというのでは、販売ランキングからは姿を消し、市場シェアのグラフ表示では「その他」に埋もれて名前すら出なくなった某社含め競合各社なんかどうなっちゃってるのでしょうね?前期には販売目標大幅未達の挙句に在庫の廃棄まであったし、今季はそこからさらに2桁マイナスとかで、流石に生産を絞ってる筈だから赤字はさほどでもないのかもしれませんが、それはもう事実上の撤退と変わらないのではないかと。
その辺の逝っちゃってる各社を差し置いて、残るとしたらここ位と言われているソニーが真っ先に音を上げたのは、子会社が元々買収事業で、のれん代の会計処理という外に見える要素があったから、という事情を考慮しても少々意外でした。当然本件はそれら各社にも色々と影響がある筈、さてどう出る、というかどうしようもないでしょうから、何時ギブアップするのか。こちらもそろそろという事で、関係各位は保身を図ったり覚悟を決めたり引導を渡したり渡されたり、色々と準備に忙しいといったところでしょうか。大変ですね。他人事ですが。
ソニー、上場来初の無配に スマホ減損で今期最終赤字2300億円
ソニーはスマホ事業のリストラもするそうです。1000人程度で、当該事業の15%。当然というか、少ない気がする位ですけど。しかし今後は数より利益を追う方針に転換するだとか、そもそも数を出さないと利益が出ない事業分野で何を寝言を言っているのかと。過去その種の宣言をしたケースのその後からしても、むしろ終了宣言にしか聞こえないわけです。
ソニー、モバイル事業1000人規模の削減へ
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