3/29/2013

[biz] NEC、PCに続き携帯もLenovoへ

正確にはNECカシオの譲渡という事で。それもまだ交渉中とのことではありますが、PCや液晶の例からすれば、こうして報道された時点でほぼ決まりなんでしょうか。一時は国内携帯市場で圧倒的に優位なポジションを誇り海外進出に野心も見せた栄華も既に遠く、ここ数年は国外はおろか国内で上位5社にすら漏れる衰退にあって、あえなく訪れた消滅、その有様の対照は改めて見てもあまりに激しく、盛者必衰の無常をまざまざと感じさせます。

もっとも、携帯で隆盛を誇ったと言ってもその期間はさほど長くもなく、またパナソニック等同程度の存在感ある競合も複数あって、あくまで携帯の発展普及期の一要素に過ぎなかった同事業ですから、分野そのものの象徴だった同社PC事業売却の際程には喪失感も強くはないかもしれませんけれども。それでもユーザ数は数千万にもなるし、デバイス自体が日常的に接するものですから、愛着を感じていた人も相当多数いて、その大半は、よりによって安かろう悪かろうの象徴たる中国企業に、と残念に思うことでしょうね。

同事業の今後については、PCの例に習えば直ちに消滅するわけではないでしょうけれども、それはPCではそれなりのシェアがあったからであって。Lenovoの通信デバイス事業は少なくとも国内向けは殆ど無に等しい状況ですからベースの部分としては残るでしょうけれども、相当の整理にかけられるだろう事は間違いなく思われるところです。PCの時もそうでしたけれども、社員の皆様方におかれましては語学にしろ転職にしろ、適宜次の生活の準備に努められるのがよろしいかと存じますが、いずれにせよ幸運をお祈り申し上げます。

あと、周辺技術の扱いも少し気になります。音声認識やらそれを使った翻訳とか、長年NECが優位を持った、しかし現状携帯周りにしか出口のないメディア技術とかも一緒に売られちゃうんでしょうか。まあ他社でもそれなりに開発されて来たし、今となっては特別価値のある技術というわけでもないんでしょうけれども。どちらにせよNECは結局それら技術を生かす事が出来なかったのは事実で、それをレノボが生かせるというなら悪いことでもないんでしょうしね。

しかし景気の悪い話ばかり続きますねえ。

NECが携帯事業再編で中国レノボと交渉 PCに続き事業統合か
NEC、レノボと携帯事業の統合交渉 

[過去記事 [biz] NECの事業売却が進行中、今度は液晶 ]
[過去記事 [biz] NECのPC事業譲渡成立 ]