今更な話ですが。Thinkpadのキーボード。そういえば新モデル出てたっけ、とよくよく見てみたんです。すると、それはそれは滅茶苦茶になってしまっているんですね。
既に各所で酷評されている新モデルのキーボードですが、その批判は概ね下記の2+1点に向けられているようです。私も同感です。どれも致命的です。認めなければなりません。Thinkpadは死んだのです。
1.トラックパッドの独立ボタン廃止
2.ファンクションキー変更
(機能キー標準化、モデルによりボタン廃止しタッチバー化)
3.標準配列大幅逸脱 ※現時点でX1 Carbon限定
DeleteキーをBackSpaceキー隣に配置し[|\_]キーを最下列に移動
[半角/全角]キーを三列目に移動
[英数]キー最下列移動
新規やライト系のユーザーを意識したとかいう話ですが、どれもこれもPCにおける最重要インタフェースの設計として論外と言わざるを得ません。独立・物理ボタンの廃止は操作性、特に入力の確実性を大きく損ないます。レノボのチームも、そんな事がわかっていない筈はなく、それにも関わらず今回の変更に踏み切ったと言う事は、要するにキーボードを多用するユーザは切り捨てたという事なのでしょう。
さらに、X1Carbonモデル限定ですが、その変更された配列を目にした時には、正直自分の目を疑いました。史上でも稀に見る程の滅茶苦茶な配置変更で、最早キーボードの常用自体を想定していないとしか思えません。慣れればいい、と言うかもしれませんが、このThinkpadブランドの高価なPCの利用を考えるような人が、他のキーボードを使わない、すなわち他のPC端末類を全く使用しない等というような事が果たして有り得るのでしょうか。基本配列の異なるキーボードを併用する事がユーザーにとってどれほど酷いストレスになり、活動の効率を損なうのか、かけらも考慮されていません。この設計をしたデザイナー、またそれを承認したマネージャーやエンジニア、彼らは皆自分達が何を作っているのか、自分たちの仕事が何で、どういうものなのかを全く理解しておらず、従ってその愚かさは救い難い程のものと言わざるを得ないでしょう。
いいのです。単に使わなければ良いだけの事です。全てはLenovoの勝手ですが、外部の人間にはユーザーにならない権利があるのですから。もっとずっとまっとうなキーボードを備えた代わりの選択肢は、一頃よりは減ったとは言えまだ十分にあるのですから。ただ、このような変化が起こる前、具体的にはアイソレーションになる以前までユーザーとして厚い信頼と愛着を寄せていた身としては、この無残な現実を前に、深い悲しみを胸に抱かずにはいられないのです。残念です。本当に。
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