舌禍の最中にあるメア氏の発言、原文が公開されていたので読んでみました。これはひどい。概ね、単なる主観的詭弁というか、平たく言えばただの悪口に過ぎないものでありました。客観的で緻密な状況認識が最も重要とされ、行動にも細心の注意が求められるところの外交事務の現場担当者の言としては、全く持ってお粗末と言わざるを得ません。
その真偽は当事者でなければわからない所ではありますが、一般的に言ってこの種の言説、すなわち自己の意見、都合に合わせて極端な傾向を示す一群を取り上げて一般化してレッテルを貼る、というのは差別主義者等に典型的な詭弁に他ならず、極めて信憑性は低く思われ、うんざりさせられるものであります。またその前提であるところの、発言全体を通して語られている氏の日本人観も、建前と本音一色、何時の時代のステレオタイプかというようなもので。そんな器用な人は今時そんなにいないでしょうよ。というか、殆ど個人単位でミクロな立場、対立軸が入り乱れる現代日本で、特にこじれにこじれた沖縄に関して、そんな単純な話はありえないでしょう。このあたりの認識も、いかにも知性が足りない感が否めません。仮にも日米同盟の要諦を担う立場の人なのに。逆にあまりにややこしいからもう嫌になって考えることをやめた、とかいう事なのかもしれませんけれど。それならちょっとお気の毒。
そこまでではなくとも、余程日本にいる時に嫌な思いをしたんだろうな、とは思うのですけれど、日米双方とも、さすがにこれは受け入れられないだろうし、結局のところ氏の更迭は不可避に思われます。もっとも、氏の発言の中でさんざんこき下ろされている日本の現政権、民主党の方は、不幸な事に氏の発言通りの体たらくなわけで、後継も多かれ少なかれ似たような感じの認識を持つ帰結になりそうなのがなんとも。
しかし、どうにも最近、言わなくてもいい事を言ったり、なんでそんなしょうもない事するの、というような事をして自爆する人が多すぎる気がします。もうちょっと余裕を持つべきだと思うのですが。これも時代の空気というものなのでしょうか。
United States Department of States Briefing
December 3rd, 4pm, at the Department of State