5/31/2012

[IT biz] 信金ネット決済が障害でダウン

しばらくぶりに金融システムの不具合。よりによって月末に朝からほぼ一日中停止とか大惨事です。一応停止しているのは法人向けネット決済の部分のみという事で影響は限定的なんでしょうけれど、当該システムを利用している信金数は142と非常に多いらしいし、月末に決済出来なくなった影響が小さい筈もないわけで、直接被害を被る顧客は当然、その責任を負う142信金にはもうご愁傷様と言う他ありませんね。ベンダとその担当者は切腹ものです。信金の共同システムだとベンダはNTTデータ系?であれば実質的に富士通がまたやらかしたって話になるんでしょうか。だとしたら毎度の事とはいえげんなりです。

信金ネット決済でトラブル 法人向けサービス、利用停止

5/30/2012

[biz] オリンパスもリストラ、7%2500人

不祥事からこっち、法的にも財務的にも存続している事が不思議な位にボロボロだったオリンパスが今更リストラをするそうで。対象はカメラ等の不採算事業、要するに今後は医療機器事業に専念するという事ですね。

完全に地に落ちたオリンパスの今の信用力では、どうしたって現状の4%という超の付く低資本でやっていける筈もないし、現に併せて発表されたところによれば2017年までに30%に増資するという事ですから、既に名前の挙がっているソニーやパナソニック等、外部の大手電機グループの出資を受け入れてその傘下に入るのが規定路線で、今回のリストラはその下準備と捉えるべきところでしょうか。そうであれば同社製カメラのファンには残念な話なんでしょうけれども、致し方のない事かと。

というか、あれだけの事をしておいてのうのうと存続し、あまつさえ株式も公開され続けている現状が異常なのであって、反作用的にその報いを受けているだけの話であろうかと。社会的には非常に迷惑でもありますので、早急にカタを付けて頂きたいところです。ただ、日立や東芝等、元々医療機器事業に強いところならいざ知らず、事務用の機器やらを申し訳程度に出しているだけで素人同然のソニーやパナが買収するとなれば、それはもう殆ど業種変更にも等しい転換になるわけで、只でさえ両社とも苦境の真っ只中にある今、それを実行出来るだけの余力があるのかと言えば正直疑問も感じます。逆に、ジリ貧になるよりは、とか言って博打を打つ可能性もあるわけですけれども、さて。どうなろうとも、もはやオリンパスに同情の念を抱く事はないんでしょうけれどね。

オリンパス2500人削減 事業売却や工場統廃合も

[PC] クレバリー倒産

とうとう逝ってしまいましたか。ずいぶん昔からいつ倒産するかと心配され続けながら生き残っていたPCパーツ専門店の雄の倒産、首都圏中心にさぞ多くのファンが嘆いている事でしょう。先頃の店舗整理で風前の灯火である事は明らかだったし、遠からずこうなるだろう覚悟はしていましたけれども、やはり極めて残念な事です。

ここではバルク品を中心に様々なパーツを購入させて頂きましたけれども、とりわけキーボードの品揃えが豊富だった旧2号店にはとてもよくお世話になりました。ネオテック、User's Side、ぷらっとホームの3店と共に、日々の道具としての最適な相棒を求めて足繁く通い、多くの素晴らしいキーボードに出会えたあの頃は、今思えばとても幸福な日々でありました。当該店舗は既に店舗整理に伴い閉店していたとはいえ、その最後の一店が消えてしまう事には、寂しさを感じずにはいられません。後継が出てくる見込みもなく、改めて時代の流れの残酷さを噛み締める次第なのです。

クレバリーが業務を停止、近日中に破産手続きを開始

5/29/2012

[biz] パナソニックがまたリストラ、本体半減

大規模リストラの続く軽電業界ですが、ついにパナソニックが本体に手をつけるそうで。しかし半減とはまたなかなかに激しい話ですね。

対象の内、生産技術1000人と研究開発2000人はまあ元々現場に近い職種だから、それを担う子会社への転籍もまだ比較的容易でしょうし、年齢にもよりますけど希望退職にも応じ易いんでしょうけれども、事務系4000人はどうなんでしょう。事務系の人達は一般に希望退職には応じにくい種類の人達でしょうから、こちらは転籍が中心になるのか、といっても間接部門なんて普通は子会社側でこそ不要だと思うんですけど。それでも無理やり振り分けたりするんでしょうか。だとしたら押し付けられる子会社側には非常な迷惑なんでしょうし、玉突きを喰らう子会社社員の方々含め、ご愁傷さまです。

しかしそもそも本体を半減したとして、それにどれ程の意味があるのかもわからないあたり、時間と労力の無駄な気もしないでもないんですが、どうなんでしょう。売上を回復させるネタがなければ結局のところ遠からず破綻する他ない状況なわけで、組織を多少変えたからといってさほどの意味があるとは思えないんですけれどもね。それとも、中長期的な戦略とか云々してる余裕すらない、とにかく経費削減しないと即死しちゃうって事なんでしょうか。だとすると逆にもう手遅れな気もしますけれど、さて。

パナソニック、本社社員半減へ=数百人規模の早期退職も検討

[過去記事 [biz] Panasonicが国内1.4万人リストラ ]

[law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い

やっぱりか、という話で。河本準一以外にも同様の事例があるのだろうと思われていたところに、当然のように出て来たというだけの話なわけで、特に驚きがあるわけではありませんけれども。

本件の焦点は、梶原雄太が所有権登記名義人となっていたという母親住居の取扱いですが、月40万とされる高額な住宅ローンの支払い額が事実であれば、それは相当な高額賃料の見込める不動産資産であり、低賃料の住居へ転居し本物件を賃貸することでその賃料差額から優に生活保護費を超える収入が得られる見込みがある以上、生活保護法4条に定められた支給要件「その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用する」に違反し、従って不正利得にあたる事は間違いありません。

支給が不正利得にあたる以上、当然刑法上の詐欺容疑も強く疑われます。その場合、例えば住宅の高額性を隠蔽したり、雄太の支払い能力を小さく見せかけた等、欺惘の有無が成立を左右するわけですが、いくら役所側が怠慢になりがちといっても、申請者が高級住宅に居住している事を知りながら保護費を支給するのは不自然ですから、その種の欺惘行為があった可能性が相当に高く疑われるところです。従って、本件も河本の件同様、刑事事件相当につき、速やかに検挙されるべきものと思われます。立件には面倒もあるでしょうけれど。

しかしこう、複数の所属者が同様の生活保護詐取に手を染め、かつ吉本興業の当該容疑者とほぼ一体化した対応ぶりを見ると、吉本興業の組織的な関与、すなわち詐取のノウハウ伝授を中心とした教唆等の疑いも当然に強まるわけで。手続き的には一件ずつ地道に捜査して証拠固めをしていく他ないんでしょうけれど、おそらくはキリがないし、できる限り早い段階で吉本興業自体の捜査摘発に進んで頂きたい所ですね。

キンコン梶原も母が生活保護 昨年3月から140万円

[過去記事 [law] 吉本・河本準一の会見が終わって]
[過去記事 [law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取 ]

5/26/2012

[biz] ルネサスがリストラ数を1万人超に倍増

おおう。あっさり倍増。14000人とかいう報道もあって、これまでの計画数15%でも相当な割合だったところ、3割超の削減とはまた空前の規模であります。当然、既に名前の上がっている鶴岡含め複数の国内工場閉鎖も避け難く、また希望退職も年齢職種共に限定とか言ってられないでしょうし、少なくとも国内に関しては中核たる開発の相当割合も含めて全面撤退の様相を呈して来た感がありますね。

ていうかそのための費用を用意出来るのかも怪しい規模だと思うんですが。少なくとも手持ちの資金では全く足りないはずだし、今のルネサスにこの規模の借金はまず無理、であれば資産売却と追加出資で賄う他はない筈なところ、只でさえ不採算間違いなしな国内工場の売却なんてそう一朝一夕に出来る話じゃない、というかそれなりの価格で引き受けてくれる所があるのかすら疑問だし、頼みの元親は余裕の無さから出資を渋ってるし。そもそもリストラのために出資を仰ぐってのも筋違いだし、無茶苦茶ですねもう。ともあれ費用の目処が立たない以上、現時点ではこのリストラ案自体絵に描いた餅と言わざるを得ないわけですが、どうすんでしょう。

ともかく、ルネサスが既に形振り構ってられないところまで追い詰められてる事だけは確かです。経営陣としては必死の努力なつもりなんでしょうけれど、残念ながらあまりに場当たり的なその対応ぶりは無能の所業と言う他なく、逆にこれを受けてステークホルダーの各位が見限る可能性も相当に高いだろうと思われるし、既に一気にさようならルネサスな展開に入ってしまったようにも見えて、まあそれはそれで比較的には悪くない流れなのかな、とげんなりしながら脱力する次第なのです。もうどうにでもなあれ。振り回される関係者、また社員の方々におかれましては、誠にご愁傷様であります。

[前記事 [biz] ルネサスが15%6000人リストラ]

ルネサス、鶴岡工場売却へ=1万人の人員削減計画

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その後の報道を見るに、成否はともかくとして複数工場の売却閉鎖は規定路線になった感じですね。鶴岡はほぼ確定、那珂はどうなるのか現時点では不明ですが、マイコン製造の相当割合を台湾へ委託する見込みに違いは無く、主力のSHシリーズ含めてマイコンの生産が不安定化するかもしれないわけで、保険であるところのセカンドソースの無い、すなわちまだARM系に移行仕切れてない所は対応が大変そうです。自動車のECUとか品質要求の厳しいカテゴリではそう簡単に移行出来ない事情もあるでしょうし。とはいえカスタム品から汎用品への移行の流れはもうずっと前から続いている話だし、大半の所には今更な話なんでしょうけど。図らずも先頃の震災でその流れが加速した面もあるように見えるし、これも一つの時代の終わりという事なんでしょうか。

5/25/2012

[law] 吉本・河本準一の会見が終わって

大方の予想通り、涙で反省を装い、生活保護費の返還も口にしながら、不正受給は否認するという論理的に整合しない会見が終了。反省・謝罪以前に、吉本興業も含め当人達が、自らのした一連の行為の法的・社会的な意味の双方を未だに全く理解していない事が改めて確認されただけの、従って実質的に無意味で、極めてお粗末な茶番でありました。まあそもそも記者会見自体、法的には無意味な私的発表に過ぎないわけですけれども。ともあれ、詐欺容疑にかかる事実は十分確認されましたから、本件に関しては、あとは通常の司法手続きに則り、逮捕のち起訴し然るべき刑罰を適用、と淡々と処理を進めて終了となるべき話かと存じます。

一方で、行政と立法の各面においては、制度の修正、そのために必須たる法改正に向けてこれからが本番、関係者の健闘を心から願い申し上げる次第です。ていうか放置したりしないで下さいね。

[過去記事 [law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取 ]

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早くも同様の事例が明るみに。河本だけではないだろう事は吉本の態度を見れば明らかでしたけれども、酷いものです。
[関連記事 [law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い]

5/23/2012

[biz] ICカードリーダライタ販売停止の噂に

B-CASクラックの件、そのカードの書き換えに使われるからって汎用ICカードリーダライタの販売を中止する動きがあるんだとか。何という阿呆な話。現時点では何処まで本当かもわかりませんが、流石に総務省がそんな無茶な要請をするとは考えられませんから、事実であればB-CAS社かその関係者が個別に要請してるって話でしょうね。仮にそうだとして、元々の経緯からして、B-CASが勝手にカードの仕様にその規格を採用しただけで、機器自体はB-CASでの使用は意図されておらず、当然その他の様々な目的での利用者が多数いる汎用品であるわけで、そもそも一企業にその販売禁止を求める権利などあるはずもなく、要請する方には正気を疑わざるを得ませんし、その要請に応じる販売店もわけがわかりません。

さておき、只でさえ不足気味だったICカードリーダライタの流通は完全に止まり、オークションでの価格も大幅に上昇しているんだとか。私が使っている購入価格数百円のモデルが軒並み1万近くになってて呆れました。だからって業務に必要なものだし売るつもりもありませんけど、世の中には私同様電子署名用に利用中の人は多く、その中には今まさに必要な人も少なくないはずで、実際に業務が滞るなどして損害が出かねないわけなんですが、もし事実だとしたら本件の関係者は一体どう責任を取るつもりなんでしょう。なおB-CASカード非対応の非接触型なら流通していますが、電子署名用のカードにも接触専用のものが多いのだし何の意味もありません。実際私の手元にあるカードには接触専用のものもあり、これが使えないのでは業務が滞ります。

少なくとも、本件が事実であれば、社会の、人の被る不利益を一顧だにせず、身勝手な理由によって引き起こされた措置と言えるわけで、そうであればそれは暴挙と言う他無く、決して容認されるべきではありません。小売各社には流通の速やかな再開を強く願います。

・・・と言いつつ、そもそも正直眉唾な話だし、実は単なる一部小売店の広報時の不手際と、品不足に対する不満が、B-CAS周辺への憎悪と結びついて陰謀論的に成長したデマだった、的な話かもねと思うわけですけれども。流通側としても時価で捌く方が利益が大きいわけだし、多分に転売屋も絡んで、正規の流通量を絞って相場を釣り上げつつ在庫をオークション等へ流すために都合の良い建前として自然と広まった、とか普通にありそうです。さてさて。まあどっちにしても品不足は続くんでしょうし、さしあたってはその間、手元のリーダが壊れない事を願う次第です。値段10倍とか流石に勘弁して欲しいですからね。

[過去記事 [biz] 発行済B-CASカードの8割超がクラック]

[biz] iPadバカ売れとノートPCメーカーの斜陽

先ごろNPDから公表された2012Q1のポータブルコンピュータ販売台数のメーカー/セグメント別の台数を見てみたら驚きました。iPadは1360万台と、これだけでメーカー別では2位HPの約900万台を大きく引き離すぶっちぎりの首位。Apple全体ではmacbook等ノートPCも合わせて1720万台とさらに上積みされるわけですが、やはりiPadの圧倒的な販売台数が際立ちます。凄いですねえ。一部で懸念された発熱の高さなど、Retinaディスプレイの魅力の前にはそよ風に過ぎなかったと言うことで。

その圧倒的な需要は概ねノートPCから流れたものだろうし、HPやらDELLやらのノートPCメーカーが揃って不振に陥るのもむべなるかな。NPDのランキングではApple>>>>>HP>Acer>Lenovo>DELL>Asusと敗者が列をなし、さらに販売台数が一桁小さい日本国内のメーカーは話題にすら上らない有様であります。一応Toshibaあたりもタブレット機をリリースしたりしてたんですけど。

タブレット内に限ってもAppleがその2/3を占めるのに対し、2位Samsungが模倣品による160万台でわずかに存在を主張する他は軒並み100万台にも満たず、期待を集めたAmazonのKindle Fireも90万台、日本メーカー全社はその他大勢460万台の中に埋没し、iPadにあらずんばTabletにあらず、な現状が如実に現れていますね。

いやはや。改めて見ても衝撃的です。私も一個人消費者として、iPadとその他のタブレット類では比較にならないほどの魅力の差があると感じるし、カテゴリ内でのシェアは当然の結果だろうとは思います。ただ、タブレットは元々その用途等の位置づけが曖昧で、メリットはあるけれどもデメリットもあり、それなりに人を選ぶだろうというような懐疑的な見方も強かったわけで、Appleの傑出したブランド力、iPhoneとの相乗効果等の特異な要因があったとは言え、その一種であるところのiPadが、ノートPCも含めたポータブルデバイス全体の中でここまで圧倒的な存在になろうとは、正直予想していませんでした。大方が予想していたのは、今のデータから丁度iPadだけを除いた状況に近かったんではないでしょうか。

あえて陳腐な表現をすれば、iPadが売れているのであって、必ずしもタブレットという形態が受け入れられたとは言えないかもしれない、という微妙な状況にあるようにも見えるわけです。こういう状況は過渡期にはしばしば見られるもので、一般にはそう長く続かず、BlackberryやiPhoneのように、一定の成熟の後には急速にそのものがフェードアウトするか、逆に形態自体が受け入れられて広く普及するかのいずれかに収斂するわけですが、さてiPadの場合はどちらになるか。まだその行方は判然としないようにも見えて、それだけに興味深く思われるところなのであります。さしあたってはノートPC等にも波及するだろう画面の高解像度化、それが具体的にどのような変化をもたらすのか、その辺に注目すべきでしょうか。あともちろんiPadの次期売上すなわち新型需要が一巡して熱が冷めた後の販売台数の推移にも。いずれにせよPCメーカーが復権する可能性は見出し難く、国内メーカーの出る幕はさらになさそうで、それは少し残念ではあるのですけれども。

NPD Q1 2012: Apple still king of the mobile computing hill thanks to iPad

[過去記事 [IT] The new iPadが爆熱とか ] 
[過去記事 [IT] iPadのRetina採用に歓喜 ]

5/22/2012

[note] BSKBU03BK購入

再びキーボードの話。今回は珍しくその辺の電器店でも売っている安価な有線キーボードですが、ふと立ち寄った店頭で何気なく触ってみたら殊の外感触が良かったため購入と相成ったわけです。メーカーはBuffalo。ここは稀にOEM等で悪くないキーボードを出すんですよね。

ともあれ早速開封してPCに繋ぎ、改めて触ってみれば、剛性が高くないためにタッチ時における筐体の安定性には若干難があり、また既知の不具合としてスペースキーの押下場所によって応答にばらつきが見られる欠点もあるものの、一昔前のHPやDELL等のビジネスノートを彷彿とさせるマットなキートップとタッチの感触はやはり良質、千円台の価格を鑑みるまでもなく、今時の一般向けキーボードとしては珍しい程に悪くない一品でありました。

ちなみに本機は右Ctrlキーが無く、これは一般的には致命的な欠点になるでしょうけれども、そこはメニューキーをCtrlに割り当てて解決したので問題無し。あえて言えばテンキー部分は不要ですが、とりわけ邪魔というほどでもなし、アイソレーション型を中心にした見た目の奇抜さを重視する流れに押されて姿を消しつつあるOld-fashionedなパンタグラフキーボードの末裔として、末永く生産・販売される事を願う次第です。難しい事は承知してますけれども、そこをなんとか。

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嬉々として使うこと数日、早くも劣化の兆しが。具体的には、Tabキーが入力の度にキュコキュコと異音を立てるようになったんですね。発泡スチロールを引っ掻いたりした時のような音で、極めて不快です。とりあえず掃除してフッ素系の潤滑剤を吹いてみたら治まりましたが、さて。

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スペースキーの入力不良がどうにも我慢できなくなってきたので仕方なく対策を試みてみました。とりあえずキーを外してみると、中にはラバードーム無しのパンタグラフが二つあって、その間にラバードームを被せられたスイッチが配置される変則的な構造。これを見て、押下位置や押し込み具合によってラバードームが十分押されない場合がある事が入力漏れの原因と推測し、であればラバードームがもう少し深く押し込まれるように調整すればよいかも、という事で、下図下のようにスペースキーの裏側中央部にテープを貼ってみたところ、大幅に改善したのでしばらくこれで様子を見ることに。やってみるもんですねえ。





[biz] ルネサスが15%6000人リストラ

誰もが予想したエルピーダに続く本命、ルネサスがようやく縮小整理に着手したそうで。一応通常の退職者と新規採用減も合わせての数字、として首切りは少なめな風を装ってはいますが、それで確保出来る人数は高々数百人に過ぎないのだから単なる目くらまし的なレトリックである事は明白、大半は首切りって話ですね。そしてその方法は必然的に希望退職募集となるわけですが、さしあたってはその年齢設定が気になるところです。今回の15%は相当な数字で、通常よくある40~45歳以上の募集で達成出来るか微妙でしょうから。

しかしいずれにせよ、その行き着く先に破綻しか見えない事には変わりありませんけれども。開発部門の人員比率の高いルネサスで、予想通り退職者の大半を希望退職で確保するのであれば、必然的に技術者中心、それも能力の高い社員から10%以上も抜ける事になるわけで、それではもう事業自体が回らないでしょうから。支援表明したかつての母体3社の一角NECも似たような状況ですし、死なばもろとも的な絶望感が漂います。生命線は堅調な三菱電機と日立の支援、回復成長の見込みが無い以上両社とも手を切りたくて仕方ないんでしょうけれども、さて何処まで付き合うか。延命措置はもう十分過ぎるほどされた筈ですし、常識的には速やかに整理されて然るべきところ、本件もその一環という位置づけで見るのが相当なのかもしれませんね。

半導体ルネサス、6千人削減…財務基盤も強化

ところで、先日アナウンスされていた富士通、パナソニック両社とのLSI関連事業統合の件はどうなったんでしょう。一旦白紙に戻すのか、それとも本件の一環と位置づけて進めるのか。そのうちわかる話なんでしょうし、どちらにしても不採算事業につきリストラは不可避なものと思われますけれども、関係者はさぞかし気を揉んでいることでしょうね。

[過去記事 [biz] ルネサス,富士通セミ,Panaがロジック統合交渉]

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そして数日後、あっさり1万人超に倍増。3割削減って、もうわけがわかりません。
[関連記事 [biz] ルネサスがリストラ数を1万人超に倍増]

5/19/2012

[biz] 発行済B-CASカードの8割超がクラック

数日前からそこかしこで目に留まる本件、私はテレビ自体見ないので他人事ではあるのですけれども、そろそろB-CASも終わりらしいという事で、簡単に現況確認がてらさらってみました。

状況をまとめると、B-CASカードの大半を占める東芝製とパナソニック製の大部分、現行も含め既発行のB-CASカードのうち実に8割の型番に対し、内部のチップが特定されると共にファームの書き換えコマンドも発見され、ほぼ同時に本コマンドにより見放題の試用期間を大幅に延長して書き換えるアプリが作成されて出回っている、んだそうで。汎用のICカードリーダライタで繋いでコマンド一発。

あーうん。もう駄目ですね。ハッカーさん達の完勝です。上記のコマンド等が発行後のメンテ用等意図的に用意された裏モード的なものなのか、単なる設計ミスによるものなのかはわかりませんけれども、いずれにしろ登録情報の無制限な書換が可能になった時点でアップデート等のソフト的な対応は無意味だし、カードを設計変更の上再発行して交換するか、といっても登録制じゃないしそんな事は不可能なわけですけれども、であればB-CASカードによる全視聴管理自体を諦める他ないものと思われるところで、発行母体のB-CAS(株)はじめ、放送会社や機器メーカーの各位におかれましてはご愁傷様です。

まあでも、仮に廃止になったとしても、ユーザーや業界としてはアナログ時代の仕組みに戻るだけだし、そもそもB-CAS自体導入してるのは日本だけだったところ、それが撤廃されたところで世界標準に合わせる結果になるわけだしで、悪い話でもない、どころか社会的にはむしろ良い事だろうと思うんですけどね。B-CAS(株)が潰れて困る人なんて外部にはいないし。ただ、今現在既に需要減で瀕死なメーカーについては、海外組参入によるシェア低下と、B-CAS廃止すなわちコンテンツの私的視聴・利用の自由化による需要増との間での振れ具合、その見極めが難しいって位でしょうか。 もちろん一ユーザとしては歓迎しますよええ。放送は見ませんけどね。

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本件でビジネスモデルが基礎から崩壊したスカパーが悲痛なコメント。本件を用いた有料放送の無断視聴は違法行為につき判明したら告訴するという脅しで強面を装いつつ、具体的な手段は当然ながら何もなく、何とかしろB-CAS(株)と喚いているだけの話で、歯ぎしりの音が聞こえてくるようです。これを受けて今頃はB-CAS(株)とその下請メーカー間及び各社の内部で言い訳を飛び交わせつつ互いに責任を押し付け合っているだろう事は想像に難くありませんが、方式の仕組みの中に無断視聴を確認する手段が存在しない以上全て無駄なわけで、さてどれくらいで諦めるかな。

B-CAS カードに関わる一部報道等に関して

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そうこうしてるうちに早くもsoftCASなるB-CASカードのエミュレータまで出来ちゃったんだとか。頑張りますねえ。違法視聴の幇助とかで告訴されてもおかしくないと思うんですが大丈夫なんでしょうか。まあ仮に検挙されたとしても、これだけ完全なエミュレータがソースも含めて出ちゃった以上はどうにもなりませんけどね。覆水盆に返らずです。

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なんか明後日な方向の話も。
[関連記事 [biz] ICカードリーダライタ販売停止の噂に ]

5/18/2012

[biz] HPが8%程度のリストラ計画中

実に3万以上、主にHP Servicesを中心にしたサービス事業から、特に高給の中堅からベテランの社員を削減するんだとか。背景には折からの業績不振、それに伴い同業他社と同様に進めている海外への機能移管があるわけですけれども、プロダクト部門、また生産部門が基本対象外というのは珍しくも不思議に思われるところです。既に移管・売却済で削減余地が少ないという事なのか。

といってSEが非常に人余りな状態なのはHPも例外ではないだろうし、少し前に撤退したばかりのタブレット事業をまたぞろ復活させるだとかいう噂もあるしで、案外本気でプロダクトへのフォーカスを強めるつもりなのかもしれません。でも仮にそうだとしても、出てくるだろうのは多分に従来同様のサービス抜きの汎用ハードって事になるんでしょうし、その種のプロダクトに再参入の余地というか意味があるのかは疑わしいわけですけれども。HPにそういう周囲のネガティブな期待を裏切るだけの能力が残されているのかもわかりませんが、期待しないで待つとしましょうか。

Hewlett-Packard to Cut About 30,000 Jobs

HP's Layoffs Will Squash This Important Business Unit, Employees Warn

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もうちょっと詳しい事情が記載された続報。 対象はアウトソーシング部門が中心で、当該部門のリストラは今回に限った話ではなく、以前から続いていたんだとか。そもそもサービス事業は外様だったからという事情も大きいそうで、だとすると切りやすい所を切ってるだけの安直な話なのかな、とますます期待出来ない感じで。

HP Employees Paint A Scary Picture Of One Of HP's Biggest Business Units

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決算とともに公式発表、27000人で確定。Cloud、business analysisに注力ですか。うーん。取って付けたようなおざなり感ありありですね。何処まで本気なのやら。
 As Computing Changes, H.P. Struggles to Follow


5/17/2012

[biz] ギリシャに続きスペインでも預金流出中

だとか。5月前半、ギリシャを中心にした政権交代による金融破綻処理の行き詰まり、またギリシャのユーロ離脱可能性が高まった旨の観測を受けて、毀損が懸念される関連債権への露出が大きい各国銀行からの預金引き出しの動きが続いている、というお話。いずれも引き出された預金の額は1000億程度という事で、まだ取り付け騒ぎとまでは行きませんが、それでも当該銀行の一つ、スペインのBankiaでは株価が20%超の下落となったりして、割とシャレにならなくなってきているようで。ギリシャは言うに及ばず、イタリアとスペインあたりは再び地獄へ真っ逆さま、気が付けば欧州崩壊第二幕といった様相を呈しつつあるようにも見えます。

まあ原因も経緯も完全に自業自得だし、日本としては米国はそれなりに堅調だから別にどうなろうと構わない、というか手も足も出したくても出ないわけなんですけれども、バブル崩壊後の日本とうり二つな有様を見るのは気分が悪い事この上ないし、早急にケリをつけて頂きたいところですね。

Shares Of Spanish Bank Bankia Plunge 20% After Report Of $1.3 Billion In Withdrawals In One Week

[law] 吉本所属・河本準一母親の生活保護詐取

巷では国会議員まで巻き込みつつ長らく激しいバッシングが続き、事実確認を求める声も強く上がっていた本件、ようやく吉本興業の公式リリースも出て事実関係が公式に認められたとのことで。その内容は、河本準一の岡山在住の母親が、今年の4月まで少なくとも7年以上の長期に渡り、その期間中の大半で河本準一から十分な扶助を受ける事が可能だったにも関わらず、地元自治体経由で生活保護を受給し続けていた、というもの。要するに結局のところ疑惑はほぼ完全に事実だったという事ですね。

吉本興業はお粗末な詭弁を弄して正当化しようとしている様子ですが、上記の事実がある時点で母親には不正受給が認められる事は勿論、自治体に対する詐欺にあたる事も明らかで、かつ周知の事実であるところの両名間の関係の密接さからすれば、河本準一についても共同正犯が成立する事案であろうかと思われます。その辺の立証は面倒でしょうけれども、非常に悪質ですし一罰百戒の意味でも速やかに検挙される事が望ましいですね。

吉本興業については、本件に関して使用者責任はなさそうですけれども、被疑者を擁護し、逆に社会を非難している以上、反射的に被疑者と同一視され、同様の非難を受ける事は避けられないでしょう。元来興業屋というのはその成り立ち、事業構造からして暴力団等と切っても切れない関係があるものであって、昨今の社会における暴力団排除の流れからすればそれ自体が排除されるべきものなところ、本件はその一端が現れたものと見ることも出来そうです。本件のコメントを見ても、また未だに燻る島田紳助の件とも併せて考えれば、やはり本質的に反社会性を帯びた組織である事は否めないように見えるわけで、そうである以上は社会的に広範な非難を浴び、排除を受けるのも必然的な話なんでしょうね。

ただ、一私企業、その社員の犯罪に、国会議員が国政そっちのけで突っ込むというのには多少の違和感も無いではありません。生活保護の不正受給一般で言えば、大阪を中心にもはや看過し難い程に常態化している現実があって、むしろ本件を端緒として、広範な不正摘発と共にその抜本的な制度修正を進めるべきだろうと思われますし、そこまで進めるつもりならば国会議員が先頭に立っているのは好ましい事でしょうけれども。それには相当な労力と時間が必要であろうところ、世間も議員もその意識と活動を持続出来るかどうか。ある程度懐疑的にならざるを得ないのもまた現実なんでしょうし、可能性は無いでは無い、といったところでしょうか。うーん。理想を言えば現金支給の廃止、住居関連も含め現物支給への移行等の全面修正を望むところですが、流石に困難でしょうし、少なくとも不正支給の予防を強化する法改正位までは辿り着いて頂きたいですね。

◆河本準一に関する一部報道について 

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早くも同様の事例が明るみに。河本だけではないだろう事は吉本の態度を見れば容易に推測出来たところでしたけれども、酷いものです。
[関連記事 [law] 吉本・梶原雄太母も生活保護詐取疑い]

5/15/2012

[IT] LenovoがThinkpadキーボードを全面変更

Thinkpadの新モデルが発表されたという事で見てみたら大惨事。X,T,W,Lも含めThinkpadの全シリーズのキーボードが廉価シリーズで採用していたアイソレーションタイプに変更統一され、これまでのいわゆるThinkpadkeyboardが一気に廃盤になってしまったんだとか。これでThinkpadとは名ばかり、ありふれた廉価PCの単なるカラー違いに成り下がってしまったわけで、実質的に生産終了ですね。さようならThinkpad。

PC業界におけるコストダウンの権化、安かろう悪かろうの象徴であるレノボに買収された時点で、いつかはこうなる事は明白だったし、実際モデルチェンジ毎に明らさまにチープな作りになっていっていたとはいえ、他を以って代えがたいキーボードのシリーズが完全に失われてしまうのは極めて残念無念な限りです。泣きたい。

Lenovo refreshes its ThinkPad T, W, L and X lines with Ivy Bridge processors, slightly retooled keyboards

5/14/2012

[biz law] NHKが受信契約を捏造し料金詐取

まあうん、そういう事もありうるだろうなと思ってましたよええ。プロパーなら契約獲得数によらず給与が支払われるからこういう事はまず起こらないけれども、委託だと歩合制でしょうから、ノルマに追われて、って話ですね。沈静化していたNHKへのバッシングが再び燃え上がるだろう事も必死です。

もっとも本件は新聞はじめ他の業種でも起こりうる架空契約による詐取であってNHKに特有の話ではないし、営業員個人の犯罪としての面もそれなりにありますから、NHKは尻尾切りで責任を回避しようとするんでしょうけど。しかし少なくとも間接的な責任はあるし、そもそも視聴契約と視聴可能性との間でシステム的な同期が取れないところに根本的な原因たる欠陥がある事は明白、それは長く指摘され続けて来たにも関わらず修正を怠ったNHKの組織的責任は重いと言わざるを得ません。

要するに、NHKを見ない多くの人が要望する通り、CS等と同様に放送データに原則スクランブルをかけ、契約者にのみ解除キーを配布し視聴を許可するシステムに移行すれば契約と視聴可能性との間で同期が取れてすっきりするし、そうであれば本件のような事はそもそも起こり得なかったって話です。今進んでる訴訟の中で導入を促す判断とか出ないものかな。難しいだろうとは思いますけど、率直に言って現行のしくみは社会的に適合していないし、無用の弊害が大きすぎると思うのですよ。今更な話ですけど。

NHK委託会社の社員、受信契約書を偽造

5/13/2012

[biz] IBMの報酬制ダイエットシステム

何かと思って見てみたら、要するに食事のメニュー選択時とかダイエットに影響を与える選択の際に、望ましい選択をする度に金銭等の報酬を与える事でダイエットを促進するって話だそうで、特許も取ってるんだとか。うーん。

率直に言って極めて陳腐な仕組みで、特許性のかけらも感じられません。まあ米国特許のザルさ加減は健在という事でしょうか。しかしそれでも天下のIBMが得意気に出し、メジャーなメディアが冗談まじりながらもある程度真面目に取り上げているのは事実なわけで、逆に言えばそれだけ米国では肥満問題が切実って事なんでしょうね。

しかし、そういうニーズの高さが殆ど藁にもすがる位に切実だとしても、本システムは文字通りの藁にしかならない程度のものらしいのがアレです。特に、肝心のユーザの選択が実際になされたかどうかをシステム側で把握する事が事実上不可能につき自己申告に任せる他は無い、というのは、既にシステムの体を成していないように思われてなりません。下記記事でもしつこく言及されているように、ユーザの生活をほぼ完全にトラッキングする事になるから、プライバシーの問題も深刻でしょうし。要するに商品には到底なりそうもないわけで。開発者自身は18ポンド痩せたよ、とか言って笑ってるようですが、一応遊びじゃない筈だし、IBMってそういうノリが通る所だっけ、と困惑を覚える次第です。

といって本件に限れば、IBMにもそういうおおらかな人がまだ僅かながら残ってるってだけで、ネタの提供ご苦労様です、とほのぼのすれば済む話かもしれません。ただ、こういうアレな話というのは、本件のIBMに限った話では全くなく、むしろ業界全体に共通する傾向に感じられるわけで。国内の大手メーカーのプレスリリースでも、このところよく似たような印象を受けるんですよね。

本件含めそういう微妙な新技術というのは、ほぼ全てネット、特にソーシャル上の話です。スマホを使うサービスですね。その潜在的な可能性の高さからすれば、急速に普及したソーシャル的なプラットフォームをSNS以外の新しいビジネス・サービスに転用したいと思うのは自然な事だし、ライトなものが逆に受け入れられやすい事が多いのも事実で、従って陳腐かつシンプルな仕組みを再発明というか単に流用した、的なものが一通り出尽くすまでは多々発生する、そのあたりの流れ自体は理解出来るところでしょう。

ただ、アクション毎に動く人も資金も大きく、とりわけ新製品、新サービスの投入にあたり、そのコストに釣り合う程度にはリスクもリターンも計算して動くべき筈の組織が、こぞって後先考えないとしか見えないアレさ加減のものを泡沫の如く出してはあっという間に消えを繰り返すというのは、流石にそれは企業活動として違和感を覚えざるを得ません。エンジニア一人当たり年2000万とか小さくないコストをかけて、ヨタ話を流して終わり、では単純に事業として成立しないって話です。浪費出来る位、金や人に余裕があるっていうならいいんですが、そんなわけはないんですし。

単に後先考えて開発出来る人が減ったのか。エンジニアが年を取って時代に付いていけなくなったのか。それとも逆に時代に適応し過ぎて、エンジニアリングを進める動機を失ってしまったのか。考えたところで詮無い事ですが、あらためてこのところの残念な傾向、すなわち技術革新における質の急速な低下、それを再認識させる本件でした。

Dieting for Dollars (or Maybe a Movie Ticket)

5/07/2012

[biz law] SNS課金の違法化開始

まだ公式ではないものの、元々大方から規制が早晩入るだろうと見られていたところにすんなりハマり、あっという間に確定扱いとなったガチャ課金違法化。色々と法整備が不十分で摘発にも面倒がつきまとうところ、予想より若干早く切り込んできたように思います。

今回の容疑は、ガチャによって得られる画像データの内、特定の組み合わせを揃える事により特殊画像データが得られるサービス、いわゆるコンプガチャに対し、それを懸賞と認定した上で、それを制限する、公正取引委員会告示「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」第5項「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。」、いわゆる絵合わせの禁止、に違反したものとされています。

上記告示中にある懸賞の定義に照らせば、ガチャが懸賞にあたる事は間違いないし、コンプガチャが上記容疑に該当する事にも異論の余地無きに等しく、もはやコンプガチャは速やかに廃止となる以外にないでしょう。その他のガチャは対象外ではあるものの、コンプガチャとそこでしか得られないレアカードがガチャ課金における射倖性の中核的な源泉である事は以前から指摘されていましたし、その全面禁止による効果の高さにも疑いの余地はありません。

すなわち今回の容疑構成は、初手らしく手堅いものでありながら極めて効果的、ほぼ理想的なものと言えそうです。市場の受け止め方を見てもその効果は鮮明ですし、消費者庁の面目躍如ですかね。もっともまだ着手したばかり、公式にすらなっていないのだし、一般の課金についても既存の他業種と同程度には合理的な規制がかけられる必要もあるでしょうから、まだまだこれからが本番、行政、立法共に関係者の健闘を願う所です。ただ、本件の入り方の絶妙さ加減からすれば、その後の話も大分上手く回りそうにも思われますし、非常に好ましく思われるところですね。

「コンプガチャ」違法判断、ゲーム各社の収益に影響も DeNAやグリー、利用伸ばす
コンプガチャ、景表法抵触の可能性 消費者庁

[過去記事 [biz law] SNS課金の反社会性と規制の流れ]

5/02/2012

[biz] 米IBMの高齢社員向け早期退職プラン

が酷すぎると聞いて。

下記記事によれば、対象者は在籍30年以上、55歳以上で在籍15年以上、60歳以上で残り1~5年のいずれかに該当するベテラン社員で、 条件は退職期限2013年末、それまでは労働時間が現在比60%、給与同70%と大幅に削減される、ただし年金その他の福利厚生は予定通り、というもの。そしてこれだけの悪条件と引換にした対象者へのメリットは、2013年末までの雇用保証すなわち、それまでに実施されるリストラで対象外になる事が保証される、というだけなのだとか。

要するに、今すぐ首になるか、社内リストラ状態であと1年余り働いた後で辞めるか、どちらか選べというわけですね。確かに日本ではまず違法になる程度には酷い話です。ていうか米でも訴訟になるだろこれ。一応その通達の文面では社員の第二の人生を支援する、とかいう建前を取り繕っているようですが、IBMがまさに今進めている所のインド等海外への諸機能の大幅な移管集約、それに伴うリストラである事は明白、余りに白々しすぎて何をか言わんやです。

とはいえ、日本でもメーカー中心に似たような話は多々起こっているんでしょうし、結果として行き着く所は同じ、実質解雇である以上、先般のシャープのように嫌がらせ人事で追い込んだりするよりは、本件のように全社的にオープンかつストレートな形で進める方がプロセスとしてはマシになるのかもしれません。世知辛いですねえ。

IBM's Offer To Older Workers: Either Take A Pay Cut, Or Risk Being Canned