このところ落ち目な債権大手PIMCOですが、法的にも追い詰められつつあるとか。一体どうなってしまうのでしょうか、と興味津々なのです。
Bill Gross自ら担当する一般投資家向けの旗艦ファンド"the Pimco Total Return ETF"で粉飾の疑いがあり、SECの調査がここ数か月続けてられているとのこと。その具体的な容疑は、価値が毀損した債権をその時価たる低価格で調達し、ETFに組み込んだ後に毀損が無いものとして価格を付け替える事でファンドの運用益を水増しした、というもの。
調査に数か月もかかってる点からして、容疑が事実だとしてもそれなりに隠蔽工作がされていたんでしょうし、複合型債権投資信託商品は元々複雑怪奇な構成になりがちで調査には膨大な時間も手間もかかるから、現時点ではまだ確定とは言えないんでしょうけれども。一応、細切れの債権を纏めてヘッジする事による価値上昇も無いわけではありませんしね。
しかし、PIMCOはここ最近、特に前CEOのEl-Erianが突如辞任した前後から不振が続いていたし、それによる急激な、崩壊とも言うべき20%を軽く超える資産流出の真っ只中にあるわけで。それを受けて一部では破綻の観測すら出ていた位ですから、顧客を繋ぎ止めるため、だとか、パフォーマンスを粉飾する動機は十分過ぎるほどにあったのも事実です。実際の所、やっぱり、と納得こそすれ、意外に思う向きは殆ど居ないんじゃないでしょうか。
ただ、ハイリスク上等の株式や為替と違い、低リスクを基本とする債権周りで、それもPIMCOクラスとなると、ちょっと信用を毀損するだけでも大きな影響があるわけで。これでもしBill Grossが逮捕でもされたら、本気で債権市場がカオスになりかねません。もっとも、その傲慢で独裁的な振る舞いから社内社外問わず嫌われている氏の事ですから、いない方が組織としては逆に安定して、業界的にも望ましい帰結になったりするのかもしれませんが。さて。
Report: SEC Probing Pimco For Artificially Boosting Returns
Pimco ETF Draws Probe by SEC
そしてBill Grossが電撃的退職。やはり黒でしたか。。。
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