9/24/2011

[biz] 米GROUPONが売上を6割減に修正

うーん。これまで売上に店の取り分を含める誤りがあって、それを除く修正をしたところ、2010年の販売額が$713mから$313m、およそ4割になってしまったんだとか。記事の表現では今一つ具体的なところがはっきりしませんが、推測するに、ここで言う売上というのは小売的なクーポン販売収入という事なんでしょうね。一時預かり金も一応形式的には売上げには違いないのだけれど、実質的にGROUPONの収入ではなく原価に当たるのだから当然区別しなければならないところ、ここではあえてGROUPONの売上に合算していたと。そうすることで、消費者に対する訴求度合、販売効果の程度等を実際より高く見せかけていたものと考えるのが自然に思われます。であれば、その効果は広範囲に及びますけれども、少なくともその不正な数字を販売店との契約交渉やら資金調達の際に利用していた事は間違いないし、その部分では紛う事なき粉飾詐欺になるわけで。表現の誤りだった、とか言ってるみたいですけれども、もう少しまともな言い訳はなかったものでしょうか。

確かに修正された売上額を見ると、一時の持て囃されっぷりには全く不釣合いで、Amazonやらに比べると、率直に言って取るに足らない、注目には値しないものと言わざるを得ないショボさなわけで、盛りたくなるだろうなとは思わないでもないんですけれども、違法は違法、存分に報いを受けて頂かなくてはなりません。特にIPO目前で皮算用も色々していたであろう面々には色々と厳しい影響があるであろう事は間違いないところですけれども、只でさえ詐欺的かつ杜撰な営業を繰り返し、社会にとっての害悪たる様相を強めているグルーポンですから、この際当局及びカモられた方々には徹底的に追い込んで頂いて、上場計画中止、あわよくばそのまま退場まで転落して頂きたく願う次第であります。ついでに日本の方もよろしく。もっとも、こっちは勝手に潰れそうな感じですけどね。

しかし責任者であるところのCEO、Margo Georgiadisは古巣のグーグルにさっさと逃げ戻ったりしてて。全く無意味だし、逆に悪事を自白してるようなものだと思うんですけど、その辺の馬鹿馬鹿しい卑怯っぷりが味わい深いですね。それを受け入れるグーグルも大概だと思うのです。

Groupon filing halves sales as executive goes

Accounting Change Cuts Groupon’s Revenue

-------注記
第一報にあたるFTの記事では、今回売上から除外されたのは、"fees paid by merchants"とされていて、販売手数料と解釈すべき表現だったのですけれども、どうもこれは誤りのようですね。NYTでは"cash that was later paid out to Groupon’s merchant partners"と、一時預かり金にあたる表現になっていて、こちらの方が正しいものと思われます。というわけで本記事の記述を修正しました。

9/23/2011

[biz] 韓国貯蓄銀行の総裁が飛び降り自殺

営業停止処分中の韓国貯蓄銀行の一つであるJeli 2の総裁Jeong Gu-Haengが本社ビル6階にある自分のオフィスから飛び降りて死亡、状況から見て自殺と思われるとの事だそうで。推測される原因はその営業停止処分に関するロビー活動における賄賂、Jeongにも聴取等行われていて、銀行に当局のガサ入れが入ったまさにその時に起こったという事だから、進退窮まったと感じても不思議ではない感じだし、不自然な話ではないように見えますから、まあ多分にそういう事なんでしょう。

しかし今時の日本では珍しく感じる程の典型的な行政処分に絡む贈賄、またその露見に関する自殺で、このところ不公正な処分が前にも増して横行しつつあり、また自殺大国として知られるようにもなった韓国ならではという感もありますけれども、それにしても派手な話です。

その経緯は卑怯と言う他はなく、完全に自業自得だし、公共に害のある犯罪によるものですから、同情はかけらも出来ませんけれども、ただ、その帰結としてあっさり自殺してしまうあたり、いささか短絡的過ぎるような気がします。その辺の理解し難い愚かさといい、何と言うか、急速に崩壊しつつある韓国経済を象徴するような事件であります。まだ全然終わってないあたりも。本件で李明博大統領のつい先週辞任した側近やらが逮捕寸前、っていうかそもそも今回の捜査はそのためだっていう話ですし。まあこの辺は日本もあまり他国の事は言えませんけどね。

South Korean Bank Chief Apparently Kills Himself, Police Say

[biz] HPのCEOがMeg Whitmanに

なったとか。不振を極めるHPの事だから、経営陣の入れ替えは早晩あるだろうと思われてはいたけれど、この人事はどうなんでしょう。Whitmanって、元Ebayって事で基本的にはサービス屋だから、プロダクト中心的なHPのトップとしてはミスマッチな印象も受けるんですけれども。単に知名度から安易に選んだ感無きにしも非ず、しかもその知名度は大部分政界進出に失敗したっていうどちらかと言うとよろしくないイメージで語られる話によるわけですし、とても微妙な気がします。

あえてポジティブな見方をするとすれば、顧客起点の徹底を図るとかそういう意図があるのかもしれないとは思いますが、それなら他に沢山叩き上げの強者がいる筈ですしね。そこに敢えて彼女、というのは、迷走を極め、業績も絶不調なHPにあって、彼らにとってのGood old daysであるところのFiorina時代に対する郷愁というか、再生の象徴としての強い指導者を求めたという事でもあるんでしょう。

しかしWebOSはじめ携帯デバイスの盛大な失敗と、さらに酷いPC事業の斜陽っぷりに対し、それに代わる次の事業ネタが見当たらないのが現実なわけで、単なるリストラ屋になりそうにも見えるし、さらに迷走を深める可能性もまた高そうです。さてさて。

HP names Meg Whitman new President and CEO, gives Leo Apotheker the boot

[pol] 首相が年内の原発冷温停止を公言

してしまったそうで。一応努力してますって言い回しではあるんだけど、受け取る側の諸国としてはおそらくそんな微妙なニュアンスなんて関係ないんでしょうし、公約として受け取った筈なわけですね。

また実現出来る見込みの立っていない事を空約束して、マニフェストの件といい沖縄の件といい、政権として散々痛い目見ておきながら何一つ学習していない事が明らかになってしまったわけで。極めて残念であります。そのまま帰ってくるな阿呆。

「原子炉の冷温停止、年内めど」野田首相が国連で演説

9/19/2011

[biz] 破綻した太陽電池ベンチャーへの米政府投資

をめぐって、共和党を中心に話が大きくなっているようで。事の経緯は、2009年の金融危機の際に実施された民間企業への公的資金注入、その対象にSOLYNDRAなる先頃破綻した太陽光発電パネルメーカーが含まれていて当然回収不能になったわけですけれども、その額が500億程度とその資本金の倍以上にもなる多額で、かつ当時の格付けもB+と投資適格とは言えなかったにも関わらず、アセスメントもせずに10日程度の短期で決定されていたと。さらにそれが副大統領JoeBidenの秘書経由でされていた事から癒着等が疑われ、それでなくても将来の損失が相当に懸念されかつその精査すら怠って損失を招いたという事で、多重的に責任があるとして政権が糾弾されている、という話らしいんですけれども。

話の論理的な流れとしては特に奇妙なところもなく、非難されて当然の話のように思われるわけです。ただ、その当時に動いていた公的資金の総額に対して本件はそのごく一部に過ぎず、GMだとか、桁違いの損失リスクも現実化していた当時の状況を鑑みれば、大統領はじめ政権中枢としては、おそらく気に留めてもおらず、違法行為があったとしても、件の秘書やらSOLYNDRAに近い関係者に留まるものと考えるのが自然のように思われますから、最終責任者として、また監督者としての責任はあるとしても、そこかしこで見かけるようなSOLYNDRAGATEとか言うほどの大統領に対する攻撃っぷりは、いささか行き過ぎの感を禁じえない所です。しかもそれを共和党が言うか、とも。あとそもそも今はこんな瑣末な事にかかずらわってる場合じゃない筈なんですけれども、選挙も近いしどうしようもないんですかね。

SOLYNDRA: Here's A Comprehensive Guide To The Scandal

[biz] 三菱重工がハッキングされて機密漏洩

したとか。報道では本社・工場・研究所と複数施設で80台のサーバがウィルス感染、機密が外部へ転送された形跡もあった、って話だから、ファイアウォールの内側で好き勝手されたってわけですね。一般論としては外部からの侵入というよりもスパイ的な内部からの攻撃である可能性が高そうな事案ですけれども、また派手にやったものです。

元々日本メーカーはこの手の機密保護に関して、近年の外国人重用の傾向もあって事実上ザルだと言われていますし、こういう証拠の残るような大規模なものは流石に珍しいけれども、部門・個人単位の小規模なものであればそれこそ山程漏洩しているであろう事も周知の事実、今更な話ではあります。デンソーの件とか。

当然メーカーも一応それなりの対策は既に採っているし、それでも取りこぼしがある事も十分承知の上で副作用とのバランスを見て運用してきているんでしょうけれども、それでも駄目という事案が、よりによって社会的に関心も高い部門も巻き込んで公になってしまったという事で、再発でもしたらいよいよ大変だし、嫌でも追加の対策をとらざるを得なくなってしまった、さてどうしよう、というところであろうかと思われます。

しかし、根本的な原因はスパイ的な社員の存在、また個々の社員が他部門のネットワークなりにアクセス出来てしまう点にあるのだから、実質的な効果を期待するのであれば、信頼出来るプロパー人材で各部門を固め、かつネットワークもサイトも物理的に隔離する、というような対策を採る必要がある筈なわけですけれども、しかしそういう抜本的かつ完璧な対策というのは実際問題としてほぼ実現不可能なわけで。これ以上どうすんだよ、ってな感じで、各社とも頭が痛い話でありましょう。大変ですねえ。

ただ、何故そんな社員が出てくるのか、そういう反会社的な行動に走るのかって言うと、過酷な労働環境、不安定なポジション、不公平な組織、それらの環境によるんでしょうし、結局のところ目先の利益を優先してそういう環境を作り出した会社の自業自得とも思われるわけで、特に同情する気にはなれないんですけどね。

三菱重にサイバー攻撃、80台感染…防衛関連も

-----------------追記

本件は国防に関する重大インシデントという事で、契約で義務付けられていた国への報告を怠っていたとか。これはまずいでしょう。隠蔽しようとしたのか、調査等のために時間稼ぎをしただけなのかはわかりませんけれども、いずれにせよ組織ぐるみの意図的なものには違いない筈なわけで、企業としての信用を完全に失いかねない背信行為であります。先日の欠陥品出荷の件で只でさえ信用がた落ちだったのに、というかだからこそだったのかもしれませんけれども、極めて残念な話です。

三菱重工、ウイルス感染を国に報告せず 契約守らず

[biz] シーメンスの原発事業撤退

先日決定された脱原発方針に対応しての撤退決定、そこに見られるところの、ドイツ国内の政府・企業・国民の判断・行動の統一性と迅速性には驚きを禁じ得ません。折しもフランスでおそらくは放射性物質も放出されたであろう核処理施設の爆発があったところでその影響もあったんでしょうけれども、原子力産業の中核としてその実体を担う有力メーカーの一角による今回の転換によって、脱原発の流れがいよいよ決定的になったように感じられます。

といってもまだ急進的な一部の流れに過ぎないし、全世界が一様に追随する事は考えづらいのですから、原子力の今後に関しては、おそらく推進と脱却とに国・地域単位で二極化していくものと思われます。その場合、脱却するだけの経済力のある国だけが転換して、比較的貧しい国に原発が偏在する形になる可能性が高いように思われるのですけれども、もしそうなると、安全確保のための資金が十分でない場合も多々あるでしょうから、より一層事故の危険が高くなるものと推測されるわけで、その意味でも原発の未来はもはや暗鬱たるものに落してしまったものと言わざるを得ないようにも見えるのです。

さて日本はドイツの後に続く事が出来るのか、また東芝・日立をはじめとする国内メーカーは、シーメンスと同様に転換を決断する事が出来るのか。ありうるとすればその条件は何で、時期はいつなのか。現実としてそれは相当に困難で、ありうるとしても大分先の話だろうとは虚しくも思うのですけれども、一個人、一市民として、一刻も早い転換を願う次第です。経済的な不利益が大きく困難であるのも当然ではありますけれども、もとより利害の天秤にかけるべきではない筈のものだと思うし、少なくとも、国内にせよ国外にせよ、この悲劇が繰り返されるような事があってはならないのですから。

[biz] VWのスズキに対する姿勢が意味不明

スズキを一方的に子会社扱いして、三行半を突きつけられたからって敵対的買収をちらつかせ出したとか。ある程度予想はされていた話ではあるし、可能か不可能かで言えば、買収の目的性質も自然だし、VWの社会的評価も資金力も十分、さらに既にほぼ20%を持っていてるのだから、あと30%強程度でよいわけで、価格次第でTOBが成功する可能性はあるんでしょう。スズキも取得条項とか新規発行条項とかの買収防衛策は導入していないって話らしいですし。

けれども、そもそもスズキの価値であるところの傑出した経営戦略と実行力、それは大部分カリスマと称される鈴木会長ら経営陣の手腕と人望にかかっている事は周知の事実、それと敵対して強引に買収したとしても、その後は当然彼らを経営から排除せざるを得なくなってしまうし、さらに信奉する社員の離反も著しいだろうから、スズキの人的な面での強みの大半を失ってしまうであろう事は必至なわけで。本末転倒も甚だしく、VW経営陣が何をしたいのかさっぱりわからない、というか正気を疑わざるを得ません。あれですね。きっと最初からスズキを一地域部門として取り込む事しか考えておらず、企業としての構造やら性格やら知ろうともしなかったために、今だ状況を認識出来ていないんではないでしょうか。だとしたら馬鹿ですねえ。インド市場への拠点にするといっても、こんな無理して吸収するより、VW本体として新規に進出した方が余程安くスムーズに実行出来るでしょうに。

鈴木会長が引退して、それなりにフラットな体質に変わった後でというのなら、まだありえると思わないでもないですけれども。買収するにせよしないにせよ、それなりに痛い目を見そうな様子に思われますが、原因と経緯から見てほぼ完全に自業自得な話でしょう。もっともまだチラつかせてるだけの段階だし、買戻し価格を吊り上げるためのポーズってだけなのかもしれませんけどね。だとしても相当な範囲が迷惑を被る話ですし、さっさとケリをつけて欲しいものです。

VW首脳「スズキの買収も選択肢」 独誌報道

9/17/2011

[biz] 日立が幹部社員に職務給導入

なんという今更な話。むしろ今まで入れてなかった事に驚愕であります。ていうか今回対象になるのは管理職9千人ですけれども、従業員には既に導入済みということで、普通ならどう見ても順番が逆なんですけれども。これまではおそらく実質機能していなかったのではとも思われるところ、これでようやく本対応、という事になるんですかね。

成果主義の弊害については先行した各社の悲惨な話が山ほどありますし、もはや論じる意味もないでしょう。特に経費削減圧力の強い不振企業の場合は、建前で言うように通常の業績を中間にするのではなく、最低ラインに基準を置く、すなわち普通に仕事をしている場合には最低限の給料しか支給せず、特筆すべき成果を出した場合に限り従来基準程度に加算する、というような経費削減方向に振った運用がなされるのが常なわけですけれども、その帰結として発生するところの、常に極限まで追い立てられる果てしないプレッシャーは、社員にとっては過酷の一言です。従来とは比較になりません。まあでもそれが今の標準であるのも事実なんですよね。ご愁傷様です。既に適用済みのヒラからすれば、地獄へようこそ、というような冷めた見方と、将来安定的なポジションに付く可能性が消滅する事に対する絶望の念とが入り混じって複雑、といったところでしょうか。

その導入に際して、今回は比較的導入しやすい管理職だし、経緯もあるからすんなり決まるんでしょう。個々の内心では色々あるんでしょうけれども。実際雑巾も絞らなければ立ち行かない業績でもありますしね。しかし今更適応出来るんでしょうか、って余計なお世話ですか。

日立、全管理職に職務給導入 10月から9千人対象

(注記・修正について)
当記事初出時には日立の成果主義導入に関して一般社員には既に導入済みである点を失念していたために頓珍漢な内容になっており、大変失礼いたしました。現版はその点を踏まえて全面的に修正済みです。

[biz] フジテレビ・スポンサーへの抗議の行く末

その強引、過剰と評価される韓国推しに反感を持つ人達による、フジテレビに対する一連のデモですけれども。これまで不祥事等の度に発生していた散発的かつ一過性の不買運動等とは違い、フジテレビの主要スポンサーであるところの花王へのデモも交えつつ、最低限以上の規模を保ちながら継続的に実施されているとの事で、少々興味を感じた次第です。興味とか言うと怒られそうですけれど。

現在の状況としては、その活動について、外部メディアの報道・評価はほぼ皆無、当のフジテレビや花王の反応もなく、その発生元であるいわゆるネットの内部に閉じたものとなっている様子で、実際にフジテレビはじめとするメディアや行政に影響を与えたわけではないから、その意味でこれまで不祥事等が発生する度に起こった散発的な不買活動等と異なるものではなく、まだ注目に値するものとは言えない、といったところでしょうか。運動自体に誇張や煽りのような強引さを感じさせる要素も多々見られますし、このままフェードアウトすれば、従来通り社会的には無かったも同然で終わる程度の話のように見えます。

だから、このデモを含む抗議運動が興味を惹くとすれば、それは、その先に起こりうる事、すなわちその規模を縮小させず継続した時に、メディアや関連する企業、また行政に与える影響とその取りうるアクションの内容、またその意味合いにあるだろうわけです。

といってもそんなに複雑な話でもないだろうと思います。基本的に企業は、その経済的な利害を天秤にかけ、より利益のある方向へ動くし、そこに依存するメディアも基本的にそれに倣います。そして、今回俎上に乗っているフジテレビはマス向けの広告収入に依存し、その収益の源は広告効果に依存するスポンサーなのだから、その行動、判断の大部分は広告効果の有無、増減によって決定付けられます。従って、今回の抗議運動がその広告効果を有意に低減させる規模まで拡大すれば、当然に低減する効果・収益を回復させるため、スポンサー企業、またその要請を受けるフジテレビは、抗議運動を沈静化させるべきアクションを取るだろうし、そのアクションの内容如何によって運動は終了する帰結を迎える筈ですけれども、逆に規模がそこまで至らなければ、企業としては何らアクションを取らず、無視して終わりになるのですね。今現在は言うまでも無く後者の状況です。

従って、その成否は、その運動が企業に判断を迫る規模まで継続・拡大するか否かにかかるだろうわけです。けれども、この種の活動は、往々にして暴走しがちで違法性を帯びやすく、その結果としての内部崩壊や司法行政の介入を招き、挫折する事が多いのですよね。その点、デモの映像を見る限り、組織の形を排して自由な個人の集まりとしての形を崩さず、かつ牧歌的とも言える程に合法である事を前提に運営されているように見えるのですけれども、そうする事によって従来の典型的な失敗に陥る可能性を回避する意図があるようにも思われるのです。もしそうなら、デモを主導する人が弁えているという事なのでしょうね。そのあたり、存外上手く行くのかもしれないと思わせる部分があると思うのです。

しかし、それでもまだよくわからない部分も多々あります。特に、今回の運動のゴールである筈の目的が、韓国推しの排除という抽象的なものであって、何を以って達成・到達となりうるのか不明な点、またそれと関連して、対象が私企業であって、手段も経済的な不利益を直接的与える可能性がある、すなわち業務妨害性も多少なりと帯びているのだけれども、これがその規模を拡大した時に、その主張の曖昧性とデモ参加者の不統一性から、阻却事由としての具体的な公共性を十分認めうるかどうか今一つ明確でないように見えてしまう点には、懸念を禁じえないところであります。何分チャレンジングな試みなので仕方が無いんでしょうけれども。

結局のところ、現時点では可能性があるというだけで、まだ何も達成されてはいないし、これから達成されるのかも全くわかりません。しかし、上手く行けば、その先には、現状もよく言われるところのメディア支配等という不愉快な言葉とは真逆の、民主的な双方向性をメディアが徐々にでも備えていく可能性が感じられるし、長らく日本人の欠点として指摘されて来た、極端な受動性、非主体性を修正し、非暴力は保ちつつ、自身の社会を民主的に修正構築する手段の一つに繋がる可能性があるようにも思われるわけで、その意味で、幾ばくかの期待を禁じえない次第なのです。

9/16/2011

[PC] IE10でプラグイン排除版が導入されるとか

Flashその他は全部ばっさり切り捨てて、HTML5標準のサイトのみ対応するとか。と言っても今回新導入されるMetroインタフェース版限定で、デスクトップ用には従来同様プラグインに対応したバージョンも並行して提供されるって話らしいんですけれども。また思い切りましたね。

一応理由は処理効率向上のためとか言っていますが、それは多分に建前で、実際にはAppleと同じく他社製品の排除がその主たる目的なんでしょう。プラグインが使われなければ特段処理量が増える事もないし、使われるにしても、その分の処理をプラグインでやろうが内部モジュールでやろうが、処理量に特段の違いが出る筈もないのですから。それは本来ユーザなり外部の自由に属するものなのだけれど、他社製品が好き勝手動くというのは不具合の元でもあるし、その修正、最適化もほぼ不可能ですし、それが気に入らないから締め出そうってだけの、身勝手な話であります。その文脈で見ると、Flash打倒のために投入されたSilverlightをお払い箱にしてHTML5に移行する形になっているわけですけれども、自社製品が駄目なら標準で、というのはそれなりに説得力のある判断のように思われます。ただ、ユーザとしてはSilverlightへの対応が全部無駄になるわけで、控えめに言っても非常に迷惑な話だし、最初からそうしとけよとも思います。

あと、標準に一本化するっていう決断自体には別段異議もありませんが、それで大丈夫とする根拠に挙げられてるところのHTML5対応サイトの割合が62%と少々低すぎる点も気がかりではあります。今だデファクトスタンダードの一角であるところのFlashを排除する以上当然ではあるんですけれども、実際に大半のユーザの使用に支障が出るわけで。先行のiOSの作った流れに乗って、という事なんでしょうけれども、サービスも含めてユーザを囲い込むAppleと違い、トップシェアのブラウザとして、ほぼ全てのサイトに対応出来るプラットフォームたる点にその存在価値の多くがあったIEがそれを失ってしまうというのは、実際問題として困る向きは非常に多い筈です。その点、これからベンダーを中心に少なからぬ反発が出るんでしょうし、果たしてMSはこの方針を貫徹出来るんでしょうか。

Microsoft's Metro-style IE 10 has seen the future and it's plug-in free

9/15/2011

[biz] シャープGALAPAGOS販売終了

前代未聞の自虐ネーミングで一時話題となったsharpの国産タブレット・ガラパゴス、結局一年持ちませんでした。主原因は極度の販売不振で、店頭販売なしの時点でこの帰結は火を見るより明らかだったわけですけれども、一体何を考えてたんでしょう。というか何も考えてなかったのか、あるいはネーミングに合わせた大掛かりな自滅芸か。全然笑えませんでしたけれども。シャープとしてはおそらく一度や二度の失敗でこのセグメントを放棄するわけには行かないでしょうし、次がある可能性は高い筈、仕切り直しで真っ当なものが出てくる事を期待したいところです。

ただ、試行実験としての位置づけだったとしても失敗の仕方が悪すぎるとも思いますけれど。通常、失敗プロジェクトに対しては、その後処理として、失策と成功を洗い出し、修正する事で次に繋げていく事になるわけですが、本件はマーケティングも企画も開発も初手から処置なしのレベルで、修正を云々する事自体に無理があるように思われるのですよ。そもそも事業体にビジネスを立ち上げる能力が決定的に欠けているものと考えざるを得ないわけで、という事は、要するにシャープはこの種のビジネスに向いてないから諦めた方がいいって結論になってしまうのです。あと、それ以前に普通なら再起不能ですよ。恥ずかし過ぎて。

シャープ、ガラパゴスの販売終了へ 配信サービスは継続
タブレット端末

9/13/2011

[PC] 国産スレートのwindows縛りに失望

先に発売された富士通のTH40/Dといい、先日発表されたNECのLavie touchといい、レスポンスが圧倒的に悪いatom搭載のwindows機で、しかもあの価格で、先行他社のタブレットに対抗出来るわけがないでしょうに。wintelのモデルに従って適当にアセンブリすれば売れた時代はもう過ぎたのですよ?

売上げ激減に伴って資金も人材も足りず、自前のプラットフォームを用意する力は既に無いのは仕方ないし、法人ユーザからwindows機を求められる事情はあるんでしょうけれども、汎用で無駄な処理が多い分windowsはandroid等の専用OSより処理量すなわち電力消費量が圧倒的に大きいのだから、バッテリ分の重量か処理速度か、いずれかは劣る格好にならざるを得ないわけでさ。そこを単にatomを入れて10時間稼動、ってカタログの見栄えだけを整えても、実際電力あたりの処理量は逆に激落ちなんだから、実機評価でボロが出るに決まってるし、本当に売れると思ってるのか疑問、というか良く分からない人に売りつけるんでしょうけれども、それは詐欺に等しいと思うんですよ。

もうwindowsなんかやめて、androidなりの専用OSベースに移行すべき事は明らかな筈なんですが、もうそれを実行する技術もやる気もないんでしょうか。もっとも、そうしたとしても台湾とか韓国あたりの海外メーカーの二番煎じにしかならないんでしょうけれども。

ただ、こういう、多分に値段吊り上げのために、差別化と称してユーザーに無用な不便を押し付ける本末転倒な仕様にしてくる傾向は今に始まった事ではありませんけれども、NECはLenovoに買収されて変わるかと期待してたんですけどね。残念です。この分だとLavieブランドもろとも旧NECの開発系が捨てられる日も近いんじゃないでしょうか。それで売上げが十分あるというならいいんでしょうけれども、そうじゃないですしね。

NEC LaVie Touch Windows 7 tablet comes packed with DVD-sporting dock

9/12/2011

[biz] ギリシャ短期国債利率が60%突破

2年物にて。つい2ヶ月前には30%だったのに、もはや完全に終了してしまいましたね。余程の事が無い限り、今年中にはユーロ脱退→デフォルト→IMF管理下で超リストラ、の破綻処理コースに移行する他ないものと思われます。それはそれで仕方のない話なのですけれども、問題はその際の道連れが凄いことになってしまうだろう事でありまして。債権者たるECBはじめ、SocGen等の欧州各主要銀行も地獄の底へ真っ逆さま、次いでスペイン・ポルトガル・イタリア、さらにはフランスまで道連れにしそうな勢いなのですが、さてドイツは何処まで付き合うんでしょうか。

しかし金融バブル崩壊後の流れがまんま日本と同じなんですよね。破綻した部分を清算出来ずに誤魔化してる内に底無し沼化して、結局全体が巻き込まれて転落するという。散々日本を嘲笑しておいてこの有様、ホント馬鹿馬鹿しくなります。もっとも相違点も多々あって、特に当時の日本の場合は外需や旺盛な技術革新の支えがあったわけですけれども、今回は頼みの綱のBRICSも失速中だし、イノベーションも全面的かつ急速にネタ切れして蜘蛛の糸すら見当たらない現状、さらに酷い事になるかもしれません。というわけで、本当の地獄はこれからですよー、と。

Forget What We Said About Greece Earlier...

[過去記事 [biz] ギリシャ短期国債利率が35%目前 ]

[過去記事 [biz] ギリシャ短期国債利率が25%突破 ]

--------------------追記
そして一日と待たずに70%突破。箍が外れた感じがたまりません。
The Greek Debt Rout Is Still On

しかし、通常時とは逆に、長期の利率より短期の利率の方が何倍も高い状態というのは興味深いところです。近々の破綻は確実だけれども、10年後には持ち直してるだろうとかそういう思惑がそれなりにあるからなんでしょうけれども、もう予測とは言えない位の確率でしょうに、よくやりますねホント。

9/09/2011

[law] 米国の特許法改正案が議会通過

おお。以前議会で議論中とされていた、これまでの先発明主義を先願主義に転換する改正法案がついに上院を通過したそうで。大統領も特に異議はなく署名される見込みとの事で、これで世界的に先願主義が標準となるわけですね。もっとも、満場一致というのには程遠く、有力な異論を力業で封じ込んだ形らしいし、先願主義と言っても正当性やら有効性やら、訴訟で争う道は当然あるわけだから、さしあたり実質的にはあまり変わらないんでしょうけれども。

それでも形骸化していた特許システムを抜本的に修正する、その端緒であり基礎となるものには違いないし、これから運用しながら実状に合うように修正を重ねていく事で実質的にもより適切なものになっていくものと期待されるところです。

しかし先願主義になると、さしあたりとりあえず出しとけとなるから出願は大幅に増えるんだろうし、只でさえPendingが700000件あるというのに裁けるんでしょうかね。何かその辺は手当てするのか、報道ではとりあえず触れられていませんけど、もし何もしないとなると、実際問題処理出来ないと思うんですが。その辺は日本も酷いですけどね。

US Senate passes patent system reform bill, Obama expected to sign into law

[過去記事 [law] 米国が特許先発明主義から先願主義への転換を議論中]

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そして大統領の署名も恙無く終わり、法案が成立。二年後の施行が決まりました。さてさて。
Obama signs patent reform bill

[tech] 空港での虹彩認証チェックイン

カナダのバンクーバーで虹彩認証による自動チェックインゲートを展示してるそうで、記事を読むと複数箇所で実証実験も実施中だとか。もうこういうのは無理という事で結論が出たと思ってたんですけど、未だにやってんですね。

システムとしてはカード読み取りの1対1認証、ゲート脇のリーダーにカードを読ませてからポールに備え付けられたカメラの方を見る事で認証するという事で、特に新しい要素は何処にもありません。であるからには、認証の精度、既知の認証困難な場合についてもおそらく同様である筈で、コンタクトやら近赤外光を反射する類の眼鏡類やらの着用者とか、とても細目の人とか、他にもカメラの方を向く際の向きズレの影響だとかで、認証出来ない人が結構な割合、少なくとも数%以上は出るだろうわけで、結局は従来と同じ手続きを残さざるを得ないんですよね。あと、コンタクトで簡単になりすませてしまうのも解決したんでしたっけ?とか。

虹彩認証自体の問題の他にも、記事でも言及されている通り、既にもっと安価な指紋認証を導入してしまっている国がたくさんあるわけで。ICパスポートの仕様変更なんてそうそうできないし、それでも仮に何処かが虹彩を導入したとして、認証方法が国やら場所によって違うというのでは、登録データ管理の面だけでも事実上運用不可能という事になってしまうのですよね。大体、経緯的にテロ防止の観点から一番認証出来なきゃいけないのは外国人な筈なのに、国内限定というのでは意味がないでしょう。

かように、非常に強く今更感の漂う話なわけです。何度騙されたら気が済むんでしょうか。もっとも、開発会社とか政府の関係部門からしてみれば、絵に描いた餅的に実験を続けているだけで仕事をしている事になって結構な金が回るからそれでいい、というかむしろ実際に使われない方が問題が発生しない分望ましい、とか思ってるのかも知れませんけど。何とも馬鹿馬鹿しい話です。仮に導入に成功しても、空港にしろ銀行にしろ、その少ない例を見るにつけ肝心の目的は達成されず、手間が増えるデメリットばかりが残った感じだし、生体認証自体が本来的に多くの人にとっては無駄な、筋の悪い技術なのかな、との思いを深めてしまう次第なのです。今更ですけれども。

AOptix e-Gate could improve global airport security, replace ID checks with iris scans

9/06/2011

[biz] 東芝がWH株追加買取

すると聞いて、何故?そんな余裕あんの?とまず疑問を感じたわけですけれども、確認してみると、出資時の特約として、他株主に保有分株式を東芝に強制的に買い取らせる権利条項があって、これを行使するって話だから拒否は出来ないんだそうで。売却する側のショー・グループは4000億中20%だから800億の出資で今回売却額が1000億、それに当てたとされる円建て社債の金利を考慮してもまずトントンという所、逆に東芝としては今更代わりの出資引き受け先を探すのも大変、というかまあ価格によるんでしょうけども余程割り引かないといけないだろうし、その差損を被る格好ですね。ご愁傷様です。

しかしこの特約が設定された事自体がね。こういう強力な条項は、将来起こりうる状況の予測は一般に極めて困難かつ往々にして致命的な結果につながる可能性が懸念される事から、余程客観的かつ安定的に見積もりが可能な場合か、でなければそのリスクに目をつぶり、予測自体を事実上放棄したような場合にしか設定されないものな筈なんですけれども、WHの買収自体は当時から相当にリスキーなものとして認識されていた筈だし、結局のところ後者だったって事なんでしょうね。その契約時には、少なくとも東芝側としてはその行使される可能性を小さく見積もり、出資を取り付けるエサとして安易に算盤を弾いたんでしょうけど、見事にあてが外れたわけで、ここ数年の東芝の弱点であるところのリスクを過小に見積もる体質、その帰結の典型のように思われるのです。本件自体は致命傷とまではいかないんでしょうけれど、原発関連ではまだ従前の強気な姿勢、もう既に単なる建前に過ぎないようにも見えるそれを崩していない以上、この種の失策はまだまだ雪だるま的に拡大しそうにも思えて、危うさを一層強く感じざるを得ないのであります。

東芝、ウエスチングハウス株1000億円強で追加取得へ

9/05/2011

[biz] USPSが倒産寸前

E-mail等の電子的な通信手段の普及に伴い取扱量が激減して、その年間営業損失は92億ドルにも及ぶ状況にあって、資金調達もままならず、数ヶ月以内には倒産するであろう危機だとか。郵便事業の苦境については、米国も日本と同じという事ですね。リストラしようにも現状では法律的に困難で、その緩和を議会に働きかけているそうですけれども、間に合うんでしょうか。必要とされる削減数は22万人、その対象となる現社員70万人弱による抵抗は半端ではないでしょうしね。只でさえ新規雇用者数が近々でゼロに落ち込んでる現状、政府の政策的にも社会的にも最悪のタイミングな筈でもありますし。

さらに、仮に当面の資金調達に成功したとして、リストラ以外の対策が悉く意味不明な感じなのがどうにも。ラスト1マイルのサービス拡充だとか、そりゃ電子メールには出来ない所には違いないけど、それで新規需要が掘り起こせる見込みは薄いだろう上に、最大の弱点であるところのコストが激増してトータルマイナスになりそうな感じで、お話になっていません。まあ半公務員というか、経営戦略とかいう概念から最も遠い部類に入るところの国営系郵便屋にイノベーションを求める事自体無理筋って事なんでしょう。さて米政府はどう裁くんでしょうか。

Postal Service Is Nearing Default as Losses Mount

9/04/2011

[law] 在日韓国人からの献金への言い訳が謎

野田首相が早くも重傷という事態になって、最早お約束とも言うべき感のある在日韓国人からの献金発覚の話ですけれども。どれも事実関係については争う余地も無い様子、その時点で法的には完結する話なんですけれども、それに対して関係者が「違法と知らなかった」とか言い訳してるのが不思議で仕方ありません。というのも、こういう法の不知は、法的には原則として違法性の阻却事由にはならない、すなわちそういう法律がある事を知ってようが知らなかろうが罪の成立に関係しない事は、法の関係者なら常識の筈なんですよね。報道する側はその辺を当然知ってるだろう筈なんですけど。そうと知りつつ容疑者側の発言をそのまま報道する事で、おバカさん達を嘲笑してるとかそういう構図なんでしょうか。だとしたら意地悪な話です。全く以て自業自得ですけどね。

ともあれ野田首相の件単体については、始まる前から終わっていた、で片付けて良いだろうと思うのです。ただ一方で、本件が含まれるところの、在日韓国人からの献金という事象については、在日韓国人の数とその日本国内の政財界への浸透の程度からして、現在なされているように個人と同一視される被支配企業からのものも含めて考えれば、与野党問わずそもそも受け取っていない議員は非常に少数派だろうとも思われるのであって、それをこれまでのように誰かが政府役職につく度に逐一もぐら叩き的に処理するのでは一向に埒があかないわけで。それによる弊害も半端じゃないし、といって無かった事にするのは論外だしで、結局のところ、何処かで清算が必要になるだろうとも思うんですよね。それと併せて、例えば献金時の通名禁止、国籍証明義務付けとか、法人相手には献金時の株主と役員の当該事項申告証明義務付けとか、まあそれはそれなりに難しいんでしょうけれど、そういう知らなかった、が通じなくなる仕組みを入れる必要があるんでしょう。でないとマジで何にも進まないし困るのですよ。

[dis] 台風による西日本の農産被害と汚染品流通への懸念

ここ数日の降雨量が累計1000mmを超えて当然に河川の氾濫が相次ぎ、大水害となってしまった台風12号ですが、ここまでのレベルになると、稲作始め各種農産への被害も甚大なものになる事は必至、秋の収穫時期を目前にして残念な限りです。その程度はこれから明らかになるんでしょうけれども、只でさえ今年は東日本の大震災とそれに伴う放射能汚染、次いで北陸の水害と農産物に関しては半壊状態だった所に、それを補う筈だった西日本でも収量激減が避けられないとなると、少なくとも農産物の供給不足に拍車をかける事は間違いないように思われます。

もちろん一義的には多かれ少なかれ短期的な当該農産物の価格高騰が予期されるわけですが、それと併せて、放射能汚染された農産物の流通、その相対的な増加が懸念され、長期的にはこちらの方が深刻なもののように思われます。正規品が十分に無いとなれば、需給にギャップが出来る結果、産地を偽るにせよ、単に国産とのみ表示するにせよ、本来なら売りにくい、もしくは売れない非正規品でも売れやすくなってしまうのだから、当然のように生産、流通、小売の各々の業者ともにそのギャップを埋めるべく動いてしまうであろう事は容易に想像されるのですよね。よりによって検査体制も整わないために消費者側で区別が出来ず、しかも汚染の程度は最も深刻であろう今年の農産物、それが流通する事による長期的な被害は想像するだけで戦慄が走ります。

ある程度持続的に危機感を維持出来る人なら、輸入品を中心に選択する事で概ね回避出来るであろうけれども、喉元過ぎれば熱さ忘れるというか、そういう、記憶の続かない、有り体に言えば馬鹿な人が大半なのですから。冗談では済まない事態なのですけれども、仮に国が遅まきながらに抜本的な対応を始めるとしても肝心の方法が実際問題としてない以上、最終的には自己責任になる筈の話、どうしようもないんでしょうかね。人の事など知ったことか、で済ませるのは、あまり気分のいいものではないのですけれども。

9/02/2011

[tech] 自発電式カブト虫コントローラ

カブト虫の頭に取り付けてコントロールするユニット、コントロール自体は従来既に実現出来ていたところ、バッテリー重量過多のため適用困難だったらしいのですけれども、ミシガン州立大のチームが、羽根にピエゾ素子を付けてコントローラ用に発電する事で軽量化に成功したとか。大した技術だとは思うのですけれども、何に使うのでしょう。DARPA出資という事だから軍事用途を想定してるんでしょうけれど、偵察用途にはカメラ類が必要で大分ハードル高そうだし、囮とか伝令とかでしょうかね?その辺は今後の努力に期待という所でしょうか。将来的にはそのとてもキモい外見も何とかして欲しいものです。冬虫夏草あたりに匹敵するキモさだと思うのですよ。

DARPA harvests energy from cyborg beetles to keep them brainwashed

9/01/2011

[law] 南海電鉄でも高校野球賭博が発覚

内部通報で発覚ですか。通報を受けたコンプライアンス部門が大阪府警に通報したと。報道の内容を見る限りではその程度は軽めに見えますけれども、賭博罪は常習性の程度によって罰金刑から懲役刑まで軽重が変わる罪ですし、その判断は司法に委ねられてしかるべきもの、内々での処理に走らなかった点は評価出来るもののように思われます。

しかし、高校野球等を対象にした賭博行為というのは、別段珍しくもない、どころか、至る所でなされている事も周知の事実なんですよね。歴とした犯罪なのに、というか毎回やってたりしたら常習という事で懲役になりえるわけなんですけど、そういう認識が一般にあるとは到底言えない現状には困ったものです。先日のキッコーマンの件ともあわせて、地道に摘発を重ねる事で周知浸透を図るより他どうしようもないのでしょうけれども、万引きと同じように遍在したままの状態が続いてしまいそうにも思えて、虚しい限りであります。

というか、この種の、社会の小さくない範囲で誤って罪ではないと思われているような犯罪は、おそらくやり過ぎ位の罰が加えられないと減らないんでしょうから、この際見せしめ的な意味を込めて少し重めの処分を希望する次第です。個人的には、高校野球に金を絡めて恥じない神経も理解しがたく思いますし、容赦は無用で。

南海電鉄運転士ら17人、高校野球賭博

[過去記事 [law] キッコーマン兵庫高砂工場で賭博、大量送検 ]