B-CASクラックの件、そのカードの書き換えに使われるからって汎用ICカードリーダライタの販売を中止する動きがあるんだとか。何という阿呆な話。現時点では何処まで本当かもわかりませんが、流石に総務省がそんな無茶な要請をするとは考えられませんから、事実であればB-CAS社かその関係者が個別に要請してるって話でしょうね。仮にそうだとして、元々の経緯からして、B-CASが勝手にカードの仕様にその規格を採用しただけで、機器自体はB-CASでの使用は意図されておらず、当然その他の様々な目的での利用者が多数いる汎用品であるわけで、そもそも一企業にその販売禁止を求める権利などあるはずもなく、要請する方には正気を疑わざるを得ませんし、その要請に応じる販売店もわけがわかりません。
さておき、只でさえ不足気味だったICカードリーダライタの流通は完全に止まり、オークションでの価格も大幅に上昇しているんだとか。私が使っている購入価格数百円のモデルが軒並み1万近くになってて呆れました。だからって業務に必要なものだし売るつもりもありませんけど、世の中には私同様電子署名用に利用中の人は多く、その中には今まさに必要な人も少なくないはずで、実際に業務が滞るなどして損害が出かねないわけなんですが、もし事実だとしたら本件の関係者は一体どう責任を取るつもりなんでしょう。なおB-CASカード非対応の非接触型なら流通していますが、電子署名用のカードにも接触専用のものが多いのだし何の意味もありません。実際私の手元にあるカードには接触専用のものもあり、これが使えないのでは業務が滞ります。
少なくとも、本件が事実であれば、社会の、人の被る不利益を一顧だにせず、身勝手な理由によって引き起こされた措置と言えるわけで、そうであればそれは暴挙と言う他無く、決して容認されるべきではありません。小売各社には流通の速やかな再開を強く願います。
・・・と言いつつ、そもそも正直眉唾な話だし、実は単なる一部小売店の広報時の不手際と、品不足に対する不満が、B-CAS周辺への憎悪と結びついて陰謀論的に成長したデマだった、的な話かもねと思うわけですけれども。流通側としても時価で捌く方が利益が大きいわけだし、多分に転売屋も絡んで、正規の流通量を絞って相場を釣り上げつつ在庫をオークション等へ流すために都合の良い建前として自然と広まった、とか普通にありそうです。さてさて。まあどっちにしても品不足は続くんでしょうし、さしあたってはその間、手元のリーダが壊れない事を願う次第です。値段10倍とか流石に勘弁して欲しいですからね。
[過去記事 [biz] 発行済B-CASカードの8割超がクラック]