9/19/2011

[biz] VWのスズキに対する姿勢が意味不明

スズキを一方的に子会社扱いして、三行半を突きつけられたからって敵対的買収をちらつかせ出したとか。ある程度予想はされていた話ではあるし、可能か不可能かで言えば、買収の目的性質も自然だし、VWの社会的評価も資金力も十分、さらに既にほぼ20%を持っていてるのだから、あと30%強程度でよいわけで、価格次第でTOBが成功する可能性はあるんでしょう。スズキも取得条項とか新規発行条項とかの買収防衛策は導入していないって話らしいですし。

けれども、そもそもスズキの価値であるところの傑出した経営戦略と実行力、それは大部分カリスマと称される鈴木会長ら経営陣の手腕と人望にかかっている事は周知の事実、それと敵対して強引に買収したとしても、その後は当然彼らを経営から排除せざるを得なくなってしまうし、さらに信奉する社員の離反も著しいだろうから、スズキの人的な面での強みの大半を失ってしまうであろう事は必至なわけで。本末転倒も甚だしく、VW経営陣が何をしたいのかさっぱりわからない、というか正気を疑わざるを得ません。あれですね。きっと最初からスズキを一地域部門として取り込む事しか考えておらず、企業としての構造やら性格やら知ろうともしなかったために、今だ状況を認識出来ていないんではないでしょうか。だとしたら馬鹿ですねえ。インド市場への拠点にするといっても、こんな無理して吸収するより、VW本体として新規に進出した方が余程安くスムーズに実行出来るでしょうに。

鈴木会長が引退して、それなりにフラットな体質に変わった後でというのなら、まだありえると思わないでもないですけれども。買収するにせよしないにせよ、それなりに痛い目を見そうな様子に思われますが、原因と経緯から見てほぼ完全に自業自得な話でしょう。もっともまだチラつかせてるだけの段階だし、買戻し価格を吊り上げるためのポーズってだけなのかもしれませんけどね。だとしても相当な範囲が迷惑を被る話ですし、さっさとケリをつけて欲しいものです。

VW首脳「スズキの買収も選択肢」 独誌報道