航空機、ロケット等のチタン製部品の検査ラインで洗浄を省略していて、表面に微細な破損がある部品を出荷していたと。その数30万点、1600種類という事だから、平均で各種200個の超小ロット生産の特注品、チタン製である事からすると、多くは極めて重要な機体の基幹部品であろうと推測されます。傷があっても問題はない、とか言ってますが、些細なイレギュラーが致命的な不具合に繋がる可能性が多々あって、品質については極限までシビアなロケットや戦闘機等の部品の品質に対する見解としては、到底信じられるものではないでしょう。
そもそも量産品でもないのにたった3分の手間を惜しみ、かつ欠陥品を平気で出荷する、その感覚自体が信じがたい所です。他の工程とかでも同じような事をやってんでしょ、とそういう嫌疑がかかるのも避け難いでしょう。そういう細かな欠陥が重大な結果を生む、積み重なればそれだけその可能性は飛躍的に高くなる、だからいかに些細な工程であっても手抜きは許されない、そんな当たり前の事も理解していないのかと。酷い話です。トヨタ方式の弊害ですかね。
ただ、発覚の経緯が内部告発という事で、その点は、素直に見れば良心ある技術者の存在を示すものではあるし、今後の対応如何によっては更生の可能性なきにしもあらず、かもしれない、そこは慰めにはなるでしょう。一般的には、告発者のあぶり出しやら報復やら、かえって悪い方向に走る可能性の方が高いわけですけれどもね。さて。
三菱重工が航空部品製造で「手抜き」 社内告発で判明