だそうで。
3月ごろに中大型車用エンジンで試験時の不正が発覚し、前代未聞の型式指定取り消しを食らって中大型車の事業が事実上廃業状態にあった日野自動車ですが、案の定というか、小型トラックでも同様の不正が発覚してしまいました。めでたく販売停止です。なお、OEM先のトヨタでも該当する車種は販売停止。えらいこっちゃ、です。
本件はまだ発覚したばかりにつき、国交省が大型車と同様に型式指定の取り消し処分を下すかどうかは不明ですが、当然ながらその可能性は極めて高いものと予想されます。そうなった場合、日野自動車はその生産・販売するほぼ全車種が事実上販売出来なくなる事になるわけで、もしかしなくても廃業するしかなくなるわけですね。
仮に廃業せずに再生を目指すとして、これから型式指定を再取得するにも、そもそもの性能自体が未達である以上、開発からやり直しになるわけで、何年かかるのかすらわからない、と。もう笑うしかありません。まあ、トヨタが見捨てなければ資金的には問題ないんでしょうけれども。
本件、3月の発覚以降様々なところで同社の硬直的で非合理的な、ぶっちゃけ大手メーカーにありがちな「無理な事を無理と言えない、言わせない」企業体質が原因であろうという話が多数流れています。それが事実であれば、この惨状も、ただ目の前の検査を乗り切れさえすればいい、という技術者、生産者としての最低限の倫理さえも捨て去った詐欺師たちには必然の結果だったのでしょう。
それにしても、いくら眼の前の事しか考えられなくなるといっても、この手の不正は一度でも行えば雪だるま式に膨らんでいくものなのであって。開発の当事者であれば、いずれこうなるのも時間の問題だという事くらいは流石にわかりそうなものですが、その程度の事も考えられなかったのでしょうか。救いがたい話です。
日野、主力の小型トラックでもエンジン性能試験の不正…大半の車種が販売不可能に
<追記>
その後、立ち入り検査等を経て、一部機種では生産再開の許可が下りた模様です。全面的な生産停止は避けられた、ということで、一応廃業は回避できそう・・・なのでしょうか。と言うのも、大型等の既に指定が取り消されたエンジンについては何も救済はなされず、少なくとも数年生産出来ない事に変わりはありませんし、今回新たに4機種で性能不適合につき指定取消となり、生産不可能となった範囲は広がってしまいました。さらに今後の検査で不適合となった機種については同様に指定を取り消す旨も明示されましたので、状況としてはあまり変わってはいないのかもしれないのですね。