国外で作られた既存OSなのに国産ってのも変な話ですけど。
先般流れた中国の国産OSの件、実はUbuntuベース、っていうか要するにUbuntuの中華ローカライズ版でしたって話なんだそうで。具体的なバージョンはRaring Ringtailすなわち次期13.04ですね。13.04からはサポート期間が9ヶ月に短縮されちゃう筈ですけど、あくまでベースって建前だしそれはいいのか。しかしUbuntuは元から中国語にも対応してたんだし、それに少々のアプリやIMEを追加したりして多少アレンジする程度の話、これを国産OSとして発表しちゃう恥ずかしさ加減は中華らしいというか何というか。
もっとも、開発期間から考えれば、これかWebOSか、いずれにせよ外から丸ごと買ってくるしかありえないだろうと思われたところではありますし、組み合わせについても、WindowsにせよAndroidにせよiOSにせよ海外の企業にOSを握られ続けてきて、恣意的なコントロールが効かない状況を苦々しく思っていただろう中国政府と、最近携帯デバイス向けまでカバーしたはいいけれども全くユーザが集まらず、事態打開のためインパクトのある大口ユーザを欲していただろうUbuntu(Canonical)とで利害は概ね綺麗に一致していますから、中身自体にはむしろ自然な印象を受けますね。
ただ、ITと言えば何を措いてもまず監視やら統制やらから入る中国の事ですから、これでUbuntu向けに中国謹製のスパイウェアが増殖とか、さらに進んでUbuntu自体にデフォルトで監視機能混入とかいう話になると、っていうか多分になるんでしょうけれども、オープンソースだから適宜チェックも修正もなされるだろうとしても、それでもUbuntuユーザとしては警戒やら対応やら色々と面倒な作業を強いられて非常に迷惑な話になるだろう事も確実なわけで、Ubuntuのシェアが広まる事を歓迎したく思う部分とで挟まれて少々複雑な心境になるのも致し方のないところ。中国以外なら素直に喜べたんですけど。といって中国以外の大国が積極的に既存OSを捨てる判断なんかしそうにありませんし、なるようになれ、ですかね。
China chooses Ubuntu for a national reference OS coming in April