なんでしょうね。200を超す自治体で被害が確認されたという報道ばかり流れていますが、データセンター自体が過負荷で動作不良に陥ったのですから、自治体以外の顧客にも当然同様の障害があった筈なのですけれども。
もっとも、富士通のクラウドはまだ売り込みを始めたばかりの状況で、採用比率はさほど高くはなかったし、個別に見ると、一般の顧客が本件のようなものも含めたセキュリティ面等のリスクに対する懸念から導入に慎重であった中、公共セクターの顧客はそのあたりを軽視し、先行して飛びついた恰好ではありましたから、要するに、現在の富士通のクラウドユーザが自治体中心だった、というだけの事である可能性は高そうです。
であれば、クラウドのしくみ、その集中管理方式に内在するところのほとんど致命的に思われる欠陥すなわち、データセンターにおける障害、漏洩等によって、全顧客に被害が及ぶ、という大半が懸念する欠陥、リスクが、クラウドによるITシステムの置き換えが実際に普及を始めてからほぼ即座と言っていいだろう程早々に顕在化した事例という事になるわけで、ああやっぱり、と冷めた目で見る向きが大半であろうかと思われるところです。報道内容にも、今更感というか多分に白々しさが漂うわけで。止まったり漏洩したりして困る所は外に預けちゃ駄目って散々言われてんでしょうに。いやまあ本件の自治体窓口なんかは本音では一日くらい止まってもいいって考えてたりするのかもしれませんけど。
本件を受けた今後については、一般顧客はじめ、只でさえ慎重だったところは一層及び腰になるでしょうし、公共セクターにも再考を促される所は少なくないでしょう。対策には大幅なコスト増が必要というような話も流れていて、その程度の対策すらしていない現状に戦慄するとともに、クラウドの主要セールスポイントであったところの安さにも疑問符が付きつつありますし、うまい話などなかった的な流れになっているように見えて、結局のところまたこれもIT業界ぐるみの詐欺という事になっていくのかな、とアホらしく思う次第なのです。
富士通のサーバーに攻撃 クラウドの安全対策急務