ラジエータ等の自動車部品業界で大規模なカルテルの嫌疑がかかって、公取委のガサ入れがあった、と。被疑者の顔ぶれは、デンソー、三菱電機、日立、ホンダ系のミツバ、日産系のカルソニックカンセイ、トヨタに近いティラド、と国内の全自動車メーカーをほぼカバーする範囲という事で、それはカルテルを機能させるために必要だったんでしょうけど、こんだけ沢山のプレイヤーが関わってたらバレるのも当然、仕組み自体が無理だった、とそのように思われます。しかし始まったのは遅くとも2002年という事だから、10年近くは発覚を免れてきたわけで、相当上手く隠すシステムを確立していたのか、単に運が良かったのか、公取委の怠慢があったのか。いずれにせよ、その報いは存分に受けるべきところです。各々が得た利益の3倍返しくらいで。
2002年当時頃と言えば、いわゆる系列の崩壊が進んでいた頃で、それから今日に至るまで続く自動車メーカーからの苛烈な値下げ圧力という事情があった、そこには多少なりと同情できなくはない側面もあるでしょう。しかし、それはこの業界に限った事ではないし、他の業界の多くでは個々の技術革新と合従連衡によって業界全体としてコストを削減し、それでも多くの企業は淘汰されつつ、その態様には是非緒論あれども、業界自体が適応していったわけで。いかに系列時代との落差が激しく厳しいものであったとしても、本業界が特に保護されるべき理由は何処にもない、むしろ業界自体には存続に足るだけの需要があっただけ恵まれていた筈なのに、その事を理解せず、従来の地位に安穏とするために違法な協定に手を染めた、その安易で卑劣な振る舞いには、極めて残念な思いを禁じ得ないのであります。
まあ、同様の話は他にも山ほどあるんでしょうけどね。公取委には、速やかに摘発の上、再発防止のため、厳罰の適用を願う次第です。
車部品カルテルの疑い デンソーなど7社立ち入り
公取委