10/30/2017

[biz] Nikonが中国のカメラ工場を閉鎖

ニコンが中国のカメラ工場を閉鎖するんだそうです。

具体的には、中国の子会社であるNikon Imaging Chinaを解散、清算し、それに伴って同社の所管工場を閉鎖する、という事です。

理由は言うまでもありませんが、コンデジの販売不振というか需要の消滅によるものです。市場規模自体がピーク時比で約10分の1、というのではどれだけブランド等で強みがあろうと話になりません。特に中国工場は主にローエンド機種の生産を担っていた筈で、そこらは数が出ないと採算が取れない、にも関わらず稼働率の低下は致命的な程で、またその回復見込みも無い、どころかさらに市場全体が縮小するものと見込まれる、とあっては、ニコン自身の努力ではどうする事も出来ないでしょう。売却ではなく廃止、というのは多少なりともったいない気はしますが、売却先があるわけもない以上はそれも致し方ないところでしょうか。

一方で、一眼はじめハイエンドの生産拠点であるタイの工場は今回閉鎖する工場からの一部移管も受けつつ存続しますし、そもそもニコンにおけるコンデジカテゴリの製品は元々OEM中心であったのに加え、ここのところは新製品の発表も途絶え、開発自体が実質的に止まっているも同然の状態でしたから、今回の閉鎖が市場やユーザに与える影響はさほど大きなものではないのかもしれません。ただ、単3電池で動くA10等の系列が消えたりするとちょっと困るユーザは出るのではないでしょうか。乾電池駆動機種は今となっては貴重な、それなりに売れている筈のラインなのだし、安易に切ったりはしないとは思われますけど、低価格カテゴリに留まらざるを得ない以上、コスト面からやむなくまとめて廃止になる可能性もありそうです。さて、ニコンはどういう判断を下したのでしょうか。


何にせよ、本件はまあ時代の流れだし仕方ない、で終りの話ではあります。ただ、ニコンはこれからどうするんでしょう。存続するハイエンドカテゴリも不振には違いないわけですし、注力するとは言っても既に性能・機能的に概ね枯れてしまっている感もあります。レンズ等を大幅に値上げした影響で、単価は上がりつつもユーザ数自体が減少してもいます。半導体製造装置関連も芳しくない話が聞こえてきます。落ちるとなればあっという間なこのご時世、気がついたら丸ごと何処かに身売りしてました、となっても不思議ではありませんが、さて。

スマホの台頭でニコンの中国コンデジ製造工場が操業停止

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