7/22/2024

[pol] Old man leaves. Who comes next?

ようやく、です。Joe Bidenが次期大統領選からの撤退を表明しました。お疲れ様でした。

後継指名は当然に副大統領のKamala Harris。人気がない、Trumpには勝てない、と言われ続けて来た彼女ですが、そういったよくない評価は、そのBidenの影に控えるべき立場から来る制約によるところもあったでしょう。

選挙までさほど日数はありませんが、Harrisはこれから制約のない立場で、先頭に立って自由に言葉を発する事が出来るようになります。そこで、自らの、国民を導く指導者たる資質を証明できるならば、逆転の可能性は残されているでしょう。

そもそも、Trumpはあまりにも瑕疵にまみれた候補です。年齢もBidenと大差はなく、その主張に合理的な根拠はなく、社会に無用の争いや対立、また混乱を招き、自身も在職時から今まで収監されていないのが不思議な位の紛争を抱えてもいます。Trump自身の人気は健在ですが、多くの人にとって、未来を託す事の出来る、その期待を持てる候補ではない事も疑いようのない事実でしょう。

年老いた、過去の栄光に縋る老人を選ぶより、不確かでも未来を切り開く事を望む人は数多くいます。彼ら彼女らは、これまでの大統領選には殆ど絶望していたでしょう。長く続いた閉塞を打ち払い、人々の期待に応え、アメリカを、世界を導くに足る指導者としての姿が示される事を望みます。

もっとも、まだHarrisで確定したわけではありませんけどね。しかし誰が出るにしても同じ事です。 偉大なるアメリカに幸いあれ。

[pol] Joe Bidenに救いあれ

7/12/2024

[pol] Joe Bidenに救いあれ

Joe Bidenに決断の時が迫っています。迫っている筈なのです。もしかしたら、本来訪れるべきだったその時は既に過ぎ去っているのかもしれません。しかしまだその決断はなされていません。果たしてその時は来るのでしょうか。だとしたらどのような形で?

彼の歴代最高齢での大統領就任から3年余り、その間にもしばしば明らかな加齢に伴う認知症から来る痛ましい姿を見せ続け、殆どの人がもはや次の4年には耐えられないだろうと予感し、そして先日のDonald Trumpとの公開討論で全世界に無残な姿を晒した事で、公然と立候補を取りやめるべきだと支持者からも主張されるようになった事は周知の通りです。

もはや人の名前を覚える事も、正確に思い出す事も出来ず、公の場にあってさえ頻繁に自失の態を見せるようになった彼に、指導者としての責務を果たす事を期待するのは酷と言うより不可能です。 

何より、誰もが知る通り、大統領選では競争相手、比較相手がおり、例え本人が万全かつ支持層が強固であったとしても相手の評価と情勢如何でギリギリ勝てるかどうかというシビアな選挙です。民主党支持層ですら公然と不安を覚えるような状況で、Trumpを上回る票を集められるわけはありません。その意味でBidenはとっくに詰んでいます。議論の余地もありません。

しかし、そんな状況でも、本人は未だ撤退しようとはしていません。少しでも迷いを口に出したり弱気な態度でも見せたりしようものなら、その時点で終わってしまう事がわかっているから、撤退を決断するその時までそのそぶりは見せない、それは当然の事ではあります。そして、そのあまりに重く残酷な決断をするにも相応の時間が必要、それはその通りなのでしょう。

ただ、彼のあのあまりにあまりな衰えぶりを見るにつけ、不安を感じずにはいられません。そもそも彼は本当にそういう、撤退を検討するにあたっての合理的な判断、そのための多岐に渡る要素を総合検討するといった、合理的な思考が出来ているのでしょうか。出来る状態なのでしょうか。

認知症は、本当に残酷なものです。程度の差こそあれ、その名の通り自分の置かれている状況を認識出来なくなるのですから。抗う事も許されず、時に世界で一番大切な人の事すら容易く永遠に奪い去ってしまう。認知症に侵された彼は、一体どこまで自分の置かれている状況、殊に周囲の人の彼に対する評価を把握出来ているのか。おそらく短期記憶は壊滅的で、長期記憶の部分もかなり破損が進んでいるようですから、もはや彼がリーダーシップを取れるとは思われていない、その現状を把握出来ていなくても全くおかしくはありません。むしろ正確に把握出来ているわけはないでしょう。

今の彼は、現在を正確に認識出来ず、壊れつつある過去の記憶によって立つだけの、まさに全てに別れを告げ、人生の終わりを迎えようとしている一人の老人に過ぎません。その、彼に残された、公僕としての仕事に一生の大半を捧げた記憶から、大統領としての、あるいは大統領候補としての責務を全うせねばならないとの、殆ど妄執のような思考に取り憑かれて、そこから抜け出せなくなっているだけなのだとしたら。

彼には、もはや大統領選からの撤退を、撤退せざるを得ない自らの現状を、認識する事すら出来なくなっているのかも知れないのです。そんな彼に、社会は容赦なく大統領としての責任を課し、再選を目指す候補としての振る舞いを要求し、それに応えられない彼を、その振る舞いをあげつらって批判するのです。だとしたら、それはなんと言う残酷な事なのでしょうか。

その悲劇の責任は、もはや彼にはありません。その年齢から、彼がそうなるかもしれないと知っていながら現在の状況に追い込んだ周囲の責任です。この上は、速やかに彼が解放され、他の多くの老人と同じく、心安らかに人生の最期を迎えられるよう、その周囲の者がケアするのが責任というものでしょう。もちろん簡単な事ではないでしょうけれども。

それで彼の代わりの大統領候補を今から立てるのは大変でしょうし、Kamala Harrisをはじめ、その代替として名前の上がる候補は誰一人として全米で広範な支持を得られるとは考えられず、高確率でDonald Trumpに負けるでしょうが、それも致し方のない事、言ってしまえば自業自得だと思うのです。

他の候補者達が名乗りを上げない、上がらないのは、負けるとわかっているから、Trumpに負けたらキャリアやイメージに傷が付いて今後の戦略上好ましくない、とかそういう理由で、Bidenに敗北を押し付けようとしているのかもしれません。そうだとしたら、卑劣と断ぜざるを得ません。そんな卑怯者が大衆の支持を受ける事は未来永劫ないでしょう。

Highlights from Biden’s high-stakes news conference

 <追記>

それから粘る事しばらく。Bidenは次期大統領選からの撤退を表明しました。一安心と言っていいのか。お疲れ様でした。

[pol] Old man leaves. Who comes next? 

7/11/2024

[note] シャレにならない(かもしれない)石丸氏

先日都知事選に出ていた石丸伸二氏が、その後のメディアへの露出時の言動を巡って各所で話題になり続けているようです。

取り上げられ方は、その話をはぐらかす詭弁的な応答をネタにして茶化すもの、話し相手によって露骨に態度を変える様を指して眉をひそめるもの、そして大半の相手を見下しつつ小馬鹿にしたりして貶めようとする様を非難するもの等、様々ですが、いずれにも共通するのは、到底肯定的なものとは言えない事です。

もちろん全てではなく、ごく一部に共感を示す人もいますが、明らかに少数で、その他の大勢からは石丸氏のそれと同様の扱い、すなわち否定的な反応か無視かを受けています。

公職に就いていたもの、就こうとしたものとして、その言動が注目され、また広く厳しく批判にさらされるのは当然の事ではありますが、行き過ぎはしないか心配になるほどです。もっとも、私自身も先日否定的な評価をブログに書いたのであまり言えた口ではないのですが。

今の所、当の本人はあまり気にした様子でもなく、むしろ嬉々として批判する人達を小馬鹿にし続けているようにも見えますし、実際のところ問題はないのかもしれません。

ただ、彼の言動を嗜めるとか、擁護しようとしたりする味方とか、つまりは仲間とか友人的な人が皆無なのですよね。肯定的になるにしても一部の発言に限って理解を示すとか位がせいぜいです。第三者的な立場からの擁護すらほとんどありません。という事はつまり、ほとんどの人が、他人事としてではなく、自ら石丸氏とその言動について否定的な感情を抱いているということなのではないでしょうか。もしこんな人が近くにいたら到底受け入れられない、といった類の。

そこから推測される事は、要するにこの人はこれまでずっとこうやって、ひたすら自分の衝動のままに周囲の人を意味もなく攻撃し続けて、誰の事も理解しようともせず、当然の結果として距離を置かれ、言ってしまえば嫌われて生きてきたのだろうという事です。直接関わったわけでもなく、選挙とそれに関連する報道を通じて見聞きしただけでこれだけ嫌われるのですから、直に接してあのような言動を浴びせられればどうなるか、それはあまりにも想像に容易いことです。

誰からも距離を置かれる、嫌われる、というのは、場合によってはいじめのような状況になる事もあったかもしれません。しかしそれを非難する事は出来ません。誰彼構わずあのような振る舞いをしていれば、そうなる事は当然の結果と言う他はないのです。それでも今なおそうしているのだから、きっと彼自身かけらも気にしてはいないのでしょう。あるいは人と馴れ合うような真似は死んでもしたくない、位にさえ思っているかも知れません。

だったら何故人と関わる仕事に就こうとするのか、あまつさえ全体の奉仕者たるべき公務員、しかもその責任者になどなろうとするのか、という疑問も生じますが、もしかしたら真逆で、権力を得て人を見下したい、苦しめてやりたい、気に入らない人を排除してやりたい、とか考えているのかも知れませんね。安芸高田市長時代の振る舞いはまさにそんな感じでしたし。

つまりパワハラや権力の濫用こそがしたい事で、それが出来る権力者になりたいから首長に立候補した、とか。そうだとしたら最悪なのですが、ある程度辻褄は合ってしまうのがなんとも。自己満足以外に何の意味もないというか社会的には害悪にしかならないし、第一基本多数決の論理で動く政治の場で周囲の支持もなしにそんな事をしようとしても、自分が排除されるだけでしょうに。

とはいえ、孤独であろう事は間違いないし、ある種の痛々しさも感じずにはいられないのです。少なくとも、面白半分で茶化したり、いくら嫌悪感があったとしても人格への批判を無制限に加え続ける事には、健全な社会の倫理からの躊躇いがあってしかるべきでしょう。

個人的には、そもそも彼は誰もが目にするようなメディアには出てほしくないですね。子供の教育にもよくないと思います。子供が彼の真似をしたりすれば、彼のように友人を無くすだろうし、下手をすれば社会に適応出来なくなってしまいます。シャレになりません。youtubeで動画を配信する位ならフィルタ等で目に入らないように出来るので、それ位に留めておいてもらいたいと思います。多分無理なんでしょうけれども。

 [pol] 大山鳴動した都知事選

7/10/2024

[pol] パワハラ告発者を逆ギレの末に殺した兵庫・斎藤知事と維新

やはり維新の人間だったか、というか。兵庫県の斎藤知事と維新所属議員が人を死なせたようです。胸糞の悪い話ですが一応。

経緯はさんざん報道されているので省略しますが、簡単に言えば、県職員相手に散々パワハラをし、それを元県幹部職員に告発され、事実無根の嘘八百だとして告発者に逆ギレし、あまつさえ罵詈雑言を浴びせていたところ、告発に事実が含まれている事が明らかになり、それ以外の点についても告発内容の真偽を問うために地方自治法100条に基づく委員会が県議会に設置され、追求の手続きが進められていたところ、まさにその開催直前になって証人として出席する筈だった告発者が死亡したという話です。

おそらくは自殺、という事ですが、自殺か他殺かはさておき、その原因が斎藤知事はじめ維新議員のパワハラ告発・100条委員会開催に向けての、告発者たる元県幹部職員への対応というか仕打ちにある事は殆ど疑いようがない状況です。

というのも、当該委員会の審議等は裁判に準ずるものであり、証人の出頭義務や偽証への罰則等も法定されているため、当然ながらその権限を目的外に濫用する事は許されないところ、維新所属の議員は告発書以外の、告発書と共に押収された告発者のプライバシーに属する事項についてもいわゆる黒塗りをせず公開し、審理の対象にしようとしたのだそうです。

これは純然たる人権侵害に他なりません。もちろん違法です。そもそもの前提として、100条委員会の喚問は刑事事件のそれにも等しいものです。証人には出頭義務があり、各種書面の提出義務もあり、黙秘権も制限されます。この場で上記のような事が証人に対してなされる、というのは、例えれば、刑事事件の裁判で、その告訴者が証人として出廷するとして、事件とは何ら関係のない、証人のプライベートな事柄の開示を被告弁護人が求め、あまつさえ裁判長がそれを認めたようなものです。ありえません。公の裁きの場を何だと思っているのでしょうか。

それを知った告発者は、プライバシーへの配慮すなわち告発に関係ない事項の非開示を求め、しかし聞き入れられず、追い込まれていたとのこと。当たり前です。公益性も正当性も何もない、単なる報復のために、そのプライベートな事柄を、公の、しかも証言の拒絶も許されない裁きの場であげつらわれ、理不尽な人格的非難を知事と維新から受けるだろう事になった告発者の心情は察するに余りあります。まさしく絶望と言うにふさわしいものだったでしょう。それこそ自殺を選んでも何ら不思議はありません。

被害者が亡くなった後、これはまずいと思ったのか、慌てて委員会の方では告発書の記載内容以外については非公開とし、審理の対象からも外す旨緊急決議を行ったそうですが、無意味です。委員会側の、特に唯一その公開を求めていたと言われる維新所属議員の泥縄の言い訳・取り繕い的な保身に出たものである事は疑いようがありませんし、むしろその卑劣さに吐き気がしますね。謝罪の言葉もありません。議員云々以前に、およそ人間の所業ではないと言わざるを得ませんね。

当の斎藤知事については何をか言わんや。自分が殺したも同然の相手に、お悔やみを、とかどの口が言うのか。人にお悔やみの言葉を述べる前に自分の行いを悔いるべきです。ショックを受けた?何に?自分が人殺しになってしまった事にですか?何を今更。

代表の馬場しかり、維新はゴロツキやらチンピラが政治やってるようなものとはよく言ったものです。よくこんなのが住民の、国民の代表になろうとするものですね。それをもてはやす人も含め、悔い改める必要があるんじゃないでしょうか。

これは関係ない蛇足ですが、先日終わった都知事選で、もし石丸氏が当選していたら、似たような事が起きていたのかもと思わずにはいられません。ぞっとします。もっとも、彼には維新のようなそのパワハラに加担し擁護するような仲間はいないので、ここまで酷いことにはなりにくいだろうとは思いますけれども。 

斎藤知事のパワハラを告発した兵庫県元幹部が死亡 百条委員会出席で紛糾していたプライバシー問題 

[pol] 大山鳴動した都知事選

7/09/2024

[pol] 大山鳴動した都知事選

東京都知事選が終わりました。

首都とはいえ、あくまで一地方自治体の首長選挙であって、それ以外の地域の住民には基本関係ない話の筈だったのですが、それ以外の地域でも国政選挙であるかのような報道されっぷりでした。その事に多少の違和感はあります。

が、地方選挙の中では群を抜く注目度・影響度がもたらす副作用として、それもある程度までは自然な事だったと言えるでしょう。選挙広告の目的外利用や選挙妨害のような、多分に今後他の地域の地方選や国政選挙にも波及しかねず、それ故に規制の是非が議論され得るだろう事象もありましたし。

しかしそれ以上に、蓮舫氏と石丸氏という特徴的な対立軸を象徴する候補が立候補していた事がその過熱の主たる要因であったのだろうと思います。往々にして単に著名人であるというだけの候補が乱立し、単なる人気投票と化す事も珍しくない都知事選ですが、その2人は程度の差はあまりに大きいにしても、他分野の著名人というわけではなく、いずれも元より政治家として認識されている候補でした。結果、本命・対抗ともに全員が政治家同士の対決という構図になったのです。人気投票の要素は副次的なものとなりました。

この違いは大きいものでした。何故かというと、「現状に不満はあるが、それでも政治の素人はダメ」と考える、投票に関心は十分にあるが消極的に現職か、いなければ最有力候補に投票していた層に現実的な選択肢が出来たのです。実際、小池氏の得票は前回より数割減少し、石丸・蓮舫両氏の得票の合計数は小池氏を上回っています。

これはもちろん歓迎すべき変化です。単に選択肢がないために消去法的に信任を受けるだけの無意味な選挙とは意味合いが全く異なります。況や、人気投票とは比べるべくもありません。無論、有力候補が数人増えたところで、その体現しうる選択肢の軸はたかが知れていると言えばその通りではあるのでしょうが、単なる消去法よりは随分とマシです。

実際問題としては、現職が一定以上の支持を受けている場合等に、その選択肢が現実性を持つには対立候補は一人でなければ共倒れになるという問題もあります。これはジレンマですが、一発勝負の現行の選挙制度の下ではどうにもなりません。決選投票制を導入する他に解決の方法はないように思われます。選挙コストは上がりますが、私は必要なコストだと思います。

話が逸れました。かように、今回の選挙は地方選と言えども現在の日本国内で行われる直接選挙の最も重要なものとして、あるべき姿を指し示すいい選挙だったのではないでしょうか。こういうのを見ると、首相についても直接選挙による公選制を導入したくなりますね。もちろん議院内閣制の(ほぼ)廃止、すなわち憲法の大幅な改正が必要なので、現実問題としておよそ不可能なのですけれども。

ところで、今回の選挙の結果について、負けた側では色々敗因等の分析がなされています。個人的にはあまり意味はないと思いますが、石丸氏、蓮舫氏についてそれぞれ一点だけ触れておきます。

まず蓮舫氏。彼女については、当初対立候補の筆頭と目されていた氏が3番手になったという点が注目されています。それを受けて、その所属団体であるところの立憲民主党では、蓮舫氏や立憲民主党は支持されていないのかと落胆する向きも多数出ているようです。

が、これは的外れだと思います。今回の選挙を通じて、蓮舫氏や立憲民主党の側に、殊更これまでの実績やそれに基づく評価を大きく変動させるような要素はありませんでした。ではなぜこうなったのかと言えば、それは蓮舫氏とその属する立憲民主党という組織の元々の立ち位置によるものであると言う他ないでしょう。

すなわち、氏も立民も、元々、批判票の受け皿になる、という以上の評価を受ける存在ではないからです。これまでも、おそらくこれからも、現状に不満があって、現職等を支持したくない人の消極的な選択肢、その中での(それなりに)相対的な優位を得ているに過ぎないのです。

であるから、他に選択肢が現れれば、そしてそれが積極的な選択肢として成立し得るならば、元より消極的な選択肢が太刀打ちできる筈もなかった。これはただそれだけの話です。仮に石丸氏が立候補していなければ、おそらく蓮舫氏は善戦していたでしょう。場合によっては当選していた可能性も否定出来ません。そうであれば、自身の関係ない要素に左右される、あまりにも不安定な立ち位置と言わざるを得ません。

蓮舫氏というか同党については、その消極的で脆い立ち位置を、積極的な支持を受ける確固たるものに変える事が出来なければ、おそらく今後の選挙でも同じ事になるでしょう。つまり、他に有力な選択肢が現れれば支持されず、現れなければ与党への支持の有無・程度に結果が左右されるのです。いずれにせよ、そこに立民自身の寄与するところは殆どないでしょう。

従って、次の衆院選で立民が勝利する可能性は十分にあります。維新は未だ積極的な選択肢とは言い難く、むしろ万博絡みを中心に将来性への期待さえも失いつつあるようですから。ただ、仮にそうなったとしても、おそらくそれは全く長続きしないでしょう。与党への批判だけを頼りに票を得ても、それは党や政権への支持とは言えません。そんな党が与党になる、という事は、すなわち票を失うという事を意味します。そしてすぐさま議席を、政権を失う。元々実質的な信任がないのだから当然の事です。

そんな見え透いた、誰にとっても不幸にしかならない未来を回避するには、彼ら自身が責任を持って積極的な支持を受けられるだけの、すなわち与党よりよい政権、行政組織を構築・統括し、立法・行政ともに他者に左右されない絶対的な信任を得るに足る実体を備える他はありません。

今更そんなことが可能なのか、正直不可能なのでは、と思わざるを得ませんが、それでもそうするしかないのです。でなければ、実質的に選択肢にはなり得ないし、文句を言う口だけの無責任な人たち、といった不名誉な評価も拭えないでしょう。汚職や不正行為も、単に政権を担っていないから出来ないし追求もされにくいというだけで、自民議員のそれよりマシかというとそんなわけはないでしょうしね。むしろ自民より酷くなる可能性も小さくはないでしょう。評価出来るところが全くない、というわけでは無論ないのですが。それでは全然足りないのです。

次に石丸氏。彼については、色々と批判もそれへの反論も激しくなされています。パワハラ気質だとかアスペだとか、色々言われてもいるようです。どれも自治体の首長たるべき者として、問題なしというわけではありません。しかし、個々の点は、程度問題もあるにせよそれ自体がさほど大きな問題とは思いません。行政を担う者としては、その職務を全うする事が最も重要なのですから。極論すれば、違法の性質を帯びない限り、仕事が出来るならそれ以外は二の次です。

逆に言えば、仕事に支障が出るような点があればそれは問題と言わざるを得ないわけです。で、彼の場合はどう見ても仕事、すなわち行政機関の運営が出来るようには思われないのです。何故か?およそ人と協力する事が出来ないだろうからです。

彼の振る舞い、特に言動を見る限り、彼はそもそも他者とコミュニケーションを取る能力に深刻な障害を抱えています。なぜその言葉を受けてその応答なのか、相手が理解出来ず困惑する事態も頻繁に起こっています。

行政機関は言うまでもなく人の組織です。行政機関の事務の相手も地域の住民を中心とした人です。その運営において、何よりも必要なものはコミュニケーションの能力です。多種多様で時に複雑な人々の話を理解し、適切に対応出来なければならないのですから。そこで誤れば、場合によっては人命にも関わります。当然ながら、この点を軽視する人は、少なくとも自治体の首長としては失格です。

翻って、石丸氏はかなり極端な理想主義者のようです。やり取りを見ると、何事につけ「こうあるべきだ」という理想があって、それに沿わない発言があると、そのやり取りのコンテキストを無視してその点を批判し出します。

確固とした理想がある事、それ自体は美点と言えるでしょうが、状況によらずそれに拘り、話の本題をも無視するようでは本末転倒というもの。しかも石丸氏にはその理想やそれに拘る理由を相手にわかるように説明する気もなく、また相手の事を理解する気もないのだから、相手にとっては普通に(常識的な言葉で)話をしていた筈なのに、わけもわからず突然非難を受けるだけの状況に追い込まれるわけです。文字通り話になりません。

そんな彼が行政組織に入り、決定権や指揮権を持つとどうなるか。確実に機能不全を起こすでしょう。本来そんな事にかかずらわっていてはキリがないというかそんな暇はない筈の些末な事にこだわって時間を浪費し、無駄に事務を停滞させ、組織内の人員を疲弊させ、事務の遅延・遅滞により地域に損害を生じさせ、住民に不満を生じさせるでしょう。議会・議員と協力関係はかけらも築けず、最初から決定的に対立し、予算・人事の承認すらままならなくなるでしょう。

組織・設備等の改廃を独断かつ安易に強行しようとし、地域社会にリスクをもたらす可能性も小さくはないでしょう。もっともこの点については、偶然成功する場合もあるかもしれません。が、多数の経験豊富なスタッフによる行政組織の施策と素人の賭けとでは常識的に考えてそのリスクは比較になりません。相対的に悪い結果になる可能性は極めて高いでしょう。

そして必然的にその過程で受けるべき膨大な正当な非難と、それ以上に膨大な理不尽な非難を受け、その尽くと対立し、何もできなくなるでしょう。

そんな未来が見える、それが彼の決定的な問題だと思うのです。もちろん、実際に職につけばそれなりに現実的な対応をするようになるのかもしれませんが、今の時点ではその期待を持つ事は出来ません。単なる希望的観測による妄想に過ぎないのですから。

以上、簡単にと思いつつも長々と考えを巡らせてみたわけですが、結局のところ、小池氏の再選は妥当だったのだろうと言わざるを得ないですね。学歴詐称問題だとか、公約無視だとか色々非難は受けていますが、知事として最も重要な実績、すなわち安定的に知事職を全うしてきた事実はやはり何よりも重かった、それだけの事なのでしょうから。いかに知名度や話題性、そこそこの対立軸があろうとも、それを凌駕するのは容易ではないのです。

結果としては、大山鳴動して鼠一匹、いや狸一匹か、な感じではあるので、無駄に騒ぎすぎだとの思いも消えませんけどね。それでは。

6/23/2024

[IT biz] KADOKAWA・ドワンゴ経営陣発狂の理由

KADOKAWA、派手に逝ってますね。 

ニコニコ動画を中心にサービスがほぼ完全に壊滅し、復旧の目処すら立たない同社ですが、殆ど対外的な説明はなされておらず不明なために混乱に拍車がかかる一方の中、状況的に具体的な原因は恐らくはランサムウェアに引っかかったのだろうと言われていましたが、どうもそれが正しかったようです。

で、あろうことかKADOKAWAは要求された身代金を払ってしまったのだというのです。当然、味をしめた犯人側は要求を追加し、そこで話は止まっているのだとか。アホですね。

その旨を報じたのはNewspicksというニュースサイトですが、ざっと見る限りありそうな話だなという印象は受けました。一般市民としては、普通に怖いなと思うだけの、言ってしまえば普通の報道記事です。スクープに舞い上がっているのか、いささか誇張気味というか煽り気味な感じはしますが、1を100万位にするのが当たり前なYoutubeの動画やそれこそニコニコ動画上に溢れていたそれらよりはまだしも普通の感じです。つまり、現時点で報道の内容等に特段の法的な問題等があるようには思われません。ありふれたニュースの一つでしかないわけです。

ですが、KADOKAWAというかドワンゴの夏野社長(とKADOKAWA取締役の川上氏ら)がこれに噛み付いたのだそうです。曰く、「犯罪者の脅迫に加担する」等として。

もちろん意味不明です。少なくとも一般の第三者にとっては。事件を報道したからと言って、脅迫者に有利になると考える理由は一般にはありませんし、むしろ公的機関等の出動が促されたり、世間一般に対する教訓・警告・啓発等となって将来の被害を減少させる効果も期待できるだろう、と考える事も可能でしょう。というかそう考えるのが普通です。夏野社長の言う通りなら、脅迫事件一般の報道が不可能になってしまいます。そんなわけがないでしょう。誘拐事件のように、報道によって人命に危険が及ぶような恐れもありません。

夏野社長達の非難は不可解に見えます。では、夏野社長も川上氏も非常識なのでしょうか?勿論そんなわけはないでしょう。知識経験ともに豊富で、世間一般の平均以上には頭も回るだろう人達です。その事は承知の上で、それでもそういう発言をせずにはいられなかった、と考えるのが自然です。それはなぜでしょうか?

まず本件の状況を確認すると、KADOKAWAとドワンゴ、またニコニコ等のサービスがこれからどうなるのかはいまだに不明ですが、過去のランサムウェア被害の事例に倣えば、抜かれた諸々の情報は戻らないし、ロックの解除も行われない可能性がきわめて高いでしょう。つまり、もう取り返しがつかないという事です。この種の犯罪について、身代金を払えば解除してもらえる、等と期待するほうがどうかしているのです。従って、もうリカバリーは諦めて後始末をするしかないだろうわけです。再構築にもコストがかかりますから、見合わなければ事業を終わらせる事も決断せざるを得ないでしょう。これが発生直後の状況です。

この時点での損害は、主にユーザー情報の漏洩とシステムの破壊の2点で、損害は大きいもののいずれもKADOKAWAとその経営陣側には過失はあっても故意の損害は存在しません。ですので、ここで諦めて後始末に入っていれば、痛恨かつ残念無念、だけど仕方がない損害だ、としてそれで終わっていた筈の話なわけです。

なのに、身代金を払ってしまった。ほぼ確実に無駄になる金を。しかもおそらくは独断で。これは外部からの攻撃による単純な被害ではありません。経営陣の判断ミスによって会社に新たに生じた損害です。つまり、株主に損害を与えたものとして、取締役としての背任を法的に追求され得るのです。

経営陣としては、身代金を払っていなくても株主の責任追及、非難は避けられなかったでしょうが、単なるサイバー攻撃の被害という事であれば、取締役の注意義務には違反していないとの釈明が可能だったでしょう。つまり法的には何も問題がなかった。しかし、身代金を払ってしまった事で、取締役としての注意義務違反の疑いがかかってしまう状況になっているのです。KADOKAWA位の大企業であれば、大勢いる株主の中にそう判断する人がいる可能性は高いでしょう。現実に告訴される可能性は小さくないものと予想されます。

社会的にも、犯罪者ないし犯罪組織への利益提供を行い、犯罪を成功させ、もって犯罪行為の助長に寄与したとの評価も免れないでしょう。夏野社長は報道を指して脅迫に加担すると非難しましたが、自分たちこそが犯罪に加担するに等しい事をしていたと言えるわけです。もっともこの点は必ずしも法的に責任を問われるものではないでしょうからただちに致命傷とまでは言えないかもしれませんが、経営者として不適格との烙印を押されかねない失態ではあって、株主の信任喪失、すなわち解任につながる恐れも否定できないものと思われます。(なお、利益の提供先やその方法によってはこちらも普通に犯罪になっている可能性もあります。例えば送金先がロシアとか北朝鮮だった場合等)

無論、夏野社長達経営陣にそれがわからないわけはありません。当然にそれを認識し、しまったと思っても後の祭り、なんとか株主からの告訴等を免れたいと思っている事でしょう。顧問の弁護士は何をやっていたんでしょうね?弁護士に相談する余裕すらなかったのでしょうか。経営陣の誰かがランサムウェアを踏んで、その事実自体も隠蔽しようとして失敗したとか?まさかね。

ともあれ、もはや彼らには、できる限り身代金を支払ったという事実を隠蔽し、株主の注意をそらす位しかできることが無いのでしょう。それが件の意味不明な発言につながったと言えるのではないでしょうか。あるいは、この期に及んで犯人との交渉で解決する事で、身代金支払いが正当化される事を期待しているのでしょうか。まさかそんな無茶な。でも声明の文面はそうとも読めるんですよね。。。

おそらくKADOKAWA経営陣は今本当に追い詰められています。身代金支払いしかり、その後の意味不明な発言しかり、錯乱していると言っても過言ではないだろうテンパり具合です。流石にちょっと気の毒な感じはしますね。まあ、彼らについては、これまで莫大な報酬を得てきているのだから、こういう時に責任を取るのも当然というだけの話なのですが、その発狂に付き合わされる社員はじめ関係者には地獄でしょう。くわばらくわばら。

【極秘文書】ハッカーが要求する「身代金」の全容 

【検証】専門家は、KADOKAWAをどう見るか

KADOKAWA、一部報道に抗議 

5/11/2024

[note] Ubuntu24.04LTSリリース、いつになくやばげ?

UbuntuのLTS版、24.04がリリースされています。 

しかしこれが長らく見なかった位に不具合の恐れがてんこ盛りのリリースらしいのです。何でも、time_t型の64bit化のために大量のリビルドが発生し、それに伴うデバッグ等の検証修正が満足に行われていない様子なのですね。リリース直前までまともにパッケージが揃っていなかったとか、インストールやアップグレードが失敗する状態だったとかいう信じがたい話も聞こえてきます。

当然ながらLTS版はサーバー等の基本不具合等が許されない環境で使われるものなわけで、それがこの状態というのではとてもアップグレードする気にはなれません。恐ろしすぎます。

それに加えて、インストーラ等の刷新も加わっているというのですから、尚更です。失敗する気しかしません。以前snapが入った時にサーバーのアップグレードが上手く行かず、何度もやり直して四苦八苦した時の事を思い出しました。あんな怖い思いは出来れば二度としたくありません。

というわけで、今回はアップグレードを見送ります。勿論LTS版につき最終的には上げざるを得ないだろうのですが、通常通りなら夏頃に修正版が出る筈なので、それが出て、かつ問題ないと確信出来てからにしようと思います。

<追記>

修正版がリリースされました。 が、アップグレードプログラムに深刻なバグがあり、数日後に一旦取り下げられてしまいました。通常のコマンドからは22.04LTS->24.04.1LTSのアップグレードが出来なくなっています。駄目だこりゃ。

[note] Ubuntu24.04.1のリリースが延期、やはりヤバい模様

[note] Ubuntu24.04.1がようやくリリース

5/10/2024

[IT biz] Dellの顧客情報漏洩のお知らせが責任逃れ一色な件

やりやがった。そしてやられました。

先程、[Dellからの重要なお知らせ]とかいう怪しげな題名のメールが届いたのです。

詐欺かと疑いつつヘッダーを確認したところ、経路情報等からして珍しく本物らしかったので内容を確認したのですが、以前利用した際の私の個人情報が漏洩した、との極めて残念なお知らせでした。

調べてみると、2017年から2024年の間に利用した顧客の情報約4900万人分が漏れたそうです。私はその間にノートPCを購入していたので、ばっちり該当しています。

Dell曰く、漏洩したのは下記の情報だそうです。

・氏名

・所在地

・Dell製ハードウェアと注文情報

 (サービス タグ、製品説明、注文日、関連する保証の情報など)

併せて、財務情報・支払情報・Eメールアドレス・電話番号・その他機密性の高いお客様情報は含まれていない、との注意書きがありました。

つまり、Dellとしては氏名と所在地は機密性が低い、と主張しているわけですが、勿論そんなわけはなく、個人情報保護法に規定されている、保護されるべき個人情報に該当します。そして、Dellのような企業がその顧客情報(のデータベース等)をマーケティング等事業活動に利用していないわけはありませんから、諸々の規制の対象に該当する事にも疑問の余地はありません。漏洩時の個人情報保護委員会への報告義務等も発生している筈ですし、行政処分の対象になる可能性も否定出来ないものと思われます。

なのに、当該メール中では、一貫して「影響を受けた情報は限定的」で、「お客様への重大なリスクはないと考えています」等として問題を矮小化しようと詭弁を弄しています。謝罪はおろか、非を認める言葉すら一言もありません。

さらに、[Dellの対応]の項目では、調査・(今後の)対策・法的機関への通知を行った旨を告げ、「今後は状況を注視する」としています。要するに、顧客が被る損害に対する責任は何も取らない、というわけです。

まさしく無責任という他ありません。

何がどうすれば、こんな不誠実な対応が出来るのでしょうか。顧客の大半は納得しないでしょう。私も納得していません。強い憤りを覚えています。二度とDellとの取引はしないと思う位に。そんな人は他にも沢山いるでしょう。多分に、被害に遭った4900万人の相当割合がそう思っているのではないでしょうか。全く以て不愉快な話です。

Dell discloses data breach of customers’ physical addresses

4/25/2024

[IT] SNS上の投資詐欺について

ここ最近、Facebookや旧Twitter等のSNS上での投資詐欺について盛んに報道されています。

それ自体は以前からありふれた話でしたが、有名な企業経営者や起業家、また投資家等を騙るものが頻発したために、騙られた側の有名人側がSNSの運営側を非難したり、対応が不十分だとして訴える等の積極的な行動に出るのに併せ、各種メディア上で個別に一種のプロパガンダ的な発信をし始めたのがきっかけとなって広く報道されるようになったようです。

個々の詐欺の内容自体は以前からあったものと何ら変わりません。要するに非現実的なレベルの収益率を示して容易に莫大な利益が得られると騙り、投資資金もしくは手数料と称して金銭を騙し取るだけの話です。率直に言って騙される方がどうかしている、と言わざるを得ない程の使い古された稚拙なものです。

今回の詐欺は、それに著名な投資家の肩書がついただけで、勿論内容を見れば嘘だとすぐに分かります。専門知識など要りません。にも関わらず、それに騙される人が後を絶たないと言うのです。欲に目が眩む人というのは何時の時代も変わらず多いのですね。信じがたい事ですが。

昔なら、そういうリテラシーの低い人と詐欺師の接点があまりなかったために起こらなかっただろう被害が、SNSという個人同士が容易に濃密な情報のやり取りを行える場を得て顕在化してしまったのが現状という事なのでしょう。その意味では時代的に必然の結果だとも言えそうです。

その必然的な現状に対し、SNS業者等は否応無しに対応を求められているわけです。彼らは勿論この種の問題について昔から把握していたでしょうし、おそらく今のような、被害が看過出来ない程に拡大し、抜本的な対処を社会的に迫られる事態も想定していたでしょう。ですが、実際にはなかなか対応は出来ていないようです。そして、それを非難されている。サービスの管理運営者として、またそのサービスから収益を得る者として、責任を負っている以上はある程度はそれも仕方ないのでしょう。実際問題として、彼らがシステム的に対処する以外に有効な手段がないというのも事実です。

ただ、今回の話で一義的に非難されるべきは詐欺師です。SNSはあくまで不特定多数が相互に自由なやり取りをするコミュニケーションの場であって、SNS事業者は、その場上で行われるコミュニケーションの内容には原則として中立であるべき立場にあります。通信の秘密や表現の自由の観点からは、内容には立ち入るべきではないし、その義務があるとも言えます。

言い換えれば、SNS事業者による介入は、必然的に検閲の性質を帯びるのです。とりわけ、今回問題になっているような投資詐欺への対処のためには、個別のやり取りの内容をリアルタイムにチェックし、詐欺行為が行われているかどうかを判断する必要があります。

著名人を騙っているかどうかを判断するにも、前提として投稿される全ての画像や音声等を解析し、かつそれぞれの投稿者の素性を調べておき、本人かどうかを照合する必要があります。まさしく検閲です。

疑わしい場合のみチェックすればいいじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、疑わしい場合というのを洗い出す時点で、全ての投稿データを調べる必要があるのです。調べなければ、疑わしいかどうかもわからないのですから。

当然、その処理には莫大なリソースが必要です。悪名高い中国の検閲システムと同等かそれ以上の事をしようというのですから当然です。国家権力の裏付けのない一民間事業者には、地理的な優位性も、SNS外のユーザーのバックグラウンドデータ等もありません。そもそも個別のデータをチェックし、詐欺かどうかを判断するのにも、技術的にも著しい困難を伴うでしょう。

NGワードを設定すれば済むような話ではないのです。通常の投資関連の話題と投資詐欺を正確に区別し、かつ厳密な本人確認もしなければなりません。完全な対処はおよそ不可能で、典型的なパターンをフィルタリングする経験的方法による対処もいたちごっこになるのは目に見えているし、事実上不可能と言ってもいいかもしれません。なお汎用的なAIは正確性が不十分なため、補助的にしか使えません。

 つまり、SNS上での投資詐欺へのシステム的な対処は、法的な面と技術的な面の両方で容易ならざる障害を抱えていると言えるのです。対処がなかなか進まないのも無理からぬところと言うべきでしょう。

今回の件で著名人やそれに倣うメディアはSNS事業者を非難しています。対応が遅い、甚だ不十分だ、等として。しかし、上記のようなSNS事業者の置かれた立場とその困難さを考えれば、それは理不尽な要求であり、やってはいけない事だと思うのです。あくまで要望のレベルに留めるべきでしょう。

詐欺行為に自身の名前や画像を利用される著名人の方々が不満を覚えるのは当然の事だとは思いますし、それにメディアが同調するのも自然な事だとは思いますが、詐欺を行っているのはあくまで個々の悪意あるユーザーであって、SNS事業者ではないという前提を改めて認識する必要があるのではないでしょうか。

個人的には、あの程度の、およそありえない投資話に騙されるようなアホな人を減らす方が現実的だと思いますね。あと、詐欺師を積極的に摘発するとか。

そういう事を思うのです。

3/20/2024

[biz] マイナス金利政策終了で開く地獄の釜

ようやく。長きに渡り続いたマイナス金利が終わりました。もっとも、事実上は既に終わっていて、それを今回ようやく追認したというだけの事なのですけれども。

当初は異次元の金融緩和の一環として、短期間の例外措置という体で始まった同政策ですが、その目的であった経済の成長が全く得られないまま、従って止め時を見失い、失敗を認められない政府・日銀の無能によって、延々と続いていた事は誰もが知っている通りです。

得られたものは株式等のバブルだけと言っても過言ではないでしょう。

一方、債権市場の機能喪失をはじめ、ゾンビ企業の大量発生に各種のバブル等、その副作用により決定的に取り返しがつかなくなったものの大きさも尋常なものではありませんでした。ただ、これだけ長く続けばそれも恒常的なものとなり、表面的にはそれなりに安定を見せるようになっていたのも事実です。バブルが安定というのもおかしな話ですが。

しかし、その歪で危うい安定もとうとう終わります。

原因は複合的ですが、直接の原因はインフレと言ってよいでしょう。ただ、目標としていた経済成長に伴うそれではなく、世界的な物価高と円安の二重要因による単純な物価上昇です。それによる国内経済への影響、特に国内消費の減少は既に深刻なレベルにあります。もはや輸出の増加では補えないほどに。

この状況を作り出した張本人である故安倍元首相と黒田元日銀総裁は、既に退場しました。安倍元首相が暗殺された事が、この異常な経済政策を終わらせる契機になった事に疑いの余地はありません。逆に言えば、氏が退場させられる事がなければ、今もまだマイナス金利は続いていた事でしょう。

それが良い事だったのか、悪い事だったのかは誰にもわかりません。個人的には、ここまで諸々の債務が膨張し、売ることも出来ない資産を日銀が抱えて身動きが取れなくなってしまっていては、多少時期が前後したところで大した違いはないだろうと思いますが。

ところで、マイナス金利解除の影響はどういうものでしょうか。既に各所で山ほど議論されているように、その予測は非常に困難です。言うまでもなく、各種の要素が絡み合って、時に増幅したり反発したりで混沌的な挙動を見せる関係にあるからです。例えば以下のような。

・円金利上昇=円の価値上昇

 主な影響 円高・円建て資産の価値上昇

      輸入コスト減・輸出減・国内物価低下・消費増

・資金調達コスト上昇 

 主な影響 投資減・経済活動縮小・倒産増・不動産市場縮小・バブル崩壊

      債権価値減

      金融機関増収(利息のみ)

上記の項目だけを見ても、各種の資産や通貨の価格への影響はプラスに働くものとマイナスに働くものが混在している事は明らかです。例えば、金利上昇により通貨単体として見た円の価値は上がりますが、国内経済の縮小や債権の価値下落(の見込み)によって経済活動と結合した資金としての円の価値は下がります。また同時に、消費の増加により資金としての円の価値は上がる側面もあります。さらに、為替市場を通じて投機的な動き等も加わりますし、貿易を行う企業はそれぞれレートを一定期間固定して実質的に独自の金利を用いた取引を行います。

本来なら、金利はその予測も制御も困難な経済活動を規律するための数少ないツールとして決定的な役割を果たす筈のものだったのですが、その喪失を政府・中央銀行が自ら進んでやってしまっていたのです。日銀があの状況、政府も債務で押しつぶされそうな現状にあっては、今更その機能を取り戻す事が出来るのかすら怪しいでしょう。

特に資金調達コストの増加は、およそ全ての商取引の現場に甚大な影響を及ぼします。長らくほぼ0だったものがそうでなくなるとなれば尚更です。

ゼロ金利解除と言っても、当然ながら金利が上がれば、1000兆円を越えて積み上がったあの国債残高は利払い費という形で政府の支出を破滅的に増大させます。他国のように数%の水準にまで上げる事は極めて困難というか、そこまで上がった時点で既に財政は破綻しているでしょう。1%の利払いにつき国家予算の1割超を持っていくのですから、数%となれば利払いだけで当然に支出の半分とかになります。無理です。借り換え前に償還すればいいと言うかもしれませんが、それはそもそも不可能です。

当然、その引受を担っている日銀も道連れになります。つまり国家の財政部門は崩壊します。従って、逆に言えば、破綻を避けるために金利は上げられない筈です。実際、それこそがこれまでマイナス金利が維持されてきた主たる理由なのですし。

しかし、だからと言って、例えば1%以内等の低水準に留めておけるものでしょうか。海外各国は当然のようにそれを遥かに超える水準にまで利上げをし、それでもインフレを制御出来ていないというのに。繰り返しますが、経済活動は元々制御困難なものです。今回の措置に追い込まれた原因たるインフレ等の流れが、金利を少々上げただけで落ち着くと楽観できる根拠は何もありません。

金利を本格的に上げる他に術がない、という残酷な現実が明らかになった時、政府・日銀は、どうするのでしょうか。何が出来るのでしょうか。何も出来ないのでしょうか。

要するに、溜まりに溜まったツケを払わされる時が、迫っているのかもしれません。

[gov] 日銀がゼロ金利放棄

2/01/2024

[biz] トヨタ本体も消えそう

・・・と言ってしかるべき状況になったわけですが。 

流石の影響力というか資金力というかスポンサー力というか。日野・ダイハツの場合と比べ、非難・追求の動きが明らかに鈍いようです。

今回不正が発覚したのは豊田自動織機で、内容は前2社と同じく検査不正、すなわち性能偽装による認証の不正取得です。対象のディーゼルエンジンを搭載する10車種が生産・出荷停止となり、その中にはランクル・ハイエース等の主力車種が含まれています。特にハイエースはトヨタを代表する主力中の主力です。やっぱりというか、ついに来たかとかいう感じがしますね。

豊田自動織機は形式的には子会社ではありますが、周知の通りそれは形式的なもので、実質的にトヨタ本体の一部、すなわち今回の件はトヨタ本体の不正と言えるものです。対象車種からもそれは明らかです。

そして、不正の内容やその原因たる企業体質等はまず間違いなく日野・ダイハツの場合と同様であろうと思われるわけです。というか、2社の体質等はトヨタ本体の体質・方針が波及したものと考えるべきでしょう。本体が子会社を支配し、人事権や組織の編成権も握っている以上、その逆はあり得ませんし、2社が本体の影響を受けず独立に同体質になったというのはもっと考えられません。

まあ、ぶっちゃけ日野とダイハツのあの上から下まで腐り切った状態を見せられて、その親玉であるトヨタ本体は違うと思える人なんて、最低限の認知・判断能力さえあればありえないでしょうけど。 やっぱりね、と納得するだけの事です。

そうである以上は、トヨタ本体も当然に日野・ダイハツと同様の末路を辿って然るべきなわけです。少なくとも、そうでないと考える理由はなく、そうだろうと予想する理由・前例は既に十分です。

そもそも、今回対象になった豊田自動織機はトヨタの巨大な開発部門のごく一部に過ぎません。その他の各子会社や本体の開発部門・検査部門等でも同様の不正はまず間違いなくあったでしょう。少なくともその疑いは非常に強い。これから広範に捜査・摘発がなされて然るべきだし、そうなれば山ほど違法行為が発覚するだろうと思われます。当然予想される結果として、世界有数かつ国内トップの生産台数を誇る自動車メーカー、その生産の全部とまではいかずとも、相当部分が停止する事になるものと思われます。信用も失墜します。

その影響は言うまでもなく甚大です。トヨタ側も役員・部門・各社員共に保身に走るだろうし、利害関係者は追求に及び腰にもなるでしょうね。何しろ自分が失職したり、会社・部門が潰れたりする可能性があるわけですから。トヨタレベルの得意先が消滅でもすれば、立ち行かなくなる会社も多々あるでしょう。

お得意様No.1の攻撃に及び腰になったメディア各社はじめ、国交省や財界、全国・全世界に散らばる数多の取引先等がこぞって忖度という名の擁護・自己防衛に励む姿が目に浮かぶようです。

クソ喰らえです。スペックの偽装などという自動車メーカーとして絶対にやってはいけない犯罪を組織ぐるみで犯し、それが一部発覚してなお改めようとしない姿勢は到底容認できるものではありません。お得意のカイゼン、その対象は自分の目先の利益になる事だけだったようです。

そうであれば、この惨状も、TPSの結果と言えるのでしょう。果てしなく思えたカイゼンの行き着いた先が粉飾まみれ、犯罪組織になっての破滅とは、皮肉が効き過ぎてませんかね。

それを擁護するメディア・政財界・取引先等も同罪と言う他ありません。ユーザーや社会の事なんかよりトヨタ様の方が、正確にはトヨタ様との商売の方が大事って事なんでしょう。そんなに大事なら、一緒に破滅すればいいと思います。

[biz] 日野に続いてダイハツも消えそう

[biz] 日野自動車、全車販売不能・・・まさか廃業? 

12/21/2023

[biz] 日野に続いてダイハツも消えそう

ダイハツがやらかしてくれましたというか、やり続けていた事が明るみに出たというか。多分にご臨終のようです。

詳細は省きますが、近年の同社製自動車のほぼ全車種について、衝突時のエアバッグの動作試験等の安全性関連を含む認証試験で、テスト車に細工したり結果をすり替える等の重度の不正が行われていた事が確認されてしまいました。本件はリコールで対応出来るところの生産レベルの問題ではなく設計レベルの問題のため、あえなく現行全車種の生産販売の停止に追い込まれ、当然ながらその解決の目処は立っていません。というかこれから本件にどう対応するのか、その目星すらついていません。少なくとも長期間、生産販売含め事業がほぼ完全に停止する事は避けられないでしょう。トヨタグループの軽自動車部門として長年トップシェアに君臨し続けた同社ですが、突如として存亡の危機に直面してしまいました。

本来なら、リコールで対応すべき所、なのですが、そうもいきません。認証試験で不正をした、という事は、つまり設計・開発の時点でその認証試験をパス出来ないものだという事で、それを解消するには、設計レベルで修正が必要なわけです。それには少なくとも一車種あたり数年はかかる事が確実だし、規模が規模なので、修正したとしても生産もできません。安全性の部分が含まれているので、国交省としては特例等で販売分は問題なし、とか出来るわけもないでしょうし。だとすると、普通に考えれば金銭で賠償する他ないという事になるのでしょうが、それはそれで額が莫大すぎて、ダイハツを潰しても払えない、という。どうしたものでしょうか。

原因は、非現実的な短期間での開発スケジュールの強制との事。自動車は新型車の方がよく売れる事と、単純に開発期間が短ければそれだけ開発費が少なくて済むため、開発期間を削れば削る程、車種あたりの利益は跳ね上がります。当然、経営側は限界まで削ろうとするわけですが、新車種が新車種たるためには何らかの技術的進歩が求められます。燃費の改善はもとより、居住性や利便性、安定性、視界の広さ等等。加えて原価の低減も求められます。ご自慢のトヨタプロダクションシステムのカイゼンというやつです。

その中で、最重要なのは燃費改善と低原価の2点でしょう。これに最も効果的なのは軽量化です。軽量にすればするほど、つまりフレーム等の鋼材を削れば削る程、燃費も価格も下がります。しかし、当然ながら安全性も低下してしまいます。長年開発を続けていれば、出来る事はやり尽くしていて、改善の余地など殆ど残っていないでしょうから、そのトレードオフは、これ以上やったら十分な安全性を担保できない、というところまで行き着いているだろう事は容易に想像できます。技術的な頭打ちというやつです。

でも、技術的にもう無理だ、となっても、それまでのカイゼンの成功に味を占めた経営側は、それまでと同レベル以上の開発成果を求めるのです。最初の内は無理をすれば何とか出来るかもしれません。しかし、何とかする毎に越えるべきハードルは更新されていきます。ハードルが下がる事はありません。加えて開発期間は短縮され、只でさえ実現困難なそのサイクルが早まる、すなわちハードルが上がる速度も加速する。すぐに不可能に行き着きます。しかしカイゼンの要求は止まりません。技術的に不可能な要求が果てしなく繰り返されるようになるわけです。開発部門にとっては絶望的と言う他ないでしょう。

技術的に不可能なら、取れる道は2つだけです。その事実を経営側に断固として主張し、開発目標を拒絶するか、出来もしないのに出来る、出来たと嘘をつくかです。本来なら前者を選び、不可能な目標を捨て、現実的に達成可能な目標を模索すべきところですが、ダイハツの開発部門は後者を選んでしまった、というわけです。

同情すべき点がない、とは言いません。経営側からの要求を撥ね付ければ、多分に部門自体が無価値とされ、職を失う可能性があり、そうでなくとも、事業ひいては会社の存続等を盾に取ったパワハラというのも生易しい程の無責任な非難にさらされ、叱責され、追い詰められるだろう事は目に見えています。声を上げた者に代替案を出せ等と責任が押し付けられる、というような理不尽な事も企業ではよくある話です。そんな中で、出来ない、と毅然と主張し、その姿勢を貫く事は困難極まりない事でしょう。

しかしです。それでも酌量する事は出来ません。彼らは、安全性に関わる部分の試験までも粉飾の対象とし、事故の際にユーザーの命を守る事を放棄しました。何か間違いがあれば容易にユーザーの命を奪う自動車の、その命を守るための安全性の担保は、そこだけは何があろうと自動車メーカーの開発部門として絶対に放棄してはいけない部分です。それを放棄したダイハツ、その開発部門には、もはや自動車を作る資格がないものと断ぜざるを得ません。

この状況を作り出した経営陣はさらに罪が重い事は言うまでもありません。こんなに長期間、広範に不正をせざるを得ない状況にあって、開発部門が全く状況を経営層に伝えなかったなどという事はあり得ないし、ありえませんが仮に全員が揃って全く状況がわからなかったと言うなら、それは経営層の全員が自社の事業の実態を一切知らないと言うに等しく、経営者としての最低限の責務を完全に放棄した、無能という表現では到底足りない、背任者だという事なのですから。組織としても破綻しています。

結局のところ、ダイハツがやった事は自動車製造会社として致命的で、規模、態様ともに救いようがないと言う他ありません。はっきり言えば、ダイハツは潰れるしかないのでは、とも思うのですが、国内有数の巨大企業ですから、言うまでもなくその影響は甚大です。潰してはいおしまい、というわけにはいかない。日野の例に倣えば、国内の他社、つまりスズキホンダ日産のどれかに買収される事になるんでしょうか。いずれにせよ、本件は不正がユーザーの命に直接関わる点で日野より悪質なので、もうどうしようもないでしょうね。残念です。

11/21/2023

[note] Ubuntu23.10にアップグレード

半期に一度の恒例行事です。

今回のバージョンは23.10、コードネームはMantic Minotaur。占い師のミノタウロスさんです。 また空想の世界に飛んでしまいました。ミノスの怪物が占いとか意味がわかりません。むしろ妄想?

更新内容は、重要なものはほぼServer版のみで、Desktop版については殆ど変化なしですね。update-managerからいつものように更新実行、程なく完了です。

ざっと動作確認。結果、サウンド問題なし、グラフィック・フォント問題なし、日本語入力問題なし、ウィンドウ位置問題なし。基本部分は何も問題ありませんでした。いつもこうであってほしいですね。

なお、これはどうでもいい話ですが、カードゲームのSolitaireの見た目が変わっています。元々は昔ながらの、Windowsで言えばXP以前のドットのはっきりした素朴なトランプの絵が採用されていたのですが、今回のバージョンからWin7以降のグラデーションを効かせたモダンな見た目に変更されていました。見た目だけの話なのでどうでもいいんですけど、Linuxでもそういうところを気にするようになったんですね。遅まきながらの変化を感じます。中身の仕様変更は困りますが、こういう変化なら多分一般ユーザーにも受け入れられやすくなる方向だろうし、歓迎したいと思う次第です。

というわけで今回はここまで。

11/03/2023

[PC] 中華ミニPCのウィルス感染発覚とその対処について

先日、いわゆる中華系の安価なミニPCを買ったんですけれども。これがウィルスに感染していたのです。いや正確に言えば購入時から感染していたのか、使用するうちに感染したのかは不明につき、"していた"と言えるかはわからないのです。しかし、似たような使い方をしていた他のPCでは長年に渡って感染した事はありませんでした。という事は本機に特有の原因があった筈であり、また購入間もない事からして、おそらくは購入当初から感染していたか、バックドアの類が仕込まれていた可能性が極めて高いだろうと思われるのです。やれやれです。というわけでその内容と対処の経緯をメモ。

対象のPCは、TRIGKEY G3のメモリ8GB、SSD256GB版。CPUはN5095、Jasper Lakeです。今となっては型落ちの、しかも売れ筋だったN5105より下位グレードのものですね。今まさに人気沸騰中なN100等のAlder-Lake Nと比べると数割程度も処理能力が劣ります。とは言っても、Atom系列のCPUはJasper Lakeを境にmeltdown等の影響も概ね脱し、性能も飛躍的に伸びていますから、N100では出来るけれどN5095では出来ない、なんて事はほとんどありません。メインはLinuxな私ですが、Windowsのサブ機にちょうどよさそうだし安くなったら更新用に一台確保しておいてもいいかな、と思っていたのですが、それが数ヶ月前、まさにAlder-Lake N搭載機の登場でJasper Lake機が型落ちになったタイミングで投げ売りされて、捨て値と言うべき1.1万円位にまで下がっていたので購入したわけです。OSがWindows11Proだったので、そのテスト機も入手出来た、という事で都合が良かったのですね。ライセンス的には大丈夫なのか、という気もしますが、まあもし駄目になったらその時はLinuxにすればいいや、と。

使ってみると、予想通り性能面ではほぼ問題はありませんでした。もちろん重い画像処理や科学計算、3Dゲーム等は出来ない事もありますが、逆に言えばそれ以外は特にストレスもなくこなせます。というわけでそれなりに気に入り、BIOSが特殊かつ旧式で思うように設定出来ない等の細かな不安は抱きつつも、サブ機として時々触る程度ながら気持ちよく使っていたのです。

しかし、しばらく経った頃、妙にファンがうるさい事に気づいたのです。触ってみると明らかに熱い。温かいではなく、触り続けていられない位に熱い。最近のAtomラインのSoCは発熱が割と多いとは聞いていましたが、それにしても熱すぎました。処理能力を目一杯使うゲームをしている時等ならいざ知らず、動画の再生等をしているに過ぎない時でも、すぐにファンが回りだすのです。そもそもTDPは15Wなのに。

これは明らかにおかしい、というわけでタスクマネージャを見てみると、あにはからんや、見慣れないプロセスがCPU使用率トップに張り付いています。プロセス名は[Extended Copy Utility]、実行ファイルはxcopy.exe。これが常に30%から50%程度回り続けていたのです。

xcopy.exeと言えば、DOS時代からあるファイルコピーコマンドの拡張版です。昔は標準ではなく、しかしディレクトリのコピー等をするには必要だったのでわざわざ入れたりしていました。当然ながら、これの実行時に消費されるのはストレージの転送帯域で、CPUなど殆ど使われません。本来ありえない状態です。

加えて、当該プロセスをタスクマネージャから強制停止しても、すぐに復活します。単なるコピープログラムではありえない挙動です。これでxcopy.exeがウィルスプロセスである事が確定した、というわけです。以下は分析と対処です。

実行ファイルの所在地を見てみると、C:\Windows\WinSとなっていました。もちろん正規のフォルダではありません。その中には以下の4つのファイルが入っていました。

[ウィルス実行ファイルフォルダ(C:\Windows\WinS)内容]

 xcopy.exe (7.96MB)

 wd.bat (383B)

 WinRing0x64.sys (14.2KB)

 wmpnetwk.exe (323KB)

この内、xcopy.exeがウィルスで、wd.batはWindows Defenderのチェック範囲から本フォルダやexeファイル等を除外する設定を加えるバッチファイルです。残り2つの役割はよくわかりません。おそらくこれらも偽装されたウィルスの一部なのでしょう。なお、ウィルスがxcopy.exeの名前を騙るのは割とよくある話なんだそうで。元々標準ではなく、後付で入れる事が多いプログラムであり、ウィルスの感染経路・偽装先として適していたからってことなんでしょうけど、迷惑な話ですね。

それでこのxcopy.exeは何かと言うと、仮想通貨のマイニングを行うウィルスなんだそうです。英語ではminer virus等と呼ばれているようです。トロイの木馬の一種ですが、基本的には情報の流出やランサム的な挙動をする事はなく、ひたすらCPUの演算リソースを食いつぶすタイプのウィルスです。だから発熱するんですね。ウィルスの中ではまだおとなしい方と言えなくもないでしょうけれど、当然ながら電力は無駄に消費するし、熱がPCの寿命を縮めもします。有害なものには違いありません。というわけでさっさと対処します。

まず、現在実行されているウィルスを止めます。なお、以降の処理(コマンド入力等)は管理者権限が必要なので、管理者権限で起動したコマンドプロンプト(Powershell)上で実行します。

[ウィルスの停止]

 1. 実行ファイルの削除(もしくは名称変更・移動等)

  xcopy.exeを削除します。もしくは適当な別の名前(xcopy_virus.exe等)に変えます。

  その他の3ファイルも同様に。

 2.タスクマネージャからxcopy.exeを停止

  [プロセス]タブから、[Extended Copy Utility]を選択、[タスクの停止]を実行

 3.プロセスが復活しない事を確認

  タスクマネージャ上で、[Extended Copy Utililty]が復活してこなければ成功

以上でとりあえずウィルスの活動は阻止出来ます。が、これで終わりではありません。本ウィルスは、おそらく自身がWindows Defenderに削除されないよう、Windows Defenderにスキャンの除外設定を加えています。そのため、このままだと新たなウィルスの感染を防止出来ず、再発の危険も高いままです。これを修正しておく必要があるのです。

Windows Defenderにどのような設定が加えられたかは。wd.batに記載されています。というか、wd.batによって設定変更が行われたものと思われます。その中身は以下の通りです。

 [wd.bat]

 @echo off

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionPath C:\Windows\WinS

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionPath C:\

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionExtension ".exe"

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionExtension ".zip"

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionExtension ".bat"

 @powershell.exe Add-MpPreference -ExclusionExtension ".sys"

おわかり頂けたでしょうか。これらは要するに、C:\Windows\WinSとCドライブをスキャン対象から除外し、さらにそれ以外の場所にあるexe,zip,bat,sysの各ファイルもスキャン対象から除外する、というものです。事実上Windows Defenderが無効化されるに等しいものですね。確認のため修正前にWindows Defenderのスキャンを実行してみましたが、スキャンの種類(クイック・フル等)を問わず、スキャンが一瞬で終わるようになっていました。無防備そのものです。

上記の除外設定をそれぞれ逆の処理、すなわち除外リストから削除するコマンドを打って修正します。具体的には以下の通り。管理者権限ありのPowershell上で行います。

[Defender設定修復コマンド]

 $ Remove-MpPreference -ExclusionPath C:\ 

 $ Remove-MpPreference -ExclusionPath C:\Windows\WinS

 $ Remove-MpPreference -ExclusionExtension ".exe"

 $ Remove-MpPreference -ExclusionExtension ".zip"

 $ Remove-MpPreference -ExclusionExtension ".bat"

 $ Remove-MpPreference -ExclusionExtension ".sys"

以上で修正出来ます。実行後、[設定]から各種スキャンをして、スキャンが正常に行われる事を確認し、問題なくスキャンが実行されるならOKです。

ただ、私の環境では、除外設定修正後も、スキャン対象に含まれた筈の上記xcopy.exe(名前は変更)等はウィルス判定されませんでした。おそらく、これらのファイルは、ウィルス一般によく見られる自己複製やファイルの改変等の各種の悪意ある(と判定される)処理を行わず、マイニング処理に特化しているため、現バージョンのWindows Defenderからは通常のマイニングプログラムと判定されているのではないかと思われます。だとすると、wd.batの除外設定は本ウィルスにとっては不要なもので、無駄にPCを危険に晒すものと言えるわけですが。。。なんか間抜けですね。うーん。 

今回やった事はこれで終わりなのですが、一点だけ心残りというか、不明な点が残っています。何かというと、ウィルスプログラムであるところのxcopy.exeが起動されたルートがわかっていない点です。タスクマネージャのスタートアップ、ユーザのスタートアップフォルダ、レジストリのスタートアップを確認し、不要なものは無効にしておきましたが、確実にこれだという確証は得られていない状態なのです。

一番可能性が高いだろうのは、Realtekのオーディオ関連アプリへの偽装でしょうか。レジストリ上のスタートアップ(HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run)に、当該アプリ(RAVCpl64.exe)を起動する設定があったのですが、その実行プログラムがある筈のフォルダを見てみるとこれが空だったのです。推測するに、このアプリがウィルスのブートかバックドアの窓口役を担っていて、しかし上記の対処の過程でWindows Defenderのスキャンにより削除されたのではないかと推測しているのですが、今となっては確認も出来ません。原因がわからない、というのはやはり気持ち悪いですね。

ともあれ、以上でウィルスの除去とDefenderの設定修正は完了です。

その後、しばらく様子を見ながら使用してみましたが、ウィルスが復活する事はありませんでした。低負荷動作時にファンが回る事もなくなり、至って静かになったのです。これが本来の姿でしょうし、一安心です。

ただ、静かではあるのですが、発熱はそれなりにしますね。触り続けられない程ではありませんし、ウィルスが動いていた時と比べれば随分とマシなのですが、それでも触ると熱いです。まあ、これが購入前の評判で見聞きしたところの、結構発熱する、という事なのでしょうし、正常な事なのでしょう。しかし、以前のAtom機で見られたような、ファンレスが当たり前に可能だったのと比べると、SSDはもちろん、その他の部品にもダメージは大きそうで、耐久性に不安が残るのはやはり残念ではあります。そこら辺は安かろう悪かろうという事で割り切るしかないのかもしれませんね。ともあれ、今回はこれでおしまい。

8/25/2023

[pol] 信用がないから愚かなのか、愚かだから信用がないのか

アホだアホだとは思っていましたが。。。今回の件は流石に呆れ果てました。

福島第一原発の冷却水、放射性物質としてはトリチウムのみを含む通常の冷却水ではなく、メルトダウンに伴い放出され続けているセシウムやストロンチウム等の一次的な放射性物質を含有した重度の放射能による汚染水を、一応ある程度処理した、として処理水と東電・日本政府が呼ぶところの液体を、近隣諸国及び近辺の漁業関係者中心に多数が明確に反対する中、海洋放出を強行するに及んだ本件ですが。

当然の結果として、予想通りに韓国・中国では日本産の海産物の不買・禁輸等が実施されました。それによって経済的な損害を被る国内の漁業関係者をはじめとする利害関係者からは、予想されたその被害を防ぐ手立てを何ら講じる事もなくただ漫然と放出の強行に及んだ日本政府へと非難が集中しています。

そして、非難を逸らそうとでもいうつもりなのか、日本政府は、禁輸の解除を中国等に要請したとされています。放出を続けたままで。その要請は当然ながら拒否というか無視されました。

愚かにも程があるというものです。そもそもの話として、なぜ処理水の排出に反発が起きているのか、理解していないとしか思えません。根本的に、日本政府は信用されていないのです。中国や韓国は、日本は嘘つきだと考えているのです。なのに、信用を得るための努力を何一つすることなく、問題ないとの建前だけを繰り返し、自分勝手な都合だけを優先して、抗議も何もかもを無視して強行したのです。見限られて当然というものです。

東電・政府ら当事者は、処理水に含まれる放射性物質の割合が国際的な基準以下だ、だから放出は実質的(科学的)にも法的にも問題がないのだ、と繰り返しています。それはその通りでしょう。ただし、それは利害関係者以外の第三者の検証を経て、利害関係者、殊に不利益を受ける側から見ても客観的に信頼の出来る事実と認められる限りにおいての話です。

しかるに、本件の放出水について、その放射性物質を除去する装置を準備し、処理を行っているのは東電とその関係企業であり、その結果すなわち残留物質の成分・濃度等を検証しているのも東電もしくは日本政府の支配下にある機関です。第三者ではありません。粉飾はあまりに容易です。実際に粉飾が行われているか否かは関係ありません。監視・検証の結果問題ない、と言ってもそれは全て自己監査、自己弁護でしかない時点で無意味なのです。会社法でも、自己監査は許されておらず、監査対象たる業務に関係する者は監査役になる事は出来ませんし、その他の経営の監視を担う役職にはさらに厳密な社外性が要求されます。それと同じです。自社の業務・会計の監査を自社の人間が行い、全て適正と主張したところで、誰がそれを信じるというのでしょうか。融資も取引も即刻打ち切られるに決まっています。

その上、本件のような重度の汚染水から放射性物質を取り除く処理がこのような規模・期間に渡り継続的に実施された事例、すなわち実績は当然存在しません。技術的にも未熟で、信用がないのです。当然、除去の精度についても疑義がかかります。セシウムやストロンチウムが大量に放出されているのではないかと。放出が長期間続けば、その汚染は取り返しのつかないレベルになるのではないかと。それを否定する実績がない以上、当事者たる東電や日立等の技術担当にすら保証は不可能でしょう。

つまり、本当に放射性物質は除去されているのか、客観的に見て到底信頼出来る状況ではない。にも関わらず、その検証を行っているのは疑われている当事者自身。それでも国内ならまだ自国の政府・機関についてそれなりの情報があり、盲目的な信頼を寄せる向きもあるでしょうが、海外であればそれすらもない。犯罪の容疑者も同然と見なされているのです。もともと信用もない容疑者が無根拠に言う大丈夫、が信用されないのは当たり前の話です。 誰だって、それが嘘だとの前提に基づいて行動します。その結果が、禁輸措置であり、不買運動であり、抗議であるわけです。至極当然の結果という他はありません。

ついでに言えば、そもそもの話として、現在の状況を招いた原因が生じた時、すなわち原発がメルトダウンを起こした時点で、既にセシウムやストロンチウム等の放射性物質を陸上・海上問わず大量に撒き散らしてしまっています。日本は、放射性物質による汚染の前科があるのです。ただでさえ客観的な保証がないのに、前科者が、今度は大丈夫だから、等といくら主張したところで、信じてもらえる筈もないのです。

放出を止めない限り、禁輸等の措置は解除される筈もありません。そして、放出は少なくともこれから30年以上に渡り続きます。"処理水"が増え続けている事を考慮すれば、30年で済むわけはなく、半永久的に続くでしょう。つまり禁輸措置等は半永久的に解除されないでしょう。

このような状況で、何をどうすれば呑気に禁輸措置を解除しろ等と言えるのか。言うだけ言って、何もしない等という振る舞いに及べるのか。そもそも、放出の強行などできたのか。信じがたく、理解に苦しみます。状況を理解出来ないアホだから、以外に説明をつける事は困難とさえ思います。

元より信頼も信用も出来ないと知ってはいましたが、ここまでとは。愕然を通り越して絶望というのはこういう事を言うのだなと、思い知らされてしまったのです。もう駄目なのではこの政府。