11/21/2011

[law] 米イリノイ州の水道システムがハッキングで破壊

されたとか。Springfield市のシステムだそうですけれども、オンライン制御システムSCADAがハッキングされ、浄水場の弁が不正に操作を繰り返された結果、過剰負荷で壊れた、と。容疑者は不明ですが、ロシアが怪しいとの説が記事では紹介されていますね。サイバー攻撃というと情報システムが機能不全に追い込まれるとか、情報が盗まれるだとか、大多数の被害はその種のソフト面に限定される中、珍しく直接的に物理的な影響のある攻撃という事で、レトロなというかSF的というか、サイバー攻撃が空想の世界にあった頃の絵に描いたようなサイバー攻撃で、少々の感慨も抱いてしまった次第です。いやまあ被害を受けた当事者はそれどころではないんでしょうけれども。

しかし、この種の物理システムは、一般のネットワークに接続するメリットはあまりなく、逆にこういう不正アクセスのリスクは大きいのだから、物理的に遮断されているのが普通だと思っていたんですが、最近は変わりつつあるんですかね?主にコスト面で共用したくなる事情は当然あるだろうし、自然と言えば自然な気もしますし。

だとすると、さすがに国防やら致命的な部分で安全保障に直結するようなシステムは隔離されてるんでしょうけれど、この種の安全性を金銭と引き換えにする話というのは、担当部門・企業等担当者の近視眼的で安易かつ安直な楽観論に支えられて急速に広まる傾向が強いものだし、グレーゾーン的な部分は既に同種の脆弱なシステムになってしまっている可能性も否定しがたいものと予想されるところですが、さて。危機意識の強い米国でもこれなら、日本はいわずもがなですよねえきっと。まあ、一度二度痛い目を見ないと仕方ないんでしょうけど。うーん。

Water pump reportedly destroyed by SCADA hackers