おおう。あっさり倍増。14000人とかいう報道もあって、これまでの計画数15%でも相当な割合だったところ、3割超の削減とはまた空前の規模であります。当然、既に名前の上がっている鶴岡含め複数の国内工場閉鎖も避け難く、また希望退職も年齢職種共に限定とか言ってられないでしょうし、少なくとも国内に関しては中核たる開発の相当割合も含めて全面撤退の様相を呈して来た感がありますね。
ていうかそのための費用を用意出来るのかも怪しい規模だと思うんですが。少なくとも手持ちの資金では全く足りないはずだし、今のルネサスにこの規模の借金はまず無理、であれば資産売却と追加出資で賄う他はない筈なところ、只でさえ不採算間違いなしな国内工場の売却なんてそう一朝一夕に出来る話じゃない、というかそれなりの価格で引き受けてくれる所があるのかすら疑問だし、頼みの元親は余裕の無さから出資を渋ってるし。そもそもリストラのために出資を仰ぐってのも筋違いだし、無茶苦茶ですねもう。ともあれ費用の目処が立たない以上、現時点ではこのリストラ案自体絵に描いた餅と言わざるを得ないわけですが、どうすんでしょう。
ともかく、ルネサスが既に形振り構ってられないところまで追い詰められてる事だけは確かです。経営陣としては必死の努力なつもりなんでしょうけれど、残念ながらあまりに場当たり的なその対応ぶりは無能の所業と言う他なく、逆にこれを受けてステークホルダーの各位が見限る可能性も相当に高いだろうと思われるし、既に一気にさようならルネサスな展開に入ってしまったようにも見えて、まあそれはそれで比較的には悪くない流れなのかな、とげんなりしながら脱力する次第なのです。もうどうにでもなあれ。振り回される関係者、また社員の方々におかれましては、誠にご愁傷様であります。
[前記事 [biz] ルネサスが15%6000人リストラ]
ルネサス、鶴岡工場売却へ=1万人の人員削減計画
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その後の報道を見るに、成否はともかくとして複数工場の売却閉鎖は規定路線になった感じですね。鶴岡はほぼ確定、那珂はどうなるのか現時点では不明ですが、マイコン製造の相当割合を台湾へ委託する見込みに違いは無く、主力のSHシリーズ含めてマイコンの生産が不安定化するかもしれないわけで、保険であるところのセカンドソースの無い、すなわちまだARM系に移行仕切れてない所は対応が大変そうです。自動車のECUとか品質要求の厳しいカテゴリではそう簡単に移行出来ない事情もあるでしょうし。とはいえカスタム品から汎用品への移行の流れはもうずっと前から続いている話だし、大半の所には今更な話なんでしょうけど。図らずも先頃の震災でその流れが加速した面もあるように見えるし、これも一つの時代の終わりという事なんでしょうか。