色々と揉め続け、今以て極めて流動的ではありますけれども、結局は国有化という事ですね。もういっそ全株取得する方が色々とすっきりするんじゃないかとも思うんですけど、3分の2あれば全株主の同意を要する等ごく少数の事項以外、経営陣の選解任は当然、分割や解散までも含めほぼ全ての議案の提案・決定権が渡るわけですから必要十分と言えなくもないかもしれませんし、偶然にも今回の出資額と現在の時価総額との比率ともほぼ合致するしで、合理性は高く、各方面に広く受け入れられやすいものと思われます。
東電の現経営陣は例外でしょうし抵抗したいんでしょうけど、拒否しようにも出資を止められたら会社自体が即死なわけで、既に交渉の余地は無いも同然、かくなる上は潔く政府との全面的な協力関係への転換を願うところです。もっとも、東電社長は民間企業としての自由が必要云々的な寝言を言っているわけですし、今更そんな事が出来るわけもないだろうとは残念にも思いますけど。その寝言にしても、真実民間企業である必要があると言うのなら、その前提として電力業界自体の自由化すなわち送発電分離等の電力事業者の解体を伴う電力市場の開放が当然なされて然るべきという事になるだろうし、従ってその前提として今回の国有化も肯定されるわけで、控えめに言っても自己矛盾を来した意味不明な主張と言わざるを得ないわけですし。
そんな体たらくでは、合理的かつ建設的、自発的な行動は望むべくもないんでしょう。だからと言って今更別段の失望があるわけでもありませんが、少なくとも極めて不愉快ではあるし、そもそも社会基盤システムの整備運営を担う適格に欠ける事は明らかと思われますので、国有化のち速やかに退場される事を希望する次第です。うまいこと生き残る可能性もあるんですけどね。
東電議決権:「3分の2を」議決権掌握へ、政府最終調整