2/27/2012

[biz] エルピーダ倒産

遂に、です。正確には更生法申請を決めたって話ですけれども。先日の減資やらの方針発表から実質わずか数日での方針転換ですが、あの時点で既に終わっていた感がありましたし、要するにもう先が無いものという事で引導が渡されてしまったんでしょうね。ここ一年あまりの断末魔的な状況もこれで本当に終わりと言う事で、まあともかくもお疲れさまでした。債権者の各位はまさにこれから大変なんでしょうけど。

今後については、曲がりなりにも大手の一角ではあるし、DRAM生産を手がける国内唯一のメーカーという事で、政治も絡んで色々と綱引きが始まるんでしょうし、現時点ではあまり明確な事はわかりません。ただ、事業そのものが超の付く不採算である事と、何より今回の事態に至った根本原因であるところの将来性の無さも相俟って、再建の可能性はほとんど見出し難いところですから、更生と言いつつ実質的に近接業他社等へ資産を切り売りして整理され、そのままフェードアウトになる可能性はそれなりに高そうに思われますし、やはり国内における事業分野自体の一つの終わりと捉えて然るべきものなのかなと思う次第です。

仮にそのまま消えても、山ほど後ろに続く所があるわけですし、すぐに埋もれ、忘れられてしまうんでしょうけどね。ともあれ、さようならです。

エルピーダ、会社更生法の適用申請へ

[過去記事 [biz] エルピーダが資本の2/3、1500億減資 ]
[過去記事 [biz] エルピーダが死亡 ]
[過去記事 [biz] エルピーダが地味に死亡寸前 ]

2/25/2012

[note] 中国で偽iPhone摘発 ※調理機能付

Apple社製品の商標権を巡って割とシリアスな係争の続く中国ですが、武漢で偽iPhoneが摘発されたと聞いて見た写真に写るのはどう見てもガスコンロ。製造業者はApple Limited、ご丁寧にリンゴマークも付いてて、もう何がなんだかわけがわかりません。Engadgetがここぞとばかりに挙げたジョーク一色の素晴らしい記事に大爆笑であります。オークションとかで釣りに使うには最適なんじゃないでしょうか。公の場には出せないでしょうけどね。


There's literally no app for this: KIRF iPhone-branded gas stoves seized by Chinese authorities

2/23/2012

[law] 光市事件最高裁判決反対意見に

死刑判決に付いた異例の反対意見という事で、一応目を通してみたわけですけれども。要するに被告の精神的未熟性について審理不十分として差し戻しを主張しているんですが、無理やりにも程があると思うのですよ。無論、極刑たる死刑を適用するにあたっては、およそ考えうる限り関係する全ての事情、殊に阻却事由については事実の調査と併せ審理を尽くす必要がある、それは当然の事です。しかし、反対意見にあるような事実についてはむしろ執拗とも言える程審理されていたし、自然、量刑判断に際しても最初から主たる要素の一つであったわけでね。仮にも最高裁判事がそのような基本的な部分で審理状況を誤認した筈はないし、判事の恣意的、個人的な意図によって発したものと疑わざるを得ないところです。

率直に言えば、死刑廃止論者が、事実関係如何によらず死刑回避を指向するが故に、おそらくは自身でも不合理と知りつつあえて死刑判決を破棄する理由をでっち上げたようにしか見えないわけで。もし真実そうであるならば、それは到底容認し難い話で、そのような恣意的で卑劣な振る舞いを憚らないような人物は法の代行者たる判事として甚だ不適格と言わざるを得ません。

死刑を巡って緒論対立がある事は当然、反対論者には信条として譲歩し難い部分があるのもごく自然な事ではあるでしょうが、それでもそれを云々すべきは司法の場ではなく立法の場であり、少なくとも個人的な主義主張の発露としての偏りある行為が容認される範囲に限られる筈です。死刑廃止論が現実的に少数意見であるが故に、それら本来の場で意志が実現出来ず疎外される事情はあるのでしょうが、だからと言って司法の場にその偏った判断を持ち込むなど論外、職権の濫用も甚だしく、当該判事は不信任相当と判断せざるを得ない、とそのように思う次第です。しかし信任投票はまだ大分先の話だし、まず不信任にはならないだろうしで、無念であります。もっとも、本件に関しては私の誤解かもしれないし、そうであれば気にする必要も無いんですけど。

[biz] エルピーダが資本の2/3、1500億減資

既に事実上死亡確定済なエルピーダですけれども、いよいよご臨終目前という事で。今回の減資額は概ね当面必須と言われていた額の通りで、これが通ればとりあえず今年度末は越せる筈ではありますが、その直後に本年度決算で上乗せされるだろう1000億規模の損失、さらに縮小する売上、それらを前に焼け石に水も同然な現状を見れば、本減資、また今後の第三者増資に備えた発行可能株式総数の倍増措置共に、近日開催予定の臨時株主総会で株主の同意が得られるか、それすら現時点では不明だし、まさに断末魔と言うべき阿鼻叫喚の争いが見られそうで、外野としては目が離せません。しかし、仮に首尾良く総会を乗り切ったとして、その後株式を追加募集するにしても出資に応じる所があるかも非常に疑わしいわけで、どうにもならんでしょうに。それとももう何処かと話がついてるのかな。まあいずれにしても死人が出たりしない事を祈ります。

エルピーダ、1500億円減資 優先株償還など備え
総会に議案 株式発行枠を倍増

2/21/2012

[IT law] Googleのユーザ情報無断収集、IEでも

Safariに続いてIEでもユーザの拒否設定を無視してTracking Cookieを有効化していた事が発覚したとか。うーん。そりゃ叩かれますよね。とりわけ本件を受けたGoogle幹部のコメントを読むに、Googleは要するにP3Pによるプライバシー保護自体を否定してるのがなんとも。元々プライバシーコントロールについては利便性等の面で緒論あろうところでしょうけれども、それでもP3PはW3Cの正式な、すなわち公的なプライバシー保護規格なのだし、否定しきっちゃうのは流石にまずいと思われるんですけどねえ。

仮にP3Pは不合理との言い分は容認されるとしても、それに代わる保護措置を採っているわけでなし、単にユーザのプライバシー保護は不要と言っているに等しいわけで。いやまあそれが本音なんだろうけどさ。あとそもそも本件はCookie保存を拒否する旨のユーザ意志が明確な場合の話ですから、ユーザの利益云々も理由にならないどころか真っ向から対立するのだし、他のサイトも無視してるとかいう言い訳に至っては論外、語るに落ちたと言わざるを得ません。

当然、ユーザの反応はほぼ非難一色、完全に袋叩きなわけですが、Googleは今のところ関連するポリシー関連の情報をこっそり削除したりはしているものの、公式には正当性を強弁するばかりで、まさに火に油といった様相、懲りませんね本当。しかしGoogleがよりによってかつてその利己的な振る舞いで"Evil"の代名詞とも言われたMicrosoftにまで吊るし上げられるようになるとはね。今更残念とも思わないけれども、因果なものです。

Microsoft finds Google bypassed Internet Explorer's privacy settings too, but it's not alone (update: Google responds)

2/18/2012

[biz law] 富士重で政府委託研究費不正流用

ロボット関連で億単位の委託費を引っ張れる有名人、富士重の元部長で大学の教授でもある、っていうと、いやまだ嫌疑の段階ですから実名はまずいんでしょうけど、清掃ロボットのあの人ですかね?

実際の使途は調査中との事で現時点で不明と。もし単に別の機材購入だとか人件費だとか、研究活動の範囲内で流用したというのなら、それは別段珍しくも何ともないしさほど重くもない話なんですけれども、研究外の用途、よくあるのは私的な負債穴埋めだとか、遊興費だとかだったりすると塀の中直行コースになるわけで、調査結果によって事件の様相も帰結も天地程に違って来てしまうわけですが、さてどうなんでしょう。当然ながら悪質性の程度も不明ですけれども、少なくとも架空発注の時点で一義的には横領にあたりますから、調査段階でも嘱託を打ち切られるのも当然の話、いずれにせよ自業自得には違いないものと思われるところですが。

しかし2億円とはなかなか派手にやったものです、っていうかこのご時世に景気のいい話ですねえ。いやロボット研究だと試作とかで一々数百万単位の金がかかるから金額自体は当然と言えば当然なんですけれども。本件を受けて、これから政府関連の委託全般について大規模な調査も入るだろうし、それに伴って割と大幅に切られていくんでしょうか。あおりを喰らうだろう同業の面々の中には青くなっている向きもそれなりにありそうですが、さて。

富士重元部長2億円流用か 国委託のロボット研究費

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富士重からの公式発表がなされました。詐欺容疑での刑事告訴にも踏み切ったということで、完全にクロ認定です。容疑者の元所属はクリーンロボット部という事で、大方の予想の通り青山元氏で確定。使途の詳細は相変わらず明かされてませんけど、その辺は訴訟の過程で公になるんでしょう。一部報道では飲食費への流用もあったとも言われていますし、少なくとも用途如何によらず過大請求を行った事は確実、額も額だしで、刑事扱いとされた事自体は妥当と思われます。

当該部門もお取り潰しだそうで。多分に単に事業化の見込みが無い所に丁度良い機会だったって事なのかなと思われるところで、青山氏は自業自得ですけど、その下の人達はこのご時世にご愁傷様です。

元部長の補助金不正受給、富士重が発表

さらに流れた続報によれば、元部長が動機を語るに曰く、独立資金にするつもりだったとか、部門の赤字回避のためだった等という話だそうで。最悪です。

[crime] $6,000,000,000,000分の偽造米国債摘発

これはまた・・・。記事の写真を見る限り、$1billionの国債証書が単位のようですから、総額から逆算してそれが6000枚ですか。現在の発行済み米国債の総額の約半分というとんでもない額面の偽造証券で、国債の偽造自体はそう珍しくもないものの、さすがにこの額には驚きを通り越して呆れざるを得ません。

これらは戦前の1934年発行分の偽造という事ですが、その時代の貨幣価値は現在の十倍以上あった筈ですから、現在の円にして一枚あたり兆単位の証券という事で。果たしてそんな国債が実際に存在していたのかも怪しいレベルで、使い所も想像しづらい所です。実際に実物と偽って換金するのは論外、見せ金的な使い方すら可能かどうか。その点で不可解で間抜けな感も漂いますけれど、だからこそ行使については未遂の段階で摘発出来たのでしょうから幸いだったとも言えるかもしれません。しかし、どういう経緯で摘発されたんでしょうね。イタリアの当局がスイスでって話ですけれども、イタリアンマフィアの関係者なのかな。

Fake US bonds worth trillions seized

より詳しい下記記事によれば、やはりイタリアンマフィアに対する捜査の過程で露見したものという事だそうで。電話の盗聴によって、との事ですが、そんな事が実際に可能である事に幾ばくかの驚きを禁じ得ません。さすがはマフィアの国、犯罪の規模も当局の体制もレベルが違う。ただ、本件の偽造国債は同じくアジアンマフィアの本場香港から密輸されたものという事で、国際的なマフィア業界内のエコシステム、その一端を垣間見た気もして、日本も他人事ではいられない現実を嫌でも感じざるを得ないのです。本物相手に盗聴くらいでうだうだすんなって話なんでしょうね。

Brother, Can You Spare $6 Trillion?

2/17/2012

[biz] NECカシオが1/4、500人リストラ

国内スマホメーカーの敗戦処理第一弾ですね。特にここのMEDIASとか誰が使ってるのって感じでしたから、当然の成り行きではあるんでしょう。今後は従来型の携帯に専念するとの事で、そちらはまだそこそこ売れているようですけれども、しかしそちらも市場全体でパイが減る一方ですし、早晩会社ごと退場になってもおかしくない感じで、その詰みっぷりにはもはや哀愁すら感じられます。

残る他社、富士通、ソニーとあとシャープは所謂ガラスマでいつまで頑張るか。AppleとSamsungと比すればコストメリット等の面で歴然たる差があるだけに正直あまり期待出来ませんけれども、出来れば一つ二つは生き残って欲しいものです。無理かなあ。

しかし本体といいトーキンといい、NEC系はリストラだらけで大変ですね。まあ決算は赤続き、負け組に定着してから結構経つし、むしろそんな状態でよくここまで持ったと言うべきなのかもしれませんけど。

NECカシオ、500人削減へ スマホ生産外部に移管

[pol] 大阪維新の会の国選公約がとても残念

あれよという間に次期衆院選での国政参加が規定路線化し、それを受けてほとんど泥縄的に作成、発表された政策基本方針、通称船中八策が、その過激な内容によって国内至る所で議論の的になっている今日この頃ですけれども。嫌でも目に入るし、実際に次期国政の中心となる可能性も相当に高いとあって、一応目を通してみた次第です。

個人的な感想としては、とても微妙なというか、期待外れな感が否めません。というのも、その多くが国家機関の基本構成を変更する、控えめに言っても大変革と言うべきものであって、仮にそれらを実現するとしてそれに要するだろう労力、犠牲等は甚大になる事は必至ですけれども、その割にはそもそも各政策の実現に必然性、必要性が認め難いように思われるわけです。

そもそも橋下氏の大阪府市政における絶大な支持、その基礎は、元々は各自治体が直面した経済的な危機に際し、それへの現実的かつ早急な対処を求める、ほぼ全ての市民の要求と、それに考えうる限りベストの形で応えて来た実績に基づくものである事は間違いないものと思われる所です。要するに政策的には経済的破綻を回避するための大規模な歳出削減策が支持されたものでした。ですから、府と市の二重行政解消による行政コスト削減をその主目的とする大阪都構想、また国会議員削減の2点については、おそらく同様に経済的破綻の危機に直面し有権者が危機感を広く共有する国政にあっても広く支持を集めるだろうと思われます。

しかしその一方で、その他の政策、特に議論を呼んでいる統治機構の構成変更や外交、経済政策等に関しては、それらの早急な実現を必要とする理由は見出し難い上に、仮に実行するとしてもその方法については元々有権者間でも分裂対立が激しく、少なくとも多数がこうすべきだろうと言えるようなコンセンサスも存在しない案件なわけでね。とても同様の支持が得られるとは思えない所です。例外は上記2件と首長公選制位でしょうか。であれば、それらの政策の実現に要する大多数の支持、それが得られないのですから、現実性、実現性が無い政策方針と解する他はないわけで。

道州制等の地方分権関係の方針についても、意見が分かれるというか、それを実現する事によるメリットを認識出来ない人の方が多いのではないかと。いや私がそうなんですけれども。というのも、経済的な効率面からすれば、下手に地方分権して中央と地方の分裂を招くより、原則中央に一元化した方が一般にはすっきりして効率が良いに決まってるわけで。むしろ都道府県のような中間自治体の廃止後、道州も入れずに完全に中央集権にするというのなら、行政組織も簡素化されるから確かにコストも下がるし効率も良くなりそうだと思うんですけど、県が道州に変わっても、中間組織の階層数が変わらない以上、組織効率面では大した違いは無さそうに見えるし、コストもさほど変わらないだろうと思われるんですよね。この点に関しては、結局のところ、市民、国民にとっては得るところの無い、行政組織内の、国と地方の権力争いに過ぎないのかなと。

教育関係についても、まあ教員に対する管理を強めるべきっていう意見はそれなりにあるんだろうけど、一方でそういう刑罰、罰則の導入によって危機感を煽る的な政策というのは、往々にして本来適格とされるべき人材にも深刻な悪影響を及ぼすし、組織全体の疲弊を招きがちな点に対する懸念もあって然るべきだし、やっぱり維新の会という一政治組織の政策意見に過ぎないのかなと思う所です。

他にも色々と。それでも、政治の要は経済政策ですから、それが上出来ならそれなりに評価も出来たんでしょうけど、よりによってそれが一番おざなりという。いやまあ元々そんなの期待された事ないし、ぶっちゃけ税収を地方に引っ張る以外何も考えてない所に、急にその元の方についてまっとうな政策案を出せと言われても無理って話なんでしょうけど。しかし、国政を担おうとするからにはそんな体たらくでは話にならんわけでね。特に、社会保障も含めて具体的に増税的な方針を掲げる以上は、その源泉の根拠たるGDP、所得の増加、そのための国内産業の拡大振興が必要になるのに、よりによって国内産業へは悪影響の方が大きい可能性すら懸念されるTPP参加なんてそんな枝葉の話をポンと置くだけとか意味が分かりませんし、その時点で失望されても仕方ないと思うのです。

そんなわけで、非常に厳しい感を否めない維新の会の政策方針ですけれども。もっともまだ出したばかりだし、これから広く議論の的になれば、その過程でブラッシュアップもされていくんでしょう。しかし、基本方針と銘打って派手に打ち上げただけに、その本質的な改善には自縄自縛的に相当の困難が予想される所です。それでも、既存政党よりはマシ、とかいう、つい最近もあった相対評価的で実質的に無根拠な判断によって支持を集めてしまうかもしれませんし、少なくともこれからもしばらく注目の的ではありつづけるんでしょう。

ただねえ、時代の空気を読み、その期待に現実的に応える事でさらに期待を集めつつあっただけに、そこの所を真逆的に裏切った気がして、その事に個人的には結構深く失望を覚えさせられてしまった気がします。うーん。残念。まあ、例によって勝手に期待する方が愚かなんでしょうけどね。

2/16/2012

[law] 行政書士が不法就労幇助目的の無資格登記代理容疑で逮捕

行政書士が法人登記について司法書士法の無資格代理容疑で検挙、と。容疑者は伊東秀樹、容疑のかかる登記の申請件数は数百件ですか。申請自体は受理されて登記も完了していたのだから、申請自体はおそらく本人申請の形で、実質的な事務を代理していたという事なんでしょうけれども、また派手にやったものです。今回の検挙は少し前の2009年から2010年にかけての容疑によるとの事ですから、先に本登記を利用した不法在留者が検挙されて、そこから足がついたって事ですかね。だとしたら全く以て阿呆な話です。

もっとも、本容疑よりも不法就労幇助とかの方がヤバいわけですけれども、そっちの方はどれくらい関与しているのか、それなりに直接に関与しているのなら、その件数の多さ、また本件との合わせ技になる事からして、実刑は免れ難く思われる所です。しかしねえ。そこまでやるんだったら、本当に正規の手続きを踏んで会社を立ち上げてしまえば良かったのに、と思うんですけれど。何故に違法に違法を重ねる必要のある、リスクの非常に大きいそのやり方を選んだのか、どうにも腑に落ちないように思われるところです。仮に限りなくペーパーだけれども適法に会社を立ち上げたとして、その維持に最低限必要な事務も行えない程度の人たちだったのか、それとも単に容疑者が金儲けしたかっただけなのか、その両方とか。うーん。まあ、考えても仕方ないんですけどね。

架空会社使い在留資格を延長 行政書士「数百件」供述

2/14/2012

[biz] 国の東電議決権3分の2超の方針

色々と揉め続け、今以て極めて流動的ではありますけれども、結局は国有化という事ですね。もういっそ全株取得する方が色々とすっきりするんじゃないかとも思うんですけど、3分の2あれば全株主の同意を要する等ごく少数の事項以外、経営陣の選解任は当然、分割や解散までも含めほぼ全ての議案の提案・決定権が渡るわけですから必要十分と言えなくもないかもしれませんし、偶然にも今回の出資額と現在の時価総額との比率ともほぼ合致するしで、合理性は高く、各方面に広く受け入れられやすいものと思われます。

東電の現経営陣は例外でしょうし抵抗したいんでしょうけど、拒否しようにも出資を止められたら会社自体が即死なわけで、既に交渉の余地は無いも同然、かくなる上は潔く政府との全面的な協力関係への転換を願うところです。もっとも、東電社長は民間企業としての自由が必要云々的な寝言を言っているわけですし、今更そんな事が出来るわけもないだろうとは残念にも思いますけど。その寝言にしても、真実民間企業である必要があると言うのなら、その前提として電力業界自体の自由化すなわち送発電分離等の電力事業者の解体を伴う電力市場の開放が当然なされて然るべきという事になるだろうし、従ってその前提として今回の国有化も肯定されるわけで、控えめに言っても自己矛盾を来した意味不明な主張と言わざるを得ないわけですし。

そんな体たらくでは、合理的かつ建設的、自発的な行動は望むべくもないんでしょう。だからと言って今更別段の失望があるわけでもありませんが、少なくとも極めて不愉快ではあるし、そもそも社会基盤システムの整備運営を担う適格に欠ける事は明らかと思われますので、国有化のち速やかに退場される事を希望する次第です。うまいこと生き残る可能性もあるんですけどね。

東電議決権:「3分の2を」議決権掌握へ、政府最終調整 

2/13/2012

[IT] NTT新開発のクラウド暗号通信方式

NTTがクラウド上の秘匿データ管理の基本方式的な技術を開発、発表したと聞いて。で一応簡単にフォローしてみたんですが、どういう新規性というか意味合いがある技術なのかよくわからず、しばし考え込んでしまいました。今以てすっきりしないんですけど、現時点での解釈、感想とか一応メモ的に。

記事を読む限り、本技術は要するに公開鍵暗号系の復号処理をサーバで行う場合のデータ漏洩防止技術のようで。具体的には、復号用の秘密鍵をサーバに置いて、ユーザから送信される暗号化データ、これは暗号化の上にさらにランダマイズされているわけですけれども、それをランダマイズされたまま復号してユーザに返信し、ユーザ側でランダマイズを解いて元データを得る、というものですね。これに検証用のデータ処理が並列的に加わると。相当に面倒な処理です。暗号通信系だから当然ですけども。

NTT曰く、メリットは秘密鍵をサーバ内で一元管理するために個々のユーザから漏洩する危険がなく、また柔軟なユーザ管理が可能になる点にあるとの事で、まあそれはその通りなんでしょう。しかし、一方でデータがオープンなネットワーク上に流れるためにデータ自体の漏洩リスクが激増しているわけで。特にサーバで復号された後に返信されるデータは単にランダマイズされてるだけで、生データよりは気休め程度にマシな程度の非常に危険な状態になっているように見えるんですよね。鍵が安全になる代わりにデータが露出している恰好で、どうにも本末転倒な感を否めません。

少なくとも、元の公開鍵暗号系と比較して安全性は格段に落ちるものには違いないし、httpsとかで行われているように通信経路そのものを暗号化するのと比べて何がいいのかもはっきりしないようにも見えて、すっきりしません。そもそも、データをサーバ上に送って復号するっていうのにも必要性が感じられないあたりにも相当にひっかかる所です。

それでも、トータルで従来並に安全かつ効率も良いというなら、システム構成の手段、選択肢が増えるのだから歓迎されるべき事だろう、とか言えるんでしょうけど、明らかに安全性を犠牲にするし、通信量も激増するしで、副作用が大きすぎるんじゃないかと。記事では触れられていませんけど、ランダマイズのパラメタ管理も結構大変そうですし、当然サーバでのアカウント管理も超厳密にしなきゃならない筈ですし。で得られるのは鍵管理の一元化位。ううむ。

結局、デメリットやら必要になるコストと比較してメリットがあまりに小さい、その意味でも本末転倒的に見えるわけで。言い方を変えれば、宣伝用と言うか、職業研究員の実績作り的な、ぶっちゃけ実用性は二の次で使い物にならない机上の空論的研究、その典型に見えて仕方ないわけです。

でもNTTは数年後には製品化とか言ってるんですよね。誰が何のために使うのか、一通り考えてはみたけれど、結局のところ全く想像出来ないし、建前っぽく感じられる次第なのですけれども、どうなんでしょう。うーん。

NTT、復号鍵の管理をクラウド側で安全に行える「クラウド暗号方式」を開発

2/11/2012

[biz] auもパケット通信網崩壊

先日に引き続き、またauのパケット通信に大規模な障害が発生しているとの事で。先日の原因は機器の故障という事で、KDDIは今回も故障だと言うんでしょうけれども、この短期間にそこまで深刻なハードの故障が再発した可能性は低いでしょうし、障害の継続時間の長さ、影響範囲の広さから見て、引き金は一部ハードの故障だとしても、本質的には別の、すなわち単にリソース不足か、もしくはネットワークの基本構造、構成に元々問題があっただとか、より深刻な原因によるものであろうと想像される所です。

しかし、そのあたりの話にしても、ドコモも含め各社ともスマホによる通信量の増加の影響等と言い訳的な寝言をのたまっているんですよね。自分達が何を言っているのか分かってんでしょうか。それが本当に主要因だとすれば、当然に予想出来たそれによる障害を全く予防出来ていない現状からして、通信業者の第一の義務たる設備の整備を怠ったものと解釈する他ないし、従って最近の障害が100%各社の責任に帰する結果、社会インフラの担い手としては完全に失格って事になるわけで。

そしてその怠慢の結果、多発する障害によって社会全体に発生している損害は尋常ではなく、謝罪して済む話では全くないし、その上再発を防ぐ事すら出来ない現状、その深刻さを各社とも本当に理解しているのか、疑わざるを得ないところです。いやしかし、まさかこんな疑いを抱く日が来ようとはねえ。そういう面では当然に信頼出来るものと思っていたんですけれども。極めて残念な事です。

これから色々と各方面から厳しい話が出てくるだろう事も必至ですけれども、どうなっちゃうんでしょうね。困ったものです、ではもう済まない酷さだし、仕方の無い話なんでしょうけれど。

au、全国でデータ通信に障害 復旧の見通したたず

2/08/2012

[biz] ルネサス,富士通セミ,Panaがロジック統合交渉

しばらく静かだったロジックにも動きがあったようで。事業規模的に見ればルネサスが富士通セミコンダクターとPanasonicを吸収する形に近いですけれども、富士通については元々何処かと合併するだろうと言われていたし、比較的得意分野にも出口にも独立性があってそれなりに合理性もありそう、ということで第一印象的には成立する可能性は結構高そうに見えますね。

しかし、Panasonicが入っているのは意外でした。旧三洋の半導体事業は売却済だから今回はパナ本体の分の筈ですけれども、もう自社でのチップ開発は止めるって事ですよね。従来は映像関連等の主力製品の技術、その開発の要的な位置づけだった筈なんですけど、そんなあっさり転換しちゃってこの先やっていけるんでしょうか、と外野ながら少々心配な気もしないでもありません。汎用品もしくは外部委託とのコスト差分の価値が出せない、出せる見込みも立たないなら、むしろ当然の流れではあるんでしょうけど。あと富士通は東芝とくっつくものとばかり思っていたんですけどね。もう相手も選んでられない、って事なんでしょうか。

まあ条件次第で簡単に破談もするだろうし、色々と横槍も入らないとも限らないし、今の段階であれこれ考えても仕方ないんでしょうけど。ただ、本件が成立するにせよしないにせよ、テレビ関連をはじめとした大規模な需要消滅の事実はあるわけだし、その流れの方向も変わらないだろうと思われるのだから、当該事業のリストラは不可避なんでしょう。関係者各位におかれましては、誠にご愁傷さまです。

システムLSI 3社事業統合協議

2/07/2012

[pol] イラン泥沼

Hormuz海峡での睨み合いが続き、いつ戦火が発するかと全世界的に冷や汗出まくりのイラン情勢ですが、2012年に入っても落ち着くどころか西側諸国による経済封鎖の動きが立て続けに出て、逆に緊張が高まってしまっているようで。今回は同国による輸出の大半を占める石油売買、その大半を仲介するイラン中央銀行の米国内資産凍結及び取引禁止、すなわち事実上のイラン貿易禁止に踏み込んでしまったとのこと。ロシア・中国はもちろんEUも一枚岩ではないとはいえ、世界大戦前夜の経済的な包囲網を彷彿とさせて心臓に悪い事この上なく、全く以てご勘弁願いたい話です。

まあ歴史的なトラウマ云々はともかく、しかし実際問題どうすんでしょうねこれ。考えうる終着点としては、イランが白旗挙げて核開発を放棄するか、逆に米国が引くか、暴発して戦争になった挙句イランがイラク的に焦土と化すかのいずれか位でしょうけれども、どちらも引くことを知らない、というか人の話を聞かない国だから、結局の所は緊張を高め続けた挙句に暴発する可能性が一番高いように思われるところです。しかしそれは非常に厳しい話になるわけで。戦争になった場合、イラクの場合と違ってある程度はHormuz海峡での海戦が含まれる筈だけれど、イランには潜水艦とか海軍力もそれなりにあるし、欧米軍に勝つ事は不可能にしても欧米側の損害も甚大になる筈なんですから。

何よりも勝ち負け云々以前に、そもそも米国が主張している所のイランによる核兵器開発自体、まだ証明はなされていないわけでね。単なる建前との疑いがあるにせよ、イランは平和利用のためと言っているのですし、イラク戦争の際に米国が開戦の主たる理由とした大量破壊兵器が結局出ず、米国の捏造であった事が明らかになった件と同様の結果も当然に懸念されるところ、経済封鎖も含めて実効的な制裁を行う前に、まず米によってその証明、十分な証拠の提示がなされなければならない筈なのに、未だなされていない。一方的に嫌疑をかけておいて、その立証がなされないままに制裁が進められている、それはやはり理不尽というものでしょう。理不尽で強引な振る舞いというのは、往々にして、道理の通らないまま実行してしまったが故に、後からその誤りが明らかになっても後戻り出来なくなってしまうものですが、本件はその典型的な形になっているように見えるのです。

要するに、現状を客観的に見れば、イラク同様、米国が戦争をしたいだとか、イランを支配下に置きたい等の利己的な理由で、言いがかり的に容疑をでっち上げているように見えるわけです。あるいは欧米各国の国内政治的な、人気取りのためだとか。大統領選も近いし。無論、そのあたりの理由とか内部的な事情は一般からは窺い知れないところですし個人的な妄想に過ぎませんけれども、少なくとも、イラン国内の一般の人々には何の責任もない事は間違いなく、しかも政府に責任があるかすらも不明で、経済的にせよ暴力的にせよ、何ら攻撃され、被害を受けるべき正当な理由はないのですから、その中で徒に制裁を実行し、あまつさえ後戻りも出来ない泥沼に進みつつある欧米各国、特に主導する米国政府は強く非難されて然るべきだろう、との思いを抱かざるを得ないのです。どうするんでしょう本当に。

Obama Imposes Freeze on Iran Property in U.S.

2/02/2012

[biz] 東証トラブル再び

富士通。。。あーあ。絶対に二度とやっちゃいけない筈だったのにね。アローヘッド享年3歳にして死すの巻、です。

シャープ関係とか、昨日色々と大きい材料が出てましたし、処理量が増えてパンクしたとかそういうベタな話なのでしょうか。だとしたらお粗末過ぎる話ですが。Facebookの上場もありましたけど、そこに日本企業の悪材料と併せて、資金移行のために売りが殺到したとか?うーん。けどそれは別に唐突な話でもないし、日本市場にしたらあくまで間接的な話だし障害起こす程ですかねえ。またバグなのか。まさかとは思いますけど、わざとじゃないでしょうね?

あと、停止中の241銘柄以外は取引続行中のようですけれども、原因も分からない、したがって現在取引可能な分も無関係なのかも不明なのに、色々と大丈夫なんでしょうか。そりゃ運用可能な分はそうしたいに決まってるんでしょうけど、二次災害も懸念されるのに無茶しますねえ。

東証、241銘柄の売買を一時停止 システム不具合

原因はサーバーのハード的な故障で、同様の障害は従来も半年に一回は起きていたと。それは仕方の無い話なんでしょうけど、なら当然、何故これまでは数秒で切替出来たのに今回は長時間復旧しなかったんでしょうか、と別の疑問が沸くわけですが、どういう事なんでしょうね。

東証「同様の異常処理、半年に1度は発生」

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単に予備が動いていなかったとか何じゃそら。東証と富士通の担当者が確認せず5時間放置ってお前ら全員クビだよもう。

東証トラブル、障害5時間放置し確認怠る 社長ら減給へ

2/01/2012

[biz] 2011年度3Q決算インプレ

総崩れ、とまではいかないけれど、復興特需に沸く建設関連を除いた殆どのセクターが大幅減益もしくは赤。といって、存亡の危機な所も珍しくない超マイナス材料だらけの中、これまで下期巻き返すとか寝言を言っていた面々が3Q終えて当然ながら全く達成出来ないどころか前年比大幅マイナス、軒並み白旗あげて下方修正したってだけの話だし、驚きは全くないわけですけれども。ただ、数字だけ見れば、あれだけの事があった割には健闘したと評価出来ないこともない向きもある気もします。いずれにしろ酷いんですけどね。

しかし、化粧済みの数字が多分に含まれるにも関わらずのこの惨状というのは、もう本当にどうにもならん感じで。深刻なのは電気関連、特に需要が壊滅したテレビとシェア獲得に失敗した携帯端末の周りはアセンブリはもちろん部品メーカーもろとも一気に逝ってしまいそうな勢いです。大工場の閉鎖も至る所で勢いを強めているし、日本の製造業自体に一つの時代の終わりが本当に来たのかもしれない、とも割と本気で思ったりもする次第なのですけれども、さて。