大阪の橋下市長が辞任されたんだそうで。理由は最大の目標であった大阪都構想について、市・府両議会各派の協力が得られず、その目指していた実現の期限未達が確実になったからだとか。
いやわけがわかりません。何故それで市長が辞任、しかも出直しで立候補するんでしょうか。市議会から不信任を出されたわけでもない以上、その義務はないし、再選されたとして、決定権は依然として議会側にあって、市長選を行う事はその協力の有無に何の影響も与えません。要するに全くの無意味と考えざるを得ないわけです。強いて言えば、ここ半年ほど完全に社会から失望され、その関心を失っていた氏に、一時的にせよ再び注目が集まる位の意味しかないのではないでしょうか。
それとも、大阪都の実現を諦めるにあたり、その信任を得たいという事なんでしょうか。それにしても、今となっては唯一最大の目標であった本政策を、それも議会は議論を継続する建前であるところ、自ら放り捨てるというのは流石に無理があるだろうわけで。
そして、市長選が無意味であれば、当然ながらそれにかかる数十億の費用もまた無駄という事になるわけで、氏がポリシーとして取り組んだ筈の財政面での無駄の削減、それに真っ向から矛盾する振る舞いともなってしまうわけです。裏切られたと感じる人も少なくないでしょうし、氏の政策で不利益を被った向きであれば怒りや恨みを抱きさえするでしょう。
と、かような批判が当然に浴びせられる事にも疑いの余地はないだろう意味不明な本件、維新の会内部の分裂と合わせ、いよいよ氏にまつわる一連の活動自体に終焉が近づいており、その断末魔が聞こえてきたという事なのでしょうか。そうであれば、地方からの改革活動に一定の期待を抱いた個人として、残念な思いを禁じ得ないのです。
橋下大阪市長が再選しても議論進展は疑問=他会派の協力不可欠