7/06/2022

[note] 現金利用者を公然と中傷する人たち

の言動が極めて不快です。今に始まったものではありませんが、なんとかならないものでしょうか?本当に。

キャッシュレス決済が日本国内でポイント付与等の政策的な後押しを受けて大々的な普及を始めてから早数年。代表格であろうPaypayのサービス開始からだと大体4年位でしょうか。現状としては、利用率は小売での決済のうち3割程度の利用と、コンビニ等で普及はしたものの、現金決済の置き換えはおろか、多数を占めるにも至っていません。

要因は様々ですが、まず第一に、当初から言われ続けて来ている事ながら、決済手段の乱立が未だに解決されていない点が挙げられます。キャッシュレス決済と一口に言ってもQR、プリペイド、クレジット、デビット等、決済方法や業者が多数乱立競合し、改廃も頻繁なため、純粋にシステム面で各店舗等で全てに対応するのが困難です。また各小売業者がポイント等で顧客の自社への誘引を図る際にも競合してしまう事もあって、店舗側・顧客側双方で多数の決済手段を並列的に準備し、決済の際にもそれぞれにアプリ等を準備しておかなければなりません。これに対し、現金は原則共通で利用可能なため、本来キャッシュレス決済の利点である筈の利便性の観点からむしろ現金でいいと考える消費者が少なからず生じており、この点が最も主たる要因と言えるでしょう。また、ネット上の通信を前提とする決済は障害発生時に利用不能になるというデメリットについても、当然無視できない店舗も人も多いでしょう。ネットが繋がらないから決済出来ない、では当たり前ですが困るのです。

実際、一般家庭において、日常的に最も決済の機会の多いであろう食料品スーパーでは、支払いのみをセルフで行う、いわゆるセミセルフレジが主流で、そこではキャッシュレス決済と現金決済が併存する形式になっています。コンビニですら(セミ)セルフレジの導入が進んでいます。少なくとも、現金決済が排除される必要性も必然性もないし、将来的にそうなる見込みもありません。結局のところ、キャッシュレス決済を利用したい人、現金を利用したい人、個々の利用者の要望に従い、決済手段を使い分けられるようになっています。可能である限り、求められる選択肢を自由に取る事が出来るようになる、それは社会システムとして極めて自然な成り行きと言うべきでしょう。

なのですが、キャッシュレス決済は便利、現金決済は不便で不合理、とする排他的な極論を主張し、執拗なまでに現金決済を批判する人が絶えません。のみならず、現金決済の利用者を嘲るものも少なくありません。便利な方法を知ろうともしない、理解することもできない、愚かだ、等として。決済手段の選択など、言うまでもなく個々人・店舗の自由に属する事柄です。手段間の優劣を論ずるのもまた自由ですが、その見解にそぐわない行動を取っている赤の他人のそれをして嘲笑するなど論外です。全く以て正当性を欠き、到底許されない誹謗中傷と言う他ないでしょう。

そもそも、キャッシュレス決済が利用可能になっただけで、現金決済が何かしら変質して有害なものになったわけでもなく、本来的にそれを批判する必要はないのです。であるにも関わらず、それを行う者がいるとすれば、それにはそれなりの理由がある筈です。現金決済の排除すなわちキャッシュレス決済の利用拡大が利益となる事業者自身、またそのステークホルダー、通ぶりたい自称評論家、現金のやり取りを嫌う店員、他者にマウントを取りたいナルシスト、自分の意見に従わない者を敵視する全体主義者、差別主義者、etc。いずれにせよ、他者の事情、権利を省みず、理不尽な非難を加えて憚らないその態度からすれば、自己中心的な動機によるものである可能性は極めて高いでしょう。それを、「時代の変化への適応」をダシにしてあたかも正当な論評であるかのように装いつつ、公然と発信する、その振る舞いは卑劣という他ありません。

百歩譲って、そのような理不尽な言動もまたその人の人格の発露であり、避けられないものとして許容せざるを得ないとしても、そのような誹謗中傷を公の場でさらけ出すような真似は止めて頂きたいと、心からそう思う次第なのです。