したそうで、Chapter11を申請したとの事。同社は暗号資産の貸出を主力業務としつつ、預かった・貸し出した暗号資産の売買も行い、自らが同社の名前と同じコインCelsiusを発行したりもする、暗号資産銀行とでも称すべき業者の中でも特に有力なプレイヤーでした。
と言っても、だいぶ前から大損こいて複数の州当局の調査も入っていましたし、もうダメなのは明らかでしたから驚きはないのですが。とは言え仮にも大手の一角ではあり、利用客は少し前の段階で100万以上、資産・負債共に入り組んでいて分かりづらいのですがその負債の規模はおよそ数十億ドルから100億ドルほどもあると言われていましたから、結構な大型破産案件ではあって、その影響は小さいものではないでしょう。
現在は口座は凍結され、引き出しも停止しています。もっとも、本来顧客の資産である筈の暗号資産を預かり運用するという銀行と類似した業態でありながら、銀行とは異なり自己資産との区別もなされておらず、一緒くたに運用されていたようですから、凍結というより、引き出しに応じようにも(本来留保されている筈の)暗号資産そのもの自体が存在しない、という事なのでしょう。利用者保護の法規制がなされていないのだから、それもある意味当然の結果と言えるんでしょうけれど、困ったものです。
破綻の理由は、価値が一瞬で0になったLuna絡みで先に破綻した暗号資産ファンドのThree Arrows Capitalへのエクスポージャーが主たる原因らしいので、ここ最近の暗号資産バブル崩壊、その連鎖倒産の一環という事になるのでしょう。他にも大小様々な業者が同様に破綻している上、同社レベルの破綻も加わればさらに連鎖して破綻する業者が出るだろう事は必至、暗号資産の黒い季節はまだまだ続きそうです。
ただ、実体ある資産・信用の裏付けがない以上、いずれこのような事態になる可能性が高い事は当然ながら分かり切っていた話で。巻き込まれた業者も顧客もみんな自業自得という他ないし、株式市場等への直接的な影響はさほどないだろう事もあって、救済云々を考える必要がなく、どこまでも他人事として見ていられるのは救いと言えるでしょうか。
Celsius Files for Bankruptcy as Users Worry Their Money is Gone Forever