さすがにこれはどうかと。いや、金絡みで辞任に追い込まれた閣僚2人の後任人事の件ですけれども、法相の上川氏というのが全く理解出来ないのです。
元々本件は適正を軽視した、単なる女性優遇の安直な人事が招いた失態である事は疑いようのないところなわけで。いや、女性の登用自体は別にいいのです。いいのですが、問題の担当がよりによって経産、法務と、内閣の中でも特に専門性が高く、かつ高度な実務能力が必須になるポジションでしょう。
そこに門外漢とか諸々能力の足りない人物だとかを女性だからというだけで任命したら高確率で失敗するのは目に見えてる、というかまさにその失敗した結果として今の惨状があるわけですよ。なのにまた畑違いの上川氏を、まず間違いなく氏が女性であるが故に任命するとか、過ちを反省するどころかまんま繰り返してるだけなわけで、到底正気とは思えないのです。
女性の社会進出、その推奨自体は誠に結構な話ですが、男性だろうが女性だろうが、それなりの職責を担うにあたっては当然ながらそれ相応の能力を備える事が絶対に必要なのであって。結局のところ、どのような組織でも、それなり以上に重要なポジションには性別を問わず最高の適正・能力を備えた人物が就かなければ立ち行かないものです。というより、往々にしてそれでもなお足りない位なわけで。さらにそこに軽視や誤りが入れば、自由競争環境下では容赦なく淘汰されるだけだし、競争原理が直接作用しない環境であっても、今回のようにおよそ当然に失敗して報いを受ける帰結に至る事は自明の理というものです。
本来、女性の社会進出を推奨するのなら、その手段は、まず第一に進出するに足るだけの能力を備えた女性を十分に増やすもの、すなわち育成を主とする政策でなければならない筈です。それこそ幼少時から各分野のエキスパートを育成するだとか。政府が実施しているような、不当な人事を排除する類の登用推奨策等はその次、補助的なものでしかあり得ません。それを時間やコストがかかるからと基礎をすっ飛ばして形だけを整えようとしたのがそもそもの決定的な間違いなのであって、現状行われている政策は結局のところ実質的に単なる女性優遇に過ぎません。社会に成長をもたらすどころか、不適格な人材配置によって組織を機能不全に陥らせる危険すらある、本末転倒そのものであって極めて不適切な政策と言う他ないわけです。
そう思って冷ややかに眺めていれば案の定大炎上して、あまりの阿呆さ加減に呆れ果てていたところに今回の後任人事でまさかの上川氏ですよ。もはや言葉も冷笑も蔑すんだ目すらもありませんね。
例によって民間でも、某IT系とか自動車グループだとかのいつものメンツあたりで、女性登用が数値目標を定める形で進められているという話があるわけですが・・・流石にここまで適正無視な人事は自殺行為とわかるでしょうからまだマシにはなるんでしょうけれども、ちょっと前なら旧三洋とかの酷い例もあるし、第一政府がここまでやってるんだから、と勢いで多少なりとやってしまうケースもあるだろうわけで。ちょっと洒落になりません。どうしてくれるんでしょう。何も考えてないんでしょうけど、そうであれば尚更に罪深いと思うのです。
経産相に宮沢氏、法相に上川氏内定