6/02/2011

[biz] シャープ液晶の設備過剰

テレビ用の大型パネルは堺に集約、亀山は小型パネルに転換するとか。シャープの国産液晶テレビの代名詞だった亀山ブランドの終焉。海外等へ移転するのではなく、国内の近隣工場への集約という事で、生産・輸送コストの問題ではなく、単に生産力の過剰重複を減らすためだけの施策である事は間違いないでしょう。ほとんど唯一と言ってもいい有力ブランドを捨ててでも、生産設備の稼働効率を上げなくては立ち行かない、売上激減に伴う現在のシャープの設備過剰、その苦境が端的に現れているように見えます。

堺工場は、ソニーに梯子を外されてからこっち、まともに利益を稼ぐ以前にシャープにとって完全なお荷物と化してしまったわけで、かといって今更捨てる事も出来ず、こうするより他ない事はまあ理解できる話です。それでも全然埋まらない位の過剰だろう筈ですが、まだ成り立つ話ではあるでしょう。コスト面でペイしないかもしれませんけど。

それより、小型液晶に転換する予定の亀山第二の今後の方が問題でしょう。いくら高付加価値と言っても、流石に大型液晶と小型液晶では単価があまりにも違うし、スマホ・タブレットが成長中ではあるけれど、既に供給過剰な位で、その差を埋めるだけの新規需要があるとはとても考えられない所です。どうするつもりでしょうね。そもそも散々懸念されていたのに堺を強行した自業自得なのだし、別にどうなろうとシャープの勝手なんですけれども。

-------追記
台湾勢との提携、正直弱者連合にしか見えませんけど、Chimeiはそれなりに頑張ってる所ではあって、安く作る能力はシャープよりは遥に高いし、無いよりはマシには違いないんでしょう。関係ないけど、確か前に交換したDELL D630の液晶モジュール、元のパネルはChimei製だったっけ。シャープの販路増となるか、逆に食われるか、さてどっちかな、と。いずれにしろ、韓国勢に対抗するには規模が足りてないんでしょうけどね。

シャープ、鴻海と液晶で合弁交渉 サムスンに対抗 部材を共同調達