まず楽天、実店舗販売の最後の聖域を奪うべくこの程進出した楽天マートなる生鮮品の通販サービスで、サービスエリアの拡大直後から広範囲かつ大規模に遅延不着を頻発させ、しかも問い合わせへも殆どまともに対応しなかったらしいということで、某価格比較サイトの口コミ掲示板がもうちょっと記憶にないほど怒りに溢れているそうで。ちょっと見てみたら冒頭から「最悪の楽天マート」とか言われちゃって。口コミサイトの情報は信憑性が不十分である事を念頭に置いて話半分としても阿鼻叫喚と言うべき惨状で、Koboの悪夢が記憶に新しいところ、同様にユーザ対応の面でセンシティブなサービスでの壊滅的な不手際、その無反省っぷりにはもう笑うしかないのであります。社内英語化の件も国内の本業が崩壊してちゃ本末転倒、とかって叩かれるんでしょうね。完全に自業自得ですけど。
一方のAmazon、何か一斉値上げがあったとかいう話が俄に流れてて、確認してみれば確かにちょっと通常の価格変動の幅を越えた値上げがちらほらと見受けられます。円安の影響では説明できない程の上がり方だし、範囲も個別品の需給の変化によるものとは思えない広さのようです。であれば何故なのか、興味をそそられますね。といって現時点では特に公式の情報はありませんから想像するしかないのですけれども、あえて穿った見方をしてみれば、例えば昨今の消費活動全般における変移すなわち実店舗のショールーム化などと言われる実店舗から通販への消費形態自体の遷移が進む中、最大手としてやり玉に挙げられつつあったAmazonが各方面からの批判や圧力を躱すために緊急避難的に価格の修正を行った可能性も考えられなくもないし、あるいは最近の急激な売上増加に伴って処理が追いつかずキャパ超えして設備増強まで流通量を削減する必要が出たために、流通コストの割に利幅の低い品目の販売を抑制し、それによる売上と流通コストの平準化を狙ったのでは、とか、色々と想像は膨らむわけです。どうなんでしょうね?
まあ楽天の方は素でやらかしただけ、Amazonは色々とその裏におそらくは合理的な意図があるだろう(しそもそも正当かつ通常の業務運営内の行為である)点で対照的ではありますが、いずれも通販形態の拡大に伴う現象、それも消費者側からすれば不利益になるものには違いなく、といって即新たな規制が必要というわけでもないでしょうけれども、あまり好き勝手無茶が過ぎるようだとそういう話にもなりかねないわけで、多少のひっかかりを感じないではいられません。一時的なものに止まる分には特段の問題はないんでしょうけれど、さて。