ここで追加緩和ですか・・・。増税、またそれに付随するコスト主導型の物価高から来る需要縮小を主要因にした経済低迷には何ら効果がある筈もなく、そもそも只でさえ資金は行き場がない程に余っているところ、得られる効果はぶっちゃけ株・債権の価格吊り上げ位のもの、実体経済に対してはおよそ無意味だと思われるわけで。名目はデフレ対策だそうですが、今更何寝言を言ってんのかって話です。GPIFのリスク資産運用比率引き上げの件同様、このままだと増税を見送らざるを得なくなるから、さしあたり今だけでも底上げしようって事なんでしょうけれども。
FRBの緩和終了とまさに真逆の対照的な決定ですが、これでいよいよ円の底が抜けるのかどうか。そこまで行かずとも貿易赤字がさらに膨らみ、輸入に依存するあれこれがさらに値上がりもして国内需要はそれだけ縮小もするだろうし、国内経済は無論、中長期的な安定とか均衡とか、先の事はまとめて完全に捨てた恰好になりました。従って、現状の問題を解決するどころかさらに悪化させる可能性の方が高いようにも思われる、控えめに言っても悪手だろう決定なわけです。
元より、単に都合のいい願望を抱いて安直にも不備だらけで実績もない手に賭けて一発逆転の大博打に出たら案の定外れでした、けど取り返しは付きません、ってだけの話です。賭けに負けた時点でどう転んでも先が無い事には変わりない、とはいえ、そう死に急ぐ事もなかろうと思うし、早めに負け分の清算をした方が損失は抑えられるだろうとも思うんですけれども、膨れ上がる諸々を前にもう取り繕う事すら出来なくなったって事なんでしょうか。現実として日銀には他に取りうる手がないわけですが。
ともあれ、これで一応株価は上昇し、当面はいくつかの指標を名目上底上げ出来る可能性は高まりました。この一事を以って、過去の事実、現在の実体、予想される先行き、その全てに目を瞑りつつ、景気に回復傾向が見られる、だとか強弁してさらに増税を重ねるんでしょう。そしてまた、ここ最近繰り広げられたところの、物価上昇と需要縮小、それが規模を拡大して再生されるわけです。
その辺の見通しについては、絶望的、と言っていいんでしょう。とはいえ、一番肝心な、というか結局は全てが集約されるところの各種基幹産業はじめ実体経済の成長については、勇ましい掛け声とは真逆に、その実現を図るどころか逆に大きく縮減させる措置しか実施してこなかったのだから、現状もむしろ当然の帰結と言うべきものとしか思えないわけで。今更あれこれ騒ぐ話でもないし、実際のところ、この惨状を見ても何も感じなくなってしまいました。本当の絶望は無関心に転じる、ということなんでしょうか。何にせよ、どうしようもないのですから、どう捉え、どう振る舞おうとも何の問題もないでしょう。どうとでもなればいいのです。例え、その先に待つものが破滅であろうとも。
日銀、追加緩和を決定 資金供給10兆~20兆円拡大 賛成5、反対4で決定
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