Googleがまたやらかしたそうです。
先日米国等で発売されたスマートスピーカーの廉価版Google Home Miniについて、ユーザが何の操作も事前の許可もしていないにも関わらず、勝手に起動して周囲の音声等のデータを収集し、Googleのサーバにアップロードしていたんだとか。普通に盗聴ですね。
本件に気づいたユーザによれば、その頻度は日に数千回にも及んでいたとのこと。プライバシーも機密も何もあったものではありませんね。恐ろしい事です。元々、この種のデバイスはユーザ公認の盗聴機になりうる、といった指摘は至るところでされていたわけですが、まさか初っ端からこんな全開で仕込んで来るとまでは思いませんでした。さすがGoogleと言うべきでしょうか。
Googleの公式発表によれば、本件は起動コマンドの"Ok,Google"と同じ役割を持つ、本体の動作(タッチ)スイッチ部分のバグで、タッチしていないにも関わらずタッチがあったものとして動作してしまう個体が少数存在した、との事ですが・・・。そんなバグがあり得るの?と。その手のアクティブ系の処理は、一般に意図的に作り込まない限りは生じ得ないだろうし、少なくともミスで入り込むようなものではない筈なんですが。また、単なるタッチ入力のスイッチに、そんな決定的な個体差が、しかも少数のみ生じた、というのも信じ難い話です。
率直に言えば、Googleの故意である可能性はとても高いものと疑わざるを得ないわけです。何せあのGoogleですから。もっとも、本当の所はGoogleにしかわからないし、とぼけられればそれ以上追求するのは困難なのですけれども。一応、廉価版という事で、単に品質管理がなされておらず不良品が紛れ込んでいただけ、という可能性も無いではないのですし。それはそれでどうかとも思いますけど。
というか、現地で主に問題とされているのは、Home Miniが勝手に起動した、という点なのですが、個人的にはこれにも違和感を禁じ得ません。起動後、起動中に周囲の音声等を収集してGoogleのサーバに送信するのはいいんでしょうか。私は音声自体が送信されるのに忌避感を覚えるし、Googleがその気になれば同意もなしに自由に盗聴出来てしまう、という事実自体にも恐怖を感じるのですが。。。
何と言うか、米国人は一般にプライバシー云々をよく主張する割に、この種の機能や処理への無頓着な態度は何なんでしょう。解せません。しかし、米国でこの種のAIスピーカーがよく売れているのは事実なのだし、その辺の、利便性やら先進性やらを優先して前言をあっさり覆す類の一貫性のない態度も、お国柄とでも捉えて理解を諦めるしかないような話なのかもしれませんね。
無論、米国人とその社会がその辺に寛容な態度を示し、結果としてプライバシーを失うのは勝手ですし、とやかく言う筋合いもありません。が、それはあくまで勝手にする限りの話、万が一にも私の周りには入って来ないで欲しいと強く願う次第なのです。もっとも、今の所は国内で普及する見込みは無いように見えますし、実際のところそれほど心配する必要はないのかもしれませんけれども。気がついたら盗聴社会になっていた、というのだけは勘弁願いたいところです。
Google had to disable a feature on its new $50 smart speaker after the gadget listened in on some users
本件を受けて、流石のGoogleもヤバいと思ったのでしょうか、即座に対応したそうです。ただ、その方法が、問題(と主張するところの)本体スイッチの機能を殺す、という、何と言うか、酷く乱暴なやり方なのにはちょっと困惑というか引きますけど。修正しようと思えば簡単に修正出来そうなものだし、ハードのエラッタなら選別すればいい話です。なのにこういう選択をしたという事は、単に修正するコストを嫌ったのか、意図的との指摘が図星で焦ったのか、修正したとしても残るだろうプライバシー侵害のイメージを嫌ったのか。いずれにしろ、そんな製品の機能デザインのキモになる部分の仕様変更、それもカットする方向の変更をもあっさり決断してしまうあたり、Googleはやはりハードウェアの事業はやる気ないのかな、と思わされてしまうのです。これまでのGoogleが取り扱ったハードの辿った末路とかから察するに、また1年とかで放り出したりしちゃいそうで、こういう雑な対処をする事でそういう認識が広まると尚更売れなくなってしまうだろうと思うんですが、まあGoogleにしてみれば大した問題でもないんでしょうねきっと。少なくとも金額的にはゴミみたいなものでしょうし。
Google disables Home Mini's top button so it won't record everything