フタバ産業、中国での贈賄にて元幹部逮捕、と。
容疑者は寺田武久、元専務兼現地法人社長。同社広東工場に対する税関からの違反指摘に伴う罰金軽減を目的に地元政府幹部へ数十万の贈賄。正確な容疑は不正競争防止法違反という事ですが、また珍しい容疑ですね。国内の公務員相手だと贈賄罪そのものでの逮捕になるところですけれども、相手が他国の公務員につきそれは不可、ということでこうなったんでしょう。とても面倒だったでしょうに、愛知県警はよく頑張りました。余罪も数多くある見込みとの事で、一罰百戒、良い前例になるでしょうから、そちらの捜査立件にも期待したい所です。
しかしこれ、中国でのビジネス展開における賄賂というのは、長らく殆ど必須とすら言われ、今現在も当然の慣習とされている事は周知の通りなわけで、多くの企業、その現地法人の幹部は同容疑での検挙の恐れが急に高まって、今頃は一様に戦々恐々といったところなんじゃないでしょうか。自然、今後は同ポジション候補者のモチベーションも下がるでしょうし、副作用的に、最近の環境悪化を受けた中国撤退もしくは忌避の動きもますます進みそうです。もっとも、それは必ずしも悪い話ではない、というか本来歓迎すべき話とも言うべきところでしょう。違法行為が当たり前にまかり通ってきたこれまでが異常なのであって、それが是正されるという事なのですから。
いやそれにしてもフタバ産業、粉飾、不正融資、と来てさらにの本件、あまりに黒すぎでしょう。孫請け以下の末端での話ならまだしも、フタバ位に上流の、中核に近い位置づけの企業でこの有様というのでは、他のトヨタ傘下主要企業、ひいては本体へも懐疑の目を向けざるを得なくなるわけですけれども、大丈夫なんでしょうか。ってそんなわけないですよね。国内ですら談合はじめ違法行為も当たり前な業界なんですし。
フタバ産業の元専務逮捕 中国の地方政府幹部に賄賂の疑い