しばらくぶりにテレビ撤退の動きが。シャープが会社自体の危機で注目を集める中、余裕がありそうで実はあまりないだろう東芝が先んじて一抜けた宣言してきました。
まずは海外の不採算地域からの販売撤退、また生産拠点の統廃合、というか一ヶ所を除いて廃止し、しかるのちに本体から切り離して子会社に移管する計画だそうですが、これはまた絵に描いたような売却準備で。いや、自社の事業の事、何をどうやろうと企業の自由だし、外野としては分析の手間が省けて助かる位なんですけれども、もうちょっと慎みとか社員への配慮とか考えた方がいいんじゃないかと逆に心配な気もします。まあ、この暴走気味な感じがむしろ東芝らしい、と言えなくもなくもないですかね?
ただ、アプライアンスの一部門にする点は、そうすると確実に売却はし辛くなるわけで少し引っかかるところではあります。外部売却ではなく、他部門にリソースを分割吸収する形で完全に撤退清算してしまう腹づもりなのかもしれませんね。それは流石に勿体ない気もしますが。
ともあれ、実際問題として事業的に発展の余地が皆無に近い状況にあるところにこの方針決定とあっては、もう東芝のAV事業が終了に向かう事は間違いなさそうで、それなりに沢山いる筈のコアなユーザーの方々には心よりお悔やみ申し上げる次第です。しかし、テレビ製造業界自体の現状を改めて見ても、次のネタが4Kとか8Kとか、3Dよりもさらに需要がないだろう無駄仕様しか無いわけで、どうしたって終わってますし、これまでの投資額も他社程大きくなくまた基幹部品も作っておらず、従って撤退に伴う損失は小さく整理も容易な東芝が見切りを付けるのは、むしろ妥当な判断であろうかと。
それに、東芝のテレビ事業を振り返って見れば、シャープにしろソニーにしろ、それぞれコアな部分に強烈な強みを持つ競合と争う厳しい環境にあって、殆どソフト的なアセンブリの面だけでここまで売ったのだから、よく持った方だろうとも思います。お疲れ様でした。ってまだ完全に決まったわけではないし、そうなるとしてもすぐに終わるわけではありませんけれども。
まあ、そもそもテレビは東芝全体からすればおまけ的な位置づけの事業で、経営面に決定的な影響がある筈もなし、外野がそんなにシビアに捉える必要はないでしょう。それより中核事業である原発事業の方、最近は殆ど言及すらしませんが、どうするんでしょうか。そろそろ現実的かつ具体的な方針を伺いたいところですが、さて。
東芝、映像事業の再編発表 生産拠点集約、3000人規模に半減
東芝、映像と白物家電事業の統括子会社 13年度下期に設立
----追記
とかなんとか、もう本件は終わったかと思っていたらなんぞこれ。Cellレグザの2009~2012販売分一万台でアップデートに伴い画面が映らなくなる不具合とか。よりによってフラッグシップモデルで不具合を出して終わりというのは、如何にも後味悪いですね。
セルレグザ、映像映らない不具合 東芝の最上級テレビ