2/28/2014

[IT law] 英国によるウェブカメラのビデオ盗聴が露見

Edward Snowdenの告発に端を発した英米情報機関によるネット盗聴暴露の件、ウェブカメラの映像も対象だった事が明らかとなったそうです。具体的には、英国情報機関GCHQによって、Yahoo!の提供するビデオチャットサービス、その利用者について、公開されたドキュメントにあるだけでも2008年中の半年間で英米の180万人のサービス利用時の映像が盗聴されていたということで。本サービスはその後も継続されていたとの事ですから、おそらくは合計で数千万にも及ぶ大勢のプライベートな映像が不当に取得保存閲覧されていた事になります。酷い話です。

しかしこれはごく一部に過ぎないだろうのがまたなんとも。本家たる米NSAによる同種の活動は質量ともにGCHQのそれを遥に越えるだろうし、Yahoo!以外の協力企業、GoogleやMicrosoftのそれが対象外だったとは到底考えられないのですから。すなわち、SkypeやGoogle Hangout、Kinect関連等、大手の各種ビデオ会議・チャットサービス等はその全てが当然に盗聴対象だったものと強く推測されるわけで、個人のプライバシーとか企業の秘密とかサービスの信用とか、諸々が滅茶苦茶の大惨事です。いやこれまでの経緯からして既に信用も何もあったものではないのですけれども、流石にビデオはプライバシー侵害の面で一線を画す的にまずいでしょう。その種の映像データ公開は、しばしば個人攻撃の手段、例えばリベンジポルノや苛めの一環として行われるものですが、暴露された側には精神的・社会的に深刻かつ回復困難な被害が発生するもの、自殺に至る事すら稀ではないわけで。

なお具体的な取得データは、各IDにつき5分に一枚の映像と、そこから顔認識の結果やメタデータで絞り込んだIDについてはより多数の映像、とのこと。ビデオはデータ量が膨大ですから、これくらいの選別処理はやって当然というところでしょうか。顔認識に用いたエンジンはまさか自前ではないでしょうし、一体何処製のものが用いられたのか、そしてその精度というか選別結果にはどの程度の妥当性が認められたのか、不謹慎ながら技術的には少し気になるところではありますが、それはともかく。

そして、そうして集められた映像のうち、実に3~11%が性的に不適切な映像だったそうで。。。いわんこっちゃないです。それら映像は廃棄されたかどうかも不明なわけですが、その措置の如何によらず、盗聴された多くのユーザが、そのプライベートな映像が暴露されていた事を知って、精神的に重傷を負ってしまった筈です。多分に自殺者の発生も懸念されるわけですが、どうするんでしょう。GCHQはこの期に及んでなお全ての活動は合法だとして補償や対策をする以前に謝罪もしていませんし、NSAも同様の醜態を晒しているわけですが、このまま破滅的な結果に至ってしまうのでしょうか。全く以て救えませんね。

Yahoo webcam images from millions of users intercepted by GCHQ

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2/26/2014

[sci] 捏造疑惑が強まるSTAP細胞、自壊する権威

1月末に発表され、生物学の定説を覆す大発見として広く衝撃を与えたstimulus-triggered acquisition of pluripotency cell、略称STAP細胞が、全方位的に非常に強い懐疑を受けているそうで。本件、私は生物学全般において門外漢につき、元よりさほど興味も抱かず、山ほど取り組まれるだろう各専門機関の検証結果を見れば良いだけの話か、と思って放置していたんですけれども。

しかし、発表から一ヶ月近くが経ち、その間まさに全世界の機関がこぞって追試検証に取り組んだにも関わらず、現時点で全て失敗し、部分的なものも含め肯定的な報告は未だ一切無し。あげく論文の中にあれこれと作為や捏造、盗用までもが確認されている、とあって、それが事実なら当然に発見自体にも捏造が疑われる話なわけで、そうであれば理研とHavardはじめ、nature誌から、学会、社会に至るまで、およそ全世界が派手に担がれた事件という事になるわけです。それは流石に珍しいし、どういう経緯でそんな事になるのか、と逆に興味が沸いてきた次第で。

何はともあれ原論文を見ない事には始まりません。というわけで、幸いにもフリー公開になっていたnature誌掲載の原論文をざっと読んでみました。門外漢には分からない専門的な単語がずらずら並びますが、疑惑を検証するには中核部分が理解できればよし、ということで。

Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency

論旨の概要は、これまで遺伝子操作を施す場合を除いて非可逆とされていた動物性細胞の分化について、その外部刺激による(stimulus-triggered)逆行すなわち多分化性(pluripotency)を再獲得(acquisition)させる手法を確立した、というもの。具体的には、CD45なる抗体を持つ造血細胞について、pH5.7程度の、致死に近い(sub-lethal)酸性液にほぼ常温で25分程度晒す事で、生き残った細胞にCD45減少と引換にOct4-GFPという多分化性を司る因子を獲得させる事が出来る、としています。Oct4は既存の広く知られた因子であり、これが得られる事がすなわち万能細胞の生成に成功した事に他ならない、というわけです。実験にはマウスを用いていますが、実際に上記処理後、一週間程培養した細胞を用いて、キメラを生成する事にも成功した、としてその写真等を掲載していますね。その写真等に捏造があると疑われているわけですが、それはともかく。

無論、手順の中には各種の細胞の選別手法やそれに用いる機材等、実験に際しての細かい手順も記載されているのですが、骨子としては概ね以上のようです。なお、論文の内容として、何故その処理でその現象すなわち多分化性獲得が起きるのか、そのメカニズムについてはおよそ言及が無いようでした。これはいささか奇妙にも思われますが、ともあれ、本論文は実験結果としての現象とそれを発生させるための手法を報告するものと理解すべきものでしょう。最も重要な点は結果の真実性にある、という事です。

さて。改めて見てみると、その手法自体は極めて簡単なもののように見えます。要するに特定の因子を持つ細胞を選別し、グループに分けてから一部を液体に短時間晒し、培養にかけた後に処置有りと無しのグループ間の因子に関する差異を比較するだけです。無論技術的にはシンプルな方法が一般に優れているとされていますし、それ自体は問題ないどころか歓迎すべき事なのですけれども、しかしそれなら再現は容易な筈で、培養に必要な時間を考慮しても、専門機関であればまず10日あればある程度の検証は可能に違いないわけです。事実、多くの機関が既に一次的な実験結果を報告しています。そして、それが全てネガティブな結果なのですね。まだ確定的な判断を出すには早計に過ぎる事は間違いありませんが、捏造との嫌疑を掛けられるのも致し方ないところでしょう。

その上、共著者たる若山照彦教授(山梨大)ですら現時点で再現出来ない、という信じ難い話もあるのですから、むしろ逆に論文の内容を真実と信じる理由を見出す事の方が困難、というべきでしょう。私個人としては、根本から真っ黒なのでは、との疑念を抱かずにはいられません。

それで。まだ真偽の確定までは出来ませんが、かような状況に至ってしまった時点で、少なくとも、今回の研究内容が客観的検証に欠け、かつ論文単体としても甚だ杜撰で不適切なものであるという事は間違いないものと思われるところです。とりわけバイオ関連ではベンチャー等事業絡みで詐欺すら横行する昨今にあって、そのような研究、また論文自体は残念な事に珍しい事ではありませんが、本件の問題は、その発表者が理研なりHarvardなり、間違いなく学術界を代表する組織の正規の所属員であり、当然にその組織の研究成果として公示されたものであり、かつ媒体もこれまた最高峰たるNature誌と、いずれもおよそ考えうる最高の権威によって成された点にあります。従って、本件は単に一研究チームによる愚かな論文発表というに止まるものではなく、学会そのものによる自己否定、自殺的行為に他ならないわけです。事実の検証は科学の基本中の基本、栄光に目が眩んだか知りませんが、それを怠り、自ら組織全体の信用までもを失わせるとは、揃いも揃って愚かにも程があるだろう、と呆れざるを得ません。

あまつさえ、筆頭著者の小保方晴子氏はおろか、理研もHarvardもNature誌も説明すらせず、揃って調査中として延々と沈黙を決め込み、疑念が膨らむに任せるだけとあっては、もはや救い難いものと言うべきでしょう。責任の押し付け合いでもやってるんでしょうか。何であれ、残念です。せめて発見の一部でも真実であれば、と期待する事すら過分と思えるのには殊更。

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後日。そしてさらに一週間以上経過し、ようやく手順書が理研から公開されました。というわけで、一度関心を抱いてしまった以上、毒を喰らわば、と半ば義務感に押されて読んでみたわけです。当然の事ですが大筋は原論文と同じ、それを詳細に記述したものであって、検証出来ない門外漢には意味が無い代物ではありました。なので、同じく進められるであろう専門機関の検証を待つよりないわけですね。それは元より分かっていた事ですけど。

ただ、それでもあえて付け加えるなら、手順書中では多数[Important]と銘打って処理中で特に注意を要するとされる点を記述しているのですけれども、それに多少なりと違和感は感じました。細胞を採取するマウスの個体は若い(生後一週間以内)ものでなければ駄目、というのはまだしも、異なる性質の細胞が混ざらないようよく分離すること、だとか、密度に注意する、だとか、pH値等、環境条件の管理が重要だとか、大半がごく基礎的な実験、検証一般の手順に関するもので、専門家なら当然に弁えているだろうもののように思えたのです。何故それがpluripotencyの獲得の成否に影響するのか、その理由の説明があれば別だったのでしょうけれども、それは相変わらずありませんでしたし。

もっとも専門家向けの手順書なのだし、専門家なら言わずとも分かるという事なのかもしれませんが、それにしても、と眉唾な感じが拭えません。もやもやしますね。こういう時は自分で検証出来ない素人の身が残念に思われますが仕方ない。さて。

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検証の報告を前に、若山教授が論文の取り下げ提案を表明。いよいよ、おそらくは残念な終幕が近づいて来たようです。

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[biz] Mt.Gox消滅で俄に訪れたBitCoin崩壊の瀬戸際

仮想通貨が文字通りの危機にさしかかりました。仮想通貨を代表するBitCoin、そのリアルマネーとの交換可能性を担保する換金機能を備えた取引所群のうち、長らく最大手としての地位を保持し、そこでの取引状況はすなわちBitCoinそのものの動きと見做される標準的位置づけにあったMt.Goxが崩壊したのです。昨日までは引き出し停止に伴い取引価格の暴落を招きつつもサイト自体は稼働していましたが、ついにサイトも止まりました。ご臨終です。

推測される原因はアカウントを乗っ取るタイプのウィルスによるボットネット攻撃で、それにより窃取されたBitCoinは少なくとも70万を超え、現在流通するBitCoin総量の6%にも上るとのこと。Mt.Goxは時価350億円にもなるその分の債務について当然に負担を迫られ、しかしその支払い能力は無いために閉鎖に追い込まれた、との見方が有力となっているようです。まあそんなところでしょうね。

これが通常の金融機関であれば、当然保険がカバーする類のものなのでしょうけれども、自由な通貨としてあらゆる公的権力の影響が及ばない仮想通貨にそのような仕組みがあろう筈もなく即死という事で、その自由性が仇となった恰好です。しかしこれはその構造上当然の帰結であって、多少なりと分析が可能な向きの誰もが予想していた結果ではあるし、何よりユーザーの大半はそれを承知で、およそ無法の領域における通貨として、違法取引や常軌を逸したマネーゲームの媒体として専ら取引されていたものなわけだから、その取引が滞った所で何ら問題はない、むしろ不法取引撲滅万歳、と喜ばれてもおかしくない話であるとも言えるでしょう。

とはいえ、本件は単なる一プレイヤーの失敗ではなく、BitCoinをはじめとするフリーの仮想通貨の仕組みそのものに内在する構造的リスクが顕在化したものと言える以上、その市場全体が信用を大きく毀損し、あるいは同様に崩壊する可能性も小さくないわけで。無法者の自業自得と切って捨てる事も可能ではあるでしょうけれどもしかし、その投機性の高さからリアルマネーとの接続を強め、既に全体で数千億から兆にも上る資産規模にまで膨張してしまっている市場の急激な崩壊、その影響を完全に無視するわけにもいかないでしょう。各国の通貨当局によるアクションは既に遅きに失したようにも見えますが、ユーザーの多数を占めるとされる中国あたりがどう動くか、それなりに注目もせざるを得ません。さて。

ていうか中国当局が仕掛けた可能性もある話なんですよねこれ自体。他のプレイヤーもやれロシアだ東欧だとか、ほんとカオスです。

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数日後、会社としてのMt.Goxは民事再生申請という事であえなく倒産。しかし民事再生ですか。報じられている情報からして、負債があまりに大きく、かつ再生手続きを進めるにあたりその大半の同意を得るべき債権者が数百万の多数に上り、所在も全世界に拡散していて、再生処理を進められるのかは甚だ怪しいようにも思われるわけですが。さて。

ビットコインのマウントゴックス 再生法申請

案の定というか、当然予想された通り米国では早くもMt.Goxのユーザから訴訟を起こされたそうです。そりゃそうですよね。まだ一人目に過ぎませんが、下手しなくても原告が少なくとも万単位の大規模訴訟になる事は確実、かように債権者と対立する状況にあっては、再生計画も作りようがないでしょう。

2/20/2014

[biz] Pizza Hut従業員が店舗のキッチンシンクに小便をする映像が公開されて全米が嘔吐

Oh... Crazy...です。

ピザチェーン大手のPizza Hutの米国はWest Virginia州のとある店舗で、そこの地区マネージャがよりにもよってキッチンのシンクで小便をするという蛮行に及び、かつその一部始終が映された監視カメラ映像がCBSやYoutube経由で公開・放送されるに至り、瞬く間に阿鼻叫喚の騒ぎになっているようです。

映像自体は見ても良い事は何一つないと思いますし引用は控えさせて頂きますが、どうしてもという方は"Pizza Hut urine"で検索のこと、です。映像の内容は、店舗内でPCを操作していた男性がおもむろに立ち上がり、背後にあるキッチンシンクに向かったと思うと・・・というものです。

ピザハットの広報は、本行為は営業時間外に行われたもので、即対処もし、食品販売業務には一切影響を及ぼしてはいない、との弁解的発表を行ったそうですが、それで収まるはずもなく。当該店舗は地元当局から即営業停止処分を受けて閉店、当のマネージャは当然に解雇もされたとか。

日本国内でも食品販売業での従業員による色々と非衛生的な行為、その際の映像が公開されて大問題になるケースが相次いでいたところ、その種の事件にはそれなりに慣れた気もしていたところですが、上には上が、というより下には下がある、という事を痛感させられてしまいました。恐ろしや。衛生面で現実の危険がある以上は知らぬが仏で済む事ではないとは理解しつつも、できれば知りたくなかったです。ていうかどういう経緯でこんな映像が外部に公開される事になったんでしょう。

ともあれ。本件は米国での話ではありますが、全世界でチェーン展開するPizza Hutの事、事業的にネガティブな影響が波及しないわけはなく、果たしてその影響がどの範囲まで及ぶのか、その程度はいかほどか、やはり気になるところです。流石に日本では、と以前なら言えたところなんでしょうけれども、件の騒動が相次いだ後ではもはやそれは叶いません。むしろ日本でもやりかねん、とまた吐き気が。うええ。勘弁してくださいほんと。

Pizza Hut Employee Caught Urinating In Kitchen Sink

2/14/2014

[biz law] ニコン対シグマ手ブレ補正特許訴訟、東京地裁にてニコン勝訴

ニコンが以前提起したシグマに対する手ブレ補正機構に関する特許訴訟について、この程ようやく地裁判決が出たそうで。結果は特許侵害の認容につきニコンの勝訴。請求額120億に対し、シグマの該当製品の総利益を105億とし、そのうち当該特許の寄与分を15%と見積った結果、賠償額は15億と認定されたそうです。

判決の詳細は未公表につき該当するレンズの具体的な機種名は不明ですが、連結でも300億強に過ぎないシグマの年間売上高と認定額を比較すればその割合は非常に大きく、おそらくは手ブレ補正機構付き(OS)のうち主力モデルが含まれているものと推測されます。シグマ危うしです。控訴審中の別の特許訴訟では無効判決を勝ち取ってたんですけども、こちらだけで致命傷級ですね。

当然ながらまだ地裁ですし、シグマも控訴するでしょうけれども、知財訴訟であるからには一審から相当に膨大かつ精密な議論が行われている筈、それを覆すのは一般論としてそう容易な事ではないでしょう。少なくともシグマは敗訴が確定する結果を覚悟し、それに備えなければならなくなりました。現行モデルが既に回避対策済みならば、さしあたり現在以降の事業運営の方針を変更する必要はありませんが、もしそうでないのなら、OSモデルの販売停止等を検討せざるを得ないだろうわけです。

そうでなくても、今回の訴訟の過程でニコンとの対立を強めた結果、両者の製品間、すなわちニコン製カメラ本体とシグマ製レンズの適合性が低下し、オートフォーカスや手ブレ補正等が機能しない例が多発しシグマ側が修正を余儀なくされているとかいう不穏な話も聞こえて来ているところです。ここ数年シグマはカメラ本体の自社事業展開にも乗り出してはいるものの、まだ主力は互換レンズビジネスなわけで、本訴訟のように対立を深める事は自殺に近い行為に違いない筈、何処かで和解に動かなければ、割と本気でシグマ社自体の先行きが暗闇に埋もれかねないわけですが、どうするんでしょうね。白旗あげる?

ちなみに私も一個だけシグマ製のOSレンズを所持しており、割と愛用しています。中古で手に入れたニコン用の18-200mmOSです。主にD60と組み合わせて使っておりまして、なかなかに良い写りをするので気に入っているのですが、権利侵害の賜物であったと聞かされると非常に気分がよくないわけです。今後のレンズ流用にも支障が出るかもしれない、と懸念もせざるを得ません。結局のところ、ユーザーにとっては迷惑千万でしかないわけです。メーカー間ではフェアに仲良く、お互いに協力し合って欲しいところですが、それが出来ず、いがみ合った挙句ユーザーに被害を出す位なら、いっそ最初から互換品など売るべきではないと思うのですよ。困ったものです。

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ニコン勝訴、シグマに15億円支払い命令 手ブレ補正レンズ特許めぐり

[biz] Tesla Model Sが駐車後に炎上、ガレージ延焼

恐れていた事が現実になってしまいました。昨年、6週間の短期間に3度に渡り爆発炎上を起こした米Tesla社製EVセダンModel Sが、今月上旬に駐車中にガレージ内での炎上事故を起こしていたとのこと。被害に遭ったオーナー曰く、外から戻りガレージに駐車し降車した後、暫くして突如炎上したとの事。その際には充電プラグは接続されておらず、完全に単独での炎上だったと。

これまでの3件の炎上の際には、ほぼ当該車両の焼損のみの被害に止まっていましたが、今回は建物内での発生とあって、ガレージ内も焼損し、同ガレージに駐車していたレクサス車等も同じく被害を被る事となりました。以前の事故の際の映像で捉えられたその炎の激しさから、延焼による二次被害の発生も早晩必ず起こるものと懸念されていたところですが、それが早々と現実のものになってしまったというわけで、極めて残念な事です。ただ、迅速な消火活動によってガレージの外への延焼は食い止められ、人的な被害には至らなかった事は不幸中の幸いと言えなくもないでしょうか。

この期に及んで、Tesla社はこれまでの事故の際と同様の対応すなわち、オーナーには被害の賠償と代車の提供を申し出つつ、Model Sは他車種に比して事故率が低く安全だとする声明を発表し自己弁護を図るという、硬直的な対応に固執しているそうです。おそらく、死人が出るまで、どころか、死人が出ようとも、車両の構造的な欠陥の存在は認めず、設計を見直す事もなく、従ってこれからも同種の炎上事故は続くのでしょう。それこそ、売上が壊滅的に落ちたり、賠償案件が激増する等して事業が立ち行かなくなり、Tesla社そのものが消滅するまでは。最悪と言う他ありません。

なお、本件オーナーはTesla社の上記賠償等の申し出を拒絶したそうです。流石に家が燃え、自らと家族の安全まで脅かされたとあっては、寛容にもなれなかった、という事でしょうか。多分に訴訟も予想されます。むしろ安全を軽視するTesla社の傲慢を正す機会として、徹底的に糾弾されれば良いだろうとも思うのですが、さて。

Another Tesla Caught On Fire While Sitting In A Toronto Garage This Month 

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2/12/2014

[biz] プリウスに回路破壊の不具合でリコール190万台

フィットHVが悲惨な事になっている中、張り合うように現行プリウスが国内100万台、海外90万台計190万台のリコール。原因はトヨタによれば制御回路の過電流による破損で、それが起こると極端な低速や走行不能等に陥る、と。フィットに負けず酷い不具合です。

まだ詳細は報じられておらず不明ですが、ソフトが原因の過電流で破損する回路と言えばアナログ部分、具体的にはアンプとかレギュレータ、インバータの内部あたりでしょうか。本事象発生時には警告ランプが付くらしいですし、それなりに対策はしてあるんでしょうけれども、それでも電力量が大きいだけに、中途半端にブレークダウンしたりしたら火を吹きそうで怖いですね。

発生件数は3年で300件超だから年あたり約100件。いくら超の付く人気車種で台数が多いから自然と数も多くなる、とは言っても尋常な数ではなく、ホンダのそれよりは若干マシですが、それがなければ確実に前代未聞というべき深刻な不具合なわけで、ホンダとトヨタ、国内メーカーのトップ2社、それもそれぞれの看板車種が揃ってこの様という事態を目の当たりにしては戦慄も禁じ得ません。

もっとも、ホンダの凶報の直後たるこの時期にリコールに踏み切ったというのは、必ずしも偶然とは考え辛いところです。本件のようなリコールが事業に与えるネガティブな影響は非常に大きく、トヨタとしても出来る限りその緩和を図りたいところだったでしょうし、ホンダの件は隠れ蓑としてうってつけだったと考えるのが自然でしょう。おそらくはフィットHVのDCTの設計不良もトヨタの方では早くから承知していて、それが決定的に顕在化するタイミングを図ってもいたのではないでしょうか。そうであれば、元よりホンダの自爆ですけれども、それを逃さず利用してくるあたりはさすがトヨタ、黒いです。

ところで、対象の発売・製造時期が2009年からな一方で障害発生の報告が2011年以降なのは、やはり回路の劣化が要因で、その耐用年数が2年位と解釈すべきところなんでしょうか。だとしたらいけません。一般的な車の耐用年数から考えて、最低でも10年は保たなければならないわけで、これでは設計自体に欠陥があるものと認識せざるを得ないところです。しかるに、今回はソフトの変更で対応するようですが、一般論としてアナログ回路の劣化をソフト側の調整で防ぐ事は困難な上に、ソフトの変更は往々にして新たな不具合に連鎖するものなわけですから、これから先もユーザー側には不安が付き纏い、しかもそれは容易に拭えないだろう事になってしまいます。そうであれば、本問題はプリウスに限らず、モーター駆動車一般も同様に懸念せざるを得なくなってしまうわけで、無論発覚しないよりは良いんですけれども、暗鬱たる先行きが想像されて、色々とよろしくありませんね。仕方ない話なんでしょうけれども。

要するに、電子制御への傾斜を強める一方だった自動車産業が、ソフトを中核に据える方式一般に内在する構造的問題すなわち、その障害発生率の高さ、完全性確保の困難さが、ついに顕在化したものと捉えるのが妥当なのでしょう。新規技術は往々にして複雑性の上昇を伴いやすく、そして複雑性を高めるほど、不具合の発生可能性、また予防困難性も必然的に高まるし、犠牲になる要素も多く伴うものです。それが許容可能か否かが問題なのですけれども、本件のような自動車の走行制御においては走行不能等の深刻な、到底許容出来ない不具合に直結してしまうのですね。殆ど必然のように。

新型車の宣伝には、いつも華々しい売り文句が並びます。しかし、果たしてそれは事実進歩と言えるのか。単なる目くらましや化粧的な変更に過ぎないものも少なくないようにも見えます。事業的には嘘でも詭弁でも改良を装う必要がある事は理解出来ますが、少なくとも本件のような帰結になってしまうのでは本末転倒と言う他ありません。各社には、事業的には今更引き返せない、誤魔化さなければ、等と脊髄反射する前に今一度、自らの行っている事業の持つ意味、あるべき姿、起こしてはいけない結果等をよく踏まえられる事を願いたいところです。特に、ユーザーの生命が懸かっている事を思い出して冷静になるべきでしょうね。本件のような現在の話もそうですが、将来の話も。自動運転とか無謀そのものな話が平然としかも直近のロードマップに乗っているのを見ると寒気がするのですよ。

プリウス100万台リコール 現行モデルの全車対象

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2/10/2014

[biz] Fit3HVが3度目のリコール、出荷停止

先日車名別販売台数で久々にトップを奪還した新型FitことFit3ですが、その象徴たるHVが発売半年を待たずしてまたしてものリコール。通算3度目。

不具合の箇所はこれまで同様にDCT、具体的には1速ギアの切り替え・噛み合わせ不良というハード面の欠陥によるもので、当然ながらソフトの改修では対応出来ず、変速機ユニットを丸ごと交換する必要がある、という酷いものです。リコールは数あれど、このような車の根幹部分の致命的な不具合というのは珍しいどころか皆無に近く、それがよりによってホンダの、国内でもトップクラスの人気車種で発生した事に衝撃を受けずにいられる人は殆どいないでしょう。これまでのリコールでは販売継続に固執してきたホンダも流石に観念したらしく出荷停止措置も採られたものの、絶好調だった販売成績が仇となってリコールの対象は8万台にも上るとのこと。

まさに目も当てられない大惨事。胸を踊らせて大枚はたいたにも関わらず奈落に突き落とされたユーザーの嘆きの声が聞こえてくるかのようです。デザインが不評でも中身がいいから、と思って買った人も沢山いたでしょうところに、その中身は最悪に酷かったわけですから、救えません。

突然止まるだの、二度と発進しなくなるだの、現代における大手自動車メーカーのそれとは思えない、殆ど前代未聞の不具合でリコールを繰り返した挙句の今回という事で、流石に堪忍袋の緒が切れた人も多いのではないでしょうか。元を辿れば、要するに基本的なハード設計上の欠陥があって、その程度を甘く見て見切り発売した時点でこうなる事は自明だったのでしょう。300件を超えるという期間に比すまでもなく尋常ではない不具合報告数からしても、発売前にホンダが本件を把握していなかった筈はなく、従って半ば故意に起こされた事が明らかである以上、その罪は極めて重いと言わざるを得ません。その報いはこれから存分に受けて然るべきところでしょう。同情は出来ません。完全な自業自得ですから。

ていうか変速機ユニット交換が必要というのは、もうリコールでカバー出来る範囲を超えているように思われますし、一旦全回収返金の上、設計からやり直すべきじゃないかと。いくら燃費が良かろうと、満足に走らないというのでは本末転倒も甚だしいし、踏切や交差点で立ち往生する可能性がある時点で公道に出してはいけないでしょう。最高のエコは車に乗らない事だ、とはエコカー一般を指してよく皮肉られるところですが、まさにその具現ともなってしまったフィットHV、果たして復活は可能なのか。今後の教訓とするため、このまま一度クローズされてしまう方が良いのでは、というかホンダは一度死んで反省すべきとも思われるところですが、さて。

んんん?出荷停止って単にプログラム修正のための2週間だけなんですか。。。経緯からすればそれで問題が解決されるとは到底思えないし、それ以前に反省もしてないし。ハードの修正は断固拒否っぽいですね。まあそれには年単位の時間が必要になるし無理って事なんでしょうけど。いずれにせよ、本件の終息はまだまだ先の事になりそうです。やれやれです。

よくよく見ると12月発売のVEZELも同DCT採用でリコール対象とか。フィットの惨事の真っ只中にそのまま出して即リコールというわけで、ますますもって理解し難いところです。もしかして、今後の新車は殆どDCTを積む予定で進めちゃってて、今更後に退けないという事なんでしょうか。考えただけで戦慄が走りますね。でもそうなら、そんな大変更をするにあたって保険というか予備の安全策を用意していなかった事が論外、自業自得という事になるんですけれども。

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本件のほんの2日後、図ったようにプリウスが回路破損の不具合でリコール。いや狙ってたんでしょうけどさ。どっちも目を被うような酷い話です。

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[note] Thinkpadキーボードは完全に死んでしまったようです

今更な話ですが。Thinkpadのキーボード。そういえば新モデル出てたっけ、とよくよく見てみたんです。すると、それはそれは滅茶苦茶になってしまっているんですね。

既に各所で酷評されている新モデルのキーボードですが、その批判は概ね下記の2+1点に向けられているようです。私も同感です。どれも致命的です。認めなければなりません。Thinkpadは死んだのです。

1.トラックパッドの独立ボタン廃止
2.ファンクションキー変更
 (機能キー標準化、モデルによりボタン廃止しタッチバー化)
3.標準配列大幅逸脱 ※現時点でX1 Carbon限定
 DeleteキーをBackSpaceキー隣に配置し[|\_]キーを最下列に移動
 [半角/全角]キーを三列目に移動
 [英数]キー最下列移動

新規やライト系のユーザーを意識したとかいう話ですが、どれもこれもPCにおける最重要インタフェースの設計として論外と言わざるを得ません。独立・物理ボタンの廃止は操作性、特に入力の確実性を大きく損ないます。レノボのチームも、そんな事がわかっていない筈はなく、それにも関わらず今回の変更に踏み切ったと言う事は、要するにキーボードを多用するユーザは切り捨てたという事なのでしょう。

さらに、X1Carbonモデル限定ですが、その変更された配列を目にした時には、正直自分の目を疑いました。史上でも稀に見る程の滅茶苦茶な配置変更で、最早キーボードの常用自体を想定していないとしか思えません。慣れればいい、と言うかもしれませんが、このThinkpadブランドの高価なPCの利用を考えるような人が、他のキーボードを使わない、すなわち他のPC端末類を全く使用しない等というような事が果たして有り得るのでしょうか。基本配列の異なるキーボードを併用する事がユーザーにとってどれほど酷いストレスになり、活動の効率を損なうのか、かけらも考慮されていません。この設計をしたデザイナー、またそれを承認したマネージャーやエンジニア、彼らは皆自分達が何を作っているのか、自分たちの仕事が何で、どういうものなのかを全く理解しておらず、従ってその愚かさは救い難い程のものと言わざるを得ないでしょう。

いいのです。単に使わなければ良いだけの事です。全てはLenovoの勝手ですが、外部の人間にはユーザーにならない権利があるのですから。もっとずっとまっとうなキーボードを備えた代わりの選択肢は、一頃よりは減ったとは言えまだ十分にあるのですから。ただ、このような変化が起こる前、具体的にはアイソレーションになる以前までユーザーとして厚い信頼と愛着を寄せていた身としては、この無残な現実を前に、深い悲しみを胸に抱かずにはいられないのです。残念です。本当に。

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2/06/2014

[biz] ソニーPC事業売却、TV事業リストラ。計5000人

ソニーがようやくPCを手放し、TV事業も切り離しに着手したそうで。それを中心に国内1500、海外3500計5000人の削減、と。

技術も製品も、長らく新規と言えるものは出せず、ただ漫然と他社製含め既存と区別のしようもない凡庸な製品を出しつづけるだけで、社会的にはもう忘れられたと言っても過言ではない程の衰退ぶりだった同社の両事業ですから、今回の処分自体は当然の成り行きと言うべきでしょう。しかし、共に時代を築いたとも言える同社の看板事業が、膨大な資本を投入されながら結局代替はおろか後継すらも創造できず、ただあっさりと消え行く様を目の当たりにすると、流石に一抹の寂寥を感じずにはいられないのです。

それはともかく。同時に発表された今期決算の見通しがさらっと大幅な赤字転落になっていますけど、これはどういう事なんでしょう。発表では今回の措置が主要因に挙げられていますが、事業売却の際には当然ながら売却対価の収入がある分、黒字とまではいかずともそれ程大きな赤字要因にはなり得ない筈なところ、その真逆なわけで解せません。具体的には設備関連の減損で82億の赤だそうですが、収入も数百億位はある筈。事業売却のトータルでそこまでの赤になるのは異常です。余程捨て値で処分したという事なのか、それとも資産の過大評価等の粉飾でもあったとかいう事なんでしょうか、とそういう穿った見方も抑え難いところです。うーん。

あと業界的には、PC事業の売却先は先日Biglobeを買収した日本産業パートナーズな点が当然ながら色々と憶測を呼んでいるようで。このファンドの主要株主にみずほがいるあたり、どうしても富士通あたりとの合流、そのバッファ的な話なのかと勘ぐりたくもなるのも無理からぬ話ですが、さてどうなんでしょうか。もっとも、もしそうなったとしても完全に弱者連合で、業界の大勢には殆ど影響もないだろうと思われますし、あまり気にする必要もないのでしょうけれども。SONYのVAIOもそんなポジションのブランドになってしまっていたのか、と、こちらも結局は寂しい話に落ち着いてしまうのです。まあリストラに至った事業なんて何処もそんなものですけれど。

しかしソニーの今後の柱はスマホ・ゲーム・画像センサーの三つという事ですが、本気でしょうか。いや現実問題それくらいしか残っていないのだから仕方ないのはわかるんです。がしかし、スマホは世界ではトップ争いにも全く入れていない不安定な事業だし、ゲームは長らく不採算続きで論外。画像センサーは例外的に強みも勢いもあるものの、そもそも部品なので売上規模的に心許なく、また有力な競合も沢山いて、かつソニーの最大の強みであるブランド力が生かせない領域という事もあって、安定した先行きはどうしても想定しにくいように思われるわけで。三本の柱が三本とも、五年後と言わず来年にはまた全然違う事を言ってそうな空々しさが漂っているような気がしてなりません。大丈夫かね。

ソニー、テレビ事業を分社化 内外で5000人削減
ソニー最終赤字1100億円、PC売却で費用膨らむ 14年3月期

2/05/2014

[biz law] 富士通フロンテック部長がATM管理システム悪用しカード偽造・預金詐取

まさか、と目を疑うような事件ですね。横浜銀行のATMベンダであるところの富士通フロンテック、その責任者が、保守・運営委託のため与えられたシステムの管理権限を悪用してATM利用者の情報を取得し、キャッシュカードを偽造の上、預金を詐取した容疑で逮捕された、とのこと。正確には今回の容疑は電磁的記録不正作出ですかね。

容疑者は赤星敏一部長、被害は判明しているだけでおよそ50口座計約2400万。システム管理側の、それも従来しばしば見られた契約社員等ではなく、よりによって管理運営の責任者による犯行というわけで、前代未聞な事案であります。期間的にも、昨年5月に被害届、11月に不正引出しで逮捕との事で、相当な長期に渡り、おそらくは発覚回避もしくは追跡妨害のために他行の口座のみを対象としているなど計画性も極めて高い、あまりに大胆な犯行です。なお最初の逮捕後、昨年12月に懲戒免職済。

動機等は今のところ報じられておらず不明ですが、かように悪質で早晩露見するに決まっているだろう犯罪に、何故、どういうつもりで手を染めたのか、多少なりと疑問を抱かざるを得ません。大体、キャッシュカードの偽造って、まさか個人で設備を保有していたわけはないでしょうし。社で保有している筈の試験用設備を使用した、とかでしょうか。実は組織ぐるみで、赤星容疑者が責任を被っただけ、とか疑いたくもなりますが、さすがにそれは会社として破滅的に過ぎて非現実的ですかね。共犯はいてもおかしくないでしょうけれど。

ともあれ、ATMのシステムベンダとしては当然信用も何もあったものではなく、大手端末ベンダの一角としてそれなりにシェアのある同社ですが、冗談抜きで終わったかもしれません。逆に競合の沖や日立オムロンあたりは大喜びですかね。あと、フロンテックは富士通の手のひら静脈認証関連装置も担当している筈ですが、こんな事件をやらかした会社がセキュリティソリューションの販売とか悪い冗談としかとらえようがなくなってしまったわけで、そっちも信用ガタ落ち、こちらも競合他社には好機になるでしょうね。

やらかした先がよりにもよって横浜銀行だというのもいけません。横浜銀行は言わずと知れた地銀最大手、それも富士通の地元神奈川という立地から、フロンテックとしては経営戦略上絶対に間違いがあってはいけなかった筈の顧客で、それを最悪の形で裏切ってしまったわけですし。

ただ、一応元請けはNTTデータで、いつものように富士通に丸投げで委託され、さらにフロンテックに再委託されたという恰好なので、一義的にはNTTデータ、二義的には富士通にも責任があるわけです。今頃は責任の押し付け合いで仁義なき内部抗争と粛正の真っ只中、なのでしょうか。恐ろしや。

ATMのデータ不正取得、預金引き出す 容疑で男を逮捕

富士通の公式プレスリリースによると、情報取得はトラブル保守の際に行ったもので、被害口座数は最大132口座とのこと。これ一人でやったの本当に?ていうか、トラブル対応で管理職が自ら作業する事自体、この規模の業務ではまずありえない筈ですが、どういう事なんでしょう。あと再発防止は処置済みって、具体的な内容も明かさずに言っても無意味でしょうに。いやはやわけがわかりません。

当社グループ会社元従業員による不正行為について

クレカもですか。 内訳はキャッシュカード80にクレカ52。クレイジーですねえ。犯行現場は横浜銀センター内に設置されたフロンテックの執務室ですか。容疑者の当時の肩書きはプロジェクト部長、という事で、担当部長的なポジションにつき実際の作業もそれなりに担っていたとかいう事なんでしょうか。それにしても、とは思いますが。

横浜銀カード偽造事件、被害は48口座2400万円 取締役が会見で謝罪 

カード作成は横浜銀行のセンター内設備を利用したと。大胆不敵にも程があるでしょう。白カードはあらかじめ準備したと報道ではありますが、それは自社から調達したんでしょうか。そして用途はパチンコやSNSゲーム等の遊行費って、、、なんという破綻者。そんな事でよくこの年まで勤務出来たものだと逆に不思議に思われる程です。ていうか本当に?俄には信じ難いのですけれども。

2/03/2014

[note] ゆうメールに配達予定日未配の挙句夜中に延期変更の仕打ちを受ける

先日、amazonで小物を購入しまして。発送が追跡付きゆうメールになったんです。それ自体は別に何も問題ないんですけれども、配達予定日の夜になっても届かなかったんです。目安的なamazonの予定日ではなく、日本郵便の追跡で表示される方の。

その際、当該小物は出来れば届き次第すぐに使いたかったので、配送状況を都度確認していたのです。まず注文翌日の午後に発送。注文が午前だった事からするとこの時点で閉口ものではありますがそれはともかく。しばらくして郵便の追跡ページに反映され、翌日の未明には配達局まで到達し、配達予定日もその日の旨表示され、私はそれを見て当然その日に届くものと認識してそのつもりで待つ事にしたわけです。

出来れば午前に配達されると有難いのだけれど、と思って待っていると、昼になってもまだ来ません。午後の配達か、とため息をついてさらに待っても一向に来ない。結局、夜になっても届きません。しかし追跡を再確認しても配達予定日はその日のまま。

何だ事故でもあったのか、と流石に訝しみ、局に問い合わせてみようかと思って追跡ページを再確認してみると、いきなり表示が持ち出し中に変化。それがPM20時過ぎてからの話です。まさかこんな時間に配達する気か、と目を疑いました。まあでもそういう事もあるのかな、と気を取り直し、夕食を摂って再度確認して見ると、またステータスが変わって、保管になってしまったのです。同時に配達予定日が翌日に。この一連の変化は、ほんの十数分の間に起こりました。

まず唖然としました。それから事態を理解するにつれ、抑え難い怒りが沸いてきました。ふざけんなと。

ゆうメールの性質上、遅延はある程度想定されるところではありますが、問題はそんな事ではありません。その日の朝の内から延々と当日配達予定と表示して、受領の準備をさせておきながら配達せず、もう配達不可能な時間になってから持ち出し表示を出して混乱させた挙句、配達そのものを取りやめる。予定を通知しておきながら、何ら説明もなく反故にした事、またそのやり口が許せないのです。信じ難く、また到底許し難い所業という他ありません。配達が無理なのであればそんな予定を通知するなというのです。到着を待って在宅し続けた事で多少なりと損害も発生しています。経緯を鑑みれば、郵便局の担当に利用者を害する意図があるものとの疑念すら浮かび、改めて憤懣やる方なく思うのです。

ゆうメール、またそれを配送に用いている業者に関しては、二度と使わない、とまでは言いませんが、少なくとも信用する事は二度とないでしょうし、利用するとしても、数日程度の延着が何ら問題とならない、気にもならない場合に限定せざるを得ません。残念です。潰れてしまえ日本郵便。

2/01/2014

[pol] 橋下大阪市長が無駄に辞任

大阪の橋下市長が辞任されたんだそうで。理由は最大の目標であった大阪都構想について、市・府両議会各派の協力が得られず、その目指していた実現の期限未達が確実になったからだとか。

いやわけがわかりません。何故それで市長が辞任、しかも出直しで立候補するんでしょうか。市議会から不信任を出されたわけでもない以上、その義務はないし、再選されたとして、決定権は依然として議会側にあって、市長選を行う事はその協力の有無に何の影響も与えません。要するに全くの無意味と考えざるを得ないわけです。強いて言えば、ここ半年ほど完全に社会から失望され、その関心を失っていた氏に、一時的にせよ再び注目が集まる位の意味しかないのではないでしょうか。

それとも、大阪都の実現を諦めるにあたり、その信任を得たいという事なんでしょうか。それにしても、今となっては唯一最大の目標であった本政策を、それも議会は議論を継続する建前であるところ、自ら放り捨てるというのは流石に無理があるだろうわけで。

そして、市長選が無意味であれば、当然ながらそれにかかる数十億の費用もまた無駄という事になるわけで、氏がポリシーとして取り組んだ筈の財政面での無駄の削減、それに真っ向から矛盾する振る舞いともなってしまうわけです。裏切られたと感じる人も少なくないでしょうし、氏の政策で不利益を被った向きであれば怒りや恨みを抱きさえするでしょう。

と、かような批判が当然に浴びせられる事にも疑いの余地はないだろう意味不明な本件、維新の会内部の分裂と合わせ、いよいよ氏にまつわる一連の活動自体に終焉が近づいており、その断末魔が聞こえてきたという事なのでしょうか。そうであれば、地方からの改革活動に一定の期待を抱いた個人として、残念な思いを禁じ得ないのです。

橋下大阪市長が再選しても議論進展は疑問=他会派の協力不可欠

[biz gov] 五輪仕様の装飾入り特別ナンバー発行

東京五輪開催に合わせて、特別仕様の自動車用ナンバープレートが発行される見通しなんだとか。交付の際の代金に五輪向け寄付が上乗せされ、その分は期間中の交通網整備費用等に充てる事を検討しているんだそうで。

それ自体は別段問題も何もなく、結構な話なんじゃないかと思うんですけれども。気になるのはNシステム等のナンバー自動識別装置への影響ですね。報道記事にも記載されている通り、ナンバーにはこれまで特定の文字・記号以外は記載されない事が法定されているわけで、既存システムはすべからくそれを前提に構築されている筈なところ、今回の特別仕様で法改正までして導入される予定の"模様"がその計測部分に影響を与え、誤認識を引き起こす可能性は低くないと思われるわけです。サンプルを見る限りではナンバーの文字・数字ともろかぶりですし。

例えばNシステムなら照明に赤外線を使っている筈ですから、その帯域に応答しない塗料を使うとかすれば良いんでしょうけれども、それはそこそこ面倒な話ですし、果たしてそういう想定をした上での話なのかは疑わしい所です。認識方式自体をいじるのはとても大変でしょうし、ベンダー各社にとっては改修で仕事が増えて嬉しい話なのか、それとも対応困難で真っ青、な話になるのでしょうか。さてさて。

東京五輪応援ナンバー、来年中に…寄付金上乗せ